(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154369
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20241023BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20241023BHJP
【FI】
G06T19/00 C
A63F13/80 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024023705
(22)【出願日】2024-02-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-10-22
(31)【優先権主張番号】P 2023065730
(32)【優先日】2023-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木内 仁紀
(72)【発明者】
【氏名】諸橋 俊大
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 隼也
(72)【発明者】
【氏名】松谷 和樹
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050CA07
5B050DA05
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA13
5B050FA05
5B050FA17
(57)【要約】
【課題】操作性と応答性に優れた仮設足場設計のためのプログラムを提供する。
【解決手段】仮設足場設計システムのコンピュータが実行するプログラムは、仮設足場を表す仮設足場オブジェクトを入力装置から入力される操作入力に応じて3次元空間上に描画し表示装置に表示させるゲームエンジンを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者による操作入力が入力される入力装置と、
情報を表示する表示装置と、
前記入力装置及び前記表示装置に接続されるコンピュータと、を備える仮設足場設計システムの前記コンピュータが実行するプログラムであって、
仮設足場を表す仮設足場オブジェクトを前記入力装置から入力される前記操作入力に応じて3次元空間上に描画し前記表示装置に表示させるゲームエンジンを含む、
プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記仮設足場を設置する現場を表す2次元または3次元の現場オブジェクトを取り込み、
前記現場オブジェクトを前記仮設足場オブジェクトとともに3次元空間上に描画する、
プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
3次元の前記現場オブジェクトを取り込み、
前記仮設足場オブジェクトと前記現場オブジェクトとの衝突判定を行い、前記仮設足場オブジェクトと前記現場オブジェクトとが衝突している場合には、作業者が衝突を把握できる態様の表示を前記表示装置に表示させる、
プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記現場オブジェクトに対する相対的な位置関係が規定される仮想オブジェクトを3次元空間上に描画し、
前記仮設足場オブジェクトと前記仮想オブジェクトとの衝突判定を行い、前記仮設足場オブジェクトと前記仮想オブジェクトとが衝突している場合には、作業者が衝突を把握できる態様の表示を前記表示装置に表示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場等における仮設足場を設計するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仮設計画図の作成に使用される支援システムであって、作図プログラムソフトがインストールされている制御装置と、制御装置と入出力される部材データを記憶する記憶装置と、制御装置に接続された表示装置と、制御装置に接続された入力装置とを有するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明は、CADソフト等の作図プログラムソフトの機能を拡張した技術である。そのため、CADソフト等の作図プログラムソフトがないと利用ができないものであるのと同時に、ソフトウェアの操作を理解する必要がある。また、特許文献1に記載の発明では、部材点数が増加すると作図プログラムソフトにおける処理負荷が大きくなり、システムの応答性が低下する。
【0005】
本発明は、操作性と応答性に優れた仮設足場設計のためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、作業者による操作入力が入力される入力装置と、情報を表示する表示装置と、入力装置及び表示装置に接続されるコンピュータと、を備える仮設足場設計システムのコンピュータが実行するプログラムであって、仮設足場を表す仮設足場オブジェクトを入力装置から入力される操作入力に応じて3次元空間上に描画し表示装置に表示させるゲームエンジンを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、操作性と応答性に優れた仮設足場設計のためのプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る設計システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態における設計画面を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態における仮設足場オブジェクトの一例を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るアプリケーションにおいて、仮設足場を長手方向に伸長する工程を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るアプリケーションにおいて、仮設足場オブジェクトの高さを揃えて配置、連結する工程を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るアプリケーションにおいて、種類の異なる仮設足場オブジェクトを配置、連結する工程を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るアプリケーションにおいて、3次元の現場オブジェクトに対して仮設足場オブジェクトを配置する工程を示す模式図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るアプリケーションにおいて、2次元の現場オブジェクトに対して仮設足場オブジェクトを配置する工程を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るアプリケーションにおいて、仮設足場オブジェクトの重複部分の削除の流れの一例を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施形態に係るアプリケーションにおいて、仮設足場オブジェクトの重複部分の削除の流れの他の例を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施形態に係るアプリケーションにおいて、仮設足場オブジェクトの接合に伴う部材の変更の例を示す模式図であり、
図10に示す接合体の接合面における切断端面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係るアプリケーションにおいて、仮設足場オブジェクトの接合に伴う部材の追加の例を示す模式図であり、
図10に示す接合体の平面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係るアプリケーションにおいて、昇降設備を配置する工程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る仮設足場設計プログラム100及び仮設足場設計システム101について説明する。
【0010】
本実施形態の仮設足場設計システム101(以下、単に「設計システム101」と称する。)は、建築現場等において設置される仮設足場を設計する足場計画を行うために用いられるシステムである。設計システム101は、3次元の仮想空間上に仮設足場等を示すオブジェクトを配置していくことで、仮設足場を設計する機能を提供する。
【0011】
設計システム101は、
図1に示すように、作業者による操作入力が入力される入力装置15と、情報を表示する表示装置16と、入力装置15及び表示装置16に接続される情報処理装置10(コンピュータ)と、を備える。
【0012】
入力装置15は、有線または無線によって情報処理装置10に電気的に接続され、作業者によって操作される一または複数の機器により構成される。入力装置15は、例えば、タッチセンサ、キーボード、マウス等により構成される。入力装置15は、作業者による操作入力に応じた入力信号を情報処理装置10に送信する。
【0013】
表示装置16は、有線または無線によって情報処理装置10に電気的に接続されるディスプレイである。表示装置16は、情報処理装置10から受信した信号に基づく表示を行う。
【0014】
情報処理装置10は、プログラム等を実行するCPU(Central Processing Unit)と、CPUにより実行されるプログラムを記憶するROM(Read-Only Memory)と、CPUの演算結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)と、GPU(Graphics Processing Unit)と、通信装置と、等を備えたコンピュータによって構成される。情報処理装置10は、CPUやGPUといったプロセッサを複数備えている。情報処理装置10は、ROMに記憶されるプログラムがRAMに読み込まれ、RAM上でCPUによって実行されることにより、本明細書に記載の情報処理装置10の各種機能を実行する。情報処理装置10は、一つのコンピュータによって構成されていてもよいし、複数のマイクロコンピュータによって構成され各制御を当該複数のコンピュータで分散処理するように構成されていてもよい。
【0015】
本実施形態では、情報処理装置10は、いわゆるパーソナルコンピュータ(PC)であり、外部の入力装置15及び表示装置16と接続される。なお、設計システム101は、入力装置15、表示装置16、及び情報処理装置10が一体に構成された、スマートフォンやタブレット端末のような携帯端末によって提供されてもよい。この場合には、設計システム101は、例えば、入力装置15及び表示装置16の両方として機能するタッチパネルを備える。
【0016】
情報処理装置10は、仮設足場設計プログラム100(以下、単に「設計プログラム100」と称する。)を記憶する記憶部11と、記憶部11に記憶される設計プログラム100を呼び出して実行する処理部12と、を備える。
【0017】
記憶部11には、設計プログラム100に加えて、本明細書に記載の設計プログラム100により実行される処理に必要な情報が記憶される。例えば、記憶部11には、後述する設計画面Wにおける3次元空間上に配置されるオブジェクトの情報として、仮設足場を構成する1単位のオブジェクトである仮設足場オブジェクト、仮設足場を設置する現場を表す現場オブジェクト、仮想的に設置される仮想オブジェクトが記憶される。各オブジェクトの情報とは、オブジェクトの形状(寸法)についての情報である。
【0018】
記憶部11には、複数種類の仮設足場オブジェクトの情報が記憶される。記憶部11に記憶される仮設足場オブジェクトの情報には、各仮設足場オブジェクトについて形状の情報とともに、仮設足場オブジェクトに使用される部材の種類及び数量についての情報が含まれる。
【0019】
現場オブジェクトは、仮設足場を設置する対象となる現場の状態(空間形状、配置機材、資材など)を表す2次元または3次元情報を含むオブジェクトである。仮設足場を設置する対象である現場とは、例えば、既設または建設予定の建築物等の情報を含む。記憶部11は、現場オブジェクトを各オブジェクトに対応するファイル形式で記憶する。
【0020】
2次元の現場オブジェクトとは、例えば、現場の平面図や立面図といった2次元図面である。2次元図面には、CADソフトによって作成された2次元図面、現場を撮像した画像、手書き等の図面をスキャンして得られた画像が含まれる。2次元の現場オブジェクトは、厚さを持たないオブジェクトである。
【0021】
3次元の現場オブジェクトとは、例えば、CADソフトや3Dモデリングソフト(CGソフト)によって作成された3次元図面(3Dモデル)や、現場を3Dスキャナで読み取って得られる点群やメッシュデータによって構成される3次元データを含む。
【0022】
設計プログラム100は、ゲームエンジンを含んで構成され、作業者に対して仮設足場を設計するためのアプリケーションとして提供される。一般に、ゲームエンジンとは、コンピュータゲームを制作するために必要なプログラムが統合(パッケージ化)されたソフトウェアである。本実施形態のゲームエンジンは、複数のプロセッサ(CPU及びGPU)による並列処理を実行可能であり、3次元空間上でオブジェクト(またはモデル)の描画(レンダリング)とオブジェクトに対する物理演算とを実行することができる。ゲームエンジンは、例えば、オーディオエンジン、ロジックエンジン、ルールエンジン、アニメーションエンジン、グラフィックエンジン、ユーザインターフェイスエンジン、物理エンジンなどを含む。また、ゲームエンジンは、ナビゲーションエンジンなどを含んでもよい。
【0023】
次に、設計プログラム100により実行される情報処理について説明する。
【0024】
設計プログラム100は、入力装置15からの入力信号を受け付け、受信した入力信号に応じて仮設足場を表す仮設足場オブジェクト20を3次元空間上に描画し表示装置16に表示させる処理を実行可能にプログラムされている。
【0025】
以下、設計プログラム100によって実行される情報処理によって実現されるアプリケーションの機能について、具体的に説明する。言い換えると、設計プログラム100は、以下の機能を設計システム101によって実現させるようにプログラムされている。
【0026】
[設計画面の表示及び基本機能]
設計プログラム100が実行されると、
図2に示すように、足場を設計するための設計画面Wが表示装置16に表示される。設計画面W上には、オブジェクトが描画される仮想の3次元空間と、入力装置15を通じて作業者によって設計画面W上で操作されるカーソルCと、作業者の操作によって選択可能な複数のボタン(アイコン)と、が表示される。3次元空間は、例えば互いに直交するX,Y,Z軸によって表現される空間である。3次元空間には、オブジェクトが配置される基準平面Pが含まれている。カーソルCによって設計画面W上の各ボタンを選択操作することで、対応する機能が実行される。
【0027】
設計プログラム100は、3次元CADソフトや3次元モデリングソフトと同様に、設計したデータを含むデータファイルの保存や読み込み、3次元空間上での視点(ビュー)の変更、操作のやり直し(REDO)や取り消し(UNDO)、オブジェクトの移動及び回転といった基本機能を備える。
【0028】
本実施形態では、設計画面W上には、基本機能等を実行するための操作ボタンBと、仮設足場オブジェクトを配置するための足場作成ボタンB1、階段等の昇降設備を配置するための昇降設備ボタンB2、設計した仮設足場に用いられる部材の数量をリストとして部材リストボタンB3と、現場オブジェクトを配置するためのモデル配置ボタンB4と、仮設足場の寸法(サイズ)を変更するサイズ変更ボタンB5と、後述の仮想オブジェクトとしての離隔パネル40を表示するための離隔ボタンB6と、仮設足場オブジェクトの寸法を表示するための寸法表示ボタンB7と、が表示される。
【0029】
[仮設足場オブジェクトの配置]
足場作成ボタンB1を選択すると、配置する仮設足場オブジェクトの候補を示すオブジェクトウィンドウW1が表示される。表示される候補のうちの一つを選択すると、対応する1単位の仮設足場オブジェクトが3次元空間上に表示される。
【0030】
以下では、
図3に示すような略立方体形状の仮設足場オブジェクト20を3次元空間上に配置して仮設足場を設計する場合を例に説明する。
【0031】
図3に示すように、仮設足場オブジェクト20は、その構成基本単位として、作業場所となる作業床21及び支柱、筋交い及び手すりなどによって構成される枠体22と、高さを調整する高さ調整部23と、を有する。作業床21は、平面視(XY平面視)で略長方形である。以下では、作業床21の長手方向を「長手方向」、短手方向を「妻側方向」、作業床21に垂直方向を「高さ方向」と称する。高さ方向は、3次元空間上のZ軸方向に沿った方向である。高さ調整部23は、長さが連続的に変化するように伸縮が可能なジャッキ24と、ジャッキ24によって支持されて仮設足場オブジェクト20全体の高さ(ジャッキ24の長さ)に応じて異なる高さのものに変更される高さ調整部材25と、を有する。
【0032】
作業者は、仮設足場オブジェクト20を、長手方向、妻側方向、及び高さ方向のそれぞれにおいて、任意の数だけ連結することで、仮設足場を設計することができる。
【0033】
オブジェクトウィンドウW1から仮設足場オブジェクト20を選択し、設計画面W上でカーソルCを移動させて任意の位置を選択することで、選択した位置に1単位の仮設足場オブジェクト20が配置される。
【0034】
図2に示すように、サイズ変更ボタンB5を押すと、1単位の仮設足場オブジェクト20の寸法を設定する設定ウィンドウW2が表示される。仮設足場オブジェクト20に設定される寸法とは、例えば、高さ、作業床高さ、長手方向の長さ、妻側方向の長さである。高さ及び長手方向の長さは、仮設足場オブジェクト20ごとに予め定められる所定範囲内において任意の値を設定できる。作業床高さは、任意の値を設定できる。妻側方向の長さは、予め設定される複数の寸法値から選択することで設定することができる。
【0035】
仮設足場オブジェクト20は、すでに3次元空間上に配置されている仮設足場オブジェクト20と面を合わせるように隣接させることで、自動的に面同士が接合するように配置済みの仮設足場オブジェクト20に連結される。
【0036】
図3に示すように、仮設足場オブジェクト20のうちの最下段となる(言い換えると、基準面上に配置される)箇所には、高さを調整する高さ調整部23(ジャッキ24及び高さ調整部材25)が設けられる。高さ調整部23は、基準平面P上に仮設足場オブジェクト20を配置しようとする際に当該仮設足場オブジェクト20に対して自動的に付加される。
【0037】
[仮設足場の伸縮]
仮設足場オブジェクト20は、立方体形状の各面を選択し、その面に垂直方向に移動させるように操作することで、所定方向に連続的に配置または削除することができる。簡潔に言えば、仮設足場オブジェクト20の各面をクリックしてその垂直方向にドラッグすることで、仮設足場オブジェクト20によって構成される仮設足場を伸縮させることができる。
【0038】
具体的に説明すると、
図4(a)に示すように、例えば、ある仮設足場オブジェクト20の長手方向に垂直な一側面を選択し、当該側面から離れるように長手方向(図中矢印方向)へ向けて仮設足場オブジェクト20の長手方向の寸法分だけ移動させる。これにより、
図5(b)に示すように、当該仮設足場オブジェクト20と同じ形状の仮設足場オブジェクト20が、長手方向に隣接して(連続して)新たに自動配置される。このようにして、仮設足場が長手方向に伸長される。
【0039】
反対に、長手方向に連続して並ぶ複数の仮設足場オブジェクト20のうちの端にある仮設足場オブジェクト20の一側面を選択し、当該仮設足場オブジェクト20に向けて長手方向に長手方向の単位寸法分だけ移動させると、端にある仮設足場オブジェクト20が自動削除される。これにより、仮設足場が長手方向に収縮される。これらの伸縮及び収縮の操作は、妻側方向においても行うことができる。
【0040】
なお、仮設足場オブジェクト20のある面を選択してドラッグしても、3次元空間上でドラッグした長さが仮設足場オブジェクト20の1単位分の寸法に満たない場合には、新たに仮設足場オブジェクト20は配置されない。つまり、本実施形態では、仮設足場オブジェクト20のある面をドラッグしても1単位の仮設足場オブジェクト20よりも小さい寸法のオブジェクトが配置されることはなく、あくまで1単位の仮設足場オブジェクト20の組み合わせによって仮設足場を設計するように構成される。
【0041】
現在配置しようとしている仮設足場オブジェクト20よりも小さい仮設足場オブジェクト20を配置する場合には、オブジェクトウィンドウW1(
図2参照)の足場候補から選択して変更すればよい。このように、配置する仮設足場オブジェクト20を自由に選択できるようにし、伸縮に当たって自動配置する仮設足場オブジェクト20は選択した仮設足場オブジェクト20に対応する寸法で固定することで、作業者が意図しない形状の仮設足場オブジェクト20が配置されることを抑制できる。したがって、仮設足場の設計が容易となる。
【0042】
また、図示は省略するが、枠体22が高さ方向に複数積層している仮設足場オブジェクト20の場合であっても、側面を選択してドラッグすることで、引き伸ばした方向に連続して複数の隣接した仮設足場オブジェクト20を一括で自動配置することができる。例えば、高さ方向に3つ並ぶ仮設足場オブジェクト20(枠体22)の長手方向における側面を長手方向に向けてドラッグすることで、高さ方向に枠体22が3段分並ぶ仮設足場オブジェクト20のそれぞれに隣接して新たな3段の仮設足場オブジェクト20を配置することができる。つまり、枠体22が複数段積層していたとしても、ひとまとまりとして所定の方向に伸縮させることができる。
【0043】
このように、仮設足場オブジェクト20の各面を選択してドラッグさせる(言い換えると、面を押し出すように移動させる)操作によって、直感的に仮設足場を任意の方向に伸縮させることができる。
【0044】
[高さ方向における仮設足場の伸縮]
仮設足場オブジェクト20を高さが高くなる方向にドラッグした場合には、まず、高さ調整部23の高さが調整される。高さ調整部23には、枠体22の単位高さ(定尺高さ)以下の範囲において、伸縮できる高さ上限値(閾値)が段階的に設定されている。仮設足場オブジェクト20を高さ方向にドラッグしていき閾値を超えると、高さ調整部23は、高さの閾値がより高い新たな高さ調整部23に変更される。これを繰り返して、ドラッグして引き伸ばした高さ調整部23の高さが枠体22の単位高さに達すると、新たな枠体22が上部に追加される。これに伴い、全体の高さの変化が連続するように、高さ調整部23は、閾値が低いものに変更される。このように、高さが連続して変更できるように、高さ調整部23が自動調整されるため任意の高さに足場を設計できる。
【0045】
仮設足場オブジェクト20の高さが低くなる方向にドラッグされた場合には、高くなる方向にドラッグされた場合と反対の挙動を示す。仮設足場オブジェクト20は、このようにして高さ方向に伸縮される。このような高さの調整も、単一の仮設足場オブジェクト20に限らず、複数の仮設足場オブジェクト20をひとまとまりとして一括で調整することができる。
【0046】
また、仮設足場オブジェクト20は、基準平面Pからの作業床21の高さ(作業床レベル)を揃えるようにして仮設足場オブジェクト20同士を接合することができる。作業床レベルを揃えた仮設足場オブジェクト20の接合方法について
図5及び
図6を参照して説明する。仮設足場オブジェクト20は側面、辺、頂点を密着させて接合ができる。仮設足場オブジェクト20については、最上面の高さを揃えて接合すれば、自ずと作業床レベルが連続してつながる仕様になっている。
【0047】
例えば、仮設足場オブジェクト20同士を接合する方法として、新たに配置する仮設足場オブジェクト20を既存のものに対して作業床レベル(高さ)を揃えて接合し(
図5(a))、その後配置した仮設足場オブジェクト20の下面を
図4(b)中矢印で示すように下方に向けてドラッグして(
図4(b))、基準平面P上に配置されるように高さを変更する(
図4(c))ことができる。また、図示は省略するが、異なる仮設足場オブジェクト20の作業床レベルを揃えてから接合させることも可能である。また、
図6(a)、(b)に示すように、異なる種類の仮設足場オブジェクト20を組み合わせて段差がある仮設足場を設計する場合には、設定ウィンドウW2を用いるなど、作業床レベルを指定して各仮設足場オブジェクト20を配置することで、作業床レベルを揃えた仮設足場とすることができる。
【0048】
[部材リストの作成]
部材リストボタンB3(
図2参照)が操作されると、3次元空間上に配置されている仮設足場オブジェクト20に基づいて、仮設足場に使用されている部材の種類及び数量が集計される。また、このようにして集計された部材の種類及び数量は、予め定められたテンプレートに基づいて注文書として所定の形式により出力することもできる。
【0049】
[寸法の表示]
仮設足場オブジェクト20が3次元空間上に配置されると、その形状の寸法が自動的に表示される。寸法の表示は、寸法表示ボタンB7(
図2参照)を操作することで、寸法の自動表示の機能をON/OFFすることができる。
【0050】
[オブジェクトの取り込み及び出力]
設計画面W上のモデル配置ボタンB4(
図2参照)を選択すると、記憶部11に記憶された現場オブジェクトのファイルを選択するファイル選択画面(図示省略)が表示され、ファイルを選択することで当該ファイルに含まれる現場オブジェクトが3次元空間上に取り込まれる。現場オブジェクトは、仮設足場オブジェクト20と同様に3次元空間上の位置を変更できる。
【0051】
例えば、
図7に示すように、3次元空間上に3次元の現場オブジェクト30が取り込まれることで、作業者は、現場オブジェクト30との相対的な位置関係を考慮して仮設足場オブジェクト20を配置することができる。
【0052】
また、
図8に示すように、現場オブジェクトとして、仮設足場を設置する対象である建物の平面
図31及び立面
図32を読み込み、両者の位置を合わせて背景とすることで、仮設足場を設計してもよい。仮設足場の高さ方向の調整については、背景にある建物の天井面等合を参照するか、任意の高さに天井面を仮に作成してこれを参照して設定できる。これにより、設計作業が容易となる。なお、
図7及び
図8では、仮設足場オブジェクト20を立方体によって簡略化して示している。
【0053】
また、設計した仮設足場は、例えば3Dデータ形式(objファイルなど)による外部への出力や、足場の部材情報などの外部への出力が可能である。これにより、従来から使用されているCADソフトやBIM(Building Information Modeling)に本実施形態の設計システム101で設計した仮設足場を取り込んで、足場計画に利用することができる。
【0054】
[衝突判定機能]
設計プログラム100は、ゲームエンジンに含まれる物理エンジン等によって物理演算することでオブジェクト同士の衝突(接触)を判定する衝突判定機能を有する。衝突判定の方法は、公知の技術を採用できるため、詳細な説明は省略する。
【0055】
設計プログラム100は、3次元空間上に新たなオブジェクトを配置したり、オブジェクトを移動したりするたびに、オブジェクト同士の衝突判定を行う。
【0056】
仮設足場オブジェクト20と現場オブジェクト30が衝突している場合には、衝突が認識できる態様の表示がされる。具体的には、
図7に示すように、配置または移動されて他のオブジェクトと衝突した操作対象の仮設足場オブジェクト20の色が変更される(
図7ではハッチングにより図示している)。これにより、作業者は、表示色の変化によって仮設足場オブジェクト20と現場オブジェクト30との衝突を認識することができ、衝突の見落としを抑制することができる。
【0057】
また、3次元空間上で仮設足場オブジェクト20を選択した状態で設計画面W上の離隔ボタンB6(
図2参照)を操作すると、
図7に示すように、選択された仮設足場オブジェクト20に対して相対的な位置関係が規定された仮想オブジェクトである離隔パネル40が設定される。離隔パネル40は、立方体形状の仮設足場オブジェクト20において下面(XY平面に平行であって相対的にZ軸方向の下方にある面)を除くそれぞれの面に対して設定される。離隔パネル40は、仮設足場オブジェクト20の下面を除くそれぞれの面に対して平行であってそれぞれの面と同じ大きさの仮想的な平面であり、仮設足場オブジェクト20のそれぞれの面から所定の距離だけ離間して設定される。離隔パネル40と仮想オブジェクトとの離間距離は、各面に対して個別かつ任意に設定できる。また、離隔パネル40は、一つの仮設足場オブジェクト20に限定されず、複数の仮設足場オブジェクト20を含む仮設足場全体に対して設定することも可能である。
【0058】
設計プログラム100は、離隔パネル40に対しても衝突判定を行う。よって、離隔パネル40を設定した仮設足場オブジェクト20を現場オブジェクト30の周囲に配置する際、離隔パネル40が現場オブジェクト30に衝突(接触)すると、衝突した離隔パネル40の色が変化する。
【0059】
一般に、仮設足場の設計においては、仮設足場と現場にある建物や設備との間には、所定の距離を保つことが求められる。よって、離隔パネル40を設定し、離隔パネル40と現場オブジェクト30との衝突を確認しながら仮設足場オブジェクト20を配置することで、現場の建物や設備等と適切な距離を保った仮設足場を設計することができる。
【0060】
また、仮設足場オブジェクト20同士が衝突した状態で配置された場合(配置された仮設足場オブジェクト20同士が重複した場合)は、互いの重複面の余剰部分が削除され、仮設足場オブジェクト20は互いに連結するために適切な形状へと変化する。
【0061】
仮設足場オブジェクト20の重複部分の削除について、
図9及び
図10を例に説明する。
図9は、一つの仮設足場オブジェクト20に対して長手方向から新たな一つの仮設足場オブジェクト20を隣接するように配置する例を示している。上述のように、一つの仮設足場オブジェクト20に隣接するように新た仮設足場オブジェクト20を配置すると、隣接する2つの足場オブジェクトにおいて対向する面が接合される(
図9(a))。この際、それぞれの仮設足場オブジェクト20の接合面における枠体22(手すり)の一部が互いに重複することになる(
図9(b)におけるハッチング部分)。本実施形態では、衝突判定機能によって、このような仮設足場オブジェクト20の一部である枠体22の重複を判定し、重複した部分(手すり部分)が存在すると当該重複部分(二つの仮設足場オブジェクト20のそれぞれの重複部分の両方)が自動的に削除される(
図9(c))。これにより、不要な部材が残置せず、隣接する仮設足場オブジェクト20の作業床21が連続する仮設足場を容易に設計することができる。
【0062】
図10は、長手方向に接合された3つの仮設足場オブジェクト20が高さ方向に二段重なった接合体を一つのユニットUとして、一つのユニットUに対して妻側方向から新たなユニットUを隣接するように配置する例を示している。このような例では、
図9に示す例と同様に、接合面における枠体22の重複が衝突判定機能によって判定され、重複した部分が自動的に削除される。この際、重複する部分のうち床面の最上面(最も上方にある作業床21の面)よりも上方にある部分(
図10(b)においてクロスハッチングで表された部分)は、
図9に示す例と同様に削除される(
図10(c)参照)。これにより、最上面は、作業床21が連続する床面として構成される。
【0063】
一方、最上面よりも下方(一段目)の構成では、手すりや支柱は重複した分(余剰部分)だけが削除される。つまり、最上面よりも下方にある重複部分(一段目における重複部分)は、二つのユニットUのうち一つのユニットU分だけが削除され、もう一つのユニットU分は削除されずに残存する。このように、一段目の手すり及び支柱は、一つのユニットU分に相当する重複部分の余剰部分だけが削除されるため、部材リストの作成における部材の計数を正確に行うことができる。
【0064】
また、
図10の例では、重複部分の削除は、仮設足場オブジェクト20を構成する部材単位で行われる。よって、最上段よりも一つ下段(
図10の例では一段目)における支柱22aが最上面から上方に突出する長さを有する場合(
図11(a)参照)には、
図11(b)に示すように、支柱22aは最上面から突出しない長さの支柱22bへと接合に伴って自動で変更される。変更される支柱22bの長さは、例えば、規格品として設定されている支柱の長さから選択される。これにより、支柱が最上面から上方に突出することなく最上面を連続する作業床21によって構成することができる。
【0065】
さらに、
図10の例では、
図12に示すように、最上面を構成する一方のユニットUの作業床21と他方のユニットUの作業床21との間には、両者の隙間を埋めるための塞ぎ板21aが接合に伴って自動で追加される。塞ぎ板21aは、作業床21間の隙間を覆うように作業床21上に配置される。これにより、仮設足場オブジェクト20(ユニットU)が接合されることに伴う枠体22の重複部分(具体的には支柱)の削除によって生じる隙間が埋められて、隙間ない最上面を構成することができる。また、塞ぎ板21aは、部材リストの作成において、リストアップ及び計数の対象とすることもできる。
【0066】
また、重複部分の削除とは反対に、仮設足場オブジェクト20を連結した際に、両者の間に補強材を自動的に追加することもできる。具体的には、2つの仮設足場オブジェクト20が対向面において衝突(接触)していると判定されると、2つの仮設足場オブジェクト20にわたって補強材を自動的に追加することも可能である。
【0067】
例えば、
図10の例では、ユニットUにおいて、妻側方向に垂直で長手方向に平行な一方の側面側(各ユニットUにおける図中手前側の側面)には筋交い22cが設けられており、残り3つの側面には手すり22dが設けられている。このような場合において二つのユニットUを接合すると、
図10(c)に示すように、それぞれのユニットUにおいて接合前には筋交い22cが設けられていない長手方向に平行な他方の側面側(各ユニットUにおける図中奥側の側面)と、接合前に筋交い22cが設けられている一方の側面に隣接して妻側方向に平行(長手方向に垂直)な側面側との構成は、手すり22d(
図10(b)参照)から筋交い22c(
図10(c)参照)へと自動的に変更される。つまり、二つのユニットUが接合されると、重複部分として削除された部分を除いて、ユニットUを構成する各仮設足場オブジェクト20の鉛直軸まわりの四方すべての側面それぞれにおいて筋交い22cが設けられるようになる。さらに換言すると、衝突判定機能によって妻側方向に仮設足場オブジェクト20が接合される(接触する)と判定されると、ユニットU単体では手すり22dが設けられていた、長手方向に平行な側面側及び妻側方向に平行な側面側の構成が、筋交い22cへと自動変更される。このように、所定の条件を満たす(又は所定の構造条件から逸脱する)ことが衝突判定機能によって判定されると、当該条件に対応する構成を自動で追加、又は、変更することができる。判定する条件と、条件を満たした場合に追加又は変更する構成とは、予め設定され情報処理装置10に記憶される。
【0068】
[昇降設備の配置]
設計画面W上で昇降設備ボタンB2(
図2参照)を選択すると、
図13に示すように、仮設足場に対して昇降設備50(階段50aや梯子状設備50bなど)を配置することができる。昇降設備ボタンB2を操作したのちに、仮設足場を構成する任意の仮設足場オブジェクト20を選択すると、上段へ向けた昇降設備50が配置される。この際、人の通過を許容するように、相対的に上段にある仮設足場オブジェクト20の作業床21の一部が、昇降設備50の大きさに応じて削除される。上段の仮設足場オブジェクト20の作業床21の削除も、衝突判定機能などによって昇降設備50と仮設足場オブジェクト20との衝突を判定することで、実行することができる。
【0069】
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
【0070】
本実施形態では、設計システム101が備える設計プログラム100にはゲームエンジンが用いられるため、ゲームのように直感的な操作によってオブジェクトを3次元空間上に配置して仮設足場を設計することができる設計システム101を構築することができる。また、ゲームエンジンは、複数の3次元モデルを同時に処理(描画、レンダリング)する性能が高いため、部材点数が増加しても応答性を確保することができる。したがって、本実施形態によれば、操作性と応答性に優れた仮設足場設計のための設計プログラム100及び設計システム101を実現することができる。
【0071】
また、本実施形態では、2次元または3次元の現場オブジェクト30,31,32が取り込まれ、仮設足場オブジェクト20とともに3次元空間上に描画される。このため、仮設足場を設置する実際の現場の情報に即して足場計画を行うことができ、足場計画を効率的に行うことができる。
【0072】
また、本実施形態では、衝突判定機能によって、仮設足場オブジェクト20と現場オブジェクト30,31,32との衝突判定が行われ、衝突している場合には仮設足場オブジェクト20の表示色が変化する。これにより、仮設足場オブジェクト20と現場オブジェクト30,31,32との干渉の見落としを抑制することができ、適切な足場計画を容易に行うことができる。
【0073】
また、本実施形態では、仮設足場オブジェクト20に対して所定の距離だけ離間した離隔パネル40(仮想オブジェクト)を3次元空間に配置できる。また、衝突判定機能によって、離隔パネル40と現場オブジェクト30,31,32の衝突判定が行われ、衝突している場合には離隔パネル40の表示色が変化する。これにより、仮設足場オブジェクト20と現場オブジェクト30,31,32との間の距離を適切に保つようにして仮設足場オブジェクト20を配置することができ、適切な足場計画を容易に行うことができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0075】
本実施形態に係る設計プログラム100は、情報処理装置10によって読み取り可能な記憶媒体によって提供されてもよいし、ネットワーク回線を通じて提供されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
100 仮設足場設計プログラム(プログラム)
101 仮設足場設計システム
10 情報処理装置(コンピュータ)
15 入力装置
16 表示装置
20 仮設足場オブジェクト
30 現場オブジェクト
31 平面図(現場オブジェクト)
32 立面図(現場オブジェクト)
40 離隔パネル(仮想オブジェクト)
.
【手続補正書】
【提出日】2024-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者による操作入力が入力される入力装置と、
情報を表示する表示装置と、
前記入力装置及び前記表示装置に接続されるコンピュータと、を備える仮設足場設計システムの前記コンピュータが実行するプログラムであって、
仮設足場を表す仮設足場オブジェクトを前記入力装置から入力される前記操作入力に応じて3次元空間上に描画し前記表示装置に表示させるゲームエンジンを含み、
前記仮設足場オブジェクトは、前記仮設足場オブジェクトの形状、前記仮設足場オブジェクトに使用される部材の種類及び数量についての情報を有し、
3次元空間上に配置されている前記仮設足場オブジェクトに基づいて、前記仮設足場に使用されている部材の種類及び数量を集計する、
プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記仮設足場オブジェクトに対する衝突を判定する衝突判定機能を含み、
2つの前記仮設足場オブジェクトが連結された場合において、互いの一部が重複した重複部分の削除、または、連結された前記仮設足場オブジェクトにわたる新たな部材の追加を実行可能に構成される、
プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記仮設足場オブジェクトにおける所定の一方向の寸法は、予め定められる複数の寸法値または所定範囲内から選択可能に構成される、
プログラム。
【請求項4】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記仮設足場を設置する現場を表す2次元または3次元の現場オブジェクトを取り込み、
前記現場オブジェクトを前記仮設足場オブジェクトとともに3次元空間上に描画する、
プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムであって、
3次元の前記現場オブジェクトを取り込み、
前記仮設足場オブジェクトと前記現場オブジェクトとの衝突判定を行い、前記仮設足場オブジェクトと前記現場オブジェクトとが衝突している場合には、作業者が衝突を把握できる態様の表示を前記表示装置に表示させる、
プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記現場オブジェクトに対する相対的な位置関係が規定される仮想オブジェクトを3次元空間上に描画し、
前記仮設足場オブジェクトと前記仮想オブジェクトとの衝突判定を行い、前記仮設足場オブジェクトと前記仮想オブジェクトとが衝突している場合には、作業者が衝突を把握できる態様の表示を前記表示装置に表示させる、
プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、作業者による操作入力が入力される入力装置と、情報を表示する表示装置と、入力装置及び表示装置に接続されるコンピュータと、を備える仮設足場設計システムのコンピュータが実行するプログラムであって、仮設足場を表す仮設足場オブジェクトを入力装置から入力される操作入力に応じて3次元空間上に描画し表示装置に表示させるゲームエンジンを含み、仮設足場オブジェクトは、仮設足場オブジェクトの形状、仮設足場オブジェクトに使用される部材の種類及び数量についての情報を有し、3次元空間上に配置されている仮設足場オブジェクトに基づいて、仮設足場に使用されている部材の種類及び数量を集計する。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者による操作入力が入力される入力装置と、
情報を表示する表示装置と、
前記入力装置及び前記表示装置に接続されるコンピュータと、を備える仮設足場設計システムの前記コンピュータが実行するプログラムであって、
仮設足場を表す仮設足場オブジェクトを前記入力装置から入力される前記操作入力に応じて3次元空間上に描画し前記表示装置に表示させるゲームエンジンを含み、
前記仮設足場オブジェクトは、前記仮設足場オブジェクトの形状、前記仮設足場オブジェクトに使用される部材の種類及び数量についての情報を有し、
3次元空間上に配置されている前記仮設足場オブジェクトに基づいて、前記仮設足場に使用されている部材の種類及び数量を集計し、
前記仮設足場オブジェクトに対する衝突を判定する衝突判定機能を含み、
2つの前記仮設足場オブジェクトが連結された場合において、互いの一部が重複した重複部分の削除、または、連結された前記仮設足場オブジェクトにわたる新たな部材の追加を実行可能に構成される、
プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記仮設足場オブジェクトにおける所定の一方向の寸法は、予め定められる複数の寸法値または所定範囲内から選択可能に構成される、
プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記仮設足場を設置する現場を表す2次元または3次元の現場オブジェクトを取り込み、
前記現場オブジェクトを前記仮設足場オブジェクトとともに3次元空間上に描画する、
プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
3次元の前記現場オブジェクトを取り込み、
前記仮設足場オブジェクトと前記現場オブジェクトとの衝突判定を行い、前記仮設足場オブジェクトと前記現場オブジェクトとが衝突している場合には、作業者が衝突を把握できる態様の表示を前記表示装置に表示させる、
プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムであって、
前記現場オブジェクトに対する相対的な位置関係が規定される仮想オブジェクトを3次元空間上に描画し、
前記仮設足場オブジェクトと前記仮想オブジェクトとの衝突判定を行い、前記仮設足場オブジェクトと前記仮想オブジェクトとが衝突している場合には、作業者が衝突を把握できる態様の表示を前記表示装置に表示させる、
プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、作業者による操作入力が入力される入力装置と、情報を表示する表示装置と、入力装置及び表示装置に接続されるコンピュータと、を備える仮設足場設計システムのコンピュータが実行するプログラムであって、仮設足場を表す仮設足場オブジェクトを入力装置から入力される操作入力に応じて3次元空間上に描画し表示装置に表示させるゲームエンジンを含み、仮設足場オブジェクトは、仮設足場オブジェクトの形状、仮設足場オブジェクトに使用される部材の種類及び数量についての情報を有し、3次元空間上に配置されている仮設足場オブジェクトに基づいて、仮設足場に使用されている部材の種類及び数量を集計し、仮設足場オブジェクトに対する衝突を判定する衝突判定機能を含み、2つの仮設足場オブジェクトが連結された場合において、互いの一部が重複した重複部分の削除、または、連結された仮設足場オブジェクトにわたる新たな部材の追加を実行可能に構成される。