(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154356
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】車椅子車輪支持体
(51)【国際特許分類】
B60S 3/04 20060101AFI20241023BHJP
A61G 5/10 20060101ALI20241023BHJP
B08B 1/00 20240101ALI20241023BHJP
【FI】
B60S3/04
A61G5/10
B08B1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023162991
(22)【出願日】2023-09-26
(31)【優先権主張番号】P 2023068102
(32)【優先日】2023-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)展示会名:バリアフリー2022/慢性期医療展2022/看護未来展2022/在宅医療展2022,開催日:令和4年6月8日-令和4年6月10日 (2)展示会名:国際福祉機器展 H.C.R.2022,開催日:令和4年10月5日-令和4年10月7日 (3)展示会名:バリアフリー2023/慢性期医療展2023/看護未来展2023/在宅医療展2023,開催日:令和5年4月19日-令和5年4月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】中井 吾郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 光彦
【テーマコード(参考)】
3B116
3D026
【Fターム(参考)】
3B116AA41
3B116AB13
3B116AB33
3B116BA02
3B116BA23
3D026AA06
3D026AA33
3D026AA35
3D026AA38
3D026AA47
3D026AA88
(57)【要約】 (修正有)
【課題】大きな労力を要することなく車椅子の車輪の清掃を行うことを可能とする車椅子車輪支持体の提供。
【解決手段】前部及び後部に突条部を有するレール状の車輪支持機構部固定体L上の左右に、車輪支持機構部Mを左右方向の相対的な位置を調節し得るように並列状に有する。車輪支持機構部Mの左右外側の側壁部Maが前ローラーRfと後ローラーRrを支持する。両側壁部Maの上端から内方に下降傾斜する車輪逸脱防止部Mbを有する。前ローラーRfと後ローラーRrの間に車輪清掃ブラシBを有する。車輪支持機構部Mの前方と後方に、車椅子Cの車輪を導くための傾斜角度可変の車輪案内体Gを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
停止した状態の車椅子における車輪についての車輪支持機構部を有する車椅子車輪支持体であって、
前記車輪支持機構部は、当該車輪が前後方向に移動せずに回動し得るように、当該車輪の前下部及び後下部においてそれぞれ上後向き及び上前向きに支持するための、回動軸線が左右方向であって互いに平行状をなす前ローラーと後ローラーを前後に備えるものであることを特徴とする車椅子車輪支持体。
【請求項2】
停止した状態の車椅子における左右一対の車輪それぞれについての車輪支持機構部を左右に並列状に有する車椅子車輪支持体であって、
前記各車輪支持機構部は、当該車輪が前後方向に移動せずに回動し得るように、当該車輪の前下部及び後下部においてそれぞれ上後向き及び上前向きに支持するための、回動軸線が左右方向であって互いに平行状をなす前ローラーと後ローラーを前後に備えるものであることを特徴とする車椅子車輪支持体。
【請求項3】
上記左右に並列状に有する車輪支持機構部が、左右方向の相対的な位置を調節し得るものである請求項2記載の車椅子車輪支持体。
【請求項4】
上記左右の車輪支持機構部をそれぞれ所要の位置で並列状に固定し得る車輪支持機構部固定体、又は、左右の車輪支持機構部の一方を一定位置で他方を所要の位置で並列状に固定し得る、車輪支持機構部固定体を有することにより、左右に並列状に有する車輪支持機構部の左右方向の相対的な位置を調節し得るものである請求項3記載の車椅子車輪支持体。
【請求項5】
上記左右に並列状に有する車輪支持機構部は、左右一対の前車輪と、左右一対の後車輪又はその他の左右一対の車輪との兼用である請求項2乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【請求項6】
上記左右一対の前車輪と、左右一対の後車輪又はその他の左右一対の車輪の左右方向位置に差があり、前ローラーと後ローラーの左右方向長さが、前記車輪同士の左右方向位置の差の左右方向幅以上である請求項5記載の車椅子車輪支持体。
【請求項7】
車輪支持機構部の前ローラーと後ローラー上に車椅子の車輪が支持された状態で、その車輪が前ローラーと後ローラーの側方に離脱することを防ぐため、又は、車輪が自在輪である場合に上下方向軸の回りに大きく回動することを防ぐための車輪逸脱防止部を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【請求項8】
上記各車輪支持機構部の前ローラーの前方と後ローラーの後方の両方又は一方に、車椅子の車輪を、車輪支持機構部上に導くため又は車輪支持機構部上から移動させるための傾斜角度可変の車輪案内体を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【請求項9】
上記各車輪支持機構部の前ローラーと後ローラーの間の位置に清掃体を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【請求項10】
上記車輪支持機構部は、上記車輪が前後方向に移動せずに回動し得るように当該車輪を支持するための、回動軸線が左右方向であって互いに平行状をなす3又は4以上のローラーを有し、
上記車椅子における前記支持対象車輪に応じ、前記ローラーのうち少なくとも何れかのローラーが上記前ローラーであり、前記ローラーのうち少なくとも何れかのローラーが上記後ローラーである請求項1乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【請求項11】
上記3又は4以上のローラーのうち、最前位置のローラーと最後位置のローラーの間のローラーは、最前位置のローラーと最後位置のローラーの何れよりも上面が低い請求項10記載の車椅子車輪支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子の車輪を支持する車椅子車輪支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外から屋内の靴を脱いで入る(又は上がる)場所へ車椅子を移動させる境界部(例えば玄関の土間から床上に上がる位置)においては、少なくとも車椅子の全ての車輪の汚れを除去する必要がある。
【0003】
そのためには、車椅子の車輪を持ち上げながら全ての車輪の全周にわたり清掃を施す必要があり、その都度、大きな労力を要する。
【0004】
特開2011-156087号公報には、車椅子Wのフレーム構成部分Mに係脱自在な持上体1と、持上体の下方に配置された接地体2と、持上体と接地体との間に介装されたジャッキ機構3とからなり、接地体に接地輪4を配設し、接地輪と接地体との間に接地体を浮上させる浮上バネ機構5を設けてなり、車椅子の浮上により車輪を空転状態とすることにより車椅子の車輪を容易に清掃することができる車椅子車輪清掃用補助具が記載されている。
【0005】
特開2001-106036号公報には、車椅子の幅よりも広く、薄い枠状のフレーム10の内側に、車椅子の走行方向に沿ってベルト21が移動するベルトコンベヤ20を設け、ベルトコンベヤ20の前後に、前カバー60及び後カバー70を、その端部がベルトコンベヤ20の表面に接触して、前側のセット(前ローラー40、前ブラシ41、前紫外線灯42)と後側のセット(後ローラー50、後ブラシ51、後紫外線灯52)とをそれぞれ被覆する閉鎖位置から、その端部がベルトコンベヤ20の表面から持ち上がって、前側のセットと後側のセットが露出する開放位置までの間を、回動可能に設け、フレーム10の前後に、緩やかな傾斜を有する前スロープ30及び後スロープ31を設置する車椅子掃除機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-156087号公報
【特許文献2】特開2001-106036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、大きな労力を要することなく車椅子の車輪の清掃を行うことを可能とする車椅子車輪支持体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば次のように表すことができる。
【0009】
(1) 停止した状態の車椅子における車輪についての車輪支持機構部を有する車椅子車輪支持体であって、
前記車輪支持機構部は、当該車輪が前後方向に移動せずに回動し得るように、当該車輪の前下部及び後下部においてそれぞれ上後向き及び上前向きに支持するための、回動軸線が左右方向であって互いに平行状をなす前ローラーと後ローラーを前後に備えるものであることを特徴とする車椅子車輪支持体。
【0010】
(2) 停止した状態の車椅子における左右一対の車輪それぞれについての車輪支持機構部を左右に並列状に有する車椅子車輪支持体であって、
前記各車輪支持機構部は、当該車輪が前後方向に移動せずに回動し得るように、当該車輪の前下部及び後下部においてそれぞれ上後向き及び上前向きに支持するための、回動軸線が左右方向であって互いに平行状をなす前ローラーと後ローラーを前後に備えるものであることを特徴とする車椅子車輪支持体。
【0011】
(3) 上記左右に並列状に有する車輪支持機構部が、左右方向の相対的な位置を調節し得るものである上記(2)記載の車椅子車輪支持体。
【0012】
(4) 上記左右の車輪支持機構部をそれぞれ所要の位置で並列状に固定し得る車輪支持機構部固定体、又は、左右の車輪支持機構部の一方を一定位置で他方を所要の位置で並列状に固定し得る、車輪支持機構部固定体を有することにより、左右に並列状に有する車輪支持機構部の左右方向の相対的な位置を調節し得るものである上記(3)記載の車椅子車輪支持体。
【0013】
(5) 上記左右に並列状に有する車輪支持機構部は、左右一対の前車輪と、左右一対の後車輪又はその他の左右一対の車輪との兼用である上記(2)乃至(4)の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【0014】
(6) 上記左右一対の前車輪と、左右一対の後車輪又はその他の左右一対の車輪の左右方向位置に差があり、前ローラーと後ローラーの左右方向長さが、前記車輪同士の左右方向位置の差の左右方向幅以上である上記(5)記載の車椅子車輪支持体。
【0015】
(7) 車輪支持機構部の前ローラーと後ローラー上に車椅子の車輪が支持された状態で、その車輪が前ローラーと後ローラーの側方に離脱することを防ぐため、又は、車輪が自在輪である場合に上下方向軸の回りに大きく回動することを防ぐための車輪逸脱防止部を有する上記(1)乃至(6)の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【0016】
(8) 上記各車輪支持機構部の前ローラーの前方と後ローラーの後方の両方又は一方に、車椅子の車輪を、車輪支持機構部上に導くため又は車輪支持機構部上から移動させるための傾斜角度可変の車輪案内体を有する上記(1)乃至(7)の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【0017】
(9) 上記各車輪支持機構部の前ローラーと後ローラーの間の位置に清掃体を有する上記(1)乃至(8)の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【0018】
(10) 上記車輪支持機構部は、上記車輪が前後方向に移動せずに回動し得るように当該車輪を支持するための、回動軸線が左右方向であって互いに平行状をなす3又は4以上のローラーを有し、
上記車椅子における前記支持対象車輪に応じ、前記ローラーのうち少なくとも何れかのローラーが上記前ローラーであり、前記ローラーのうち少なくとも何れかのローラーが上記後ローラーである上記(1)乃至(9)の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【0019】
(11) 上記3又は4以上のローラーのうち、最前位置のローラーと最後位置のローラーの間のローラーは、最前位置のローラーと最後位置のローラーの何れよりも上面が低い上記(10)記載の車椅子車輪支持体。
【発明の効果】
【0020】
本発明の車椅子車輪支持体によれば、車椅子における左右一対の車輪を、それぞれ左右に並列状に有する車輪支持機構部の前ローラーと後ローラー上に支持させることにより、車椅子を停止させた状態で、前ローラーと後ローラー上に支持された車輪を回動させつつ車輪に清掃を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】車椅子の前車輪を支持した状態の車椅子車輪支持体の斜視図である。
【
図3】車椅子の後車輪を支持した状態の車椅子車輪支持体の斜視図である。
【
図4】車輪清掃ブラシを用いた車椅子車輪支持体の要部拡大斜視図である。
【
図5】中間ローラーを用いた車椅子車輪支持体の要部拡大斜視図である。
【
図6】車椅子車輪支持体を車輪支持機構部固定体から取り外した状態の斜視図である。
【
図7】車椅子車輪支持体の前後の車輪案内体を前後に下降傾斜させた状態の斜視図である。
【
図8】車椅子車輪支持体及び前後の車輪案内体と持ち運ぶ状態の斜視図である。
【
図9】中間前ローラーと中間後ローラーを用いた車椅子車輪支持体の要部拡大斜視図である。
【
図10】中間前ローラーと中間後ローラーを用いた車椅子車輪支持体の前後の車輪案内体を前後に下降傾斜させた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[1] 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図面は何れも本発明の実施の形態の例としての車椅子車輪支持体に関するものである。
【0024】
(1) この車椅子車輪支持体Sは、停止した状態の車椅子Cにおける左右一対の前車輪Wfそれぞれについての車輪支持機構部Mを左右に並列状に有し、左右一対の後車輪Wrについての車輪支持機構部Mを兼ねるものである。なお、停止した状態の車椅子Cにおける左右何れかの前車輪Wfについての車輪支持機構部Mを有する車椅子車輪支持体は、停止した状態の車椅子における車輪についての車輪支持機構部を有する車椅子車輪支持体についての本発明の実施の形態の例である。
【0025】
車椅子Cは、一対の小外径の前車輪Wf(自在輪)と、一対の大外径の後車輪Wrとを有する。
【0026】
(2) 前部及び後部に左右方向の突条部Laを有するレール状の車輪支持機構部固定体L上の左右に、車輪支持機構部Mを並列状に有する。
【0027】
図1乃至4において、各車輪支持機構部Mの左右外側には、ローラー支持部を構成する側壁部Maが直立する。両側壁部Maにより、左右水平方向の回動軸線の回りに一定外径の前ローラーRfを回動自在に支持する軸部の両端部と、前ローラーRfと同じ後ローラーRrを前ローラーRfと同様に回動自在に支持する軸部の両端部が、同じ高さで前後に平行状に支持されている。
【0028】
両側壁部Maの上端からそれぞれ内方に向かって下降傾斜して前ローラーRf及び後ローラーRrを跨ぐように、傾斜板状の車輪逸脱防止部Mbが設けられている。
【0029】
両側壁部Maの前側及び後側の下部は、下部前壁部及び下部後壁部により連結されている。
【0030】
各車輪支持機構部Mの前ローラーRfと後ローラーRrの間には、下側をバネ体により支持された車輪清掃ブラシBが、
図4に示されるようにブラシ保持部Mhにより保持された状態で、着脱可能に、上向きに設けられている。
【0031】
(3) 各車輪支持機構部Mの前ローラーRfの前方と後ローラーRrの後方には、車椅子Cの車輪を、車輪支持機構部Mの前ローラーRfと後ローラーRrの上に導き、又は、車輪支持機構部Mの前ローラーRfと後ローラーRrの上から他へ導くための傾斜角度可変の車輪案内体Gが設けられている。
【0032】
前部及び後部の各車輪案内体Gは、両側部に内方に向かって下降傾斜状をなす壁状の車輪離脱防止部Gaを有する板状体からなり、各車輪案内体Gの左右基部に突設された掛合部Gbが車輪支持機構部Mの両側壁部Maの前部又は後部に対し上下に回動可能且つ着脱可能に、前ローラーRfの軸部の両端部及び後ローラーRrの軸部の両端部に係合支持されている。
【0033】
(4) 左右並列状の各車輪支持機構部M(特に
図6における嵌合部Mc)を、車輪支持機構部固定体Lの前部及び後部の突条部Laのうち右側部及び左側部に左右方向に多数並んで設けられた嵌合部Lb...Lbから選択して嵌合させることにより、両車輪支持機構部Mの左右方向の相対的な位置を調節し得る。
【0034】
(5) 土間Eから床F上に車椅子Cを上げる場合に、
図1に示すように、車輪支持機構部固定体Lを床Fの端部に平行に設置することにより、車輪支持機構部Mを床Fの端部に対し左右並列状に配置する。左右の車輪支持機構部Mの位置は、車椅子Cの後車輪Wr及び前車輪Wfが何れも前ローラーRfと後ローラーRrの上に支持され得るように設定する。
【0035】
前部の左右の車輪案内体Gは、上向き傾斜で床Fの端部に掛け、後部の左右の車輪案内体Gは、土間E上に下降傾斜させる。
【0036】
先ず、
図2に示されるように車椅子Cの左右一対の前車輪Wfを、土間Eから後部の左右の車輪案内体G上を転動上昇させて前ローラーRfと後ローラーRrの上に支持させる。
【0037】
この状態で、前車輪Wfは、前下部及び後下部において、前ローラーRfと後ローラーRrによりそれぞれ上後向き及び上前向きに支持され、前ローラーRfと後ローラーRrが協働することにより、前車輪Wfを、前後方向に移動せずに左右方向回動軸線のまわりに回動し得るように支持することができる。左右両前車輪Wfは自在輪であるため上下方向軸(縦軸)の回りに回動し得るものであるが、両前車輪Wfが何れも内側(両車輪支持機構部M同士が相対する側)の傾斜板状の車輪逸脱防止部Mbにほぼ接する状態であるため、前車輪Wfの上下方向軸の回りに大きく回動して前車輪Wfの左右方向回動軸線のまわりの回動が妨げられること(それにより清掃の支障となること)が防がれる。
【0038】
そのため、前ローラーRfと後ローラーRrで回動し得るように支持された前車輪Wfを手動で回動させつつ、雑巾やその他の清掃具を用いて効率的に前車輪Wfを清掃することができる。同時に、前車輪Wfの下部外周部のうち前ローラーRfと後ローラーRrの間の部分が、車輪清掃ブラシBにより清掃される。
【0039】
前車輪Wfの清掃を終えたならば、
図3に示されるように、前車輪Wfを車輪支持機構部Mから前部の左右の車輪案内体G上を転動上昇させて床F上に上げると共に車椅子Cの後車輪Wrを土間Eから後部の左右の車輪案内体G上を転動上昇させて前ローラーRfと後ローラーRrの上に支持させる。
【0040】
左右一対の前車輪Wfと左右一対の後車輪Wrの左右方向位置(軌道)には差があるが、前ローラーRfと後ローラーRrの左右方向長さは、前記車輪同士の左右方向位置(軌道)の差の左右方向幅より大きく、前車輪Wfと後車輪Wrの何れにも適合する。車輪案内体Gの幅も同様である。
【0041】
また、前ローラーRfと後ローラーRrの前後間隔は、車椅子Cの小外径の前車輪Wfと大外径の後車輪Wrの何れをも左右方向回動軸線のまわりに回動し得るよう支持することができる間隔である。
【0042】
次いで同様に前ローラーRfと後ローラーRrで左右方向回動軸線のまわりに回動し得るように支持された後車輪Wrを手動で回動させつつ、雑巾やその他の清掃具を用いて効率的に後車輪Wrを清掃することができる。同時に、後車輪Wrの下部外周部のうち前ローラーRfと後ローラーRrの間の部分が、車輪清掃ブラシBにより清掃される。
【0043】
後車輪Wrの清掃を終えたならば、後車輪Wrを車輪支持機構部Mから前部の左右の車輪案内体G上を転動上昇させて車椅子C全体を床F上に上げる。
【0044】
なお、
図7に示すように、車輪支持機構部M及び車輪支持機構部固定体L並びに前部の左右の車輪案内体Gの端部及び後部の左右の車輪案内体Gの端部を床F上に載置して何れの車輪案内体Gも車輪支持機構部Mに向かって上向きにすることにより、車椅子Cの各車輪を、床F上から車輪支持機構部M上を経て同じ床上へ移動させるようにすることもできる。
【0045】
また、
図5乃至
図8に示されるように、各車輪支持機構部Mの前ローラーRfと後ローラーRrの中間位置に、車輪清掃ブラシBに替えて、前ローラーRfと後ローラーRrと同様の左右水平方向の回動軸線の回りに回動し得る中間ローラーRmを設けることができる。中間ローラーRmは、前ローラーRfと後ローラーRrの何れよりも上面が低いように両側壁部Maにより着脱可能に支持して用いることができる。
【0046】
図8に示すように、車輪支持機構部M及び前部及び後部用の車輪案内体Gを携帯して臨時的に車椅子に使用することもできる。
【0047】
また、
図9及び
図10に示すように、各車輪支持機構部Mの前ローラーRfと後ローラーRrの中間位置における前後に、前ローラーRf及び後ローラーRrと同様の、左右水平方向の回動軸線の回りに回動し得る中間前ローラーRm1及び中間後ローラーRm2をそれぞれ設けることができる。中間前ローラーRm1及び中間後ローラーRm2は、前ローラーRfと後ローラーRrの何れよりも上面が低い同じ高さに、両側壁部Maにより着脱可能に支持され、4本のローラーの間隔は、前車輪Wfの幅に対し十分に狭く設定されている。
【0048】
【0049】
車輪支持機構部固定体Lには、左右方向中央位置が、中間線Hにより示されている。
【0050】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0051】
本発明の車椅子車輪支持体は、停止した状態の車椅子における車輪についての車輪支持機構部を有する。この車椅子車輪支持体は、例えば一対を、停止した状態の車椅子における左右一対の車輪それぞれについて用いることができる。
【0052】
また本発明の車椅子車輪支持体は、停止した状態の車椅子における左右一対の車輪それぞれについての車輪支持機構部を左右に並列状に有するものであってもよい。
【0053】
なお、左右に並列状に車輪支持機構部を有する場合の各車輪支持機構部に関する記載のうち、車輪支持機構部を左右に並列状に有しない場合についても該当し得る記載は、車輪支持機構部を左右に並列状に有しない場合についても、原則として適用される。
【0054】
(1) 車椅子
【0055】
車椅子は、典型的には、一対の大径の後車輪を椅子の両側に有し、着座した者の足元付近の左右に一対の小径の自在輪(キャスター)である前車輪を有するものであるが、これに限るものではない。また、本人又は介助者等による手動型の他、電動又はその他の動力により自走し得るものや電動機などの動力により手動力(人力)が補助され得るものを含み得る。
【0056】
(2) 車輪支持機構部
【0057】
本発明の車椅子車輪支持体は、停止した状態の車椅子における車輪に用い得る車輪支持機構部を有する。また本発明の車椅子車輪支持体は、停止した状態の車椅子における左右一対の車輪にそれぞれ用い得る車輪支持機構部を、左右に並列状に有するものであってもよい。
【0058】
停止した状態の車椅子における左右一対の車輪というのは、一般には例えば、左右一対の前車輪、又は、左右一対の後車輪であるが、存在する場合にはその他の左右一対の車輪を含むものとすることができる。
【0059】
(2-1) 前後ローラー及び前後間隔
【0060】
左右に並列状に有する各車輪支持機構部は、停止した状態の車椅子の左右一対の車輪のうち何れかの車輪を、当該車輪が前後方向(すなわち左右方向に対し直交する方向)に移動せずに概ね左右方向(若しくは水平方向)回動軸線のまわりに回動し得るように、当該車輪の前下部及び後下部においてそれぞれ上後向き及び上前向きに支持する(すなわち、当該車輪を、その前下部において斜め後上方に支持し、後下部において斜め前上方に支持する)ための互いに回動軸線が平行状をなす前ローラーと後ローラーを前後に備えるものである。このような前ローラーと後ローラーが協働することにより、当該車輪を、前後方向に移動せずに回動し得るように支持することができる。前ローラーと後ローラーは、一般には、左右方向の水平状回動軸線を有するものとすることができ、また、それぞれ円形又は略円形の一定外径で、例えば前ローラーと後ローラーの外径は実質上同一とすることができるが、必ずしもこれらに限るものではない。
【0061】
各車輪支持機構部は、このような前ローラーと後ローラーをそれぞれ回動可能に支持するローラー支持部を有するものとすることができる。
【0062】
例えば、前ローラーを回動自在に支持する軸部の両端部(又は前ローラーの両端部を回動自在に支持する両軸受部)を、それぞれローラー支持部において水平回動軸線のまわりに回動可能なように支持し、前後間隔を挟んだ後方に、後ローラーを回動自在に支持する軸部の両端部(又は後ローラーの両端部を回動自在に支持する軸受体を)を、それぞれローラー支持部において水平回動軸線のまわりに回動可能なように前ローラーと平行に支持するものとすることができる。前ローラーと後ローラーは、間隔を挟んで平行に同等の高さにすることができるが、必ずしもこれらに限るものではない。
【0063】
前ローラーと後ローラーの間隔は、対象として想定される何れの外径の車輪(一般的な車椅子における小外径の前車輪と大外径の後車輪)も前記のように回動し得るよう支持し得るものであるものとすることができるが、前記のような軸部の両端部を支持し得る位置を複数設けて両ローラーの間隔を複数種設定し得るものとすることもできる。
【0064】
前ローラーと後ローラーは、それぞれ、例えば、塩化ビニル等の合成樹脂からなり、表面部に多数の滑り止め溝等の滑止パターンが形成されたものを用いることができるが、これに限るものではない。
【0065】
(2-2) 車輪支持機構部の左右位置の調節
【0066】
左右に並列状に有する車輪支持機構部は、左右方向の相対的な位置を調節し得るものとすることが望ましい。それにより、車椅子毎の寸法の相違や、左右一対の前車輪と左右一対の後車輪の左右方向位置が例えば大きく異なる場合などに適合させることができる。
【0067】
例えば、左右の車輪支持機構部をそれぞれ所要の位置で並列状に固定し得る車輪支持機構部固定体、又は、左右の車輪支持機構部の一方を一定位置で他方を所要の位置で並列状に固定し得る、車輪支持機構部固定体を有するものとすることにより、左右に並列状に有する車輪支持機構部の左右方向の相対的な位置を調節し得るものとすることができる。このような車輪支持機構部固定体の例としては、左右方向のレール状をなし、左右の車輪支持機構部をそれぞれ所要の位置(例えば一定範囲における任意の所要の位置、或いは、車輪支持機構部と車輪支持機構部固定体が解除可能に嵌合し得る位置を複数箇所有し、それらから選択する所要の位置)で固定することができるもの、又は、一方の車輪支持機構部は一定位置で固定され、他方の車輪支持機構部を所要の位置で固定することができるものを挙げることができる。
【0068】
なお、車輪支持機構部固定体は、左右の車輪支持機構部と共に所要箇所に移動可能なものとすることができるが、車輪支持機構部固定体は必ずしも移動可能なものに限らない。一方、何れかの車輪支持機構部のみ(及び必要に応じ車輪案内体)を携帯して臨時的に車椅子に使用し得るものとすることもできる。
【0069】
(2-3) 前後ローラーの左右方向長
【0070】
左右に並列状に有する車輪支持機構部は、左右一対の前車輪と、左右一対の後車輪又はその他の左右一対の車輪との兼用(すなわち、例えば左右一対の前車輪と左右一対の後車輪の何れか一方について先に使用し、他方について後に使用するもの)とすることができる。
【0071】
その場合、左右一対の前車輪と左右一対の後車輪(又はその他の左右一対の車輪)の左右方向位置(軌道)に差が生じる場合等(例えば左右方向間隔が後車輪の方が広い場合)に備えて、前ローラーと後ローラーの左右方向長さを、前記車輪同士の左右方向位置(軌道)の差の左右方向幅以上として何れにも適合する長さとすることが望ましい。後述の車輪案内体の幅も同様である。
【0072】
(2-4) 車輪逸脱防止部
【0073】
各車輪支持機構部の前ローラーと後ローラー上に車椅子の車輪が支持された状態で、その車輪が前ローラーと後ローラーの側方に移動して離脱することを防ぐため、又は、一般的な前車輪のように車輪が自在輪(キャスター)である場合に上下方向軸の回りに大きく回動(例えば車輪の回転軸が90度回動)して(前ローラーと後ローラーに支持されることによる)車輪の回動が妨げられることを防ぐための、車輪逸脱防止部(例えば前ローラーと後ローラーにわたる側方に概ね上向きに突設された又は側方の上方部を含む部分に設けられた壁状部や柵条部など)を有することが望ましい。
【0074】
好ましい例としては、前後ローラーの側方において側方外方に向かって上向き傾斜状に突設された壁状部又は柵条部を挙げることができる。この場合、前ローラーと後ローラー上に車輪が移動してくる際に左右方向に多少のずれがあっても、車輪が前ローラーと後ローラーの上に案内され易い。
【0075】
このような壁状部や柵条部などの車輪逸脱防止部は、左右並列状の車輪支持機構部が相対する側である内側の側方と、反対側である外側の側方の両方に設けることが望ましいが、必ずしもこれに限るものではない。また、各車輪支持機構部において、壁状部や柵条部などの車輪逸脱防止部を左右方向に移動可能とすることもできる。
【0076】
一般的な車椅子の左右一対の前車輪のような自在輪については、左右何れかの車輪逸脱防止部に近接した状態で前ローラーと後ローラー上に支持されるようにすることにより、上下方向軸の回りに大きく回動して車輪の概ね水平方向の回動軸線まわりの回動が妨げられること(それにより車輪の手動回動による清掃が困難になること)を防ぐことができる。
【0077】
(2-5) 3又は4以上のローラー
【0078】
車輪支持機構部は、停止した状態の車椅子における車輪が前後方向に移動せずに回動し得るように当該車輪を支持するための、回動軸線が左右方向であって互いに平行状をなす3又は4以上のローラーを有し、
前記車椅子における前記支持対象車輪に応じ、前記ローラーのうち少なくとも何れかのローラーが上記前ローラーであり、前記ローラーのうち少なくとも何れかのローラーが上記後ローラーであるものとすることができる。
【0079】
一般には、これら3又は4以上のローラーは、左右方向回動軸線を有するものとすることができ、また、それぞれ円形又は略円形の一定外径で、例えば全てのローラーの外径は実質上同一とすることができるが、必ずしもこれらに限るものではない。全てのローラー又は一部のローラーを着脱可能(例えば左右端部を車輪支持機構部に対し解除可能に締結するもの)とすることもできる。
【0080】
前記3又は4以上のローラーのうち、最前位置のローラーと最後位置のローラーの間のローラーは、最前位置のローラーと最後位置のローラーの何れよりも上面が低いものとすることができる。支持対象車輪の外径によっては、当該車輪の支持に最前位置のローラーと最後位置のローラーが利用され得るようにするため、また、大外径の車輪を、前後方向に移動せずに左右方向(若しくは水平方向)回動軸線のまわりに、より安定的に回動し支持し易くするためである。
【0081】
前記のような3又は4以上のローラーを有する場合、支持対象車輪に応じ、比較的に大外径の車輪(一般には後輪)は、最前位置のローラーと最後位置のローラー(又は、最前位置のローラーと最後位置のローラー、並びに、最前位置のローラーと最後位置のローラーの間のローラーの全て又は一部)により支持されるものとなることが多く、比較的に小外径の車輪(一般には前輪)は、最前位置のローラーと最後位置のローラーの間の複数のローラー(又は、最前位置のローラー若しくは最後位置のローラーと最前位置のローラーと最後位置のローラーの間のローラー)により支持されるものとなることが多い。比較的に大外径の車輪及び比較的に小外径の車輪を含む何れの支持対象車輪も、前後方向に移動せずに左右方向若しくは水平方向の回動軸線のまわりに可及的に円滑に回動支持され得るものであることが好ましい。
【0082】
前記のように3以上(特に4以上)のローラーを有する場合、ローラー同士の間隔を小さく(例えば4-7mm、好ましくは5-6mm)することができる。そのため、車輪が比較的に小外径(例えば3-5cm)で幅が小さく(例えば2-3cm)縦軸の回りに向きが自在に変わるキャスター(一般的な前輪)であっても、ローラー同士の間に嵌まり込んで左右方向若しくは水平方向の回動軸線のまわりに回転しにくくなることが効果的に防がれ、車輪の向きが変わっても(すなわち、車輪の回転軸線方向が、ローラーの回転軸線方向と平行な状態から、90度以下の角度で交差する状態に変わっても)元に戻り易いものとすることができる。
【0083】
(2-6) 清掃体
【0084】
各車輪支持機構部の前ローラーと後ローラーの間の位置に、車輪清掃ブラシ等の清掃体を有するものとすることができる。
【0085】
各車輪支持機構部の前ローラーと後ローラーにより、車椅子の車輪を、前後方向に移動せずに回動し得るように支持し、当該車輪を手動で回動させつつ、雑巾やその他の清掃具を用いて車輪を清掃する際に、車輪の下部外周部のうち前ローラーと後ローラーの間の部分が、前記車輪清掃ブラシ等の清掃体により清掃(例えば粗ゴミ取りなど)される。
【0086】
清掃体は、例えば下側をバネ体等の弾性的な部材で支持することにより、上下位置を自動調節され得るものとすることによって、前ローラーと後ローラーの間に車輪の下部が比較的に深く位置する場合(外径が比較的に小さい場合)は清掃体が低くなり、前ローラーと後ローラーの間に車輪が比較的に浅く位置する場合(外径が比較的に大きい場合)は清掃体が高くなるようにすることが好ましい。
【0087】
車輪支持機構部に対し清掃体を、着脱可能(例えば中間の1又は2以上の着脱可能なローラーと選択可能)とすることもできる。
【0088】
また、各車輪支持機構部の側方部にも車輪側部清掃ブラシ等の車輪側部清掃体を有するものとすることができる。
【0089】
(3) 車輪案内体
【0090】
各車輪支持機構部の前ローラーよりも前方と後ローラーよりも後方(或いは何れか一方)には、車椅子の車輪を、下方位置(例えば玄関の土間)又は上方位置から車輪支持機構部の前ローラーと後ローラーの上(或いは前記3又は4以上のローラーの上)に導き、また、車輪支持機構部の前ローラーと後ローラー上(或いは前記3又は4以上のローラーの上)の車椅子の車輪を上方位置(例えば床上)又は下方位置へ導くための傾斜角度可変の車輪案内体を有するものとすることが好ましい。例えば、前方及び後方の車輪案内体の角度を、何れも車輪支持機構部に向かって上向きにすることにより、車椅子の各車輪を、床上から車輪支持機構部の前ローラーと後ローラーの上(或いは前記3又は4以上のローラーの上)を経て同じ床上へ移動させるようにすることもできる。
【0091】
車輪案内体は、例えば、両側部に壁状部等の車輪離脱防止部を有する板状体や透孔を多数有するスノコ状体若しくはメッシュ状体等からなるものとすることができ、基部が車輪支持機構部の前部又は後部に対し上下に回動可能に(好ましくは着脱可能に)支持されたものとすることができる。
【符号の説明】
【0092】
B 車輪清掃ブラシ
C 車椅子
E 土間
F 床
G 車輪案内体
Ga 車輪離脱防止部
Gb 掛合部
H 中間線
L 車輪支持機構部固定体
La 突条部
Lb 嵌合部
M 車輪支持機構部
Ma 側壁部
Mb 車輪逸脱防止部
Mc 嵌合部
Mh ブラシ保持部
Rf 前ローラー
Rm 中間ローラー
Rm1 中間前ローラー
Rm2 中間後ローラー
Rr 後ローラー
S 車椅子車輪支持体
Wf 前車輪
Wr 後車輪
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
停止した状態の車椅子における車輪についての車輪支持機構部を有する車椅子車輪支持体であって、
前記車輪支持機構部は、当該車輪が前後方向に移動せずに回動し得るように、当該車輪の前下部及び後下部においてそれぞれ上後向き及び上前向きに支持するための、回動軸線が左右方向であって互いに平行状をなす前ローラーと後ローラーを前後に備えるものであることを特徴とする車椅子車輪支持体。
【請求項2】
停止した状態の車椅子における左右一対の車輪それぞれについての車輪支持機構部を左右に並列状に有する車椅子車輪支持体であって、
前記各車輪支持機構部は、当該車輪が前後方向に移動せずに回動し得るように、当該車輪の前下部及び後下部においてそれぞれ上後向き及び上前向きに支持するための、回動軸線が左右方向であって互いに平行状をなす前ローラーと後ローラーを前後に備えるものであることを特徴とする車椅子車輪支持体。
【請求項3】
上記左右に並列状に有する車輪支持機構部が、左右方向の相対的な位置を調節し得るものである請求項2記載の車椅子車輪支持体。
【請求項4】
上記左右の車輪支持機構部をそれぞれ所要の位置で並列状に固定し得る車輪支持機構部固定体、又は、左右の車輪支持機構部の一方を一定位置で他方を所要の位置で並列状に固定し得る、車輪支持機構部固定体を有することにより、左右に並列状に有する車輪支持機構部の左右方向の相対的な位置を調節し得るものである請求項3記載の車椅子車輪支持体。
【請求項5】
上記左右に並列状に有する車輪支持機構部は、左右一対の前車輪と、左右一対の後車輪又はその他の左右一対の車輪との兼用である請求項2乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【請求項6】
上記左右一対の前車輪と、左右一対の後車輪又はその他の左右一対の車輪の左右方向位置に差があり、前ローラーと後ローラーの左右方向長さが、前記車輪同士の左右方向位置の差の左右方向幅以上である請求項5記載の車椅子車輪支持体。
【請求項7】
車輪支持機構部の前ローラーと後ローラー上に車椅子の車輪が支持された状態で、その車輪が前ローラーと後ローラーの側方に離脱することを防ぐため、又は、車輪が自在輪である場合に上下方向軸の回りに大きく回動することを防ぐための車輪逸脱防止部を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【請求項8】
上記各車輪支持機構部の前ローラーの前方と後ローラーの後方の両方又は一方に、車椅子の車輪を、車輪支持機構部上に導くため又は車輪支持機構部上から移動させるための傾斜角度可変の車輪案内体を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【請求項9】
上記各車輪支持機構部の前ローラーと後ローラーの間の位置に清掃体を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【請求項10】
上記車輪支持機構部は、上記車輪が前後方向に移動せずに回動し得るように当該車輪を支持するための、回動軸線が左右方向であって互いに平行状をなす3又は4以上のローラーを有し、
上記車椅子における前記支持対象車輪に応じ、前記ローラーのうち少なくとも何れかのローラーが上記前ローラーであり、前記ローラーのうち少なくとも何れかのローラーが上記後ローラーである請求項1乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。
【請求項11】
上記3又は4以上のローラーのうち、最前位置のローラーと最後位置のローラーの間のローラーは、最前位置のローラーと最後位置のローラーの何れよりも上面が低い請求項10記載の車椅子車輪支持体。
【請求項12】
上記前ローラーと後ローラーの間隔を複数種設定し得る請求項1乃至4の何れか1項に記載の車椅子車輪支持体。