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特開2024-154297用紙後処理装置、及び画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154297
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】用紙後処理装置、及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/12 20060101AFI20241023BHJP
   B65H 37/06 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
B65H45/12
B65H37/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068052
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】間嶋 竜也
(72)【発明者】
【氏名】谷井 英雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良典
(72)【発明者】
【氏名】天井 諒
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108AA01
3F108AB01
3F108AC01
3F108BA09
3F108BB02
3F108CD05
3F108GA01
3F108GB03
(57)【要約】
【課題】用紙束を折り曲げて排紙トレイに排出する処理の効率を向上させる。
【解決手段】用紙後処理装置20の駆動制御部56は、効率優先折り曲げ動作での予め設定された第1増大率を用紙束PTの各記録紙の枚数に掛け合わせて、第1増大枚数を算出し、第1増大枚数を排紙トレイ28に排出される各用紙束PTの数に掛け合わせて、各用紙束PTの厚みに対応する第1積算枚数を算出し、第1積算枚数が排紙トレイ28への排出が許容される最大枚数を超えるか否かを判定し、最大枚数を超えないと判定した場合に、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作で各用紙束PTを折り曲げさせ、最大枚数を超えると判定した場合に、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作で各用紙束PTを折り曲げさせる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の用紙を積載して、前記各用紙からなる用紙束を折り曲げる折り曲げ部と、
前記折り曲げ部により折り曲げられた前記用紙束が排出される排紙トレイと、
前記用紙束が生産性を優先させた折り曲げにより処理される効率優先折り曲げ動作、及び折り曲げられた前記用紙束の厚みが抑えられる折り曲げにより前記用紙束が処理される積載量優先折り曲げ動作のいずれかを、前記折り曲げ部に行わせる制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記折り曲げ部により複数の用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させるというジョブの実行前に、前記効率優先折り曲げ動作で折り曲げられたことで前記用紙束の厚みが予め設定された第1増大率で増大するものとして、前記第1増大率に応じて前記用紙束の各用紙の枚数を増大させた第1増大枚数を算出し、
前記算出された第1増大枚数を前記排紙トレイに排出される前記各用紙束の数に掛け合わせて、該各用紙束の厚みに対応する第1積算枚数を算出し、
前記算出された第1積算枚数が前記排紙トレイへの排出が許容される予め設定された最大枚数を超えるか否かを判定し、
前記算出された第1積算枚数が前記最大枚数を超えないと判定した場合に、前記折り曲げ部により前記効率優先折り曲げ動作で前記各用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させ、
前記算出された第1積算枚数が前記最大枚数を超えると判定した場合に、前記折り曲げ部により前記積載量優先折り曲げ動作で前記各用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させる用紙後処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前回のジョブで、前記折り曲げ部により前記効率優先折り曲げ動作で各用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させた場合に、前回のジョブで算出された第1積算枚数を積算済み枚数とし、前回のジョブに続く次のジョブの実行前に、次のジョブの第1積算枚数を算出し、前記算出された次のジョブの第1積算枚数を前記積算済み枚数に加算して、総和枚数を算出し、前記算出された総和枚数が前記最大枚数を超えるか否かを判定し、
前記算出された総和枚数が前記最大枚数を超えないと判定した場合に、前記折り曲げ部により前記効率優先折り曲げ動作で次のジョブの各用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させ、
前記算出された総和枚数が前記最大枚数を超えると判定した場合に、前記折り曲げ部により前記積載量優先折り曲げ動作で次のジョブの各用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させる請求項1に記載の用紙後処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前回のジョブで、前記折り曲げ部により前記積載量優先折り曲げ動作で各用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させる場合に、前記積載量優先折り曲げ動作で折り曲げられることで前記用紙束の厚みが予め設定された第2増大率で増大するものとして、前記第2増大率に応じて前記用紙束の各用紙の枚数を増大させた第2増大枚数を算出し、前記算出された第2増大枚数を前記排紙トレイに排出される前記各用紙束の数に掛け合わせて、該各用紙束の厚みに対応する第2積算枚数を算出し、前記算出された第2積算枚数を積算済み枚数とし、
前回のジョブに続く次のジョブの実行前に、次のジョブの第1積算枚数を算出し、前記算出された次のジョブの第1積算枚数を前記積算済み枚数に加算して、総和枚数を算出し、前記算出された総和枚数が前記最大枚数を超えるか否かを判定し、
前記算出された総和枚数が前記最大枚数を超えないと判定した場合に、前記折り曲げ部により前記効率優先折り曲げ動作で次のジョブの各用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させ、
前記算出された総和枚数が前記最大枚数を超えると判定した場合に、前記折り曲げ部により前記積載量優先折り曲げ動作で次のジョブの各用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させる請求項1に記載の用紙後処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、次のジョブの用紙束となる各用紙の枚数と各用紙束の数の積を用紙重さ評価値として算出し、前記算出された用紙重さ評価値が予め設定された重さ閾値以上である場合に、前記積算済み枚数を予め設定された割合で低減させる請求項2又は請求項3に記載の用紙後処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、次のジョブの各用紙束が前記排紙トレイに排出され、かつ更に次の別のジョブが無い場合に、前記積算済み枚数を初期化する請請求項2又は求項3に記載の用紙後処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
上記前回のジョブが実行中で前記積載量優先折り曲げ動作を行っているときに上記次のジョブが設定された場合において、前記算出された用紙重さ評価値が予め設定された重さ閾値以上であると判断したときは、上記前回のジョブでの折り曲げ動作を前記効率優先折り曲げ動作に変更させる請求項4に記載の用紙後処理装置。
【請求項7】
原稿の画像を用紙に形成する画像形成装置と、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の用紙後処理装置と、を備え、
前記用紙後処理装置では、前記画像形成装置から複数の用紙を受け取り、前記折り曲げ部が、前記複数の用紙を積載して、前記各用紙からなる用紙束を折り曲げ、前記排紙トレイには、前記折り曲げ部により折り曲げられた前記用紙束が排出され、前記制御部が、前記用紙束が効率的に折り曲げられる効率優先折り曲げ動作、及び折り曲げられた前記用紙束の厚みが抑えられる積載量優先折り曲げ動作のいずれかを、前記折り曲げ部に行わせる画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の用紙からなる用紙束を折り曲げて排紙トレイに排出する用紙後処理装置及び画像形成システムに関し、特に、用紙束の折り曲げ及び排紙トレイへの排出を制御して生産性を向上させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、画像形成装置では、画像読取部により原稿の画像を読取り、画像形成部により原稿の画像を記録紙(用紙)に形成する。また、用紙後処理装置では、原稿の画像が形成された記録紙を画像形成装置から受け取って、記録紙に対して後処理を施す。用紙後処理装置により実施される後処理としては、複数の記録紙をテーブルに積載し、テーブル上で各記録紙を揃えて、各記録紙の中央を綴じ、各記録紙からなる用紙束を折り曲げて、用紙束を排紙トレイに排出する処理などがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のシート折り装置では、シートまたはシート束を折るシート折り手段と、シート折り手段により折りが施されたシートまたはシート束を積載収容するトレイと、シート折り手段により折りが施されたシートまたはシート束の折り高さを検出するシート折り高さ検出手段と、シート折り高さ検出手段により検出されたシートまたはシート束の折り高さが閾値以上の場合に、再度、折りが施されたシートまたはシート束をシート折り手段により折る制御を行い、生産性の低下を抑えつつ、多くのシートをトレイ上に積載することができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-6719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記のように各記録紙からなる用紙束を折り曲げて、用紙束を排紙トレイに排出する場合、排紙トレイが満杯になるまでは、排紙トレイへの用紙束の排出が速やかに行われることが望ましい。
【0006】
しかしながら、特許文献1では、排紙トレイが満杯になっているか否かにかかわらず、シートまたはシート束の折り高さが閾値以上であれば、再度、シートまたはシート束をシート折り手段により折る制御を行っているので、この制御に要する時間が長くなり、生産性が低下する。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、用紙束を折り曲げて排紙トレイに排出するという処理の効率を向上させつつ、排紙トレイが満杯になることを極力回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面にかかる用紙後処理装置は、複数の用紙を積載して、前記各用紙からなる用紙束を折り曲げる折り曲げ部と、前記折り曲げ部により折り曲げられた前記用紙束が排出される排紙トレイと、前記用紙束が生産性を優先させた折り曲げにより処理される効率優先折り曲げ動作、及び折り曲げられた前記用紙束の厚みが抑えられる折り曲げにより前記用紙束が処理される積載量優先折り曲げ動作のいずれかを、前記折り曲げ部に行わせる制御部と、を備え、前記制御部は、前記折り曲げ部により複数の用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させるというジョブの実行前に、前記効率優先折り曲げ動作で折り曲げられたことで前記用紙束の厚みが予め設定された第1増大率で増大するものとして、前記第1増大率に応じて前記用紙束の各用紙の枚数を増大させた第1増大枚数を算出し、前記算出された第1増大枚数を前記排紙トレイに排出される前記各用紙束の数に掛け合わせて、該各用紙束の厚みに対応する第1積算枚数を算出し、前記算出された第1積算枚数が前記排紙トレイへの排出が許容される予め設定された最大枚数を超えるか否かを判定し、前記算出された第1積算枚数が前記最大枚数を超えないと判定した場合に、前記折り曲げ部により前記効率優先折り曲げ動作で前記各用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させ、前記算出された第1積算枚数が前記最大枚数を超えると判定した場合に、前記折り曲げ部により前記積載量優先折り曲げ動作で前記各用紙束を折り曲げさせて、前記各用紙束を前記排紙トレイに排出させるものである。
【0009】
また、本発明の一局面にかかる画像形成システムは、原稿の画像を用紙に形成する画像形成装置と、上記本発明の用紙後処理装置と、を備え、前記用紙後処理装置では、前記画像形成装置から複数の用紙を受け取り、前記折り曲げ部が、前記複数の用紙を積載して、前記各用紙からなる用紙束を折り曲げ、前記排紙トレイには、前記折り曲げ部により折り曲げられた前記用紙束が排出され、前記制御部が、前記用紙束が効率的に折り曲げられる効率優先折り曲げ動作、及び折り曲げられた前記用紙束の厚みが抑えられる積載量優先折り曲げ動作のいずれかを、前記折り曲げ部に行わせるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、用紙束を折り曲げて排紙トレイに排出するという処理の効率を向上させつつ、排紙トレイが満杯になることを極力回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおける画像形成装置及び用紙後処理装置を示す断面図である。
図2】用紙後処理装置における中綴じ部を拡大して示す断面図である。
図3】(A)~(D)は、中綴じ部により各記録紙に対して施される中綴じ処理の動作を説明するために用いられた図である。
図4】画像形成装置及び用紙後処理装置の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
図5A】用紙束が効率的に折り曲げられる効率優先折り曲げ動作及び折り曲げられた用紙束の厚みが抑えられる積載量優先折り曲げ動作のいずれかを、用紙後処理装置の中綴じ部により行わせるための制御手順を示すフローチャートである。
図5B図5Aに引き続く制御手順を示すフローチャートである。
図5C図5Aに引き続く別の制御手順を示すフローチャートである。
図6】画像形成装置の表示部に表示されたメッセージなどを示す図である。
図7】画像形成装置の表示部に表示された別のメッセージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおける画像形成装置及び用紙後処理装置を示す断面図である。本実施形態の画像形成システムSyは、原稿の画像を読取って記録紙(用紙)に形成する画像形成装置10と、記録紙を画像形成装置10から受け取って、記録紙に対して後処理を施す用紙後処理装置20とを備えている。
【0013】
画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12とを備えている。画像読取部11では、複数の原稿を原稿トレイ1から順次引き出して搬送しつつ、各原稿の画像を撮像素子により読取り、各原稿を排紙トレイ2に順次排出して重ねる。各原稿の画像毎に、撮像素子の出力がデジタル信号に変換されて、原稿の画像を示す画像データが生成される。
【0014】
画像形成部12は、複数の原稿の画像を示すそれぞれの画像データを逐次入力する度に、画像データによって示される画像を記録用紙に印刷する。画像形成部12は、マゼンタ用の画像形成ユニット3M、シアン用の画像形成ユニット3C、イエロー用の画像形成ユニット3Y、及びブラック用の画像形成ユニット3Bkを備えている。各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、感光体ドラム4の表面を均一帯電させ、感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム4の表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラム4の表面のトナー像を、中間転写ベルト5に転写する。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト5上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト5と2次転写ローラー6の間のニップ域Nにおいて給紙部14から搬送路8を通じて搬送されてきた記録用紙Pに2次転写される。
【0015】
画像形成部12により各原稿の画像がそれぞれの記録紙Pに順次形成され、各記録紙Pが定着部15で逐次加熱及び加圧されて、各記録紙P上のそれぞれのトナー像が熱圧着により逐一定着される。各記録紙Pは、排出ローラー18を通じて用紙後処理装置20へと順次搬送される。
【0016】
一方、用紙後処理装置20は、画像形成装置10からの各記録紙Pを搬送する複数の搬送ローラー21、22、23、搬送ローラー21を通過した各記録紙Pを水平方向に導いて搬送ローラー22へと送り出すか又は搬送ローラー21を通過した各記録紙Pを下方に導いて搬送ローラー23へと送り出す分岐爪241、搬送ローラー22を通じて搬送されて来た各記録紙Pを第1排紙トレイ26に排出する排出ローラー24、搬送ローラー23を通じて搬送されて来た各記録紙Pを積み重ねて、各記録紙Pの中央部にステイプル処理を施し、各記録紙Pをその中央で折り曲げる中綴じ部27、及び中綴じ部27によりステイプル処理が施されて折り曲げられた各記録紙Pが排出される第2排紙トレイ28などを備える。用紙後処理装置20は、後述する画像形成装置10の制御部46により、用紙後処理装置20の駆動制御部56を通じて、全体的な動作が制御される。
【0017】
尚、中綴じ部27は、特許請求の範囲における折り曲げ部に対応する。第2排紙トレイ28は、特許請求の範囲における排紙トレイに対応する。
【0018】
図2は、用紙後処理装置20の中綴じ部27を拡大して示す断面図である。図1及び図2に示すように中綴じ部27は、搬送ローラー23により搬送され排出された複数の記録紙Pを受ける各分割テーブル75A、75B、各分割テーブル75A、75B上で記録紙Pを移動させて、記録紙Pの長手方向の位置を調節する先端カーソル85A及び後端カーソル85B、各カーソル85A、85Bを支持して、各カーソル85A、85Bを記録紙Pの排出方向Qに沿って往復移動させるそれぞれの回転ベルト76A、76B、各分割テーブル75A、75B上の各記録紙Pからなる用紙束PTの中央部にステイプル処理を施すステイプル部77、各分割テーブル75A、75B間のスペース上方に配置されて、用紙束PTを折り曲げて搬送する各折りローラー78A、78B、78C、各分割テーブル75A、75B間のスペースを通じて各折りローラー78A、78Bのニップ域に対向配置されて、このニップ域に対して接離する方向に往復移動される折りブレード79、用紙束PTを各折りローラー78A、78Bから受け取って案内するガイド部81、用紙束PTを第2排紙トレイ28へと搬送して排出する排出コンベアー83、及び用紙束PTの幅方向の位置を規制する両側の各側端カーソル91A、91Bなどを備えている。
【0019】
図3(A)~(D)は、中綴じ部27による各記録紙P(用紙束PT)の折り曲げ動作の概略を示している。図3(A)に示すように記録紙Pが各分割テーブル75A、75B上に排出されると、記録紙Pの先端が先端カーソル85Aに突き当てられて揃えられ、また各側端カーソル91A、91Bにより記録紙Pの両側端が揃えられる。先端カーソル85Aが後端カーソル85Bに接近する方向に移動されるか、又は後端カーソル85Bが先端カーソル85Aに接近する方向に移動されて、後端カーソル85Bにより記録紙Pの後端が揃えられ、先端カーソル85A及び後端カーソル85Bがそれぞれの元の位置に移動される。記録紙Pは、その自重により各分割テーブル75A、75B上で斜め下方に付勢されているので、記録紙Pの先端が先端カーソル85Aに当接された状態が維持される。このような動作を、1枚の記録紙Pが排出される度に繰り返して、複数の記録紙Pを各分割テーブル75A、75B上に積載して揃えて用紙束PTとする。尚、数枚の記録紙Pが排出される度に、上記のように各側端カーソル91A、91B、先端カーソル85A、及び後端カーソル85Bを移動させて、該各カーソルにより各記録紙Pの両側端、先端、及び後端を揃え、複数の記録紙Pを各分割テーブル75A、75B上に積載して揃えてもよい。
【0020】
図3(B)に示すように先端カーソル85A及び後端カーソル85Bが移動されて、各分割テーブル75A、75B上で用紙束PTが移動され、用紙束PTの中央部がステイプル部77によるステイプル処理の位置に位置決めされ、ステイプル部77により用紙束PTの中央部に対してステイプル処理が施される。
【0021】
図3(C)に示すように各カーソル85A、85Bにより各分割テーブル75A、75B上で用紙束PTが移動され、用紙束PTの中央部が各分割テーブル75A、75Bの間のスペースに位置決めされる。
【0022】
図3(D)に示すように折りローラー78Aが反時計回り方向に回転駆動されると共に、折りローラー78Bが時計回り方向に回転駆動され、折りブレード79が各折りローラー78A、78Bのニップ域Nに接近する方向に移動され、折りブレード79の先端により用紙束PTの中央部が突き上げられて、用紙束PTの中央部が各折りローラー78A、78Bのニップ域Nに押し込まれ、各折りローラー78A、78Bにより用紙束PTの中央部が折り曲げられて、用紙束PTが2つ折りにされる。この折り曲げられた用紙束PTは、各折りローラー78A、78Bにより搬送されて、ガイド部81により排出コンベアー83へと案内され、排出コンベアー83により搬送されて第2排紙トレイ28へと排出される。
【0023】
尚、図2に示す折りローラー78Cは、二つ折りにされた用紙束PTに対して3つ目の折り目をつけて、用紙束PTを三つ折りにするためのものである。二つ折りにされた用紙束が各折りローラー78A、78Bの間を通過した後、用紙束の3つ折りにされる部分が折りローラー78Bと折りローラー78Cの間へと導入されて、用紙束に3つ目の折り目が付けられ、3つ折りにされた用紙束が別のガイド部(図示せず)及び排出コンベアー83を通じて第2排紙トレイ28へと排出される(例えば、特開2021-59410号公報の図6を参照)。
【0024】
次に、画像形成装置10及び用紙後処理装置20の制御に係る構成について説明する。図4は、画像形成装置10及び用紙後処理装置20の主要内部構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように画像形成装置10は、画像読取部11と、画像形成部12と、表示部41と、操作部42と、タッチパネル43と、記憶部44と、制御部46と、インターフェイス47とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0025】
表示部41は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0026】
操作部42(特許請求の範囲における操作部の一例)は、テンキー、決定キー、スタートキーなどの物理キーを備えている。操作部42には、ユーザーによる操作に基づいて、各種の指示が入力される。
【0027】
表示部41の画面には、タッチパネル43が配置されている。タッチパネル43は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル43に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置とともに検知して、その接触位置の座標を示す検知信号を制御部46などに出力する。
【0028】
記憶部44は、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0029】
制御部46は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等であり、上記のROM又は記憶部44に記憶された制御プログラムを実行して、画像形成装置10による画像形成に必要な各種の処理などを実行する処理部としての役割を果たす。
【0030】
制御部46は、画像読取部11、画像形成部12、表示部41、操作部42、タッチパネル43、記憶部44、及びインターフェイス47などと接続されており、これらの構成要素の動作制御や、該各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0031】
また、制御部46は、表示部41の表示動作を制御する機能を有する。更に、制御部46は、タッチパネル43から出力される検知信号あるいは操作部42の物理キーの操作に基づき、ユーザーにより入力された操作指示を受付ける。例えば、制御部46は、タッチパネル43(特許請求の範囲における操作部の一例)を通じて表示部41の画面に表示されているGUI(Graphical User Interface)などに対するタッチ操作を受付ける。
【0032】
また、用紙後処理装置20は、満杯検出部25と、中綴じ部27と、記憶部54と、用紙後処理装置20の駆動制御部56と、インターフェイス57とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0033】
満杯検出部25は、第2排紙トレイ28が各用紙束PTで満杯状態になっているか否かを検出する。例えば、一対の発光素子と受光素子を、第2排紙トレイ28が満杯状態となったときの最上層の記録紙Pの高さ位置にかつ第2排紙トレイ28の両外側のそれぞれの位置に配置して対向させ、第2排紙トレイ28が満杯状態でない場合は、発光素子の光が受光素子で受光され、また第2排紙トレイ28が満杯状態となった場合は、発光素子の光が最上層の記録紙Pにより遮られて受光素子で受光されないようにする。この受光素子の出力変化に基づき第2排紙トレイ28が各用紙束PTで満杯状態になっているか否かが検出される。
【0034】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、プロセッサー、RAM、及びROMなどから構成され、中綴じ部27などを駆動制御する。
【0035】
画像形成装置10の制御部46と用紙後処理装置20の駆動制御部56は、それぞれのインターフェイス47、57を通じて、データ又は信号を互いに入出力する。例えば、画像形成装置10の制御部46は、用紙後処理装置20による後処理の種類など示す制御信号を用紙後処理装置20の駆動制御部56に出力し、用紙後処理装置20の駆動制御部56がその制御信号によって示される種類の後処理を行う。すなわち、制御部46は、駆動制御部56を通じて、用紙後処理装置20の全体的な動作を制御する。
【0036】
このような構成の画像形成システムSyにおいて、例えば、画像形成装置10により複数の原稿Mの画像を読取らせてそれぞれの記録紙Pに記録させ、用紙後処理装置20の中綴じ部27により複数の記録紙Pからなる用紙束PTの中央部を綴じさせて、用紙束PTをその中央部で折り曲げさせるという中綴じ処理を実行させる場合、ユーザーは、タッチパネル43を通じて表示部41の画面に表示されているGUIを操作して、中綴じ処理の実行指示を入力する。そして、ユーザーは、複数の原稿Mを画像読取部11にセットして、操作部42のスタートキーを操作し、これにより、操作部42に原稿読取指示が入力される。
【0037】
画像形成装置10の制御部46は、中綴じ処理の実行指示に従って中綴じ処理を実行させる制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力し、これと共に上記原稿読取指示に従って画像読取部11により各原稿Mの画像を順次読取らせて、各原稿Mの画像を画像形成部12によりそれぞれの記録紙Pに形成させ、これらの記録紙Pを用紙後処理装置20に逐次搬送させる。
【0038】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、中綴じ処理を実行させる制御信号を、インターフェイス57を通じて受信すると共に、画像形成装置10から搬送されて来た記録紙Pを逐次受け入れ、その制御信号に基づき記録紙Pを中綴じ部27へと搬送し、中綴じ部27における各回転ベルト76A、76B、ステイプル部77、各折りローラー78A、78B、78C、折りブレード79、排出コンベアー83のそれぞれの駆動源となる各モーターなどを駆動制御して、それらを作動させる。これにより、複数の記録紙Pからなる用紙束PTの中央部にステイプル処理が施されて、用紙束PTがその中央で折り曲げられ、用紙束PTが第2排紙トレイ28へと排出される。
【0039】
ここで、第2排紙トレイ28が満杯になるまでは、第2排紙トレイ28への用紙束PTの排出が可能である。しかしながら、第2排紙トレイ28に排出される用紙束PTは、複数の記録紙Pを積み重ねて折り曲げたものなので、厚みが嵩張る。このため、第2排紙トレイ28が満杯になり易く、第2排紙トレイ28が満杯になったときには、画像形成装置10及び用紙後処理装置20の動作を一時的に停止させ、各用紙束PTを第2排紙トレイ28から取り出してから画像形成装置10及び用紙後処理装置20の動作を再開させる必要があり、生産性が低下する。
【0040】
また、用紙束PTを確りと折り曲げれば、折り曲げられた用紙束PTの厚みが抑えられるので、第2排紙トレイ28に排出可能な用紙束PTの数を増大させることができるが、中綴じ部27における各折りローラー78A、78B、78C、折りブレード79による用紙束PTの折り曲げ動作に要する時間が長くなり、やはり生産性が低下する。
【0041】
そこで、本実施形態では、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、画像形成装置10の制御部46による制御の下、用紙束PTが生産性を優先させた折り曲げにより処理される効率優先折り曲げ動作KD、及び折り曲げられた用紙束PTの厚みが抑えられる折り曲げにより前記用紙束が処理される積載量優先折り曲げ動作SDのいずれかを、中綴じ部27に行わせて、生産性の向上を図る。
【0042】
なお、以下に示す駆動制御部56による用紙後処理装置20の各部の駆動制御は、画像形成装置10の制御部46による制御の下で行われる。この場合、駆動制御部56及び制御部46が特許請求の範囲における制御部の一例となる。但し、駆動制御部56は、画像形成装置10の制御部46から中綴じ処理を実行させる制御信号を受け取った後、駆動制御部56が主体的に、折り動作に必要な用紙後処理装置20の各部の駆動制御を行うようにしてもよい。この場合は、駆動制御部56が特許請求の範囲における制御部の一例となる。
【0043】
効率優先折り曲げ動作KDは、中綴じ部27による用紙束PTの折り曲げ動作を予め定められた通常の速度で1回だけ行う動作であり、用紙束PTの折り曲げが速やかに行われるものの、折り曲げられた用紙束PTが嵩張って厚くなる。
【0044】
また、積載量優先折り曲げ動作SDは、中綴じ部27による用紙束PTの折り曲げ動作を、(i)上記予め定められた通常の速度よりも遅い予め定められた低速度で、又は(ii)上記予め定められた通常の速度で2回以上繰り返し行う動作であり、用紙束PTの折り曲げに時間を要するものの、折り曲げられた用紙束PTの厚みが抑えられる。例えば、各折りローラー78A、78B、78C、折りブレード79の駆動源となる各モーターとしてそれぞれのステッピングモーターを駆動制御して、各ステッピングモーターの回転方向、回転角度、回転速度を制御することにより、各折りローラー78A、78B、78Cの回転方向、回転角度、回転速度、及び折りブレード79の移動方向、移動位置、移動速度を調節する。用紙後処理装置20の駆動制御部56は、各折りローラー78A、78B、78C、折りブレード79の駆動源となる各ステッピングモーターを駆動制御して、各折りローラー78A、78B、78Cの回転速度を遅くし、折りブレード79の移動速度を遅くして、用紙束PTの折り曲げ動作を通常の速度よりも遅い速度で行って、用紙束PTを確りと折り曲げる。あるいは、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、各折りローラー78A、78B、78C、折りブレード79の駆動源となる各ステッピングモーターを駆動制御して、用紙束PTの折り目を各折りローラー78A、78Bの間のニップ域又は各折りローラー78B、78Cの間のニップ域に挟んだ状態で各折りローラー78A、78B、78Cを一定の回転角度範囲で往復回転させて、用紙束PTの折り目に対する折り曲げ動作を繰り返し行って、用紙束PTを確りと折り曲げる。
【0045】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、中綴じ部27により複数の用紙束PTを折り曲げさせて、各用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させるというジョブの実行前に、効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げられて第2排紙トレイ28に排出されたときの各用紙束PTの厚みに対応する第1積算枚数N1を予測して算出し、第1積算枚数N1が第2排紙トレイ28への排出が許容される予め設定された最大枚数Nxを超えるか否かを判定する。
【0046】
そして、駆動制御部56は、第1積算枚数N1が最大枚数Nxを超えないと判定した場合に、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作KDで各用紙束PTを速やかに折り曲げさせて、各用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させる。これにより、各用紙束PTの折り曲げを効率的に行わせつつ、第2排紙トレイ28が満杯になることを極力回避する。
【0047】
また、駆動制御部56は、第1積算枚数N1が最大枚数Nxを超えると判定した場合に、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作SDで各用紙束PTを確りと折り曲げさせ、各用紙束PTの厚みを抑えて、各用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させる。これにより、各用紙束PTの折り曲げに時間を要しても、第2排紙トレイ28が満杯になり難いようにする。
【0048】
また、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、連続して実行される複数のジョブ毎に、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作KDで各用紙束PTを折り曲げさせる場合に、上記の第1積算枚数N1を予測して算出する。
【0049】
また、駆動制御部56は、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作SDで各用紙束PTを折り曲げさせる場合に、積載量優先折り曲げ動作SDで折り曲げられて第2排紙トレイ28に排出されたときの各用紙束PTの厚みに対応する第2積算枚数N2を予測して算出し、第1積算枚数N1又は第2積算枚数N2を積算して、積算済み枚数NAを算出し、今回のジョブに際しては、今回のジョブで予測して算出された第1積算枚数N1を積算済み枚数NAに加算して総和枚数NNを算出し、この総和枚数NNが第2排紙トレイ28への排出が許容される最大枚数Nxを超えるか否かを判定する。
【0050】
駆動制御部56は、その総和枚数NNが最大枚数Nxを超えないと判定した場合に、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作KDで各用紙束PTを速やかに折り曲げさせて、各用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させる。これにより、各用紙束PTの折り曲げを効率的に行わせつつ、第2排紙トレイ28が第2排紙トレイ28が満杯になることを極力回避する。第2排紙トレイ28が満杯になることを極力回避する。
【0051】
また、駆動制御部56は、総和枚数NNが最大枚数Nxを超えると判定した場合に、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作SDで各用紙束PTを折り曲げさせ、各用紙束PTの厚みを抑えて、各用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させる。これにより、各用紙束PTの折り曲げに時間を要しても、第2排紙トレイ28が満杯になり難いようにする。
【0052】
次に、上記のように用紙束PTが効率優先折り曲げ動作KD及び積載量優先折り曲げ動作SDのいずれかを、中綴じ部27に行わせるための制御手順を、図5A図5Cに示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0053】
画像形成装置10において、例えば、ユーザーは、用紙後処理装置20によりジョブを行わせるべく、1つ又は複数のジョブ毎に、タッチパネル43を通じて表示部41の画面に表示されているGUIを操作して、用紙後処理装置20による後処理の種類として、第1排紙トレイ26への排出、又は中綴じ部27による中綴じ処理と第2排紙トレイ28への排出を指定する指示を入力するる。ユーザーは、第1排紙トレイ26への排出を指定する指示を入力した場合は、各記録紙Pの枚数nsを指定する指示も入力する。また、ユーザーは、中綴じ部27による中綴じ処理と第2排紙トレイ28への排出を指定する指示を入力した場合は、用紙束PTとなる各記録紙Pの枚数n、各用紙束PTの数mを指定する指示も入力する。これら入力された各指示は、制御部46に受け付けられる。
【0054】
画像形成装置10の制御部46は、1つ乃至複数のジョブ毎に、用紙後処理装置20による後処理の種類、各記録紙Pの枚数ns又は用紙束PTとなる各記録紙Pの枚数nと各用紙束PTの数mを示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力する。更に、制御部46は、画像読取部11により各原稿Mの画像を順次読取らせて、各原稿Mの画像を画像形成部12によりそれぞれの記録紙Pに形成させ、これらの記録紙Pを用紙後処理装置20に逐次搬送させる。
【0055】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、画像形成装置10からの上記制御信号を、インターフェイス57を通じて受信すると、この制御信号によって示される後処理の種類、各記録紙Pの枚数ns又は用紙束PTとなる各記録紙Pの枚数nと各用紙束PTの数mを取得し(S101)、後処理の種類を判定する(S102)。
【0056】
例えば、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、後処理の種類として第1排紙トレイ26への排出を判定すると(S102「折り無」)、枚数nsの各記録紙Pを搬送ローラー21→分岐爪241→搬送ローラー22→排出ローラー24へと逐次搬送して第1排紙トレイ26に排出させる(S103)。そして、駆動制御部56は、次のジョブの制御信号を画像形成装置10から各インターフェイス47、57を通じて受信したか否かを判定する(S104)。駆動制御部56が、次のジョブの制御信号を受信していないと判定した場合は(S104「No」)、図5A図5Cに示す制御手順は終了する。駆動制御部56が、次のジョブの制御信号を受信したと判定した場合は(S104「Yes」)、S101に戻る。
【0057】
なお、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S103の処理に際し、第1排紙トレイ26に排出された各記録紙Pの排出枚数を計数して、この排出枚数が第1排紙トレイ26への排出が許容される許容枚数に達したか否かを判定する。駆動制御部56は、排出枚数が許容枚数に達したと判定したときに、録紙Pの搬送中断を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に出力する。
【0058】
画像形成装置10の制御部46は、その制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、この制御信号によって示される記録紙Pの搬送中断を判定して、記録紙Pへの画像形成及び記録紙Pの搬送を中断させ、更に、各記録紙Pを用紙後処理装置20の第1排紙トレイ26から取り去って操作部42から再開指示を入力することを促す旨のメッセージを表示部41に表示させる。ユーザーは、そのメッセージに従って作業及び操作を行う。
【0059】
画像形成装置10の制御部46は、再開指示が入力されると、記録紙Pの搬送再開を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力し、記録紙Pへの画像形成及び記録紙Pの搬送を再開させる。用紙後処理装置20の駆動制御部56は、その制御信号を、インターフェイス57を通じて受信すると、画像形成装置10からの記録紙Pを搬送ローラー21→分岐爪241→搬送ローラー22→排出ローラー24へと逐次搬送して第1排紙トレイ26に排出させることを再開させる。
【0060】
また、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、後処理の種類として中綴じ部27による中綴じ処理と第2排紙トレイ28への排出を判定すると(S102「折り有」)、記憶部54に記憶されている積算済み枚数NAが「0」であるか否かを判定する(S105)。積算済み枚数NAは、積算済みの枚数を示すものであるが、実質的には、前回までのジョブで第2排紙トレイ28に排出されて積載された各用紙束PTの厚みを示す。
【0061】
ここで、前回までのジョブで第2排紙トレイ28に排出されて積載された各用紙束PTが無い場合、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、記憶部54に記憶されている積算済み枚数NAが「0」であることから(S105「Yes」)、S101で受けたジョブの実行前に、効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げられたことで用紙束PTの厚みが予め設定された第1増大率α1で増大するものとして、第1増大率α1をS101で取得された用紙束PTの各記録紙Pの枚数nに掛け合わせて、第1増大枚数n1を算出する(S106)。駆動制御部56は、この算出した第1増大枚数n1をS101で取得された各用紙束PTの数mに掛け合わせて、効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げられた各用紙束PTの厚みを示す第1積算枚数N1を算出する(S107)。
【0062】
これと共に、駆動制御部56は、S101で受けたジョブの実行前に、積載量優先折り曲げ動作SDで折り曲げられたことで用紙束PTの厚みが予め設定された第2増大率α2で増大するものとして、第2増大率α2をS101で取得された用紙束PTの各記録紙Pの枚数nに掛け合わせて、第2増大枚数n2を算出する(S106)。更に、駆動制御部56は、この算出した第2増大枚数n2をS101で取得された各用紙束PTの数mに掛け合わせて、積載優先折り曲げ動作SDで折り曲げられた各用紙束PTの厚みを示す第2積算枚数N2を算出する(S107)。
【0063】
ここで、効率優先折り曲げ動作KDでは、例えば、2つ折りにされた用紙束PTの厚みが2つ折りにされる前の用紙束PTの元の厚みの2倍以上の2.5倍となる。この場合、第1増大率α1を2.5に予め設定しておき、駆動制御部56は、第1増大率α1を用紙束PTの各記録紙Pの枚数nに掛け合わせて、第1増大枚数n1を算出する(n1=α1×n=2.5×n)。第1増大枚数n1は、効率優先折り曲げ動作KDで2つ折りにされた用紙束PTの厚みを記録紙Pの枚数で表したものである。
【0064】
駆動制御部56は、この第1増大枚数n1を第2排紙トレイ28に排出される各用紙束PTの数mに掛け合わせて、第1積算枚数N1を算出する。第1積算枚数N1は、効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げられて第2排紙トレイ28に排出されて積載された各用紙束PTの厚みを記録紙Pの枚数で表したものである。
【0065】
また、積載量優先折り曲げ動作SDでは、用紙束PTの折り曲げに時間を要するものの、折り曲げられた用紙束PTの厚みが抑えられ、例えば、2つ折りにされた用紙束PTの厚みが2倍を僅かに超える2.2倍となる。この2.2倍を、積載量優先折り曲げ動作SDの第2増大率α2として予め設定しておき、駆動制御部56は、第2増大率α2を用紙束PTの各記録紙Pの枚数nに掛け合わせて、積載量優先折り曲げ動作SDの第2増大枚数n2を算出する(n2=α2×n=2.2×n)。第2増大枚数n2は、積載量優先折り曲げ動作SDで2つ折りにされた用紙束PTの厚みを記録紙Pの枚数で表したものである。
【0066】
この第2増大枚数n2を第2排紙トレイ28に排出される各用紙束PTの数mに掛け合わせて、第2積算枚数N2を算出する。第2積算枚数N2は、積載量優先折り曲げ動作SDで折り曲げられて第2排紙トレイ28に排出されて積載された各用紙束PTの厚みを記録紙Pの枚数で表したものである。
【0067】
上記の第1増大枚数n1(n1=α1×n=2.5×n)と第2増大枚数n2(n2=α2×n=2.2×n)の比較から明らかなように、効率優先折り曲げ動作KDで2つ折りにされた用紙束PTの厚みよりも積載量優先折り曲げ動作SDで2つ折りにされた用紙束PTの厚みが薄くなる。よって、第2積算枚数N2が第1積算枚数N1よりも小さくなり、効率優先折り曲げ動作KDで用紙束PTが折り曲げられるよりも、積載量優先折り曲げ動作SDで用紙束PTが折り曲げられた方が、第2排紙トレイ28が満杯になり難い。
【0068】
なお、例えば、効率優先折り曲げ動作KDで用紙束PTが3つ折りにされる場合は、は、3つ折りにされた用紙束PTの厚みが3つ折りにされる前の用紙束PTの元の厚みの3倍以上の値(例えば3.6)となるので、第1増大率α1が3.6に設定され、また積載量優先折り曲げ動作SDで用紙束PTが3つ折りにされた場合は、3つ折りにされた用紙束PTの厚みが3つ折りにされる前の用紙束PTの元の厚みの3倍を僅かに超える値(例えば3.3)となるので、第1増大率α1が3.3に設定される。
【0069】
上記のようにS107で算出された第1積算枚数N1は、効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げられて第2排紙トレイ28に排出されて積載された各用紙束PTの厚みを記録紙Pの枚数で表したものである。用紙後処理装置20の駆動制御部56は、第1積算枚数N1が第2排紙トレイ28への排出が許容される予め設定された最大枚数Nxを超えるか否かを判定し(S108)、第1積算枚数N1が最大枚数Nxを超えないと判定した場合は(S108「No」)、効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げられた各用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させることが許容されるので、用紙束PTにされる各記録紙Pの枚数n、各用紙束PTの数mに基づき、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作KDで用紙束PTを折り曲げさせて、用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させる(S109)。
【0070】
中綴じ部27では、駆動制御部56による制御の下、図3(A)~(D)に示すように枚数nの各記録紙Pが各分割テーブル75A、75Bに排出されると、各記録紙Pを各分割テーブル75A、75B上に積載して揃えて用紙束PTとし、ステイプル部77により用紙束PTの中央部に対してステイプル処理を施させ、折りブレード79及び各折りローラー78A、78Bにより用紙束PTを予め定められた通常の速度で折り曲げる。排出コンベアー83は、折り曲げられた用紙束PTを搬送して第2排紙トレイ28へと排出させる。この場合、用紙束PTの折り曲げが効率的に行われる。
【0071】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げさせて第2排紙トレイ28へと排出された用紙束PTの排出数maを計数し(S110)、この計数された排出数maがS101で取得された各用紙束PTの数mに達したか否かを判定する(S111)。駆動制御部56は、排出数maが各用紙束PTの数mに達していなければ(S111「No」)、満杯検出部25により第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されているか否かを判定する(S112)。そして、駆動制御部56は、第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されていなければ(S112「No」)、S109に戻って、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作KDで次の用紙束PTを折り曲げさせて、次の用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させ、S110~S112を繰り返す。
【0072】
そして、駆動制御部56は、S110で計数された用紙束PTの排出数maがS101で取得された各用紙束PTの数mに達したと判定すると(S111「Yes」)、S101で受けたジョブが終了したことになるので、次のジョブの制御信号を画像形成装置10から各インターフェイス47、57を通じて受信したか否かを判定する(S113)。駆動制御部56は、次のジョブの制御信号を受信していなければ(S113「No」)、ジョブ終了を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に出力し(S114)、S110で計数された用紙束PTの排出数maを「0」に初期化すると共に(S115)、記憶部54に記憶されている積算済み枚数NAを「0」に初期化する(S116)。この後、図5A図5Cに示す制御手順を終了する。
【0073】
画像形成装置10の制御部46は、ジョブ終了を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、図6に例を示すように用紙後処理装置20の第2排紙トレイ28からの各用紙束PTの除去を促すメッセージE1及び終了キーK11を表示部41に表示させる。ユーザーは、メッセージE1を見て、用紙後処理装置20の第2排紙トレイ28から各用紙束PTを取り去り、終了キーK11を操作する。制御部46は、タッチパネル43を通じて終了キーK11に対するタッチ操作に基づく終了指示を受け付けると、次のジョブを待機する。
【0074】
また、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S110で計数された用紙束PTの排出数maがS101で取得された各用紙束PTの数mに達する前に(S111「No」)、満杯検出部25により第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されると(S112「Yes」)、中綴じ部27による効率優先折り曲げ動作KDを中断させ(S117)、ジョブ中断を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に出力する(S118)。
【0075】
画像形成装置10の制御部46は、ジョブ中断を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、画像読取部11による原稿Mの画像の読取り、画像形成部12による記録紙Pへの原稿Mの画像の形成、及び用紙後処理装置20への記録紙Pの搬送を中断させ、図7に例を示すように用紙後処理装置20の第2排紙トレイ28からの各用紙束PTの除去及びスタートキーの操作を促すメッセージE2を表示部41に表示させる。ユーザーは、メッセージE2を見て、用紙後処理装置20の第2排紙トレイ28から各用紙束PTを取り去り、操作部42のスタートキーを操作する。制御部46は、スタートキーの操作に基づいて入力された再開指示を受け付けると、原稿Mの画像の読取り、記録紙Pへの原稿Mの画像の形成、用紙後処理装置20への記録紙Pの搬送を再開し、ジョブ再開を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力する。
【0076】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、ジョブ再開を示す制御信号を待機しており(S119「No」)、ジョブ再開を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて受信すると(S119「Yes」)、S109に戻って、S101で受けたジョブを再開する。
【0077】
一方、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S107で算出された第1積算枚数N1が第2排紙トレイ28への排出が許容される最大枚数Nxを超えると判定した場合は(S108「Yes」)、効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げられた各用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させることが許容されないので、S101で取得された用紙束PTにされる各記録紙Pの枚数n、各用紙束PTの数mに基づき、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作SDで用紙束PTを確りと折り曲げさせて、用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させる(S120)。
【0078】
中綴じ部27では、駆動制御部56による制御の下、図3(A)~(D)に示すように枚数nの各記録紙Pが各分割テーブル75A、75Bに排出されると、各記録紙Pを各分割テーブル75A、75B上に積載して揃えて用紙束PTとし、ステイプル部77により用紙束PTの中央部に対してステイプル処理を施させ、(i)各折りローラー78A、78Bの回転速度を予め定められた通常速度から予め定められた値だけ遅くした低速度にすると共に、折りブレード79の移動速度を、予め定められた通常速度から予め定められた値だけ遅くした低速度にして、用紙束PTの折り曲げ動作を通常の速度よりも遅い速度で行うか、又は(ii)用紙束PTの折り目を各折りローラー78A、78Bの間のニップ域に挟んだ状態で各折りローラー78A、78Bを一定の回転角度範囲で往復回転させて、用紙束PTの折り目に対する折り曲げ動作を繰り返し行って、用紙束PTを確りと折り曲げる、のいずれかが行われる。排出コンベアー83は、このようにして確りと折り曲げられた用紙束PTを搬送して第2排紙トレイ28へと排出させる。この場合、各用紙束PTの折り曲げに時間を要するが、各用紙束PTの厚みが薄くなるので、第2排紙トレイ28が満杯になり難い。
【0079】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作SDで用紙束PTを折り曲げさせる場合、用紙束PTの折り曲げの動作が遅くなるので、用紙束PTの各記録紙Pと次の用紙束PTの各記録紙Pの搬送間隔を広げることを指示する制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に送信する。画像形成装置10の制御部47は、その制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、画像形成部12及び記録紙Pの搬送機構を制御して、用紙束PTの各記録紙Pと次の用紙束PTの各記録紙Pの搬送間隔を広げる。
【0080】
S120の後、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、第2排紙トレイ28へと排出された用紙束PTの排出数maを計数し(S121)、この計数された排出数maがS101で取得された各用紙束PTの数mに達したか否かを判定する(S122)。ここで、駆動制御部56は、排出数maが各用紙束PTの数mに達していなければ(S122「No」)、満杯検出部25により第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されているか否かを判定する(S123)。駆動制御部56は、第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されていなければ(S123「No」)S120に戻って、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作SDで次の用紙束PTを折り曲げさせて、次の用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させ、S121~S123を繰り返す。
【0081】
また、駆動制御部56は、S121で計数された用紙束PTの排出数maがS101で取得された各用紙束PTの数mに達したと判定した場合は(S122「Yes」)、S101で受けたジョブが終了したことになるので、次のジョブの制御信号を画像形成装置10から各インターフェイス47、57を通じて受信したか否かを判定する(S127)。駆動制御部56は、次のジョブの制御信号を受信していなければ(S127「No」)、ジョブ終了を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に出力し(S128)、S121で計数された用紙束PTの排出数maを「0」に初期化すると共に(S129)、記憶部54に記憶されている積算済み枚数NAを「0」に初期化し(S130)、図5A図5Cに示す制御手順を終了する。
【0082】
画像形成装置10の制御部46は、ジョブ終了を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、図6に例を示すように用紙後処理装置20の第2排紙トレイ28からの各用紙束PTの除去を促すメッセージE1及び終了キーK11を表示部41に表示させる。ユーザーは、メッセージE1を見て、用紙後処理装置20の第2排紙トレイ28から各用紙束PTを取り去り、終了キーK11を操作する。制御部46は、タッチパネル43を通じて終了キーK11に対する操作に基づいて入力された終了指示を受け付けると、次のジョブを待機する。
【0083】
また、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S121で計数された用紙束PTの排出数maがS101で取得された各用紙束PTの数mに達する前に(S122「No」)、満杯検出部25により第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されたときは(S123「Yes」)、中綴じ部27による積載量優先折り曲げ動作SDを中断させ(S124)、ジョブ中断を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に出力する(S125)。
【0084】
画像形成装置10の制御部46は、ジョブ中断を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、画像読取部11による原稿Mの画像の読取り、画像形成部12による記録紙Pへの原稿Mの画像の形成、用紙後処理装置20への記録紙Pの搬送を中断させ、図7に例を示すように用紙後処理装置20の第2排紙トレイ28からの各用紙束PTの除去及びスタートキーの操作を促すメッセージE2を表示部41に表示させる。ユーザーは、メッセージE2を見て、用紙後処理装置20の第2排紙トレイ28から各用紙束PTを取り去り、操作部42のスタートキーを操作する。制御部46は、スタートキーの操作に基づいて入力された再開指示を受け付けると、原稿Mの画像の読取り、記録紙Pへの原稿Mの画像の形成、用紙後処理装置20への記録紙Pの搬送を再開し、ジョブ再開を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力する。
【0085】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、ジョブ再開を示す制御信号を待機しており(S126「No」)、ジョブ再開を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて受信すると(S126「Yes」)、S120に戻って、S101で受けたジョブを再開する。
【0086】
一方、S111において、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S110で計数された用紙束PTの排出数maがS101で取得された各用紙束PTの数mに達したと判定したとき(S111「Yes」)、すなわち、S101で受けたジョブが終了したときであって、次のジョブの制御信号を画像形成装置10から各インターフェイス47、57を通じて受信したときは(S113「Yes」)、S107で算出された第1積算枚数N1を記憶部54に記憶されている積算済み枚数NAに加算して、積算済み枚数NAを更新する(S131)。この後、処理はS101に戻る。
【0087】
同様に、S122において、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S121で計数された用紙束PTの排出数maがS101で取得された各用紙束PTの数mに達したと判定したとき(S122「Yes」)、すなわち、S101で受けたジョブが終了したときであって、次のジョブの制御信号を画像形成装置10から各インターフェイス47、57を通じて受信した場合は(S127「Yes」)、S107で算出された第2積算枚数N2を記憶部54に記憶されている積算済み枚数NAに加算して、積算済み枚数NAを更新する(S132)。この後、処理はS101に戻る。
【0088】
前回のジョブに続いて次のジョブが行われるときには、前回のジョブで第2排紙トレイ28に排出された各用紙束PTが残されたままであることから、前回のジョブの第1積算枚数N1又は第2積算枚数N2が記憶部54に記憶されている積算済み枚数NAに加算されて、積算済み枚数NAが更新される。この積算済み枚数NAは、前回までのジョブで第2排紙トレイ28に排出されて残されている各用紙束PTの厚みを記録紙Pの枚数で表したものである。
【0089】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、次のジョブの制御信号によって示される第1排紙トレイ26への排出という後処理の種類及び各記録紙Pの枚数nを判定した場合に(S102「折り無」)、枚数Nの各記録紙Pを搬送ローラー21→分岐爪241→搬送ローラー22→排出ローラー24へと逐次搬送して第1排紙トレイ26に排出させ(S103)、更に次の別のジョブの制御信号を画像形成装置10から各インターフェイス47、57を通じて受信したか否かを判定する(S104)。駆動制御部56が、次の別のジョブの制御信号を受信していないと判定したときは(S104「No」)、図5A図5Cに示す制御手順は終了する。駆動制御部56が、更に次の別のジョブの制御信号を入力したと判定したときは(S104「Yes」)、処理はS101に戻る。
【0090】
また、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、次のジョブの制御信号によって示される中綴じ部27による中綴じ処理と第2排紙トレイ28への排出という後処理の種類を判定した場合は(S102「折り有」)、記憶部54に記憶されている積算済み枚数NAが「0」であるか否かを判定する(S105)。
【0091】
積算済み枚数NAは、前回のジョブの第1積算枚数N1又は第2積算枚数N2の加算により更新されている。このため、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、積算済み枚数NAが「0」でないと判定し(S105「No」)、S101で受けた次のジョブの実行前に、次のジョブの制御信号によって示される用紙束PTの各記録紙Pの枚数nと各用紙束PTの数mの積(n×m)を次のジョブの全ての記録紙Pの重さを示す用紙重さ評価値Jとして算出し(S133)、用紙重さ評価値Jが予め設定された重さ閾値JS以上であるか否かを判定する(S134)。
【0092】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、用紙重さ評価値Jが重さ閾値JS以上であると判定した場合に(S134「Yes」)、積算済み枚数NA(前回のジョブの第1積算枚数N1又は第2積算枚数N2)に予めされた低減率Lを掛け合わせて、積算済み枚数NAを補正する(S135)。
【0093】
用紙重さ評価値Jが重さ閾値JS以上である場合は、次のジョブの全ての記録紙Pの重さが前回のジョブで第2排紙トレイ28に排出されて残されている各用紙束PTを押し下げ、該各用紙束PTの厚みが低減する。このため、駆動制御部56は、この残されている各用紙束PTの厚みを示す積算済み枚数NA(前回のジョブの第1積算枚数N1又は第2積算枚数N2)に予め設定された低減率Lを掛け合わせて、積算済み枚数NAを低減させる。例えば、次のジョブの全ての記録紙Pの重さにより、前回のジョブで第2排紙トレイ28に排出されて残されている各用紙束PTの厚みが0.9倍に低減するものとすると、低減率Lが0.9に予め設定される。
【0094】
また、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、用紙重さ評価値Jが重さ閾値JS以上でないと判定すると(S134「No」)、積算済み枚数NA(前回のジョブの第1積算枚数N1又は第2積算枚数N2)を補正しない。
【0095】
続いて、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、効率優先折り曲げ動作KDの第1増大率α1をS101で取得された次のジョブの用紙束PTの各記録紙Pの枚数nに掛け合わせて、第1増大枚数n1を算出し(S136)、この算出された第1増大枚数n1をS101で取得された次のジョブの各用紙束PTの数mに掛け合わせて、効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げられた各用紙束PTの厚みを示す第1積算枚数N1を算出し(S137)、更に、この第1積算枚数N1をS134で補正されるか又は補正されなかった積算済み枚数NAに加算して、総和枚数NNを算出する(S138)。そして、駆動制御部56は、総和枚数NNが第2排紙トレイ28への排出が許容される最大枚数Nxを超えるか否かを判定し(S139)、総和枚数NNが最大枚数Nxを超えないと判定した場合に(S139「No」)、S101で取得された次のジョブの用紙束PTの各記録紙Pの枚数n、各用紙束PTの数mに基づき、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作KDで用紙束PTを折り曲げさせて、用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させる(S109)。
【0096】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、第2排紙トレイ28へと排出された用紙束PTの排出数maを計数し(S110)、この計数された排出数maがS101で取得された次のジョブの各用紙束PTの数mに達したか否かを判定し(S111)、排出数maが各用紙束PTの数mに達していなければ(S111「No」)、満杯検出部25により第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されているか否かを判定し(S112)、第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されていなければ(S112「No」)S109に戻って、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作KDで次の用紙束PTを折り曲げさせて、次の用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させ、S110~S112を繰り返す。
【0097】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S110で計数された用紙束PTの排出数maがS101で取得された次のジョブの各用紙束PTの数mに達したと判定すると(S111「Yes」)、S101で受けた次のジョブが終了したことになるので、更に次の別のジョブの制御信号を画像形成装置10から各インターフェイス47、57を通じて受信したか否かを判定し(S113)、更に次の別のジョブの制御信号を受信していなければ(S113「No」)、ジョブ終了を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に出力し(S114)、S110で計数された用紙束PTの排出数maを「0」に初期化すると共に(S115)、記憶部54に記憶されている積算済み枚数NAを「0」に初期化し(S116)、図5A図5Cに示す制御手順を終了する。
【0098】
画像形成装置10の制御部46は、ジョブ終了を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、図6に示すメッセージE1及び終了キーK11を表示部41に表示させ、ユーザーが用紙後処理装置20の第2排紙トレイ28から各用紙束PTを取り去って終了キーK11を操作し、この操作に基づいて入力される終了指示を受け付けると、更に次の別のジョブを待機する。
【0099】
また、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S110で計数された用紙束PTの排出数maがS101で取得された次のジョブの各用紙束PTの数mに達する前に(S111「No」)、満杯検出部25により第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されると(S112「Yes」)、中綴じ部27による効率優先折り曲げ動作KDを中断させ(S117)、ジョブ中断を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に出力する(S118)。
【0100】
画像形成装置10の制御部46は、ジョブ中断を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、原稿Mの画像の読取り、記録紙Pへの原稿Mの画像の形成、用紙後処理装置20への記録紙Pの搬送を中断させ、図7に示すメッセージE2を表示部41に表示させ、ユーザーが用紙後処理装置20の第2排紙トレイ28から各用紙束PTを取り去って操作部42のスタートキーを操作し、この操作に基づいて入力される再開指示を受け付けると、原稿Mの画像の読取り、記録紙Pへの原稿Mの画像の形成、用紙後処理装置20への記録紙Pの搬送を再開し、ジョブ再開を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力する。
【0101】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、ジョブ再開を示す制御信号を待機しており(S119「No」)、ジョブ再開を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて受信すると(S119「Yes」)、S109に戻って、S101で受けた次のジョブを再開する。
【0102】
また、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S138で算出された総和枚数NNが第2排紙トレイ28への排出が許容される最大枚数Nxを超えると判定した場合に(S139「Yes」)、S101で取得された次のジョブの用紙束PTの各記録紙Pの枚数n、各用紙束PTの数mに基づき、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作SDで用紙束PTを折り曲げさせて、用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させる(S120)。
【0103】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作SDで用紙束PTを折り曲げさせる場合に、用紙束PTの各記録紙Pと次の用紙束PTの各記録紙Pの搬送間隔を広げることを指示する制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に送信する。画像形成装置10の制御部47は、その制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、画像形成部12及び記録紙Pの搬送機構を制御して、用紙束PTの各記録紙Pと次の用紙束PTの各記録紙Pの搬送間隔を広げる。
【0104】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、第2排紙トレイ28へと排出された用紙束PTの排出数maを計数し(S121)、この計数された排出数maがS101で取得された次のジョブの各用紙束PTの数mに達したか否かを判定し(S122)、排出数maが各用紙束PTの数mに達していなければ(S122「No」)、満杯検出部25により第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されているか否かを判定し(S123)、第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されていなければ(S123「No」)S120に戻って、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作SDで次の用紙束PTを折り曲げさせて、次の用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させ、S121~S123を繰り返す。
【0105】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S121で計数された用紙束PTの排出数maがS101で取得された次のジョブの各用紙束PTの数mに達したと判定すると(S122「Yes」)、S101で受けた次のジョブが終了したことになるので、更に次の別のジョブの制御信号を画像形成装置10から各インターフェイス47、57を通じて受信したか否かを判定し(S127)、更に次の別のジョブの制御信号を受信していなければ(S127「No」)、ジョブ終了を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に出力し(S128)、S121で計数された用紙束PTの排出数maを「0」に初期化すると共に(S129)、記憶部54に記憶されている積算済み枚数NAを「0」に初期化し(S130)、図5A図5Cに示す制御手順を終了する。
【0106】
画像形成装置10の制御部46は、ジョブ終了を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、図6に示すメッセージE1及び終了キーK11を表示部41に表示させ、ユーザーが第2排紙トレイ28から各用紙束PTを取り去って終了キーK11を操作し、この操作に基づいて入力される終了指示を受け付けると、更に次の別のジョブを待機する。
【0107】
また、用紙後処理装置20の駆動制御部56は、S121で計数された用紙束PTの排出数maがS101で取得された各用紙束PTの数mに達する前に(S122「No」)、満杯検出部25により第2排紙トレイ28の満杯状態が検出されると(S123「Yes」)、中綴じ部27による効率優先折り曲げ動作KDを中断させ(S124)、ジョブ中断を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて画像形成装置10に出力する(S125)。
【0108】
画像形成装置10の制御部46は、ジョブ中断を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて受信すると、原稿Mの画像の読取り、記録紙Pへの原稿Mの画像の形成、用紙後処理装置20への記録紙Pの搬送を中断させ、図7に示すメッセージE2を表示部41に表示させ、ユーザーが第2排紙トレイ28から各用紙束PTを取り去って操作部42のスタートキーを操作すると、原稿Mの画像の読取り、記録紙Pへの原稿Mの画像の形成、用紙後処理装置20への記録紙Pの搬送を再開し、ジョブ再開を示す制御信号を、インターフェイス47を通じて用紙後処理装置20に出力する。
【0109】
用紙後処理装置20の駆動制御部56は、ジョブ再開を示す制御信号を待機しており(S126「No」)、ジョブ再開を示す制御信号を、インターフェイス57を通じて受信すると(S126「Yes」)、S120に戻って、S101で受けた次のジョブを再開する。
【0110】
なお、上記処理において、S131の後、或いは、S132の後は、S101に戻って、更に次の別のジョブを実行することとなる。次の別のジョブが続いて行われるときには、前回の次のジョブ及び前々回のジョブで第2排紙トレイ28に排出された各用紙束PTが残されたままであることから、前回の次のジョブの第1積算枚数N1又は第2積算枚数N2が記憶部54に記憶されている積算済み枚数NA(前々回のジョブの第1積算枚数N1又は第2積算枚数N2)に加算されて、積算済み枚数NAが更に更新される。この積算済み枚数NAは、前回の次のジョブ及び前々回のジョブで第2排紙トレイ28に排出されて残されている各用紙束PTの厚みを示す。
【0111】
このように本実施形態では、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げられた各用紙束PTを第2排紙トレイ28に排出させることが許容される場合に、中綴じ部27により効率優先折り曲げ動作KDで各用紙束PTを折り曲げさせ、また許容されない場合に、中綴じ部27により積載量優先折り曲げ動作SDで各用紙束PTを折り曲げさせているので、用紙束PTを折り曲げて、用紙束PTを排紙トレイに排出するという処理の効率を向上させつつ、排紙トレイが満杯になることを極力回避することができる。
【0112】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、駆動制御部56は、ジョブの実行中で前記積載量優先折り曲げ動作を行っているときに、更に次のジョブが設定された場合において、算出された用紙重さ評価値が予め設定された重さ閾値以上であると判断したときは(S134でYes)、上記実行中のジョブでの以降の折り曲げ動作を積載量優先折り曲げ動作から効率優先折り曲げ動作に変更させるようにしてもよい。この場合、S135における積算済み枚数NAの補正では、駆動制御部56は、積載量優先折り曲げ動作SDにより折曲げが完了している用紙束については第2積算枚数N2を用い、効率優先折り曲げ動作KDで折り曲げられた用紙束については第1積算枚数N1を用いる。
【0113】
なお、上記実施形態では、用紙後処理装置20に用紙後処理装置20の駆動制御部56を設けているが、用紙後処理装置20の駆動制御部56を省略して、制御部46により用紙後処理装置20を直接制御する構成としてもよい。
【0114】
また、図1乃至図7を用いて説明した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0115】
10 画像形成装置
11 画像読取部
12 画像形成部
20 用紙後処理装置
27 中綴じ部
28 第2排紙トレイ
41 表示部
42 操作部
43 タッチパネル
44 記憶部
46 制御部
47 インターフェイス
54 記憶部
56 駆動制御部
57 インターフェイス
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7