IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社データインサイトの特許一覧

特開2024-154374不動産物件検索システム及びプログラム
<>
  • 特開-不動産物件検索システム及びプログラム 図1
  • 特開-不動産物件検索システム及びプログラム 図2
  • 特開-不動産物件検索システム及びプログラム 図3
  • 特開-不動産物件検索システム及びプログラム 図4
  • 特開-不動産物件検索システム及びプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154374
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】不動産物件検索システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20241023BHJP
【FI】
G06Q50/163
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038894
(22)【出願日】2024-03-13
(31)【優先権主張番号】P 2023067688
(32)【優先日】2023-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520343261
【氏名又は名称】株式会社データインサイト
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】中西 義樹
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC28
(57)【要約】
【課題】 不動産物件自体のスコアに加えてエリアのスコアを加味して不動産物件を評価して物件の検索を行うことができる不動産物件検索システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】 物件情報提供サーバ1が、物件自体をスコアリングすると共に当該物件が存在するエリアも住みやすさ、医療、教育等によりスコアリングして、物件のスコアにエリアのスコアを加味して物件を評価してユーザ端末3で物件検索を行う不動産物件検索システム及びプログラムである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末からの検索によって不動産物件情報を提供する不動産物件情報提供サーバを備える不動産物件検索システムであって、
前記不動産物件情報提供サーバは、不動産物件情報、当該不動産物件が存在するエリアの統計データ、公開情報を基に、前記エリアのスコアを求めるスコアリングを行い、前記不動産物件の物件関連のスコアを求めるスコアリングを行い、前記ユーザ端末には前記不動産物件の物件関連のスコアを提供すると共に前記エリアのスコアを提供することを特徴とする不動産物件検索システム。
【請求項2】
前記不動産物件提供サーバは、前記不動産物件の物件関連のスコアと当該不動産物件が存在するエリアのスコアとを統合して総合スコアを提供することを特徴とする請求項1記載の不動産物件検索システム。
【請求項3】
前記不動産物件提供サーバは、物件関連のスコアを、物件の建物に関する物件自体のスコアと物件の位置に関する物件位置のスコアとにより算出することを特徴とする請求項1記載の不動産物件検索システム。
【請求項4】
前記不動産物件提供サーバは、エリアのスコアを、交通の利便性、買い物の利便性、公共施設の利便性、医療施設の利便性及び教育施設の利便性の数値に基づいて算出することを特徴とする請求項1記載の不動産物件検索システム。
【請求項5】
前記不動産物件提供サーバは、ユーザ端末からエリアが指定されると前記ユーザ端末に当該エリアの地図を表示させると共に検索候補の不動産物件のアイコンを前記地図上に表示させ、前記アイコンが選択されると対応する不動産物件情報と総合スコアを表示させることを特徴とする請求項2記載の不動産物件検索システム。
【請求項6】
前記不動産物件提供サーバは、生成AIシステムを利用して不動産物件情報のWebサイトを生成させ、ユーザ端末に前記生成された不動産物件情報を提供することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の不動産物件検索システム。
【請求項7】
前記不動産物件提供サーバは、生成AIシステムを利用してユーザ端末に対話型で不動産物件情報を案内することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の不動産物件検索システム。
【請求項8】
ユーザ端末からの検索によって不動産物件情報を提供する不動産物件情報提供サーバで動作する処理プログラムであって、
前記不動産物件情報提供サーバを、不動産物件情報、当該不動産物件が存在するエリアの統計データ、公開情報を基に、前記エリアのスコアを求めるスコアリングを行い、前記不動産物件の物件関連のスコアを求めるスコアリングを行い、前記ユーザ端末には前記不動産物件の物件関連のスコアを提供すると共に前記エリアのスコアを提供するよう機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記不動産物件提供サーバを、前記不動産物件の物件関連のスコアと当該不動産物件が存在するエリアのスコアとを統合して総合スコアを提供するよう機能させることを特徴とする請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記不動産物件提供サーバを、物件関連のスコアを、物件の建物に関する物件自体のスコアと物件の位置に関する物件位置のスコアとにより算出するよう機能させることを特徴とする請求項8記載のプログラム。
【請求項11】
前記不動産物件提供サーバを、エリアのスコアを、交通の利便性、買い物の利便性、公共施設の利便性、医療施設の利便性及び教育施設の利便性の数値に基づいて算出するよう機能させることを特徴とする請求項8記載のプログラム。
【請求項12】
前記不動産物件提供サーバを、ユーザ端末からエリアが指定されると前記ユーザ端末に当該エリアの地図を表示させると共に検索候補の不動産物件のアイコンを前記地図上に表示させ、前記アイコンが選択されると対応する不動産物件情報と総合スコアを表示させるよう機能させることを特徴とする請求項9記載のプログラム。
【請求項13】
前記不動産物件提供サーバを、生成AIシステムを利用して不動産物件情報のWebサイトを生成させ、ユーザ端末に前記生成された不動産物件情報を提供するよう機能させることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか記載のプログラム。
【請求項14】
前記不動産物件提供サーバを、生成AIシステムを利用してユーザ端末に対話型で不動産物件情報を案内するよう機能させることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産物件を検索するシステムに係り、特に、物件自体のスコアにエリアのスコアを加えて物件を評価して検索できる不動産物件検索システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の不動産物件検索システムは、売買対象の物件自体のスコアを表示して購入希望のユーザが物件を検索できるものがあった。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術文献として、特開2002-024248号公報「オンライン不動産検索システム」(特許文献1)、特開2005-316765号公報「不動産物件検索システム、校区内物件提示装置及び周辺環境提示装置」(特許文献2)、特開2006-221303号公報「土地分譲支援システム」(特許文献3)、特開2017-117248号公報「不動産取引支援システム」(特許文献4)、特開2020-170210号公報「不動産情報検索装置、不動産情報検索方法及びプログラム」(特許文献5)がある。
【0004】
特許文献1には、表示された地図情報を用いて不動産を検索するオンラインシステムで、検索条件として学区を指定できることが記載されている。
特許文献2には、地図上に校区のラインを引いて、その校区内で不動産を検索できることが記載されている。
【0005】
特許文献3には、会員に希望する土地をマッチングする土地分譲支援システムで、会員の希望学区に対して合致する土地情報を提供することが記載されている。
特許文献4には、不動産取引を支援するシステムで、学区地図を表示させて不動産物件を検索できることが記載されている。
【0006】
特許文献5には、不動産を検索するために、表示させた地図上に、小学校区、中学校区を表示させることができ、更にエリアについて統計データを表示できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-024248号公報
【特許文献2】特開2005-316765号公報
【特許文献3】特開2006-221303号公報
【特許文献4】特開2017-117248号公報
【特許文献5】特開2020-170210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の不動産物件検索システムでは、物件自体の評価スコアを表示するものの、教育や外食等によりエリアをスコアリングして、物件のスコアとエリアのスコアの両方を総合的に評価して物件を検索するものとはなっていないという問題点があった。
【0009】
尚、特許文献1~5には、不動産物件自体のスコアを算出すると共に、当該物件が存在するエリアのスコアを算出し、両方のスコアを参考にして不動産物件を評価して物件の検索を行う構成の記載がない。
【0010】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、不動産物件自体のスコアに加えてエリアのスコアを加味して不動産物件を評価して物件の検索を行うことができる不動産物件検索システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、ユーザ端末からの検索によって不動産物件情報を提供する不動産物件情報提供サーバを備える不動産物件検索システムであって、不動産物件情報提供サーバが、不動産物件情報、当該不動産物件が存在するエリアの統計データ、公開情報を基に、エリアのスコアを求めるスコアリングを行い、不動産物件の物件関連のスコアを求めるスコアリングを行い、ユーザ端末には不動産物件の物件関連のスコアを提供すると共にエリアのスコアを提供することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記不動産物件検索システムにおいて、不動産物件提供サーバが、不動産物件の物件関連のスコアと当該不動産物件が存在するエリアのスコアとを統合して総合スコアを提供することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記不動産物件検索システムにおいて、不動産物件提供サーバが、物件関連のスコアを、物件の建物に関する物件自体のスコアと物件の位置に関する物件位置のスコアとにより算出することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記不動産物件検索システムにおいて、不動産物件提供サーバが、エリアのスコアを、交通の利便性、買い物の利便性、公共施設の利便性、医療施設の利便性及び教育施設の利便性の数値に基づいて算出することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記不動産物件検索システムにおいて、不動産物件提供サーバが、ユーザ端末からエリアが指定されるとユーザ端末に当該エリアの地図を表示させると共に検索候補の不動産物件のアイコンを地図上に表示させ、アイコンが選択されると対応する不動産物件情報と総合スコアを表示させることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記不動産物件検索システムにおいて、不動産物件提供サーバが、生成AIシステムを利用して不動産物件情報のWebサイトを生成させ、ユーザ端末に生成された不動産物件情報を提供することを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記不動産物件検索システムにおいて、不動産物件提供サーバが、生成AIシステムを利用してユーザ端末に対話型で不動産物件情報を案内することを特徴とする。
【0018】
本発明は、ユーザ端末からの検索によって不動産物件情報を提供する不動産物件情報提供サーバで動作する処理プログラムであって、不動産物件情報提供サーバを、不動産物件情報、当該不動産物件が存在するエリアの統計データ、公開情報を基に、エリアのスコアを求めるスコアリングを行い、不動産物件の物件関連のスコアを求めるスコアリングを行い、ユーザ端末には不動産物件の物件関連のスコアを提供すると共にエリアのスコアを提供するよう機能させることを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記プログラムにおいて、不動産物件提供サーバを、不動産物件の物件関連のスコアと当該不動産物件が存在するエリアのスコアとを統合して総合スコアを提供するよう機能させることを特徴とする。
【0020】
本発明は、上記プログラムにおいて、不動産物件提供サーバを、物件関連のスコアを、物件の建物に関する物件自体のスコアと物件の位置に関する物件位置のスコアとにより算出するよう機能させることを特徴とする。
【0021】
本発明は、上記プログラムにおいて、不動産物件提供サーバを、エリアのスコアを、交通の利便性、買い物の利便性、公共施設の利便性、医療施設の利便性及び教育施設の利便性の数値に基づいて算出するよう機能させることを特徴とする。
【0022】
本発明は、上記プログラムにおいて、不動産物件提供サーバを、ユーザ端末からエリアが指定されるとユーザ端末に当該エリアの地図を表示させると共に検索候補の不動産物件のアイコンを地図上に表示させ、アイコンが選択されると対応する不動産物件情報と総合スコアを表示させるよう機能させることを特徴とする。
【0023】
本発明は、上記プログラムにおいて、不動産物件提供サーバを、生成AIシステムを利用して不動産物件情報のWebサイトを生成させ、ユーザ端末に生成された不動産物件情報を提供するよう機能させることを特徴とする。
【0024】
本発明は、上記プログラムにおいて、不動産物件提供サーバを、生成AIシステムを利用してユーザ端末に対話型で不動産物件情報を案内するよう機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、不動産物件情報提供サーバが、不動産物件情報、当該不動産物件が存在するエリアの統計データ、公開情報を基に、エリアのスコアを求めるスコアリングを行い、不動産物件の物件関連のスコアを求めるスコアリングを行い、ユーザ端末には不動産物件の物件関連のスコアを提供すると共にエリアのスコアを提供する不動産物件検索システム及びプログラムとしているので、物件自体のスコアとエリアのスコアとを総合的に判断して物件を選択できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本システムの概略構成図である。
図2】本システムにおける処理概略フロー図である。
図3】物件情報提供処理の概要を示すフロー図である。
図4】エリアの地図上での物件表示の例を示す概略図である。
図5】具体的な物件情報表示の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る不動産物件検索システム(本システム)は、不動産物件自体をスコアリングすると共に当該物件が存在するエリアを住みやすさ、医療、教育等によりスコアリングして、物件のスコアにエリアのスコアを加味して物件を評価して物件検索を行うようにしているので、物件自体のスコアとエリアのスコアとを総合的に判断して物件を選択できるものである。
【0028】
[本システム]
本システムについて図1を参照しながら説明する。図1は、本システムの概略構成図である。
本システムは、図1に示すように、不動産物件情報を提供する不動産物件情報提供サーバ(物件情報提供サーバ)1と、不動産物件情報を登録する不動産関係者端末2と、不動産物件を検索するユーザ端末3と、対話型の生成AI(Artificial Intelligence:人工知能)システム4と、ネットワーク5とを有している。
【0029】
物件情報提供サーバ1、不動産関係者端末2、ユーザ端末3及び生成AIシステム4は、ネットワーク5を介して接続している。
尚、不動産関係者端末2とユーザ端末3は、実際には複数ネットワーク5に接続するものである。
【0030】
次に、本システムの各部について説明する。
[物件情報提供サーバ1]
物件情報提供サーバ1は、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13とを備えるコンピュータ等の情報処理装置であり、記憶部12に記憶された処理プログラムを制御部11で実行されることで、以下に説明する処理を実現している。インタフェース部13は、物件情報提供サーバ1をネットワーク5に接続する。
【0031】
物件情報提供サーバ1は、不動産関係者端末2から不動産物件情報を入力して記憶部12に記憶し、ユーザ端末3に検索対象の物件情報を提供する。
また、物件情報提供サーバ1は、ユーザ端末3に検索する物件のスコアを提供すると共に検索するエリアのスコアも提供する。物件のスコアとエリアのスコアについては後述する。
【0032】
また、物件情報提供サーバ1は、不動産関係者端末2等から入力された不動産物件情報を、Webサイトを自動生成する生成AIシステム4で生成させ、自動生成された不動産物件情報をユーザ端末3に提供するようにしている。
更に、物件情報提供サーバ1は、上記スコア算出の元になる情報及び物件情報を生成AIシステム4に読み込ませ、対話型の生成AIシステム4を学習させて、ユーザ端末3と対話させながらユーザ端末3に目的の不動産物件を案内するものである。
【0033】
[不動産関係者端末2]
不動産関係者端末2は、不動産の関係者が使用するパーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット等の端末であり、不動産物件情報の入力(登録)を行う。
尚、物件情報提供サーバ1は、ユーザと不動産業者との間で、直接に売買を行う場合には、不動産関係者端末2とユーザ端末3とを接続して売買を行うためのチャット画面を提供する。当該チャット画面には、不動産仲介業者、施工等の専門業者の端末も参加できるようになっている。
【0034】
[ユーザ端末3]
ユーザ端末3は、不動産物件を探すユーザが使用するパーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット等の端末であり、物件情報提供サーバ1にアスセスして、物件情報を表示し、物件のスコアとエリアのスコアを表示する。
【0035】
[生成AIシステム4]
生成AIシステム4は、不動産物件情報のWebサイト(メディア)を自動生成するAIネットワークシステムでもあり、不動産関係者端末2等から入力された不動産物件情報に基づいてサイトを自動生成し、ユーザ端末3に自動生成した不動産物件情報を提供するものである。
【0036】
また、生成AIシステム4は、対話型のAIネットワークシステムであり、ユーザ端末3から入力されたチャット文を、物件情報提供サーバ1を経由して入力し、チャット文に対応した回答を、物件情報提供サーバ1を経由してユーザ端末3に出力する。
【0037】
[ネットワーク5]
ネットワーク5は、インターネットを想定している。
【0038】
[本システムでの処理:図2,3]
次に、本システムでの処理について図2,3を参照しながら説明する。図2は、本システムにおける処理の概略を示すフロー図であり、図3は、物件情報提供処理の概要を示すフロー図である。
本システムにおける処理としては、以下に説明する情報取得処理、物件のスコアリング処理、エリアのスコアリング処理、物件情報提供処理等がある。
【0039】
[情報取得処理]
物件情報提供サーバ1は、図2に示すように、公的機関が発表している統計データ等を取得し(S1)、不動産関係者端末2から入力された不動産物件情報を取得して記憶し(S2)、Webで公開されている公共機関(市役所、区役所、行政サービスの機関、司法サービスの機関等)、教育機関(学校、保育園等)、医療施設、店舗(スーパーマーケット、コンビニ、レストラン等)等のデータを取得して記憶する(S3)。尚、物件情報提供サーバ1は、不動産物件情報を不動産関係者端末2以外のソースから取得してもよい。
【0040】
また、物件情報提供サーバ1は、物件を検索するユーザからの口コミ情報をユーザ端末3から取得して記憶しておく(S4)。
口コミ情報には、ユーザと不動産業者との取引に関する情報、エリアにおける施設等の評価情報、例えばマンション等の物件内部の情報が含まれる。これらの口コミ情報が、物件のスコア、エリアのスコアに反映されるよう集計される。
尚、処理S1~S4は、順番は任意であり、いずれの処理を先に実行してもよい。
【0041】
[物件のスコアリング処理]
物件情報提供サーバ1は、図2に示すように、取得した物件情報から物件毎にマンションのブランド、築年数、耐震構造等の項目を数値化してスコアリングする(S5)。これは、物件自体のスコアになるものであり、物件自体のスコアに加えて、物件の位置(座標)に基づく駅及び施設等からの距離、時間(例えば、徒歩10分等)の物件位置のスコアも算出してスコアリングする(S6)。
【0042】
つまり、物件自体のスコアと物件位置のスコアを総合して物件関連スコアとして、検索対象の物件から参照することができる。具体的には各種の項目毎の数値を重み付けして合計した数値を物件自体スコア、物件位置スコアとして記憶し、更にそれらのスコアを総合した関連スコアを記憶している(S7)。
【0043】
[エリアのスコアリング処理]
物件情報提供サーバ1は、統計データ、Web公開情報、ユーザの口コミ情報を基にエリアについて住みやすさ、医療、教育等の項目についてエリアのスコアをスコアリングする(S8)。
住みやすさは、交通の利便性、買い物の利便性、文化・芸術の利便性、運動の利便性、その他生活の利便性(公園、図書館、郵便局、レストラン等の有無及び数)、防災(ハザードマップ等から得られる情報)等により数値を求め、重み付けしてスコアを算出している。
【0044】
医療は、医療機関の病院の数と種類等でスコアを算出している。
教育は、教育機関としての学校、保育園、幼稚園、塾、習い事等についてブランド力、数等により数値を求め、重み付けを行ってスコアを算出している。
更に、物件情報提供サーバ1は、エリア自体のブランド力、地価等を基に資産の観点でエリアをスコアリングしてもよい。
【0045】
そして、物件情報提供サーバ1は、上記の住みやすさ等の項目で算出したスコアを合計してエリア自体のスコアを算出して記憶する。
エリア自体のスコア算出では、ユーザ端末3からの要望に応じて重視する項目について重き付けを変更してユーザ視点でのエリアのスコアを算出するようにしてもよい。
【0046】
[物件情報提供処理]
物件情報提供サーバ1は、図2に示すように、ユーザ端末3からのアクセスにより、検索するエリアにおける物件について物件情報を提供する(S9)。この物件情報の提供の際に、物件のスコアに加えてエリアのスコアも提供して、ユーザには検索対象の物件について物件関連のスコアとエリアのスコアとで評価して選択することができる。
【0047】
[物件情報提供の具体的処理:図3
物件情報提供の具体的な処理について、図3に示すように、物件情報提供サーバ1は、ユーザ端末3から物件検索のエリアが指定されると(S11)、当該エリアの地図を表示し、当該地図上に検索対象の物件のアイコンを表示して、アイコンを選択すると物件の詳細情報が表示されるよう地図検索可能とする(S12)。
【0048】
その地図検索可能画面(地図検索画面)では、条件による絞り込みが可能となっており(S13)、条件として、学校・学区から絞り込み検索、家族の生活情報から絞り込み検索、エリア分析/スコアリングから絞り込み検索を選択できるようになっている。
【0049】
学校・学区から絞り込み検索が選択されると(S14)、ユーザ端末3から指定された学校等のエリアを「学校等エリア検索画面」として表示し、当該エリア内で物件検索が可能となる(S15)。この場合に、学校・学区の情報が表示される。
【0050】
家族の生活情報から絞り込み検索が選択されると(S16)、ユーザ端末3から親の職場、子供の学校、塾等の位置情報が入力され、それら位置情報に応じた家族に利便性が高いエリアを「家族エリア検索画面」として表示し、当該エリア内で物件検索が可能となる(S17)。
【0051】
エリア分析/スコアリングから絞り込み検索が選択されると(S18)、ユーザ端末3から指定されたエリア又は周辺エリアについて、エリア分析及びエリアスコアリングを参考にしたエリアを「分析エリア検索画面」として表示し、当該エリア内で物件検索が可能となる(S19)。この場合に、生活利便性、居住者特性、治安、ハザードマップ等の暮らし情報が表示され、更にエリアのスコアも表示される。
そして、物件の検索が為されて(S20)、処理を終了する。
【0052】
更に、物件情報提供サーバ1は、ユーザが希望の物件を検索しやすくするために、対話型の生成AIシステム4を利用して対話形式で適正な物件を提案する。
尚、物件情報提供サーバ1は、生成AIシステム4での回答の精度を向上させるために、物件のスコアリング、エリアのスコアリングに用いたデータを定期的に生成AIシステム4に学習させるようにしている。
【0053】
また、物件情報提供サーバ1は、不動産物件情報をユーザ端末3に容易に提供するために、Webサイトのメディアを自動生成する生成AIシステム4を利用して、不動産関係者端末2等から入力された不動産物件情報を基にWebサイト用の物件情報を自動生成し、ユーザ端末3に提供するようになっている。
【0054】
尚、本システムは、物件をマンション等の集合住宅に限定したものではなく、戸建て住宅に適用してもよい。その場合、物件自体のスコアを算出する際に、建物の情報に加えて、土地の広さや形状等の土地に関する情報も反映させて算出する。
【0055】
また、物件情報提供サーバ1は、物件のスコアリング処理で説明した物件のスコア又は物件関連のスコアと当該物件が存在するエリアのスコアをユーザ端末3に提供するだけでなく、物件のスコアとエリアのスコアとを統合し、総合スコアとして提供するようにしてもよい。総合スコアがユーザ端末3に提供されれば、ユーザは、総合スコア、物件のスコア、エリアのスコアを参照してユーザの希望に応じた不動産物件を容易に検索できるものである。
【0056】
[エリアの地図上での物件表示:図4
次に、指定されたエリアの地図上における物件表示について図4を参照しながら説明する。図4は、エリアの地図上での物件表示の例を示す概略図である。
図4に示すように、物件情報提供サーバ1は、ユーザ端末3からの不動産物件を探すエリアが指定されると、当該エリアの地図をユーザ端末3の表示部に表示し、所在位置(座標位置)に応じて当該地図上に物件のアイコンを表示する。当該アイコンに家賃の金額を表示してもよい。
また、物件のアイコンを選択すると、物件名と住所が小ウインドウで表示される。
図4では、2次元(2D)の地図を表示しているが、3次元(3D)の地図を表示してもよい。
【0057】
[具体的な物件表示:図5
次に、図4の地図上の物件のアイコンにおける家賃金額を選択して、具体的な物件の情報を表示する例について図5を参照しながら説明する。図5は、具体的な物件情報表示の例を示す概略図である。
物件情報提供サーバ1は、ユーザ端末3から地図上の物件のアイコンの家賃金額が選択されると、図5に示すように、具体的な物件情報を地図の上に重ねてユーザ端末3の表示部に表示する。
【0058】
物件情報は、左側に物件の間取り図と写真(建物の外部と内部)、右側に物件名、住所、物件詳細・連絡先のリンクが表示され、更に、基本情報、スコア、交通利便性、生活利便性、居住者特性、街の発展度のタブが表示されて、それらタブを選択して各事項を表示させるようになっている。尚、図5では、スコアが選択されて、後述するスコアが表示された例を示している。
【0059】
[基本情報]
基本情報は、家賃、間取り、管理費、敷金、礼金、所在階、築年数、建物種別、部屋の特徴、最寄り駅、所在地、更に小さい地図と物件アイコンと座標情報が表示される。
【0060】
[スコア]
スコアは、総合スコア、住みよさスコア、医療スコア、教育スコア、資産性スコア、マンションスコアについて、それぞれのスパイダーチャートが表示される。
【0061】
[総合スコア]
そして、総合スコアでは、住みよさスコア、医療スコア、教育スコア、資産性スコア、マンションスコアの数値がスパイダーチャートで表示され、それら数値の平均値が総合スコアの数値である。
ここで、請求項において、マンションスコアが物件関連のスコアに相当し、総合スコアを除くその他のスコアがエリアのスコアに相当し、総合スコアが総合スコアに相当している。
【0062】
[住みよさスコア]
住みよさスコアでは、交通利便性、生活利便性(買い物)、生活利便性(その他)、文化芸術、健康の数値がスパイダーチャートで表示され、それら数値の平均値が住みよさスコアの数値である。
生活利便性(買い物)の数値は、当該エリア内のコンビニエンスストア、スーパー、クリーニング、商業施設等の数、更に当該物件からそれら店舗までの距離等に基づいて算出される。
【0063】
生活利便性(その他)の数値は、郵便局、公園、図書館、子連れ可能なレストラン等の数、更に当該物件からそれら施設までの距離等に基づいて算出される。
文化芸術の数値は、神社、寺社・仏閣、博物館、美術館等の数、更に当該物件からそれら施設までの距離等に基づいて算出される。
健康の数値は、民間のスポーツジム、公共の体育館、市民プール、ゴルフ場等の数、更に当該物件からそれら施設までの距離等に基づいて算出される。
【0064】
[医療スコア]
医療スコアでは、産婦人科、小児科、耳鼻科、内科、眼科、歯科、その他の専門科、大病院の数値がスパイダーチャートで表示され、それら数値の平均値が医療スコアの数値である。
医療スコアにおける各項目の数値は、各病院の数、更に当該物件からそれら病院までの距離等に基づいて算出される。
【0065】
[教育スコア]
教育スコアでは、保育園・幼稚園充実度、学校充実度、塾充実度、習い事充実度、教育熱心度の数値がスパイダーチャートで表示され、それら数値の平均値が教育スコアの数値である。
教育スコアにおける保育園・幼稚園充実度、学校充実度、塾充実度、習い事充実度は、その施設の種類と数によって算出される。
また、教育熱心度の数値は、子ども一人当たりの教育費、近隣中学・高校の偏差値等に基づいて算出される。
【0066】
[資産性スコア]
資産性スコアでは、地域ブランド、価格上昇率、将来人口推計、交通利便性、マンションブランドの数値がスパイダーチャートで表示され、それら数値の平均値が資産性スコアの数値である。
地域ブランドの数値は、地価ポテンシャルから算出し、地価上昇率は、過去5年の地価上昇率に基づいて算出し、マンションブランドの数値は、マンションブランドの周知度、信頼度から算出する。
【0067】
[マンションスコア]
マンションスコアでは、ブランド、築年数、耐震性、将来性の数値がスパイダーチャートで表示され、それら数値の平均値がマンションスコアの数値である。
ブランドの数値は、地域ブランドとマンションブランドの数値を基に算出され、将来性の数値は、後述する街の発展度に基づいて算出される。
【0068】
[交通利便性]
交通利便性は、最寄り駅情報として、駅名、乗降客数/日、駅からの距離が表示され、駅名では路線名も、乗降客数/日では、1日の乗降客数、調査対象の駅の中で乗降客数の多い順での順位、駅からの距離では、距離と徒歩の時間を表示する。
尚、最寄り駅情報だけでなく、バス停までの距離、新幹線駅までの距離、空港までの距離も表示してもよい。
【0069】
[生活利便性]
生活利便性は、小さい地図が表示され、その地図上にコンビニエンスストア、スーパー、クリーニング、商業施設、保育園等、児童館等がアイコンで表示され、当該アイコンを選択すると、店舗等の詳細情報が表示される。
【0070】
[居住者特性]
居住者特性は、この街の特徴として、エリアをクラスタ分析したクラスタ情報が表示され、更に統計情報から年代構成比、世帯内訳、住んでいる人の数、働いている人・学生の数が表示され、住んでいる人の年代別の男女の比率が棒グラフで表示される。
【0071】
また、住居者特性では、統計情報から推定平均年収について、物件周辺、東京都、全国と比較可能に棒グラフで表示され、物件周辺のエリアの平均年収が都内平均より何%高い低いとのコメントも表示する。ここでは、東京都(都内)について記載したが、東京都内の物件でない場合には、そのエリアの県庁所在地が対象になる。
【0072】
[街の発展度]
街の発展度は、土地の相場と将来人口(推計)、再開発情報が表示され、土地の相場では、平均地価が過去から現在まで折れ線グラフで表示され、将来人口(推計)では、15歳未満、15-64歳、65-74歳等の年代別の5年毎の将来の人口の予想推移と構成比率が表示され、再開発情報では、物件周辺のエリアの小さい再開発マップと市街地の再開発に関する情報が表示される。
【0073】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、物件情報提供サーバ1が、物件自体をスコアリングすると共に当該物件が存在するエリアも住みやすさ、医療、教育等によりスコアリングして、物件のスコアにエリアのスコアを加味して物件を評価してユーザ端末3で物件検索を行うようにしているので、ユーザは物件自体のスコアとエリアのスコアとを総合的に判断して物件を選択できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、不動産物件自体のスコアに加えてエリアのスコアを加味して不動産物件を評価して物件の検索を行うことができる不動産物件検索システム及びプログラムに好適である。
【符号の説明】
【0075】
1…不動産物件情報提供サーバ(物件情報提供サーバ)、 2…不動産関係者端末、 3…ユーザ端末、 4…対話型の生成AIシステム、 5…ネットワーク、 11…制御部、 12…記憶部、 13…インタフェース部
図1
図2
図3
図4
図5