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特開2024-154392FFC/FPCコネクタのための自己ロック式コネクタカバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154392
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】FFC/FPCコネクタのための自己ロック式コネクタカバー
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/82 20110101AFI20241023BHJP
【FI】
H01R12/82
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024065383
(22)【出願日】2024-04-15
(31)【優先権主張番号】102023000007560
(32)【優先日】2023-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】519223712
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ イタリア ディストリビューション エッセ エッルレ エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラウディア チェッザ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン エルンスト グラザー
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AB28
5E223AC23
5E223BA04
5E223BA08
5E223CA15
5E223CC15
5E223CD02
5E223EC22
5E223EC29
5E223EC32
5E223EC45
(57)【要約】      (修正有)
【課題】FFC/FPCがコネクタに溶接されるのに適正な位置となる前の偶発的な早過ぎる閉鎖を回避する。
【解決手段】FFC/FPCコネクタ100のためのコネクタカバー200は、少なくとも1つの電気端子アレイを備え、少なくとも1つのFFC/FPCが挿入方向(X)に沿ってカバーコネクタ100に挿入可能である事前ロック定位置から、少なくとも1つのFFC/FPCがコネクタ100内に留止され、よってコネクタ100の少なくとも1つの電気端子アレイに溶接可能であるロック定位置へと、摺動方向Zに沿って摺動可能である。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気端子アレイ(101)を備えるFFC/FPCコネクタ(100)のためのコネクタカバー(200)であって、
前記カバー(200)は、少なくとも1つのFFC/FPC(300)が挿入方向(X)に沿って前記FFC/FPCコネクタ(100)に挿入可能である事前ロック定位置(PLP)から、前記少なくとも1つのFFC/FPC(300)が前記コネクタ(100)内に留止されるロック定位置(LP)へと、摺動方向(Z)に沿って摺動可能であることを特徴とする、
コネクタカバー(200)。
【請求項2】
前記コネクタカバー(200)は、本体(201)と、前記本体(201)から突出するカバーピン(202)とを備え、前記カバーピン(202)は、前記摺動方向(Z)に沿って延びる、
請求項1に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項3】
前記カバーピン(202)は、前記コネクタカバー(200)を前記事前ロック定位置(PLP)または前記ロック定位置(LP)に固定するために、前記コネクタ(100)に係合するのに適した突出フック(203)を備える、
請求項2に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項4】
前記カバーピン(202)は、係合位置から非係合位置へと弾性的に移動可能である、
請求項2または3に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項5】
前記本体(201)は、前記カバーピン(202)を係合位置から非係合位置へと移動させるために前記カバーピン(202)に到達するための貫通孔(204)を備える、
請求項2から4のいずれか一項に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項6】
前記本体(201)は、溶接孔(205)をさらに備え、前記溶接孔(205)を通して、前記少なくとも1つのFFC/FPC(300)を前記FFC/FPCコネクタ(100)の前記少なくとも1つの電気端子アレイ(101)に溶接することが可能である、
請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項7】
前記本体(201)は、前記コネクタカバー(200)が前記ロック定位置(LP)にあるときに、前記FFC/FPCが前記コネクタ(100)の前記少なくとも1つの電気端子アレイ(101)に溶接可能であるように前記FFC/FPCを留止するために、前記摺動方向(Z)に延びるステープルアーム(206)をさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項8】
少なくとも1つの電気端子アレイ(101)を備えるFFC/FPCコネクタ(100)と、
請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクタカバー(200)とを備えるコネクタデバイス(1000)。
【請求項9】
前記FFC/FPCコネクタ(100)は、前記コネクタカバー(200)の前記カバーピン(202)を受け入れるのに適した案内孔(102)を備える、請求項2に従属する場合の請求項8に記載のコネクタデバイス(1000)。
【請求項10】
前記案内孔(102)は、
- 前記コネクタカバー(200)が前記事前ロック定位置(PLP)にあるときに前記カバーピン(202)の前記突出フック(203)が係合することが可能な事前ロック凹部(103)と、
- 前記コネクタカバー(200)が前記ロック定位置(PL)にあるときに前記カバーピン(202)の前記突出フック(203)が係合することが可能なロック凹部(104)とをさらに備える、
請求項9に記載のコネクタデバイス(1000)。
【請求項11】
前記FFC/FPCコネクタ(100)は、2列コネクタであり、前記コネクタデバイス(1000)は、請求項1から7のいずれか一項に記載の第2のコネクタカバー(200)を備える、
請求項8から10のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(1000)。
【請求項12】
2つの前記コネクタカバー(200)は、同一のものである、
請求項11に記載のコネクタデバイス(1000)。
【請求項13】
請求項8から12のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(1000)と、前記FFC/FPCコネクタ(100)の前記少なくとも1つの電気端子アレイ(101)に溶接されている少なくとも1つのFFC/FPC(300)とを備えるコネクタアセンブリ(2000)。
【請求項14】
請求項8から12のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(1000)と、前記事前ロック定位置(PLP)から前記ロック定位置(LP)への摺動方向(Z)に沿った前記カバー(200)の摺動を可能とするのに適したロック器具(400)とを備えるコネクタキット(3000)。
【請求項15】
前記ロック器具(400)は、ロック器具本体(401)およびロック器具ピン(402)を備え、
前記ロック器具ピン(402)は、前記係合位置から前記非係合位置への前記カバーピン(202)の弾性移動を可能とするように構成されている、
請求項14に記載のコネクタキット(3000)。
【請求項16】
前記ロックピン(402)は、前記カバー(200)の前記突出フック(203)が前記コネクタ(100)の前記事前ロック凹部(103)から前記コネクタ(100)の前記ロック凹部(104)へと摺動することを可能とするように構成されている、
請求項15に記載のコネクタキット(3000)。
【請求項17】
前記ロック器具(400)は、前記コネクタカバー(200)を摺動方向(Z)に沿って前記ロック定位置(LP)へと摺動させるために前記コネクタカバー(200)を押し込むのに適した押圧器具(400)をさらに備える、
請求項14から16のいずれか一項に記載のコネクタキット(3000)。
【請求項18】
請求項8から11のいずれか一項に記載のコネクタデバイス(1000)を、前記コネクタカバー(200)が前記事前ロック定位置(PLP)に固定されている状態で提供するステップと、
FFC/FPC(300)が前記コネクタ(100)の前記電気端子(101)に溶接されるのに適正な電気的接触位置にあるように、FFC/FPC(300)を前記コネクタ(100)に挿入するステップと、
前記コネクタ(100)の前記電気端子(101)に溶接されるのに適正な電気的接触位置に前記FFC/FPC(300)を留止するために、前記カバー(200)を前記事前ロック定位置(PLP)から前記ロック定位置(LP)へと摺動させるステップと
を含む、
コネクタアセンブリ(2000)を形成するための方法。
【請求項19】
前記カバーを前記事前ロック定位置(PLP)から前記ロック定位置(LP)へと摺動させることは、ロック器具(400)を用いて行われる、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ロック器具(400)は、前記コネクタカバー(200)のカバーピン(202)を係合位置から非係合位置へと弾性的に移動させるために用いられる、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタの技術分野に関する。特に、本発明は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)またはフレキシブルプリント基板(FPC)を受け入れるのに適した電気コネクタのためのコネクタカバーに関連する。
【背景技術】
【0002】
FFC/FPCを受け入れるのに適した電気コネクタは、例えば車両用バッテリまたは類似のデバイスにおいて、一般的に用いられている。
【0003】
これらの電気コネクタは、カバーを備え、このカバーは、コネクタへのFFC/FPCの挿入を可能とするために開位置に留まるが、コネクタへのFFC/FPCの溶接のための所定位置にFFC/FPCを固定するためにロック位置に動かすことも可能である。加えて、この種類のコネクタについての傾向は、小さいスペースにも収まるように、数mm程度の、より良好には5~10mm程度の小さい寸法を有することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種類のカバーに関連する課題の1つは、輸送作業中に、また組立てプロセス中に操作されている間に、カバーが開位置に留まることを確実にし、FFC/FPCがコネクタに溶接されるのに適正な位置となる前の偶発的な早過ぎる閉鎖を回避することである。さらなる課題は、偶発的な早過ぎる閉鎖を回避すると同時に、コネクタを非常に小さいスペースで使用する必要がある場合であっても、カバーをロック位置に閉じる可能性を確保することである。
【0005】
このタイプのコネクタに関連する従来技術においては、可動カバーが採用される場合が多い。可動カバーは、コネクタへのFFC/FPCの溶接の前に、またコネクタへのFFC/FPCの挿入を可能とするために、自由な開位置にあり、溶接手順の前に閉位置へと旋回させることが可能である。これらのカバーの課題は、その偶発的な早過ぎる閉鎖が回避不可能なことである。
【0006】
一部の例では、カバーは、コネクタへのFFC/FPCの溶接の前に、またコネクタへのFFC/FPCの挿入を可能とするために、事前ロック定位置(fixed pre-lock position)にあり、溶接手順の前にロック位置へと旋回させることが可能である。これらのカバーの課題は、カバーを事前ロック位置からロック位置へと旋回させるために、コネクタに対して横方向に操作する必要があり、したがって小さいスペースでのその使用が保証されないことである。
【0007】
従来技術に係るロック位置に旋回可能なカバーを有するコネクタを示す文献としては、欧州特許出願公開第0926778A2号および米国特許出願公開第2002/0081883A1号がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも1つの電気端子アレイを備えるFFC/FPCコネクタのためのコネクタカバーに関し、カバーは、少なくとも1つのFFC/FPCが挿入方向に沿ってカバーコネクタに挿入可能である事前ロック定位置から、少なくとも1つのFFC/FPCがコネクタ内に留止(block)され、よってコネクタの少なくとも1つの電気端子アレイに溶接可能であるロック定位置(fixed lock-position)へと、摺動方向に沿って摺動可能である。
【0009】
これにより、小さいスペースに取り付ける必要がある非常に小型のコネクタについても、コネクタデバイスの偶発的な早過ぎる閉鎖を効率的に回避することができる。加えて、コネクタデバイスに構成要素を追加することなく、コネクタデバイスの偶発的な早過ぎる閉鎖の可能性が回避され、これにより、その寸法を増大させない可能性を確保する。最後に、カバーが事前ロック位置からロック位置へと摺動可能であるため、小さいスペースにおけるコネクタの使用を容易に保証することもできる。
【0010】
好適な実施形態によれば、カバーは、本体と、本体から突出するカバーピンとを備え、カバーピンは、摺動方向に沿って延びる。カバーピンは、カバーを事前ロック位置およびロック位置に係合させるように有利に構成されてよい。
【0011】
さらなる好適な実施形態によれば、カバーピンは、コネクタカバーを事前ロック位置またはロック位置に固定するために、コネクタに係合するのに適した突出フックを備える。特に、フックは、コネクタカバーを事前ロック位置またはロック位置に択一的に固定するように構成されてよい。
【0012】
さらなる好適な実施形態によれば、カバーピンは、係合位置(engaged position)から非係合位置(unengaged position)へと弾性的に移動可能である。これは、ピンの移動がその弾性を利用することにより自動的に制御されるので、特に有利である。特に、弾性力は、カバーピンを係合位置に保つ傾向を有してよい。ユーザは、ピンを係合解除するためにピンに作用を及ぼし、それにより弾性力に逆らって作用を及ぼす場合がある。ユーザの作用が停止されると、ピンは、弾性力の作用により自動的に係合位置へと戻ることができる。
【0013】
さらなる好適な実施形態によれば、本体は、カバーピンを係合位置から非係合位置へと移動させるためにカバーピンに到達するための貫通孔を備える。これにより、システムの寸法をさらに低減することが可能となる。特に、ピンは本体に設けられる貫通孔を介して到達可能であるため、側面からシステムにアクセスする必要がなく、それにより、システムの横方向の障害を低減することができる。
【0014】
さらなる好適な実施形態によれば、本体は、溶接孔をさらに備え、溶接孔を通して、少なくとも1つのFFC/FPCをFFC/FPCコネクタの少なくとも1つの電気端子アレイに溶接することが可能である。これにより、溶接作業を行うために横方向のアクセスが必要でなくなるため、システムのサイズを最適化することが可能となる。
【0015】
さらなる好適な実施形態によれば、本体は、コネクタカバーがロック位置にあるときに、FFC/FPCがコネクタの少なくとも1つの電気端子アレイに溶接可能であるようにFFC/FPCを留止するために、摺動方向に延びるステープルアームをさらに備える。これにより、FFC/FPCが溶接作業中に所定位置に安定的に保持される。
【0016】
本発明はさらに、少なくとも1つの電気端子アレイを備えるFFC/FPCコネクタと、上述の実施形態のいずれかに係るコネクタカバーとを備えるコネクタデバイスに関する。コネクタデバイスのカバーは、事前ロック定位置からロック定位置へと摺動方向に沿って摺動可能であるため、デバイスの障害を低減することができる。
【0017】
好適な実施形態によれば、コネクタは、コネクタカバーのカバーピンを受け入れるのに好適な案内孔を備える。案内孔は、事前ロック位置からロック位置への、またその逆へのカバーの摺動中に、カバーピンを受け入れて案内するように構成されてよい。
【0018】
さらなる好適な実施形態によれば、案内孔は、コネクタカバーが事前ロック定位置にあるときにカバーピンの突出フックが係合することが可能な事前ロック凹部と、コネクタカバーがロック定位置にあるときにカバーピンの突出フックが係合することが可能なロック凹部とをさらに備える。
【0019】
本発明の特に有利な実施形態によれば、FFC/FPCコネクタは、2列コネクタであり、コネクタデバイスは、したがって上述の実施形態のいずれかに係る第2のコネクタカバーを備える。特に、コネクタデバイスは、したがって本発明に係る2つのカバーを備える。2つのカバーは、同一の方向に沿ってまたは平行な方向に沿って摺動可能であることが有利である。ただし、2つのカバーを事前ロック位置からロック位置へと、またその逆に動かすために、2つのカバーを反対方向に沿って摺動させることが必要な場合がある。
【0020】
特に有利な実施形態によれば、2列コネクタの2つのカバーは、同一のものである。同一のカバーを有することは、実際に、経済的に有利である。カバーピンの位置およびそれらの突出フックは、この目的で設計されてよい。ただし、これは必須ではなく、2つのカバーが異なるものであってもよい。
【0021】
本発明はさらに、上述の実施形態のいずれかに係るコネクタデバイスと、FFC/FPCコネクタの少なくとも1つの電気端子アレイに溶接されている少なくとも1つのFFC/FPCとを備えるコネクタアセンブリに関する。本発明に係るコネクタアセンブリは、車両用バッテリ等に有利に組み込まれてよい。
【0022】
本発明はさらに、上述の実施形態のいずれかに係るコネクタデバイスと、事前ロック定位置からロック定位置への摺動方向に沿ったカバーの摺動を可能とするのに適したロック器具(locking tool)とを備えるコネクタキットに関する。ロック器具は、カバーを事前ロック定位置からロック定位置へと、また好ましくはその逆にも動かすように、カバーと共に動作するように構成されることが有利である。
【0023】
さらなる好適な実施形態によれば、ロック器具は、ロック器具本体およびロック器具ピンを備え、ロック器具ピンは、係合位置から非係合位置へのおよび/またはその逆へのカバーピンの弾性移動を可能とするように構成される。例えば、ロックピンは、カバーの突出フックがコネクタの事前ロック凹部からコネクタのロック凹部へとおよび/またはその逆に摺動することを可能とするように構成されてよい。
【0024】
ロック器具は、コネクタカバーを摺動方向に沿ってロック定位置へと摺動させるためにコネクタカバーを押し込むように構成される押圧器具をさらに備える。押圧器具はまた、FFC/FPCが対応する電気端子アレイに溶接されるときに、コネクタカバーをコネクタに押し付けることで、無間隙状態を有する。
【0025】
本発明はさらに、上述の実施形態のいずれかに係るコネクタデバイスを、コネクタカバーが事前ロック位置に固定されている状態で提供するステップと、FFC/FPCがコネクタの電気端子に溶接されるのに適正な電気的接触位置にあるように、FFC/FPCをコネクタに挿入するステップと、コネクタの電気端子に溶接されるのに適正な電気的接触位置にFFC/FPCを留止するために、カバーを事前ロック位置からロック位置へと摺動させるステップとを含む、コネクタアセンブリを形成するための方法に関する。方法は、FFC/FPCを溶接するステップをさらに含んでよい。
【0026】
添付の図面を参照して、本発明を説明する。図面において、同じ参照番号および/または符号は、装置の同じ部分および/または類似のおよび/または対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】2つのコネクタカバーが事前ロック位置に固定されている2列FFC/FPCコネクタ(double row FFC/FPC connector)を備える、本発明の一実施形態に係るコネクタデバイスの立体表示を模式的に示す図である。
図1B図1Aに示すコネクタデバイスと、2列FFC/FPCコネクタに挿入されたFFC/FPCとを備えるコネクタアセンブリの立体表示を模式的に示す図である。
図1C】対応するコネクタカバーがロック位置に固定されている、図1Bに示すコネクタアセンブリを模式的に示す図である。
図1D】2つのFFC/FPCが2列FFC/FPCコネクタに挿入され、2つのコネクタカバーがロック位置に固定されている、図1Cに示すコネクタアセンブリを模式的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るコネクタカバーの立体表示を模式的に示す図である。
図3A】本発明の一実施形態に係るコネクタデバイスの側面図を模式的に示す図である。
図3B図3Aの拡大詳細図である。
図3C図3Aに示すコネクタデバイスの上面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るコネクタキットの立体表示を模式的に示す図である。
図5図5A図5Cは、本発明の一実施形態に係る、図4に示すコネクタキットの拡大詳細を模式的に示す図である。より詳細には、図5A図5Cは、コネクタカバーを事前ロック定位置からロック定位置へと摺動させるステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面に示す特定の実施形態に関連して、本発明を説明する。しかしながら、本発明は、以下の詳細な説明に記載し図面に示す特定の実施形態に限定されず、記載の実施形態は、単に本発明のいくつかの態様を例示するものであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により画定される。
【0029】
本発明のさらなる修正例および変形例が、当業者には明らかとなるであろう。したがって、本説明は、本発明のあらゆる修正および/または変形を含むものとみなされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により画定される。
【0030】
簡略化するために、同一のまたは対応する構成要素は、図面において同じ参照番号で示す。
【0031】
図1Aは、2つのコネクタカバー200が事前ロック位置PLPに固定されている2列FFC/FPCコネクタ100を備える、本発明の一実施形態に係るコネクタデバイス1000の立体図を示す。
【0032】
本発明に係るFFC/FPCコネクタ100は、少なくとも1つのFFC/FPC300を受け入れるのに適しており、したがって、FFC/FPCコネクタ100を対応するFFC/FPC300と電気的に接触させるのに適した少なくとも1つの電気端子アレイ101を備える。電気端子アレイ101は、導電性材料、例えば金属材料から作製される。FFC/FPC300は、例えば銅および/またはアルミニウムから作製される導体トレイル(conductors trail)を備えることが好ましい。FFC/FPCコネクタ100は、少なくとも挿入口106を備え、挿入口106を通して、FFC/FPC300をFFC/FPCコネクタ100に挿入することができる。
【0033】
本発明に係る、FFC/FPCコネクタ100に適用されるカバー200は、事前ロック定位置PLPからロック定位置LPへと摺動方向Zに沿って(図1Aでは垂直方向に)摺動可能である。カバーの事前ロック定位置において、FFC/FPC300を挿入方向Xに沿ってFFC/FPCコネクタ100に挿入することができる。加えて、カバーがこの事前ロック位置に保たれる場合、FFC/FPC300をコネクタから取り外すこともできる。カバーのロック定位置LPにおいて、FFC/FPC300は、コネクタ内に留止され、したがってFFC/FPCコネクタ100の電気端子アレイ101に溶接することができる。
【0034】
したがって、添付の図面を参照すると、Yが摺動方向Zおよび挿入方向Xの両方に垂直な方向として定義され、コネクタ平面方向と称される。これにより、デカルト基準系XYZが定義され、これが以下で本発明をさらに説明するために適宜用いられる。
【0035】
FFC/FPCコネクタ100は、摺動方向Zに平行な案内孔102、事前ロック凹部103およびロック凹部104を備える。これらの用途は、図2に示すコネクタカバー200をより詳細に説明する際により十分に説明する。
【0036】
FFC/FPCコネクタ100は、電気端子アレイ101における端子の数に応じて、例えば22mm程度の、コネクタ平面方向Yに沿った長さを有する。好適な実施形態によれば、端子の数は、例えば10であってよい。FFC/FPCコネクタ100は、例えば14.5mm程度の、挿入方向Xに沿った長さを有する。FFC/FPCコネクタ100は、例えば6.7mm程度の、摺動方向Zに沿った長さを有する。
【0037】
図1Aに示すFFC/FPCコネクタ100は、いわゆる2列FFC/FPCコネクタ100である。2列FFC/FPCコネクタ100は、実際に2つのFFC/FPCコネクタからなり、それらは、2列FFC/FPCコネクタ100の上側コネクタ半部(connector half)107および下側コネクタ半部108と称される。上側コネクタ半部107および下側コネクタ半部108は、単一のハウジングにおいてユニット化され、2つのFFC/FPCコネクタの一方が挿入方向Xの周りに180°回転されるように摺動方向Zに沿って重なる。2列コネクタ100の2つのFFC/FPCコネクタ半部の各々が、1つのFFC/FPC300を受け入れるのに適している。
2つのFFC/FPCコネクタ半部は、2つのFFC/FPCをXY平面に平行に挿入することができるように重なる。2列FFC/FPCコネクタ100は、実際に、2列コネクタ100を形成し、その各々が2列FFC/FPCコネクタ100を対応するFFC/FPC300と電気的に接触させるのに適したFFC/FPCコネクタ半部ごとに1つずつ、2つの挿入口106および2つの電気端子アレイ101を備える。各FFC/FPCコネクタ半部は、摺動方向Zに平行な案内孔102を備え、事前ロック凹部103およびロック凹部104をさらに備える。これらの用途は、図2に示すコネクタカバー200をより詳細に説明する際により十分に説明する。
【0038】
2つのコネクタカバー200は、2つのFFC/FPC300がそれぞれ挿入方向Xに沿ってFFC/FPCコネクタ100に挿入可能である事前ロック定位置PLPから、2つのFFC/FPC300がコネクタ内に留止され、よって2列FFC/FPCコネクタ100を形成する各コネクタ半部の対応する電気端子アレイ101に溶接可能であるロック定位置LPへと、摺動方向Zに沿って摺動可能である。2つのコネクタカバー200は、図1Aにおいて、両方が事前ロック定位置PLPにあるものとして示されている。
【0039】
図1Bは、図1Aに示すコネクタデバイス1000と、2列FFC/FPCコネクタ100に挿入されたFFC/FPCとを備えるコネクタアセンブリ2000の立体図を示す。
【0040】
より詳細には、図1Bは、FFC/FPC300がXY平面に平行に2列FFC/FPCコネクタ100の上側コネクタ半部107の挿入口106に挿入され、両方のコネクタカバー200が事前ロック定位置PLPにある、2列FFC/FPCコネクタ100を示す。
【0041】
図1Cは、対応するコネクタカバー200がロック位置LPに固定されている、図1Bに示すコネクタアセンブリ2000を示す。この構成において、FFC/FPC300はコネクタ内で留止され、取り外すことができない。
【0042】
より詳細には、図1Cは、FFC/FPC300が上側コネクタ半部107の挿入口106に挿入され、対応するコネクタカバー200がロック定位置LPにある、2列FFC/FPCコネクタ100を示す。他方のコネクタカバー200は、事前ロック定位置PLPにある。
【0043】
図1Dは、2つのFFC/FPC300が2列FFC/FPCコネクタ100に挿入され、2つのコネクタカバー200がロック位置LPに固定されている、図1Cに示すコネクタアセンブリ2000を示す。
【0044】
より詳細には、図1Dは、2つのFFC/FPC300がそれぞれ上側コネクタ半部107および下側コネクタ半部108の両方の挿入口106に挿入され、両方の対応するコネクタカバー200がロック定位置LPにある、2列FFC/FPCコネクタ100を示す。
【0045】
図2は、本発明に係るコネクタカバー200の立体図を示す。コネクタカバー200は、事前ロック定位置PLPからロック定位置LPへと摺動方向Zに沿って(図2では垂直方向に)摺動可能である。カバーの事前ロック位置PLPにおいて、少なくとも1つのFFC/FPC300を、挿入方向Xに沿って挿入口106を通してFFC/FPCコネクタ100に挿入することができる。カバーのロック位置LPにおいて、FFC/FPC300は、コネクタ内で留止され、コネクタ100の電気端子アレイ101に溶接することができる。
【0046】
コネクタカバー200は、本体201と、本体201から突出するカバーピン202とを備える。カバーピン202は、摺動方向Zに沿って延びる。本体201は、XY平面に平行に延びる。加えて、カバーピン202は、コネクタカバー200を事前ロック位置PLPまたはロック位置LPに固定するために、コネクタ100に係合するのに適した突出フック203を備える。より詳細には、カバーピン202は、摺動方向Zに平行にFFC/FPCコネクタ100の案内孔102に挿入することができ、係合位置から非係合位置へと弾性的に移動可能である。より具体的には、突出フック203は、カバーピン202が係合位置にあるときに、FFC/FPCコネクタ100の事前ロック凹部103またはロック凹部104に適切に係合するようなプロファイルを有する。
これは、カバーピン202がどのように案内孔102の内部で摺動し、突出フック203がどのように事前ロック凹部103またはロック凹部104に係合可能であるかを詳細に示す図5A図5Cにおいて、より良好に視認可能である。
【0047】
コネクタカバー200の本体201は、例えば図4において模式的に示すロック器具400を用いて、突出フック203を事前ロック凹部103への係合位置から非係合位置へと移動させ、摺動方向Zに沿って摺動させ、最終的にロック凹部104への係合位置に再び係合させるために、カバーピン202に到達するための貫通孔204をさらに備える。
【0048】
本体201は、溶接孔205をさらに備え、溶接孔205を通して、FFC/FPCコネクタ100の挿入口106に適切に挿入されたFFC/FPC300をFFC/FPCコネクタ100の電気端子アレイ101に溶接することができる。
【0049】
本体201は、摺動方向Zに沿って延び、コネクタカバー200がロック位置LPにあるときにFFC/FPC300がコネクタ100の電気端子アレイ101に溶接可能であるようにFFC/FPC300を所定位置に留止するのに適したステープルアーム206をさらに備える。
【0050】
図3Aは、本発明の一実施形態に係るコネクタデバイス1000の側面図を示す。
【0051】
より詳細には、図3Aは、FFC/FPC300をFFC/FPCコネクタ100に挿入することが可能なコネクタ100の挿入口106を示すために、挿入方向Xに沿って、すなわちYZ平面に平行に見たコネクタデバイス1000を示す。電気端子アレイ101も視認可能である。
【0052】
コネクタカバー200は、カバー本体201およびカバーピン202を備える。カバーピン202は、FFC/FPCコネクタ100の案内孔102の内部に挿入される。
【0053】
各カバーピン202は、コネクタ平面方向Yに沿って、FFC/FPCコネクタ100に当接する突出フック203で終端する。FFC/FPCコネクタ200の案内孔102は、突出フック203が内部に係合可能な事前ロック凹部103を備える。突出フック203が事前ロック凹部103の内部に挿入されると、カバー200は事前ロック定位置PLPとなり、そこから偶発的に移動することが不可能であり、コネクタデバイスの偶発的なかつ/または早過ぎる閉鎖の可能性がなくなる。実際に、コネクタカバー200は、図5A図5Cについて述べながら説明するように、特定のロック器具400を用いてのみロック定位置LPへと摺動することができる。したがって、ロック器具400が用いられない場合、コネクタカバー200は、FFC/FPC300がFFC/FPCコネクタ100に溶接されるのに適正な位置となる前に、例えば輸送作業中に、かつ/または組立てプロセス中に操作されている間に、事前ロック位置に固定されたままとなる。
【0054】
図3Bは、図3Aの拡大詳細図を示す。
【0055】
図3Bは、突出フック203が事前ロック凹部103に係合している、案内孔102に挿入されたカバーピン202を示す。したがって、コネクタカバー200は、事前ロック位置PLPに固定される。
【0056】
図3Cは、図3Aに示すコネクタデバイス1000の上面図を示す。
【0057】
この図3Cは、上方からのコネクタデバイス1000を示す。特に、コネクタカバー200のカバー本体201、貫通孔204および溶接孔205が視認可能である。
【0058】
図4は、本発明の一実施形態に係るコネクタキット3000の立体図を示す。
【0059】
より詳細には、図4は、ロック器具400が適用されている、図1に示すコネクタアセンブリ2000を示す。ロック器具400は、図5A図5Cについて述べながらより十分に説明するように、事前ロック定位置PLPからロック定位置LPへの摺動方向Zに沿ったカバー200の摺動を可能するのに適している。図4に示すように、ロック器具400は、ロック器具本体401およびロック器具ピン402を備える。ロック器具ピン402は、図5A図5Cを参照してより十分に説明するように、カバーピン202に到達し、カバーピン202の係合位置から非係合位置への弾性移動を確実にするために、コネクタカバー200の貫通孔204に挿入されるのに適している。
ロック器具400は、コネクタカバー200を摺動方向Zに沿って例えば事前ロック定位置PLPからロック定位置LPへと摺動させるために、コネクタカバー200を押し込むのに適した押圧器具403をさらに備える。押圧器具403は、コネクタカバー200の貫通孔204に対応して、ロック器具ピン402の挿入のための孔を備える。
【0060】
図5A図5Cは、本発明の一実施形態に係る、図4に示すコネクタキット3000の拡大詳細図を示す。
【0061】
より詳細には、図5A図5Cは、コネクタカバー200を事前ロック定位置PLPからロック定位置LPへと摺動させるステップを示す。
【0062】
図5Aは、コネクタカバー200の貫通孔204を通して最初に挿入されたロック器具400を示す。特に、ロック器具400のロック器具ピン402は、カバーの貫通孔204に部分的に挿入される。器具本体401は、押圧器具403と接触する。器具本体401および押圧器具403の両方は、カバー本体201と接触しない。カバーピン202は、案内孔102に挿入され、事前ロック定位置PLPにあり、すなわち係合位置にある。これは、突出フック203がFFC/FPCコネクタ100の事前ロック凹部103に係合するためである。カバーピン202がそのような位置にある場合、コネクタカバー200は事前ロック位置PLPに固定される。
【0063】
図5Bは、コネクタカバー200の貫通孔204にさらに挿入されたロック器具400を示す。ロック器具400は、FFC/FPCコネクタ100の案内孔102の内部に押し込まれており、それにより、器具本体401および押圧器具403は、このときカバー本体201と接触する。ロック器具ピン402の垂直方向の移動により、カバーピン202が事前ロック定位置PLPから弾性的に解放されるように動かされており、それにより非係合位置にある。突出フック203は、実際に、FFC/FPCコネクタ100の事前ロック凹部103にはもう係合していない。カバーピン202がロック器具400のロックピン402によりそのような位置に動かされると、コネクタカバー200は、押圧器具403により押されて、摺動方向Zに沿って自由に摺動する。
【0064】
最後に、図5Cは、コネクタカバー200の貫通孔204から引き抜かれたロック器具本体401およびロック位置LPに位置するコネクタカバー200を示す。器具本体401は、もう押圧器具403と接触していない。押圧器具403は、依然としてカバー本体201と接触し、カバー本体201を摺動方向に沿って押し込んでおり、それにより、カバーピン202が案内孔102により深く挿入され、突出フック203はこのとき、ロック凹部104と同じ高さにある。ロック器具400はもうカバーピン202を非係合位置に動かしていないので、カバーピン202は、ロック定位置LPに弾性的に戻り、すなわち係合位置にある。これは、突出フック203がFFC/FPCコネクタ100のロック凹部104に係合するためである。
カバーピン202がそのような位置にある場合、コネクタカバー200はロック位置PLPに固定される。押圧器具403は、コネクタカバー200の溶接孔205に対応して、電気端子アレイ101へのFFC/FPCの溶接を可能とするための孔をさらに備える。したがって、電気端子アレイ101へのFFC/FPCの溶接は、この位置において行われてよい。溶接作業の後、押圧器具403も、コネクタアセンブリ2000から離れるように移動されてよい。
【0065】
以下、本発明に係るコネクタアセンブリ2000を形成するための方法を開示する。方法は、本発明に係るコネクタグループ1000(コネクタデバイス1000)を、カバー200が事前ロック位置PLPに固定されている状態で提供するステップと、FFC/FPC300がコネクタ100の電気端子アレイ101に溶接されるのに適正な電気的接触位置にあるように、FFC/FPC300をコネクタ100に挿入するステップと、コネクタ100の電気端子アレイ101に溶接されるのに適正な電気的接触位置にFFC/FPC300を留止するために、カバー200を事前ロック位置PLPからロック位置LPへと摺動させるステップとを含む。
【0066】
方法は、ロック器具400を用いて、カバーピン202を係合位置から非係合位置へと弾性的に移動させるステップをさらに含む。
【0067】
最後に、方法はロック器具400を用いて、事前ロック位置PLPからロック位置LPへのカバーピン202の突出フック203の摺動を可能とするステップをさらに含む。
【0068】
本発明を上述の実施形態に関連して説明したが、本発明の保護範囲から逸脱しない限りにおいて、上記および添付の特許請求の範囲に記載の教示に照らして本発明の様々な修正を行うことが可能であることは、当業者には明らかである。
【0069】
例えば、2列FFC/FPCコネクタが詳細に示されている場合であっても、本発明は、2列コネクタに限定されず、単列コネクタ、すなわち本発明に係る単一のカバーを有するコネクタも含む。加えて、2列コネクタの2つのカバーが同一のものとして示されている場合であっても、本発明は、それに限定されず、2つの異なるカバー、例えば本発明の異なる実施形態に係る2つのカバー、または本発明の一実施形態に係るカバーおよび本発明に係るものではないカバーを有する2列コネクタの構成も含む。
【0070】
加えて、電気端子アレイの端子の数、およびその結果としてFFC/FPCコネクタの寸法は、必要に応じて変動してよく、上述の例に限定されない。
【0071】
最後に、本発明の説明を不必要に過度に不明瞭にすることを回避するために、当業者に既知であると考えられる態様は説明されていない。
【0072】
結果として、本発明は、上述の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の保護範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0073】
100 FFC/FPCコネクタ
101 電気端子アレイ
102 案内孔
103 事前ロック凹部
104 ロック凹部
105 コネクタ本体
106 挿入口
107 2列FFC/FPCコネクタの上側コネクタ半部
108 2列FFC/FPCコネクタの下側コネクタ半部
200 コネクタカバー
201 カバー本体
202 カバーピン
203 突出フック
204 貫通孔
205 溶接孔
206 ステープルアーム
300 FFC/FPC
400 ロック器具
401 ロック器具本体
402 ロック器具ピン
403 押圧器具
1000 コネクタデバイス
2000 コネクタアセンブリ
3000 コネクタキット
PLP 事前ロック位置(事前ロック定位置)
LP ロック位置(ロック定位置)
X 挿入方向
Y コネクタ平面方向
Z 摺動方向
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気端子アレイ(101)を備えるFFC/FPCコネクタ(100)のためのコネクタカバー(200)であって、
前記コネクタカバー(200)は、少なくとも1つのFFC/FPC(300)が挿入方向(X)に沿って前記FFC/FPCコネクタ(100)に挿入可能である事前ロック定位置(PLP)から、前記少なくとも1つのFFC/FPC(300)が前記FFC/FPCコネクタ(100)内に留止されるロック定位置(LP)へと、摺動方向(Z)に沿って摺動可能であることを特徴とする、
コネクタカバー(200)。
【請求項2】
前記コネクタカバー(200)は、本体(201)と、前記本体(201)から突出するカバーピン(202)とを備え、前記カバーピン(202)は、前記摺動方向(Z)に沿って延びる、
請求項1に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項3】
前記カバーピン(202)は、前記コネクタカバー(200)を前記事前ロック定位置(PLP)または前記ロック定位置(LP)に固定するために、前記FFC/FPCコネクタ(100)に係合するのに適した突出フック(203)を備える、
請求項2に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項4】
前記カバーピン(202)は、係合位置から非係合位置へと弾性的に移動可能である、
請求項2または3に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項5】
前記本体(201)は、前記カバーピン(202)を係合位置から非係合位置へと移動させるために前記カバーピン(202)に到達するための貫通孔(204)を備える、
請求項2または3に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項6】
前記本体(201)は、溶接孔(205)をさらに備え、前記溶接孔(205)を通して、前記少なくとも1つのFFC/FPC(300)を前記FFC/FPCコネクタ(100)の前記少なくとも1つの電気端子アレイ(101)に溶接することが可能である、
請求項に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項7】
前記本体(201)は、前記コネクタカバー(200)が前記ロック定位置(LP)にあるときに、前記FFC/FPCが前記FFC/FPCコネクタ(100)の前記少なくとも1つの電気端子アレイ(101)に溶接可能であるように前記FFC/FPCを留止するために、前記摺動方向(Z)に延びるステープルアーム(206)をさらに備える、
請求項に記載のコネクタカバー(200)。
【請求項8】
少なくとも1つの電気端子アレイ(101)を備えるFFC/FPCコネクタ(100)と、
請求項1からのいずれか一項に記載のコネクタカバー(200)とを備えるコネクタデバイス(1000)。
【請求項9】
少なくとも1つの電気端子アレイ(101)を備えるFFC/FPCコネクタ(100)と、請求項2に記載のコネクタカバー(200)とを備えるコネクタデバイス(1000)であって、
前記FFC/FPCコネクタ(100)は、前記コネクタカバー(200)の前記カバーピン(202)を受け入れるのに適した案内孔(102)を備える、コネクタデバイス(1000)。
【請求項10】
前記カバーピン(202)は、前記コネクタカバー(200)を前記事前ロック定位置(PLP)または前記ロック定位置(LP)に固定するために、前記FFC/FPCコネクタ(100)に係合するのに適した突出フック(203)を備えており、

前記案内孔(102)は、
- 前記コネクタカバー(200)が前記事前ロック定位置(PLP)にあるときに前記カバーピン(202)の前記突出フック(203)が係合することが可能な事前ロック凹部(103)と、
- 前記コネクタカバー(200)が前記ロック定位置(PL)にあるときに前記カバーピン(202)の前記突出フック(203)が係合することが可能なロック凹部(104)とをさらに備える、
請求項9に記載のコネクタデバイス(1000)。
【請求項11】
少なくとも1つの電気端子アレイ(101)を備えるFFC/FPCコネクタ(100)と、請求項1から3のいずれか一項に記載の第1のコネクタカバー(200)とを備えるコネクタデバイス(1000)であって、

前記FFC/FPCコネクタ(100)は、2列コネクタであり、前記コネクタデバイス(1000)は、請求項1からのいずれか一項に記載の第2のコネクタカバー(200)を備える
ネクタデバイス(1000)。
【請求項12】
前記第1のコネクタカバー(200)および前記第2のコネクタカバー(200)は、同一のものである、
請求項11に記載のコネクタデバイス(1000)。
【請求項13】
請求項8に記載のコネクタデバイス(1000)と、前記FFC/FPCコネクタ(100)の前記少なくとも1つの電気端子アレイ(101)に溶接されている少なくとも1つのFFC/FPC(300)とを備えるコネクタアセンブリ(2000)。
【請求項14】
請求項8に記載のコネクタデバイス(1000)と、前記事前ロック定位置(PLP)から前記ロック定位置(LP)への摺動方向(Z)に沿った前記コネクタカバー(200)の摺動を可能とするのに適したロック器具(400)とを備えるコネクタキット(3000)。
【請求項15】
前記コネクタカバー(200)は、本体(201)と、前記本体(201)から突出するカバーピン(202)とを備え、前記カバーピン(202)は、前記摺動方向(Z)に沿って延び、
前記カバーピン(202)は、係合位置から非係合位置へと弾性的に移動可能であり、

前記ロック器具(400)は、ロック器具本体(401)およびロック器具ピン(402)を備え、
前記ロック器具ピン(402)は、前記係合位置から前記非係合位置への前記カバーピン(202)の弾性移動を可能とするように構成されている、
請求項14に記載のコネクタキット(3000)。
【請求項16】
前記ロック器具ピン(402)は、前記コネクタカバー(200)の突出フック(203)が前記FFC/FPCコネクタ(100)の事前ロック凹部(103)から前記FFC/FPCコネクタ(100)のロック凹部(104)へと摺動することを可能とするように構成されている、
請求項15に記載のコネクタキット(3000)。
【請求項17】
前記ロック器具(400)は、前記コネクタカバー(200)を摺動方向(Z)に沿って前記ロック定位置(LP)へと摺動させるために前記コネクタカバー(200)を押し込むのに適した押圧器具(400)をさらに備える、
請求項14に記載のコネクタキット(3000)。
【請求項18】
請求項8に記載のコネクタデバイス(1000)を、前記コネクタカバー(200)が前記事前ロック定位置(PLP)に固定されている状態で提供するステップと、
FFC/FPC(300)が前記FFC/FPCコネクタ(100)の前記電気端子アレイ(101)に溶接されるのに適正な電気的接触位置にあるように、FFC/FPC(300)を前記FFC/FPCコネクタ(100)に挿入するステップと、
前記FFC/FPCコネクタ(100)の前記電気端子アレイ(101)に溶接されるのに適正な電気的接触位置に前記FFC/FPC(300)を留止するために、前記コネクタカバー(200)を前記事前ロック定位置(PLP)から前記ロック定位置(LP)へと摺動させるステップと
を含む、コネクタアセンブリ(2000)を形成するための方法。
【請求項19】
前記コネクタカバー(200)を前記事前ロック定位置(PLP)から前記ロック定位置(LP)へと摺動させることは、ロック器具(400)を用いて行われる、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ロック器具(400)は、前記コネクタカバー(200)のカバーピン(202)を係合位置から非係合位置へと弾性的に移動させるために用いられる、
請求項19に記載の方法。
【外国語明細書】