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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154445
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】設定プログラムおよび携帯端末
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
H04M1/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068242
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 清
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127BA03
5K127BB23
5K127GA14
5K127HA09
5K127HA28
5K127JA27
5K127JA51
(57)【要約】
【課題】デバイスの設定を容易にすることができる。
【解決手段】携帯端末10は、リスト11aに識別子が登録されたデバイスが接続されると、識別子に対応するアプリケーションを起動する。携帯端末10は、アプリケーションにおいてデバイスによる入出力が可能となるようデバイスの設定をする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末に、
リストに識別子が登録されたデバイスが接続されると、前記識別子に対応するアプリケーションを起動し、
前記アプリケーションにおいて前記デバイスによる入出力が可能となるよう前記デバイスの設定をする、
処理を実行させる設定プログラム。
【請求項2】
前記アプリケーションの起動では、前記リストに前記識別子が登録された表示装置が接続されると、前記識別子に対応する前記アプリケーションを起動し、
前記デバイスの設定では、前記アプリケーションの画面が前記表示装置に表示されるよう設定する、
請求項1記載の設定プログラム。
【請求項3】
前記アプリケーションの起動では、前記リストに前記識別子が登録された前記表示装置が接続されると、前記識別子に対応するリモートデスクトップアプリケーションを起動する、
請求項2記載の設定プログラム。
【請求項4】
デバイスの識別子が登録されたリストを記憶する記憶部と、
前記リストに前記識別子が登録された前記デバイスが接続されると、前記識別子に対応するアプリケーションを起動し、前記アプリケーションにおいて前記デバイスによる入出力が可能となるよう前記デバイスの設定をする処理部と、
を有する携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定プログラムおよび携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の携帯端末に、デバイスを接続することがある。例えば、携帯端末に、キーボード、マウスパッド、モニタ等のデバイスを接続することによって、携帯端末をPC(Personal Computer)のように用いることもできる。
【0003】
携帯端末のデバイスに関する技術としては、例えば、アプリ画面の操作性の向上が図れる携帯電子機器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-214164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯端末にデバイスを接続すると、接続されたデバイスを使用するための設定をすることとなる。例えば、携帯端末にモニタが接続されると、携帯端末で実行される所定のアプリケーションの画面が接続されたモニタに表示されるよう手動で設定される。このような携帯端末に接続されたデバイスの設定作業を、デバイスが接続されるたびにするのは煩雑である。
【0006】
1つの側面では、本件は、デバイスの設定を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、以下の処理を携帯端末に実行させる設定プログラムが提供される。携帯端末は、リストに識別子が登録されたデバイスが接続されると、識別子に対応するアプリケーションを起動し、アプリケーションにおいてデバイスによる入出力が可能となるようデバイスの設定をする。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、デバイスの設定を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る携帯端末の一例を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図3】スマートフォンのハードウェアの一構成例を示す図である。
図4】スマートフォンの機能例を示すブロック図である。
図5】接続許可ファイルの一例を示す図である。
図6】設定ファイルの一例を示す図である。
図7】接続先の設定画面の一例を示す図である。
図8】起動するアプリケーションの設定画面の一例を示す図である。
図9】生体認証アプリの設定画面の一例を示す図である。
図10】拡張表示の設定画面の一例を示す図である。
図11】登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図12】自動設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず、第1の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る携帯端末の一例を示す図である。第1の実施の形態は、携帯端末10に接続されたデバイスの自動設定をするものである。
携帯端末10は、ユーザが操作する、携帯可能な端末である。携帯端末10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等である。携帯端末10は、記憶部11と処理部12とを有する。記憶部11は、携帯端末10が実行する処理に用いられるデータを記憶する。記憶部11は、例えば、携帯端末10が有するメモリまたはストレージ装置である。記憶部11は、リスト11aを記憶する。リスト11aには、デバイスの識別子が登録される。デバイスの識別子は、当該デバイスの種類を特定するためのものである。デバイスの識別子は、例えば、USB(Universal Serial Bus)デバイスのベンダIDおよびプロダクトIDである。
【0012】
リスト11aには、識別子に対応付けてアプリケーションが登録される。例えば、リスト11aには、識別子「AAA」に対応付けてリモートデスクトップ(RD)アプリケーションが登録される。リモートデスクトップアプリケーションは、接続先のコンピュータを操作するアプリケーションである。なお、リモートデスクトップアプリケーションの接続先のコンピュータは、仮想マシンであってもよい。
【0013】
処理部12は、携帯端末10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部12は、例えば、携帯端末10が有するプロセッサまたは演算回路である。処理部12は、所定のデバイスが接続されると、アプリケーションにおいて接続されたデバイスを使用できるよう設定する。
【0014】
処理部12は、リスト11aに識別子が登録されたデバイスの接続を検知する。デバイスは、接続先の装置への入力または接続先の装置からの出力をする機器である。デバイスは、例えば、タッチパネル、キーボードまたはマウスパッド等の入力デバイスやモニタ等の出力デバイスである。また、例えば、デバイスは、タッチパネル、キーボード、マウスパッド、モニタ等が複数組み合わされた機器であってもよい。
【0015】
例えば、処理部12は、携帯端末10に表示装置1が接続されると、表示装置1の識別子を取得する。表示装置1は、接続先の装置から出力された画像を表示する表示装置である。ここでは、処理部12は、表示装置1の識別子「AAA」を取得する。すると、処理部12は、リスト11aに識別子「AAA」が登録されているため、リスト11aに識別子が登録されたデバイスが接続されたと検知する。
【0016】
処理部12は、リスト11aに識別子が登録されたデバイスが接続されると、識別子に対応するアプリケーションを起動する。例えば、処理部12は、リスト11aに識別子が登録された表示装置1が接続されると、識別子に対応するアプリケーションを起動する。ここでは、処理部12は、表示装置1の識別子「AAA」に対応するリモートデスクトップアプリケーションを起動する。
【0017】
そして、処理部12は、起動したアプリケーションにおいてデバイスによる入出力が可能となるようデバイスの設定をする。例えば、処理部12は、リモートデスクトップアプリケーションの画面が表示装置1に表示されるよう設定する。
【0018】
第1の実施の形態によれば、携帯端末10の処理部12は、リスト11aに識別子が登録されたデバイスが接続されると、識別子に対応するアプリケーションを起動し、アプリケーションにおいてデバイスによる入出力が可能となるようデバイスの設定をする。これにより、携帯端末10は、携帯端末10に接続するだけでデバイスを使用可能に設定することができる。よって、携帯端末10は、デバイスの設定を容易にすることができる。
【0019】
また、処理部12は、リスト11aに識別子が登録された表示装置1が接続されると、識別子に対応するアプリケーションを起動し、アプリケーションの画面が表示装置1に表示されるよう設定する。これにより、携帯端末10は、アプリケーションの画面を表示装置1に表示させる設定が容易になる。
【0020】
また、処理部12は、リスト11aに識別子が登録された表示装置1が接続されると、識別子に対応するリモートデスクトップアプリケーションを起動する。これにより、携帯端末10は、表示装置1に表示したリモートデスクトップアプリケーションの画面から接続先のコンピュータを操作させることで、ユーザにPCのように使用させることができる。
【0021】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、スマートマルチモニタに接続されたスマートフォンが、リモートデスクトップアプリケーションで仮想マシンに自動でログインするものである。
【0022】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、サーバ21およびスマートフォン100を有する。サーバ21およびスマートフォン100は、ネットワーク30に接続されている。ネットワーク30は、例えば、インターネット等の広域ネットワークである。
【0023】
サーバ21は、仮想マシンを稼働させるサーバコンピュータである。サーバ21が稼働させる仮想マシンで実行されるOS(Operating System)には、スマートフォン100のユーザが管理するアカウントが設定されている。なお、サーバ21は、複数の仮想マシンを稼働させていてもよい。
【0024】
スマートフォン100は、ユーザが操作するスマートフォンである。スマートフォン100は、スマートマルチモニタ22に接続されている。スマートフォン100とスマートマルチモニタ22とは、例えば、USB接続されている。スマートマルチモニタ22は、モニタ、タッチパネル、キーボードおよびマウスパッドが一体となった機器である。スマートマルチモニタ22は、モニタ、タッチパネル、キーボードおよびマウスパッドがノートPCと同様の配置で設けられている。
【0025】
スマートフォン100は、サーバ21で稼働する仮想マシンをスマートマルチモニタ22を使って制御できるよう自動設定する。まず、スマートフォン100は、スマートマルチモニタ22が接続されると、リモートデスクトップアプリケーションを起動する。スマートフォン100は、リモートデスクトップアプリケーションによって、サーバ21に接続し、サーバ21で稼働する仮想マシン上のスマートフォン100のユーザのアカウントにログインする。そして、スマートフォン100は、スマートマルチモニタ22にリモートデスクトップアプリケーションの画面を表示する。
【0026】
図3は、スマートフォンのハードウェアの一構成例を示す図である。スマートフォン100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス110を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0027】
メモリ102は、スマートフォン100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0028】
バス110に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、ディスプレイ104、タッチパネル105、機器接続インタフェース106,108、生体センサ107および無線通信インタフェース109がある。
【0029】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばフラッシュメモリ等を使用することができる。
【0030】
ディスプレイ104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像を表示する。ディスプレイ104としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。タッチパネル105は、ディスプレイ104の画面の前面に配置されており、画面上の押された位置を検知して、その位置を示す信号をプロセッサ101に送信する。
【0031】
機器接続インタフェース106は、スマートフォン100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば、機器接続インタフェース106には、メモリカード31を接続することができる。メモリカード31は、機器接続インタフェース106との通信機能を搭載した、カード型の記録媒体である。
【0032】
生体センサ107は、生体情報を取得するためのセンサである。生体センサ107は、読み取った生体情報をプロセッサ101に送信する。生体センサ107は、例えば、指紋センサ、虹彩センサ、静脈センサ等である。
【0033】
機器接続インタフェース108は、スマートマルチモニタ22に接続される。機器接続インタフェース108の規格としては、例えば、USBが用いられる。スマートマルチモニタ22は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタの画面に表示させる。また、スマートマルチモニタ22は、タッチパネル、キーボードおよびマウスパッドへの入力に基づく信号をプロセッサ101に送信する。
【0034】
無線通信インタフェース109は、無線通信によるネットワークインタフェースである。無線通信インタフェース109は、ネットワーク30に接続されている。無線通信インタフェース109は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0035】
スマートフォン100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した携帯端末10も、図3に示したスマートフォン100と同様のハードウェアにより実現することができる。なお、プロセッサ101は、第1の実施の形態に示した処理部12の一例である。また、メモリ102またはストレージ装置103は、第1の実施の形態に示した記憶部11の一例である。また、スマートマルチモニタ22は、第1の実施の形態に示した表示装置1の一例である。
【0036】
スマートフォン100は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。スマートフォン100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、スマートフォン100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。またスマートフォン100に実行させるプログラムを、メモリカード31等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えば、プロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。また、プロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。次に、スマートフォン100の機能について詳細に説明する。
【0037】
図4は、スマートフォンの機能例を示すブロック図である。スマートフォン100は、起動アプリ120、RDアプリ130および生体認証アプリ140を有する。起動アプリ120は、RDアプリ130を自動で起動するアプリケーションである。起動アプリ120は、記憶部121、登録部122、検出部123および起動部124を有する。記憶部121は、メモリ102またはストレージ装置103の記憶領域を用いて実現される。登録部122、検出部123および起動部124は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。
【0038】
記憶部121は、接続許可ファイル121aおよび設定ファイル121bを記憶する。接続許可ファイル121aは、USBデバイスのベンダIDおよびプロダクトIDが登録されるファイルである。なお、接続許可ファイル121aは、第1の実施の形態に示したリスト11aの一例である。また、ベンダIDおよびプロダクトIDは、第1の実施の形態に示した識別子の一例である。設定ファイル121bは、接続許可ファイル121aに登録されたベンダIDおよびプロダクトIDに対応するアプリケーションが登録されるファイルである。
【0039】
登録部122は、起動アプリ120が起動するアプリケーションおよびアプリケーションを拡張表示させる表示装置の登録を受け付ける。登録部122は、RDアプリ130を設定ファイル121bに登録する。例えば、登録部122は、RDアプリ130の名称の入力を受け付け、RDアプリ130の名称を設定ファイル121bに登録する。また、登録部122は、スマートマルチモニタ22のベンダIDおよびプロダクトIDを接続許可ファイル121aに登録する。
【0040】
検出部123は、接続許可ファイル121aに登録されたデバイスの接続を検出する。例えば、検出部123は、USB接続API(Application Programming Interface)によってUSBデバイスを検出する。検出部123は、検出されたデバイスのベンダIDおよびプロダクトIDを取得する。そして、検出部123は、取得したベンダIDおよびプロダクトIDが接続許可ファイル121aに登録されたスマートマルチモニタ22のベンダIDおよびプロダクトIDと一致する場合、接続許可ファイル121aに登録されたデバイスが接続されたと検出する。
【0041】
起動部124は、検出部123が接続許可ファイル121aに登録されたデバイスの接続を検出すると、設定ファイル121bに登録されたアプリケーションを起動する。例えば、起動部124は、設定ファイル121bに登録されたRDアプリ130を起動し、検出されたデバイスであるスマートマルチモニタ22にRDアプリ130の画面を表示させる。
【0042】
RDアプリ130は、接続先のコンピュータを操作するリモートデスクトップアプリケーションである。RDアプリ130は、サーバ21で稼働する仮想マシンを接続先としてあらかじめ登録する。RDアプリ130は、起動アプリ120によって起動されると、サーバ21で稼働する仮想マシンに接続する。RDアプリ130は、生体認証アプリ140による生体認証に成功すると、サーバ21で稼働する仮想マシンのスマートフォン100のユーザが管理するアカウントにログインする。そして、RDアプリ130は、サーバ21で稼働する仮想マシンの制御を開始する。
【0043】
生体認証アプリ140は、読み取った生体情報を登録された生体情報と照合して生体認証をするアプリケーションである。生体認証アプリ140は、生体認証アプリ140を利用できるアプリケーションとしてRDアプリ130をあらかじめ登録する。生体認証アプリ140は、RDアプリ130がサーバ21で稼働する仮想マシンに接続するときに、生体認証をする。例えば、生体認証アプリ140は、生体センサ107から生体情報を取得する。そして、生体認証アプリ140は、登録されているユーザの生体情報と取得した生体情報とを比較し、一致することを確認する。
【0044】
なお、図4に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部121に記憶されるデータについて説明する。
【0045】
図5は、接続許可ファイルの一例を示す図である。接続許可ファイル121aは、USBデバイスのベンダIDおよびプロダクトIDが登録されるファイルである。接続許可ファイル121aは、XML(Extensible Markup Language)ファイルであることを示す宣言を含む。
【0046】
接続許可ファイル121aは、resources要素を含む。接続許可ファイル121aには、resources要素としてベンダIDおよびプロダクトIDが登録される。例えば、接続許可ファイル121aは、resources要素として、「<usb-device vendor-id=“0031”product-id=“0025”/>」を含む。「<usb-device vendor-id=“0031”product-id=“0025”/>」は、ベンダIDとして「0031」、プロダクトIDとして「0025」が登録されていることを示す。なお、接続許可ファイル121aは、XML以外のファイル形式であってもよい。
【0047】
図6は、設定ファイルの一例を示す図である。設定ファイル121bは、接続許可ファイル121aに登録されたベンダIDおよびプロダクトIDに対応するアプリケーションの名称が登録されるファイルである。設定ファイル121bは、XMLファイルであることを示す宣言を含む。
【0048】
設定ファイル121bは、app要素を含む。設定ファイル121bには、app要素としてアプリケーションの名称が登録される。例えば、設定ファイル121bは、app要素として、「<app-name=“remote-desktop-app”/>」を含む。「<app-name=“remote-desktop-app”/>」は、アプリケーションの名称として「remote-desktop-app」が登録されていることを示す。なお、設定ファイル121bは、XML以外のファイル形式であってもよい。
【0049】
次に、スマートマルチモニタ22の自動設定処理をするための情報を登録するときの画面について説明する。まず、RDアプリ130の接続先を登録するときの画面について説明する。
【0050】
図7は、接続先の設定画面の一例を示す図である。RDアプリ130は、画面41をディスプレイ104に表示させて、RDアプリ130によって制御する接続先のコンピュータの指定を受け付ける。画面41は、RDアプリ130の接続先の入力を受け付ける画面である。画面41は、「接続先情報の設定」等の接続先の入力を受け付ける画面であることを示すタイトルを含む。
【0051】
また、画面41は、接続先の入力欄を含む。接続先の入力欄には、RDアプリ130の接続先として指定されるコンピュータのアドレスが入力される。RDアプリ130は、画面41の接続先の入力欄にアドレスが入力されると、起動時に入力されたアドレスに接続するよう設定する。
【0052】
このような画面41によって、RDアプリ130は、接続先の登録を受け付ける。画面41の接続先の入力欄に、スマートフォン100のユーザが管理するアカウントがOSに設定された、サーバ21で稼働する仮想マシンのアドレスが入力されることで、RDアプリ130は、起動時に当該仮想マシンに接続できる。次に、起動アプリ120が起動するアプリケーションを登録するときの画面について説明する。
【0053】
図8は、起動するアプリケーションの設定画面の一例を示す図である。起動アプリ120の登録部122は、画面42をディスプレイ104に表示させて、接続許可ファイル121aに登録されたベンダIDおよびプロダクトIDのデバイスが接続された場合に起動するリモートデスクトップアプリケーションの指定を受け付ける。画面42は、デバイス接続時に起動するリモートデスクトップアプリケーションの入力を受け付ける画面である。画面42は、「RDアプリ情報の設定」等のリモートデスクトップアプリケーションの入力を受け付ける画面であることを示すタイトルを含む。
【0054】
また、画面42は、RDアプリ名の入力欄を含む。RDアプリ名の入力欄には、接続許可ファイル121aに登録されたベンダIDおよびプロダクトIDのデバイスが接続された場合に起動するリモートデスクトップアプリケーションの名称が入力される。登録部122は、画面42のRDアプリ名の入力欄にアプリケーションの名称が入力されると、入力されたアプリケーションの名称を設定ファイル121bに登録する。
【0055】
このような画面42によって、登録部122は、起動するアプリケーションの登録を受け付ける。画面42のRDアプリ名の入力欄に、RDアプリ130の名称が入力されることで、登録部122は、RDアプリ130の名称を設定ファイル121bに登録する。これにより、起動アプリ120は、接続許可ファイル121aに登録されたベンダIDおよびプロダクトIDのデバイスが接続された場合にRDアプリ130を起動できる。次に、生体認証アプリ140をRDアプリ130が利用するための登録をするときの画面について説明する。
【0056】
図9は、生体認証アプリの設定画面の一例を示す図である。生体認証アプリ140は、画面43をディスプレイ104に表示させて、生体認証アプリ140を利用できるアプリケーションの指定を受け付ける。画面43は、生体認証アプリ140を利用するアプリケーションの入力を受け付ける画面である。画面43は、「アプリ情報の設定」等の生体認証アプリ140を利用するアプリケーションの入力を受け付ける画面であることを示すタイトルを含む。
【0057】
また、画面43は、アプリ名、アカウントおよびパスワードの入力欄を含む。アプリ名の入力欄には、生体認証アプリ140を利用するアプリケーションの名称が入力される。アカウントの入力欄には、生体情報が登録されたユーザのアカウント名が入力される。パスワードの入力欄には、アカウントの入力欄に入力されたアカウントのパスワードが入力される。生体認証アプリ140は、アプリ名の入力欄にアプリケーションの名称が入力され、アカウント名およびパスワードの入力欄に正しいアカウント名およびパスワードが入力されると、入力されたアプリケーションが生体認証アプリ140を利用できるよう設定する。
【0058】
このような画面43によって、生体認証アプリ140は、生体認証アプリ140を利用できるアプリケーションの登録を受け付ける。画面43のアプリ名の入力欄に、RDアプリ130の名称が入力されることで、生体認証アプリ140は、RDアプリ130が生体認証アプリ140を利用できるよう設定する。次に、スマートマルチモニタ22の画面にRDアプリ130を表示するための登録をするときの画面について説明する。
【0059】
図10は、拡張表示の設定画面の一例を示す図である。起動アプリ120の登録部122は、画面44をディスプレイ104に表示させて、スマートフォン100に接続された表示装置に拡張表示させるアプリケーションの指定を受け付ける。画面44は、拡張表示するアプリケーションの入力を受け付ける画面である。画面44は、「拡張表示情報の設定」等の拡張表示するアプリケーションの入力を受け付ける画面であることを示すタイトルを含む。
【0060】
また、画面44は、アプリ名の入力欄を含む。アプリ名の入力欄には、スマートフォン100に接続された表示装置に拡張表示させるアプリケーションの名称が入力される。登録部122は、画面44のアプリ名の入力欄にアプリケーションの名称が入力されると、入力されたアプリケーションを拡張表示させるアプリケーションに設定する。また、登録部122は、スマートフォン100に接続された表示装置のベンダIDおよびプロダクトIDを接続許可ファイル121aに登録する。
【0061】
このような画面44によって、登録部122は、拡張表示するアプリケーションの登録を受け付ける。スマートマルチモニタ22がスマートフォン100に接続されているときに、画面44のアプリ名の入力欄に、RDアプリ130の名称が入力されることで、登録部122は、RDアプリ130をスマートマルチモニタ22に拡張表示するよう登録する。ここで、登録部122は、スマートマルチモニタ22のベンダIDおよびプロダクトIDを接続許可ファイル121aに登録する。以下、スマートフォン100が実行する処理の手順について、詳細に説明する。まず、登録処理について説明する。
【0062】
図11は、登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]RDアプリ130は、サーバ21で稼働する仮想マシンを接続先に登録する。例えば、RDアプリ130は、画面41をディスプレイ104に表示させる。そして、RDアプリ130は、接続先の入力欄に、スマートフォン100のユーザが管理するアカウントがOSに設定された、サーバ21で稼働する仮想マシンのアドレスの入力を受け付け、当該仮想マシンを起動時の接続先に登録する。
【0063】
[ステップS12]起動アプリ120の登録部122は、RDアプリ130を設定ファイル121bに登録する。例えば、登録部122は、画面42をディスプレイ104に表示させる。そして、登録部122は、RDアプリ名の入力欄に、RDアプリ130の名称の入力を受け付け、RDアプリ130の名称を設定ファイル121bに登録する。
【0064】
[ステップS13]生体認証アプリ140は、生体認証アプリ140を利用できるアプリケーションとしてRDアプリ130を登録する。例えば、生体認証アプリ140は、画面43をディスプレイ104に表示させる。生体認証アプリ140は、アプリ名の入力欄に、RDアプリ130の名称が入力され、アカウント名およびパスワードの入力欄に正しいアカウント名およびパスワードが入力されることで、RDアプリ130が生体認証アプリ140を利用できるよう登録する。
【0065】
[ステップS14]登録部122は、スマートマルチモニタ22を接続許可ファイル121aに登録する。例えば、登録部122は、スマートマルチモニタ22がスマートフォン100に接続された状態で、画面44をディスプレイ104に表示させる。登録部122は、アプリ名の入力欄に、RDアプリ130の名称が入力されることで、スマートマルチモニタ22のベンダIDおよびプロダクトIDを接続許可ファイル121aに登録し、RDアプリ130をスマートマルチモニタ22に拡張表示するよう登録する。
【0066】
このようにして、スマートフォン100は、起動アプリ120によって起動するアプリケーションとしてRDアプリ130を登録し、RDアプリ130を拡張表示する表示装置としてスマートマルチモニタ22を登録する。なお、スマートフォン100は、事前登録に代えて、RDアプリ130の画面をスマートマルチモニタ22に表示させて使用した際に、起動アプリ120によってRDアプリ130を起動し、スマートマルチモニタ22に拡張表示するよう自動で登録してもよい。次に、上記の登録処理が行われたスマートフォン100による自動設定処理について説明する。
【0067】
図12は、自動設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]起動アプリ120の検出部123は、スマートフォン100に接続されたデバイスを検出したか否かを判定する。例えば、検出部123は、USB接続APIによってUSBデバイスを検出したと判定した場合、デバイスを検出したと判定する。検出部123は、デバイスを検出したと判定した場合、処理をステップS22に進める。また、検出部123は、デバイスを検出していないと判定した場合、処理がステップS21に戻る。
【0068】
[ステップS22]検出部123は、ステップS21で検出されたデバイスが接続許可ファイル121aに登録されたデバイスであるか否かを判定する。例えば、検出部123は、ステップS21で検出されたデバイスのベンダIDおよびプロダクトIDを取得する。そして、検出部123は、取得したベンダIDおよびプロダクトIDが接続許可ファイル121aに登録されたスマートマルチモニタ22のベンダIDおよびプロダクトIDと一致する場合、接続許可ファイル121aに登録されたデバイスであると判定する。検出部123は、接続許可ファイル121aに登録されたデバイスであると判定した場合、処理をステップS23に進める。また、検出部123は、接続許可ファイル121aに登録されたデバイスではないと判定した場合、処理がステップS21に戻る。
【0069】
[ステップS23]起動アプリ120の起動部124は、設定ファイル121bに登録されたアプリケーションを検索する。例えば、起動部124は、設定ファイル121bに登録されたRDアプリ130を検索する。
【0070】
[ステップS24]起動部124は、RDアプリ130を起動する。そして、起動部124は、ステップS21で検出されたデバイスであるスマートマルチモニタ22にRDアプリ130の画面を表示させる。
【0071】
[ステップS25]RDアプリ130は、事前に登録された接続先であるサーバ21で稼働する仮想マシンに接続する。
[ステップS26]生体認証アプリ140は、生体認証をする。例えば、生体認証アプリ140は、生体センサ107から生体情報を取得する。そして、生体認証アプリ140は、登録されているユーザの生体情報と取得した生体情報とを比較し、一致することを確認する。
【0072】
[ステップS27]RDアプリ130は、サーバ21で稼働する仮想マシンのスマートフォン100のユーザが管理するアカウントにログインする。そして、RDアプリ130は、サーバ21で稼働する仮想マシンの制御を開始する。
【0073】
このようにして、スマートフォン100は、接続許可ファイル121aにベンダIDおよびプロダクトIDが登録されたスマートマルチモニタ22が接続されると、設定ファイル121bに登録されたRDアプリ130を起動する。スマートフォン100は、起動したRDアプリ130の画面をスマートマルチモニタ22に表示させる。これにより、スマートフォン100は、スマートマルチモニタ22をスマートフォン100に接続するだけで使用可能に設定することができる。よって、スマートフォン100は、スマートマルチモニタ22の設定を容易にすることができる。
【0074】
そして、スマートフォン100は、スマートマルチモニタ22に表示したRDアプリ130の画面から接続先のコンピュータを操作させる。これにより、スマートフォン100は、ユーザにスマートマルチモニタ22をノートPCのように使用させることができる。
【0075】
第2の実施の形態によれば、スマートフォン100は、接続許可ファイル121aにベンダIDおよびプロダクトIDが登録されたデバイスが接続されると、ベンダIDおよびプロダクトIDに対応するアプリケーションを起動する。そして、スマートフォン100は、アプリケーションにおいてデバイスによる入出力が可能となるようデバイスの設定をする。これにより、スマートフォン100は、デバイスの設定を容易にすることができる。
【0076】
また、スマートフォン100は、接続許可ファイル121aにベンダIDおよびプロダクトIDが登録されたスマートマルチモニタ22が接続されると、ベンダIDおよびプロダクトIDに対応するアプリケーションを起動する。そして、スマートフォン100は、アプリケーションの画面がスマートマルチモニタ22に表示されるよう設定する。これにより、スマートフォン100は、アプリケーションの画面をスマートマルチモニタ22に表示させる設定が容易になる。
【0077】
また、スマートフォン100は、接続許可ファイル121aにベンダIDおよびプロダクトIDが登録されたスマートマルチモニタ22が接続されると、ベンダIDおよびプロダクトIDに対応するRDアプリ130を起動する。これにより、スマートフォン100は、ユーザにスマートマルチモニタ22をノートPCのように使用させることができる。
【0078】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 表示装置
10 携帯端末
11 記憶部
11a リスト
12 処理部
図1
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図12