(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154365
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】部品のローディング及びアンローディングを自動化する方法のためのフランジ付きテーパピン
(51)【国際特許分類】
B21D 37/14 20060101AFI20241023BHJP
B21D 43/00 20060101ALI20241023BHJP
B21D 37/16 20060101ALI20241023BHJP
B25J 13/00 20060101ALN20241023BHJP
【FI】
B21D37/14 J
B21D43/00 U
B21D37/16
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024011800
(22)【出願日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】18/302,225
(32)【優先日】2023-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・ロイド・コナウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ラリー・ディーン・ヘフティー
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド・ジェームズ・ファルコナー・フィヴィー
【テーマコード(参考)】
3C707
4E050
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707AS29
3C707DS01
3C707EV22
3C707MT06
4E050GA05
(57)【要約】
【課題】本発明は、部品のローディング及びアンローディングを自動化する方法のためのフランジ付きテーパピンを提供する。
【解決手段】部品を成形するための成形型が開示される。成形型は、成形される部品の下側面を下側成形型に固定する取り外し可能な固定ピンの下側部分を受け入れるための下側ピン受け開口部を備える下側成形型部分と、成形される部品の上側面を上側成形型部分に固定する取り外し可能な固定ピンの上側を受け入れるための上側ピン受け開口部を備える、下側成形型部分の上方に位置決め可能な上側成形型部分とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品(204)を成形するための成形型(1114)であって、前記成形型(1114)が、
成形される部品(204)の下側面(208)を下側成形型部分(202)に固定する取り外し可能な固定ピン(402)の下側部分(608a)を受け入れるための下側ピン受け開口部(606a)を備える前記下側成形型部分(202)と、
前記成形される部品(204)の上側面(210)を上側成形型部分(1116)に固定する前記取り外し可能な固定ピン(402)の上側部分(612a)を受け入れるための上側ピン受け開口部(1002a、1002b)を備える、前記下側成形型部分(202)の上方に位置決め可能な前記上側成形型部分(1116)と
を備える、成形型(1114)。
【請求項2】
前記下側成形型部分(202)が下側ホットボックス部分(106)内に収容され、前記下側ホットボックス部分(106)が、下側ハウジング(120)と、前記下側ハウジング(120)内に受け入れられ、前記下側成形型部分(202)を支持する下側加熱プラテン(1104)と、前記成形される部品(204)の前記下側面(208)を前記下側ハウジング(120)及び前記下側加熱プラテン(1104)に固定する前記取り外し可能な固定ピン(402)の前記下側部分(608a)を受け入れるための下側ホットボックス部分ピン受け開口部(610a)とを備える、請求項1に記載の成形型。
【請求項3】
前記上側成形型部分(1116)が前記下側ホットボックス部分(106)の上方に位置決め可能な上側ホットボックス部分(108)内に収容され、前記上側ホットボックス部分(108)が、上側ハウジング(122)と、前記上側ハウジング(122)内に受け入れられ、前記上側成形型部分(1116)を支持する上側加熱プラテン(1110)と、前記成形される部品(204)の上側面(210)を前記上側ハウジング(122)及び前記上側加熱プラテン(1110)に固定する前記取り外し可能な固定ピン(402)の前記上側部分(612a)を受け入れるための上側ホットボックス部分ピン受け開口部(1004a、1004b)とを備える、請求項2に記載の成形型。
【請求項4】
前記取り外し可能な固定ピン(402)を更に備える、請求項1に記載の成形型。
【請求項5】
前記取り外し可能な固定ピン(402)の前記下側部分(608a)が、前記部品(402)の取り外し及び位置決めを行うために、相互にテーパが付けられた前記下側ピン受け開口部(606a)に隙間嵌めされるテーパ面(604a、604b)を備える、請求項1に記載の成形型。
【請求項6】
前記取り外し可能な固定ピンの前記上側部分が、前記部品(204)が載る棚部を備え、前記部品(204)の持ち上げを可能にし、前記下側ピン受け開口部(606a)の上面を接続するフランジ(602a、602b)を備える、請求項1に記載の成形型。
【請求項7】
前記取り外し可能な固定ピン(402)の前記上側部分(612a)が、前記取り外し可能な固定ピン(402)を把持することを可能にする凹状の隆起部(404)を備える、請求項6に記載の成形型。
【請求項8】
前記下側成形型部分(1118)とエンドエフェクタ(410)からのグリッパ(504)との間に断熱層を提供するサーマルパッド(408)を更に備える、請求項1に記載の成形型。
【請求項9】
前記下側ホットボックス部分(106)及び前記上側ホットボックス部分(108)が、プレスアセンブリ(104)から取り外し可能である、請求項3に記載の成形型。
【請求項10】
部品(204)を熱間成形するためのホットボックス(102)であって、前記ホットボックス(102)が、
下側ハウジング(120)と、前記下側ハウジング内に受け入れられ、下側成形型部分(1118)を支持する下側加熱プラテン(1104)と、成形される部品の下側面を前記下側ハウジング及び前記下側加熱プラテン(1104)に固定する取り外し可能な固定ピン(402)の下側部分を受け入れるための下側ピン受け開口部とを備える下側ホットボックス部分(106)と、
前記下側ホットボックス部分(106)の上方に位置決め可能な上側ホットボックス部分(108)であって、上側ハウジング(122)と、前記上側ハウジング内に受け入れられ、上側成形型部分(1116)を支持する上側加熱プラテン(1010)と、前記成形される部品(204)の上側面を前記上側ハウジング(122)及び前記上側加熱プラテン(1010)に固定する前記取り外し可能な固定ピン(402)の上側部分(612a)を受け入れるための上側ピン受け開口部(1002a、1002b)とを備える上側ホットボックス部分(108)と
を備える、ホットボックス(102)。
【請求項11】
前記取り外し可能な固定ピン(402)を更に備える、請求項10に記載のホットボックス。
【請求項12】
前記取り外し可能な固定ピン(402)の前記下側部分(608a)が、前記部品(204)の取り外し及び位置決めを行うために、相互にテーパが付けられた前記下側ピン受け開口部に隙間嵌めされるテーパ面を備える、請求項11に記載のホットボックス。
【請求項13】
前記取り外し可能な固定ピン(402)の前記上側部分(612a)が、前記部品が載る棚部を備え、前記部品(204)の持ち上げを可能にし、前記下側ピン受け開口部の上面を接続するフランジ(602a、602b)を備える、請求項11に記載のホットボックス。
【請求項14】
前記取り外し可能な固定ピン(402)の前記上側部分(612a)が、前記取り外し可能な固定ピン(402)を把持することを可能にする凹状の隆起部(404)を備える、請求項11に記載のホットボックス。
【請求項15】
前記下側成形型部分(1118)とエンドエフェクタ(410)からのグリッパ(504)との間に断熱層を提供するサーマルパッドを更に備える、請求項10に記載のホットボックス。
【請求項16】
前記下側ホットボックス部分(106)及び前記上側ホットボックス部分(108)が、プレスアセンブリ(104)から取り外し可能である、請求項10に記載のホットボックス。
【請求項17】
エンドエフェクタ(41)と、
部品(204)をホットボックス(102)の下側ホットボックス部分(106)に固定する固定ピン(402)を把持する前記エンドエフェクタ(410)に取り付けられたグリッパ(504)であって、前記固定ピン(402)が、テーパ状の下側本体部分(608a)と、前記下側本体部分(608a)と上側本体部分(612a)との間に配置されたフランジ(602a、602b)と、前記グリッパ(504)が前記固定ピン(402)を保持することを可能にする前記フランジ(602a、602b)の上方に配置された凹状の隆起部(404)とを備えるグリッパ(504)と
を備える、プラットフォーム(506)。
【請求項18】
システムが、部品ハンドリングロボット、ユーザ制御プラットフォーム、コンピュータ制御プラットフォーム、又は部品ハンドリングフレームを備える、請求項17に記載のプラットフォーム。
【請求項19】
部品固定ピン(402)であって、
テーパ状の下側本体部分(608a)と、
上側本体部分(612a)と、
前記下側本体部分(608a)と前記上側本体部分(612a)との間に配置されたフランジ(602a、602b)と、
グリッパ(504)がホットボックス固定ピン(402)を保持することを可能にする、前記フランジ(602a、602b)の上方に配置された凹状の隆起部(404)と
を備える、部品固定ピン(402)。
【請求項20】
ホットボックス又は超塑性成形(SPF)プレスアセンブリ内に成形される部品(204)を固定するための方法(800)であって、前記方法(800)が、
前記成形される部品(204)を、固定ピン(402)を使用してプラットフォーム(506)に固定するステップ(802)であって、前記プラットフォーム(506)が、エンドエフェクタ(410)と、前記エンドエフェクタ(410)に固定ピン(402)を取り付けたグリッパ(504)とを備える、ステップ(802)と、
前記成形される部品(204)を、前記固定ピン(402)を使用してホットボックスプレスアセンブリ(102)内の前記ホットボックス(102)の下側ホットボックス部分(106)に移動させるステップ(804)と、
前記固定ピン(402)を解放するために前記グリッパ(504)を作動させることによって、前記部品(204)を解放するステップ(806)と
を含む、方法(800)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、部品のローディング及びアンローディングを自動化する方法のためのフランジ付きテーパピンに関する。
【背景技術】
【0002】
熱間成形プレスなど、従来のプレスは費用がかかる。例えば、航空宇宙産業では、大きな部品を加工することが可能な熱間成形プレスは、250万米ドルを超えるコストがかかり、1000万米ドルものコストがかかる場合さえある。更に、従来の熱間成形プレスは、高価なメンテナンスを必要とし、予測不能なダウンタイムが発生するため、製造サイクル時間に悪影響を及ぼす。更に、熱間成形プレスが動作に失敗した場合、しばしば、失敗時にプレスによって加工されている部品を費用をかけて再加工する必要がある。最悪のシナリオとして、そのような部品は廃棄しなければならず、その結果、大幅な追加コストが生じる。
【0003】
通常、熱間成形工具の部分ローディングは手動で行われ、オペレータは熱保護機器/衣類を着用する必要がある。ローディング/アンローディング工程の間、オペレータは、1700°Fを超える可能性がある部品、工具、及びプレス構成要素と絶えず接触する必要がある。手動でローディングとアンローディングされた部品には、オペレータが異なるローディング及びアンローディングの方法を使用するため、部品の外形にばらつきが生じる可能性がある。自動化されたローディング及びアンローディングは、高温の構成要素との密接なやりとりを必要としないオペレータに対して、より安全な環境を提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例によれば、部品を成形するための成形型が開示される。成形型は、成形される部品の下側面を下側成形型部分に固定する取り外し可能な固定ピンの下側部分を受け入れるための下側ピン受け開口部を備える下側成形型部分と、成形される部品の上側面を上側成形型部分に固定する取り外し可能な固定ピンの上側部分を受け入れるための上側ピン受け開口部を備える、下側成形型部分の上方に位置決め可能な上側成形型部分とを備える。
【0005】
以下の形態のうちの1つ又は複数を含む様々な追加の形態が、部品を成形するための成形型に含まれ得る。下側成形型部分は、下側ホットボックス部分内に収容され、下側ホットボックス部分は、下側ハウジングと、下側ハウジング内に受け入れられ、下側成形型部分を支持する下側加熱プラテンと、成形される部品の下側面を下側ハウジング及び下側加熱プラテンに固定する取り外し可能な固定ピンの下側部分を受け入れるための下側ホットボックス部分ピン受け開口部とを備える。上側成形型部分は、下側ホットボックス部分の上方に位置決め可能な上側ホットボックス部分内に収容され、上側ホットボックス部分は、上側ハウジングと、上側ハウジング内に受け入れられ、上側成形型部分を支持する上側加熱プラテンと、成形される部品の上側面を上側ハウジング及び上側加熱プラテンに固定する取り外し可能な固定ピンの上側部分を受け入れるための上側ホットボックス部分ピン受け開口部とを備える。成形型は、取り外し可能な固定ピンを更に備える。取り外し可能な固定ピンの下側部分は、部品の取り外し及び位置決めを行うために、相互にテーパが付けられた下側ピン受け開口部に隙間嵌めされるテーパ面を備える。取り外し可能な固定ピンの上側部分は、部品が載る棚部を備え、部品の持ち上げを可能にし、しかも下側ピン受け開口部の上面を接続するフランジを備える。取り外し可能な固定ピンの上側部分は、取り外し可能な固定ピンを把持することを可能にする凹状の隆起部を備える。エンドエフェクタは、下側成形型部分とエンドエフェクタからのグリッパとの間に断熱層を提供するサーマルパッドを更に備える。下側ホットボックス部分及び上側ホットボックス部分は、プレスアセンブリから取り外し可能である。
【0006】
本開示の実施例によれば、部品を熱成形するためのホットボックスが開示される。ホットボックスは、下側ハウジングと、下側ハウジング内に受け入れられ、下側成形型部分を支持するように構成された下側加熱プラテンと、成形される部品の下側面を下側ハウジング及び下側加熱プラテンに固定する取り外し可能な固定ピンの下側部分を受け入れるための下側ピン受け入れ開口部とを備える下側ホットボックス部分と、下側ホットボックス部分の上方に位置決め可能な上側ホットボックス部分であって、上側ハウジングと、上側ハウジング内に受け入れられ、上側成形型部分を支持するように構成された上側加熱プラテンと、成形される部品の上側面を上側ハウジング及び上側加熱プラテンに固定する取り外し可能な固定ピンの上側部分を受け入れるための上側ピン受け開口部とを備える、上側ホットボックス部分とを備える。
【0007】
以下の形態のうちの1つ又は複数を含む部品を成形するために、様々な追加の形態をホットボックスに含めることができる。ホットボックスは、取り外し可能な固定ピンを更に備える。取り外し可能な固定ピンの下側部分は、部品の取り外し及び位置決めを行うために、相互にテーパが付けられた下側ピン受け開口部に隙間嵌めされるテーパ面を備える。取り外し可能な固定ピンの上側部分は、部品が載る棚部を備え、部品の持ち上げを可能にし、しかも下側ピン受け開口部の上面を接続するフランジを備える。取り外し可能な固定ピンの上側部分は、取り外し可能な固定ピンを把持することを可能にする凹状の隆起部を備える。エンドエフェクタは、下側成形型部分とエンドエフェクタからのグリッパとの間に断熱層を提供するサーマルパッドを更に備える。
【0008】
本開示の実施例によれば、システムが開示される。本システムは、エンドエフェクタと、部品をホットボックスの下側ホットボックス部分に固定する固定ピンを把持するエンドエフェクタに取り付けられたグリッパとを備え、固定ピンは、テーパ状の下側本体部分と、下側本体部分と上側本体部分との間に配置されたフランジと、グリッパが固定ピンを保持することを可能にするフランジの上方に配置された凹状の隆起部とを備える。いくつかの例では、システムは、部品ハンドリングロボット、ユーザ制御プラットフォーム、コンピュータ制御プラットフォーム、又は部品ハンドリングフレームを備える。
【0009】
本開示の実施例によれば、部品固定ピンが開示される。部品固定ピンは、テーパ状の下側本体部分と、上側本体部分と、下側本体部分と上側本体部分との間に配置されたフランジと、グリッパがホットボックス固定ピンを保持することを可能にするフランジの上方に配置された凹状の隆起部とを備える。
【0010】
本開示の実施例によれば、ホットボックス又は超塑性成形(SPF)プレスアセンブリに成形される部品を固定する方法が開示される。本方法は、成形される部品を、エンドエフェクタと、エンドエフェクタに固定ピンが取り付けられたグリッパとを備えるプラットフォームに固定ピンを用いて固定するステップと、成形される部品を、固定ピンを使用してホットボックスプレスアセンブリ内のホットボックスの下側ホットボックス部分に移動させるステップと、固定ピンを解放するためにグリッパを作動させることによって、部品を解放するステップとを含む。
【0011】
以下は、本発明による主題の、特許請求されてもされなくてもよい例の非網羅的なリストである。
【0012】
本発明による主題の一例は、プレスに関する。プレスは、下側プレスアセンブリ及び上側プレスアセンブリを備える。下側プレスアセンブリは、垂直軸に沿って移動可能であり、下側成形型部分と、下側成形型部分を受け入れるように構成された下側ホットボックス部分とを備える。上側プレスアセンブリは、下側プレスアセンブリの上方で垂直軸に沿って移動可能であり、上側成形型部分と上側ホットボックス部分とを備える。上側ホットボックス部分は、上側成形型部分が下側成形型部分に対向して位置決めされるように、上側成形型部分を受け入れるように構成されている。下側成形型部分及び上側成形型部分は、下側成形型部分と上側成形型部分との間に受け入れられた被加工物に成形圧力を印加するように構成されている。下側ホットボックス部分及び上側ホットボックス部分は、被加工物を加熱するように構成されている。
【0013】
下側プレスアセンブリと上側プレスアセンブリの両方を垂直軸に沿って移動可能にすることによって、被加工物に印加するための成形圧力(即ち、プレスのトン数)を生成するために成形力を印加するプレスの構成要素は、被加工物の作業上の配置及びプレスからの成形される部品の取り外しと成形力の印加との両方を考慮した大きいストローク長さを有する必要がない。同様に、成形圧力を生成するために成形力を印加するプレスの構成要素は、下側成形型部分及び上側成形型部分の取り外し及び交換をも考慮したストローク長さを有する必要はない。したがって、成形力を印加して成形圧力を生成するプレス構成要素は、先行技術のプレスと比較して同じサイクル数にわたって受ける応力が小さいため、プレスの耐用年数にわたって必要とされる保守や修理が少なくて済む。
【0014】
本発明による主題の別の例は、プレスのホットボックスに関する。ホットボックスは、下側ホットボックス部分及び上側ホットボックス部分を備える。下側ホットボックス部分は、下側ハウジングと、下側加熱プラテンと、下側絶縁層とを備える。下側加熱プラテンは、下側ハウジング内に受け入れられ、下側成形型部分を支持するように構成されている。下側断熱層は、下側ハウジングと下側加熱プラテンとの間に位置決めされる。上側ホットボックス部分は、下側ホットボックス部分の上方に位置決め可能であり、上側ハウジングと、上側加熱プラテンと、上側断熱層とを備える。上側加熱プラテンは、上側ハウジング内に受け入れられ、上側成形型部分を支持するように構成されている。上側断熱層は、上側ハウジングと上側加熱プラテンとの間に位置決めされる。下側ホットボックス部分及び上側ホットボックス部分は、下側ホットボックス部分と上側ホットボックス部分とが互いに接触しているとき、下側成形型部分と上側成形型部分との間に受け入れられた熱障壁を被加工物の周囲に提供する。
【0015】
ホットボックスは、プレスが被加工物から部品を動作可能に成形しているとき、下側成形型部分及び上側成形型部分に、したがって被加工物に送達される熱を維持するために、熱障壁を提供する。下側ハウジングは、下側ホットボックス部分の他の構成要素を支持するための構造を提供する。下側断熱層は、下側成形型部分を支持し、これに熱を伝導するように構成されている下側加熱プラテンを断熱し、それにより、下側成形型部分からの伝導を制限することによって、下側成形型部分の効率的な加熱が促進される。同様に、上側ハウジングは、上側ホットボックス部分の他の構成要素を支持するための構造を提供する。上側断熱層は、上側成形型部分を支持し、これに熱を伝導するように構成されている上側加熱プラテンを断熱し、それにより、上側成形型部分からの伝導を制限することによって、上側成形型部分の効率的な加熱が促進される。
【0016】
本発明による主題のまた別の例は、被加工物を成形する方法に関する。本方法は、下側プレスアセンブリと上側プレスアセンブリの両方をローディング構成となるように垂直に移動させるステップを含み、下側プレスアセンブリと上側プレスアセンブリとは、被加工物を受け入れるために間隔を空けている。本方法は、下側プレスアセンブリの下側成形型部分と上側プレスアセンブリの上側成形型部分との間に加工物を位置決めするステップを含む。本方法は、下側プレスアセンブリと上側プレスアセンブリの両方をクローズド構成になるように垂直方向に移動させるステップを更に含み、下側プレスアセンブリ及び上側プレスアセンブリは、被加工物に成形圧力を印加するように位置決めされる。本方法はまた、上側プレスアセンブリを固定するステップを含む。本方法は、被加工物に成形圧力を印加するために下側プレスアセンブリを上側プレスアセンブリに向かって移動させるステップを更に含む。本方法はまた、被加工物を加熱するステップを含む。
【0017】
下側プレスアセンブリと上側プレスアセンブリの両方をローディング構成とクローズド構成との間で垂直方向に移動させることによって、被加工物に印加するための成形圧力(即ち、プレスのトン数)を生成するために成形力を印加するプレスの構成要素は、被加工物の作業上の配置及びプレスからの成形される部品の取り外しと成形力の印加との両方を考慮した大きいストローク長さを有する必要はない。同様に、成形圧力を生成するために成形力を印加するプレスの構成要素は、下側成形型部分及び上側成形型部分の取り外し及び交換をも考慮したストローク長さを有する必要はない。したがって、成形力を印加して成形圧力を生成するプレス構成要素は、先行技術のプレスと比較して同じサイクル数にわたって受ける応力が小さいため、プレスの耐用年数にわたって必要とされる保守や修理が少なくて済む。
【0018】
上側プレスアセンブリを固定することによって、上側プレスアセンブリの垂直方向への移動に関連する構成要素は、被加工物を動作可能に変形させるために必要な成形圧力を生成するのに十分な成形力を印加することができなくてもよい。むしろ、下側プレスアセンブリの垂直方向への移動に関連する構成要素のみが、被加工物を動作可能に変形させるために必要な成形圧力を生成するのに十分な成形力を印加することができる必要がある。その結果、上側プレスアセンブリの垂直方向への移動に関連する構成要素は、下側プレスアセンブリの垂直方向への移動に関連する構成要素よりも、大幅に安価であり得る。
【0019】
本発明による主題のまた別の例は、被加工物を成形する方法に関する。本方法は、能動的に決定された量の熱を、プレスのホットボックスの下側ホットボックス部分の下側加熱プラテンの別個の下側領域に、又はホットボックスの上側ホットボックス部分の上側加熱プラテンの別個の上側領域に送達するステップを含む。
【0020】
下側プレスアセンブリと上側プレスアセンブリの両方をローディング構成とクローズド構成との間で垂直方向に移動させることによって、被加工物に印加するための成形圧力(即ち、プレスのトン数)を生成するために成形力を印加するプレスの構成要素は、被加工物の作業上の配置及びプレスからの成形される部品の取り外しと成形力の印加との両方を考慮した大きいストローク長さを有する必要はない。同様に、成形圧力を生成するために成形力を印加するプレスの構成要素は、下側成形型部分及び上側成形型部分の取り外し及び交換をも考慮したストローク長さを有する必要はない。したがって、成形力を印加して成形圧力を生成するプレス構成要素は、先行技術のプレスと比較して同じサイクル数にわたって受ける応力が小さいため、プレスの耐用年数にわたって必要とされる保守や修理が少なくて済む。
【0021】
上側プレスアセンブリを固定することによって、上側プレスアセンブリの垂直方向への移動に関連する構成要素は、被加工物を動作可能に変形させるために必要な成形圧力を生成するのに十分な成形力を印加することができなくてもよい。むしろ、下側プレスアセンブリの垂直方向への移動に関連する構成要素のみが、被加工物を動作可能に変形させるために必要な成形圧力を生成するのに十分な成形力を印加することができる必要がある。その結果、上側プレスアセンブリの垂直方向への移動に関連する構成要素は、下側プレスアセンブリの垂直方向への移動に関連する構成要素よりも、大幅に安価であり得る。
【0022】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本教示の実施形態を示すものであり、説明とともに、本教示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の実施例によるプレス内のホットボックスの正面図を示す。
【
図2】本開示の実施例による
図1のホットボックス102の開放正面斜視
図200を示す。
【
図3】本開示の実施例による
図2の下側ホットボックス部分108の正面斜視
図300を示す。
【
図4A】本開示の実施例による部品ローディング/アンローディングアーム206の分離した正面斜視
図400を示す。
【
図5】本開示の実施例による
図4Aの逆斜視図を示す。
【
図6】本開示の実施例による下側成形型部分202を除いた
図5の側面斜視
図600を示す。
【
図8】本開示の実施例による、ホットボックス又は超塑性成形(SPF)プレスアセンブリ内に成形される部品を固定するための方法800を示す。
【
図9】本開示の実施例による航空機を示す図である。
【
図10】本開示の実施例による上側ホットボックス部分106及び下側ホットボックス部分108の部分断面
図1000を示す。
図10に示すように、部品204は、下側ホットボックス部分108上に位置決めされる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に実施形態を詳細に参照し、実施形態の例は添付の図面に示されている。以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは、当業者にとって明らかであろう。他の事例では、実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、よく知られている方法、手順、構成要素、回路及びネットワークは詳細に説明されていない。
【0025】
以下の説明では、開示される概念を十分に理解するために多くの具体的な詳細が説明されているが、これらの具体的な詳細の一部又は全てがなくてもこの概念を実施することができる。他の事例では、本開示を不必要に不明瞭にするのを回避するために、既知の装置及び/又はプロセスの詳細は省略されている。いくつかの概念を具体的な実施例と併せて説明するが、当然のことながら、これらの実施例は限定することを意図したものではない。
【0026】
特に明記しない限り、「第1の」、「第2の」などの用語は、本明細書では単に符号として用いられ、これらの用語が参照する項目に順序、位置、又は階層の要件を課すことを意図するものではない。更に、例えば「第2の」の項目への言及は、例えば「第1の」又はより小さい番号の項目、及び/或いは、例えば「第3の」又はより大きい番号の項目の存在を必要とするものでも、排除するものでもない。
【0027】
本明細書における「一例」への言及は、その例に関連して説明される1つ又は複数の形態、構造、又は特性が、少なくとも1つの実装例に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所における「一例」という句は、同じ例を指していることも指していないこともある。
【0028】
本明細書で使用する場合、指定の機能を実行する「ように構成されている」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、単に更なる修正の後に指定の機能を実行する可能性を有するというよりもむしろ、いかなる変更もせずに指定の機能を実行することが実際に可能である。言い換えると、指定の機能を実行する「ように構成されている」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、指定の機能を実行する目的で明確に選択、作成、実装、利用、プログラム、及び/又は設計されている。本明細書で使用される場合、「~のように構成されている」とは、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアが更なる変更なしに指定された機能を実行することを可能にするシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの既存の特性を意味する。本開示の目的のために、特定の機能を実行する「ように構成されている」と説明されたシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的に、その機能を実行する「ように適応されている」、及び/又は「ように動作可能である」と説明され得る。
【0029】
本開示による主題の、特許請求されてもされなくてもよい例示的な非網羅的な実施例を以下に提供する。
【0030】
図1は、本開示の実施例によるプレス104内のホットボックス102の正面
図100を示す。ホットボックス102は、当業界では特定の用途に応じて「ホット-ボックス(hot-box)」又は「ホットボックス(hotbox)」とも呼ばれ得る。ホットボックス102は、下側ホットボックス部分108及び上側ホットボックス部分106を備える。下側ホットボックス部分108及び上側ホットボックス部分106は、閉位置にあるとき、任意の隙間を塞ぐために可撓性ヒートシール110を使用する。下側ホットボックス部分108は、下側ハウジング120と、下側ハウジング120内に受け入れられた下側加熱プラテン1004とを備える。上側ホットボックス部分106は、上側ハウジング122と、上側ハウジング122内に受け入れられた上側加熱プラテン1010とを備える。上側ホットボックス部分106の上面には、上側ストロングバック又は単にストロングバックと呼ばれることもある上側ベースプレート112が配置され、下側ホットボックス部分108の底面には、下側ストロングバック又は単にストロングバックと呼ばれることもある下側ベースプレート114が配置されている。上側ベースプレート112及び下側ベースプレート114は、ホットボックス102に構造的補強を提供し、限定はしないが、オーステナイト系ニッケル-クロム基超合金などの耐酸化腐食性材料を含む材料から構成され得る。当業界で知られているように、他の適切な材料が使用され得る。
【0031】
プレス104は、下側プレスアセンブリ118及び上側プレスアセンブリ116を備える。例えば、プレス104は、超塑性成形(SPF)プレス又は熱間成形プレスであり得る。本明細書で説明される機能を果たす他のタイプのプレスも使用され得る。下側プレスアセンブリ118及び/又は上側プレスアセンブリ116は、垂直軸に沿って移動可能であり得る。ホットボックス102は、下側プレスアセンブリ118と上側プレスアセンブリ116との間に受け入れられる。上側ホットボックス部分106は上側成形型部分を受け入れるように構成され、下側ホットボックス部分108は下側成形型部分を受け入れるように構成され、上側成形型部分は下側成形型部分に対向して位置決めされる。下側成形型部分及び上側成形型部分は、下側成形型部分と上側成形型部分との間に受け入れられた被加工物に成形圧力を印加するように構成されている。下側ホットボックス部分108及び上側ホットボックス部分106は、被加工物を成形するように構成されている。
【0032】
下側プレスアセンブリ118と上側プレスアセンブリ116の両方を垂直軸に沿って移動可能にすることによって、被加工物に印加するための成形圧力(即ち、プレス104のトン数)を生成するために成形力を印加するプレス104の構成要素は、被加工物の作業上の配置及びプレス104からの成形される部品の取り外しと成形力の印加との両方を考慮した大きいストローク長さを有する必要はない。同様に、成形圧力を生成するために成形力を印加するプレス104の構成要素は、下側成形型部分及び上側成形型部分の取り外し及び交換をも考慮したストローク長さを有する必要はない。したがって、成形圧力を生成するために成形力を印加するプレス104の構成要素は、先行技術のプレスと比較して同じサイクル数にわたって受ける応力が小さいため、プレス104の耐用年数にわたって必要とされる保守や修理が少なくて済む。いくつかの例では、ホットボックス102は、下側プレスアセンブリが固定され、上側プレスアセンブリが移動可能である、従来のプレス、従来の熱間成形プレス、又は従来の超塑性成形プレスにおいて使用され得る。
【0033】
いくつかの例では、下側ホットボックス部分108及び上側ホットボックス部分106は、下側成形型部分及び上側成形型部分を支持するだけでなく、被加工物の動作可能な成形のために下側成形型部分及び上側成形型部分をそれぞれ加熱するために使用され得る構造である。
【0034】
図1を全体的に参照すると、下側ホットボックス部分108及び上側ホットボックス部分106は、被加工物を、少なくとも250℃、少なくとも500℃、もしくは少なくとも750℃の温度まで、又は250~1000℃の範囲内の温度まで加熱するように構成されている。
【0035】
被加工物を所望の温度まで加熱することにより、プレス104のオペレータは、被加工物の、最終的には被加工物から成形されている部品の降伏強度、硬度、及び延性を制御することができる。即ち、被加工物のための材料選択に応じて、成形プロセス中の材料のストリング硬化を回避するために、例えば材料の再結晶温度を超える温度又は温度範囲が選択され得る。更に、被加工物を加熱することにより、高強度材料は、冷間成形プロセスにおいて必要とされるよりも低い成形圧力で成形され得る。
【0036】
被加工物のために使用され得る材料の例示的で非排他的な実施例は、様々なアルミニウム及びチタン合金並びに鋼を含む(ただし、これらに限定されない)。
【0037】
図1を全体的に参照すると、成形圧力は、少なくとも50メートルトン、少なくとも100メートルトン、少なくとも300メートルトン、少なくとも500メートルトン、少なくとも700メートルトン、少なくとも1000メートルトン、又は少なくとも2000メートルトン、又は50~2250メートルトンの範囲内の成形力から生じる。成形圧力は、被加工物の材料特性及び被加工物から成形されている部品の複雑さに基づいて選択される。更に、成形圧力が高いと、被加工物から成形される部品に所望の材料特性をもたらすために必要な温度は低くなり得る。
【0038】
図1を全体的に参照すると、下側プレスアセンブリ118及び上側プレスアセンブリ116は、垂直方向に移動してローディング構成になるように構成されており、この構成では、下側プレスアセンブリ118及び上側プレスアセンブリ116はホットボックス102を受け入れるために間隔が空けられている。下側プレスアセンブリ118及び上側プレスアセンブリ116は、垂直方向に移動してクローズド構成になるように構成されており、この構成では、下側プレスアセンブリ118及び上側プレスアセンブリ116が成形圧力をホットボックス102に印加するように、したがって上側ホットボックス部分106と下側ホットボックス部分108との間の被加工物に印加するように位置決めされる。ローディング構成は、下側プレスアセンブリ118と上側プレスアセンブリ116との間にホットボックス102を動作可能に配置するために、オペレータに又は、部品ハンドリングロボットなどのプラットフォーム506のロボットアームなどのプラットフォーム部分に、十分な空間を提供する。クローズド構成では、下側プレスアセンブリ118及び上側プレスアセンブリ116が被加工物に成形圧力を印加するために位置決めされる。
【0039】
いくつかの実施例では、ローディング構成はまた、プレス104が部品を成形した後に、オペレータ又はロボットアームなどのプラットフォームアームが下側プレスアセンブリ118及び上側プレスアセンブリ116からホットボックス102を取り外すのに十分な空間を提供する。したがって、いくつかの実施例では、ローディング構成は、アンローディング構成と呼ばれることもある。上側プレスアセンブリ116は、クローズド構成で選択的にロックされるように構成されている。
【0040】
いくつかの実施例では、上側プレスアセンブリ116をクローズド構成でロックすることによって、被加工物に成形圧力を生成するために必要な成形力は、下側プレスアセンブリ118によって印加されるだけでよい。したがって、上側プレスアセンブリ116を垂直方向に移動するプレス104の構成要素は、所望の成形圧力を生成するのに必要とされ得るような大きい力を印加できる必要はなく、むしろ、少なくともローディング構成とクローズド構成との間で上側プレスアセンブリ116を移動することができるだけでよい。プレス104は、上側プレスヘッドと、少なくとも1つのロッキングロッドと、少なくとも1つのロッドクランプとを更に備えることができる。上側プレスアセンブリ116は、上側プレスヘッドに対して垂直方向に移動可能である。少なくとも1つのロッキングロッドは、上側プレスアセンブリ116に固定される。少なくとも1つのロッドクランプは、上側プレスヘッドに固定され、上側プレスヘッドに対して上側プレスアセンブリ116を固定するために少なくとも1つのロッキングロッドを選択的にクランプするように構成されている。少なくとも1つのロッキングロッドが少なくとも1つのロッドクランプによってクランプされたとき、上側プレスアセンブリ116は、上側プレスヘッドに対して固定される。したがって、下側プレスアセンブリ118が成形圧力を生成するために成形力を印加するとき、上側プレスアセンブリ116は、被加工物を変形させるために被加工物に印加される成形圧力を生成するために、本質的に、等しくかつ逆向きの成形力を印加する。
【0041】
図2は、
図1のホットボックス102の開放正面斜視
図200を示す。
図3は、プレス104から取り外された
図2の下側ホットボックス部分108の正面斜視
図300を示す。
図2及び
図3に示すように、部品ローディング/アンローディングアーム206は、部品204を保持し、部品204を下側成形型部分202の上や、下側成形型部分から離して位置決めする。
図4Aは、部品ローディング/アンローディングアーム206が部品204を保持し、部品204を
図2及び
図3の下側成形型部分202の上に、下側成形型部分から離して位置決めする分離した正面斜視
図400を示す。
図4Bは、
図4Aの一部分の詳細
図420を示す。
図5は、
図4Aの逆斜視
図500を示す。
図6は、下側成形型部分202を除いた
図5の側面斜視
図600を示す。
図7は、
図4Aの一端部の詳細
図700を示す。部品ローディング/アンローディング206は、熱曝露の長さに応じて、ステンレス鋼、即ち、ステンレス鋼304又は316などの構造で作り得る。部品204は、上側面210及び下側面208を備える。部品ローディング/アンローディングアーム206は、部品ローディング/アンローディングアーム206の各端部にグリッパ406を備える。取り外し可能なピングリッパ406は、取り外し可能な固定ピン402を把持して保持する。取り外し可能な固定ピンは、下側固定部608aと上側固定部612aとを備える。取り外し可能な固定ピン402は、下側成形型部分202などの工具上で部品204を持ち上げて位置決めするために使用される。取り外し可能な固定ピン402は、下側成形型部分202の下側ピン受け開口部606a及び下側ホットボックス部分ピン受け開口部610aなど、下側ピン受け開口部に隙間嵌めされるテーパ面604a及び604bを有する下側部分を備え、部品204の取り外し及び位置決めを行うために相互にテーパが付けられている。取り外し可能な固定ピン402はまた、取り外し可能な固定ピン402を把持することを可能にする凹状の隆起部404を備える上側部分612aと、部品204が載る棚部を備え、部品204の持ち上げを可能にし、しかも下側ピン受け開口部の上面を接続するフランジ602a及び602bとを備える。サーマルパッド408は、下側成形型部分202とエンドエフェクタから取り外し可能なピングリッパ406との間に断熱層を提供する。いくつかの実施例では、サーマルパッド408はセラミックパッドであり得る。部品ローディング/アンローディングアーム206は、部品ハンドリングロボット又は他のハンドリング装置などのプラットフォーム506を取り付けるためのアタッチポイント502を備える。アタッチポイント502は、ローダーがプラットフォームであれ、ロボットであれ、人間であれ、ローダーがロボットであろうと何であろうと遮蔽する必要性を低減又は排除するために、高温領域の外側に配置することができる。部品ローディング/アンローディングアーム206はまた、部品204の一部を保持するための部品グリッパ504を備える。
【0042】
図10は、本開示の実施例による上側ホットボックス部分106及び下側ホットボックス部分108の部分断面
図1000を示す。
図10に示すように、部品204は、下側ホットボックス部分108上に位置決めされる。
【0043】
図11は、本開示の実施例による
図1のホットボックス102の断面
図1100を示す。
図11に示すように、下側ホットボックス部分108は、下側ベースプレート114及び下側加熱プラテン1004を備える。上側ホットボックス部分106は、上側ベースプレート112及び上側加熱プラテン1010を備える。下側ホットボックス部分108及び上側ホットボックス部分106は、結合すると、空隙を塞ぐために可撓性ヒートシール110を使用する。金型1014、即ち、成形工具は、下側ホットボックス部分108と上側ホットボックス部分106との間に配置される。金型1014は、上側成形型部分1016と下側成形型部分1018とを備える。
【0044】
図10及び
図11に示すように、上側成形型部分1116は、下側成形型部分202の上方に位置決め可能であり、成形される部品204の上側面210を上側成形型部分1116に固定する取り外し可能な固定ピン402の上側部分612aを受け入れるための上側ピン受け開口部1002a、1002bを備える。上側成形型部分1116は、下側ホットボックス部分108の上方に位置決め可能な上側ホットボックス部分106内に収容され、上側ホットボックス部分106は、上側ハウジング122と、上側ハウジング122内に受け入れられ、上側成形型部分1116を支持するように構成されている上側加熱プラテン1110と、成形される部品204の上側面210を上側ハウジング122及び上側加熱プラテン1110に固定する取り外し可能な固定ピン402の上側部分612aを受け入れるための上側ホットボックス部分ピン受け開口部1004a、1004bとを備える。
【0045】
図8は、ホットボックス又は超塑性成形(SPF)プレスアセンブリ内に成形される部品を固定するための方法800を示す。方法800は、成形される部品を固定ピンを使用して部品ハンドリングロボットなどのプラットフォームに固定することを含み、ここで、プラットフォームは、802のように、エンドエフェクタと、エンドエフェクタに固定ピンが取り付けられたグリッパとを備える。方法800は、804のように、成形される部品を、固定ピンを使用してホットボックスプレスアセンブリ内のホットボックスの下側ホットボックス部分に移動させることによって継続される。方法800は、806のように、固定ピンを解放するために、グリッパを作動させて部品を解放することによって継続される。
【0046】
本開示の実施例は、
図8に示す航空機の製造及び方法800並びに
図9に示す航空機900の文脈で説明され得る。生産前の間、例示的な方法800は、航空機900の仕様及び設計並びに材料調達を含み得る。生産中に、航空機900の構成要素及び部分組立品の製造並びにシステム統合が行われ得る。その後、航空機900は、認証及び搬送を経て就航中になることができる。就航中、航空機900は、定期的な整備及び保守点検のためにスケジュールされ得る。日常的な整備及び保守点検は、航空機900の1つ又は複数のシステムの修正、再構成、改修などを含み得る。
【0047】
例示的な方法の各プロセスを、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)が実行することができる。本明細書では、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含み得るがこれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及びサプライヤを含み得るがこれらに限定されず、また、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事機関、就航業務組織などであり得る。
【0048】
図9に示すように、例示的な方法800によって製造された航空機900の部品は、複数の上位システム904及び内部906を有する機体902を含み得る。上位システム904の実施例は、推進システム908、電気システム910、油圧システム912、及び環境システム914のうちの1つ又は複数を含む。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙の例が示されているが、本明細書に開示される原理は、自動車産業など、他の産業にも適用され得る。したがって、航空機900に加えて、本明細書に開示される原理は、他のビークル、例えば、陸上用ビークル、海上用ビークル、宇宙用ビークルなどに適用され得る。
【0049】
本明細書で図示又は説明される装置及び方法は、製造及び方法800の段階のうちの任意の1つ又は複数において採用され得る。例えば、構成要素及び部分組立品の製造に対応する構成要素又は部分組立品は、航空機900の就航中に生産される構成要素及び部分組立品と同様の仕方で製作又は製造され得る。また、装置、方法、又はそれらの組合せのうちの1つ又は複数の実施例は、例えば、航空機900の組立てを実質的に促進するか、又はコストを実質的に削減することによって、生産段階において利用され得る。同様に、装置又は方法の実現、又はそれらの組合せのうちの1つもしくは複数の実施例は、限定ではなく例として、航空機900の就航中並びに/又は整備及び保守点検中に利用され得る。
【0050】
本開示の実施例は、以下の条項のうちの1つ又は複数に従って説明され得る。
【0051】
条項1:部品を成形するための成形型であって、成形型が、
成形される部品の下側面を下側成形型部分に固定する取り外し可能な固定ピンの下側部分を受け入れるための下側ピン受け開口部を備える下側成形型部分と、
成形される部品の上側面を上側成形型部分に固定する取り外し可能な固定ピンの上側部分を受け入れるための上側ピン受け開口部を備える、下側成形型部分の上方に位置決め可能な上側成形型部分と
を備える、成形型。
【0052】
条項2:下側成形型部分が下側ホットボックス部分内に収容され、下側ホットボックス部分が、下側ハウジングと、下側ハウジング内に受け入れられ、下側成形型部分を支持するように構成された下側加熱プラテンと、成形される部品の下側面を下側ハウジング及び下側加熱プラテンに固定する取り外し可能な固定ピンの下側を受け入れるための下側ホットボックス部分ピン受け開口部とを備える、条項1に記載の成形型。
【0053】
条項3:上側成形型部分が、下側ホットボックス部分の上方に位置決め可能な上側ホットボックス部分内に収容され、上側ホットボックス部分が、上側ハウジングと、上側ハウジング内に受け入れられ、上側成形型部分を支持するように構成された上側加熱プラテンと、成形される部品の上側面を上側ハウジング及び上側加熱プラテンに固定する取り外し可能な固定ピンの上側部分を受け入れるための上側ホットボックス部分ピン受け開口部とを備える、条項1又は条項2に記載の成形型。
【0054】
条項4:取り外し可能な固定ピンを更に備える、条項1~条項3のいずれか一項に記載の成形型。
【0055】
条項5:取り外し可能な固定ピンの下側部分が、部品の取り外し及び位置決め行うために、相互にテーパが付けられた下側ピン受け開口部に隙間嵌めされるテーパ面を備える、条項1~条項4のいずれか一項に記載の成形型。
【0056】
条項6:取り外し可能な固定ピンの上側部分が、部品が載る棚部を備え、部品の持ち上げを可能にし、下側ピン受け開口部の上面を接続するフランジを備える、条項1~条項5のいずれか一項に記載の成形型。
【0057】
条項7:取り外し可能な固定ピンの上側部分が、取り外し可能な固定ピンを把持することを可能にする凹状の隆起部を備える、条項1~条項6のいずれか一項に記載の成形型。
【0058】
条項8:下側成形型部分とエンドエフェクタからのグリッパとの間に断熱層を提供するサーマルパッドを更に備える、条項1~条項7のいずれか一項に記載の成形型。
【0059】
条項9:下側ホットボックス部分及び上側ホットボックス部分が、プレスアセンブリから取り外し可能である、条項1~条項8のいずれか一項に記載の成形型。
【0060】
条項10:部品を熱間成形するためのホットボックスであって、ホットボックスが、
下側ハウジングと、下側ハウジング内に受け入れられ、下側成形型部分を支持するように構成された下側加熱プラテンと、成形される部品の下側面を下側ハウジング及び下側加熱プラテンに固定する取り外し可能な固定ピンの下側部分を受け入れるための下側ピン受け開口部とを備える下側ホットボックス部分と、
下側ホットボックス部分の上方に位置決め可能な上側ホットボックス部分であって、上側ハウジングと、上側ハウジング内に受け入れられ、上側成形型部分を支持するように構成された上側加熱プラテンと、成形される部品の上側面を上側ハウジング及び上側加熱プラテンに固定する取り外し可能な固定ピンの上側部分を受け入れるための上側ピン受け開口部とを備える上側ホットボックス部分と
を備える、ホットボックス。
【0061】
条項11:取り外し可能な固定ピンを更に備える、条項10に記載のホットボックス。
【0062】
条項12:取り外し可能な固定ピンの下側部分が、部品の取り外し及び位置決めを行うために、相互にテーパが付けられた下側ピン受け開口部に隙間嵌めされるテーパ面を備える、条項10又は条項11に記載のホットボックス。
【0063】
条項13:取り外し可能な固定ピンの上側部分が、部品が載る棚部を備え、部品の持ち上げを可能にし、下側ピン受け開口部の上面を接続するフランジを備える、条項10~条項12のいずれか一項に記載のホットボックス。
【0064】
条項14:取り外し可能な固定ピンの上側部分が、取り外し可能な固定ピンを把持することを可能にする凹状の隆起部を備える、条項10~条項13のいずれか一項に記載のホットボックス。
【0065】
条項15:下側成形型部分とエンドエフェクタからのグリッパとの間に断熱層を提供するサーマルパッドを更に備える、条項10~条項14のいずれか一項に記載のホットボックス。
【0066】
条項16:下側ホットボックス部分及び上側ホットボックス部分がプレスアセンブリから取り外し可能である、条項10~条項15のいずれか一項に記載のホットボックス。
【0067】
条項17:エンドエフェクタと、
部品をホットボックスの下側ホットボックス部分に固定する固定ピンを把持するエンドエフェクタに取り付けられたグリッパであって、固定ピンが、テーパ状の下側本体部分と、下側本体部分と上側本体部分との間に配置されたフランジと、グリッパが固定ピンを保持することを可能にするフランジの上方に配置された凹状の隆起部とを備えるグリッパと
を備える、プラットフォーム。
【0068】
条項18:システムが、部品ハンドリングロボット、ユーザ制御プラットフォーム、コンピュータ制御プラットフォーム、又は部品ハンドリングフレームを備える、条項17に記載のプラットフォーム。
【0069】
条項19:部品固定ピンであって、
テーパ状の下側本体部分と、
上側本体部分と、
下側本体部分と上側本体部分との間に配置されたフランジと、
グリッパがホットボックス固定ピンを把持することを可能にする、フランジの上方に配置された凹状の隆起部と
を備える、部品固定ピン。
【0070】
条項20:ホットボックス又は超塑性成形(SPF)プレスアセンブリ内に成形される部品を固定するための方法であって、方法が、
成形される部品を、固定ピンを使用してプラットフォームに固定するステップであって、プラットフォームが、エンドエフェクタと、該エンドエフェクタに固定ピンを取り付けたグリッパとを備える、ステップと、
成形される部品を、固定ピンを使用してホットボックスプレスアセンブリ内のホットボックスの下側ホットボックス部分に移動させるステップと、
固定ピンを解放するためにグリッパを作動させることによって、部品を解放するステップと
を含む、方法。
【0071】
本明細書に開示される装置及び方法の様々な実施例には、様々な構成要素、形態、及び機能性が含まれる。本明細書に開示される装置及び方法の様々な実施例は、本明細書に開示される装置及び方法の他の例のいずれかの構成要素、形態、及び機能のいずれかを任意の組合せで含むことができ、そのような可能性は全て本開示の範囲内にあることが意図されていることを理解されたい。
【0072】
本開示が属する技術分野の当業者であれば、前述の説明及び関連する図面に提示された教示の利益を得ることにより、本明細書に説明された実施例の多くの修正を思いつくはずである。
【0073】
したがって、本開示は、図示された特定の実施例に限定されるものではなく、修正例及び他の実施例は添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。更に、前述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組合せの文脈において本開示の実施例を説明しているが、要素及び/又は機能の異なる組合せが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく代替の実装態様によって提供され得ることを理解すべきである。したがって、添付の特許請求の範囲の括弧内の参照符号は、例示の目的のためにのみ提示されており、特許請求される主題の範囲を本開示で提供される具体的な実施例に限定することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0074】
102 ホットボックス
104 プレス
106 上側ホットボックス部分
108 下側ホットボックス部分
110 可撓性ヒートシール
112 上側ベースプレート
114 下側ベースプレート
116 上側プレスアセンブリ
118 下側プレスアセンブリ
120 下側ハウジング
122 上側ハウジング
202 下側成形型部分
204 部品
206 部品ローディング/アンローディングアーム
208 部品の下側面
210 部品の上側面
402 取り外し可能な固定ピン
404 凹状の隆起部
406 グリッパ
408 サーマルパッド
502 アタッチポイント
504 部品グリッパ
506 プラットフォーム
602a フランジ
602b フランジ
604a テーパ面
604b テーパ面
606a 下側ピン受け開口部
608a 下側固定部
610a 下側ホットボックス部分ピン受け開口部
612a 上側固定部
612a 上側部分
800 (部品を固定するための)方法
900 航空機
902 機体
904 上位システム
906 内部
908 推進システム
910 電気システム
912 油圧システム
914 環境システム
1002a 上側ピン受け開口部
1002b 上側ピン受け開口部
1004a 上側ホットボックス部分ピン受け開口部
1004b 上側ホットボックス部分ピン受け開口部
1010 上側加熱プラテン
1014 金型
1016 上側成形型部分
1018 下側成形型部分
1104 下側加熱プラテン
1110 上側加熱プラテン
1114 金型
1116 上側成形型部分
1118 下側成形型部分
【外国語明細書】