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特開2024-154507指位置案内シール、指位置案内シールセット、筆記具セット、及び、情報表示シール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154507
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】指位置案内シール、指位置案内シールセット、筆記具セット、及び、情報表示シール
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/00 20060101AFI20241024BHJP
   B43K 3/00 20060101ALI20241024BHJP
   B43K 21/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G09F3/00 R
B43K3/00 Z
G09F3/00 Z
B43K21/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068333
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】扶川 祥平
【テーマコード(参考)】
2C353
【Fターム(参考)】
2C353FE20
(57)【要約】
【課題】筆記具に対して貼着することにより、筆記具を使用する使用者の利便性に資するシール等を提供する。
【解決手段】軸心pjから変移しない筆記尖端部ptが設けられたシャープペンシルPの外周面Mに対して巻き付けられて貼着されるものであり当該シャープペンシルPを持つ際の使用者における指先f1、f2、f3の当接させるべき箇所を案内する指位置案内シールSであって、シャープペンシルPの軸心pj周りに、親指の指先f1、人差し指の指先f2、及び、中指の指先f3の内、少なくとも、二つの指先が当接すべき領域を視覚的に案内する案内手段が設けられた構成にした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心から変移しない筆記尖端部が設けられた筆記具の外周面に対して巻き付けられて貼着されるものであり当該筆記具を持つ際の使用者における指先の当接させるべき箇所を案内する指位置案内シールであって、
前記筆記具の軸心周りに、親指の指先、人差し指の指先、及び、中指の指先の内、少なくとも、二つの指先が当接すべき領域を視覚的に案内する案内手段が設けられている指位置案内シール。
【請求項2】
前記案内手段が、前記親指及び前記人差し指の各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するもの、前記親指及び前記中指の各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するもの、前記人差し指及び前記中指の各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するもの、又は、前記親指と前記人差し指と前記中指のすべての各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するものの何れかである請求項1記載の指位置案内シール。
【請求項3】
前記案内手段が、各指先ごとに対応させた識別可能な表示部を備えたものである請求項1記載の指位置案内シール。
【請求項4】
前記表示部が、少なくとも、色彩、仕切り線、囲い線、絵柄、模様、記号、凹凸、質感、及び、文字の何れかを含んで構成されている請求項3記載の指位置案内シール。
【請求項5】
前記筆記具が、軸心方向から見た場合に全体として略三角形状をなす筆記具本体を備え、当該筆記具本体の外周面が、複数の主面部及び当該複数の主面部間に配設された複数の角部により構成されたものであって、
前記案内手段が、前記主面部に対応するように周方向に並び設けられたものである請求項1記載の指位置案内シール。
【請求項6】
長手寸法が、前記筆記具の外周寸法と略同じかそれよりも長い寸法に設定されたものである請求項1記載の指位置案内シール。
【請求項7】
前記筆記具の先部に貼着されるものである請求項1記載の指位置案内シール。
【請求項8】
前記筆記具の外周面に、軸心に沿って延びてなり当該軸心周りに一定の間隔を空けて複数の貼着ガイド線が設けられたものであって、
前記複数の貼着ガイド線に対して突合する複数の突合部が設けられている請求項1記載の指位置案内シール。
【請求項9】
前記筆記具が、シャープペンシルである請求項1記載の指位置案内シール。
【請求項10】
表面側に前記案内手段が配設されるとともに裏面側に粘着剤層が配設され前記筆記具の周方向に長手をなした帯状のものであり、
前記表面側の長手方向一端部に、前記裏面側の長手方向他端部が貼着される他端部貼着領域が設けられている請求項1記載の指位置案内シール。
【請求項11】
請求項3記載の指位置案内シールと、当該指位置案内シールにおける前記表示部と同じ構成をなす対応表示部を有し使用者の指先に対して貼り付けられる指貼着シールとを備えたものである指位置案内シールセット。
【請求項12】
軸心から変移しない筆記尖端部が設けられた筆記具と、この筆記具の外周面に対して巻き付けられて貼着されるものであり当該筆記具を持つ際の使用者における指先の当接させるべき箇所を案内する指位置案内シールとを備えてなる筆記具セットであって、
前記指位置案内シールに、前記筆記具の軸心周りに、親指の指先、人差し指の指先、及び、中指の指先の内、少なくとも、二つの指先が当接すべき領域を視覚的に案内する案内手段が設けられている筆記具セット。
【請求項13】
筆記具の外周面に対して巻き付けられて貼着されるものであり当該筆記具に表示された特性情報である筆記具側特性情報表示を覆い隠す情報表示シールであって、
前記筆記具側特性情報表示に代替すべく当該筆記具側特性情報表示と同一の特性情報を表示させた代替特性情報表示部と、使用者により少なくとも文字を記入可能な記入領域表示部とを備えている情報表示シール。
【請求項14】
前記代替特性情報表示部は、前記特性情報を視覚的に目立つように表示させたものである請求項13記載の情報表示シール。
【請求項15】
前記筆記具が、シャープペンシルであり、
前記特性情報が、前記シャープペンシルに用いられる芯の太さである請求項13記載の情報表示シール。
【請求項16】
筆記具の外周面に対して巻き付けられて貼着される情報表示シールであって、
前記筆記具に表示された特性情報である筆記具側特性情報表示を表示可能な窓部と、使用者により少なくとも文字を記入可能な記入領域表示部とを備えている情報表示シール。
【請求項17】
前記筆記具が、シャープペンシルであり、
前記特性情報が、前記シャープペンシルに用いられる芯の太さである請求項16記載の情報表示シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指位置案内シール、指位置案内シールセット、筆記具セット、及び、情報表示シールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉛筆に装着される器具として、初めて鉛筆を持つ子供であっても、指をそえるだけで正しく鉛筆を持つことができることを意図したものが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
この種の器具は、指位置を矯正させるために鉛筆の外周面から突出した構造をなしていたため、スムーズに鉛筆を使用することが難しく、更には、不使用時においてペンケース等の収納具を過度に嵩張らせる一因となっていた。
【0004】
これらの問題点に着目した本願の発明者らは、筆記具に対して貼着することができるシールを利用することにより、筆記具を好適に持つための使用者の練習に資する構成のものを発明した。
【0005】
また、本願の発明者らは、筆記具に対して貼着することができるシールを利用することにより、筆記具を好適に持つための練習の用途に限ることなく、筆記具を使用する使用者の利便性に資する構成のものを広く開発することが望ましいと考えた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】株式会社くもん出版、「くもんのこどもえんぴつ専用 もちかたサポーター」、[online]、株式会社くもん出版、[令和5年3月28日検索]、インターネット<URL:https://www.kumonshuppan.com/stationery/stationery-syousai/?code=53390>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような背景事情に基づいてなされたものであり、少なくとも、筆記具に対して貼着することにより、筆記具を使用する使用者の利便性に資するシール等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0009】
請求項1に記載の発明は、軸心から変移しない筆記尖端部を有する筆記具の外周面に対して巻き付けられて貼着されるものであり使用者における指先の当接させるべき箇所を案内する指位置案内シールであって、前記筆記具の軸心周りに、親指の指先、人差し指の指先、及び、中指の指先の内、少なくとも、二つの指先が当接すべき領域を視覚的に案内する案内手段が設けられている指位置案内シールである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記案内手段が、前記親指及び前記人差し指の各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するもの、前記親指及び前記中指の各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するもの、前記人差し指及び前記中指の各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するもの、又は、前記親指と前記人差し指と前記中指のすべての各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するものの何れかである請求項1記載の指位置案内シールである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記案内手段が、各指先ごとに対応させた識別可能な表示部を備えたものである請求項1記載の指位置案内シールである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記表示部が、少なくとも、色彩、仕切り線、囲い線、絵柄、模様、記号、凹凸、質感、及び、文字の何れかを含んで構成されている請求項3記載の指位置案内シールである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記筆記具が、軸心方向から見た場合に全体として略三角形状をなす筆記具本体を備え、当該筆記具本体の外周面が、複数の主面部及び当該複数の主面部間に配設された複数の角部により構成されたものであって、前記案内手段が、前記主面部に対応するように周方向に並び設けられたものである請求項1記載の指位置案内シールである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、周方向の寸法が、前記筆記具の外周寸法と略同じかそれよりも長い寸法に設定されたものである請求項1記載の指位置案内シールである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記筆記具の先部に貼着されるものである請求項1記載の指位置案内シールである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記筆記具の外周面に、軸心に沿って延びてなり当該軸心周りに一定の間隔を空けて複数の貼着ガイド線が設けられたものであって、前記複数の貼着ガイド線に対して突合し得る複数の突合部が設けられている請求項1記載の指位置案内シールである。
【0017】
請求項9に記載の発明は、前記筆記具が、シャープペンシルである請求項1記載の指位置案内シールである。
【0018】
請求項10に記載の発明は、表面側に前記案内手段が配設されるとともに裏面側に粘着剤層が配設され前記筆記具の周方向に長手をなした帯状のものであり、前記表面側の長手方向一端部に、前記裏面側の長手方向他端部が貼着される他端部貼着領域が設けられている請求項1記載の指位置案内シールである。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項3記載の指位置案内シールと、当該指位置案内シールにおける前記表示部と同じ構成をなす対応表示部を有し使用者の指先に対して貼り付けられる指貼着シールとを備えたものである指位置案内シールセットである。
【0020】
請求項12に記載の発明は、軸心から変移しない筆記尖端部を有する筆記具と、この筆記具の外周面に対して巻き付けられて貼着されるものであり使用者における指先の当接させるべき箇所を案内する指位置案内シールとを備えてなる筆記具セットであって、前記指位置案内シールに、前記筆記具の軸心周りに、親指の指先、人差し指の指先、及び、中指の指先の内、少なくとも、二つの指先が当接すべき領域を視覚的に案内する案内手段が設けられている筆記具セットである。
【0021】
請求項13に記載の発明は、筆記具の外周面に対して巻き付けられて貼着されるものであり当該筆記具に表示された特性情報である筆記具側特性情報表示を覆い隠す情報表示シールであって、前記筆記具側特性情報表示に代替すべく当該筆記具側特性情報表示と同一の特性情報を表示させた代替特性情報表示部と、使用者により少なくとも文字を記入可能な記入領域表示部とを備えている情報表示シールである。
【0022】
請求項14に記載の発明は、前記代替特性情報表示部は、前記特性情報を視覚的に目立つように表示させたものである請求項13記載の情報表示シールである。
【0023】
請求項15に記載の発明は、前記筆記具が、シャープペンシルであり、前記特性情報が、前記シャープペンシルに用いられる芯の太さである請求項13記載の情報表示シールである。
【0024】
請求項16に記載の発明は、筆記具の外周面に対して巻き付けられて貼着される情報表示シールであって、前記筆記具に表示された特性情報である筆記具側特性情報表示を表示可能な窓部と、使用者により少なくとも文字を記入可能な記入領域表示部とを備えている情報表示シールである。
【0025】
請求項17に記載の発明は、前記筆記具が、シャープペンシルであり、前記特性情報が、前記シャープペンシルに用いられる芯の太さである請求項16記載の情報表示シールである。
【0026】
ここで、「軸心から変移しない筆記尖端部が設けられた筆記具」とは、特殊な持ち方がなされる「筆」を除く趣旨で記載したものである。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、筆記具に対して貼着することにより、筆記具を使用する使用者の利便性に資するシール等を提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】筆記具に対してシール(指位置案内シール・情報表示シール)を貼着する前の状態を示す斜視図。
図2】筆記具の右側面側(親指側)から見た使用状態の説明図。
図3】筆記具に対してシール(指位置案内シール・情報表示シール)を貼着する前の状態を示す説明図。
図4図2におけるX矢視図。
図5図4におけるY矢視図。
図6】筆記具に対してシール(指位置案内シール)を貼着する前の状態を示す斜視図。
図7】指先にシール(指貼着シール)を貼着した使用例を示す説明図。
図8】指先にシール(指貼着シール)を貼着した使用例を示す説明図。
図9】筆記具に対してシール(情報表示シール)を貼着する前の状態を示す説明図。
図10】筆記具に対してシール(情報表示シール)を貼着する前の状態を示す説明図。
図11】シール(指位置案内シール)の一例を示すための正面図。
図12】シール(指位置案内シール)の一例を示すための正面図。
図13】シール(指位置案内シール)の一例を示すための正面図。
図14】シール(指位置案内シール)の一例を示すための正面図。
図15】シール(指位置案内シール)の一例を示すための正面図。
図16】シール(指位置案内シール)の一例を示すための正面図。
図17】シール(指位置案内シール)の一例を示すための正面図。
図18】シール(指位置案内シール)の一例を示すための正面図。
図19】シール(指位置案内シール)の一例を示すための正面図。
図20】筆記具に対してシール(情報表示シール)を貼着する前の状態を示す説明図。
図21】筆記具に対してシール(情報表示シール)を貼着する前の状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、指位置案内シールS、指位置案内シールセットB、シャープペンシルセットA(筆記具セット)、及び、情報表示シールE1、E2について、図面を参照しつつ説明する。
【0030】
なお、この明細書では、指位置案内シールSは、右手の各指先f1、f2、f3が当接すべき箇所を案内するものとして説明しているが、左手であってもよいのは言うまでもない。
【0031】
<<シャープペンシルセットA>>
シャープペンシルセットAは、図1等に示すように、軸心pjから変移しない筆記尖端部ptが設けられた筆記具であるシャープペンシルPと、シャープペンシルPの外周面Mに対して巻き付けられて貼着されるものであり当該シャープペンシルPを持つ際の使用者における指先f1、f2、f3の当接させるべき箇所を案内する指位置案内シールSと、使用者により少なくとも名前等の文字を記入可能な記入領域表示部Kを備えた情報表示シールE1とを備えてなるものである。
【0032】
<シャープペンシルP>
シャープペンシルPは、いわゆるノック式のものである。シャープペンシルPは、軸心pjから変移しない筆記尖端部ptを構成する芯snを繰り出すために、使用者が前方に押圧するノック部p2を後端部に配している。
【0033】
シャープペンシルPは、軸心pj方向から見た場合に全体として略三角形状の外縁形状なす筆記具本体であるシャープペンシル本体p1を備えている。すなわち、シャープペンシル本体p1は、全体として三角柱状をなしたものである。
【0034】
シャープペンシル本体p1は、その外周面Mが、複数すなわち三つの主面部ms及び当該三つの主面部ms間に配設された複数すなわち三つの角部mkにより構成されている。
【0035】
シャープペンシル本体p1の外周面Mを形成している主面部ms及び角部mkは、軸心pj方向から見た場合に、それぞれ外方に凸をなすように湾曲しつつ相互に滑らかに連続したものとなっている。
【0036】
すなわち、シャープペンシル本体p1の各主面部msは、幅方向中間部が外方に向かって凸をなすように緩やかな曲面状をなしたものとなっている。また、シャープペンシル本体p1の各角部mkは、主面部msよりも湾曲度合いの大きな曲面状をなしている。
【0037】
なお、シャープペンシル本体p1の外周面Mは、使用者である子供等の持ち易さに優れたエラストマー素材で形成されたものとなっている。
【0038】
<指位置案内シールS>
指位置案内シールSは、シャープペンシル本体p1の外周面Mに対して巻き付けられて貼着されるものである。
【0039】
指位置案内シールSは、シャープペンシル本体p1を持つ際の使用者における親指、人差し指、及び、中指における指先f1、f2、f3の当接させるべき箇所を案内するものである。指位置案内シールSは、シャープペンシル本体p1の先部に貼着されるものである。
【0040】
指位置案内シールSは、基材である合成樹脂製のシート材を主体に構成されている。指位置案内シールSは、シャープペンシルPに対する貼り付け前の状態では、一方向に長手をなす略矩形帯状をなしている。指位置案内シールSは、シャープペンシル本体p1の周方向に長手をなした帯状のものである。
【0041】
指位置案内シールSの長手寸法は、貼着対象のシャープペンシル本体p1の外周寸法よりも長い寸法に設定されている。指位置案内シールSには、後で詳述するように長手方向一端部に他端部貼着領域scが設けられている。
【0042】
指位置案内シールSには、シャープペンシル本体p1の軸心pj周りに、親指の指先f1、人差し指の指先f2、及び、中指の指先f3が当接すべき領域を視覚的に案内する案内手段である第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3が設けられている。
【0043】
指位置案内シールSは、表面側に第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3が配設されるとともに裏面側に粘着剤層(図示せず)が配設されている。
【0044】
この実施形態では、指位置案内シールSにおける表面側の長手方向一端部に、粘着剤層を有する裏面側の長手方向他端部が貼着される他端部貼着領域scが設けられている。つまり、指位置案内シールSは、シャープペンシル本体p1に対して一周巻回させた上で、当該指位置案内シールSの端部同士が重なるように貼り合わせることにより、シャープペンシル本体p1に対してずれ動き難いようにしっかりと留められるものとなっている。
【0045】
[第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3]
第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3は、親指、人差し指、及び、中指の各指先f1、f2、f3に対応させた識別可能な表示部Hを備えたものである。
【0046】
第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3は、シャープペンシル本体p1の主面部msに対応するように周方向に並び設けられたものである。換言すれば、帯状をなす指位置案内シールSは、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3が、シャープペンシル本体p1の周方向に並設された三つの主面部msに略合致するようにして、シャープペンシル本体p1の外周面Mに対して貼着可能なものとなっている。
【0047】
第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3における各表示部Hは、隣り合う他の案内手段との視覚的な区別ができるように、少なくとも、色彩、仕切り線、囲い線、絵柄、模様、記号、及び、文字の何れかを含んで構成されている。
【0048】
図1~8に示すように、指位置案内シールSにおける第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hは、矩形状に設けられた色彩cを含んで構成されている。
【0049】
第一の案内手段s1の表示部Hは、矩形状に設けられた色彩cであって、例えば、橙色のものが適用されている。
【0050】
第二の案内手段s2の表示部Hは、第一の案内手段s1の表示部Hと同じ大きさをなす矩形状に設けられた色彩cであって、例えば、第一の案内手段s1の表示部Hにおいて適用された色彩cとは異なる色彩cである黄緑色のものが適用されている。
【0051】
第三の案内手段s3の表示部Hは、第一、第二の案内手段s1、s2の各表示部Hと同じ大きさをなす矩形状に設けられた色彩cであって、例えば、第一、第二の案内手段s1、s2の各表示部Hにおいて適用された色彩cとは異なる色彩cである水色のものが適用されている。
【0052】
ここで、本件特許出願の図面では、各表示部Hに橙色や黄緑色や水色を表示させることができないため、代わりに、模様を表示した上で色彩であることを示す符号「c」を付している。
【0053】
なお、本件特許出願の図面の通り、各表示部Hとして、色彩に代えて模様を用いてもよいし、色彩とともに模様を含ませてよいのはもちろんのことである。
【0054】
第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3は、長手方向に等間隔で並び設けられている。そして、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hは、それぞれ、異なる色彩cを有した略正方形状をなしている。
【0055】
異なる色彩cにより構成された各表示部Hにおける三箇所の端縁部分は、仕切り線sk及び突合部Tを構成するものとなっている。図1~8に示された指位置案内シールSにおける仕切り線sk及び突合部Tは、明示的な黒色等の線により構成されておらず、異なる色彩cにより構成された各表示部Hの境界部分に出現した線状部分により構成されている。仕切り線sk及び各突合部Tは、シャープペンシルPの軸心pj方向に対して直交する方向に直線状に延びている。
【0056】
指位置案内シールSに設けられた三つの突合部Tは、当該指位置案内シールSの各案内手段s1、s2、s3を、三角柱状をなすシャープペンシル本体p1における外周面Mの主面部msに対して位置合わせする際の目印として好適に機能し得るものである。
【0057】
すなわち、三つの突合部Tを、三角柱状をなすシャープペンシル本体p1における角部mkの頂点mtに合わせるようにして、指位置案内シールSをシャープペンシル本体p1の外周面Mに貼り付ければ、当該指位置案内シールSの各案内手段s1、s2、s3を、シャープペンシル本体p1における外周面Mの主面部msに対して合致させやすいものとなっている。
【0058】
ここで、図6に示されたシャープペンシルPは、シャープペンシル本体p1の外周面Mに、複数の貼着ガイド線Lが設けられたものである。同図におけるシャープペンシルPは、軸心pjに沿って直線状に延びてなり当該シャープペンシル本体p1の軸心pj周りに一定の間隔を空けて三つの貼着ガイド線Lが設けられている。
【0059】
三つの貼着ガイド線Lは、シャープペンシル本体p1における外周面Mを構成する三つの角部mkの各頂点mtに対応させて配設されている。
【0060】
そして、指位置案内シールSにおける三つの突合部Tは、三つの貼着ガイド線Lに対して突合するように構成されている。
【0061】
<指位置案内シールセットB>
指位置案内シールセットBは、図7及び図8に示すように、指位置案内シールSと、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hと同じ構成をなす対応表示部Rを有し使用者の親指、人差し指、及び、中指の各指先f1、f2、f3に対して貼り付けられる第一、第二、第三の指貼着シールy1、y2、y3とを備えたものである。
【0062】
図7及び図8に示された第一、第二、第三の指貼着シールy1、y2、y3は、円形状をなしている。各指貼着シールy1、y2、y3は、基材である合成樹脂製のシート材を主体に構成されたものである。
【0063】
各指貼着シールy1、y2、y3は、表面側に第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hと同じ構成をなす対応表示部Rが配設されるとともに裏面側に粘着剤層(図示せず)が配設されている。
【0064】
第一の指貼着シールy1には、第一の案内手段s1の表示部Hと同じ構成をなす橙色の色彩cを有した対応表示部Rが設けられている。
【0065】
第二の指貼着シールy2には、第二の案内手段s2の表示部Hと同じ構成をなす黄緑色の色彩cを有した対応表示部Rが設けられている。
【0066】
第三の指貼着シールy3には、第三の案内手段s3の表示部Hと同じ構成をなす水色の色彩cを有した対応表示部Rが設けられている。
【0067】
<情報表示シールE1・E2>
図1~3、図5、及び、図8~10に示された情報表示シールE1、及び、図20及び図21に示された情報表示シールE2について説明する。
【0068】
情報表示シールE1・E2は、シャープペンシル本体p1の外周面Mに対して巻き付けられて貼着されるものである。情報表示シールE1・E2は、シャープペンシル本体p1の後部に貼着されるものである。
【0069】
情報表示シールE1・E2は、シャープペンシル本体p1の周方向に長手をなした矩形帯状のものである。情報表示シールE1・E2は、基材である合成樹脂製のシート材を主体に構成されたものである。情報表示シールE1・E2は、裏面側に粘着剤層(図示せず)が配設されている。
【0070】
情報表示シールE1・E2は、シャープペンシル本体p1に対する貼り付け前の状態では、略矩形帯状をなしている。情報表示シールE1・E2の長手方向一端部には、他端部貼着領域ecが設けられている。情報表示シールE1・E2の長手寸法は、シャープペンシル本体p1の外周寸法よりも長い寸法に設定されている。
【0071】
<情報表示シールE1>
まず、図1~3、図5、及び、図8~10に示された情報表示シールE1について説明する。
【0072】
情報表示シールE1は、筆記具側特性情報表示Iに代替すべく当該筆記具側特性情報表示Iと同一の特性情報を表示させた代替特性情報表示部Dと、使用者により少なくとも名前等の文字をペンを使用することにより記入可能な記入領域表示部Kとを備えている。
【0073】
情報表示シールE1は、シャープペンシル本体p1の外周面Mに対して巻き付けられて貼着されるものであり当該シャープペンシル本体p1に表示された特性情報である筆記具側特性情報表示Iを覆い隠す構成のものである。
【0074】
この実施形態における「特性情報」は、シャープペンシルPに用いられる芯snの太さである。つまり、筆記具側特性情報表示Iは、シャープペンシル本体p1の後部に表示された「1.3」である。
【0075】
代替特性情報表示部Dは、シャープペンシルPに関する特性情報を視覚的に目立つように表示させたものである。この実施形態では、芯snの太さ情報である「1.3」を一般的な文字よりも太い太字により視覚的に目立つように表示させたものとなっている。
【0076】
記入領域表示部Kは、例えば、名前等の記入に好適な白色の矩形状をなしたものである。記入領域表示部Kには、使用者の名前等が好適に表示され得るものとなっている。情報表示シールE1の表面側は、例えば、記入領域表示部Kのみが白色をなしており、それ以外(代替特性情報表示部Dは除く。)は白色以外の色(例えば、黄緑色)に設定されている。
【0077】
<情報表示シールE2>
続いて、図20及び図21に例示された情報表示シールE2について説明する。
【0078】
情報表示シールE2は、代替特性情報表示部Dに代えて、シャープペンシル本体p1に表示された特性情報である筆記具側特性情報表示Iを表示可能な窓部Wを有する点において、先に説明した情報表示シールE1とは異なった構成をなしている。以下、情報表示シールE1の構成と同様の構成部分については、説明を省略する。
【0079】
情報表示シールE2は、シャープペンシル本体p1に表示された特性情報である筆記具側特性情報表示Iを表示可能な窓部Wを備えている。
【0080】
この実施形態では、窓部Wは、基材の幅方向中間部に穿設された円形の貫通孔により構成されている。窓部Wの形状は、筆記具側特性情報表示Iを表示させることが可能な適宜のものに設定可能であることは言うまでもない。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る指位置案内シールSは、軸心pjから変移しない筆記尖端部ptが設けられた筆記具であるシャープペンシルPの外周面Mに対して巻き付けられて貼着されるものである。そして、指位置案内シールSは、シャープペンシルPを持つ際の使用者における指先f1、f2、f3の当接させるべき箇所を案内するものとなっている。
【0082】
指位置案内シールSは、シャープペンシルPの軸心pj周りに、親指の指先f1、人差し指の指先f2、及び、中指の指先f3が当接すべき領域を視覚的に案内する案内手段である第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3が設けられている。
【0083】
このため、シャープペンシルPに対して貼着することにより、シャープペンシルPを好適に持つための使用者の練習に資する指位置案内シールSを提供することができるものとなる。
【0084】
親指の指先f1、人差し指の指先f2、及び、中指の指先f3にそれぞれ対応させた第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3が、識別可能な表示部Hを備えたものである。
【0085】
このため、使用者は、視覚を通じて表示部Hを識別することにより、親指の指先f1、人差し指の指先f2、及び、中指の指先f3のそれぞれを当接させるべき位置をスムーズに理解することができるものとなっている。
【0086】
表示部Hが、少なくとも、色彩、仕切り線、絵柄、模様、記号、及び、文字の何れかを含んで構成されている
このため、使用者は、視覚を通じて表示部Hを好適に識別することができるものとなっている。
【0087】
シャープペンシルPが、軸心pj方向から見た場合に全体として略三角形状をなす筆記具本体たるシャープペンシル本体p1を備えたものである。
【0088】
そして、シャープペンシル本体p1の外周面Mが、複数すなわち三つの主面部ms、及び、当該三つの主面部ms間に配設された複数すなわち三つの角部mkにより構成されたものとなっている。
【0089】
第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3のそれぞれは、三つの主面部msに対応するように周方向に並び設けられたものである。
【0090】
このため、指位置案内シールSは、シャープペンシル本体p1の形状に対応させて第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3が配設されたものとなっている。つまり、指位置案内シールSは、略三角形状をなすシャープペンシル本体p1と協働して、シャープペンシルPを好適に持つための使用者の練習に資する構成が実現されたものとなっている。
【0091】
指位置案内シールSは、その長手寸法すなわち周方向の寸法が、シャープペンシル本体p1の外周寸法と略同じかそれよりも長い寸法に設定されたものである。
【0092】
このため、指位置案内シールSは、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3が適切な箇所に設けられたものとなる。
【0093】
しかも、指位置案内シールSの長手寸法が、シャープペンシル本体p1の外周寸法よりも長い寸法に設定されたものであれば、一端部と他端部とを相互に貼り合わせることができることになるため、シャープペンシル本体p1に対して強固に貼着し得る構成を実現し易いものとなる。
【0094】
指位置案内シールSは、シャープペンシル本体p1の先部に貼着されるものであるため、使用者がシャープペンシルPを持つ箇所に適切に対応したものとなっている。
【0095】
シャープペンシル本体p1の外周面Mに、軸心pjに沿って延びてなり当該軸心pj周りに一定の間隔を空けて複数すなわち三つの貼着ガイド線Lが設けられたものとなっている。
【0096】
そして、指位置案内シールSは、三つの貼着ガイド線Lに対して突合する三つの突合部Tが設けられている。
【0097】
このため、指位置案内シールSは、三つの突合部Tを三つの貼着ガイド線Lに突合するようにしてシャープペンシル本体p1の外周面Mに貼り付けることができるため、シャープペンシル本体p1に対して適切に位置合わせすることができるものとなっている。
【0098】
指位置案内シールSは、表面側に第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3が配設されるとともに裏面側に粘着剤層が配設されシャープペンシル本体p1の周方向に長手をなした帯状のものである。
【0099】
そして、指位置案内シールSは、表面側の長手方向一端部に、裏面側の長手方向他端部が貼着される他端部貼着領域scが設けられている。
【0100】
このため、指位置案内シールSは、一端部に設けられた他端部貼着領域scと、粘着剤層が配設された長手方向他端部とを相互に貼り合わせることができることになるため、シャープペンシル本体p1に対して強固に貼着し得る構成を実現し易いものとなる。
【0101】
指位置案内シールセットBは、識別可能な表示部Hを備えた第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3を設けた指位置案内シールSと、当該指位置案内シールSにおける表示部Hと同じ構成をなす対応表示部Rを有し使用者の指先f1、f2、f3に対して貼り付けられる第一、第二、第三の指貼着シールy1、y2、y3とを備えたものである。
【0102】
このため、指先f1、f2、f3に貼り付けられた第一、第二、第三の指貼着シールy1、y2、y3の対応表示部Rと、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3に有する表示部Hとを同じ構成にすることにより、親指の指先f1、人差し指の指先f2、中指の指先f3を、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3に対して好適に関連付けることができるものとなっている。
【0103】
シャープペンシルセットAは、軸心pjから変移しない筆記尖端部ptが設けられたシャープペンシルPと、シャープペンシル本体p1の外周面Mに対して巻き付けられて貼着されるものであり当該シャープペンシル本体p1を持つ際の使用者における指先f1、f2、f3の当接させるべき箇所を案内する指位置案内シールSとを備えてなるものである。
【0104】
そして、指位置案内シールSに、シャープペンシル本体p1の軸心pj周りに、親指の指先f1、人差し指の指先f2、及び、中指の指先f3が当接すべき領域を視覚的に案内する第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3が設けられている。
【0105】
このため、シャープペンシルP及び指位置案内シールSの協働によって、シャープペンシルPを好適に持つための使用者の練習に資するシャープペンシルセットAを提供することができるものとなる。
【0106】
情報表示シールE1は、筆記具であるシャープペンシルPの外周面Mに対して巻き付けられて貼着されるものである。
【0107】
そして情報表示シールE1は、シャープペンシル本体p1に表示された特性情報である筆記具側特性情報表示Iを覆い隠すものとなっている。
【0108】
情報表示シールE1は、覆い隠された筆記具側特性情報表示Iに代替すべく当該筆記具側特性情報表示Iと同一の特性情報を表示させた代替特性情報表示部Dと、使用者により少なくとも名前等の文字を記入可能な記入領域表示部Kとを備えている。
【0109】
このため、情報表示シールE1は、使用者の名前等の文字をシャープペンシルPに好適に設けることができるものとなる。
【0110】
しかも、情報表示シールE1は、シャープペンシル本体p1に対して巻き付けられて強固に貼着するために、シャープペンシルPの継続的な使用において極めて重要なシャープペンシル本体p1に表示された特性情報(芯の太さ)である筆記具側特性情報表示I(図示例では「1.3」の表示)を覆い隠すものとなっている。しかしながら、情報表示シールE1には、筆記具側特性情報表示Iと同一の特性情報を表示させた代替特性情報表示部D(図示例では「1.3」の表示)が設けられているため、シャープペンシルPに適用される替え芯の太さに迷うことなく継続的な使用が円滑に行われるものとなっている。
【0111】
情報表示シールE1の代替特性情報表示部Dは、太字により、特性情報を視覚的に目立つように表示させたものである。
【0112】
このため、使用者は、代替特性情報表示部DによりシャープペンシルPの特性情報を好適に認識することができるものとなっている。
【0113】
情報表示シールE2は、筆記具であるシャープペンシルPの外周面Mに対して巻き付けられて貼着されるものである。
【0114】
そして、情報表示シールE2は、シャープペンシルPに表示された特性情報である筆記具側特性情報表示Iを表示可能な窓部Wと、使用者により少なくとも名前等の文字を記入可能な記入領域表示部Kとを備えている。
【0115】
このため、情報表示シールE2は、使用者の名前等の文字をシャープペンシルPに好適に設けることができるものとなる。
【0116】
しかも、情報表示シールE2には窓部Wが設けられているため、シャープペンシルP本体に対して巻き付けられて強固に貼着されるものであるにもかかわらず、シャープペンシルPの継続的な使用において極めて重要なシャープペンシルP本体に表示された筆記具側特性情報表示I(図示例では「1.3」の表示)を覆い隠すことなく、視認可能に表示させることができるものとなっている。
【0117】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0118】
指位置案内シールの具体的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を適用し得るものであることは言うまでもない。
【0119】
指位置案内シールは、例えば、図11~19に示されるようなものであってもよい。
【0120】
図11に示す指位置案内シールSについて説明する。
【0121】
図11に示された第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3、及び、他端部貼着領域scは、長手方向に等間隔で並び設けられている。そして、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hには、色彩c及び直線状に明示された仕切り線skが含まれている。仕切り線skは、隣りあう案内手段s1、s2、s3を識別し易いように境界を仕切る役割を担うだけでなく突合部Tを兼ねたものとなっている。
【0122】
図12に示す指位置案内シールSについて説明する。
【0123】
図12に示された第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3、及び、他端部貼着領域scは、長手方向に等間隔で並び設けられている。そして、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hには、色彩c、直線状に明示された仕切り線sk、及び、文字mj(「おやゆび」、「ひとさしゆび」、「なかゆび」と表示されたもの)が含まれている。使用者は、文字mjを頼りにして、各指先f1、f2、f3を所定の位置に当接させることができるものとなっている。
【0124】
図13に示す指位置案内シールSについて説明する。
【0125】
図13に示された第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3、及び、他端部貼着領域scは、長手方向に等間隔で並び設けられている。そして、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hには、直線状に明示された仕切り線sk、及び、文字mj(「おやゆび」、「ひとさしゆび」、「なかゆび」と表示されたもの)が含まれている。換言すれば、図13の指位置案内シールSには、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hに色彩が含まれていない透明のものとなっている。なお、図13では、色彩が含まれていない透明のものを例示したが、白色を含む他の色彩を含ませたものであってもよい。
【0126】
図14に示す指位置案内シールSについて説明する。
【0127】
図14に示された第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3は、長手方向に等間隔で並び設けられている。そして、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hには、直線状に明示された仕切り線skが含まれている。換言すれば、図14の指位置案内シールSには、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hに色彩や文字が含まれていないものとなっている。なお、図14では、色彩が含まれていない透明のものを例示したが、白色を含む他の色彩を含ませたものであってもよい。
【0128】
図15に示す指位置案内シールSについて説明する。
【0129】
図15に示された第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3は、長手方向に等間隔で並び設けられている。そして、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hには、円環状をなす囲い線siと、囲い線siの内部に示された色彩cが含まれている。各表示部Hには同一の色彩c(例えば、黄緑色など)が適用されている。なお、図15では、各表示部Hに同一の色彩c(例えば、黄緑色など)が適用された例を示しているが、各表示部Hに任意の色彩を用いてもよいのは言うまでもない。
【0130】
図16に示す指位置案内シールSについて説明する。
【0131】
図16に示された第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3は、長手方向に等間隔で並び設けられている。そして、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hには、基材の長手方向に対して傾斜した楕円形状をなす囲い線siと、囲い線siの内部に示された色彩cが含まれている。各表示部Hには同一の色彩c(例えば、黄緑色など)が適用されている。なお、図16では、各表示部Hに同一の色彩c(例えば、黄緑色など)が適用された例を示しているが、各表示部Hに任意の色彩を用いてもよいのは言うまでもない。
【0132】
図17に示す指位置案内シールSについて説明する。
【0133】
図17に示された第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3は、長手方向に等間隔で並び設けられている。そして、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hには、文字mj(「ゆび」、「ゆび」、「ゆび」と表示されたもの)が含まれている。
【0134】
図18に示す指位置案内シールSについて説明する。
【0135】
図18に示された第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3は、長手方向に等間隔で並び設けられている。そして、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hには、記号kg(「×」、「×」、「×」と表示されたもの)が含まれている。
【0136】
図19に示す指位置案内シールSについて説明する。
【0137】
図19に示された第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3は、長手方向に等間隔をなさないように並び設けられている。そして、第一、第二、第三の案内手段s1、s2、s3の各表示部Hには、円環状をなす囲い線siが含まれている。なお、図19に示す指位置案内シールSには、他端部貼着領域scにその箇所を分かりやすく示唆するための「のりしろ」という文字が表示されている。
【0138】
上述した図11~19に示されるものも本発明の一例に過ぎない。
【0139】
筆記具は、軸心から変移しない筆記尖端部が設けられた構成のものであればよく、上述した実施形態に示されたようなシャープペンシルに限られるものではない。
【0140】
指位置案内シールの形状は、長方形状もの以外のものであってもよい。長方形状のものとは異なる指位置案内シールの形状としては、例えば、平行四辺形状のものや、V字状に延びてなるものや、特定の形状部分が複数連なった形状のものや、円形状の部分や楕円形状の部分やその他の異形状の部分が混在して連なったような形状のもの等を挙げることができる。
【0141】
指位置案内シールの幅が、周方向に一定でないものであってもよい。
【0142】
案内手段は、使用者の指先が当接すべき領域を視覚的に案内し得るものであればよく、使用者の指先が当接しない場合があってもよい。換言すれば、案内手段は、使用者の指先が厳密に当接するものに限られるものではなく、使用者の指先が近接するものであってもよい。
【0143】
指位置案内シールの案内手段は、上述した実施形態に示されたように、親指と人差し指と中指のすべての各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するものに限られるものではない。
【0144】
すなわち、指位置案内シールは、筆記具の軸心周りに、親指の指先、人差し指の指先、及び、中指の指先の内、少なくとも、二つの指先が当接すべき領域を視覚的に案内する案内手段が設けられたものであればよい。
【0145】
例えば、指位置案内シールの案内手段は、親指及び人差し指の各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するものであってもよいし、親指及び中指の各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するものであってもよいし、人差し指及び中指の各指先が当接すべき領域を視覚的に案内するものであってもよい。
【0146】
案内部材に備えた表示部は、使用者によって各指先ごとに対応させた識別可能なものであればよく、その具体的な表示については適宜のものを適用し得るものである。
【0147】
表示部は、色彩、仕切り線、囲い線、絵柄、模様、記号、及び、文字以外の構成のものを含んでいても構わない。
【0148】
表示部は、質感(光沢・つや等)であってもよい。例えば、隣設する一方の表示部が光沢を有するものであり他方が光沢の無いもの(マット)であれば、使用者は、異なる質感を識別することにより、特定の指先を位置させるべき適切な箇所を把握することができるものとなる。
【0149】
なお、模様には、不透明又は透明の基材に凹凸や貫通孔を形成したものが含まれる。
【0150】
凹凸は、エンボス印刷により設けられたものであってもよいし、その他のエンボス加工・デボス加工により設けられたものであってもよい。
【0151】
指位置案内シールの長手寸法が、筆記具の外周寸法と略同じに設定されたものであってもよいし、筆記具の外周寸法よりも短いものであってもよい。
【0152】
指位置案内シールに設けられた突合部は、一箇所にのみ設けられたものであってもよい。
【0153】
また、突合部は、明示的に表された線により構成されたものに限られるものではない。突合部は、矩形状をなす色彩の端部や隣設する矩形状をなす色彩間の隙間等によって構成された実線を有していないものであってもよい。つまり、突合部は、貼着ガイド線に対して突合可能なものであればどのようなものであってもよい。
【0154】
指貼着シールは、使用者の指先に対して貼り付けられる構成のものであればよく、その形状や具体的な貼着箇所については特に限定されるものではない。
【0155】
筆記具セットは、筆記具と、指位置案内シールセットによって構成されたものであってもよい。
【0156】
代替特性情報表示部は、特性情報を視覚的に目立つように表示させていないものであってもよい。
【0157】
情報表示シールの記入領域表示部は、使用者により少なくとも文字を記入可能に表示されたものであればよい。換言すれば、記入領域表示部には、使用者によって文字が記入されない場合があってもよい。
【0158】
情報表示シールの窓部は、貫通孔により形成されたものに限られるものではない。情報表示シールの窓部は、例えば、情報表示シールの基材における筆記側特性情報表示に対応する箇所だけを透明にすることにより、筆記具側特性情報表示を表示可能に構成したものであってもよい。
【0159】
特性情報は、シャープペンシルに用いられる芯の太さに限られるものではない。
【0160】
情報表示シールの長手寸法が、筆記具の外周寸法と略同じに設定されたものであってもよい。
【0161】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0162】
A…シャープペンシルセット(筆記具セット)
P…シャープペンシル(筆記具)
pj…軸心
pt…筆記尖端部
p1…シャープペンシル本体
I…筆記具側特性情報表示
B…指位置案内シールセット
S…指位置案内シール
s1…第一の案内手段
s2…第二の案内手段
s3…第三の案内手段
y1、y2、y3…指貼着シール
E1・E2…情報表示シール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21