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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154296
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】キャップ、緩衝装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/58 20060101AFI20241023BHJP
   F16F 9/32 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
F16F9/58 B
F16F9/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068050
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】黒柳 秀宏
(72)【発明者】
【氏名】山本 孝雄
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA50
3J069CC06
3J069CC28
3J069DD44
3J069EE01
(57)【要約】
【課題】低廉化を図ることができるキャップ等を提供する。
【解決手段】キャップ100は、シリンダ部の外部に露出したロッドの外周面に接触してシリンダ部内を密封する密封部材の少なくとも一部を覆うキャップ100であって、ロッドの軸心を通る平面に対して反対側に互いに向き合うように配置された同一形状の一対の部材である第1部材110と第2部材160とが嵌め合わされることにより構成され、嵌め合わされた第1部材110と第2部材160とがシリンダ部に装着可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ部の外部に露出したロッドの外周面に接触して前記シリンダ部内を密封する密封部材の少なくとも一部を覆うキャップであって、
前記ロッドの軸心を通る平面に対して反対側に互いに向き合うように配置された同一形状の一対の部材が嵌め合わされることにより構成され、
嵌め合わされた前記一対の部材が前記シリンダ部に装着可能である、
キャップ。
【請求項2】
前記一対の部材は、嵌め合わされることにより筒状となり、前記シリンダ部の外側に装着される、
請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記一対の部材の内の一方の部材は、他方の部材との合わせ面から前記他方の部材の方に突出した突起と、前記他方の部材の前記突起と周方向に重なり合う重合部とを有し、
前記一方の部材の前記突起に設けられた前記他方の部材の前記重合部側に突出する凸部と、前記他方の部材の前記重合部に形成された凹部とが嵌り合う、
請求項1に記載のキャップ。
【請求項4】
前記一方の部材の前記突起は、前記他方の部材の前記重合部と対向する第1対向面と、前記第1対向面から前記他方の部材の前記重合部の方に突出した前記凸部と、を有し、
前記他方の部材の前記重合部は、前記第1対向面と対向する第2対向面と、前記第2対向面から前記突起とは反対側に凹む前記凹部と、を有する、
請求項3に記載のキャップ。
【請求項5】
前記凸部は、前記第1対向面と交差する第1交差面を有し、
前記凹部は、前記第2対向面と交差する第2交差面を有し、
前記第1交差面と前記第2交差面とが接触することで、前記装着後に前記一対の部材が分離しない、
請求項4に記載のキャップ。
【請求項6】
前記一対の部材は、前記シリンダ部における前記密封部材の周囲を覆う一方の端部に圧入される圧入部と、前記圧入部から前記シリンダ部の他方の端部の方に前記ロッドの軸方向に延びる筒状部と、を有する、
請求項3に記載のキャップ。
【請求項7】
前記筒状部には、前記軸方向に延びるスリットが形成されている、
請求項6に記載のキャップ。
【請求項8】
前記突起及び前記重合部における周方向の位置は、前記スリットが形成されている位置と重複する、
請求項7に記載のキャップ。
【請求項9】
前記一対の部材の内の一方の部材は、他方の部材との合わせ面から前記合わせ面に平行な方向であって前記軸心に交差する方向の一方の側に突出した第1突出部と他方の側に突出した第2突出部とを有し、
前記一対の部材の前記第1突出部と、前記他方の部材の前記第2突出部の内側に形成された溝とが嵌り合う、
請求項1に記載のキャップ。
【請求項10】
前記一対の部材は、前記シリンダ部における前記密封部材の周囲を覆う一方の端部に圧入される圧入部と、前記圧入部から前記シリンダ部の他方の端部の方に前記ロッドの軸方向に延びる筒状部と、を有する、
請求項9に記載のキャップ。
【請求項11】
前記筒状部には、前記軸方向に延びるスリットが形成されている、
請求項10に記載のキャップ。
【請求項12】
前記第1突出部及び前記第2突出部における周方向の位置は、前記スリットが形成されている位置と重複する、
請求項11に記載のキャップ。
【請求項13】
前記圧入部における前記筒状部とは反対側の部位から内側に突出して前記密封部材の露出面を覆う覆い部をさらに有し、
前記覆い部の外面における前記圧入部からの前記軸方向の距離は、内側の部位が外側の部位よりも大きくなるように前記軸方向に対して傾斜している、
請求項6又は10に記載のキャップ。
【請求項14】
シリンダ部内の空間を区画するピストン部を一方の端部に保持するとともに他方の端部が前記シリンダ部の外部に露出したロッドと、
前記ロッドの外周面に接触して前記シリンダ部内を密封する密封部材と、
前記密封部材の少なくとも一部を覆うキャップと、
を備え、
前記キャップは、
前記ロッドの軸心を通る平面に対して反対側に互いに向き合うように配置された同一形状の一対の部材が嵌め合わされることにより構成され、
嵌め合わされた前記一対の部材が前記シリンダ部に装着可能である、
緩衝装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップおよび緩衝装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のバンプストッパキャップは、以下のように構成されている。すなわち、第1バンプストッパキャップは、端板にピストンロッドの周囲に嵌合するU字状切欠部を形成し、端板から直角に延長する側板にU字状切欠部から直角に延長するよう開放部を形成する。第2バンプストッパキャップは、端板にピストンロッドの周囲に嵌合するU字状切欠部と第1バンプストッパキャップの切欠部に嵌合する凸部を設け、端板から直角に延長する側板にU字状切欠部から直角に延長するよう開放部を形成する。そして、バンプストッパキャップ組立体は、ピストンロッド上で、第1バンプストッパキャップ内に第2バンプストッパキャップを重なり結合してから、アウタチューブに圧入固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-070923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のキャップにおいては、異なる形状の2部品から構成されており、これら2部品を成形する金型がそれぞれ必要であるため、低廉化という点において改善の余地があった。
本発明は、低廉化を図ることができるキャップ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、シリンダ部の外部に露出したロッドの外周面に接触して前記シリンダ部内を密封する密封部材の少なくとも一部を覆うキャップであって、前記ロッドの軸心を通る平面に対して反対側に互いに向き合うように配置された同一形状の一対の部材が嵌め合わされることにより構成され、嵌め合わされた前記一対の部材が前記シリンダ部に装着可能である、キャップである。
ここで、前記一対の部材は、嵌め合わされることにより筒状となり、前記シリンダ部の外側に装着されても良い。
また、前記一対の部材の内の一方の部材は、他方の部材との合わせ面から前記他方の部材の方に突出した突起と、前記他方の部材の前記突起と周方向に重なり合う重合部とを有し、前記一方の部材の前記突起に設けられた前記他方の部材の前記重合部側に突出する凸部と、前記他方の部材の前記重合部に形成された凹部とが嵌り合っても良い。
また、前記一方の部材の前記突起は、前記他方の部材の前記重合部と対向する第1対向面と、前記第1対向面から前記他方の部材の前記重合部の方に突出した前記凸部と、を有し、前記他方の部材の前記重合部は、前記第1対向面と対向する第2対向面と、前記第2対向面から前記突起とは反対側に凹む前記凹部と、を有しても良い。
また、前記凸部は、前記第1対向面と交差する第1交差面を有し、前記凹部は、前記第2対向面と交差する第2交差面を有し、前記第1交差面と前記第2交差面とが接触することで、前記装着後に前記一対の部材が分離しなくても良い。
また、前記一対の部材は、前記シリンダ部における前記密封部材の周囲を覆う一方の端部に圧入される圧入部と、前記圧入部から前記シリンダ部の他方の端部の方に前記ロッドの軸方向に延びる筒状部と、を有しても良い。
また、前記筒状部には、前記軸方向に延びるスリットが形成されていても良い。
また、前記突起及び前記重合部における周方向の位置は、前記スリットが形成されている位置と重複しても良い。
また、前記一対の部材の内の一方の部材は、他方の部材との合わせ面から前記合わせ面に平行な方向であって前記軸心に交差する方向の一方の側に突出した第1突出部と他方の側に突出した第2突出部とを有し、前記一対の部材の前記第1突出部と、前記他方の部材の前記第2突出部の内側に形成された溝とが嵌り合っても良い。
また、前記一対の部材は、前記シリンダ部における前記密封部材の周囲を覆う一方の端部に圧入される圧入部と、前記圧入部から前記シリンダ部の他方の端部の方に前記ロッドの軸方向に延びる筒状部と、を有しても良い。
また、前記筒状部には、前記軸方向に延びるスリットが形成されていても良い。
また、前記第1突出部及び前記第2突出部における周方向の位置は、前記スリットが形成されている位置と重複しても良い。
また、前記圧入部における前記筒状部とは反対側の部位から内側に突出して前記密封部材の露出面を覆う覆い部をさらに有し、前記覆い部の外面における前記圧入部からの前記軸方向の距離は、内側の部位が外側の部位よりも大きくなるように前記軸方向に対して傾斜していても良い。
他の観点から捉えると、本発明は、シリンダ部内の空間を区画するピストン部を一方の端部に保持するとともに他方の端部が前記シリンダ部の外部に露出したロッドと、前記ロッドの外周面に接触して前記シリンダ部内を密封する密封部材と、前記密封部材の少なくとも一部を覆うキャップと、を備え、前記キャップは、前記ロッドの軸心を通る平面に対して反対側に互いに向き合うように配置された同一形状の一対の部材が嵌め合わされることにより構成され、嵌め合わされた前記一対の部材が前記シリンダ部に装着可能である、緩衝装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、低廉化を図ることができるキャップ等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る緩衝装置の概略構成の一例を示す図である。
図2】第1実施形態に係るキャップの外観の一例を示す図である。
図3】第1円筒状部を軸方向に直交する面にて切断した形状の一例を示す図である。
図4】第1実施形態に係るキャップが装着される前の外観の一例を示す図である。
図5】キャップが装着される前における、第1円筒状部を軸方向に直交する面にて切断した形状の一例を示す図である。
図6図5のA方向、B方向、C方向に第2部材を見た図の一例である。
図7】第2実施形態に係るキャップが装着される前の外観の一例を示す図である。
図8】キャップが装着された状態の外観を、第2側から軸方向に見た図の一例である。
図9】キャップを組み付ける様子の一例を示す図である。
図10】第3実施形態に係るキャップが装着される前の外観の一例を示す図である。
図11】嵌合工程により嵌め込まれたキャップにリングを嵌め込む連結工程の様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る緩衝装置1の概略構成の一例を示す図である。
緩衝装置1は、乗用自動車等の四輪車に用いられる油圧式のショックアブソーバであり、図1に示すように、後で詳述する、シリンダ部10と、ロッド20と、ピストン部30と、ボトム部40と、シールドダスト50と、キャップ100とを備える。
【0009】
以下では、ロッド20の軸方向を、単に「軸方向」と称する場合がある。また、軸方向の第1側(図1では下側)、軸方向の第2側(図1では上側)を、それぞれ、単に「第1側」、「第2側」と称する場合がある。また、軸方向に交差する方向(例えば、直交方向)を、「半径方向」と称する。半径方向において、シリンダ11の中心線側を単に「内側」と称し、中心線から離れる側を単に「外側」と称する場合がある。
【0010】
(シリンダ部10)
シリンダ部10は、オイルを収容するシリンダ11と、シリンダ11の外側に設けられる外筒12と、外筒12の第1側の端部を塞ぐ底蓋13と、底蓋13における第1側の面に溶接等にて固定されたアイジョイント14とを備える。そして、シリンダ部10は、シリンダ11の外周面と外筒12の内周面とで、リザーバ室Rを形成している。また、シリンダ部10は、ロッド20を移動可能に支持するロッドガイド部15と、シリンダ部10内のオイルの漏れやシリンダ部10内への異物の混入を防ぐオイルシール16とを備える。また、シリンダ部10は、リバウンドシート17と、リバウンドラバー18とを備える。
【0011】
(ロッド20)
ロッド20は、軸方向に長く延びる棒状の部材である。ロッド20は、第1側の端部にピストン部30を保持する。また、ロッド20には、第2側の端部にアイジョイント25と、ダストカバーキャップ27とが、例えば溶接にて固定されている。また、ロッド20には、リバウンドシート17が溶接等にて固定されている。
【0012】
(ピストン部30)
ピストン部30は、ピストン31と、ピストン31に形成された複数の油路の内の一部の油路における第1側の端部を塞ぐバルブ群32と、ピストン31に形成された一部の油路における第2側の端部を塞ぐバルブ群33とを備えている。
ピストン31は、その外周面に設けられたシール部材を介してシリンダ11の内周面に接触し、シリンダ11内のオイルが封入された空間を、ピストン31よりも第1側の第1油室Y1と、ピストン31よりも第2側の第2油室Y2とに区画する。
ピストン部30は、ナット35にて、ロッド20に固定されている。
【0013】
(ボトム部40)
ボトム部40は、図1に示すように、軸方向に貫通する複数の油路を有するバルブボディ41と、バルブボディ41の第1側に設けられるバルブ42と、バルブボディ41の第2側に設けられるバルブ43とを備える。
ボトム部40のバルブボディ41は、第1油室Y1とリザーバ室Rとを区画する。
【0014】
(シールドダスト50)
シールドダスト50は、円筒状の円筒状部51と、円筒状部51における第2側の端部から内側に突出した頂部52とを有する。シールドダスト50は、頂部52がダストカバーキャップ27に固定されることで、ロッド20に固定されている。そして、シールドダスト50の軸方向の大きさは、キャップ100の軸方向の大きさよりも大きく、キャップ100の外周面の周囲全てを覆うことが可能である。それゆえ、シールドダスト50は、例えば、オイルシール16によるロッド20のシール部にダストが向かうのを抑制する。なお、シールドダスト50は、樹脂にて成形されていることを例示することができる。
【0015】
(キャップ100)
図2は、第1実施形態に係るキャップ100の外観の一例を示す図である。
図3は、第1円筒状部101を軸方向に直交する面にて切断した形状の一例を示す図である。
キャップ100は、樹脂にて成形されているとともに、ロッド20の軸心を通る平面に対して反対側に互いに向き合うように配置された一対の部材が嵌め合わされることにより構成されている。キャップ100は、一対の部材が嵌め合わされることにより円筒状となる第1円筒状部101と、第1円筒状部101から外筒12の第1側の端部の方に軸方向に延びる円筒状の第2円筒状部102とを有する。また、キャップ100は、第1円筒状部101における第2側の端部から内側に突出するとともに、オイルシール16の第2側の部位を覆う円環状の円環状部103を有する。
【0016】
第1円筒状部101の内周面の径は、外筒12の外周面の径よりも小さい。そして、キャップ100は、第1円筒状部101が外筒12に圧入されることで外筒12に装着される。なお、第1円筒状部101は、内周面から内側に突出した突出部を周方向に等間隔に複数有し、これら複数の突出部の内側の部位を結ぶ仮想的な円の径が外筒12の外周面の径よりも小さくても良い。
【0017】
第2円筒状部102には、軸方向に延びるスリット105が周方向に複数(例えば4つ)形成されている。
円環状部103には、中央部にロッド20を通す貫通孔106が形成されている。円環状部103における第2側の面は、軸方向に傾斜した面であり、内側から外側に行くに従って第1円筒状部101からの距離が小さくなっている。
【0018】
図4は、第1実施形態に係るキャップ100が装着される前の外観の一例を示す図である。
図5は、キャップ100が装着される前における、第1円筒状部101を軸方向に直交する面にて切断した形状の一例を示す図である。
図6は、図5のA方向、B方向、C方向に第2部材160を見た図の一例である。
以下、キャップ100を構成する一対の部材の内の一方の部材を第1部材110、一対の部材の内の他方の部材を第2部材160と称する場合がある。第1部材110と第2部材160とは、同一形状であり、ロッド20の軸心を通る平面に対して反対側に互いに向き合うように配置されている。
【0019】
((第1部材110))
第1部材110は、第1円筒状部101(図2参照)の一部を構成する半円筒状の第1半円筒状部111と、第2円筒状部102(図2参照)の一部を構成する半円筒状の第2半円筒状部112と、円環状部103(図2参照)の一部を構成する半円環状の半円環状部113とを有する。
【0020】
第1半円筒状部111は、第2部材160との合わせ面となる第1合わせ面115を有する。第1合わせ面115は、軸心を通る平面に平行な面である。また、第1半円筒状部111は、第1合わせ面115から第2部材160の方に突出した突起120と、第2部材160の後述する突起170と周方向に重なり合う重合部130とを有する。突起120及び重合部130は、軸方向に所定の範囲に亘って形成されている。
【0021】
突起120は、第2部材160の後述する重合部180と対向する第1対向面121と、第1対向面121から内側に突出した凸部125とを有する。
凸部125は、第1対向面121と交差する第1交差面126と、第1交差面126における内側の部位から周方向に延びる第1周方向面127と、第1合わせ面115に対して傾斜した第1傾斜面128とを有する。
第1交差面126は、ロッド20の軸心を通る平面上の面であることを例示することができる。
第1傾斜面128は、突起120における先端部の肉厚が徐々に小さくなるように形成されている。
【0022】
重合部130は、第2部材160の後述する突起170の第1対向面171と対向する第2対向面131と、第2対向面131から内側に凹んだ凹部135とを有する。
凹部135は、軸方向に見た場合に矩形状であり、第2対向面131と交差する第2交差面136を有する。
第2交差面136は、ロッド20の軸心を通る平面上の面であることを例示することができる。
【0023】
((第2部材160))
第2部材160は、第1部材110の第1半円筒状部111、第2半円筒状部112、半円環状部113にそれぞれ相当する、第1半円筒状部161、第2半円筒状部162、半円環状部163を有する。
【0024】
第1半円筒状部161は、第1部材110の第1合わせ面115との合わせ面となる第2合わせ面165を有する。また、第1半円筒状部161は、第2合わせ面165から第1部材110の方に突出した突起170と、第1部材110の突起120と周方向に重なり合う重合部180とを有する。突起170、重合部180は、それぞれ、第1部材110の突起120、重合部130に相当する。
【0025】
突起170は、第1部材110の第1対向面121、凸部125にそれぞれ相当する、第1対向面171、凸部175を有する。
凸部175は、第1部材110の第1交差面126、第1周方向面127、第1傾斜面128にそれぞれ相当する、第1交差面176、第1周方向面177、第1傾斜面178を有する。
【0026】
重合部180は、第1部材110の第2対向面131、凹部135にそれぞれ相当する、第2対向面181、凹部185を有する。
凹部185は、第1部材110の第2交差面136に相当する第2交差面186を有する。
【0027】
以上のように構成された第1部材110と第2部材160とは、第1部材110の突起120が第2部材160の重合部180の外側、第2部材160の突起170が第1部材110の重合部130の外側に位置するように嵌め合わされる。そして、第1部材110の凸部125が第2部材160の凹部185に嵌り込むとともに、第2部材160の凸部175が第1部材110の凹部135に嵌り込むことで、第1部材110と第2部材160とが一体化される。第1部材110と第2部材160とが一体化された状態では、第1部材110の第1合わせ面115と第2部材160の第2合わせ面165とが接触する。そして、第1部材110と第2部材160とが一体化された状態で、外筒12に圧入される。圧入されると、第1部材110の凸部125の第1交差面126と、第2部材160の凹部185の第2交差面186とが接触するとともに、第1部材110の凹部135の第2交差面136と、第2部材160の凸部175の第1交差面176とが接触することで、第1部材110と第2部材160とが分離することが抑制される。そして、これにより、キャップ100がシリンダ部10から脱落することが抑制される。
【0028】
(緩衝装置1の製造方法)
((ロッド組立体))
ロッド20の第2側の端部に、アイジョイント25、ダストカバーキャップ27をそれぞれ例えば溶接にて固定する。そして、ロッド20の第1側の端部側から、オイルシール16、ロッドガイド部15、リバウンドラバー18、リバウンドシート17を順に組み付けるとともに、リバウンドシート17をロッド20に固定する。また、ロッド20の第1側の端部側から、ピストン部30を組み付け、ナット35で固定する。このようにして、ロッド組立体を組立てる。
【0029】
((外筒組立体))
一方、シリンダ部10の底蓋13における第1側の面にアイジョイント14を例えば溶接にて固定する。そして、外筒12の内部における底蓋13よりも第2側に、内側にボトム部40を圧入したシリンダ11を挿入する。このようにして、外筒組立体を組立てる。
【0030】
その後、外筒組立体のシリンダ11内に、ロッド組立体をナット35側から挿入する。そして、外筒12における第2側の端部を内側に折り曲げる、所謂ロール加締めを施すことで、ロッドガイド部15、オイルシール16を、シリンダ11と外筒12における加締め部12R(図1参照)とで固定する。
【0031】
((キャップ100の組み立て))
外筒12の加締め部12Rよりも第2側の位置にて、第1部材110と第2部材160とをそれぞれ外側から内側に移動させて、第1部材110と第2部材160とを嵌め合わせて一体化し、キャップ100を組み立てる。そして、キャップ100の円環状部103における第1側の面が外筒12の加締め部12Rに突き当たるまで、キャップ100を第1側に移動させて、キャップ100の第1円筒状部101を外筒12における第2側の端部に圧入する。
【0032】
その後、シールドダスト50を、ロッド20に固定されたダストカバーキャップ27に固定して緩衝装置1を完成する。
【0033】
以上、説明したように、キャップ100は、シリンダ部10の外部に露出したロッド20の外周面に接触してシリンダ部10内を密封するオイルシール16(密封部材の一例)の少なくとも一部を覆う。そして、キャップ100は、ロッド20の軸心を通る平面に対して互いに反対側に配置された同一形状の一対の部材である第1部材110と第2部材160とが嵌め合わされることにより構成され、嵌め合わされた第1部材110と第2部材160とがシリンダ部10に装着可能である。
【0034】
以上のように構成されたキャップ100においては、シリンダ部10の外筒12の加締め部12Rよりも第2側の位置で第1部材110と第2部材160とを嵌め合わせて、第1側に移動させて外筒12に圧入することで組み付けることができる。また、例えば、軸方向に直交する方向から見ながら、第1部材110と第2部材160とを嵌め合わせることができる。それゆえ、キャップ100によれば、組立性を向上させることができる。また、キャップ100を構成する一対の部材は同一形状であるので、キャップ100を成形する金型を1つにすることができる。それゆえ、例えば、形状が異なる2部品で構成される場合と比べて、キャップ100の低廉化を図ることができる。
【0035】
ここで、第1部材110と第2部材160とは、嵌め合わされることにより筒状となり、シリンダ部10の外側に装着される。つまり、第1部材110と第2部材160とは、嵌め合わされることにより円筒状となる第1円筒状部101を有し、第1円筒状部101が外筒12に圧入される。それゆえ、キャップ100によれば、例えば、筒状に切り欠きが形成されている構成と比べて剛性が高いので、キャップ100がシリンダ部10から脱落することが抑制される。
【0036】
また、一対の部材の内の第1部材110(一方の部材の一例)は、第2部材160(他方の部材の一例)との第1合わせ面115から第2部材160の方に突出した突起120と、第2部材160の突起170と周方向に重なり合う重合部130とを有する。そして、第1部材110の突起120に設けられた第2部材160の重合部180側に突出する凸部125と、第2部材160の重合部180に形成された凹部185とが嵌り合う。
【0037】
第1部材110の突起120は、第2部材160の重合部180と対向する第1対向面121と、第1対向面121から第2部材160の重合部180の方に突出した凸部125と、を有する。第2部材160の重合部180は、第1対向面121と対向する第2対向面181と、第2対向面181から突起120とは反対側に凹む凹部185と、を有する。これにより、凸部125と凹部185との間にダストが入り込むことが抑制される。
【0038】
凸部125は、第1対向面121と交差する第1交差面126を有し、凹部185は、第2対向面181と交差する第2交差面186を有し、第1交差面126と第2交差面186とが接触することで、装着後に、第1部材110と第2部材160とが分離しない。これにより、キャップ100をシリンダ部10に装着した後に、キャップ100がシリンダ部10から脱落することが確度高く抑制される。
【0039】
第1部材110と第2部材160とは、シリンダ部10におけるオイルシール16の周囲を覆う第2側の端部(一方の端部の一例)に圧入される第1円筒状部101(圧入部の一例)と、第1円筒状部101からシリンダ部10の第1側の端部(他方の端部の一例)の方にロッド20の軸方向に延びる第2円筒状部102(筒状部の一例)と、を有する。第2円筒状部102が設けられていることにより、シールドダスト50がシリンダ部10に接触することを抑制することができる。
【0040】
そして、第2円筒状部102には、軸方向に延びるスリット105が形成されている。これにより、キャップ100の軽量化を図ることができる。
また、突起120及び重合部180における周方向の位置は、スリット105が形成されている位置と重複する。これにより、第1部材110と第2部材160とを嵌め合わせる際に、第1部材110における第2円筒状部102を構成する部位と、第2部材160における第2円筒状部102を構成する部位とが接触することを抑制することができる。
【0041】
キャップ100は、第1円筒状部101における第2円筒状部102とは反対側の部位から内側に突出してオイルシール16における第2側の面(露出面の一例)を覆う円環状部103(覆い部の一例)をさらに有し、円環状部103の外面における第1円筒状部101からの軸方向の距離は、内側の部位が外側の部位よりも大きくなるように軸方向に対して傾斜している。それゆえ、仮に、円環状部103上にダストや液体が付着したとしても、ダストや液体が第1側に落下し、緩衝装置1の外に排出され易くなる。
【0042】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態に係るキャップ200が装着される前の外観の一例を示す図である。
図8は、キャップ200が装着された状態の外観を、第2側から軸方向に見た図の一例である。
第2実施形態に係るキャップ200は、第1実施形態に係るキャップ100に対して、同一形状の一対の部材の嵌め合い構造が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第2実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0043】
キャップ200は、キャップ100に対して、第1円筒状部101に相当する第1円筒状部201の形状が異なる。以下、キャップ200を構成する一対の部材の内の一方の部材を第1部材210、一対の部材の内の他方の部材を第2部材260と称する場合がある。第1部材210と第2部材260とは、同一形状であり、ロッド20の軸心を通る平面に対して反対側に互いに向き合うように配置されている。
【0044】
((第1部材210))
第1部材210は、第1部材110に対して、第1円筒状部201の一部を構成する半円筒状の第1半円筒状部211の形状が異なる。
第1半円筒状部211は、第2部材260との合わせ面となる第1合わせ面215を有する。また、第1半円筒状部211は、第2部材260と対向する部位の外周部から第1合わせ面215と平行に一方側に突出した第1突出部220と、他方側に突出した第2突出部230とを有する。第1突出部220及び第2突出部230は、軸方向に所定の範囲に亘って形成されている。
【0045】
第1突出部220は、直方体状であり、軸方向の大きさが、半径方向及び周方向の大きさよりも大きい。
第2突出部230は、直方体状であるとともに、内側に、第2部材260の後述する第1突出部270が嵌り込む溝231が軸方向の全域に亘って形成されている。
第1突出部220及び第2突出部230における周方向の位置は、スリット105が形成されている位置と重複する。
【0046】
((第2部材260))
第2部材260は、第1部材210の第1半円筒状部211、第1合わせ面215、第1突出部220、第2突出部230、溝231にそれぞれ相当する、第1半円筒状部261、第2合わせ面265、第1突出部270、第2突出部280、溝281を有する。
第1突出部270及び第2突出部280における周方向の位置は、スリット105が形成されている位置と重複する。
【0047】
以上のように構成された第1部材210と第2部材260とは、第1部材210の第1突出部220が第2部材260の溝281に、第2部材260の第1突出部270が第1部材210の溝231に嵌め合わされることで、第1部材210と第2部材260とが一体化される。そして、第1部材210と第2部材260とが一体化された状態では、第1部材210の第1合わせ面215と第2部材260の第2合わせ面265とが接触する。そして、第1部材210と第2部材260とが一体化された状態で、第1円筒状部201が外筒12に圧入される。圧入されても、第1部材210の第1突出部220が、第2部材260の溝281に嵌り込んでいるとともに、第2部材260の第1突出部270が、第1部材210の溝231に嵌り込んでいることで、第1部材210と第2部材260とが分離することが抑制される。
【0048】
((キャップ200の組み立て))
図9は、キャップ200を組み付ける様子の一例を示す図である。
図9に示すように、キャップ200を外筒12に組み付ける工程は、第1部材210と第2部材260とを嵌め込んでキャップ200を組み立てる嵌合工程と、キャップ200を外筒12に圧入する圧入工程とにより構成される。
【0049】
嵌合工程においては、外筒12の加締め部12Rよりも第2側の位置であって、第1部材210と第2部材260とを軸方向にずらした位置において、第1部材210と第2部材260とをそれぞれ外側から内側に移動させる。そして、第1部材210と第2部材260とが互いに近づくように軸方向に移動させて、第1部材210の第1突出部220を第2部材260の溝281(図7参照)に、第2部材260の第1突出部270(図7参照)を第1部材210の溝231(図7参照)に嵌め込む。
【0050】
圧入工程においては、キャップ200の円環状部103における第1側の面が外筒12の加締め部12Rに突き当たるまで、第1部材210の第1半円筒状部211と第2部材260の第1半円筒状部261とにより構成される第1円筒状部201を第1側に移動させて外筒12における第2側の端部に圧入する。
【0051】
以上、説明したように、キャップ200は、ロッド20の軸心を通る平面に対して互いに反対側に配置された同一形状の一対の部材である第1部材210と第2部材260とが嵌め合わされることにより構成され、嵌め合わされた第1部材210と第2部材260とがシリンダ部10に装着可能である。
【0052】
以上のように構成されたキャップ200によれば、シリンダ部10の外筒12の加締め部12Rよりも第2側の位置で第1部材210と第2部材260とを嵌め合わせて、第1側に移動させて外筒12に圧入することで組み付けることができる。また、例えば、軸方向に直交する方向から見ながら、第1部材210と第2部材260とを嵌め合わせることができる。それゆえ、キャップ200によれば、組立性を向上させることができる。また、キャップ200を構成する一対の部材は同一形状であるので、キャップ200を成形する金型を1つにすることができる。それゆえ、例えば、形状が異なる2部品で構成される場合と比べて、キャップ200の低廉化を図ることができる。
【0053】
一対の部材の内の第1部材210(一方の部材の一例)は、第2部材260(他方の部材の一例)との第1合わせ面215から第1合わせ面215に平行な方向であって軸心に交差する方向の一方の側に突出した第1突出部220と他方の側に突出した第2突出部230とを有し、第1部材210の第1突出部220と、第2部材260の第2突出部280の内側に形成された溝281とが嵌り合う。これにより、第1突出部220と溝281との間にダストが入り込むことが抑制される。
【0054】
第1部材210と第2部材260とは、シリンダ部10におけるオイルシール16の周囲を覆う第2側の端部(一方の端部の一例)に圧入される第1円筒状部201(圧入部の一例)と、第1円筒状部201からシリンダ部10の第1側の端部(他方の端部の一例)の方にロッド20の軸方向に延びる第2円筒状部102(筒状部の一例)と、を有する。第2円筒状部102が設けられていることにより、シールドダスト50がシリンダ部10に接触することを抑制することができる。
【0055】
そして、第2円筒状部102には、軸方向に延びるスリット105が形成されている。これにより、キャップ200の軽量化を図ることができる。
また、第1突出部220及び第2突出部280における周方向の位置は、スリット105が形成されている位置と重複する。これにより、第1部材210と第2部材260とを軸方向に相対的に移動させて嵌め合わせる際に、例えば第2部材260に形成されたスリット105に第1部材210の第1突出部220を配置することができるので、第1部材210と第2部材260とを容易に嵌め合わせることができる。
【0056】
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態に係るキャップ300が装着される前の外観の一例を示す図である。
第3実施形態に係るキャップ300は、第1実施形態に係るキャップ100に対して、一つの部材により構成され、リング350にて外筒12に連結される点が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第3実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0057】
キャップ300は、キャップ100の第1円筒状部101、第2円筒状部102、円環状部103にそれぞれ相当する第1円筒状部310、第2円筒状部320、円環状部330を有する。
【0058】
第1円筒状部310は、第1円筒状部101に対して、周方向の一部に第1切り欠き311が形成されている点が異なる。第1切り欠き311は、軸方向の全域に亘って形成されており、周方向の幅は、ロッド20の外周面の径よりも大きい。
また、第1円筒状部310には、外周面から内側に凹み、リング350が嵌め込まれるリング溝312が形成されている。リング溝312は、第1円筒状部310における軸方向の中央部に形成されている。
【0059】
第2円筒状部320は、第2円筒状部102に対して、周方向の一部に第2切り欠き321が形成されている点が異なる。第2切り欠き321は、軸方向の全域に亘って形成されており、周方向の幅は、ロッド20の外周面の径よりも大きい。なお、第2切り欠き321は、第2円筒状部102における4つのスリット105の内の一つのスリット105が形成されている位置に形成されており、第2円筒状部320には、一つの第2切り欠き321と、3つのスリット105が形成されている。第2切り欠き321における周方向の大きさは、スリット105における周方向の大きさよりも大きい。
【0060】
円環状部330は、円環状部103に対して、周方向の一部に第3切り欠き331が形成されている点が異なる。第3切り欠き331の幅は、貫通孔106の径と同じである。
上述した第1切り欠き311、第2切り欠き321及び第3切り欠き331は、周方向の位置及び大きさが同一となるように形成されている。
【0061】
リング350は、円筒状であるとともに、周方向の一部に切り欠き351が形成されている。リング350は、金属板にて成形されていることを例示することができる。リング350が装着される前の内周面の径は、キャップ300の第1円筒状部310のリング溝312の外周面の径よりも小さく、切り欠き351における周方向の大きさは、ロッド20の外周面の径よりも大きい。また、リング350における軸方向の大きさは、リング溝312における軸方向の大きさよりも小さい。
【0062】
((キャップ300の組み立て))
キャップ300を外筒12に組み付ける工程は、キャップ300を外筒12に嵌め込む嵌合工程と、キャップ300にリング350を嵌め込む連結工程とにより構成される。
図11は、嵌合工程により嵌め込まれたキャップ300にリング350を嵌め込む連結工程の様子の一例を示す図である。
【0063】
嵌合工程においては、外筒12の加締め部12Rよりも第2側の位置において、第1切り欠き311(図10参照)、第2切り欠き321(図10参照)及び第3切り欠き331(図10参照)に、ロッド20を通して、キャップ300を外側から内側に移動させる。その後、キャップ300の円環状部330における第1側の面が外筒12の加締め部12Rに突き当たるまで、キャップ300を軸方向の第1側に移動させる。
【0064】
連結工程においては、図11に示すように、外筒12の加締め部12Rよりも第2側の位置において、切り欠き351にロッド20を通す。その後、リング350を軸方向の第1側に移動させて、リング350を第1円筒状部310のリング溝312に嵌め込む。リング350をリング溝312に嵌め込む際には、リング350の切り欠き351における周方向の位置と、第1円筒状部310の第1切り欠き311における周方向の位置とが重ならないようにする。
【0065】
以上のように構成された第3実施形態に係るキャップ300においては、軸方向に直交する方向から見ながら、キャップ300を軸方向及び半径方向に移動させてシリンダ部10に装着することができるとともに、リング350を軸方向の第1側に移動させてキャップ300に装着することができる。それゆえ、キャップ300によれば、組立性を向上させることができる。また、リング350により、キャップ300がシリンダ部10から脱落することが抑制される。
【符号の説明】
【0066】
1…緩衝装置、10…シリンダ部、16…オイルシール(密封部材の一例)、20…ロッド、30…ピストン部、100,200,300…キャップ、101,201…第1円筒状部(圧入部の一例)、102…第2円筒状部(筒状部の一例)、103…円環状部(覆い部の一例)、105…スリット、110,210…第1部材(一対の部材一例)、120,170…突起、121,171…第1対向面、125,175…凸部、126,176…第1交差面、130,180…重合部、131,181…第2対向面、135,185…凹部、136,186…第2交差面、160,260…第2部材(一対の部材一例)、220,270…第1突出部、230,280…第2突出部、231,281…溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11