(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154343
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】台車用養生カバー、及びそれを備える運搬台車
(51)【国際特許分類】
B62B 5/00 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
B62B5/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068155
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】521413936
【氏名又は名称】藤本貴昭株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二
(72)【発明者】
【氏名】藤本 貴昭
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE13
3D050EE15
3D050GG02
3D050KK01
3D050KK14
(57)【要約】
【課題】台車本体の側面部における屈曲部分においてカバー本体がだぶついて取り付けられることを抑制できる台車用養生カバーを提供する。
【解決手段】台車用養生カバーは、運搬台車の台車本体の側面部を養生する台車用養生カバーであって、第1方向に延在し、筒状部材を一部切欠くようにして形成されるカバー本体を備え、カバー本体は、第1方向に互いに離れて配置される筒状部と、隣接する2つの筒状部を繋ぐようにそれらの間に介在する板状部と、を含み、筒状部は、第1方向一端から他端まで延在し且つ第1方向に直交する第2方向一方に開口する開口部を外周面に有し、開口部を広げることによって台車本体の側面部を入れることができ、板状部は、カバー本体の第2方向一方側部分を切欠くようにして形成され、曲げることができるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬台車の台車本体の側面部を養生する台車用養生カバーであって、
第1方向に延在し、筒状部材を一部切欠くようにして形成されるカバー本体を備え、
前記カバー本体は、第1方向に互いに離れて配置される筒状部と、隣接する2つの前記筒状部を繋ぐようにそれらの間に介在する板状部と、を含み、
前記筒状部は、第1方向一端から他端まで延在し且つ第1方向に直交する第2方向一方に開口する開口部を外周面に有し、前記開口部を広げることによって前記台車本体の側面部を入れることができ、
前記板状部は、前記カバー本体の第2方向一方側部分を切欠くようにして形成され、曲げることができるように構成されている、台車用養生カバー。
【請求項2】
前記筒状部は、弾発性を有し、且つ第1方向に見て断面C字状に形成されている、請求項1に記載の台車用養生カバー。
【請求項3】
前記筒状部は、第1方向に見て、各辺が養生部分及び2つの腕部をなす断面三角形状に形成され、
前記養生部分の両端部の各々には、各腕部が形成され、
前記2つの腕部は、前記養生部分の各端部から互いに近接するように延在し、且つ互いに隣接する端部の間に前記開口部を形成している、請求項2に記載の台車用養生カバー。
【請求項4】
前記板状部は、前記養生部分から隣接する前記養生部分まで延在している、請求項3に記載の台車用養生カバー。
【請求項5】
前記養生部分は、第1方向に見て、外側に膨らむように湾曲している、請求項3に記載の台車用養生カバー。
【請求項6】
荷役を載せる台車本体と、
前記台車本体に設けられる複数のキャスターと、
前記台車本体の側面部に取り付けられる請求項1乃至5の何れか1つに記載の台車用養生カバーとを備える、運搬台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬台車の台車本体の側面部を養生する台車用養生カバー、及びそれを備える運搬台車に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物等を搬送する際、運搬台車が使用される。運搬台車として、例えば特許文献1のような荷物運搬台車が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運搬台車では、荷物を搬送する際に台車本体の側面部に柱及び壁等をぶつけて、側面部を傷つけることがある。このような事態を避けるべく台車本体の側面部を養生カバー等によって養生することが考えられる。養生カバーとして、例えば所定方向に延在し且つ断面U字状に形成されている。それ故、養生材の外周面において所定方向一端から他端までにわたって開口部が形成されている。養生材は、例えば以下のようにして運搬台車に取り付けられる。即ち、養生カバーは、開口部を広げて養生カバー内に台車本体の側面部を入れることによって側面部に取り付けられる。これにより、養生カバーによって台車本体の側面部が被覆されて養生される。
【0005】
他方、台車本体の側面部において角部分等の屈曲部分を養生する場合、養生カバーを折り曲げる等して配置する必要がある。しかし、筒状に形成される養生カバーは、折り曲げた部分にだぶつきが生じる。そうすると、台車本体に載せた荷物等が引っ掛かったり、ハンドルを備える運搬台車においてハンドルの根元にあたって取り付けることができなかったりする。
【0006】
そこで本発明は、台車本体の側面部における屈曲部分においてカバー本体がだぶついて取り付けられることを抑制できる台車用養生カバー、及びそれを備える運搬台車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の台車用養生カバーは、運搬台車の台車本体の側面部を養生する台車用養生カバーであって、第1方向に延在し、筒状部材を一部切欠くようにして形成されるカバー本体を備え、前記カバー本体は、第1方向に互いに離れて配置される筒状部と、隣接する2つの前記筒状部を繋ぐようにそれらの間に介在する板状部と、を含み、前記筒状部は、第1方向一端から他端まで延在し且つ第1方向に直交する第2方向一方に開口する開口部を外周面に有し、前記開口部を広げることによって前記台車本体の側面部を入れることができ、前記板状部は、前記カバー本体の第2方向一方側部分を切欠くようにして形成され、曲げることができるように構成されているものである。
【0008】
本発明に従えば、筒状部は、開口部を外周面に有し、開口部を広げることによって台車本体の側面部を筒状部内に入れることができる。また、板状部は、隣接する2つの筒状部を繋ぐようにそれらの間に介在する。更に、板状部は、カバー本体を第2方向一方側に切欠くようにして形成され、曲げることができるように構成されている。それ故、台車本体の側面部の屈曲する部分(例えば、角部分)において、カバー本体が以下のようにして取り付けられる。即ち、板状部が屈曲する部分に沿わせるように被せられ、且つ屈曲する部分の両側に筒状部が取り付けられる。これにより、台車本体の側面部における屈曲部分において養生カバーがだぶついて取り付けられることが抑制される。
【0009】
本発明の運搬台車は、荷役を載せる台車本体と、前記台車本体に設けられる複数のキャスターと、前記台車本体の側面部に取り付けられる前述する台車用養生カバーとを備えるものである。
【0010】
本発明に従えば、前述するような機能を有する運搬台車を実現することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の台車用養生カバー及び運搬台車によれば、カバー本体が屈曲する部分においてだぶついて取り付けられることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る運搬台車を前方から見た斜視図である。
【
図2】
図1の運搬台車を別の角度から見た斜視図である。
【
図3】(a)は、台車用養生カバーを示す正面図であり、(b)は、台車用養生カバーを切断して2つに分けた状態を示す正面図である。
【
図4】(a)は、
図3(a)の台車用養生カバーを示す平面図であり、(b)は、台車用養生カバーを切断して2つに分けた状態を示す平面図である。
【
図5】
図3(a)の台車用養生カバーを切断線V-Vで切断して示す断面図である。
【
図6】
図3(a)の台車用養生カバーを切断線VI-VIで切断して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る第実施形態の運搬台車1、及び台車用養生カバー(以下、単に「養生カバー」という)2について前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する運搬台車1、及び養生カバー2は、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0014】
<運搬台車>
図1及び
図2に示す運搬台車1は、荷物等を載せて運搬移動するためのものである。本実施形態において、運搬台車1は、後で詳述するハンドル12を押す等して人力で動かされる。なお、運搬台車1は、ハンドル12がなくてもよく、また電動で動かされるものであってもよい。運搬台車1は、例えば台車本体11と、ハンドル12と、養生カバー2とを備えている。
【0015】
台車本体11は、荷物等を載せることができる。台車本体11は、例えば上方から見た平面視で矩形状に形成される板状部材である。台車本体11の4つの角は、R状に形成されている。台車本体11の側面部11aは、周方向に垂直な断面において外側に膨らむように湾曲している。更に、台車本体11の上面11bには、凹凸が形成されており、その上に載せられた荷物等が滑り難くなっている。また、台車本体11の下面には、図示しない複数のキャスターが設けられている。本実施形態において、台車本体11には、4つのキャスターが設けられている。4つのキャスターは、台車本体11の下面において四隅付近に旋回可能に設けられている。なお、4つのキャスターは、必ずしも旋回式である必要はなく、固定式であってもよい。
【0016】
ハンドル12は、台車本体11の上面11bであって、長手方向一方側(本実施形態において、後ろ側)に立設されている。ハンドル12は、例えば運搬者が把持して押すことができる。ハンドル12は、例えば逆U字状に形成されており、その両端部が台車本体11の上面11bに設けられている。より詳細に説明すると、ハンドル12の両端部の各々には、折り畳み機構13が夫々設けられている。ハンドル12は、折り畳み機構13を介して台車本体11に立設されている。本実施形態において、折り畳み機構13は、台車本体11の上面11bにおいて、後方にある2つの角部分11c,11dに設けられている。ハンドル12は、折り畳み機構13によって前方に倒して折り畳み状態にしたり、起こして搬送状態にしたりできる。また、折り畳み機構13は、各状態においてハンドル12をロックする。更に、折り畳み機構13には、ロックバー14が架設されている。折り畳み機構13は、ロックバー14を操作することによってハンドル12のロックを解除することができる。これにより、運搬者は、ハンドル12を倒したり起こしたりできる。
【0017】
養生カバー2は、台車本体11の側面部11aを養生する。より詳細に説明すると、養生カバー2は、台車本体11の側面部11aに側方から被せるように取り付けられる。養生カバー2は、
図3(a)に示すように所定の第1方向に延在している。本実施形態において、養生カバー2は、長尺に形成されており、複数個所(例えば、
図3(a)及び
図4(a)に示す切断線Y1~Y4)で切断して使用される。このように構成されている養生カバー2は、カバー本体21を含んでいる。
【0018】
カバー本体21は、第1方向に延在し、断面C字状(本実施形態において、段面三角形状)の筒状部材を一部切欠くようにして形成されている。カバー本体21は、例えば発泡ポリエチレンから成る。但し、カバー本体21は、発泡ポリオレフィン系樹脂等の発泡樹脂であってもよく、合成ゴム等であってもよい。カバー本体21は、台車本体11の側面部11aに側方から被せるように取り付けられる(
図1参照)。これにより、カバー本体21は、台車本体11の側面部11aを養生する。養生カバー2の説明でも述べた通り、カバー本体21は、本実施形態において長尺に形成されている。そして、カバー本体21は、複数の筒状部22と、少なくとも1つの板状部23とを有している。本実施形態において、カバー本体21は、
図3(a)に示すように3つの筒状部22と、2つの板状部23とを有している。
【0019】
3つの筒状部22は、カバー本体21において第1方向に互いに離れて配置されている。本実施形態において、3つの筒状部22は、カバー本体21の第1方向両端部分、及び中間部分に互いに間隔をあけて夫々配置されている。なお、3つの筒状部22は、カバー本体21において形成される位置が異なるだけで、第1方向から見て同一形状を有している。以下、筒状部22の構成が更に詳細に説明される。
【0020】
筒状部22は、
図4(a)に示すように開口部22aを外周面に有している。開口部22aは、筒状部22において、第1方向一端から他端まで真っすぐ延在し、第2方向一方に開口している。ここで、第2方向は、第1方向に直交する方向であり、第2方向一方は、
図3(a)において紙面上方であって
図4(a)の紙面手前方向である。そして、筒状部22は、開口部22aを広げることによって、台車本体11の側面部11aを側方から入れることができる。これにより、筒状部22は、台車本体11の側面部11aに嵌められる。
【0021】
より詳細に説明すると、筒状部22は、
図5に示すように第1方向に見て断面C字状に形成されている。そして、筒状部22は、弾発性を有している。それ故、筒状部22は、開口部22aを広げた際に弾性復帰力を発揮する。これにより、筒状部22は、側面部11aに嵌めると側面部11aを挟持する。従って、筒状部22は、側面部11aにより強く嵌めることができる。
【0022】
更に詳細に説明すると、筒状部22は、第1方向に見て断面三角形状に形成されている。そして、筒状部22における断面三角形の各辺は、養生部分22b及び2つの腕部22c,22dを成している。より詳細すると、養生部分22b及び2つの腕部22c,22dの各々は、板状に形成されている。養生部分22bは、筒状部22を側面部11aに嵌めた際、側面部11aを側方から覆って側面部11aを養生する。また、養生部分22bの両端部の各々には、各腕部22c,22dが形成されている。各腕部22c,22dは、養生部分22bの各端部から互いに近接するように延在している。そして、各腕部22c,22dは、互いに隣接する端部の間に開口部22aを形成している。なお、腕部22c,22dは、本実施形態において端部より養生部分22b側の部分で近接し、端部において互いに離れるように形成されている。それ故、筒状部22は、開口部22aに側面部11aを入れやすい。なお、筒状部22の断面は、本実施形態においてルーローの三角形のように形成されている。即ち、養生部分22b及び2つの腕部22c,22dの各々は、第1方向に垂直な断面において外側に膨らむように湾曲している。それ故、側面部11aを養生する際、養生部分22bを側面部11aに沿わせるように配置することができる。なお、筒状部22の形状は、前述するようなものに限定されず、側面部11aに嵌めることができるように筒状に形成されていればよい。
【0023】
板状部23は、隣接する2つの筒状部22を繋ぐようにそれらの間に介在する。本実施形態において、一方の板状部23は、カバー本体21の一端部及び中間部に夫々位置する筒状部22を繋ぐようにそれらの間に介在する。そして、他方の板状部23は、カバー本体21の中間部及び他端部に夫々位置する筒状部22を繋ぐようにそれらの間に介在する。板状部23の各々は、カバー本体21の第2方向一方側の部分(
図6の二点鎖線参照)を切欠くようにして形成されている。本実施形態において、板状部23の各々は、筒状部22の腕部22c,22dに対応する部分を切り取るようにカバー本体21を切欠くことによって形成されている。なお、「切欠くようにして形成されている」とは、必ずしもカバー本体21を切欠くことによって形成されている必要はなく、切欠かれているような形状に成形することも含む。
【0024】
このように形成されている板状部23は、板状に形成されており、隣接する筒状部22の一方の養生部分22bから他方の養生部分22bまで延伸するように形成されている。即ち、板状部23は、第2方向に厚みを有し、第2方向に曲げることができる。それ故、カバー本体21は、板状部23において曲げられる。なお、板状部23は、本実施形態において、第1方向に見て断面U字状に形成されている(
図6参照)。また、板状部23は、養生部分22bと同様に側面部11aを側方から覆って側面部11aを養生する。更に、板状部23は、本実施形態において、筒状部22の養生部分22bと同様に、第1方向に垂直な断面において外側に膨らむように湾曲している。それ故、それ故、側面部11aを養生する際、養生部分22bと同様に、板状部23を側面部11aに沿わせるように配置することができる。
【0025】
<養生カバーの取付>
養生カバー2は、台車本体11の側面部11aを養生すべく側面部11aに取り付けられる(より詳細に説明すると、嵌められる)。本実施形態では、2つの養生カバー2によって側面部11aが養生される。また、本実施形態において、養生カバー2は側面部11aに対して長尺に形成されている。そのため、まず、養生カバー2は、側面部11aの形状に応じて切断される。本実施形態では、養生カバー2は、
図3(b)及び
図4(b)に示すように2つの養生カバー2A,2Bに夫々分けられる。そして、養生カバー2A,2Bの各々によって、側面部11aの屈曲部分である角部分11c~11fを夫々含む4つの領域の各々が養生される(
図1及び
図2参照)。即ち、養生カバー2は、例えば養生カバー2A,2Bの各々の長さが側面部11aの全周長さの1/4となるように切断される。この際、養生カバー2は、養生カバー2A,2Bの各々において両端部に筒状部22が配置され且つそれらを繋ぐように中間部分に板状部23が配置されるように切断される(
図3(b)及び
図4(b)参照)。養生カバー2は、例えば
図3(a)及び
図4(a)に示す切断線Y1~Y4で切断されて2つの養生カバー2A,2Bに分けられる。なお、養生カバー2は、必ずしも2つの養生カバー2A,2Bに分けて使用される必要はなく、切断されずに使用されてもよい。
【0026】
また、養生カバー2A,2Bは、以下のようにして側面部11aに取り付けられる。即ち、養生カバー2A,2Bにおいて、板状部23は、
図1に示すように側面部11aの各角部分11c~11fに沿って曲げられ、そして各角部分11c~11fに被せられる。また、養生カバー2A,2Bにおいて、各筒状部22は、側面部11aにおいて角部分11c~11fの両側に夫々取り付けられる。この際、各筒状部22は、以下のようにして側面部11aに取り付けられる。即ち、各筒状部22は、開口部22aを手等で開き、側方から開口部22aに側面部11aを入れられる。また、入れた後、開口部22aを開いた手等を離すことによって、各筒状部22において、2つの腕部22c,22dが弾性復帰して側面部11aを挟持する。これにより、各筒状部22は、2つの腕部22c,22dによって側面部11aをしっかりと掴み、角部分11c~11f両側に夫々嵌められる。
【0027】
このようにして取り付けられる養生カバー2A,2Bは、板状部23が各角部分11c~11fに被せられ、且つ筒状部22が各角部の両側に被せられている状態で側面部11aに取り付けられる。これにより、養生カバー2A,2Bは、側面部11aにおいて各角部分11c~11f及びその両側を養生することができる。これにより、4つの養生カバー2A,2Bによって、側面部11aを全周にわたって養生することができる。
【0028】
また、養生カバー2A,2Bにおいて、板状部23が側面部11aの各角部分11c~11fの宛がわれているで、養生カバー2A,2Bを側面部11aの角部分11c~11fの各々に沿って曲げることができる。それ故、養生カバー2A,2Bが側面部11aの各角部分11c~11fでだぶつくことを抑制することができる。本実施形態において、運搬台車1では、後方の2つの角部分11c,11dに折り畳み機構13が夫々設けられている。それ故、側面部11aの各角部分11c,11dで養生カバーがだぶつくと、養生カバーが折り畳み機構13に干渉する。それ故、養生カバーを側面部11aに配置することが難しい。他方、養生カバー2A,2Bは、側面部11aの各角部分11c,11dでだぶつくことが抑制されているので、後方の2つの角部分11c,11dに折り畳み機構13が夫々設けられている運搬台車1であっても容易に取り付けることができる。
【0029】
本実施形態の養生カバー2において、筒状部22は、開口部22aを外周面に有し、開口部22aを広げることによって側面部11aを筒状部22内に入れることができる。また、板状部23は、隣接する2つの筒状部22を繋ぐようにそれらの間に介在する。更に、板状部23は、カバー本体21を第2方向一方側に切欠くようにして形成され、曲げることができるように構成されている。それ故、側面部11aの屈曲する部分(例えば、角部分11c~11f)において、カバー本体21が以下のようにして取り付けられる。即ち、板状部23が角部分11c~11fに沿わせるように被せられ、且つ角部分11c~11fの両側に筒状部22が取り付けられる。これにより、角部分11c~11fにおいて養生カバー2A,2Bがだぶついて取り付けられることが抑制される。
【0030】
また、本実施形態の養生カバー2において、筒状部22は、弾発性を有し、且つ第1方向に見て断面C字状に形成されている。それ故、開口部22aを広げて側面部11aを入れた後、開口部22aを弾性復帰させることによって開口部22aに側面部11aを挟持させることができる。これにより、養生カバー2A,2Bが側面部11aから外れることを抑制することができる。
【0031】
更に、本実施形態の養生カバー2において、筒状部22は、第1方向に見て、各辺が養生部分22b及び2つの腕部22c,22dをなす断面三角形状に形成されている。そして、2つの腕部22c,22dは、養生部分22bの各端部から互いに近接するように延在し、且つ互いに隣接する端部の間に開口部22aを形成している。それ故、開口部22aを広げることによって筒状部22をコ字状に変形させることができる。それ故、開口部22aを大きく広げることになるので、2つの腕部22c,22dにより大きな弾発力を発揮させることができる。これにより、より強く開口部22aに側面部11aを掴ませることができる。これにより、養生カバー2A,2Bが側面部11aから外れることを更に抑制することができる。
【0032】
更に、本実施形態の養生カバー2において、板状部23は、養生部分22bから隣接する養生部分22bまで延在している。それ故、板状部23は、養生部分22bと同様に側面部11aを養生することができる。
【0033】
更に、本実施形態の養生カバー2において、養生部分22bは第1方向に見て外側に膨らむように湾曲している。それ故、湾曲する側面部11aに沿わせて養生部分22bを配置することができる。
【0034】
本実施形態の運搬台車1は、前述するような機能を有するものを実現することができる。
【0035】
<その他の実施形態>
本実施形態の養生カバー2A,2Bは、養生カバー2を切断することによって形成されるが、養生カバー2A,2Bがはじめから成形されてもよい。また、養生カバー2において、筒状部22が4つ以上備わっていてもよく、養生カバー2の形状は問わない。また、筒状部22の断面形状は、ルーローの三角形に限定されず、前述の通りC字状であればよい。また、筒状部22の断面形状は、一方の端部が他方の端部に巻き込むような形状であってもよく、側面部11aを入れられる開口部を外周面に有していればよい。また、板状部23は、前述の通り、必ずしもカバー本体21を切欠くことによって形成されるものに限定されず、切り欠かれたかのように射出成形等で形成されてもよい。更に、養生カバー2,2A,2Bが適用される運搬台車1は、前述するような形状のものに限定されない。例えば、運搬台車1は、台車本体の側面部に曲がる部分が形成されていればよく、ハンドル12を備えていなくてもよい。また、曲がる部分は、必ずしも屈曲している必要はない。
【符号の説明】
【0036】
1 運搬台車
2,2A,2B 養生カバー
11 台車本体
11a 側面部
21 カバー本体
22 筒状部
22a 開口部
22b 養生部分
22c 腕部
22d 腕部
23 板状部