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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154472
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電力管理システム及び電力管理方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20241024BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20241024BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20241024BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20241024BHJP
   H02J 3/04 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J3/46
H02J13/00 301A
H02J3/04
H02J13/00 311R
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068280
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】馬場 朗
(72)【発明者】
【氏名】茶山 将慶
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健一
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
5G064AC09
5G064CB12
5G064DA01
5G066AA04
5G066HA15
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA07
5G066JB03
(57)【要約】
【課題】住宅間での電力融通を容易に行うことができる電力管理システム等を提供する。
【解決手段】電力管理システム1は、共通の受電点P1を介して同一の送配電網に接続された複数の分散型電源システム間の電力融通を管理する電力管理システムであって、第1分散型電源システムは、第1太陽電池11及び第1蓄電池13を含み、第1需要家10に設けられ、第2分散型電源システムは、第2太陽電池21及び第2蓄電池23を含み、第1需要家10とは異なる第2需要家20に設けられ、受電点P1を計測した第1電流値に基づいて、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の間での電力融通を行わせ、かつ、第1需要家10及び第2需要家20の一方を計測した第2電流値に基づいて、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方に充電又は放電を行わせるための制御を行う制御部(例えば、サーバ(50))を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の受電点を介して同一の送配電網に接続された第1分散型電源システム及び第2分散型電源システムを有する複数の分散型電源システム間の電力融通を管理する電力管理システムであって、
前記第1分散型電源システムは、第1太陽電池及び第1蓄電池を含み、第1需要家に設けられ、
前記第2分散型電源システムは、第2太陽電池及び第2蓄電池を含み、前記第1需要家とは異なる第2需要家に設けられ、
前記電力管理システムは、
前記受電点を計測した第1電流値に基づいて、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の間での電力融通を行わせ、かつ、前記第1需要家及び前記第2需要家の一方を計測した第2電流値に基づいて、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の一方に充電又は放電を行わせるための制御を行う制御部を備える
電力管理システム。
【請求項2】
前記第1電流値に基づいて、前記第1蓄電池が前記第2蓄電池と電力融通を行い、かつ、前記第2需要家の前記第2電流値に基づいて、前記第2蓄電池に充電又は放電を行わせる第1制御状態と、前記第1電流値に基づいて、前記第2蓄電池が前記第1蓄電池と電力融通を行い、かつ、前記第1需要家の前記第2電流値に基づいて、前記第1蓄電池に充電又は放電を行わせる第2制御状態とを切り替えるための切り替え部を備える
請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記切り替え部は、前記第1電流値を計測する第1電流センサ及び前記第2電流値を計測する第2電流センサと、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池との接続を切り替えるスイッチ部を含み、
前記第1電流センサは、前記受電点付近に配置され、
前記第2電流センサは、前記第1需要家及び前記第2需要家のそれぞれに配置される
請求項2に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1制御状態の場合、前記第1電流センサと前記第1蓄電池とを接続し、かつ、前記第2電流センサと前記第2蓄電池とを接続するように前記スイッチ部を切り替え、前記第2制御状態の場合、前記第1電流センサと前記第2蓄電池とを接続し、かつ、前記第2電流センサと前記第1蓄電池とを接続するように前記スイッチ部を切り替える
請求項3に記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記切り替え部として、前記第1需要家を計測した第3電流値及び前記第2需要家を計測した第4電流値に基づいて前記第1電流値及び前記第2電流値を算出する算出方法を変更することで、前記第1制御状態及び前記第2制御状態を切り替える
請求項2に記載の電力管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1制御状態の場合、前記第3電流値及び前記第4電流値を加算することで前記第1電流値を算出し、算出した前記第1電流値を前記第1蓄電池に通知し、かつ、前記第4電流値を前記第2電流値とし、前記第2電流値を前記第2蓄電池に通知し、
前記第2制御状態の場合、前記第3電流値及び前記第4電流値を加算することで前記第1電流値を算出し、算出した前記第1電流値を前記第2蓄電池に通知し、かつ、前記第3電流値を前記第2電流値とし、前記第2電流値を前記第1蓄電池に通知する
請求項5に記載の電力管理システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の一方の充電開始時刻又は充電終了時刻に基づいて、前記第1制御状態及び前記第2制御状態を切り替える
請求項2~6のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の一方の放電開始時刻又は放電終了時刻に基づいて、前記第1制御状態及び前記第2制御状態を切り替える
請求項2~6のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の一方の電池残量が閾値を超過する又は前記電池残量が前記閾値を下回ることに基づいて、前記第1制御状態及び前記第2制御状態を切り替える
請求項2~6のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の一方の充電電力量が閾値を超過する又は前記充電電力量が前記閾値を下回ることに基づいて、前記第1制御状態及び前記第2制御状態を切り替える
請求項2~6のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の一方の放電電力量が閾値を超過する又は前記放電電力量が前記閾値を下回ることに基づいて、前記第1制御状態及び前記第2制御状態を切り替える
請求項2~6のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記複数の分散型電源システムにおける余剰電力量の予測値に基づいて、前記第1制御状態及び前記第2制御状態を切り替える
請求項2~6のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項13】
前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の少なくとも一方は、電気自動車に搭載され、
前記制御部は、前記電気自動車に搭載された蓄電池の接続情報に基づいて、前記第1制御状態及び前記第2制御状態を切り替える
請求項2~6のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項14】
前記制御部は、前記第1需要家又は前記第2需要家において所定の機器が起動又は停止したことに基づいて、前記第1制御状態及び前記第2制御状態を切り替える
請求項2~6のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項15】
前記制御部は、前記第1制御状態から前記第2制御状態に切り替える場合、前記第1蓄電池に入力される電流値を前記第1電流値から前記第1需要家を計測した前記第2電流値に切り替えた後、前記第2蓄電池に入力される電流値を前記第2需要家を計測した前記第2電流値から前記第1電流値に切り替える
請求項2~6のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項16】
前記複数の分散型電源システムは、第3太陽電池及び第3蓄電池を含み、前記第1需要家及び前記第2需要家とは異なる第3需要家に設けられる第3分散型電源システムを有し、
前記制御部は、前記第1蓄電池、前記第2蓄電池及び前記第3蓄電池のうち一の蓄電池に、前記一の蓄電池が設けられる需要家を計測した第5電流値を通知し、他の一の蓄電池に、前記第1需要家を計測した電流値、前記第2需要家を計測した電流値及び前記第3需要家を計測した電流値を加算した第6電流値を通知する
請求項1~6のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項17】
前記第1蓄電池、前記第2蓄電池及び前記第3蓄電池のそれぞれは、互いに異なる電流値を参照する
請求項16に記載の電力管理システム。
【請求項18】
前記制御部は、前記第1蓄電池、前記第2蓄電池及び前記第3蓄電池それぞれを接続する配電線の長さに応じて、前記電力融通を行う蓄電池を決定する
請求項16に記載の電力管理システム。
【請求項19】
前記制御部は、前記第1蓄電池において前記電力融通を行う場合、前記第2蓄電池及び前記第3蓄電池のうち前記第1蓄電池と接続される配電線の長さが短い蓄電池を、前記電力融通を行う蓄電池として決定する
請求項18に記載の電力管理システム。
【請求項20】
共通の受電点を介して同一の送配電網に接続された第1分散型電源システム及び第2分散型電源システムを有する複数の分散型電源システム間の電力融通を管理する電力管理方法であって、
前記第1分散型電源システムは、第1太陽電池及び第1蓄電池を含み、第1需要家に設けられ、
前記第2分散型電源システムは、第2太陽電池及び第2蓄電池を含み、前記第1需要家とは異なる第2需要家に設けられ、
前記電力管理方法は、
前記受電点を計測した第1電流値に基づいて、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の間での電力融通を行わせ、かつ、前記第1需要家及び前記第2需要家の一方を計測した第2電流値に基づいて、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の一方に充電又は放電を行わせるための制御を行う
電力管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理システム及び電力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電池等を備える複数の住宅間(需要家間)で電力を融通し合うシステムが検討されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-137306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
住宅同士で電力を融通する場合、余剰電力の量(余剰電力量)を算出する場合があるが、余剰電力の量は時々刻々と変化するので、余剰電力の量の変化に追従して蓄電池の充放電量を制御することが困難である。また、電力融通を行う住宅の数が増加すると、最適な充放電量を計算することが困難である。このように、従来では、住宅間での電力融通を容易に行うことが困難である。
【0005】
そこで、本発明は、住宅間での電力融通を容易に行うことができる電力管理システム及び電力管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電力管理システムは、共通の受電点を介して同一の送配電網に接続された第1分散型電源システム及び第2分散型電源システムを有する複数の分散型電源システム間の電力融通を管理する電力管理システムであって、前記第1分散型電源システムは、第1太陽電池及び第1蓄電池を含み、第1需要家に設けられ、前記第2分散型電源システムは、第2太陽電池及び第2蓄電池を含み、前記第1需要家とは異なる第2需要家に設けられ、前記電力管理システムは、前記受電点を計測した第1電流値に基づいて、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の間での電力融通を行わせ、かつ、前記第1需要家及び前記第2需要家の一方を計測した第2電流値に基づいて、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の一方に充電又は放電を行わせるための制御を行う制御部を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る電力管理方法は、共通の受電点を介して同一の送配電網に接続された第1分散型電源システム及び第2分散型電源システムを有する複数の分散型電源システム間の電力融通を管理する電力管理方法であって、前記第1分散型電源システムは、第1太陽電池及び第1蓄電池を含み、第1需要家に設けられ、前記第2分散型電源システムは、第2太陽電池及び第2蓄電池を含み、前記第1需要家とは異なる第2需要家に設けられ、前記電力管理方法は、前記受電点を計測した第1電流値に基づいて、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の間での電力融通を行わせ、かつ、前記第1需要家及び前記第2需要家の一方を計測した第2電流値に基づいて、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池の一方に充電又は放電を行わせるための制御を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、住宅間での電力融通を容易に行うことができる電力管理システム等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る電力管理システムの構成を示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係る電力管理システムの動作を示すフローチャートである。
図3図3は、実施の形態1の変形例に係る電力管理システムの構成を示す図である。
図4A図4Aは、実施の形態2に係る電力管理システムの構成の一例を示す図である。
図4B図4Bは、実施の形態2に係る電力管理システムの構成の他の一例を示す図である。
図5A図5Aは、実施の形態3に係る電力管理システムの構成の第1例を示す図である。
図5B図5Bは、実施の形態3に係る電力管理システムの構成の第2例を示す図である。
図5C図5Cは、実施の形態3に係る電力管理システムの構成の第3例を示す図である。
図5D図5Dは、実施の形態3に係る電力管理システムの構成の第4例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0011】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0013】
また、本明細書において、等しいなどの要素間の関係性を示す用語、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(あるいは、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
【0014】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0015】
また、各構成要素の「接続」とは、電気的な接続を意味し、2つの構成要素が直接的に接続される場合だけでなく、2つの構成要素の間に他の構成要素を挿入した状態で2つの構成要素が間接的に接続される場合も含まれる。
【0016】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係る電力管理システムについて、図1及び図2を参照しながら説明する。電力管理システムは、共通の受電点を介して同一の送配電網に接続された複数の分散型電源システム間の電力融通を管理するシステムである。まずは、複数の分散型電源システムが第1分散型電源システム及び第2分散型電源システムの2つの分散型電源システムを有し、当該2つの分散型電源システムの間で電力融通を行う場合について説明する。
【0017】
[1-1.電力管理システムの構成]
まずは、本実施の形態に係る電力管理システム1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る電力管理システム1の構成を示す図である。
【0018】
図1に示すように、第1需要家10に設けられる第1分散型電源システムと、第2需要家20に設けられる第2分散型電源システムと、電流センサ30~32と、クロスバスイッチ40と、サーバ50と、電力メータ60(図1に示す「M0」)とを備える。
【0019】
第1分散型電源システムは、第1需要家10に設けられ、第1太陽電池11と、電力変換システム12(図1に示す「PCS」)と、第1蓄電池13(図1に示す「SB」)と、分電盤(図示しない)とを有する。また、第1需要家10は、電力メータ14(図1に示す「M1」)を有し、電力を消費する機器による電力需要15が存在する。
【0020】
第2分散型電源システムは、第2需要家20に設けられ、第2太陽電池21と、電力変換システム22(図1に示す「PCS」)と、第2蓄電池23(図1に示す「SB」)と、分電盤(図示しない)とを有する。また、第2需要家20は、電力メータ24(図1に示す「M1」)を有し、電力を消費する機器(負荷設備)による電力需要25が存在する。
【0021】
第1需要家10及び第2需要家20は、互いに異なる住宅の需要家であり、共通の受電点P1を介して、小売電気事業者70から電力の供給を受けることが可能であり、かつ、余剰電力を受電点P1を介して小売電気事業者70に売電することが可能である。電力管理システム1が管理する第1需要家10及び第2需要家20を含む複数の需要家、受電点P1を介して一括受電する需要家群を構成する。一括受電する需要家群の中では、電力のやりとりが可能である。
【0022】
なお、一括受電の単位は特に限定されないが、例えば街区単位であってもよい。また、受電点P1は、電力系統から複数の需要家が一括して電力を受ける位置に対応し、複数の需要家で共通の受電点である。受電点P1は、例えば、引込開閉器盤(低圧)、又は、受電設備(高圧)が配置される位置であってもよい。また、受電点P1は、複数の需要家で構成される需要家群に属する範囲と電力系統に属する範囲との間の責任分解点などであってもよい。
【0023】
第1需要家10は、電力メータ14により計測された電力量に応じた電気料金を支払うように小売電気事業者70と契約している需要家である。また、第2需要家20は、電力メータ24により計測された電力量に応じた電気料金を支払うように小売電気事業者70と契約している需要家である。なお、例えば、電力メータ14又は24で計測された売電電力は、小売電気事業者70が当該需要家から買い取るように契約されている。
【0024】
第1需要家10及び第2需要家20の構成は同じであり、以下では主に第1需要家10の構成について説明する。
【0025】
第1太陽電池11は、光起電力効果を利用して、光エネルギーを電気エネルギー(電力)に変換する電力機器である。第1太陽電池11は、分散型電源の一例である。
【0026】
電力変換システム12は、パワーコンディショナとも称され、第1太陽電池11で生成された直流電力を交流電力へ変換する。
【0027】
第1蓄電池13は、充電及び放電が可能な装置であり、家庭用の蓄電池であってもよいし、EV(Electric Vehicle:電気自動車)等に搭載される車両用の蓄
電池であってもよい。なお、第1蓄電池13が車両用の蓄電池である場合、EV用の充電器(又は充放電器)を介して第1蓄電池13が充電(又は充放電)される。
【0028】
なお、第1蓄電池13及び第2蓄電池23は、一方から他方に電力融通が可能なように配電線により接続されている。
【0029】
電力メータ14は、小売電気事業者70から第1需要家10に供給された(つまり、第1需要家10が小売電気事業者70から購入した)電力を計測する電力センサである。また、第1太陽電池11で生成された余剰電力は、電力メータ14を介して小売電気事業者70などに売電される。つまり、電力メータ14は、売電電力も計測する。電力メータ14は、いわゆるスマートメータであってもよい。
【0030】
電力需要15は、例えば、宅内に設けられた家電機器、ヒートポンプ技術を使って空気の熱でお湯を沸かす家庭用給湯システムなどの電力を消費する機器を使用することにより生じる。なお、家庭用給湯システムは、所定の機器の一例である。
【0031】
第1需要家10の第1蓄電池13、及び、第2需要家20の第2蓄電池23のそれぞれは、環境優先動作で動作可能である。環境優先動作とは、第1蓄電池13を例に説明すると、電力メータ14の計測電流が正(順潮電流)の場合(買電している場合)、この電流が小さくなるように(買電電力を減らすように)第1蓄電池13が放電し、計測電流が負(逆潮電流)の場合(逆潮売電している場合)、この電流が大きくなるように(逆潮売電を減らすように)第1蓄電池13が充電することである。環境優先動作とは、電力メータ14での計測電力をゼロに近づけるように第1蓄電池13が充放電することである。
【0032】
電流センサ30~32のそれぞれは、所定位置を流れる電流を計測する。電流センサ30~32のそれぞれは、例えば、変流器と当該変流器に接続された電流計とを有する。また、電流センサ30~32のそれぞれは、例えば、住宅の外部に配置される。例えば、電流センサ30~32のそれぞれは、住宅の分電盤と受電点P1との間の配電線に配置される。
【0033】
電流センサ30は、受電点P1又は受電点P1付近に設けられ、当該受電点P1を流れる電流を計測する。つまり、電流センサ30は、受電点P1から第1需要家10及び第2需要家20側(下流側)へ流れる電流の合計値、及び、第1需要家10及び第2需要家20から受電点P1側(上流側)へ流れる電流の合計値を計測する。電流センサ30は第1センサの一例であり、電流センサ30が計測した電流値は第1電流値の一例である。
【0034】
なお、上記で説明したFIT制度では、太陽光由来の電力しか売電できないこととなっており、それがFIT制度を利用する条件となっている。そのため、第1蓄電池13及び第2蓄電池23から電力が逆潮してないことが重要である。例えば、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の間で電力を融通する場合に、第1蓄電池13及び第2蓄電池23のうち放電する蓄電池からの電力が電力メータ60を通過しないことを保証することが重要である。電力メータ60より下流側(需要家群側)であって、複数の需要家全てに共通の配電線部分に電流センサ30が配置されるので、電力管理システム1では、複数の需要家が有する複数の蓄電池のそれぞれにおいて逆潮が発生していないことを計測により確認することができる。つまり、電力管理システム1は、FIT制度を利用する条件を満たしている。
【0035】
電流センサ31は、受電点P1と第1需要家10との間であって、第1需要家10の専用の配電線上に設けられ、当該配電線に流れる電流を計測する。つまり、電流センサ31は、第1需要家10へ流れる電流、及び、第1需要家10から出力される電流を計測する
。電流センサ31は第2センサの一例であり、電流センサ31が計測した電流値は第2電流値の一例である。
【0036】
電流センサ32は、受電点P1と第2需要家20との間であって、第2需要家20の専用の配電線上に設けられ、当該配電線に流れる電流を計測する。つまり、電流センサ32は、第2需要家20へ流れる電流、及び、第2需要家20から出力される電流を計測する。電流センサ32は第2センサの一例であり、電流センサ32が計測した電流値は第2電流値の一例である。
【0037】
クロスバスイッチ40は、サーバ50の制御により、電流センサ30~32と、第1蓄電池13及び第2蓄電池23との接続を切り替えるためのスイッチである。図1の例では、電流センサ30と第1蓄電池13とが接続され、電流センサ32と第2蓄電池23とが接続される第1制御状態となるように、クロスバスイッチ40のスイッチがオン及びオフしている。これにより、第1蓄電池13には電流センサ30の計測電流が入力され、第2蓄電池23には電流センサ32の計測電流が入力される。また、クロスバスイッチ40は、電流センサ31と第1蓄電池13とが接続され、電流センサ30と第2蓄電池23とが接続される第2制御状態に切り替えるように、スイッチをオン及びオフさせることもできる。クロスバスイッチ40は、第1制御状態及び第2制御状態の一方から他方に切り替え可能である。クロスバスイッチ40は、切り替え部に含まれるスイッチ部の一例である。
【0038】
なお、クロスバスイッチ40は、第1制御状態から第2制御状態に切り替える場合、例えば、第1蓄電池13の接続を電流センサ30から電流センサ31に切り替えた後、第2蓄電池23の接続を電流センサ32から電流センサ30に切り替えるようにサーバ50により制御されてもよい。例えば、クロスバスイッチ40は、第1制御状態から第2制御状態に切り替えられる場合、第1蓄電池13に入力される電流値を第1電流値から第1需要家10を計測した第2電流値に切り替えた後、第2蓄電池23に入力される電流値を第2需要家20を計測した第2電流値から第1電流値に切り替えるように動作してもよい。これにより、電力管理システム1において、一時的に受電点P1を計測した電流値が第1蓄電池13及び第2蓄電池23のそれぞれに入力されることによりハンチングが発生することを抑制することができる。
【0039】
サーバ50は、電流センサ30~32が計測した電流値を取得可能であり、取得された電流値に応じてクロスバスイッチ40の接続を切り替える処理を実行する情報処理装置である。サーバ50は、受電点P1を計測した第1電流値に基づいて、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の間での電力融通を行わせ、かつ、第1需要家10及び第2需要家20の一方を計測した第2電流値に基づいて、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方に充電又は放電を行わせるための制御を行う。サーバ50は、PC(Personal Computer)により実現されるが、例えば、クラウドサーバなどにより実現されてもよい。サーバ50は、制御部の一例である。また、サーバ50は、各需要家又は各蓄電池と通信可能に接続されていてもよい。また、サーバ50は、各電流センサと通信可能に接続されていてもよい。
【0040】
サーバ50は、第1制御状態及び第2制御状態の一方から他方に切り替える切り替え信号を生成しクロスバスイッチ40に出力することで、各蓄電池と各電流センサとの接続状態を切り替える。サーバ50は、切り替え信号をクロスバスイッチ40に出力することで、複数の需要家全体(需要家群全体)に対して環境優先動作する蓄電池と、自装置が配置される需要家に対してのみ環境優先動作する蓄電池(又は、自装置が配置される需要家を含む1以上の需要家であって、複数の需要家全体より少ない1以上の需要家に対してのみ環境優先動作する蓄電池)とを切り替えるとも言える。サーバ50は、以下に例示される状態となった場合に、接続状態を切り替える。
【0041】
サーバ50は、例えば、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方の充電開始時刻又は充電終了時刻に基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。サーバ50は、例えば、第2蓄電池23の充電開始時刻になると、第1制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し各蓄電池と各電流センサとの接続関係を切り替え、第2蓄電池23の充電終了時刻になると、第2制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し各蓄電池と各電流センサとの接続関係を切り替えてもよい。これにより、第2蓄電池23の充電開始時刻となると、第1需要家10における余剰電力が第2蓄電池23に蓄電され、それでも足りない場合には、第1蓄電池13が放電することで第2蓄電池23が蓄電される。例えば、複数の需要家が存在する場合、より多く放電可能な蓄電池が第1蓄電池13として決定され、電流センサ30と接続されてもよい。なお、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の充電開始時刻又は充電終了時刻は、予め取得され、サーバ50の記憶部(図示しない)に記憶されている。
【0042】
また、サーバ50は、例えば、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方の放電開始時刻又は放電終了時刻に基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。サーバ50は、例えば、第2蓄電池23の放電開始時刻になると、第1制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し接続関係を切り替え、第2蓄電池23の放電終了時刻になると、第2制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し接続関係を切り替えてもよい。これにより、第2蓄電池23の放電開始時刻となると、第2蓄電池23における放電電力が第1蓄電池13に蓄電される。例えば、複数の需要家が存在する場合、より多く充電可能な蓄電池が第1蓄電池13として決定され、電流センサ30と接続されてもよい。なお、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の放電開始時刻又は放電終了時刻は、予め取得され、サーバ50の記憶部(図示しない)に記憶されている。
【0043】
また、サーバ50は、例えば、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方の電池残量が閾値を超過する又は電池残量が閾値を下回ることに基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。サーバ50は、例えば、第2蓄電池23の電池残量が閾値を超過する又は下回ると、第1制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し接続関係を切り替え、第2蓄電池23の電池残量が閾値を超過する又は下回ることが解消されると、第2制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し接続関係を切り替えてもよい。これにより、第2需要家20の余剰電力を第1蓄電池13に蓄電する、又は、第2需要家20の不足電力を第1蓄電池13の放電により第2需要家20に供給することができる。なお、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の電池残量は、例えば第1蓄電池13及び第2蓄電池23からサーバ50に定期的に通知されていてもよい。
【0044】
また、サーバ50は、例えば、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方の放電電力の量(放電電力量)が閾値を超過する又は放電電力量が閾値を下回ることに基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。サーバ50は、例えば、第2蓄電池23の放電電力量が閾値を超過する又は下回ると、第1制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し接続関係を切り替え、第2蓄電池23の放電電力量が閾値を超過する又は下回ることが解消されると、第2制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し接続関係を切り替えてもよい。これにより、第2蓄電池23の超過した放電電力量を第1需要家10の余剰電力又は第1蓄電池13の電力から供給する、又は、第2蓄電池23の下回った電力を第1蓄電池13に蓄電することができる。なお、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の放電電力量は、例えば第1蓄電池13及び第2蓄電池23からサーバ50に定期的に通知されていてもよい。
【0045】
また、サーバ50は、例えば、複数の分散型電源システムでの余剰電力量の予測値に基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。サーバ50は、例えば、需
要家群全体の余剰電力量の予測値が閾値より大きければ、需要家群全体で電力を蓄えなければいけないので、電池残量が少ない(例えば、より多く蓄電できる)蓄電池を電流センサ30と接続し、かつ、余剰電力量の予測値が小さいと電池残量が多い蓄電池を電流センサ30と接続してもよい。これにより、余剰電力を適切に蓄電池に蓄電することができる。なお、サーバ50は、太陽電池の発電量の予測値と、負荷設備の電力使用量の予測値とから、余剰電力量の予測値を予測してもよい。
【0046】
また、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の少なくとも一方は、電気自動車に搭載される蓄電池であり、サーバ50は、例えば、電気自動車に搭載された蓄電池の接続情報に基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。接続情報は、EV用の充電器(又は充放電器)に蓄電池が接続されているか否か、又は、EV用の充放電器に接続された蓄電池が充放電のいずれを行っているかを示す情報であり、当該充電器(又は充放電器)から取得可能である。サーバ50は、例えば、第2需要家20において電気自動車が接続されると、第1制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し接続関係を切り替え、第2需要家20において電気自動車の接続が解除されると、第2制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し接続関係を切り替えてもよい。これにより、電気自動車が接続され第2需要家20において電力が不足する場合、第1需要家10の余剰電力又は第1蓄電池13の電力を第2需要家20に供給することができる。
【0047】
また、サーバ50は、例えば、第1需要家10又は第2需要家20において所定の機器が起動又は停止したことに基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。サーバ50は、例えば、第2需要家20において所定の機器が起動すると、第1制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し接続関係を切り替え、第2需要家20において所定の機器が停止すると、第2制御状態となるようにクロスバスイッチ40を制御し接続関係を切り替えてもよい。これにより、所定の機器が起動し第2需要家20において電力が不足する場合、第1需要家10の余剰電力又は第1蓄電池13の電力を第2需要家20に供給することができる。なお、サーバ50は、宅内の機器を制御する制御システムから、所定の機器が動作したこと及び停止したことを取得してもよい。
【0048】
また、サーバ50は、例えば、クロスバスイッチ40を時間帯によって切り替えてもよい。サーバ50は、例えば、午前中は第1需要家10を上流側(つまり、第1蓄電池13が電流センサ30と接続される)とし、午後は第2需要家20を上流側(つまり、第2蓄電池23が電流センサ30と接続される)とするようにクロスバスイッチ40を切り替えてもよい。サーバ50は、例えば、予め設定されたクロスバスイッチ40の切り替え計画を示すスケジュール情報を記憶しており、当該スケジュール情報を読み出し、該当する時刻になったら接続関係を切り替えてもよい。これにより、午前中に余剰電力が余りがちな需要家と、午後に余剰電力が余りがちな家庭とで余剰電力を最大限自家消費することできる。
【0049】
電力メータ60は、小売電気事業者70及び受電点P1(つまり、第1需要家10及び第2需要家20)の一方から他方に供給される電力を計測する電力センサである。電力メータ60は、小売電気事業者70から第1需要家10及び第2需要家20を含む、受電点P1と接続された需要家群全体に供給される電力を計測する一括受電用のメータである。また、電力メータ60は、需要家群から小売電気事業者70にFITを利用して所定単価で逆潮売電された電力を計測する。
【0050】
小売電気事業者70は、電力メータ60の計測値で電力売買を行う事業者である。小売電気事業者70は、一般家庭、ビル、工場などに電気を販売する。
【0051】
ここで、図1に示す第1制御状態について、説明する。第1制御状態の場合、第1蓄電
池13が取得する電流値は、第1需要家10及び第2需要家20を束ねた電流値であり、第2蓄電池23が取得する電流値は、第2需要家20のみの電流値である。この場合、第1蓄電池13は、第1需要家10及び第2需要家20の2件分に対して環境優先動作で動作し、第2蓄電池23は、第2需要家20に対して環境優先動作で動作する。例えば、第1蓄電池13は、電流センサ30の電流値が正(順潮方向)の場合に放電し、当該電流値が負(逆潮方向)の場合に蓄電する。また、例えば、第2蓄電池23は、電流センサ32が正の場合に放電し、当該電流値が負(逆潮方向)の場合に蓄電する。
【0052】
これにより、例えば、第2蓄電池23に充電されない余剰電力は第1蓄電池13に充電され、第2太陽電池21の発電量不足かつ第2蓄電池23の蓄電量不足の場合、第1蓄電池13は、放電することで第2需要家20に電力を供給することができる。例えば、図1に示す接続の場合、第1蓄電池13は、電流センサ30で計測された電流値を確認しているので、例えば、第2需要家20の第2太陽電池21が発電した電力のうち余剰電力が逆潮しないように、自装置に蓄電することができる。
【0053】
このように、電力管理システム1では、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の充電量及び放電量を制御して電力融通しているわけではなく蓄電池が接続される電流センサをクロスバスイッチ40により切り替えることで電力融通を実現している。第1蓄電池13及び第2蓄電池23のそれぞれは、取得した電流値に対してそれぞれ独立に環境優先動作で充放電する。
【0054】
なお、第1太陽電池11及び第2太陽電池21は、PPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約)事業者により各需要家に配置されたものであってもよい。第1太陽電池11を例に説明すると、この場合、PPA事業者は、第1太陽電池11で発電された発電電力を第1需要家10に販売する。
【0055】
また、第1太陽電池11、第2太陽電池21、及び、後述するEV用の充電器(又は充放電器)もPPA事業者により各需要家に配置されたものであってもよい。この場合、蓄電池に関しては放電電力が電力需要に供給される際に当該需要家への電力販売が発生し、EV用の充電器の場合には、当該需要家が所有する電気自動車に充電する際に電力販売が発生する。
【0056】
電力融通を行う需要家群(住宅群)は全て、PPA事業者が電力販売を担っている。例えば、PPA事業者は、小売電気事業者70から電力メータ60を介して一旦電力を購入し、各需要家に当該需要家の電力メータを介して販売する。
【0057】
電力管理システム1は、このようなPPA事業者に対してサービスを提供するためのシステムであってもよい。電力管理システム1は、例えば、一方の需要家の余剰電力を他方の需要家の蓄電池に充電するなどして複数の需要家の中で電力融通を行い、自家消費量(PPA事業者から各需要家への販売電力量)を増加させ、PPA事業者の利益が改善されるように、電力融通を管理してもよい。なお、小売電気事業者70がPPA事業を行ってもよい。
【0058】
[1-2.電力管理システムの動作]
続いて、上記のように構成される電力管理システム1の動作について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係る電力管理システム1の動作(電力管理方法)を示すフローチャートである。
【0059】
図2に示すように、サーバ50は、クロスバスイッチ40を制御して、第1蓄電池13と統合センサ(電流センサ30)とを接続し、第2蓄電池23と第2センサ(電流センサ
32)とを接続させる(S10)。これにより、受電点P1を計測した第1電流値に基づいて、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の間での電力融通を行わせ(ここでは、第1蓄電池13が環境優先動作により第2蓄電池23と電力融通する)、かつ、第1需要家10及び第2需要家20の一方(ここでは、第2需要家20)を計測した第2電流値に基づいて、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方(ここでは、第2蓄電池23)に充電又は放電を行わせることができる。
【0060】
次に、サーバ50は、所定の情報を取得する(S20)。所定の情報は、例えば、各電流センサの計測電流であってもよいし、充電開始時刻等のスケジュール情報であってもよい。
【0061】
次に、サーバ50は、所定の情報に基づいて、所定の条件を満たすか否かを判定する(S30)。所定の条件は、クロスバスイッチ40を第1制御状態から第2制御状態に切り替えるための条件である。上記で例示した、充電開始時刻となったか等の条件を満たすか否かを判定する。
【0062】
次に、サーバ50は、所定の条件を満たすと判定した場合(S30でYes)、クロスバスイッチ40の接続を切り替えさせる(S40)ことで第1制御状態から第2制御状態に切り替え、所定の条件を満たさないと判定した場合(S30でNo)、処理を終了する。
【0063】
これにより、第1制御状態では、第1蓄電池13の充放電が電流センサ30の電流値によって制御されるので、第1蓄電池13は、第1需要家10及び第2需要家20の2件分に対して環境優先動作で動作し、第2蓄電池23は、第2需要家20に対して環境優先動作で動作する。つまり、第1制御状態では、第1蓄電池13及び第2蓄電池23はそれぞれ独立して環境優先動作を行うだけで、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の間で電力融通が可能である。第2制御状態においても同様に、第1蓄電池13及び第2蓄電池23がそれぞれ独立して環境優先動作を行うだけで、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の間で電力融通が可能である。また、所定の条件を満たす場合、蓄電池が参照する電流値が変更されるので、例えば第1需要家10及び第2需要家20の余剰電力量等に応じた電力融通が可能である。
【0064】
(実施の形態1の変形例)
以下では、本変形例に係る電力管理システムについて、図3を参照しながら説明する。
【0065】
図3は、本変形例に係る電力管理システムの構成を示す図である。図3では、需要家が3件の場合の電流計測位置の一例を示す。本変形例に係る電力管理システムは、複数の需要家として、第1需要家10及び第2需要家20に加えて第3需要家80を含む点において、実施の形態1に係る電力管理システム1と相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
【0066】
なお、以降の図面において、主に受電点P1、各需要家、及び、各電流センサを図示し、他の構成要素の図示を省略する。また、以降の図面において、識別のため、第1需要家10を「住宅A」とも記載し、第2需要家20を「住宅B」とも記載し、第3需要家80を「住宅C」とも記載する。第3需要家80の構成は、第1需要家10及び第2需要家20と同様である。例えば、第3需要家80は、第3太陽電池、電力変換システム、第3蓄電池及び電力メータを有し、電力需要が存在する。
【0067】
図3に示すように、本変形例に係る電力管理システムは、電流センサ30、31及び3
3を備える。
【0068】
電流センサ30は、受電点P1又は第1需要家10、第2需要家20及び第3需要家80のそれぞれに共通の配電線(受電点P1と分岐点P2との間の配電線上)に設けられ、当該配電線に流れる電流を計測する。電流センサ30は、第3需要家80と接続されており、電流センサ30で計測された電流値は、第3需要家80の第3蓄電池のみに通知される。言い換えると、電流センサ30で計測された電流値は、第2需要家20及び第3需要家80には通知されない。
【0069】
電流センサ31は、分岐点P3と第1需要家10との間であって、第1需要家10の専用の配電線上(分岐点P3の下流側の配電線上)に設けられ、当該配電線に流れる電流を計測する。電流センサ31は、第1需要家10と接続されており、電流センサ31で計測された電流値は、第1需要家10の第1蓄電池13のみに通知される。言い換えると、電流センサ31で計測された電流値は、第2需要家20及び第3需要家80には通知されない。
【0070】
電流センサ33は、受電点P1と第1需要家10及び第2需要家20との間であって、第1需要家10の専用の配電線上(分岐点P2と分岐点P3との間の配電線上)に設けられ、当該配電線に流れる電流を計測する。電流センサ33は、第2需要家20と接続されており、電流センサ33で計測された電流値は、第2需要家20の第2蓄電池23のみに通知される。言い換えると、電流センサ33で計測された電流値は、第1需要家10及び第3需要家80には通知されない。
【0071】
以上のように、各電流センサは、いずれかの分岐点(分岐点P2又はP3)の前後における電流値を計測可能に配置される。また、各電流センサが計測した電流値は、複数の需要家のうち1つの需要家のみに通知される。言い換えると、第1蓄電池13、第2蓄電池23及び第3蓄電池のそれぞれは、互いに異なる電流値を参照する。
【0072】
図3に示す接続関係の場合、第1蓄電池13は、第1需要家10に対して環境優先動作で動作する。第2蓄電池23は、第1需要家10及び第2需要家20の2件分に対して環境優先動作で動作する。第3蓄電池は、第1需要家10、第2需要家20及び第3需要家80の3件分に対して環境優先動作で動作する。
【0073】
これにより、例えば、第1需要家10で余剰電力が発生している場合、第2需要家20の第2蓄電池23又は第3需要家80の第3蓄電池のいずれかに当該余剰電力を蓄電させることが可能である。また、例えば、第2需要家20で余剰電力が発生している場合、第3需要家80の第3蓄電池に当該余剰電力を蓄電させることが可能である。
【0074】
(実施の形態2)
[2-1.電力管理システムの構成]
以下では、本実施の形態に係る電力管理システムについて、図4A及び図4Bを参照しながら説明する。
【0075】
図4Aは、本実施の形態に係る電力管理システムの構成の一例を示す図である。図4Aでは、需要家が3件の場合の電流計測位置の一例を示す。本実施の形態に係る電力管理システムは、クロスバスイッチ40による電流センサの切り替えではなく、電流値の加算処理により各蓄電池に入力される電流値の切り替えを行う例について説明する。以下では、実施の形態1の変形例との相違点を中心に説明し、実施の形態1の変形例と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。
【0076】
図4Aに示すように、電力管理システムは、電流センサ31、32及び34を備える。また、電力管理システムは、クロスバスイッチ40を備えていていない。
【0077】
電流センサ31は、受電点P1と第1需要家10との間であって、第1需要家10の専用の配電線上(分岐点P3と第1需要家10との間の配電線上)に設けられ、当該配電線に流れる電流を計測する。
【0078】
電流センサ32は、受電点P1と第2需要家20との間であって、第2需要家20の専用の配電線上(分岐点P3と第2需要家20との間の配電線上)に設けられ、当該配電線に流れる電流を計測する。
【0079】
電流センサ33は、受電点P1と第3需要家80との間であって、第3需要家80の専用の配電線上(分岐点P2と第3需要家80との間の配電線上)に設けられ、当該配電線に流れる電流を計測する。
【0080】
これにより、分岐点での潮流値は、分岐点よりも下流の配電線を流れる電流値の合計値に等しいため、例えば図3に示す電流センサ30で計測される電流値は、電流センサ31、32及び34それぞれで計測される電流値の合計値で代用できる。また、例えば図3に示す電流センサ33で計測される電流値は、電流センサ31及び32それぞれで測定される電流値の合計値で代用できる。
【0081】
ここで、複数の需要家のうち、図4Aに示す第2需要家20及び第3需要家80の決定方法について説明する。
【0082】
複数の需要家のうち第1需要家10と地理的に近い需要家が第2需要家20に決定されてもよい。例えば、複数の需要家のうち第1需要家10の第1蓄電池13と接続される配電線の長さに応じて、当該第1蓄電池13と電力融通を行う需要家(蓄電池)が決定されてもよい。例えば、複数の需要家のうち第1需要家10の第1蓄電池13と接続される配電線の長さが最も短い又は所定値より短い需要家が電力融通を行う第2需要家20に決定されてもよい。また、複数の需要家のうち第1需要家10及び第2需要家20のそれぞれと地理的に近い需要家が第3需要家80に決定されてもよい。例えば、複数の需要家のうち、第1需要家10の第1蓄電池13と接続される配電線の長さ、及び、第2需要家20の第2蓄電池23と接続される配電線の長さのそれぞれが最も短い又は所定値より短い需要家が第3需要家80に決定されてもよい。第2需要家20及び第3需要家80の決定は、例えば、サーバ50により実行される。
【0083】
なお、各需要家と受電点P1との配電線の接続関係は、図4Aに示す接続関係に限定されない。図4Bは、本実施の形態に係る電力管理システムの構成の他の一例を示す図である。
【0084】
図4Aに示す分岐点P2及びP3は等電位であるので、分岐点を1点にまとめて図4Bのように配電線を配線してもよい。
【0085】
ここで、サーバ50は、各電流センサが計測した電流値を取得し、演算処理を実行する。本実施の形態では、サーバ50は、A/D変換された電流値(デジタル信号)に対して加算処理を実行し、互いに異なる位置を計測した3つの電流値を算出する。そして、サーバ50は、3つの電流値のそれぞれをいずれの需要家(蓄電池)に通知するかにより、包含関係の組み合わせを変更する。これにより、加算処理を変更するだけで配電線のつなぎ替えなしに任意の組み合わせに対応できるので、住宅間での電力融通をより容易に行うことができる。
【0086】
サーバ50は、例えば、第1需要家10を計測した電流値(第3電流値)及び第2需要家20を計測した電流値(第4電流値)に基づいて、第1電流値及び第2電流値を算出する算出方法を変更することで、第1制御状態及び第2制御状態を切り替える切り替え部として機能する。サーバ50は、例えば、第1制御状態とする場合、第3電流値及び第4電流値を加算することで第1電流値を算出し、算出した第1電流値を第1蓄電池13に通知し、かつ、第4電流値を第2電流値とし、第2電流値を第2蓄電池23に通知してもよい。また、サーバ50は、例えば、第2制御状態とする場合、第3電流値及び第4電流値を加算することで第1電流値を算出し、算出した第1電流値を第2蓄電池23に通知し、かつ、第3電流値を第2電流値とし、第2電流値を第1蓄電池13に通知してもよい。言い換えると、第1蓄電池13は、例えば、第1制御状態の場合、第3電流値及び第4電流値を加算した第1電流値を参照し、第2制御状態の場合、第3電流値を第2電流値として参照してもよい。また、第2蓄電池23は、例えば、第1制御状態の場合、第4電流値を第2電流値として参照し、第2制御状態の場合、第3電流値及び第4電流値を加算した第1電流値を参照してもよい。
【0087】
サーバ50は、図3に示す接続関係のように制御する場合、第1蓄電池13には、電流センサ31の電流値を通知する。これにより、サーバ50は、第1蓄電池13を、第1需要家10に対して環境優先動作で動作させることができる。また、サーバ50は、第2蓄電池23には、電流センサ31の電流値及び電流センサ32の電流値を合計した電流値を通知する。これにより、サーバ50は、第2蓄電池23を、第1需要家10及び第2需要家20に対して環境優先動作で動作させることができる。また、サーバ50は、第3蓄電池には、電流センサ31、32及び34の電流値を合計した電流値を通知する。このように、サーバ50は、図3に示す電流センサ30が計測する電流値を、分岐点P2よりも下流側の電流センサが計測した電流値の合計値として算出することができる。これにより、サーバ50は、第3蓄電池を、第1需要家10、第2需要家20及び第3需要家80に対して環境優先動作で動作させることができる。
【0088】
サーバ50は、まとめて環境優先動作させたい需要家で計測された電流値を合計して蓄電池に通知するだけで、蓄電池同士を接続する配電線を切り替えることなく、環境優先動作させる対象の需要家を変更することができる。
【0089】
なお、上記では、デジタル信号処理により加算処理が行われる例について説明したが、オペアンプ等によるアナログ信号処理により加算処理が行われてもよい。
【0090】
(実施の形態3)
[3-1.電力管理システムの構成]
以下では、本実施の形態に係る電力管理システムについて、図5A~5Fを参照しながら説明する。本実施の形態では、複数の需要家として4つの需要家が含まれる場合について説明する。この場合、どの蓄電池がどの電流センサの電流値を参照するかについての組み合わせ可能数は、多数存在する。そこで、以下では、需要家が4つの場合の組み合わせのいくつかを例示しながら説明する。
【0091】
なお、当該蓄電池が参照する電流センサの電流値には当該蓄電池が設けられる需要家の電流値が含まれているという第1ルール、及び、1つの電流センサの電流値を参照する蓄電池が1つのみである(参照する電流センサの電流値が、同一となる需要家が存在しない)という第2ルールの2つのルールを満たすように、どの蓄電池がどの電流センサの電流値を参照するかが決定されるものとする。
【0092】
図5Aは、本実施の形態に係る電力管理システムの構成の第1例を示す図である。図5
Aの(a)は、各需要家の接続関係を示しており、図5Aの(b)は、どの需要家がどの電流センサを参照しているかを示す。なお、以降の図面において、識別のため、第4需要家90を「住宅D」とも記載し、電流センサ31を「CT_A」とも記載し、電流センサ32を「CT_B」とも記載し、電流センサ34を「CT_C」とも記載し、電流センサ35を「CT_D」とも記載する。また、図5Aの(b)に示す「必須」とは、上記第1ルールに対応する記載である。
【0093】
図5Aの(b)に示す「〇」及び「必須」は、その電流センサの電流値が需要家(蓄電池)に通知されることを意味する。例えば、第3需要家80(住宅C)を例に説明すると、「〇」である電流センサ31及び32の電流値、及び、「必須」である電流センサ34の電流値を合計した電流値が、第3需要家80(第3蓄電池)に通知されることを意味する。また、電流センサ35は「×」であるので、第3需要家80に通知される電流値に電流センサ35の電流値は用いられない。
【0094】
図5Aに示すように、電流センサ31は第1需要家10を計測し、電流センサ32は第2需要家20を計測し、電流センサ34は第3需要家80を計測し、電流センサ35は第4需要家90を計測する。このように、各需要家に電流センサが配置されている。また、電流センサ30は受電点P1の電流を計測し、電流センサ36は、分岐点P5及びP6間の電流を計測する。図5Aに示す電力管理システムでは、電流センサ34及び36の一方、及び、電流センサ30及び35の一方のみが配置されていればよい。例えば、クロスバスイッチ40により接続関係が切り替えられる場合、電流センサ30及び36が配置され、演算処理により接続関係が切り替えられる場合、電流センサ34及び35が配置されてもよい。なお、電流センサ36が計測する電流値は、電流センサ31、32及び34が計測する電流値の合計の電流値(分岐点P6より下流側の電流値)であり、電流センサ30が計測する電流値は、電流センサ31、32、34及び35が計測する電流値の合計の電流値(分岐点P5より下流側の電流値)である。
【0095】
分岐点P5には第4需要家90が接続され、分岐点P6には第3需要家80が接続され、分岐点P7には第1需要家10及び第2需要家20が並列接続されている。並列接続とは当該蓄電池が設けられる需要家を計測した電流値のみを当該蓄電池が参照している需要家が同一の分岐点に接続されていることを意味する。
【0096】
例えば、サーバ50は、図5Aの(b)に示すように電流値を加算し通知することで、第1蓄電池13を第1需要家10に対して環境優先動作で動作させ、第2蓄電池23を第2需要家20に対して環境優先動作で動作させ、第3需要家80の第3蓄電池を第1需要家10、第2需要家20及び第3需要家80に対して環境優先動作で動作させ、第4需要家90の第4蓄電池を第1需要家10、第2需要家20、第3需要家80及び第4需要家90に対して環境優先動作で動作させることができる。
【0097】
なお、図5Aの(a)に示すような2つの需要家が並列接続される場合の、蓄電池と参照する電流センサ(電流値)との組み合わせは、12通りある。
【0098】
図5Bは、本実施の形態に係る電力管理システムの構成の第2例を示す図である。図5Bの(a)は、各需要家の接続関係を示しており、図5Bの(b)は、どの需要家がどの電流センサを参照しているかを示す。
【0099】
図5Bの(a)に示すように、第1需要家10、第2需要家20及び第3需要家80の3つの需要家が、分岐点P8を介して並列接続されている。
【0100】
例えば、サーバ50は、図5Bの(b)に示すように電流値を加算し通知することで、
第1蓄電池13を第1需要家10に対して環境優先動作で動作させ、第2蓄電池23を第2需要家20に対して環境優先動作で動作させ、第3需要家80の第3蓄電池を第3需要家80に対して環境優先動作で動作させ、第4需要家90の第4蓄電池を第1需要家10、第2需要家20、第3需要家80及び第4需要家90に対して環境優先動作で動作させることができる。
【0101】
なお、図5Bの(a)に示すような3つの需要家が並列接続される場合の、蓄電池と参照する電流センサ(電流値)との組み合わせは、4通りある。
【0102】
図5Cは、本実施の形態に係る電力管理システムの構成の第3例を示す図である。図5Cの(a)は、各需要家の接続関係を示しており、図5Cの(b)は、どの需要家がどの電流センサを参照しているかを示す。
【0103】
図5Cの(a)に示すように、第1需要家10、第2需要家20、第3需要家80及び第4需要家90の4つの需要家が、分岐点P9を介して並列接続されている。
【0104】
例えば、サーバ50は、図5Cの(b)に示すように電流値を通知することで、第1蓄電池13を第1需要家10に対して環境優先動作で動作させ、第2蓄電池23を第2需要家20に対して環境優先動作で動作させ、第3需要家80の第3蓄電池を第3需要家80に対して環境優先動作で動作させ、第4需要家90の第4蓄電池を第4需要家90に対して環境優先動作で動作させることができる。
【0105】
なお、図5Cの(a)に示すような4つの需要家が並列接続される組み合わせは、1通りのみである。
【0106】
図5Dは、本実施の形態に係る電力管理システムの構成の第4例を示す図である。図5Dの(a)は、各需要家の接続関係を示しており、図5Dの(b)は、どの需要家がどの電流センサを参照しているかを示す。
【0107】
図5Dの(a)に示すように、第1需要家10、第2需要家20、第3需要家80及び第4需要家90の4つの需要家が、互いに直列接続されている。つまり、並列接続されている需要家は存在しない。また、電流センサ37は、受電点P1から第1需要家10及び第2需要家20へ流れる電流、及び、第1需要家10及び第2需要家20から受電点P1へ流れる電流を計測する。
【0108】
例えば、サーバ50は、図5Dの(b)に示すように電流値を加算し通知することで、第1蓄電池13を第1需要家10に対して環境優先動作で動作させ、第2蓄電池23を第1需要家10及び第2需要家20に対して環境優先動作で動作させ、第3需要家80の第3蓄電池を第1需要家10、第2需要家20及び第3需要家80に対して環境優先動作で動作させ、第4需要家90の第4蓄電池を第1需要家10、第2需要家20、第3需要家80及び第4需要家90に対して環境優先動作で動作させることができる。
【0109】
なお、図5Dの(a)に示すような4つの需要家が直列接続される場合の、蓄電池と参照する電流センサ(電流値)との組み合わせは、24通りある。
【0110】
ここで、例えば、図5A図5Dに示す各需要家の接続関係を含む、N世帯の需要家のうちM世帯が並列接続する場合に参照する電流センサの組合せ数について説明する。需要家aNから需要家am+1までを任意に組み合わせる場合の数は、以下の式1により表される。
【0111】
場合の数=N×(N-1)×・・・×(m+1)=N!/m! (式1)
【0112】
なお、mは、直接接続される需要家の数(=N-M)である。
【0113】
(式1)を用いてm=1・・・Nの場合について合計すると、組合せ数は、以下の式2により表される。
【0114】
【数1】
【0115】
なお、式2は、並列接続が1グループのみ存在する場合の組合せ数である。
【0116】
これにより、組合せ数が正確に算出される。算出された組合せ数を、住宅間での電力融通を容易に行うことに用いることができる。
【0117】
(効果など)
以上のように、第1態様に係る電力管理システム1は、共通の受電点P1を介して同一の送配電網に接続された第1分散型電源システム及び第2分散型電源システムを有する複数の分散型電源システム間の電力融通を管理する電力管理システムであって、第1分散型電源システムは、第1太陽電池11及び第1蓄電池13を含み、第1需要家10に設けられ、第2分散型電源システムは、第2太陽電池21及び第2蓄電池23を含み、第1需要家10とは異なる第2需要家20に設けられる。そして、電力管理システム1は、受電点P1を計測した第1電流値に基づいて、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の間での電力融通を行わせ、かつ、第1需要家10及び第2需要家20の一方を計測した第2電流値に基づいて、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方に充電又は放電を行わせるための制御を行う制御部(例えば、サーバ50)を備える。
【0118】
これにより、例えば、第1蓄電池13が第1電流値を参照することで、第2需要家20において余剰電力等が発生している場合に、第1蓄電池13に蓄電する等の電力融通が可能となる。また、第2蓄電池23は、第2需要家20内において第2電流値に応じて充放電を行うことができる。このように、第1蓄電池13及び第2蓄電池23のそれぞれが参照する電流値に応じて独立して動作するので、第1蓄電池13及び第2蓄電池23が協同して電力融通を行う場合に比べて制御が簡単である。例えば、電力管理システム1によれば、蓄電池が電流値に応じた動作を実行するといった簡単なルールベースの充放電制御によって、住宅間での、余剰電力及び蓄電池の電力の移動が可能となる。よって、電力管理システム1によれば、住宅間での電力融通を容易に行うことができる。
【0119】
また、第2態様に係る電力管理システム1は、第1態様に係る電力管理システムであって、第1電流値に基づいて、第1蓄電池13が第2蓄電池23と電力融通を行い、かつ、第2需要家20の第2電流値に基づいて、第2蓄電池23に充電又は放電を行わせる第1制御状態と、第1電流値に基づいて、第2蓄電池23が第1蓄電池13と電力融通を行い、かつ、第1需要家10の第2電流値に基づいて、第1蓄電池13に充電又は放電を行わせる第2制御状態とを切り替えるための切り替え部(例えば、クロスバスイッチ40又はサーバ50)を備える。
【0120】
これにより、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えることができるので、より適切な制御状態に切り替えられることで、住宅間での電力融通を効果的に行うことができる。
【0121】
また、第3態様に係る電力管理システム1は、第2態様に係る電力管理システムであっ
て、切り替え部は、第1電流値を計測する電流センサ30(第1電流センサ)及び第2電流値を計測する電流センサ31及び32(第2電流センサ)と、第1蓄電池13及び第2蓄電池23との接続を切り替えるスイッチ部(クロスバスイッチ40)を含み、電流センサ30は、受電点P1付近に配置され、電流センサ31及び32は、第1需要家10及び第2需要家20のそれぞれに配置される(電流センサ31は、第1需要家10に配置され、電流センサ32は、第2需要家20に配置される)。
【0122】
これにより、第1電流値及び第2電流値に応じてスイッチ部を切り替えることで、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えることができる。
【0123】
また、第4態様に係る電力管理システム1は、第3態様に係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1制御状態の場合、電流センサ30と第1蓄電池13とを接続し、かつ、電流センサ32と第2蓄電池23とを接続するようにスイッチ部を切り替え、第2制御状態の場合、電流センサ30と第2蓄電池23とを接続し、かつ、電流センサ31と第1蓄電池13とを接続するようにスイッチ部を切り替える。
【0124】
これにより、スイッチ部により、電流センサ30及び31と、第1蓄電池13及び第2蓄電池23との接続が切り替えられることで、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えることができる。
【0125】
また、第5態様に係る電力管理システム1は、第2態様に係る電力管理システムであって、サーバ50は、切り替え部として、第1需要家10を計測した第3電流値及び第2需要家20を計測した第4電流値に基づいて第1電流値及び第2電流値を算出する算出方法を変更することで、第1制御状態及び第2制御状態を切り替える。
【0126】
これにより、電流値の算出方法を変更するだけで第1制御状態及び第2制御状態を切り替えることができる。よって、住宅間での電力融通をより容易に行うことができる。
【0127】
また、第6態様に係る電力管理システム1は、第5態様に係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1制御状態の場合、第3電流値及び第4電流値を加算することで第1電流値を算出し、算出した第1電流値を第1蓄電池13に通知し、かつ、第4電流値を第2電流値とし、第2電流値を第2蓄電池23に通知し、第2制御状態の場合、第3電流値及び第4電流値を加算することで第1電流値を算出し、算出した第1電流値を第2蓄電池23に通知し、かつ、第3電流値を第2電流値とし、第2電流値を第1蓄電池13に通知する。
【0128】
これにより、第1蓄電池13及び第2蓄電池23が参照する電流値を変更するだけで、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えることができる。よって、住宅間での電力融通をより容易に行うことができる。
【0129】
また、第7態様に係る電力管理システム1は、第2態様~第6態様のいずれかに係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方の充電開始時刻又は充電終了時刻に基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。また、第8態様に係る電力管理システム1は、第2態様~第7態様のいずれかに係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方の放電開始時刻又は放電終了時刻に基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。また、第9態様に係る電力管理システム1は、第2態様~第8態様のいずれかに係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方の電池残量が閾値を超過する又は電池残量が閾値を下回ることに基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。また、第10態様に係る電力管理システム1
は、第2態様~第9態様のいずれかに係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方の充電電力量が閾値を超過する又は充電電力量が閾値を下回ることに基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。また、第11態様に係る電力管理システム1は、第2態様~第10態様のいずれかに係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方の放電電力量が閾値を超過する又は放電電力量が閾値を下回ることに基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。また、第12態様に係る電力管理システム1は、第2態様~第11態様のいずれかに係る電力管理システムであって、サーバ50は、複数の分散型電源システムにおける余剰電力量の予測値に基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。また、第13態様に係る電力管理システム1は、第2態様~第12態様のいずれかに係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の少なくとも一方は、電気自動車に搭載され、サーバ50は、電気自動車に搭載された蓄電池の接続情報に基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。また、第14態様に係る電力管理システム1は、第2態様~第13態様のいずれかに係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1需要家10又は第2需要家20において所定の機器が起動又は停止したことに基づいて、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えてもよい。
【0130】
これにより、上記の所定の条件を満たす場合に、第1制御状態及び第2制御状態を切り替えることができるので、住宅間での電力融通をさらに容易に行うことができる。
【0131】
また、第15態様に係る電力管理システム1は、第2態様~第14態様のいずれかに係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1制御状態から第2制御状態に切り替える場合、第1蓄電池13に入力される電流値を第1電流値から第1需要家10を計測した第2電流値に切り替えた後、第2蓄電池23に入力される電流値を第2需要家20を計測した第2電流値から第1電流値に切り替える。
【0132】
これにより、一時的に受電点P1を計測した電流値が第1蓄電池13及び第2蓄電池23のそれぞれに入力されることによりハンチングが発生することを抑制することができる。
【0133】
また、第16態様に係る電力管理システム1は、第1態様~第15態様のいずれかに係る電力管理システムであって、複数の分散型電源システムは、第3太陽電池及び第3蓄電池を含み、第1需要家10及び第2需要家20とは異なる第3需要家80に設けられる第3分散型電源システムを有し、サーバ50は、第1蓄電池13、第2蓄電池23及び第3蓄電池のうち一の蓄電池に、一の蓄電池が設けられる需要家を計測した第5電流値を通知し、他の一の蓄電池に、第1需要家10を計測した電流値、第2需要家20を計測した電流値及び第3需要家80を計測した電流値を加算した第6電流値を通知する。
【0134】
これにより、需要家が3つになった場合であっても、他の一の蓄電池が3つの需要家を合計した電流値を参照するので、他の一の蓄電池は残りの2つの蓄電池のそれぞれと電力融通を行うことができる。よって、電力管理システムによれば、需要家が3つである場合であっても、住宅間での電力融通を容易に行うことができる。また、これは需要家が4つ以上になった場合でも同様である。
【0135】
また、第17態様に係る電力管理システム1は、第16態様に係る電力管理システムであって、第1蓄電池13、第2蓄電池23及び第3蓄電池のそれぞれは、互いに異なる電流値を参照する。
【0136】
これにより、充放電する蓄電池の優先度がつかず、電力管理システムにおける動作が不
安定になることを抑制することができる。
【0137】
また、第18態様に係る電力管理システム1は、第16態様又は第17態様に係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1蓄電池13、第2蓄電池23及び第3蓄電池それぞれを接続する配電線の長さに応じて、電力融通を行う蓄電池を決定する。例えば、第19態様に係る電力管理システム1は、第18態様に係る電力管理システムであって、サーバ50は、第1蓄電池13において電力融通を行う場合、第2蓄電池23及び第3蓄電池のうち第1蓄電池13と接続される配電線の長さが短い蓄電池を、電力融通を行う蓄電池として決定してもよい。
【0138】
これにより、電力融通時の配電線における電力ロスを削減することができる。
【0139】
また、第20態様に係る電力管理方法は、共通の受電点を介して同一の送配電網に接続された第1分散型電源システム及び第2分散型電源システムを有する複数の分散型電源システム間の電力融通を管理する電力管理方法であって、第1分散型電源システムは、第1太陽電池11及び第1蓄電池13を含み、第1需要家10に設けられ、第2分散型電源システムは、第2太陽電池21及び第2蓄電池23を含み、第1需要家10とは異なる第2需要家20に設けられる。そして、電力管理方法は、受電点P1を計測した第1電流値に基づいて、第1蓄電池及び第2蓄電池の間での電力融通を行わせ、かつ、第1需要家10及び第2需要家20の一方を計測した第2電流値に基づいて、第1蓄電池13及び第2蓄電池23の一方に充電又は放電を行わせるための制御を行う(S10)。
【0140】
これにより、上記の電力管理システム1と同様の効果を奏する。
【0141】
(その他の実施の形態)
以上、一つ又は複数の態様に係る電力管理システム等について、実施の形態等に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明に含まれてもよい。
【0142】
例えば、上記実施の形態1では、クロスバスイッチ40を備える構成においてサーバ50が接続関係を切り替える条件(第1制御状態及び第2制御状態を切り替える条件)を例示したが、当該条件は、実施の形態2等で説明した演算処理により接続関係を切り替える実施の形態においても適用可能である。
【0143】
また、例えば、上記実施の形態等では、電流値を演算処理する場合、サーバ50が当該演算処理を実行する例について説明したがこれに限定されず、例えば、需要家又は蓄電池が有する処理部が演算処理を実行してもよい。例えば、電力管理システムに含まれるいずれの処理部が演算処理を実行してもよい。
【0144】
また、例えば、上記実施の形態等では、スイッチ部としてクロスバスイッチ40を例示したがこれに限定されず、電流センサと蓄電池との接続を切り替え可能ないかなる構成のスイッチが用いられてもよい。
【0145】
また、上記実施の形態等では、図1等を用いて電流計測点として、電流センサ30、31及び32の位置を示しているが、電流計測点の位置はこれに限定されない。電流計測点は、例えば、電流センサ30、電力メータ14及び電力メータ24の位置であってもよい。電力メータ14の位置での電流として、例えば、ポーリング(照会)により電力メータ14(スマートメータ)が計測した瞬時電流が取得されてもよい。また、電力メータ24の位置での電流も同様に、例えば、ポーリングにより電力メータ24(スマートメータ)
が計測した瞬時電流が取得されてもよい。また、電力管理システム1は、電力メータ14及び24で計測された電力値をポーリングにより取得してもよい。この場合、電力管理システム1は、電力メータ14及び24で計測された電力値に基づいて、電力融通を行ってもよい。
【0146】
また、上記実施の形態等では、サーバ50は、電流値を算出するために加算処理を行う例について説明したが、例えば、減算処理を行い電流値を算出してもよい。
【0147】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0148】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が他のステップと同時(並列)に実行されてもよいし、上記ステップの一部は実行されなくてもよい。
【0149】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0150】
また、上記実施の形態に係るサーバは、単一の装置として実現されてもよいし、複数の装置により実現されてもよい。サーバが複数の装置によって実現される場合、当該サーバが有する各構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。サーバが複数の装置で実現される場合、当該複数の装置間の通信方法は、特に限定されず、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。また、装置間では、無線通信及び有線通信が組み合わされてもよい。
【0151】
また、上記実施の形態で説明した各構成要素は、ソフトウェアとして実現されても良いし、典型的には、集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路(専用のプログラムを実行する汎用回路)又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)又は、LSI内部の回路セルの接続若しくは設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。更には、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて構成要素の集積化を行ってもよい。
【0152】
システムLSIは、複数の処理部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータシステムである。ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0153】
また、本発明の一態様は、図2に示される電力管理方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。
【0154】
また、例えば、プログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであってもよい。また、本発明の一態様は、そのようなプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。例えば、そのようなプログラムを記録媒体に記録して頒布又は流通させてもよい。例えば、頒布されたプログラムを、他のプロセッサを有する装置にインストールして、そのプログラムをそのプロセッサに実行させることで、その装置に、上記各処理を行わせることが可能となる。
【符号の説明】
【0155】
1 電力管理システム
10 第1需要家
11 第1太陽電池
13 第1蓄電池
14、24、60 電力メータ
20 第2需要家
21 第2太陽電池
23 第2蓄電池
30 電流センサ(第1電流センサ)
31、32 電流センサ(第2電流センサ)
33、34、35、36、37 電流センサ
40 クロスバスイッチ(スイッチ部、切り替え部)
50 サーバ(制御部、切り替え部)
80 第3需要家
90 第4需要家
P1 受電点
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D