(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154450
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】バルブ装置及び給湯器
(51)【国際特許分類】
F24H 9/20 20220101AFI20241024BHJP
F16K 27/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F24H9/20 A
F16K27/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068256
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】星崎 心吾
(72)【発明者】
【氏名】横山 武司
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB02
3H051CC11
3H051FF02
(57)【要約】
【課題】逆止弁ユニットの位置合わせが容易なバルブ装置及び給湯器を提供する。
【解決手段】逆止弁ユニット80は、フランジ部86の円弧部861と肉盛部90とが軸方向と平行な方向において重なる姿勢では、円弧部861が肉盛部90と干渉して逆止弁ユニット80の挿入が規制される。フランジ部86の直線部と、肉盛部90の平面部91とが軸方向と平行な方向において重なる姿勢では、フランジ部86が肉盛部90と干渉せずに、ケース81のフランジ部86よりも基端部側に設けられたリブの先端部が肉盛部90の端面93と同一位置となる第1位置までの押し込みが許容される。逆止弁ユニット80をさらに押し込んだとき、リブが溝92に入り込み、ケース81の第1開口部831が、第2円筒部73の内部の接続開口73Aと径方向内側において重なる第2位置にまで逆止弁ユニット80がガイドされる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯回路と浴槽との間に設けられる流路に設けられ、前記浴槽側から前記流路を介して前記給湯回路側への湯水の逆流を防止する為のバルブ装置であって、
円筒状の固定部を有するバルブボディと、
前記固定部の内部に挿入固定される逆止弁ユニットと
を備え、
前記固定部は、
軸方向一端部側に開口して設けられ、前記逆止弁ユニットを挿入する為の入口部と、
内周面の一部に開口して設けられ、前記固定部の内部空間から分岐する分岐流路と接続する為の接続開口と
を備え、
前記逆止弁ユニットは、
円筒状に形成され、内側に二個の逆止弁が軸方向に並んで配設されるケースと、
前記ケースの周壁部に設けられ、前記ケースの内部を流れる湯水を前記ケースの外部に導出する為の開口部と
を備え、
前記ケースにおいて前記開口部よりも、前記固定部の内部の奥側に挿入される先端部側には、前記ケースが前記固定部の内部に挿入固定された状態で、外周端部が前記固定部の前記内周面と当接する略円環状のフランジ部が設けられ、
前記フランジ部の前記外周端部は、
前記固定部の前記内周面に沿った円弧状で、且つ前記内周面に沿って前記固定部の軸方向及び軸回りに摺動可能な円弧部と、
前記円弧部以外の部分であって、前記円弧部の形状に対して非連続な形状である非連続部とを備え、 前記固定部の前記内周面の周方向の一部で且つ前記接続開口と前記周方向に重ならない位置には、前記ケースに対面する側が前記非連続部に対応する非連続面部とされる肉盛部が、前記固定部の前記軸方向一端部より反対側の他端部側に寄った位置から前記他端部に向けて形成され、
前記肉盛部には、前記非連続面部から前記固定部の径方向外側に凹む凹溝が、前記固定部の前記他端部に向けて形成され、
前記凹溝は、前記肉盛部における前記入口部側の端面において前記入口部側に向けて開放され、
前記ケースにおいて前記フランジ部よりも前記先端部とは反対側の基端部側には、径方向外側に突出し且つ前記固定部の前記軸方向に対して平行に延びるリブが形成され、
前記逆止弁ユニットは、
前記フランジ部の前記円弧部と、前記肉盛部とが前記固定部の前記軸方向を中心とする周方向に対して同位相となる姿勢では、前記円弧部が前記肉盛部と干渉して前記逆止弁ユニットの挿入が規制される一方、
前記フランジ部の前記非連続部と、前記肉盛部の前記非連続面部とが前記固定部の前記軸方向を中心とする前記周方向に対して同位相となる姿勢では、前記フランジ部が前記肉盛部と干渉せずに、前記リブの前記フランジ部側の先端部が前記肉盛部における前記入口部側の端面と同一位置となる第1位置までの押し込みが許容され、
前記第1位置から前記逆止弁ユニットをさらに押し込んだときに、前記リブが前記溝に入り込み、前記固定部の内部であって、前記ケースの前記開口部が、前記固定部の前記接続開口と前記径方向内側において重なる第2位置にまで、前記逆止弁ユニットがガイドされること
を特徴とするバルブ装置。
【請求項2】
前記非連続部は、前記外周端部の一部が直線状にカットされたような形状の直線部であって、
前記肉盛部の前記非連続面部は、前記直線部に対応する平面部であること
を特徴とする請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項3】
前記凹溝における前記固定部の前記入口部側の端部は、前記入口部側に向かうにつれて径方向外側に暫時拡幅すること
を特徴とする請求項2に記載のバルブ装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一に記載のバルブ装置を備えたことを特徴とする給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ装置及び給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽に繋がる流路の途中に給湯回路への逆流を防止するバルブ装置(縁切弁ユニット)を備えた給湯器が知られている(例えば特許文献1参照)。バルブ装置は、ケーシングと逆止弁ユニットを備える。逆止弁ユニットは、円筒状部材と二個の逆止弁を備える。円筒状部材には、複数の開口が形成される。二個の逆止弁は、円筒状部材の軸方向に対して直列的に配設される。一方、ケーシングには、円筒状の円筒部が設けられる。円筒部には下流側の出口や縁切弁に通じる複数の流路が接続される。このようなバルブ装置では、逆止弁ユニットの円筒状部材に形成された複数の開口が、ケーシングの円筒部に設けられた複数の流路の入口に重なるように、逆止弁ユニットを円筒部内に挿入固定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、逆止弁ユニットを挿入する際、円筒状部材や円筒部の内周面が視界から隠れてしまうため、正確な位置合わせが難しいという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、逆止弁ユニットの位置合わせが容易なバルブ装置及び給湯器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のバルブ装置は、給湯回路と浴槽との間に設けられる流路に設けられ、前記浴槽側から前記流路を介して前記給湯回路側への湯水の逆流を防止する為のバルブ装置であって、円筒状の固定部を有するバルブボディと、前記固定部の内部に挿入固定される逆止弁ユニットとを備え、前記固定部は、軸方向一端部側に開口して設けられ、前記逆止弁ユニットを挿入する為の入口部と、内周面の一部に開口して設けられ、前記固定部の内部空間から分岐する分岐流路と接続する為の接続開口とを備え、前記逆止弁ユニットは、円筒状に形成され、内側に二個の逆止弁が軸方向に並んで配設されるケースと、前記ケースの周壁部に設けられ、前記ケースの内部を流れる湯水を前記ケースの外部に導出する為の開口部とを備え、前記ケースにおいて前記開口部よりも、前記固定部の内部の奥側に挿入される先端部側には、前記ケースが前記固定部の内部に挿入固定された状態で、外周端部が前記固定部の前記内周面と当接する略円環状のフランジ部が設けられ、前記フランジ部の前記外周端部は、前記固定部の前記内周面に沿った円弧状で、且つ前記内周面に沿って前記固定部の軸方向及び軸回りに摺動可能な円弧部と、前記円弧部以外の部分であって、前記円弧部の形状に対して非連続な形状である非連続部とを備え、前記固定部の前記内周面の周方向の一部で且つ前記接続開口と前記周方向に重ならない位置には、前記ケースに対面する側が前記非連続部に対応する非連続面部とされる肉盛部が、前記固定部の前記軸方向一端部より反対側の他端部側に寄った位置から前記他端部に向けて形成され、前記肉盛部には、前記非連続面部から前記固定部の径方向外側に凹む凹溝が、前記固定部の前記他端部に向けて形成され、前記凹溝は、前記肉盛部における前記入口部側の端面において前記入口部側に向けて開放され、前記ケースにおいて前記フランジ部よりも前記先端部とは反対側の基端部側には、径方向外側に突出し且つ前記固定部の前記軸方向に対して平行に延びるリブが形成され、前記逆止弁ユニットは、前記フランジ部の前記円弧部と、前記肉盛部とが前記固定部の前記軸方向を中心とする周方向に対して同位相となる姿勢では、前記円弧部が前記肉盛部と干渉して前記逆止弁ユニットの挿入が規制される一方、前記フランジ部の前記非連続部と、前記肉盛部の前記非連続面部とが前記固定部の前記軸方向を中心とする前記周方向に対して同位相となる姿勢では、前記フランジ部が前記肉盛部と干渉せずに、前記リブの前記フランジ部側の先端部が前記肉盛部における前記入口部側の端面と同一位置となる第1位置までの押し込みが許容され、前記第1位置から前記逆止弁ユニットをさらに押し込んだときに、前記リブが前記溝に入り込み、前記固定部の内部であって、前記ケースの前記開口部が、前記固定部の前記接続開口と前記径方向内側において重なる第2位置にまで、前記逆止弁ユニットがガイドされることを特徴とする。
【0007】
請求項2のバルブ装置の前記非連続部は、前記外周端部の一部が直線状にカットされたような形状の直線部であって、前記肉盛部の前記非連続面部は、前記直線部に対応する平面部であってもよい。
【0008】
請求項3のバルブ装置の前記凹溝における前記固定部の前記入口部側の端部は、前記入口部側に向かうにつれて径方向外側に暫時拡幅してもよい。
【0009】
請求項4の給湯器は、請求項1から3の何れか一に記載のバルブ装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のバルブ装置によれば、ケースの開口部と、接続開口との軸方向に対する回転角が一致するように逆止弁ユニットを回転させる。すると、フランジ部の非連続部と肉盛部の非連続面部とが対応した姿勢となり、ケースのリブの先端部が肉盛部の端面と同一位置となる第1位置までの押し込みが許容される。第1位置では、リブの先端部は凹溝の基端部と極めて近接した位置にあるので、逆止弁ユニットの姿勢を軸回りに微調整しつつ、さらに押し込むだけでリブが凹溝に入り込み、ケースの開口部が固定部の接続開口の径方向内側に重なる第2位置にまでガイドされる。このようにして、バルブ装置は、逆止弁ユニットを正確且つ容易に位置合わせできる。
【0011】
請求項2のバルブ装置によれば、フランジ部の直線部と肉盛部の平面部とが固定部の軸方向と平行な方向において重なる姿勢にすることで、フランジ部が肉盛部と干渉せずに、ケースを第1位置まで押し込むことができる。
【0012】
請求項3のバルブ装置によれば、第1位置におけるリブの先端部と凹溝の位置ずれを吸収するようにガイドできるので、作業者は位置合わせを容易にできる。
【0013】
請求項4の給湯器によれば、バルブ装置について請求項1から3の何れか一に記載の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】バルブ装置60の左後ろ斜め上方から見た斜視図である。
【
図3】バルブ装置60の左前斜め上方から見た斜視図である。
【
図7】バルブボディ70の左側上方から見た分解斜視図である。
【
図9】バルブボディ70の内側に逆止弁ユニット80の一部が挿入された状態を示す断面図である。
【
図10】
図9の状態から逆止弁ユニット80がさらに挿入された状態(第1位置)を示す断面図である。
【
図11】
図10の状態から逆止弁ユニット80がさらに挿入された状態を示す断面図である。
【
図12】バルブボディ70の内側に逆止弁ユニット80が完全に挿入された状態(第2位置)を示す断面図である。
【
図13】肉盛部900を備えたバルブボディ70(変形例)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に記載される装置構成などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。本実施形態では、図中に示す前後、左右、上下の向きを使用して説明する。また、各図の縮尺は必ずしも相互には一致しておらず、図示する対象に応じて適宜拡大又は縮小している。
【0016】
図1を参照し、給湯器1の内部の回路構成について説明する。給湯器1は筐体(図示略)の内部に給湯回路2と風呂回路3を備える。
【0017】
給湯回路2の構成について説明する。給湯回路2は、入水流路5、バーナ6,7、熱交換器8、出湯流路9、バイパス流路10を備える。入水流路5の水入口13は筐体の下部に設けられる。入水流路5における水入口13の近傍には水抜き栓16が設けられる。水抜き栓16にはストレーナ16Aが設けられる。水抜き栓16よりも下流側には、上流側から順に、分岐部31,32が設けられる。分岐部31では入水流路5から給圧流路12へ分岐し、分岐部32では入水流路5からバイパス流路10へ分岐する。分岐部31と32の間には、水量制御モータ17が設けられる。
【0018】
バーナ6,7と熱交換器8は燃焼室200に設けられる。ガス流路11のガス入口15は筐体の下部に設けられる。ガス流路11はガス入口15から燃焼室200に向かって延び、その途中で分岐流路11Aと11Bに分岐する。分岐流路11Aはバーナ6に向かって延び、分岐流路11Bはバーナ7に向かって延びる。ガス流路11におけるガス入口15の近傍には元ガス電磁弁24が設けられ、その下流側で且つ分岐流路11Aと11Bに分岐する位置よりも上流側にはガス比例弁25が設けられる。分岐流路11Aにはガス電磁弁26Aが設けられ、分岐流路11Bにはガス電磁弁26Bが設けられる。バーナ7の燃焼面の近傍には、イグナイタ18の点火プラグ18Aが設けられる。バーナ6の燃焼面とバーナ7の燃焼面との間には、火炎検出用のフレームロッド27が設けられる。
【0019】
熱交換器8はバーナ6,7の上方に設けられる。熱交換器8の入口には入水流路5の下流側一端部が接続される。熱交換器8はバーナ6,7からの燃焼排気中の熱を回収して通水を加熱する。燃焼室200の上部には排出口201が設けられる。排出口201は熱交換器8を通過した燃焼排気を外部に排出する。燃焼室200の下部には燃焼ファン19が設けられる。燃焼ファン19は燃焼室200の外側から燃焼用の空気を取り込む。出湯流路9は熱交換器8の出口に接続され、その下流側一端部は給湯栓14に接続される。
【0020】
出湯流路9には、湯水が流れる上流側から順に、熱交換器サーミスタ20、分岐部33、給湯逆止弁21、合流部34、出湯サーミスタ22、分岐部35、給湯栓水量センサ23が設けられる。熱交換器サーミスタ20は、熱交換器8の出口直後の湯水の温度を検出する。バイパス流路10は、入水流路5の分岐部32と出湯流路9の合流部34との間に接続される。出湯サーミスタ22は、出湯流路9においてパイパス流路10との合流部34の下流側に設けられ、バイパス流路10内の通水と混合後の湯水の温度を検出する。分岐部33では出湯流路9から差し湯流路42に分岐する。差し湯流路42には、過圧逃し弁兼水抜栓57が設けられ、その下流側には高温差し湯水電磁弁58が設けられる。分岐部35では出湯流路9から湯張流路41に分岐する。
【0021】
風呂回路3の構成について説明する。風呂回路3は、湯張流路41、差し湯流路42、水抜き路43を備える。湯張流路41は出湯流路9の分岐部35と浴槽40に設けられた湯出口40Aとの間に接続される。湯張流路41の途中には合流部55が設けられる。差し湯流路42の下流側一端部は合流部55に接続される。分岐部35と合流部55の間には落し込み水電磁弁44が設けられる。合流部55の下流側には、2つの逆止弁45,46が設けられる。逆止弁45,46の更に下流側には風呂出口サーミスタ47が設けられる。風呂出口サーミスタ47は、浴槽40に供給される湯水の温度を検出する。風呂出口サーミスタ47の更に下流側には、圧力緩衝弁48が設けられる。
【0022】
湯張流路41において、逆止弁45と46の間には分岐部56が設けられる。分岐部56には水抜き路43が接続される。水抜き路43の下流側一端部は縁切弁50の風呂側に接続される。入水流路5の分岐部31に接続された給圧流路12の下流側一端部は、縁切弁50の給湯側に接続される。縁切弁50には排水管51が設けられる。給湯器1では、通常給湯回路2の方が風呂回路3よりも水圧が高いため、縁切弁50は常時閉じられている。仮に風呂回路3側の水圧が高くなって逆止弁46を逆流したとしても、その逆流水は水抜き路43を通過して縁切弁50を開く方向に作用する。よって、逆流水は縁切弁50から排水管51を介して外部に排出される。
【0023】
そして、本実施形態の給湯器1は、上記構成の風呂回路3において、
図1の二点鎖線で示す領域内の構成をバルブ装置60として備える。バルブ装置60の具体的構造については後述する。
【0024】
図1を参照し、給湯器1の給湯動作について説明する。先ず、給湯栓14を開くと、水入口13から流入した水が入水流路5を流れ、熱交換器8に向かう。入水流路5に設けられたトータル水量センサ(図示略)から周波数の信号が出力され、規定周波数に達したことをコントローラ(図示略)が感知すると、燃焼ファン19が回転する。燃焼ファン19が回転してプリパージ後、元ガス電磁弁24、及びガス電磁弁26A,26Bが同時に開き、ガス比例弁25が緩点動作となり、バーナ6,7にガスが供給される。それと同時にイグナイタ18が駆動し、点火プラグ18Aが連続放電してバーナ6,7に点火する。点火後、フレームロッド27にて火炎を検知し燃焼していることを確認すると、緩点火動作を終了する。
【0025】
次いで、ガスの比例制御を開始する。出湯サーミスタ22で検出された湯温と設定温度とに差があると、コントローラがそれを認識し、ガス電磁弁26A,26Bの開閉及びガス比例弁25によってガス量を連続的に変化させて熱交換器8の出口温度を一定に保持する。また、水量制御モータ17により適切な水量に調節することにより、常時安定した出湯温度を保持する。さらに、ガス比例弁25によるガス量の変化に応じて、コントローラから燃焼ファン19のモータへ信号を送り、常時ガス量と空気量の関係を一定に保持する。
【0026】
そして、給湯栓14を閉じるとトータル水量センサの周波数の信号が無くなるので、元ガス電磁弁24、ガス電磁弁26A,26B、ガス比例弁25を閉じてバーナ6,7を消火し、ポストパージ動作に入る。ポストパージ動作がタイムアップすると燃焼ファン19は停止し、給湯動作が終了する。
【0027】
図1を参照し、ふろ自動運転動作について説明する。図示しない浴室リモコン又は台所リモコンの自動スイッチを押すと、落し込み水電磁弁44が開き、給湯燃焼動作を開始する。給湯燃焼動作とは、バーナ6,7にガスが供給されて燃焼することにより熱交換器8で通水が加熱されて出湯流路9に湯水を供給する動作である。出湯流路9を流れる湯水は分岐部35から湯張流路41に流入する。湯水は湯張流路41に沿って流れ、逆止弁45,46を通過して湯出口40Aから浴槽40内に流入する。
【0028】
ここで、ふろ自動運転動作中に給湯栓14を開くと、コントローラが給湯栓水量センサ23から出力される周波数の信号を検出する。この場合、コントローラはふろ自動運転を中断すると共に給湯動作に切り替える。給湯栓14を閉じると、コントローラはふろ自動運転を再開する。トータル水量センサで検出した水量の積算が落し込み設定湯量に達すると、落し込み水電磁弁44が閉じる。これによりトータル水量センサからの周波数の信号が無くなるので、給湯燃焼動作が停止する。
【0029】
図1を参照し、高温水供給動作(差湯動作)について説明する。図示しない浴室リモコン又は台所リモコンの差湯スイッチを長押しすると、高温差し湯水電磁弁58が開き、給湯燃焼動作を開始する。この場合、約80℃の高温の湯水が出湯流路9の分岐部33から差し湯流路42を流れ、合流部55から湯張流路41に流入する。高温の湯水が湯張流路41を流れ、逆止弁45,46を通過して湯出口40Aから浴槽40に流入する。
【0030】
ここで、高温水供給動作中に給湯栓14を開くと、コントローラが給湯栓水量センサ23から出力される周波数の信号を検出する。この場合、コントローラは高温水供給動作を中断すると共に給湯動作に切り替える。このとき、高温の湯水は、バイパス流路10から出湯流路9を経由して分岐部35から湯張流路41に流れる水と混合されて、給湯栓14から供給される。給湯栓14を閉じると、高温水供給動作を再開する。
【0031】
そして、トータル水量センサで検出した水量の積算が差湯設定湯量に達すると、給湯燃焼動作が停止し、差し湯流路42及び湯張流路41内に残存する高温の湯水をパージする。さらに、熱交換器サーミスタ20が検出する湯温が所定値以下まで下がったことを確認してから高温差し湯水電磁弁58を閉じる。これにより高温水供給動作が停止する。
【0032】
図2~
図4を参照し、バルブ装置60の構造について説明する。バルブ装置60は湯張流路41の途中に設けられ、浴槽40への湯水の供給を行うとともに、浴槽40側から湯張流路41を介して給湯回路2側への湯水の逆流を防止する装置である。バルブ装置60はバルブボディ70を備える。バルブボディ70は左右方向に延びる略筒状に形成され、内部に第1流路701と第2流路702を備える。第1流路701は左右方向に延びる。第2流路702は第1流路701の左端部から下方に延びる。バルブボディ70の内部には後述の逆止弁ユニット80(
図6参照)が左方から挿入される。バルブボディ70の下側部の左端側には流出口791(
図4参照)が設けられる。流出口791は下方に向けて開口し、第2流路702の下端部と連通する。
【0033】
バルブボディ70の右端部の前側部には構造体61が前方から固定される。構造体61は流入口611と第3流路703を備える。流入口611は前方に開口する。第3流路703は流入口611から後方に延び、第1流路701の右端部と連通する。これら第1流路701、第2流路702、第3流路703は湯張流路41の中間部を形成する。バルブボディ70の後側部の右端側には、落し込み水電磁弁44と高温差し湯水電磁弁58が横並びに固定される。
【0034】
バルブボディ70の前側部の左端側には構造体63が前方から固定される。構造体63の内部には水抜き路43と縁切弁50(
図1参照)が設けられる。水抜き路43は第1流路701(湯張流路41)と分岐部56にて接続する。縁切弁50は水抜き路43の下流側に設けられる。構造体63の下部には開口部631(
図4参照)が設けられる。開口部631は下方に向けて開口し、縁切弁50の給湯側と連通する。開口部631には、給圧流路12を内部に備える配管(図示略)が接続される。
【0035】
図5~
図8を参照し、バルブボディ70の具体的形状について説明する。
図5に示すように、バルブボディ70は本体筒部71を備える。本体筒部71は左右方向に延びる略筒状であって、第1円筒部72と第2円筒部73を同軸上に備える。第1円筒部72は本体筒部71の右側部と中央部を構成し、第2円筒部73は本体筒部71の左側部を構成する。
【0036】
第1円筒部72は左右方向に延びる略円筒状に形成され、その内側には第1流路701が設けられる。第1円筒部72は、湯水流入部74、差し湯流入部75、流出部76、弁固定部77,78を備える。湯水流入部74は第1円筒部72の上側部の右端側に設けられ、前後方向に延びる略円筒状に形成される。湯水流入部74の前端部には前方に向けて開口する流入口741が設けられる。流入口741は第1流路701の右端部と連通する。流入口741には湯張流路41を流れる湯水が流入する。湯水流入部74の流入口741には上記の構造体61(
図2参照)が前方から固定される。
【0037】
差し湯流入部75は第1円筒部72の上側部の左右方向の中央部に設けられ、前後方向に延びる略円筒状に形成される。差し湯流入部75の前端部には前方に向けて開口する流入口751が設けられる。流入口751には、差し湯流路42(
図2参照)を流れる高温の差し湯水が流入する。流入口751には、差し湯流路42を内部に備える配管(図示略)が固定される。流出部76は第1円筒部72の前側部の左端側に設けられ、前後方向に延びる略円筒状に形成される。流出部76の前端部には前方に向けて開口する流出口761が設けられる。流出口761からは湯張流路41の分岐部56(
図1参照)から流れる湯水が流出する。流入口751には上記の構造体63(
図2参照)が前方から固定される。
【0038】
弁固定部77は、第1円筒部72の右端側の後部に設けられる。弁固定部77には落し込み水電磁弁44が後方から固定される。弁固定部78は、第1円筒部72の左右方向の中央側の後部に設けられる。弁固定部78には高温差し湯水電磁弁58が後方から固定される。
【0039】
第2円筒部73は第1円筒部72よりも短軸且つ大径で左右方向に延びる略円筒状に形成され、その内側には第1流路701の下流側が設けられる。第2円筒部73の左端部には円形状の入口部731(
図6参照)が設けられる。入口部731は左方に向けて開口する。その入口部731の内側には、後述の逆止弁ユニット80が左方から第2円筒部73の奥側に向けて挿入される。
【0040】
第2円筒部73は円筒部730と湯水流出部79を備える。円筒部730は第2円筒部73の後側部から後方に突出して設けられる。円筒部730の内側には圧力緩衝弁48(
図2参照)が収納される。湯水流出部79は第2円筒部73の下部に設けられ、略直方体状に形成される。湯水流出部79の内部には第2流路702が設けられ、第2円筒部73の内側の第1流路701と接続する。湯水流出部79の下面には、底面視円形状の流出口791(
図4参照)が設けられる。流出口791は第2流路702と連通する。
【0041】
湯水流出部79の前面には正面視横長矩形状のセンサ固定部793が前方に突出して設けられる。センサ固定部793の略中央には正面視円形状の差込穴794(
図5参照)が設けられる。その差込穴794の左隣には固定穴795が設けられる。差込穴794には風呂出口サーミスタ47(
図3,
図4参照)が前方から差し込まれると共に、センサ固定部793の前面にはその風呂出口サーミスタ47を後方に向けて支持する為の支持板64が設置される。支持板64の左端部には固定穴(図示略)が設けられ、その固定穴を介してネジ95(
図3参照)がセンサ固定部793の固定穴795に前方から締結されることにより、支持板64がセンサ固定部793の前面に固定される。この状態で、風呂出口サーミスタ47の先端部に設けられた検温部(図示略)は、湯水流出部79の内部の第2流路702に向けて配置される。
【0042】
図6,
図7に示すように、第2円筒部73の内周面732は円筒状に形成される。内周面732には、接続開口73A、開口73B、肉盛部90が設けられる。接続開口73Aは内周面732における下側で且つ右端寄りの位置に設けられる。接続開口73Aは略円形状の穴であって上下方向に貫通する。それ故、第2円筒部73の内部空間は、接続開口73Aを介して湯水流出部79の内部に設けられた第2流路702に分岐して接続する。開口73Bは内周面732における後ろ側で且つ右端寄りの位置に設けられる。開口73Bは略円形状の小穴であって前後方向に貫通する。それ故、第2円筒部73の内部に設けられた第1流路701は、開口73Bを介して円筒部730の内部空間に分岐して接続する。
【0043】
肉盛部90は内周面732における前側で且つ右端寄りの位置に設けられる。肉盛部90は軸方向から見て略半月状に形成され、左右方向に延設される。肉盛部90は平面部91と凹溝92を備える。平面部91は肉盛部90の内面(第2円筒部73の内側に対向する左面)に設けられ、第2円筒部73の内部空間の前側に配置される。凹溝92は平面部91の左端から右方に向かって上下方向の幅の中心線に沿って設けられ、前方に向かって凹む。凹溝92の右端は、平面部91の右端の位置よりも左方であって、平面部91の左右方向の中間位置よりもやや右方に位置する。凹溝92の左端は肉盛部90の左側の端面93を左右方向に貫通する。このような肉盛部90は、逆止弁ユニット80を周方向において位置決めする機能を備える。
【0044】
図6~
図8を参照し、逆止弁ユニット80の構造について説明する。逆止弁ユニット80は、ケース81、二個の逆止弁45,46、蓋部82を備える。ケース81は左右方向に延びる略円筒状に形成され、大径部83と小径部84を同軸上に備える。大径部83はケース81の左側、小径部84はケース81の右側に位置する。小径部84は大径部83の径よりも小さい。逆止弁46はケース81の内側に収納される。逆止弁45は逆止弁46の右側で且つ直列に配置され、その軸方向の先端側が小径部84の内側に収納される。それ故、逆止弁45の軸方向の後端側は小径部84の内側から右方に突出する。大径部83の右側の開口端には蓋部82が左方から固定される。
【0045】
大径部83の周壁部には、リブ87、第1開口部831、第2開口部832、第3開口部833、フランジ部86が設けられる。リブ87は、周壁部の外周面の前側部に沿って大径部83の左端から右方に向かって延設され、径方向外側に向かって突出する。リブ87の断面形状は、肉盛部90の凹溝92の溝形状に対応する。リブ87の左右方向の長さは、凹溝92の左右方向の長さと略同一である。第1開口部831は周壁部の下側部に設けられる。第1開口部831は、逆止弁ユニット80がバルブボディ70の第2円筒部73の内側に挿入されたときに、第2円筒部73の内周面732に設けられた接続開口73Aに対向配置される。第2開口部832は周壁部の上側部に設けられる。第3開口部833は周壁部の後側部に設けられる。第3開口部833は、逆止弁ユニット80がバルブボディ70の第2円筒部73の内側に挿入されたときに、第2円筒部73の内周面732に設けられた開口73Bに対向配置される。
【0046】
フランジ部86は周壁部の右端側に設けられ、径方向外側に突出する。フランジ部86の軸方向から見た形状は略円環状である。フランジ部86の外周端部は、円弧部861と直線部862を備える。円弧部861は、第2円筒部73の内周面732に沿った円弧状であり、内周面732に沿って第2円筒部73の軸方向及び軸回りに摺動可能な部位である。直線部862は、フランジ部86の外周端部のうち円弧部861以外の直線部分であり、肉盛部90の平面部91に対応する。直線部862は、肉盛部90の平面部91に沿って第2円筒部73の軸方向に摺動可能な部位である。ゴムパッキン85は、小径部84の外周部に装着され、大径部83と小径部84との境界部分である段部830(
図9参照)に対して右方から係止する。
【0047】
図6~
図12を参照し、バルブボディ70の内側に対する逆止弁ユニット80の挿入方法について説明する。
図6~
図8に示すように、組立作業者は先ず、バルブボディ70の第2円筒部73の入口部731に対して、逆止弁ユニット80を軸方向の先端側から挿入する。逆止弁ユニット80の先端側とは逆止弁45側である。逆止弁ユニット80が第2円筒部73の軸方向に沿って移動することに伴い、逆止弁ユニット80のケース81の外周面が第2円筒部73の内周面を軸方向に摺動する。
【0048】
そして、逆止弁ユニット80のケース81に設けられた第1開口部831と、バルブボディ70の第2円筒部73に設けられた接続開口73Aとの軸方向に対する回転角が一致するように逆止弁ユニット80を軸回りに回転させる(
図9参照)。このとき、フランジ部86の直線部862と、肉盛部90の平面部91とが、バルブボディ70の第2円筒部73の軸方向を中心とする周方向に対して同位相となるように回転させればよい。これにより、フランジ部86が肉盛部90の端面93と干渉せずに、ケース81の外周面の前側部に設けられたリブ87の先端部が肉盛部90の端面93と同一位置となる第1位置までの押し込みが許容される(
図10参照)。
【0049】
そして、第1位置では、リブ87の先端部は凹溝92の基端部(左端部)と極めて近接した位置にある。そこで、
図11に示すように、逆止弁ユニット80の姿勢を軸回りに微調整しつつ、さらに奥側に押し込むだけでリブ87が凹溝92に入り込み、ケース81の第1開口部831が、バルブボディ70の第2円筒部73の接続開口73Aの径方向内側に重なる第2位置にまでガイドされる。そして、蓋部82が第2円筒部73の左側の開口端に係止することで、逆止弁ユニット80全体がバルブボディ70の内側に挿入される(
図12参照)。このとき、本体筒部71の内側において、第1円筒部72と第2円筒部73との境界の段部721に対し、逆止弁ユニット80の大径部83と小径部84の境界の段部830がゴムパッキン85を介して密着する。このようにして、バルブ装置60は、逆止弁ユニット80を正確且つ容易に位置合わせできる。最後に、バルブボディ70の第2円筒部73の入口部731に対して、板状の蓋部62(
図2,
図3参照)を固定することで、逆止弁ユニット80の取り付けが完了する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の給湯器1はバルブ装置60を備える。バルブ装置60は、給湯回路2と浴槽40との間に設けられる湯張流路41に設けられ、浴槽40側から湯張流路41を介して給湯回路2側への湯水の逆流を防止する為の装置である。バルブ装置60はバルブボディ70と逆止弁ユニット80を備える。バルブボディ70は第2円筒部73を備える。逆止弁ユニット80は第2円筒部73の内部に挿入固定される。第2円筒部73は入口部731と接続開口73Aを備える。入口部731は、第2円筒部73の軸方向一端部側に開口して設けられ、逆止弁ユニット80を内側に挿入する。接続開口73Aは内周面732の一部に開口して設けられ、第2円筒部73の内部空間に形成される第1流路701から分岐する第2流路702と接続させる。
【0051】
逆止弁ユニット80は、ケース81と第1開口部831を備える。ケース81は円筒状に形成され、内側に二個の逆止弁45,46が軸方向に並んで配設される。第1開口部831はケース81の周壁部に設けられ、ケース81の内部を流れる湯水をケース81の外部に導出する。ケース81の先端部側は、第1開口部831よりも第2円筒部73の内部の奥側に挿入される部分である。そのケース81の先端部側には、フランジ部86が設けられる。フランジ部86は略円環状であり、ケース81が第2円筒部73の内部に挿入固定された状態で、その外周端部が第2円筒部73の内周面732と当接する。フランジ部86の外周端部は、円弧部861と直線部862を備える。円弧部861は、第2円筒部73の内周面732に沿った円弧状で、且つ内周面732に沿って第2円筒部73の軸方向及び軸回りに摺動可能な部分である。直線部862は円弧部861以外の部分であって、円弧部861の形状に対して非連続な形状の部分である。
【0052】
第2円筒部73の内周面732の周方向の一部で且つ接続開口73Aと周方向に重ならない位置には、肉盛部90が設けられる。肉盛部90はケース81に対面する側が直線部862に対応する平面部91とされる。肉盛部90は第2円筒部73の軸方向一端部より反対側の他端部側に寄った位置から他端部に向けて形成される。肉盛部90には、凹溝92が第2円筒部73の他端部に向けて形成される。凹溝92は平面部91から第2円筒部73の径方向外側に凹む。凹溝92は、肉盛部90における入口部731側の端面93において入口部731側に向けて開放される。
【0053】
ケース81においてフランジ部86よりも基端部側には、リブ87が形成される。逆止弁ユニット80は、フランジ部86の円弧部861と肉盛部90とが第2円筒部73の軸方向を中心とする周方向に対して同位相となる姿勢では、円弧部861が肉盛部90と干渉して逆止弁ユニット80の挿入が規制される。その一方、フランジ部86の直線部862と、肉盛部90の平面部91とが第2円筒部73の軸方向を中心とする周方向に対して同位相となる姿勢では、フランジ部86が肉盛部90と干渉せずに、リブ87の先端部が肉盛部90の端面93と同一位置となる第1位置までの押し込みが許容される。そして、第1位置から逆止弁ユニット80をさらに押し込んだときに、リブ87が凹溝92に入り込み、第2円筒部73の内部であって、ケース81の第1開口部831が、第2円筒部73の接続開口73Aと径方向内側において重なる第2位置にまで、逆止弁ユニット80がガイドされる。
【0054】
上記説明において、バルブボディ70の第2円筒部73は本発明の「固定部」の一例である。逆止弁45,46は本発明の「二個の逆止弁」の一例である。ケース81の周壁部に設けられた第1開口部831は本発明の「開口部」の一例である。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態の給湯器1は熱交換器が一つである顕熱回収型であるが、熱交換器を2つ備えた潜熱回収型であってもよい。また給湯器1は高温差湯が可能なものであるが、必須な構成ではなく、それ以外の給湯器にも適用可能である。例えば浴槽40内の湯を追い炊き可能な循環加熱回路を備えた給湯器であってもよい。また、配管構成、電磁弁等の各種部品の数、配置等についても適時変更可能である。
【0056】
上記実施形態の肉盛部90の平面部91に設けられた凹溝92の溝幅は、長さ方向の一端部から他端部まで同一幅であるが、入口部731側である左端部において、入口部731側に向かうにつれて暫時拡幅させてもよい。例えば
図13に示す変形例である肉盛部900の平面部910には凹溝920が設けられる。凹溝920は入口部731側である左端部921において、入口部731側に向かうにつれて暫時拡幅する。これにより、第1位置におけるリブ87の先端と凹溝920の位置ずれを吸収するようにガイドできるので、作業者は位置合わせを容易にできる。
【0057】
上記実施形態では、逆止弁ユニット80のフランジ部86は、外周端部の「非連続部」の一例として直線部862を備え、肉盛部90は、非連続部に対応する「非連続面部」の一例として平面部91を備えるが、これら以外の非連続部及び非連続面部の形状であってもよい。例えばフランジ部86の「非連続部」を波形状とし、それに対応する肉盛部90の非連続面部の形状を波状面としてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 給湯器
2 給湯回路
40 浴槽
41 湯張流路
45,46 逆止弁
60 バルブ装置
70 バルブボディ
71 本体筒部
73 第2円筒部
73A 接続開口
80 逆止弁ユニット
81 ケース
86 フランジ部
87 リブ
90 肉盛部
91 平面部
92 凹溝
93 端面
731 入口部
732 内周面
831 第1開口部
861 円弧部
862 直線部
900 肉盛部
910 平面部
920 凹溝