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特開2024-154475処理装置、処理プログラム及び処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154475
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】処理装置、処理プログラム及び処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/018 20230101AFI20241024BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241024BHJP
【FI】
G06Q30/018
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068285
(22)【出願日】2023-04-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.公開1 (1)ウェブサイトの掲載日 別紙に記載 (2)ウェブサイトのアドレス 別紙に記載 (3)公開者 別紙に記載 (4)公開された発明の内容 別紙に記載のそれぞれの公開者が、別紙に記載のアドレスのウェブサイトにおいて、小間 洋和、駒井 雅之及び犬束 敦史が発明した処理装置、処理プログラム及び処理方法等に係るサービスを公開した。 2.公開2 (1)提供開始日 令和4年4月25日、令和4年6月2日、令和4年6月9日、令和4年7月6日、令和4年7月14日、令和4年7月22日、令和4年8月8日、令和4年9月15日、令和4年10月5日、令和4年10月17日、令和4年10月26日、令和4年11月10日、令和4年12月4日、令和4年12月6日、令和4年12月8日、令和4年12月20日及び令和5年1月13日 (2)提供を受けた者 三菱UFJ信託銀行株式会社、エムエスティ保険サービス株式会社、株式会社NSGホールディングス、SBIギャランティ株式会社、株式会社トランビ、株式会社USEN-NEXT HOLDINGS、ウォンテッドリー株式会社、株式会社伊予銀行、株式会社OKBペイメントプラット、株式会社estie、株式会社PR TIMES、レイスバックオフィス株式会社、Scheeme株式会社、雄渾キャピタル・パートナーズ株式会社、東北電力株式会社、SMBC日興証券株式会社、三井住友トラストクラブ株式会社及びアメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド (3)提供者 シンプルフォーム株式会社 (4)提供したサービスの内容 小間 洋和、駒井 雅之及び犬束 敦史が発明した処理装置、処理プログラム及び処理方法等に係るサービスを、シンプルフォーム株式会社が提供した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 3.公開3 (1)発行日 令和4年5月19日、令和4年6月15日、令和4年8月9日、令和4年8月26日及び令和4年9月12日 (2)刊行物 日本経済新聞 令和4年5月19日付朝刊,第8面、日本経済新聞,令和4年6月15日付朝刊,第15面、週刊金融財政事情,2022年8月9日号,第72~74頁、日経FinTech,2022年8月号,第24~25頁及び週刊東洋経済,2022年9月17日・9月24日合併号,第115頁 (3)公開者 株式会社日本経済新聞社、一般社団法人金融財政事情研究会、株式会社日経BP、株式会社東洋経済新報社 (4)公開されたサービスの内容 小間 洋和、駒井 雅之及び犬束 敦史が発明した処理装置、処理プログラム及び処理方法等に係るサービスを公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】522409518
【氏名又は名称】シンプルフォーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】小間 洋和
(72)【発明者】
【氏名】駒井 雅之
(72)【発明者】
【氏名】犬束 敦史
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】 ユーザからの情報提供の要求に好適に応答すること。
【解決手段】 少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、第三者に関連する種々の情報である第三者情報を受信して所定の前処理を施し、前記前処理を施した処理情報をメモリに記憶して第三者データベースを生成し、ユーザ装置から情報提供の要求を受信すると、前記第三者データベースに基づいて、前記情報提供の要求に応答する情報である応答情報を生成し、前記ユーザ装置に前記応答情報を送信する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
第三者に関連する種々の情報である第三者情報を受信して所定の前処理を施し、
前記前処理を施した処理情報をメモリに記憶して第三者データベースを生成し、
ユーザ装置から情報提供の要求を受信すると、前記第三者データベースに基づいて、前記情報提供の要求に応答する情報である応答情報を生成し、前記ユーザ装置に前記応答情報を送信する、
ための処理を実行するように構成された処理装置。
【請求項2】
前記応答情報は、前記ユーザ装置からの前記情報提供の要求に応じて前記第三者の審査をした当該審査の結果である審査情報を含む、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記第三者は、企業であり、
前記審査情報は、前記企業の実体性を審査した結果に基づく評価を含む、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記第三者情報は、運営者が企業の所在地を実際に確認して取得した情報を含む、
請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記第三者は、企業であり、
前記審査情報は、前記企業のリスク性を審査した結果に基づく評価を含む、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項6】
前記応答情報は、前記ユーザ装置からの前記情報提供の要求に応じた前記第三者の調査結果である調査情報を含む、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項7】
前記第三者は、企業であり、
前記審査情報は、前記企業と、前記企業の関係者または関係企業と、前記関係者または前記関係企業が現在または過去に運営する企業であって前記企業とは異なる企業と、の関係性を示す情報を含む、
ための処理を実行するように構成された、請求項2に記載の処理装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記ユーザ装置からの前記情報提供の要求より前に前記第三者についての審査情報を生成している場合、
前記ユーザ装置に、前記情報提供の要求より前に生成された前記審査情報を送信する、
ための処理を実行するように構成された、請求項2に記載の処理装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記情報提供の要求より前に生成された前記審査情報を送信したあと、前記ユーザ装置から前記審査情報の更新の要求を受信した場合は、審査情報を生成し、
前記ユーザ装置に前記更新の要求を受信したあとに生成した前記審査情報を送信する、
ための処理を実行するように構成された、請求項8に記載の処理装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記第三者情報を所定の形式に揃えて整えた情報である統合情報を生成して前記メモリに記憶させる、
ための処理を実行するように構成された、請求項1に記載の処理装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記第三者情報からテキストデータを抽出し、
前記抽出された前記テキストデータ内の文字列の特徴から、前記テキストデータを項目毎に分け、
前記項目に基づいて前記統合情報を生成する、
ための処理を実行するように構成された、請求項10に記載の処理装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記審査の要求を受信すると、前記審査の要求の内容に基づいてインターネット上で情報を収集してWEB情報を生成し、
前記審査情報を、前記メモリに記憶させた情報及び前記WEB情報に基づいて生成し、
前記ユーザ装置に前記応答情報を送信する、
ための処理を実行するように構成された、請求項2に記載の処理装置。
【請求項13】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記ユーザに加えて前記ユーザに関連する他のユーザによる閲覧を許容する、
ための処理を実行するように構成された、請求項1に記載の処理装置。
【請求項14】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記ユーザ装置に送信する前記応答情報に、前記ユーザが前記応答情報を基に次にとるべき行動の案内に関する情報を含める、
ための処理を実行するように構成された、請求項1に記載の処理装置。
【請求項15】
前記第三者データベースに基づいて、前記応答情報を生成して前記ユーザ装置に前記応答情報を送信したあと、一定期間の経過後に、前記第三者データベースに基づいて再応答情報を生成して前記ユーザ装置に前記再応答情報を送信する、
ための処理を実行するように構成された、請求項1に記載の処理装置。
【請求項16】
前記第三者データベースに基づいて、前記応答情報を生成して前記ユーザ装置に前記応答情報を送信したあと、前記第三者データベースを更新し、
前記更新した第三者データベースに関する情報を前記ユーザ装置に送信する、
ための処理を実行するように構成された、請求項1に記載の処理装置。
【請求項17】
少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサを、
第三者に関連する種々の情報である第三者情報を受信して所定の前処理を施し、
前記前処理を施した処理情報をメモリに記憶して第三者データベースを生成し、
ユーザ装置から情報提供の要求を受信すると、前記第三者データベースに基づいて、前記情報提供の要求に応答する情報である応答情報を生成し、前記ユーザ装置に前記応答情報を送信する
ように機能させる処理プログラム。
【請求項18】
少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、
第三者に関連する種々の情報である第三者情報をユーザ装置から受信して所定の前処理を施す段階と、
前記前処理を施した処理情報をメモリに記憶して第三者データベースを生成する段階と、
ユーザ装置から情報提供の要求を受信すると、前記第三者データベースに基づいて、前記情報提供の要求に応答する情報である応答情報を生成し、前記ユーザ装置に前記応答情報を送信する段階と、
を含む処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理装置、処理プログラム及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、法人等の企業の情報管理について、電子化の開発が進められている。例えば、特許文献1には、「法人番号をドメイン名に含む法人番号ドメインを使用したドキュメントの認証依頼を、前記ドキュメントを受信した受信装置から受信する受信部と、前記受信部が受信した認証依頼にあるドキュメントに使用された法人番号ドメインに含まれた法人番号を認証し、前記法人番号が認証できた場合に、合格通知を発行する認証部と、前記認証部が発行した前記合格通知を送信する送信部とを備えた」ウエブ装置が記載されている。
【0003】
しかし、特許文献1に記載のウエブ装置においては、単に法人番号の認証方法を開示しているにすぎず、さらなる改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-102911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上述した背景からなされたものであり、ユーザからの情報提供の要求に好適に応答することが可能な処理装置、処理プログラム及び処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、第三者に関連する種々の情報である第三者情報を受信して所定の前処理を施し、前記前処理を施した処理情報をメモリに記憶して第三者データベースを生成し、ユーザ装置から情報提供の要求を受信すると、前記第三者データベースに基づいて、前記情報提供の要求に応答する情報である応答情報を生成し、前記ユーザ装置に前記応答情報を送信する、ための処理を実行するように構成された処理装置。」が提供される。
【0007】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサを、第三者に関連する種々の情報である第三者情報を受信して所定の前処理を施し、前記前処理を施した処理情報をメモリに記憶して第三者データベースを生成し、ユーザ装置から情報提供の要求を受信すると、前記第三者データベースに記憶させた情報に基づいて、前記情報提供の要求に応答する情報である応答情報を生成し、前記ユーザ装置に前記応答情報を送信するように機能させる処理プログラム。」が提供される。
【0008】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、第三者に関連する種々の情報である第三者情報を受信して所定の前処理を施す段階と、前記前処理を施した処理情報をメモリに記憶して第三者データベースを生成する段階と、ユーザ装置から情報提供の要求を受信すると、前記第三者データベースに基づいて、前記情報提供の要求に応答する情報である応答情報を生成し、前記ユーザ装置に前記応答情報を送信する段階と、を含む処理方法。」が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ユーザからの情報提供の要求に好適に応答することが可能な処理装置、処理プログラム及び処理方法を提供することができる。
【0010】
なお、上記効果は説明の便宜のための例示的なものであるにすぎず、限定的なものではない。上記効果に加えて、又は上記効果に代えて、本開示中に記載されたいかなる効果や当業者であれば明らかな効果を奏することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の実施形態に係る処理システム1に係る情報提供処理の概要を概略的に示す図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100の構成の例を示すブロック図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係るユーザサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る運営者端末装置300の構成の例を示すブロック図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400の構成の例を示すブロック図である。
図7図7は、本開示の実施形態に係る処理システム1のユーザの登録から利用を開始するまでの概要を示す図である。
図8図8は、ユーザ及び運営者による事前設定(S12、S13)における処理システム1の稼働態様を説明する機能ブロック図である。
図9図9は、ユーザまたは運営者から情報を受信した運営者サーバ装置400における処理手順を示すフローチャートである。
図10図10は、ユーザ端末装置100及び運営者サーバ装置400における処理を示すシーケンス図である。
図11図11は、ユーザによる利用(S14)における処理システム1の稼働態様を説明する機能ブロック図である。
図12図12は、ユーザ端末装置100の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに表示される画像の一例である。
図13図13は、ステップS44に係る応答情報生成処理制御の制御手順が示されたフローチャートである。
図14図14は、ステップS53に係る審査処理制御の制御手順が示されたフローチャートである。
図15図15は、ユーザ端末装置100の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに表示されたダッシュボードの一例である。
図16図16は、ユーザ端末装置100の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに表示されたダッシュボードの一例である。
図17図17は、ユーザ端末装置100の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに表示されたダッシュボードの一例である。
図18図18は、ユーザ端末装置100の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに表示されたダッシュボードの一例である。
図19図19は、変形例1に係る、顧客用の端末装置の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに表示される画像の一例である。
図20図20は、変形例2に係る情報提供処理の概要を概略的に示す図である。
図21図21は、変形例3に係る、運営者サーバ装置400のメモリ413に記憶される、企業と当該企業の関係者(代表者)との関係性についての情報の説明図である。
図22図22は、変形例4におけるユーザ端末装置100及び運営者サーバ装置400における処理を示すシーケンス図である。
図23図23は、変形例5におけるユーザ端末装置100及び運営者サーバ装置400における処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0013】
1.本開示に係る処理システム1の概要
本開示に係る処理システムは、一例としては、ユーザからの情報提供の要求に対し、運営者が情報を提供するものである。特に、当該処理システムは、例えば、適切な企業情報を提供する点で好適に用いられる。
【0014】
図1は、本開示の実施形態に係る処理システム1に係る情報提供処理の概要を概略的に示す図である。具体的には、図1には、事前の準備からエンドユーザに情報提供がなされるまでの一連の概略的な流れが示されている。図1によれば、エンドユーザ及び運営者は、ともに自身の保有する情報を運営者サーバにアップロードすることで事前の準備を行う。また、エンドユーザは、情報提供を運営者サーバに送信することで、事前の準備でアップロードしたエンドユーザ及び運営者の双方が保有する情報に基づく情報提供を受ける。ここで、自身の情報とは、第三者に関連する種々の情報である第三者情報である。第三者とは、個人、個人事業主、行政機関、組織、組合、会社、法人、又は団体などであってもよく、処理システム1がエンドユーザに提供する情報の対象となる者を意味するに過ぎない。また、第三者に関連する種々の情報とは、第三者の基本的な情報、第三者の存在に関連する情報、財務に関連する情報等の外部に提供がなされている情報、及び外部から把握することができる情報等である。
【0015】
このようにエンドユーザは、エンドユーザ及び運営者の双方が保有する情報に基づく情報提供を受けることができる。本開示に係る処理システム1は、このようなユーザからの情報提供の要求に好適に応答するために用いられる。なお、情報提供の受付について、エンドユーザ側からの第三者情報の提供はなくてもよく、この場合には、運営者が入手した情報に基づいて当該情報提供が行われる。
【0016】
ここで、本開示において、処理システム1は、一例として、エンドユーザが操作する端末装置(後述するユーザ端末装置100)、エンドユーザが管理するユーザサーバ(後述するユーザサーバ装置200)、運営者が操作する端末装置(後述する運営者端末装置300)、運営者が管理する運営者サーバ(後述する運営者サーバ装置400)、を含む。そして、本開示では、運営者が管理するサーバ装置が処理装置として機能する場合を中心に説明する。しかし、本開示における処理装置は、上記のような情報提供の処理を実行可能な装置であればいずれでもよく、当然に、運営者が管理するサーバ装置以外の他のサーバ装置、処理システムに含まれる他のサーバ装置、各端末装置、並びにこれら以外のサーバ装置又は端末装置、及びこれらの組み合わせのいずれであっても、好適に処理装置として機能することが可能である。すなわち、本開示においては、各装置につけられた呼称は、各装置を互いに区別するために用いられているに過ぎず、各装置の機能に応じては他の呼称がなされてもよい。
【0017】
また、本開示において、「エンドユーザ」は配信者が提供する情報を提供される者を意味するに過ぎない。
【0018】
また、本開示において、「運営者」は情報を提供する者を意味するに過ぎない。したがって、「運営者」は、情報の提供を行っていれば、単なる個人又は個人事業主だけでなく、行政機関、組織、組合、会社、法人、又は団体などであってもよい。
【0019】
また、本開示において、「情報」の分野については特に限定されるものではなく、エンドユーザにとって意味をもつ情報を意味するに過ぎない。
また、本開示において、「企業」の分野については特に限定されるものではなく、個人経営の店舗や代表者がある会社等、規模の大小や営利非営利を問わず、何かしらの組織を意味するに過ぎない。
【0020】
なお、本開示において、「第1」や「第2」等の記載がなされていたとしても、これらが付された二つの要素のみに限定されることを意味するわけではない。当然に、「第3」、「第4」及びそれ以上の複数の要素が含まれていてもよい。
【0021】
2.処理システム1の構成
図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。図2によると、情報提供を要求するエンドユーザによって操作されるユーザ端末装置100、エンドユーザの保有する情報であるユーザ保有情報を管理するユーザサーバ装置200、運営者の保有する情報である運営者保有情報をアップロードする運営者端末装置300及び運営者が管理する運営者サーバ装置400が、互いにネットワークを通じて通信可能に接続されている。当該ネットワークは、無線、有線又はそれらの組み合わせにより構成される。
【0022】
なお、図2の例では、ユーザ端末装置100及び運営者端末装置300は、それぞれ1台しか記載されていないが、当然2台以上の各装置を含むことが可能である。また、ユーザサーバ装置200及び運営者サーバ装置400は単一のものとして記載されているが、各サーバ装置の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。また、ユーザ端末装置100、ユーザサーバ装置200、運営者端末装置300及び運営者サーバ装置400は、互いに通信可能に無線接続してもよく、一部または全部を通信可能に有線接続してもよい。
【0023】
また、図2の例では、ユーザ端末装置100及び運営者端末装置300を互いに区別して記載しているが、これらを総称して端末装置100と記載する場合がある。ただし、このような場合であったとしても、各端末装置をただ単に総称しているに過ぎず、ユーザ端末装置100及び運営者端末装置300が同じ処理・構成をしていることを意味するわけではない。
【0024】
3.ユーザ端末装置100の構成
図3は、本開示の実施形態に係るユーザ端末装置100の構成の例を示すブロック図である。ユーザ端末装置100は、図3に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0025】
ユーザ端末装置100は、典型的には、デスクトップパソコンに代表される無線通信可能な端末装置が挙げられるが、当然当該装置のみには限られない。例えば、端末装置としては、フィーチャーフォン、スマートフォン、携帯情報端末、PDA、ラップトップパソコンなど、本開示に係るプログラムを実行可能な装置であれば、いずれでも好適に適用することが可能である。また、処理システム1においてユーザ端末装置100は、複数の端末装置を含むことが可能であるが、各端末装置内において同種の端末装置である必要はなく、それぞれ異なる種類の端末装置であってもよい。
【0026】
図3によると、ユーザ端末装置100は、出力インターフェイス111、プロセッサ112、RAM、ROM、又は不揮発性メモリ(場合によっては、SSD)等を含むメモリ113、通信処理回路及びアンテナを含む通信インターフェイス114、キーボード及びマウスを含む入力インターフェイス115を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0027】
出力インターフェイス111は、プロセッサ112の指示に応じて、本開示に係るプログラムを実行することによって出力される各種表示を、ディスプレイやプリンタ等の機器に出力する出力部として機能する。なお、このようなディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は電子ペーパー等から構成される。また、出力インターフェイス111は、スピーカを含んでおり、プロセッサ112の指示に応じて音を発することが可能である。
【0028】
プロセッサ112は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ113に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ112は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ113から読み出して実行する。なお、プロセッサ112は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成しても良い。
【0029】
メモリ113は、ROM、RAM、不揮発性メモリ等の主記憶装置、HDD、SSD等の補助記憶装置を備え、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ112により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。
【0030】
通信インターフェイス114は、通信処理回路及びアンテナを介して、近隣に設置されたユーザサーバ装置200、遠隔に設置された運営者サーバ装置400、又は他の端末装置若しくはサーバ装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、他の端末装置または他のサーバ装置から情報を送受信するための処理をする。
【0031】
通信処理回路は、5G方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0032】
入力インターフェイス115は、キーボードやマウス等から構成され、本開示に係るプログラムの実行に係る指示入力や、様々な情報を登録するための操作入力等を受け付ける入力部として機能する。キーボードは、ユーザが押圧したキーに対応する数字や文字等に関する情報を送信する。マウスは、ユーザが平面上を摺動させることで、出力インターフェイス111に表示されるマウスカーソルを移動させるための情報を送信することや、ユーザが押圧したクリックボタンに対応する情報を送信する。なお、本開示ではユーザ端末装置100に備えられる入力インターフェイス115を用いたが、例えばいわゆるタッチパネルのような、ユーザが接触することで情報を入力する形態の入力インターフェイス115を用いることも可能である。
【0033】
4.ユーザサーバ装置200の構成
図4は、本開示の実施形態に係るユーザサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。ユーザサーバ装置200は、図4に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。また、ユーザサーバ装置200は単一の筐体に図4に図示するものを備える必要はなく、ユーザサーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0034】
図4によると、ユーザサーバ装置200は、CPU等から構成されるプロセッサ212、RAM、ROM、及び不揮発性メモリ、SSD等を含むメモリ213、通信処理回路及びアンテナを含む通信インターフェイス214を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0035】
プロセッサ212は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ213に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ212は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ213から読み出して実行する。なお、プロセッサ212は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成しても良い。
【0036】
メモリ213は、ROM、RAM、不揮発性メモリ等の主記憶装置、HDD、SSD等の補助記憶装置を備え、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ212により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。
【0037】
通信インターフェイス214は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置されたユーザ端末装置100、運営者端末装置300、又は他の端末装置若しくはサーバ装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、他の端末装置または他のサーバ装置から情報を送受信するための処理をする。
【0038】
通信処理回路は、5G方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0039】
5.運営者端末装置300の構成
図5は、本開示の実施形態に係る運営者端末装置300の構成の例を示すブロック図である。運営者端末装置300は、図5に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0040】
運営者端末装置300は、典型的には、デスクトップパソコンに代表される無線通信可能な端末装置が挙げられるが、当然当該装置のみには限られない。例えば、端末装置としては、フィーチャーフォン、スマートフォン、携帯情報端末、PDA、ラップトップパソコンなど、本開示に係るプログラムを実行可能な装置であれば、いずれでも好適に適用することが可能である。また、処理システム1において運営者端末装置300は、複数の端末装置を含むことが可能であるが、各端末装置内において同種の端末装置である必要はなく、それぞれ異なる種類の端末装置であってもよい。
【0041】
図5によると、運営者端末装置300は、出力インターフェイス311、プロセッサ312、RAM、ROM、又は不揮発性メモリ(場合によっては、SSD)等を含むメモリ313、通信処理回路及びアンテナを含む通信インターフェイス314、キーボード及びマウスを含む入力インターフェイス315を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0042】
出力インターフェイス311は、プロセッサ312の指示に応じて、本開示に係るプログラムを実行することによって出力される各種表示を、ディスプレイやプリンタ等の機器に出力する出力部として機能する。なお、このようなディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は電子ペーパー等から構成される。また、出力インターフェイス311は、スピーカを含んでおり、プロセッサ312の指示に応じて音を発することが可能である。
【0043】
プロセッサ312は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ313に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ312は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ313から読み出して実行する。なお、プロセッサ312は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成しても良い。
【0044】
メモリ313は、ROM、RAM、不揮発性メモリ等の主記憶装置、HDD、SSD等の補助記憶装置を備え、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ312により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。
【0045】
通信インターフェイス314は、通信処理回路及びアンテナを介して、近隣に設置された運営者サーバ装置400、遠隔に設置されたユーザサーバ装置200、又は他の端末装置若しくはサーバ装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、他の端末装置または他のサーバ装置から情報を送受信するための処理をする。
【0046】
通信処理回路は、5G方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0047】
入力インターフェイス315は、キーボードやマウス等から構成され、本開示に係るプログラムの実行に係る指示入力や、様々な情報を登録するための操作入力等を受け付ける入力部として機能する。キーボードは、ユーザが押圧したキーに対応する数字や文字等に関する情報を送信する。マウスは、ユーザが平面上を摺動させることで、出力インターフェイス311に表示されるマウスカーソルを移動させるための情報を送信することや、ユーザが押圧したクリックボタンに対応する情報を送信する。なお、本開示では運営者端末装置300に備えられる入力インターフェイス315を用いたが、例えばいわゆるタッチパネルのような、ユーザが接触することで情報を入力する形態の入力インターフェイス315を用いることも可能である。
【0048】
6.運営者サーバ装置400の構成
図6は、本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400の構成の例を示すブロック図である。運営者サーバ装置400は、図6に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。また、運営者サーバ装置400は単一の筐体に図6に図示するものを備える必要はなく、運営者サーバ装置400の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0049】
図6によると、運営者サーバ装置400は、CPU等から構成されるプロセッサ412、RAM、ROM、及び不揮発性メモリ、SSD等を含むメモリ413、通信インターフェイス414を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0050】
プロセッサ412は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ413に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ412は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ413から読み出して実行する。なお、プロセッサ412は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成しても良い。
【0051】
メモリ413は、ROM、RAM、不揮発性メモリ等の主記憶装置、HDD、SSD等の補助記憶装置を備え、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ412により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。
【0052】
通信インターフェイス414は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置されたユーザ端末装置100、運営者端末装置300、又は他の端末装置若しくはサーバ装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、他の端末装置または他のサーバ装置から情報を送受信するための処理をする。
【0053】
通信処理回路は、5G方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0054】
7.処理システム1により実行される処理シーケンス
(A)ユーザが処理システム1を利用するまでの概要
図7は、本開示の実施形態に係る処理システム1のユーザの登録から利用を開始するまでの概要を示す図である。具体的には、図7は、本開示の実施形態に係る処理システム1が運用される際の、情報提供要求がなされるより前に実施される事前設定を含む全体像を示す図である。
【0055】
図7によると、まず、事前にユーザを処理システム1の利用者として運営者サーバ装置400に登録する(S11)。一例として、当該ユーザは、個人や行政機関であってもよい。また、当該登録は、書面による契約に基づくものでもよく、オンラインで行われるいわゆる電子契約に基づくものでもよい。
【0056】
ユーザの登録が行われると、運営者による処理システム1の事前設定(S12)及びユーザによる事前設定(S13)が行われる。この事前設定(S12、S13)が行われたあと、ユーザは、ユーザ端末装置100を操作することにより本開示の実施形態に係る処理システム1を利用する(S14)。なお、上述した事前設定(S12、S13)は、図7によれば、運営者による事前設定(S12)の後でユーザによる事前設定(S13)を行っているが、運営者による事前設定(S12)を後に行うようにすることや、平行して行うようにしてもよい。また、この事前設定(S12、S13)は、運営者がユーザによる事前設定(S13)を代行するようにしてもよく、ユーザや運営者とは異なる者が代行するようにしてもよい。
【0057】
(B)事前設定(S12、S13)
図8は、ユーザ及び運営者による事前設定(S12、S13)における処理システム1の稼働態様を説明する機能ブロック図である。具体的には、図8は、ユーザ端末装置100、ユーザサーバ装置200、運営者端末装置300及び運営者サーバ装置400における情報の伝達経路及びプロセッサ内で所定の処理を担う処理部の説明が示された図である。
【0058】
図8によると、ユーザ端末装置100は、ユーザの操作によりユーザサーバ装置200にユーザ保有情報を格納する(図7のS13)。具体的には、ユーザ保有情報は、ユーザが入力インターフェイス115によって入力またはインターネット等から収集され、ユーザ端末装置100のメモリ113に保管されている情報である。また、ユーザ保有情報は、プロセッサ112の出力部112b、通信インターフェイス114及びユーザサーバ装置200の通信インターフェイス214を介してユーザサーバ装置200のメモリ213に格納される。
【0059】
ここで、ユーザ保有情報は、ユーザが独自に入手した情報のことである。具体例として、ユーザ保有情報は、企業(法人、個人事情主等を含む)の信用情報に関するデータが挙げられる。なお、ユーザ保有情報は、電子データのみならず、紙媒体の資料等であってもよく、紙媒体の資料については予めスキャナでスキャンして電子化してもよい。
【0060】
ユーザサーバ装置200のメモリ213に格納されたユーザ保有情報は、プロセッサ212の出力部212b及び通信インターフェイス214を介して運営者サーバ装置400に送信される。なお、ユーザ端末装置100からユーザサーバ装置200にユーザ保有情報を格納したあと、運営者サーバ装置400にユーザ保有情報を送信するよう説明したが、ユーザ端末装置100から運営者サーバ装置400に直接ユーザ保有情報を格納するようにしてもよい。また、ユーザ保有情報を受信した運営者サーバ装置400内での各処理については、後述する。
【0061】
運営者端末装置300は、運営者の操作により運営者サーバ装置400に運営者保有情報及びユーザ設定情報を格納する(図7のS12)。具体的には、運営者保有情報は、運営者が入力インターフェイス315によって入力またはインターネット等から収集され、運営者端末装置300のメモリ313に保管されている情報である。また、ユーザ設定情報は、ユーザによる処理システム1の利用範囲の設定を含む情報である。なお、ユーザが自身でユーザ設定情報を運営者サーバ装置400に送信するようにしてもよい。
【0062】
これら運営者保有情報及びユーザ設定情報は、プロセッサ312の出力部312b、通信インターフェイス314及び運営者サーバ装置400の通信インターフェイス414を介して運営者サーバ装置400に送信される。
【0063】
ここで、運営者保有情報は、運営者が入手した情報のことである。具体例として、運営者保有情報は、個人や企業に関するデータ(例えば信用情報)が含まれる。なお、運営者保有情報は、電子データのみならず、紙媒体の資料等であってもよく、紙媒体の資料については予めスキャナでスキャンして電子化してもよい。これらの情報は、運営者が入手した独自の情報であってもよく、又は他者が所有する情報(援用情報)であってもよい。例えば、運営者保有情報は、運営者がユーザとは異なる視点で、企業の所在地を実際に確認して取得した情報、これらの情報を基に例えば機械学習的に生成した情報を含んでもよい。ここで、企業の所在地を実際に確認して取得した情報は、運営者の独自の情報である。なお、運営者サーバ装置400は、行政から登記簿を受信してもよく、調査対象の法人から受信してもよい。
【0064】
ここで、運営者サーバ装置400のプロセッサ412は、情報を受け付ける入力部412aと、情報を出力する出力部412b、入力された情報について後述する前処理制御を実行する前処理部412c及び後述する出力処理制御を実行する出力処理部412dを有する。
【0065】
図9は、ユーザまたは運営者から情報を受信した運営者サーバ装置400における処理手順を示すフローチャートである。具体的には、ユーザ端末装置100または運営者端末装置300から通信インターフェイス414を介して受信したユーザ保有情報、運営者保有情報及び登記情報(以下、総じて「取得情報」ともいう。)並びに運営者端末装置300から通信インターフェイス414を介して受信したユーザ設定情報について、運営者サーバ装置400のプロセッサ412内での処理が示されたフローチャートである。
【0066】
図9によると、まず、プロセッサ412は、取得情報を受信する(S21)。次に、プロセッサ412は、入力部412aで取得情報を受け取ると、前処理部412cで前処理制御を実行する(S22)。前処理制御は、少なくともパース処理及び正規化処理を実行する。
【0067】
パース処理とは、プログラムのソースコードやXML文書等のような、一定の文法に従って記述されたテキスト文書を解析し、プログラムで扱えるデータ構造の集合体に変換する処理である。具体例としては、ステップS22におけるパース処理では、取得情報のうち、文字を含む情報からテキストデータを抽出し、抽出したテキストデータを項目毎に分けるような解析をする。
【0068】
ステップS22で実行される所定の前処理においては、パース処理によって処理された登記簿等に基づく、項目毎に分けられた情報を、正規化処理によって表記の揺れ等を所定の形式に揃えて整え、統合情報を生成する。具体例として、正規化処理では、処理対象の住所の記載が「AA県BB市CC区DD_1丁目2番地3号」である場合、「AA県BB市CC区DD_1-2-3」にすることで、処理対象以外の住所の記載と表記を統一させる。同様に、人名(特殊な漢字の記載揺れの是正、姓と名を分割または統合)、店舗名、法人名、屋号、電話番号等の正規化処理も実行することが好ましい。このように情報を正規化処理することで、情報の統一性を高め、検索等の情報の利用を円滑なものとすることができる。
【0069】
このように正規化された情報(処理情報)について、ユーザや運営者は、当該情報をさらに精査する。具体例としては、例えば正規化処理に際し、一部の情報に誤りや正規化ができなかった情報がある場合、運営者端末装置300は、このような情報をユーザ端末装置100や運営者端末装置300を介してユーザや運営者に報知する。これにより、ユーザ端末装置100及び運営者端末装置300は、ユーザや運営者による作業を少ない労力にして当該情報を精査することが可能となる。ひいては、ユーザや運営者は、より精度の高い情報を利用することができる。
【0070】
次に、ステップS23では、運営者端末装置300から通信インターフェイス414を介して受信したユーザ設定情報に基づいて、該当するユーザについての各種設定を行う。
【0071】
より具体的な例としては、ユーザが検索等に使用する項目の設定が挙げられる。このような項目のとしては、人名、店舗名、法人名、屋号、代表者等の生年月日、設立日及び役職等が挙げられる。これらの各項目は、後述する検索画面において検索に用いられる項目としてあらかじめ設定することを示す。この設定により、ユーザが処理システム1を利用する(前述した図7のS14)際に、多用する項目を短時間で視認して作業することができる。
【0072】
また、審査時の審査件数等の閾値の設定は、ユーザが処理システム1を利用する際に、一度に検索可能な企業の件数を設定することを示す。この設定により、例えばユーザによる処理システム1の利用範囲によって、検索可能な企業の件数を調整することができる。また、閲覧権限設定は、ユーザによって検索した結果の閲覧を誰に許容することが可能かを設定することを示す。この設定により、例えばユーザの社内のみの閲覧を許容させることや、ユーザと関連のある企業に閲覧を許容させることをあらかじめ設定することができる。ここで、ユーザと関連のある企業とは、ユーザの子会社又はユーザが株式を保有する会社等のユーザと資本関係のある企業であってもよい。また、ユーザと関連のある企業とは、当該資本関係が存在しない企業であってもよい。更に、ユーザと関連のある企業とは、処理システム1に登録された企業のみならず、未登録の企業も含めてもよい。
【0073】
また、処理システム1による審査結果に対するユーザの次の行動の案内の設定は、例えばユーザが当該審査結果をどのように取り扱うべきかを示す情報を設定することである。これにより、ユーザは、処理システム1に基づいて審査結果に対する次の行動を検討することができるため、複数のユーザのそれぞれの熟練度による審査精度の差異を軽減することができる。
【0074】
また、審査ロジックの設定は、複数の項目の各審査結果のうち、1つ以上の特定の項目について、総合した審査結果を出力するための審査ロジックの設定であって、当該特定の項目を設定することを示す。この設定により、ユーザの使用態様に特化した審査結果を提供することができる。
【0075】
また、インターネット検索処理時に使用する検索ワードの設定及び検索対象メディアの設定は、当該処理を実行する際に使用する検索ワード及び当該処理を実行する際に使用する検索対象メディアの設定を示す。この設定により、インターネット検索処理による審査結果においても、ユーザの使用態様に特化した審査結果を提供することができる。
【0076】
このように前処理制御を実行し(S22)またはユーザについての各種設定(S23)をしたあと、これら処理によって生成された情報をメモリ413に必要に応じて格納する(S24)。
【0077】
このように、情報をメモリ413に格納する(S24)と、図7に沿って説明した、運営者による処理システム1の事前設定(S12)及びユーザによる事前設定(S13)について完了する。すなわち、ステップS21~S24の処理を繰り返し実行することで、運営者サーバ装置400は、ユーザや運営者が入力した情報から正規化された情報を作成して蓄積し、第三者データベースとして管理することができる。なお、前述した説明及び図9では、前処理の実行(S22)の後にユーザ設定(S23)を実行することを説明したが、これらの処理は順番を変えてもよく、平行して実行してもよく、受信した取得情報(S21)の内容によっては、いずれか一方のみを実行してもよい。
【0078】
(C)ユーザによる処理システムの利用(S14)
図10は、ユーザ端末装置100及び運営者サーバ装置400における処理を示すシーケンス図である。具体的には、図10は、ユーザが入力した検索条件(情報提供要求)に基づいて応答情報を生成し、当該応答情報をユーザに提供する(情報提供)、一連の処理手順が示されている。また、図11は、図7に沿って説明したユーザによる利用(S14)における処理システム1の稼働態様を説明する機能ブロック図である。具体的には、図11は、運営者サーバ装置400における情報の伝達経路及びプロセッサ412内で所定の処理を担う処理部の説明が示された図である。
【0079】
図10によると、ユーザ端末装置100には、検索条件(調査条件)を入力するための画面が表示されており(S41)、ユーザ端末装置100は、当該画面を視認して操作するユーザの操作により、運営者サーバ装置400に検索条件を送信する(T11)。
【0080】
図12は、ユーザ端末装置100の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに表示される画像の一例である。ステップS41について、図12に沿って具体例を説明すると、図12の範囲Aは、ユーザが企業を検索する際に、文字を入力しまたはプルダウンから選択するための範囲である。
【0081】
図10に戻り、例えばユーザが、図12の範囲Aの「名称」に法人名のキーワード「BB」を入力すると、ユーザ端末装置100は、検索条件として、「名称」のキーワード「BB」がユーザによって入力されたことを運営者サーバ装置400に送信する(T11)。運営者サーバ装置400は、当該検索条件を受信すると、例えば抽出部501が、検索条件に該当する企業に関する情報を抽出する(S42)。
【0082】
ここで、図12の範囲Aの「名称」には、「BB」と入力されているが、入力される名称は、例えば、「店舗名」、「法人名」及び「屋号」であってもよい。ステップS42での抽出処理では、運営者サーバ装置400のメモリ413に記憶されるデータベースのうち、運営者保有情報及び当該ユーザが格納したユーザ設定情報に係る、当該ユーザ専用のデータベース(専用データベース)に含まれる、「店舗名」、「法人名」及び「屋号」から、キーワード「BB」を含む企業を抽出する。すなわち、ステップS42での抽出処理では、当該ユーザ以外のユーザがメモリ413に格納した情報は、当該処理では専用データベースに含まれない。
【0083】
キーワード「BB」を含む法人を抽出後、運営者サーバ装置400は、抽出結果をユーザ端末装置100に送信する(T12)。抽出結果を受信したユーザ端末装置100は、当該抽出結果に含まれる企業を表示する(S43)。ここで、図12によると、範囲Bは、当該抽出結果に含まれる企業が上下方向に並んで表示される。また、各企業の行には、範囲Aと同様の項目が表示される。
【0084】
ここで、範囲Bにおける「名称」の列をみると、ABBC株式会社は、「A」と「C」とに挟まれる位置に「BB」を含み、株式会社BbBは、大文字と小文字の違いはあるものの「Bb」を含む。また、JOB BASE CAFEFは、BとBとの間に空白があるものの、当該空白を除いて鑑みれば「BB」を含み、B&B株式会社は、BとBとの間に記号「&」があるものの、当該記号「&」を除いて鑑みれば「BB」を含む。
【0085】
このように、ユーザが範囲Aの「名称」に「BB」を入力した際、大文字小文字の区別やスペース、「&」等の記号を除いて「BB」を含む企業を範囲Bに表示させることで、ユーザの記憶があいまいな場合であっても、好適に抽出結果を表示することができる。
【0086】
ユーザ端末装置100は、ユーザの操作により、例えば範囲Bの株式会社BbBの行601~604のうち、行602が選択されると、当該行602の企業を示す選択企業を運営者サーバ装置400に送信する(T13)。運営者サーバ装置400は、ユーザ端末装置100から選択企業についての情報を受信すると、当該選択企業の企業情報に基づいて応答情報を生成する(S44)。
【0087】
図13によると、ステップS44に係る応答情報生成処理制御の制御手順がフローチャートで示されている。応答情報生成処理制御では、まず、過去に選択企業についての応答情報を生成したことがあるか否かで判別する(S51)。過去に応答情報を生成したことがあると判別する場合(S51でYes)、ステップS55に移行して過去に生成した応答情報を読み出し、応答情報生成処理を終了する。一方、過去に応答情報を生成したことがないと判別する場合(S51でNo)、ステップS52に移行する。
【0088】
次に、ステップS52では、例えば抽出部501が、上述した専用データベースから選択企業に関する情報を、例えば上述したユーザ設定情報で設定した範囲内で抽出する(S52)。次に、例えば審査部502が、選択企業についての審査処理を実行する(S53)。
【0089】
図14によると、ステップS53に係る審査処理制御の制御手順がフローチャートで示されている。審査処理制御では、ステップS52で抽出した情報に基づいて、選択企業についてのインターネット検索(インターネット検索処理)をし、インターネット上の情報(WEB情報)を抽出する(S61)。具体例としては、ステップS61では、選択企業の企業名、代表者名、住所等の、選択企業の特徴となる情報をインターネット上で検索する。特に、ユーザ設定情報でインターネット検索処理時に使用する検索ワードの設定がされている場合には、当該設定に沿って検索をする。また、ユーザ設定情報でインターネット検索処理時に使用する検索対象メディアの設定がされている場合には、当該設定に沿って検索をする。
【0090】
このようなインターネット検索等の検索により抽出した情報は、例えば前処理部412cによって前処理を実行することで正規化され、第三者の調査結果である調査情報としてメモリ413に一時的に記憶される。すなわち、ステップS61では、ユーザによって選択企業が選択された後、最新の情報をインターネット検索して、調査情報を生成することができる。なお、当該ステップS61を省略してステップS62を実施するようにしてもよい。
【0091】
次に、ステップS52で抽出した情報及びステップS61で生成した調査情報(以下、最新保有情報という)に基づいて、選択企業についての実体性に関する情報を抽出する(S62)。具体例としては、ステップS62では、最新保有情報のうち、選択企業についての登記情報や行政情報といった公的な書類、民間企業との連携データ等に係る情報等を抽出する。
【0092】
次に、最新保有情報に基づいて、選択企業についてのリスク性に関する情報を抽出する(S63)。具体例としては、ステップS63では、最新保有情報のうち、選択企業についての行政情報(例えば、行政処分情報、行政手続情報、行政確認情報等の行政が扱う情報)、業種に関する情報、住所や代表者の履歴等を抽出する。
【0093】
そして、ステップS62、S63で抽出した情報を基に、実体性やリスク性についての合否判定を行う(S64)。具体的には、実体性については、ステップS62で抽出した情報に基づき、ユーザ設定情報で設定した項目について、当該設定した件数以上の公的な書類が有れば、実体性が高いと判断し、当該件数未満であれば実体性が低いと判断する。なお、各項目それぞれについて個別に判断してもよく、特定の項目をまとめて判断してもよく、すべての項目全体で、総合的に判断してもよい。
【0094】
また、リスク性については、ステップS63で抽出した情報に基づき、ユーザ設定情報で設定した項目について当該設定した件数以上の高リスク情報が有れば、リスクが高いと判断し、当該件数未満であればリスクが低いと判断する。具体例としては、高リスクな業種として、成人向け商材、ギャンブル等の業種を、予めユーザ設定情報で設定しておき、審査処理制御で選択企業が高リスクな業種に該当する場合は、高リスク情報が1件加算される。
【0095】
なお、上記説明では、ユーザ設定情報で設定した項目や該当件数を基に実体性やリスク性を判断したが、該当数に代えて該当率を用いることや、該当項目ごとの重みづけ等の項目ごとの差別化や重みづけに関する情報の開示、機械学習による閾値の設定等をしてもよく、項目や該当件数等についての取り扱いは上記例に限定されるものではない。また、当該審査の具体例としては、選択企業が自ら提示した情報と専用データベース内の情報とを比較して、不一致である内容の有無や項目によって判断してもよい。また、上記説明の判断手法を単数または複数組み合わせてもよい。
【0096】
具体例としては、リスク性が高いことを直接的に示す情報が1つでも発見された場合は、他の情報の有無にかかわらずリスク性が高いと判断してもよく、実体性が低いことを直接的に示す情報が1つでも発見された場合は、他の情報の有無にかかわらず実体性が低いと判断してもよい。なお、上記具体例では、リスク性が高いことや実体性が低いことを直接的に示す情報が1つ発見された場合について説明したが、リスク性が低いことや実体性が高いことを直接的に示す情報が1つでも発見された場合は、リスク性が低いと判断することや実体性が高いと判断するようにしてもよく、2つ以上の所定数を予め設定して、当該設定した所定数の上記情報が発見されたことを契機に、他の情報の有無にかかわらずリスク性や実体性を判断するようにしてもよい。
【0097】
また、具体例としては、リスク性については、ステップS63で抽出した情報に基づき、ユーザ設定情報で設定した項目について、当該設定した件数以上の高リスク情報が有れば、リスク性が高いと判断し、当該件数未満であればリスク性が低いと判断してもよい。また、上記説明では、ユーザ設定情報で設定した項目が設定した件数未満であればリスク性が低いと判断しているが、高リスクであることを否定する情報が所定件数以上ある場合にリスク性が低いと判断してもよく、高リスクであることを否定する情報が所定件数未満である場合にリスク性が高いと判断してもよく、2つ以上の特定の項目の組み合わせで実体性の有無を判断してもよい。また、実体性についても同様に、ステップS62で抽出した情報に基づき、ユーザ設定情報で設定した項目について、当該設定した件数以上の実体性を肯定する情報が有れば、実体性が高いと判断し、当該件数未満であれば実体性が低いと判断してもよい。また、上記説明では、ユーザ設定情報で設定した項目が設定した件数未満であれば実体性が低いと判断しているが、実体性を否定する情報が所定件数以上ある場合に実体性が低いと判断してもよく、実体性を否定する情報が所定件数未満である場合に実体性が高いと判断してもよく、2つ以上の特定の項目の組み合わせで実体性の有無を判断してもよい。
【0098】
また、具体例としては、社員数の変動数若しくは変動率、所定期間内の役員の変動数若しくは変動率を基にリスク性及び実体性を判断してもよく、閾値等をユーザ設定情報で設定可能としてもよい。この場合に、実体性及びリスク性の判断に代えて、該当する項目についての警告を示すようにしてもよく、実体性及びリスク性の判断とあわせて警告を示すようにしてもよい。また、当該審査の具体例としては、選択企業が自ら提示した情報と専用データベース内の情報とを比較して、不一致である内容の有無や項目によって判断してもよい。
【0099】
また、具体例としては、実際の審査の判断を基に、機械学習的に閾値を設定してもよい。なお、機械学習的に閾値を設定する際に、実際の審査の判断のみならず、企業の実体に関する情報、企業の取引実績、出資関係等の他社との関係性等企業にまつわるあらゆる情報の関係性、又は選択企業によって予め入力された情報、そのほか、運営者サーバ装置400に格納される情報やインターネット上の情報など、あらゆる情報を基に閾値を設定してもよく、機械学習的に閾値を設定する際に使用される情報は上記に限定されず、機械学習の基となる情報のうち、模範となる情報(いわゆる教師データ)を用いなくてもよい。
【0100】
また、具体例としては、該当する項目数を基にリスク性や実体性を判断しているが、各項目に点数を割り振るいわゆる重みづけをしてもよい。この重みづけについては、ユーザに閲覧可能であり、ユーザによって設定可能であることが好ましい。
【0101】
なお、合否判定においては、実体性及びリスク性に基づいて、選択企業の総合判定が行われてもよい。例えば、実体性又はリスク性のいずれかに問題があれば、総合判定が低く評価され、両者のいずれにも問題がなければ総合判定が高く評価されてもよい。更には、実体性及びリスク性についてスコアリングする場合には、当該スコアの合計に応じた総合評価のランクが付与されてもよい。
【0102】
このような審査処理制御を実行することで、選択企業についての実体性やリスク性といった評価項目を、客観的かつ迅速に判定することができる。S61~S63の各処理の順番は図14に記載した順番に限らず、いずれの処理が先に行われてもよいが、特に、インターネット検索(S61)を当該審査処理制御の最初にすることで、選択企業についての最新の情報で審査をすることができる。特に、処理システム1においては、登記簿からパース処理を用いて登記簿情報を取得し、正規化処理に基づいて最新のデータベースを作成することができるため、ユーザからの情報提供の要求に統一性、正確性、及び明確性が欠けている場合においても、非常に迅速な処理(リアルタイム処理)が実現可能となる。例えば、銀行の融資に関する審査においては、処理システム1においては、選択企業の実体性やリスク性といった評価項目を約数十秒たらずで提供することが可能になる。これにより、ユーザにおける選択企業の審査が、より迅速となる効果をもたらす。
【0103】
図13に戻り、審査処理(S53)を終了すると、例えば生成部503が、応答情報の生成をして(S54)、応答情報生成処理を終了する。また、図10によれば、応答情報生成処理(S44)を終了すると、運営者サーバ装置400は、ユーザ端末装置100に応答情報を送信し(T14)、ユーザ端末装置100の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに当該応答情報に基づくダッシュボードが表示される。
【0104】
なお、審査処理制御を実行せずに、応答情報生成処理を行い、ユーザによって審査を行うようにしてもよく、このようなユーザによる審査の結果と審査処理制御を実行してから生成した応答情報との両方を基に最終的な審査結果を作成するようにしてもよく、項目ごと又は実体性やリスク性等のまとまりごと等の所定の範囲ごとにユーザによって審査を行う箇所と審査処理制御を実行する箇所とで審査対象を分けるようにしてもよく、このような審査対象の分けを例えば機械学習的に実施してもよい。
【0105】
8.ダッシュボードの一例
図15図18によると、ユーザ端末装置100の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに表示されたダッシュボードの一例が示されている。図15によると、ダッシュボードは、図15図18に表現される内容が図15図18の順で並ぶようひとまとまりに構成されている。すなわち、ユーザは、ダッシュボードを図15の表示から下方向にスクロールすると、図16図17図18の順に連続して閲覧することが可能である。
【0106】
ダッシュボードの図15の範囲には、例えばヘッダ701、審査結果702、入力ボタン703、登記情報705及び推奨アクション704が表示される。ヘッダ701には、選択企業の法人名並びにダッシュボードの基となる応答情報の生成日時を示す、レポートの取得日時及び取得者の名前が表示される。ここで、レポートの取得日時及び取得者とは、過去に選択企業についての応答情報を生成したことがある場合(S51でYes)は、生成した日時及び当時選択企業を選択したユーザの名前が表示される。換言すると、過去に応答情報を生成したことがない場合(S51でNo)は、ユーザが選択企業を選択した時刻及びユーザの名前が表示される。
【0107】
審査結果702は、審査処理制御の結果を表示するアイコンである。このように、審査結果702は、総合的な審査結果を例えばダッシュボードの最初に表示することで、ユーザに審査結果を好適に視認させることができる。入力ボタン703は、ダッシュボードとして表示された選択企業の情報について、例えば「更新」、「PDF出力」を実行させるためのボタンである。
【0108】
登記情報705は、専用データベース内の登記情報に基づいて必要な項目の情報を表示したリストであり、一部に例えば当該情報に係るPDFデータ等が表示される。図16、18によると、ダッシュボードにおける図16、18の範囲には、例えば会社要項として、基礎情報711及び現地情報712が表示される。基礎情報711は、選択企業の会社名等から検索された公式サイトのURLや、ガバナンス情報、社員数に関する情報などの項目が表示される。具体的には、ユーザによるクリック処理がなくとも自動で当該詳細情報が表示されるようにしてもよく、カーソルをホバーすることで当該詳細情報が表示されてもよい。
【0109】
推奨アクション704は、ダッシュボードに表示されている応答情報を基にユーザがとるべき行動指標を案内する目的で表示される情報である。この推奨アクション704は、例えばステップS23で設定した審査結果に対するユーザの次の行動の案内の設定に沿って形成される。
【0110】
現地情報712は、選択企業の本社住所や代表者の住所が、地図や建物外観の写真等を添えて表示される。地図は、住所情報に基づいてインターネット検索して得られる地図である。建物外観の写真は、たとえば運営者が撮影した写真であり、実体性を確認するうえでも好適な証拠となる。
【0111】
図17、18によると、現地情報712に続き、実体性の評価結果713及び高リスク情報714が表示される。実体性の評価結果713及び高リスク情報714は、ステップS62、S63で抽出した情報に基づいて作成されたリストである。このリストの右隣には、各項目の評価結果や評価の詳細を表示するためのアイコンが設けられている。この評価結果や評価の詳細を表示するためのアイコンの例としては、審査の結果を記号、文字、点数で表してもよく、これらの組み合わせや色による強調をしてもよい。
【0112】
すなわち、実体性の評価結果713及び高リスク情報714は、審査結果702の詳細が一覧で表示されている。これにより、ユーザは、審査結果702のみで選択企業の評価をするのではなく、詳細な情報を基に最終的な判断をすることができる。さらに、ダッシュボードには、与信に関する情報、送金の不自然さに関する情報、または評価の信頼度に関する情報などを表示してもよい。
【0113】
なお、実体性の評価結果713及び高リスク情報714が表示されると説明したが、審査結果については、これに限定されるものではない。例えば、実体性の評価結果713及び高リスク情報714に基づくユーザの所定の処理を本システムで行い、その結果をユーザ側に表示してもよい。例えば、ユーザ側が実体性の評価結果713及び高リスク情報714に基づいて与信判断する場合に、当該与信判断を本システムで実行してもよい。この場合には、与信の判断を審査結果として表示してもよく、推奨与信枠等の与信枠の値を判断して追加表示してもよい。また、本システムは、当該与信判断の結果について、ユーザの顧客に対して通知等の連絡を実行するとともに、当該連絡を完了した旨をユーザに対して行ってもよい。このような場合には、与信結果等の追加情報をメモリに記憶させ、ユーザに対して当該情報を共有できる環境を提供してもよい。
【0114】
9.変形例
次に、上述した本実施形態に対する、変形例を説明する。
(A)変形例1
図19は、変形例1に係る、顧客用の端末装置の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに表示される画像の一例である。変形例1では、上述したユーザの顧客が、ユーザに代わり自身の企業に関する情報を入力する。このようにユーザの顧客が入力した情報は、ユーザサーバ装置200を介して運営者サーバ装置400に送信され、運営者サーバ装置400で上述した応答情報生成処理が実施された後、審査結果がユーザ端末装置100に送信される。
【0115】
これにより、変形例1では、顧客から申告された情報を基に、改めてユーザが顧客の企業に関する情報を入力する手間を省くことができる。
【0116】
(B)変形例2
図20は、変形例2に係る情報提供処理の概要を概略的に示す図である。変形例2では、検索条件を図12の範囲Aに入力することに代えて、ユーザサーバ装置200で入力された複数の検索条件及びユーザの複数の顧客(変形例1参照)が入力した情報を、複数の検索条件としてCSV等のリストにリスト化(検索条件リスト)してから運営者サーバ装置400に送信する。また、変形例2では、審査結果を複数の検索条件に対してリストで一括して応答する。
【0117】
これにより、変形例2では、複数の検索条件をまとめて審査したい場合に、一括して運営者サーバ装置400に審査させることや、一括して審査結果を受け取ることができる。
【0118】
(C)変形例3
図21には、変形例3に係る、運営者サーバ装置400のメモリ413に記憶される、企業と当該企業の関係者(代表者)との関係性についての情報の説明図が示されている。図21によれば、変形例3では、「丁野」及び「JOB BASE CAFE」は、双方にのみ接続している。換言すると、「丁野」は過去及び現在において、「JOB BASE CAFE」しか経営しておらず、「JOB BASE CAFE」もまた、過去及び現在において「丁野」以外の代表者が存在しない。
【0119】
また、「甲田」は、過去に「ABBC株式会社」及び「B&B株式会社」の代表者であったもので、「丙川」は、現在「株式会社BbB」の代表者である。さらに、「丙川」は、過去に「ABBC株式会社」の代表者であったものである。
【0120】
ここで、図12によれば、株式会社BbBは、高リスク情報の項目が「所見なし」となっている。一方、図21によれば、株式会社BbBの代表者である丙川次郎は、ABBC株式会社とのつながりがある。また、ABBC株式会社は、高リスク情報の項目が「所見あり」となっている。すなわち、ABBC株式会社で高リスク情報の項目が「所見あり」となっている原因に、もし丙川次郎が関わっているとしたら、株式会社BbBの高リスク情報の項目が「所見あり」と表示することが望ましい場合がある。
【0121】
このように、企業、企業の代表者、および当該企業の代表者が運営する他の企業の関連性を表示することにより、個々の企業についての情報からは審査が難しい人や企業のつながりを基に審査することで、より審査精度を向上させることができる。なお、運営するとは、会社の業務を執行すること及び業務の執行の決定を行うことを含む。
【0122】
また、上記説明では、企業の関係者の関係性について説明したが、これに限定されるものではなく、企業の実体に関する情報や、企業の取引実績や出資関係等の他社(関係企業)との関係性等、企業にまつわるあらゆる情報の関係性を基にした図であってもよい。また、審査結果の一例として、図21のような、企業と当該企業の関係者(代表者)との関係性をユーザ端末装置100のディスプレイに表示してもよい。
【0123】
(D)変形例4
図22は、変形例4におけるユーザ端末装置100及び運営者サーバ装置400における処理を示すシーケンス図である。変形例4では、応答情報を生成(S44)してユーザ端末装置100に送信(T14)したあと、一定期間経過後に、応答情報を生成(再生成)し(S144)、ユーザ端末装置100に送信する(T114)。その後、例えばユーザが任意のタイミングでユーザ端末装置100の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに当該応答情報に基づくダッシュボードを表示させる(S145)。
【0124】
ここで、応答情報の再生成では、ステップS44で実行した応答情報生成処理制御のうち、ステップS52~S54を実行する。すなわち、ステップS144では、一定期間(例えば、3~6か月)の間で選択企業についての情報が変化し、または追加されて専用データベースが更新されている場合、更新された専用データベースで応答情報(再応答情報)を生成する。これにより、ステップS44を実行した時点での審査結果に対し、選択企業の態様が一定期間経過後に変わっているような場合であっても、ユーザに最新の審査結果を提供することができる。
【0125】
好適には、応答情報を再生成(S144)してユーザ端末装置100に送信(T114)したあと、さらに一定期間経過後に、応答情報を生成(再生成)する、すなわち、定期的に応答情報を生成(再生成)するとよい。より好適には、ユーザによる事前設定(S13)で、応答情報の再生成(S144)の要否や一定期間に係る期間の変更、対象となる選択企業の選別等の設定をするとよい。また、応答情報の再生成は、ユーザによる事前設定(S13)に限定されず、ユーザからの都度の要求(不定期の要求)に対応して行われてもよく、更には運営者側において設定されたタイミング又は運営者側が必要と判断したタイミングにおいて行われてもよい。
【0126】
(E)変形例5
図23は、変形例5におけるユーザ端末装置100及び運営者サーバ装置400における処理を示すシーケンス図である。具体的には、図23は、応答情報を生成して当該応答情報をユーザに提供(情報提供)したあと、専用データベースが更新された場合に更新情報を生成してユーザに提供(情報提供)する、一連の処理手順が示されている。
【0127】
変形例5では、応答情報を生成(S44)してユーザ端末装置100に送信(T14)したあと、例えば運営者保有情報またはユーザ設定情報が更新されたことに伴い、専用データベースが更新されると(S243)、更新があったことをユーザに報知する報知情報をユーザ端末装置100に送信する(T212)。これにより、ユーザは、専用データベースに含まれる企業の更新があったことを認知することができる。
【0128】
好適には、報知情報は、ステップS44で応答情報を生成した選択企業に関する情報が更新されたことを報知する情報であるとよい。なお、報知情報は、運営者サーバ装置400に記憶されるすべての企業を対象に、更新された企業についての更新を報知する情報であってもよい、換言すると、応答情報が未だ生成されたことがない企業についての更新情報であってもよい。また、報知情報は、予めユーザによる事前設定(S13)で選別した企業を対象としてもよい。
【0129】
次に、報知情報を受けたユーザの操作により、ユーザ端末装置100は、更新した専用データベースに関する情報である、更新に係る企業についての更新箇所を含む情報(更新情報)の要求を運営者サーバ装置400に送信する(T213)。更新情報を受信した運営者サーバ装置400は、更新情報を生成し(S244)、ユーザ端末装置100に送信する(T214)。その後、例えばユーザが任意のタイミングでユーザ端末装置100の出力インターフェイス111に含まれるディスプレイに更新情報に基づく画像を表示させる(S245)。これにより、ステップS44を実行した時点での審査結果に対して選択企業の態様が変化し、または選択企業に係る情報が追加されて変化した企業情報をユーザに認知させることができる。
【0130】
好適には、更新情報は、更新前の専用データベースに対する更新した専用データベースの更新箇所であるとよく、例えば更新箇所を強調してユーザ端末装置100のディスプレイに表示するとよい。より好適には、更新情報に基づいた応答情報を生成してユーザに最新の審査結果を提供するとよい。なお、運営者サーバ装置400は、更新情報及び更新情報に基づいた応答情報を、ユーザ端末装置100から要求を受信する度に生成して送信してもよく、一度の要求の受信に応じてまとめ生成して送信するようにしてもよい。また、運営者サーバ装置400は、報知情報の送信(T212)や更新情報の要求を受信(T213)することなく、専用データベースの更新(S243)に伴い更新情報を生成(S244)して送信(T214)してもよい。また、ユーザによる事前設定(S13)で、報知情報の送信(T212)や更新情報を生成(S244)の要否の設定を可能にしてもよい。また、運営者サーバ装置400は、更新情報に基づいた最新の審査結果が更新前の審査結果から変化する場合に、報知情報又は応答情報を送信して、審査結果の変化をユーザに認識させることを可能にしてもよい。特に、運営者サーバ装置400は、例えば更新情報に基づいた最新の審査結果が更新前の審査結果から変化する場合にのみ報知情報又は応答情報を送信する等、報知情報又は応答情報の送信を制限するようにして、ユーザにとって不必要な情報を制限することを可能にしてもよい。
【0131】
10.本開示の実施形態のまとめ
本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400は、少なくとも一つのプロセッサ412を具備する処理装置であって、プロセッサ412は、ユーザが保有する第三者の情報であるユーザ保有情報を、ユーザサーバ装置200を介してユーザ端末装置100から受信し、ユーザ端末装置100から受信したユーザ保有情報及び運営者が保有する情報である運営者保有情報をメモリ413に記憶させている(S12~S13)。
【0132】
そして、本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400は、ユーザ端末装置100から検索条件(情報提供の要求)を受信すると(T11)、メモリ413に記憶させた情報に基づいて、応答情報(情報提供の要求に応答する情報である応答情報)を生成し(S44)、ユーザ端末装置100に応答情報を送信する(T14)。このような構成により、運営者サーバ装置400は、運営者保有情報のみならず、ユーザ保有情報も含めた情報の中から、検索条件(情報提供の要求)に応答する情報を生成することができる。
【0133】
本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400のプロセッサ412は、ユーザ端末装置100からの検索条件に応当する第三者の審査をして当該審査の結果である審査情報を生成(S64)し、ユーザ端末装置100に、審査情報を送信する(T14)ように構成されてもよい。このような構成によれば、ユーザは、選択企業に関する情報のみならず、当該情報についての審査の結果を鑑みて考察することができる。
【0134】
特に、第三者は、企業であり、審査情報は、企業の実体性を審査した結果に基づく評価及び企業のリスク性(高リスク等)を審査した結果に基づく評価を含むため、ユーザによる調査や審査の作業を好適に軽減させることができる。さらに、運営者保有情報は、運営者が企業の所在地を実際に確認して取得した情報を含むので、書類のみならず、例えば実際に所在地に赴いて撮影した写真等にも基づいて実体性の審査を行うことができる。
【0135】
本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400のプロセッサ412は、情報提供の要求に係る情報は、企業の情報であり、審査情報は、企業と、当該企業の代表者と、当該代表者が現在または過去に運営する企業であって企業とは異なる企業と、の関係性を示す情報(図21)を含むように構成されてもよい。このような構成により、企業と代表者との関係性から、選択企業のリスク等を考慮することが可能になる。
【0136】
本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400のプロセッサ412は、ユーザ端末装置100からの検索条件の入力より前に第三者についての審査情報を生成している場合、ユーザ端末装置100に、過去に生成された応答情報を送信するように構成されてもよい。これにより、不必要な審査処理制御等を抑制して、処理システム1全体の処理速度を高めることができる。
【0137】
本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400のプロセッサ412は、過去に生成された応答情報を送信したあと、ユーザ端末装置100からダッシュボードの基となる応答情報の更新の要求を受信した場合は、応答情報を生成し、前記ユーザ装置に前記更新の要求を受信したあとに生成した前記審査情報を送信するように構成されてもよい。これにより、処理システム1全体の処理速度を高めつつ、ユーザの任意で応答情報を最新の情報に更新することができる。
【0138】
本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400のプロセッサ412は、前処理部412cによってユーザ保有情報及び運営者保有情報を所定の形式に揃えて整えた(S22)情報である正規化された情報(統合情報)を生成してメモリ413に記憶させる。このような構成により、応答情報を生成するときの処理負荷を軽減することができる。
【0139】
本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400のプロセッサ412は、ユーザ保有情報及び運営者保有情報からテキストデータを抽出し、抽出されたテキストデータ内の文字列の特徴から、テキストデータを項目毎に分け、当該項目に基づいて正規化された情報(統合情報)を生成するように構成されてもよい。このような構成により、例えばPDFデータから抽出されたテキストデータのような、一定の文字列の特徴があるデータから、項目ごとに(ブロックごとに)分けてデータを抽出することができる。
【0140】
本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400のプロセッサ412は、審査の要求を受信すると、審査の要求の内容に基づいてインターネット上で情報を収集してインターネット上の情報(WEB情報)を生成し、審査情報を、専用データベース(メモリ413に記憶させた情報)及びWEB情報に基づいて生成し、ユーザ端末装置100に応答情報を送信するように構成されてもよい。このような構成により、最新のインターネット上の情報を応答情報に含ませることが可能になる。
【0141】
本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400のプロセッサ412は、ユーザに加えて当該ユーザに関連する他のユーザによる閲覧を許容するように構成されてもよい。このような構成により、審査情報を必要以上に公開することなく、ユーザの関係者には閲覧させることが可能になる。
【0142】
本開示の実施形態に係る運営者サーバ装置400のプロセッサ412は、ユーザ端末装置100に送信する応答情報に、ユーザが当該応答情報を基に次にとるべき行動の案内に関する情報(推奨アクション704)を含めるように構成されてもよい。このような構成により、ユーザの次の行動を案内して審査の迅速化を図ることが可能になる。
【0143】
上記本実施形態及び変形例においては、処理システム1を実施する主体を運営者サーバ装置400として説明した。しかし、これに限らず、例えばユーザ端末装置100やユーザサーバ装置200に処理システム1に係る処理プログラムを導入し、ユーザ端末装置100やユーザサーバ装置200に運営者保有情報を予め提供するようにして、処理システム1を実施することができる。
【0144】
また、上記本実施形態及び変形例に限らず、API(Application Programming Interface)を使用してユーザが使用するアプリケーションに連携させるようにして処理システム1を実施することもできる。
【0145】
また、上記本実施形態及び変形例に限らず、前処理制御、応答情報生成処理制御、審査処理制御、そのほか各種制御を独立して使用することもできる。具体例としては、応答情報生成処理制御や審査処理制御は実行させずに、ユーザが保有するPDF形式の登記簿を、前処理制御を実施してデータベース化することもできる。
【0146】
本明細書で説明される処理及び手順は、本開示において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能である。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、端末装置やサーバ装置を含む各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0147】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されるものとすることができる。また、本明細書中で説明される各種情報が単一のメモリや記憶部に格納される旨が説明されたとしても、そのような情報は、単一の装置に備えられた複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されるものとすることができる。さらに、本明細書において説明されるソフトウェア及びハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又は、より多い構成要素に分解することによって実現されるものとすることができる。
【符号の説明】
【0148】
100 端末装置、ユーザ端末装置(ユーザ装置)
200 ユーザサーバ装置
300 運営者端末装置
400 運営者サーバ装置(処理装置)
412 プロセッサ
413 メモリ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22
図23