(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154256
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
D06F39/08 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067991
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】前田 一成
(72)【発明者】
【氏名】田中 正昭
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA02
3B166AA05
3B166AA11
3B166AA12
3B166AB03
3B166AE01
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3B166DD01
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3B166DE04
3B166GA12
3B166GB03
3B166JM01
3B166JM03
(57)【要約】
【課題】微細気泡の発生量を増大させることで洗浄効果等を一層高めることができる洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機1は、筐体2内に配置された外槽6と、外槽6に接続された排水管16に上流側端部26が接続されると共に、筐体2と外槽6との間に設けられたパッキン8に下流側端部27が接続された循環経路25と、循環経路25に設けられ、循環経路25を通じて洗濯水を循環させる循環ポンプ30と、を備える。循環経路25の下流側端部27寄りの位置R2又は下流側端部27には、微細気泡を発生させる微細気泡発生部40が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置された外槽と、
前記外槽に接続された排水管又は前記外槽の下部に上流側端部が接続されると共に、前記筐体と前記外槽との間に設けられたパッキン又は前記外槽に下流側端部が接続された循環経路と、
前記循環経路に設けられ、前記循環経路を通じて洗濯水を循環させる循環ポンプと、を備え、
前記循環経路の前記下流側端部寄りの位置又は前記下流側端部には、微細気泡を発生させる微細気泡発生部が設けられている、洗濯機。
【請求項2】
前記微細気泡発生部は、前記循環経路をなす配管材料に一体的に成形されている、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記循環経路の前記下流側端部は、前記パッキンに接続されており、
前記微細気泡発生部は、前記下流側端部に設けられると共に前記パッキンの内部に組み込まれている、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記下流側端部は、前記パッキンの高さ方向における上半分の範囲内に位置する、請求項3に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯機において、微細気泡を含んだ機能水(微細気泡水)を水槽へと供給することによって洗濯性能又は洗浄効果の向上を図る技術が知られている。例えば特許文献1に記載された洗濯機では、外部の給水源から供給された水道水が、水道水供給経路と機能水供給経路を経て水槽に供給される。機能水供給経路には、微細気泡発生器が設けられている。微細気泡発生器の下流側は、混合ケース又は注水ケースを経て水槽に接続されている。特許文献2に記載された洗濯機では、給水源に接続された接続口から水槽上部の注水口に至る複数の給水経路の少なくとも1つに、微細気泡発生装置が設けられている。微細気泡発生装置は、加圧溶解装置と微細気泡発生器とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-183052号公報
【特許文献2】特開2021-137385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したとおり、微細気泡(ウルトラファインバブル等)の発生器を搭載した洗濯機が知られているが、従来の洗濯機では、給水時に、水は一度しか発生器を通らない。よって、微細気泡の発生量が限定的であった。
【0005】
本発明は、微細気泡の発生量を増大させることで洗浄効果等を一層高めることができる洗濯機を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る洗濯機は、筐体内に配置された外槽と、外槽に接続された排水管又は外槽の下部に上流側端部が接続されると共に、筐体と外槽との間に設けられたパッキン又は外槽に下流側端部が接続された循環経路と、循環経路に設けられ、循環経路を通じて洗濯水を循環させる循環ポンプと、を備え、循環経路の下流側端部寄りの位置又は下流側端部には、微細気泡を発生させる微細気泡発生部が設けられている。
【0007】
この洗濯機によれば、洗濯水が循環する経路である循環経路に微細気泡発生部が設けられるので、洗濯水(循環水)が微細気泡発生部を繰り返し通過する。しかも微細気泡発生部は、外槽に近い位置に配置されるので、繰り返し微細気泡発生部を通過することで発生した多量の微細気泡が、その発生量を維持したままで(ほとんど減少することなく)外槽内に供給される。これにより、微細気泡の発生量を増大させ、それによって洗浄効果等を一層高めることができる。
【0008】
微細気泡発生部は、循環経路をなす配管材料に一体的に成形されていてもよい。この構成によれば、別体で製造された発生器等を組み付ける場合に比べ、コスト(製造コスト及び組立コスト)の低減が図られる。
【0009】
循環経路の下流側端部は、パッキンに接続されており、微細気泡発生部は、下流側端部に設けられると共にパッキンの内部に組み込まれていてもよい。この構成によれば、微細気泡発生部がパッキンの内部に組み込まれていることで、コスト(製造コスト及び組立コスト)の低減が図られる。またパッキンの位置から微細気泡を含有する洗濯水が槽内に直接供給されるため、洗浄効果等が更に高められる。
【0010】
下流側端部は、パッキンの高さ方向における上半分の範囲内に位置してもよい。この場合、微細気泡を含有する洗濯水が洗濯物に当たりやすく、より一層効果的である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、微細気泡の発生量を増大させ、それによって洗浄効果等を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係るドラム式洗濯機を示す断面図である。
【
図2】
図2は、
図1のドラム式洗濯機において、循環経路とそれに設けられた微細気泡発生部を示す正面図である。
【
図3】
図3(a)は、
図2中の循環経路を成す配管材料のみを示す図であり、
図3(b)~
図3(d)は、微細気泡発生器の各例を示す断面図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係るドラム式洗濯機において、循環経路とその端部に設けられたパッキン組み込み型の微細気泡発生部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0014】
以下の説明では、
図1又は
図2に示した互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を洗濯機1の説明に使用する場合がある。X方向及びZ方向は、
図1に示した洗濯機1の設置状態における前後方向及び高さ方向(又は上下方向若しくは鉛直方向)に対応する。また
図1の紙面に垂直な方向が、
図2に示したY方向であり、洗濯機1の設置状態における左右方向に対応する。本明細書において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を示す用語は、洗濯機1の設置状態に基づいた用語である。
【0015】
まず
図1を参照して、第1実施形態に係る洗濯機1の全体構成について説明する。洗濯機1は、例えば、ドラム式洗濯機である。洗濯機1は、例えば直方体状の筐体2を備える。筐体2の形状は適宜に変更可能である。筐体2の一部(何れかの面等)が丸みを帯びていてもよいし、筐体2の前面等が、Z方向(鉛直面)に対して角度をなし、傾斜していてもよい。筐体2の前面には、開閉自在な円形のドア3が取り付けられている。筐体2の前面には、洗濯物が投入される円形の投入口4が形成されている。投入口4は、ドア3によって閉鎖され、又は開放される。
【0016】
筐体2内には、外槽6及びドラム(洗濯槽)7が配置されている。外槽6及びドラム7は、何れも有底円筒状を呈する。外槽6は、筐体2内において複数のダンパ11とスプリング12とにより弾性的に支持されている。外槽6内には、ドラム7が回転自在に配置されている。外槽6及びドラム7は、例えば、X方向に延びる中心軸線に関して同心状に(同軸に)配置されている。外槽6は、ドラム7の開口部7aの前方に位置する円形の開口部6aを有する。
【0017】
外槽6の開口部6aの周縁部と筐体2の投入口4の周縁部が、弾性材料からなる円環状のパッキン8により連結されている。パッキン8は、例えばワイヤ等によって、外槽6及び投入口4に対して外周側から締め付けられ、固定されている。パッキン8の断面形状は、適宜に設定されてよい。
図1に示されるように、パッキン8は、その断面形状において周縁部同士の間の間隙に突出する凸部を有してもよく、或いは、凸部と凹部が組み合わされたS字状の断面形状を有してもよい。閉じられたドア3の周面がパッキン8に接触し、投入口4とドア3との間が水封される。
【0018】
ドラム7内には、洗濯物が収容される。ドラム7の内周面には、多数の脱水孔7bが形成されている。ドラム7の内周面には、更に、前部においてバランサ7cが設けられると共に、周方向に等しい間隔で複数の(例えば3つの)バッフル7dが設けられている。
【0019】
筐体2内であって外槽6の後方には、ドラム7を回転させるための駆動モータ9が設置されている。駆動モータ9は、例えば、アウターロータ型のDCブラシレスモータである。駆動モータ9の回転軸9aがX方向に延び、ドラム7の一部に連結されている。回転軸9aとドラム7は、プーリや減速機構等を介して連結されてもよく、直接連結されてもよい。駆動モータ9は、洗い工程及びすすぎ工程時には、ドラム7内の洗濯物に加わる遠心力が重力より小さく洗濯物がタンブリングするような比較的低い回転数で、ドラム7を回転させる。駆動モータ9は、脱水工程時には、ドラム7内の洗濯物に加わる遠心力が重力より大きく洗濯物がドラム7の内周面に張り付くような比較的高い回転数で、ドラム7を回転させる。
【0020】
筐体2の後部には、給水管13及び給水バルブ14が配置されている。給水管13は、可撓性を有するホースであってもよいし、ホース以外の配管材料から構成されてもよい。給水バルブ14が開かれることにより、水道栓からの水道水が給水管13を通じて外槽6内に供給される。外槽6は、洗濯水を貯留可能である。本明細書において、「洗濯水」は、洗濯物の洗い工程及びすすぎ工程等の各工程に応じた液体を意味する。したがって、洗い工程では、洗濯水は洗剤などを含む水(液体)でよいし、すすぎ工程では、洗濯水は水でよい。またすすぎ工程において、洗濯水に柔軟剤が含まれてもよい。
【0021】
外槽6の下部には、下方に窪んだ窪み部6bが形成されている。窪み部6bには排水管16が接続されている。排水管16は、例えば、第1排水管16a及び第2排水管16bを有する。これらの第1排水管16a及び第2排水管16bは、可撓性を有するホースであってもよいし、ホース以外の配管材料から構成されてもよい。排水管16は、外槽6内の洗濯水を排出する。洗濯水は、排水管16が例えば下方に向けて配設されることにより、排水管16を通じて自然流下にて排出される。第2排水管16bは、例えば洗濯機1の機外へ(下方へ)延びている。第1排水管16a及び第2排水管16bを通じて洗濯機1から排出された洗濯水は、防水パン等に設けられた排水口を通じて排水される。なお、排水管16のレイアウトは適宜に変更されてもよい。
【0022】
洗濯機1は、例えば排水管16の途中に設けられ、洗濯水に含まれる異物を捕集する排水フィルタ20を備えている。例えば、排水フィルタ20は、第1排水管16aの下流端に接続されると共に、第2排水管16bの上流端に接続されている。第2排水管16bには、例えば排水バルブ17が設けられている。第1排水管16a、排水フィルタ20、及び第2排水管16bは自然流下による排水路を構成している。排水バルブ17が開かれることで、外槽6及び第1排水管16aから流下した洗濯水は排水フィルタ20に導入され、排水フィルタ20を通過後(ろ過後)に、第2排水管16bを通じて排出される。
【0023】
洗濯機1は、使用者によって操作される操作ボタン、及び、上述した駆動モータ9の駆動、給水バルブ14の開閉、及び排水バルブ17の開閉等を制御するコントローラ(何れも図示せず)を備える。コントローラは、使用者による操作に応じて、予め記憶されたプログラムに従って洗濯機1における種々の運転を行う。また
図1では、洗剤投入装置、及び、(洗濯機1に乾燥機能が設けられる場合には)乾燥機能に係るヒータ、ファン、ダクト等の各部の図示は省略されている。
【0024】
続いて、
図1~
図3を参照して、第1実施形態の洗濯機1に備わる微細気泡の供給機構について説明する。
図1及び
図2に示されるように、洗濯機1は、外槽6内の洗濯水を循環させるための循環経路25を備えている。循環経路25は、外槽6の下部から洗濯水を導入し、例えば、外槽6の上部へと洗濯水を戻す。循環経路25をなす配管材料は、例えば、可撓性を有するホースであってもよいし、ホース以外の配管材料であってもよい。
【0025】
図2に示されるように、循環経路25の上流側端部26は、例えば、排水管16の第2排水管16bに接続されている。これにより、循環経路25には、排水フィルタ20によるろ過後の洗濯水を導入することができる。循環経路25の下流側端部27は、筐体2と外槽6との間に設けられたパッキン8に接続されている。パッキン8に対する下流側端部27の接続位置は、例えば、パッキン8の高さ方向(Z方向)における上半分の範囲R1内に位置する。すなわち、下流側端部27は、パッキン8の上半分の範囲R1内に位置する。より具体的には、下流側端部27が、パッキン8の最上部に設けられてもよいし、最上部を中心に左右何れかに中心角で45°以内の範囲に設けられてもよい。
【0026】
洗濯機1は、さらに、循環経路25に設けられた循環ポンプ30と、循環ポンプ30の下流側(吐出側)に設けられた微細気泡発生部40とを備える。循環ポンプ30は、循環経路25を通じて洗濯水を循環させる。循環ポンプ30は、上記したコントローラによって制御されて、オンオフする。循環ポンプ30によって洗濯水が循環させられる際には、排水バルブ17は閉じられ、循環バルブ21は開かれる。循環ポンプ30は、洗い工程及びすすぎ工程において、連続的又は間欠的に稼働する。
【0027】
循環経路25は、循環ポンプ30の上流側(吸込側)に接続される第1循環配管25aと、循環ポンプ30の下流側(吐出側)に接続される第2循環配管25bとを有する。循環ポンプ30は、例えば、上流側端部26寄りに設けられる。すなわち、第1循環配管25aは第2循環配管25bよりも短い。循環経路25上において、後述する微細気泡発生部40の位置を特定するため、便宜上、循環経路25全体の中間位置25cが定義され、中間位置25cよりも下流側が、下流側端部27寄りの位置(又は範囲)R2と定義される。
【0028】
微細気泡発生部40は、循環経路25の下流側端部27寄りの位置R2に設けられている。より詳細には、
図3(a)に示されるように、微細気泡発生部40は、循環ポンプ30の吐出側に接続されたポンプ接続部25baと下流側端部27との間の中間位置25d(すなわち第2循環配管25b全体の中間位置)よりも下流側の位置(又は範囲)R3に設けられている。微細気泡発生部40の位置は、循環経路25のレイアウトや筐体2内の各部材(パッキン8を含む)のレイアウトによって適宜に変更されてよいが、下流側端部27にできるだけ近いことが望ましい。
【0029】
微細気泡発生部40は、洗濯水が所定の圧力を持って通流することで、洗濯水内に微細気泡を発生させる。
図3(b)~
図3(d)にそれぞれ例示されるように、微細気泡発生部40は、循環経路25をなすホース等の配管材料に一体的に成形された微細気泡発生器41を有する。言い換えれば、微細気泡発生器41(微細気泡発生部40)は、循環経路25に内蔵されている。
【0030】
例えば、
図3(b)に示されるように、内向きに突出する複数の突出部42を有する微細気泡発生器41が採用されてもよい。或いは、
図3(c)に示されるように、流路の断面積を狭める絞り部43からなるベンチュリー構造を有する微細気泡発生器41が採用されてもよい。或いは、
図3(d)に示されるように、内部に形成された複数の旋回流路44により旋回流れを発生させる微細気泡発生器41が採用されてもよい。これらの微細気泡発生器41は、洗濯水の流路を制限又は規制する。微細気泡発生部40によって発生させられる微細気泡は、例えば、直径1μm未満のウルトラファインバブル(UFB)である。微細気泡発生部40によって、微細気泡として、たとえば直径1μm以上100μm未満のマイクロバブル(MB)が発生させられてもよい。
【0031】
微細気泡発生器41は、例えば、一体成型によって成形されてもよいし、又は配管材料にインサート成形されてもよい。一体成型によって成形される場合には、微細気泡発生器41は、型を用いた成形(離型)が可能な形状を有する。微細気泡発生器41は、循環経路25の一般の配管部分と同径であってもよいが、一般の配管部分よりも大きな直径を有してもよい。
【0032】
循環ポンプ30は、微細気泡発生部40において微細気泡を発生させるのに十分な圧力で洗濯水を第2循環配管25bへと吐出する。下流側端部27は、パッキン8の位置で開放されており、微細気泡を含んだ洗濯水が外槽6内(詳細にはドラム7内)に向けて噴出される。微細気泡を含んだ洗濯水は、開口部6aの上部(前方上部)から、ドラム7内の後方下部(
図1に示す右斜め下方向)へ向けて噴出される。
【0033】
本実施形態の洗濯機1によれば、洗濯水が循環する経路である循環経路25に微細気泡発生部40が設けられるので、洗い工程及びすすぎ工程において、洗濯水(循環水)が微細気泡発生部40を繰り返し通過する。しかも微細気泡発生部40は、外槽6に近い位置に配置されるので、繰り返し微細気泡発生部40を通過することで発生した多量の微細気泡が、その発生量を維持したままで(ほとんど減少することなく)外槽6内に供給される。これにより、微細気泡の発生量を増大させ、それによって洗浄効果等を一層高めることができる。多量のUFBにより、洗浄及びすすぎの効率が格段に向上する。
【0034】
微細気泡発生部40は、循環経路25をなす配管材料に一体的に成形されている。よって、別体で製造された発生器等を配管材料に組み付ける場合に比べ、コスト(製造コスト及び組立コスト)の低減が図られている。
【0035】
続いて、
図4を参照して、第2実施形態に係る洗濯機1Aについて説明する。
図4に示す洗濯機1Aが先の実施形態に係る洗濯機1と違う点は、第2循環配管25bの途中に設けられた微細気泡発生部40に代えて、パッキン8の内部に組み込まれた微細気泡発生部40Aを備えた点である。言い換えれば、微細気泡発生部40Aは、循環経路25の下流側端部27に内蔵されている。下流側端部27は、パッキン8の一部に組み込まれている。したがって、別の観点から説明すると、微細気泡発生部40Aは、パッキン8に内蔵されている。パッキン8は、例えばゴム製である。微細気泡発生部40Aは、パッキン8内において、外槽6内(詳細にはドラム7内)に空間的に繋がった部分に設けられる。パッキン8内に組み込まれる微細気泡発生部40Aとしては、例えば、
図3(b)~(d)に例示された構造が採用される。例えば、第2循環配管25b(循環経路25)とパッキン8が別体に成形され、微細気泡発生部40Aがパッキン8に一体的に成形される。微細気泡発生部40Aは、例えば、一体成型によってパッキン8と一緒に成形されてもよいし、又はパッキン8にインサート成形されてもよい。微細気泡発生部40Aは、パッキン8の高さ方向における上半分の範囲R1内に位置している。微細気泡発生部40Aが、パッキン8の最上部に設けられてもよいし、最上部を中心に左右何れかに中心角で45°以内の範囲に設けられてもよい。
【0036】
この洗濯機1Aによっても、洗濯機1と同様、微細気泡の発生量を増大させ、それによって洗浄効果等を一層高めることができる。また、微細気泡発生部40Aがパッキン8の内部に組み込まれていることで、コスト(製造コスト及び組立コスト)の低減が図られている。またパッキン8の位置から微細気泡を含有する洗濯水が槽内に直接供給されるため、洗浄効果等が更に高められている。
【0037】
下流側端部27すなわち微細気泡発生部40Aがパッキン8の上半分の範囲R1内に位置するので、微細気泡を含有する洗濯水が洗濯物に当たりやすく、より一層効果的である。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、微細気泡発生部の構成は、適宜に変更されてもよい。微細気泡発生部によって発生させられる微細気泡の直径は、公知の技術によって適宜に調整されてよい。循環経路25に、複数の微細気泡発生部が設けられてもよい。循環経路25の途中に複数の分岐経路が設けられ、各経路に微細気泡発生部が設けられてもよい。
【0039】
循環経路25の上流側端部26が、外槽6の下部(窪み部6b等)に直接接続されてもよい。循環経路25の下流側端部27が、外槽6の上部に直接接続されてもよい。
【0040】
洗濯水(循環水)の循環すなわち微細気泡を含んだ洗濯水のドラム7への噴出は、洗い工程及びすすぎ工程の何れか一方の工程のみにおいて行われてもよい。
【0041】
本発明がドラム洗濯機以外の洗濯機、例えば縦型洗濯機に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1,1A…洗濯機、2…筐体、6…外槽、7…ドラム(洗濯槽)、8…パッキン、16…排水管、25…循環経路、25a…第1循環配管、25b…第2循環配管、25c…中間位置、26…上流側端部、27…下流側端部、30…循環ポンプ、40,40A…微細気泡発生部、41…微細気泡発生器。