(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154444
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/023 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G06F3/023 480
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068241
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 健志
(72)【発明者】
【氏名】彌▲吉▼ 悟
(72)【発明者】
【氏名】廣▲吉▼ 慶
(72)【発明者】
【氏名】佐々井 毬花
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020FF00
(57)【要約】
【課題】キーボード入力の利便性を向上させることができる。
【解決手段】情報処理装置10は、記憶部11と処理部12とを有する。記憶部11は、オペレーティングシステムの起動前の処理が記述されたファームウェアによって参照可能である。記憶部11は、キーボード1の各キーが押下されたときに入力される入力内容の設定を示すキーボードレイアウトの種類を示す設定値を記憶する。処理部12は、オペレーティングシステムで動作するソフトウェアに従って、オペレーティングシステム実行中に適用されているキーボードレイアウトに対応する設定値に更新する。処理部12は、ファームウェアに従って、ファームウェア実行中に設定値に対応するキーボードレイアウトを適用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレーティングシステムの起動前の処理が記述されたファームウェアによって参照可能であり、キーボードの各キーが押下されたときに入力される入力内容の設定を示すキーボードレイアウトの種類を示す設定値を記憶する記憶部と、
前記オペレーティングシステムで動作するソフトウェアに従って、前記オペレーティングシステム実行中に適用されているキーボードレイアウトに対応する前記設定値に更新し、前記ファームウェアに従って、前記ファームウェア実行中に前記設定値に対応するキーボードレイアウトを適用する処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記ソフトウェアに従って、シャットダウンのときに、前記オペレーティングシステム実行中に適用されているキーボードレイアウトに対応する前記設定値に更新する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記ファームウェアに従って、パスワードの入力を受け付け、前記パスワードの照合に成功した場合に、前記オペレーティングシステムを起動し、前記パスワードの入力を受け付ける前に、前記設定値に対応するキーボードレイアウトを適用する、
請求項1記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータは、キーボードから文字、数字、記号等の入力を受け付ける。キーボードは、各キーに記号等が表示されており、対応する言語によって表示されている記号等が異なるキーがある。
【0003】
キーボードに関する技術としては、例えば、キーボードの無効化を簡便に実行可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キーボードの各キーが押下されるときに入力される記号等の設定を示すキーボードレイアウトが、ユーザの使用しやすいものに変更されることがある。例えば、キーボードの各キーの表示と、キー押下時に入力される文字、数字、記号等とが一致するよう、キーボードレイアウトがOS(Operating System)上のソフトウェアで変更される。しかし、OS上のソフトウェアがキーボードレイアウト変更しても、BIOS(Basic Input Output System)等のOS実行前のファームウェア上での入力では、変更したキーボードレイアウトが適用されず不便である。
【0006】
1つの側面では、本件は、キーボード入力の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、記憶部と処理部とを有する情報処理装置が提供される。記憶部は、オペレーティングシステムの起動前の処理が記述されたファームウェアによって参照可能であり、キーボードの各キーが押下されたときに入力される入力内容の設定を示すキーボードレイアウトの種類を示す設定値を記憶する。処理部は、オペレーティングシステムで動作するソフトウェアに従って、オペレーティングシステム実行中に適用されているキーボードレイアウトに対応する設定値に更新し、ファームウェアに従って、ファームウェア実行中に設定値に対応するキーボードレイアウトを適用する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、キーボード入力の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
【
図2】第2の実施の形態に係るPCの一例を示す図である。
【
図3】PCのハードウェアの一構成例を示す図である。
【
図6】キーボードレイアウト設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず、第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態は、キーボードレイアウトを設定するものである。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。情報処理装置10は、ユーザが操作するコンピュータである。情報処理装置10は、キーボード1に接続されている。情報処理装置10は、キーボード1のキーが押下されると、キーボードレイアウトに従って、押下されたキーに対応する入力を受け付ける。キーボードレイアウトは、キーボード1の各キーが押下されたときに入力される入力内容の設定を示す。キーボードの各キーが押下されたときに入力される入力内容としては、例えば、文字、数字、記号や、文字削除等の所定の処理の指示がある。
【0012】
情報処理装置10は、記憶部11と処理部12とを有する。記憶部11は、情報処理装置10が実行する処理に用いられるデータを記憶する。記憶部11は、オペレーティングシステムの起動前の処理が記述されたファームウェアによって参照可能である。なお、以下では、オペレーティングシステムの起動前の処理が記述されたファームウェアを単にファームウェアということがある。ファームウェアは、例えば、BIOSやUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)である。記憶部11は、例えば、情報処理装置10が有するメモリまたはファームウェア実行時にアクセス可能な不揮発性の記憶領域である。記憶部11は、設定値11aを記憶する。設定値11aは、キーボードレイアウトの種類を示す。例えば、設定値11aは、いずれかのキーボードレイアウトの名称や、いずれかのキーボードレイアウトに対応する値である。
【0013】
処理部12は、情報処理装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部12は、例えば、情報処理装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。処理部12は、ファームウェアを実行することによってオペレーティングシステムを起動する。処理部12は、起動したオペレーティングシステム実行中に、キーボード1のキーが押下されると、オペレーティングシステムにおいて適用されているキーボードレイアウトにおいて押下されたキーに対応する記号等の入力を受け付ける。処理部12は、オペレーティングシステム実行中に適用するキーボードレイアウトを変更することがある。
【0014】
処理部12は、オペレーティングシステムで動作するソフトウェアに従って、オペレーティングシステム実行中に適用されているキーボードレイアウトに対応する設定値11aに更新する。例えば、処理部12は、シャットダウンのときに、オペレーティングシステム実行中に適用されているキーボードレイアウトに対応する設定値11aに更新する。
【0015】
また、処理部12は、情報処理装置10の起動時に、ファームウェアに従って、以下の処理を実行する。処理部12は、ファームウェア実行中に設定値11aに対応するキーボードレイアウトを適用する。なお、処理部12は、パスワードの入力を受け付ける前に、設定値11aに対応するキーボードレイアウトを適用する。
【0016】
処理部12は、パスワードの入力を受け付ける。例えば、処理部12は、キーボード1のキーが押下されると、適用したキーボードレイアウトにおいて押下されたキーに対応する文字、数字、記号をパスワードの入力として受け付ける。そして、処理部12は、パスワードの照合に成功した場合に、オペレーティングシステムを起動する。
【0017】
第1の実施の形態によれば、情報処理装置10の記憶部11は、オペレーティングシステムの起動前の処理が記述されたファームウェアによって参照可能である。記憶部11は、キーボード1の各キーが押下されたときに入力される入力内容の設定を示すキーボードレイアウトの種類を示す設定値11aを記憶する。情報処理装置10の処理部12は、オペレーティングシステムで動作するソフトウェアに従って、オペレーティングシステム実行中に適用されているキーボードレイアウトに対応する設定値11aに更新する。処理部12は、ファームウェアに従って、ファームウェア実行中に設定値11aに対応するキーボードレイアウトを適用する。
【0018】
これにより、情報処理装置10は、ファームウェア実行時の入力操作においても、ユーザがオペレーティングシステム実行時に設定した使用しやすいキーボードレイアウトで、入力を受け付けることができる。よって、情報処理装置10は、キーボード入力の利便性を向上させることができる。
【0019】
また、処理部12は、ソフトウェアに従って、シャットダウンのときにオペレーティングシステム実行中に適用されているキーボードレイアウトに対応する設定値11aに更新する。これにより、情報処理装置10は、次回のファームウェア実行時に、オペレーティングシステムで最後に使用していたキーボードレイアウトで入力をすることができる。
【0020】
また、処理部12は、ファームウェアに従って、パスワードの入力を受け付け、パスワードの照合に成功した場合に、オペレーティングシステムを起動し、パスワードの入力を受け付ける前に、設定値11aに対応するキーボードレイアウトを適用する。これにより、情報処理装置10は、ユーザが使用しやすいキーボードレイアウトで、オペレーティングシステムを起動するためのパスワードの入力を受け付けることができる。
【0021】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、PCのキーボードレイアウト設定をするものである。
【0022】
図2は、第2の実施の形態に係るPCの一例を示す図である。PC100は、ユーザが業務等に使用するコンピュータである。PC100は、モニタ31、マウス32およびキーボード37aに接続されている。モニタ31、マウス32およびキーボード37aは、PC100に有線接続されていてもよいし、無線接続されていてもよい。PC100は、マウス32およびキーボード37aから入力を受け付け、処理結果に応じた表示内容をモニタ31に表示させる。なお、PC100は、ノートPCでもよく、キーボード37aは、ノートPCであるPC100の内蔵キーボードであってもよいし、PC100に接続されたキーボードであってもよい。
【0023】
PC100は、キーボード37aに代えて、キーボード37bやキーボード37cを接続されることがある。例えば、PC100は、キーボード37a,37b,37cのうち、操作するユーザが使用しやすいキーボードが接続される。キーボード37aは、言語Aに対応するキーボードである。キーボード37bは、言語Bに対応するキーボードである。キーボード37cは、言語Cに対応するキーボードである。キーボード37a,37b,37cは、対応する言語に応じて、表示されている記号が異なるキーがある。
【0024】
PC100は、オペレーティングシステム(OS)上のソフトウェアによって、接続されたキーボードの各キーが押下されたときに入力される記号の設定を示すキーボードレイアウトの変更を受け付ける。キーボードレイアウトは、言語ごとに設定される。言語ごとの各キーボードレイアウトは、対応する言語のキーボードにおける各キーの表示と、入力される記号とが一致するよう設定されている。PC100は、OSの実行を終了してシャットダウンするときに、BIOSが読み取り可能な設定値を、変更したキーボードレイアウトに対応する値に更新する。
【0025】
PC100は、電源がオンされ、BIOSを起動すると、設定値を読み取り、読み取った設定値に対応するキーボードレイアウトとなるよう設定する。そして、PC100は、設定されたキーボードレイアウトで、キーボード37aから、BIOSにおけるキーボード入力を受け付ける。
【0026】
図3は、PCのハードウェアの一構成例を示す図である。PC100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス110を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0027】
メモリ102は、PC100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0028】
バス110に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105,108、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース109がある。
【0029】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0030】
GPU104には、モニタ31が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0031】
入力インタフェース105には、マウス32が接続されている。入力インタフェース105は、マウス32から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス32は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0032】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク33に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク33は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク33には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0033】
機器接続インタフェース107は、PC100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置34やメモリリーダライタ35を接続することができる。メモリ装置34は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ35は、メモリカード36へのデータの書き込み、またはメモリカード36からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード36は、カード型の記録媒体である。
【0034】
入力インタフェース108には、キーボード37aが接続されている。入力インタフェース108は、キーボード37aから送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、入力インタフェース108には、キーボード37b,37cが接続されていてもよい。
【0035】
ネットワークインタフェース109は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース109は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0036】
PC100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した情報処理装置10も、
図3に示したPC100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、プロセッサ101は、第1の実施の形態に示した処理部12の一例である。また、メモリ102、ストレージ装置103またはBIOSが記憶された記憶装置は、第1の実施の形態に示した記憶部11の一例である。なお、ストレージ装置103には、OS上のファイルシステムで管理され、BIOSからは参照できない記憶領域がある。記憶部11の一例として用いられるのは、BIOSからは参照できない記憶領域ではなく、BIOSおよびOSのどちらからも参照可能なストレージ装置103の記憶領域である。
【0037】
PC100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。PC100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、PC100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。またPC100に実行させるプログラムを、光ディスク33、メモリ装置34、メモリカード36等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。次に、PC100の機能について詳細に説明する。
【0038】
図4は、PCの機能例を示すブロック図である。PC100は、起動時にBIOS120を実行する。なお、BIOS120は、第1の実施の形態に示したファームウェアの一例である。また、PC100は、BIOS120によって、OS130を起動する。PC100は、BIOS120の機能として、記憶部121、設定部122および起動部123を有する。記憶部121は、メモリ102、ストレージ装置103またはBIOS120が記憶された記憶装置の記憶領域を用いて実現される。設定部122および起動部123は、メモリ102に記憶されたBIOS120のプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。
【0039】
記憶部121は、設定値121aおよび対応情報121bを記憶する。設定値121aは、キーボードレイアウトの種類を示すものである。対応情報121bは、設定値121aとキーボードレイアウトとの対応関係を示す情報である。
【0040】
設定部122は、BIOS120で適用されるキーボードレイアウトを設定する。設定部122は、BIOS120起動時に、設定値121aを読み取る。設定部122は、対応情報121bを参照し、読み取った設定値121aの値に対応するキーボードレイアウトを特定し、特定したキーボードレイアウトを、BIOS120のキーボードレイアウトとして適用する。
【0041】
起動部123は、BIOS120を起動する。起動部123は、パスワードの入力を受け付ける。例えば、起動部123は、設定部122が適用したキーボードレイアウトに基づいてパスワードの入力を受け付ける。そして、起動部123は、入力されたパスワードをあらかじめ登録されたパスワードと照合し、正しいパスワードが入力されたと判定した場合、OS130を起動する。
【0042】
PC100は、OS130の機能として、入出力制御部131および起動制御部132を有する。入出力制御部131および起動制御部132は、メモリ102に記憶されたオペレーティングシステムで動作するソフトウェアをプロセッサ101が実行することで実現される。
【0043】
入出力制御部131は、OS130で適用されるキーボードレイアウトの設定をする。入出力制御部131は、キーボードレイアウトの変更指示に応じて、キーボードレイアウトの変更指示において選択されたキーボードレイアウトを、OS130のキーボードレイアウトとして適用する。また、入出力制御部131は、起動制御部132によるシャットダウン時に、OS130で適用されているキーボードレイアウトに対応する値に設定値121aを更新する。起動制御部132は、シャットダウン指示があると、PC100をシャットダウンする。
【0044】
なお、
図4に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部121が記憶する対応情報121bについて説明する。
【0045】
図5は、対応情報の一例を示す図である。対応情報121bは、設定値121aとキーボードレイアウトとの対応関係を示す情報である。対応情報121bは、設定値およびキーボードレイアウトの項目を有する。設定値の項目には、設定値121aの値が登録される。キーボードレイアウトの項目には、設定値121aの値に対応するキーボードレイアウトの種類が登録される。以下、PC100が実行する処理の手順について、詳細に説明する。
【0046】
図6は、キーボードレイアウト設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図6に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]PC100は、電源がオンされる。
【0047】
[ステップS12]PC100は、BIOS120を起動する。
[ステップS13]BIOS120の設定部122は、設定値121aを読み取り、設定値121aに対応するキーボードレイアウトを、BIOS120のキーボードレイアウトとして適用する。例えば、設定部122は、設定値121aの値を読み取る。設定部122は、対応情報121bを参照し、読み取った設定値121aの値に対応するキーボードレイアウトを特定する。そして、設定部122は、特定したキーボードレイアウトを、BIOS120のキーボードレイアウトとして適用する。
【0048】
[ステップS14]BIOS120の起動部123は、パスワードの入力を受け付ける。例えば、起動部123は、接続されているキーボード(例えば、キーボード37a)のキーが押下されると、ステップS13で適用したキーボードレイアウトにおいて押下されたキーに対応する文字、数字、記号をパスワードの入力として受け付ける。
【0049】
[ステップS15]起動部123は、正しいパスワードが入力されたか否かを判定する。例えば、起動部123は、ステップS14で入力されたパスワードをあらかじめ登録されたパスワードと照合する。そして、起動部123は、入力されたパスワードとあらかじめ登録されたパスワードとが一致する場合、正しいパスワードが入力されたと判定する。起動部123は、正しいパスワードが入力されたと判定した場合、処理をステップS16に進める。また、起動部123は、正しいパスワードが入力されなかったと判定した場合、処理をステップS14に進める。
【0050】
[ステップS16]起動部123は、OS130を起動する。
[ステップS17]OS130の入出力制御部131は、キーボードレイアウトの変更指示があったか否かを判定する。入出力制御部131は、キーボードレイアウトの変更指示があったと判定した場合、処理をステップS18に進める。また、入出力制御部131は、キーボードレイアウトの変更指示がなかったと判定した場合、処理をステップS19に進める。
【0051】
[ステップS18]入出力制御部131は、ステップS17で取得したキーボードレイアウトの変更指示において選択されたキーボードレイアウトを、OS130のキーボードレイアウトとして適用する。
【0052】
[ステップS19]OS130の起動制御部132は、シャットダウン指示があったか否かを判定する。起動制御部132は、シャットダウン指示があったと判定した場合、処理をステップS20に進める。また、起動制御部132は、シャットダウン指示がなかったと判定した場合、処理をステップS17に進める。
【0053】
[ステップS20]入出力制御部131は、OS130で適用されているキーボードレイアウトに対応する値に設定値121aを更新する。
[ステップS21]起動制御部132は、PC100をシャットダウンする。
【0054】
このように、OS130の入出力制御部131は、キーボードレイアウトの変更指示に応じて、OS130で適用されるキーボードレイアウトを変更する。例えば、PC100のユーザは、キーボード37aに代えてキーボード37b,37cをPC100に接続した場合に、接続したキーボードのキーの表示と一致するキーボードレイアウトへの変更指示をPC100に入力する。また、例えば、PC100のユーザは、PC100に接続されているキーボードのキーの表示と一致しない、自身が使用しやすいキーボードレイアウトへの変更指示をすることもある。入出力制御部131は、キーボードレイアウトの変更指示に応じて、OS130で適用されるキーボードレイアウトを変更することで、OS130がユーザが使用しやすいキーボードレイアウトでキーボード入力を受け付ける。
【0055】
入出力制御部131は、シャットダウン時に、OS130で適用されているキーボードレイアウトに対応する設定値121aに更新する。これにより、入出力制御部131は、OS130で最後に使用していたキーボードレイアウトに対応する値に、設定値121aを更新できる。そして、BIOS120が起動すると、BIOS120の設定部122は、BIOS120実行中に設定値121aに対応するキーボードレイアウトを適用する。これにより、PC100は、BIOS120実行時の入力操作においても、OS130実行時に設定したユーザが使用しやすいキーボードレイアウトで、入力を受け付けることができる。よって、PC100は、キーボード入力の利便性を向上させることができる。
【0056】
なお、BIOS120で適用されるキーボードレイアウトを変更する他の方法としては、BIOS120のパスワードを入力して、BIOS120を制御できるようになった後、BIOS120のセットアップからキーボードレイアウトを変更することが考えられる。しかし、BIOS120のセットアップからキーボードレイアウトを変更する場合、パスワード入力時のキーボードレイアウトは、変更前のものとなる。一方、設定部122は、設定値121aに対応するキーボードレイアウトの適用を、起動部123がBIOS120によるパスワードの入力を受け付ける前に実行する。これにより、PC100は、ユーザが使用しやすいキーボードレイアウトで、BIOS120のパスワードの入力を受け付けることができる。
【0057】
第2の実施の形態によれば、PC100は、BIOS120によって参照可能である記憶領域に、キーボード37aの各キーが押下されたときに入力される入力内容の設定を示すキーボードレイアウトの種類を示す設定値121aを記憶する。PC100は、OS130で動作するソフトウェアに従って、OS130実行中に適用されているキーボードレイアウトに対応する設定値121aに更新する。PC100は、BIOS120に従って、BIOS120実行中に設定値121aに対応するキーボードレイアウトを適用する。これにより、PC100は、キーボード入力の利便性を向上させることができる。
【0058】
また、PC100は、OS130で動作するソフトウェアに従って、シャットダウンのときにOS130実行中に適用されているキーボードレイアウトに対応する設定値121aに更新する。これにより、PC100は、次回起動時にBIOS120が実行されると、OS130で最後に使用していたキーボードレイアウトで入力をすることができる。
【0059】
また、PC100は、BIOS120に従って、パスワードの入力を受け付け、パスワードの照合に成功した場合にOS130を起動し、パスワードの入力を受け付ける前に、設定値121aに対応するキーボードレイアウトを適用する。これにより、PC100は、ユーザが使用しやすいキーボードレイアウトで、BIOS120のパスワードの入力を受け付けることができる。
【0060】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 キーボード
10 情報処理装置
11 記憶部
11a 設定値
12 処理部