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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154547
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】管内洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/027 20060101AFI20241024BHJP
   B08B 9/045 20060101ALI20241024BHJP
   B05B 1/14 20060101ALI20241024BHJP
   B05B 3/06 20060101ALI20241024BHJP
   B05B 3/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B08B9/027
B08B9/045
B05B1/14 Z
B05B3/06 B
B05B3/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068412
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000132161
【氏名又は名称】株式会社スギノマシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002712
【氏名又は名称】弁理士法人みなみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志水 勇介
(72)【発明者】
【氏名】伊東 光一
【テーマコード(参考)】
3B116
4F033
【Fターム(参考)】
3B116AA12
3B116AB52
3B116AB54
3B116BB22
3B116BB32
3B116BB43
3B116BB54
3B116BB62
4F033AA04
4F033BA04
4F033DA02
4F033EA01
4F033GA02
4F033GA11
4F033NA01
4F033PA01
4F033PB02
4F033PB17
4F033PC05
4F033PD03
4F033PD04
(57)【要約】
【課題】管の内面の洗浄装置において、高圧水を噴射するノズルの回転数を調整し易くすることを目的とする。
【解決手段】管内洗浄装置は、高圧水を順番に通過させるためのスピンドル12とヘッド13と複数のノズル14と、スピンドルを回転可能に収容するためのボディ11と、ボディとスピンドルの間に収容される内ロータ24と外ロータ25と、第1の栓21とを備える。内ロータと外ロータの間にポンプ室31が形成される。ボディにはポンプ室に通じる接続路33が形成される。ポンプ室と接続路とは、循環路を協働して形成する。スピンドルと内ロータと外ロータとボディとは、潤滑液を循環路に循環させるための流体ポンプを協働して形成する。第1の栓とボディとは、流量調整弁を協働して形成する。流量調整弁は、スピンドルの回転数、つまりノズルの回転数を緻密に調整できる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧水を通過させるためのスピンドルと、
前記スピンドルの先部から前記スピンドルの軸線方向に突出し、前記高圧水が前記スピンドルから供給されるヘッドと、
前記軸線方向から見て、前記ヘッドから半径方向の外側へ突出し、前記高圧水が前記ヘッドから供給され、外部に噴射される複数のノズルと、
前記スピンドルを回転可能に収容すると共に、弁口を含む接続路と、前記接続路と外部とに通じる第1の穴と、を有するボディと、
前記ボディと前記スピンドルとの間に配置される外ロータと、
前記外ロータの内部に配置され、前記スピンドルに固定されると共に、前記接続路の両端に接続されるポンプ室が前記外ロータとの間に形成される内ロータと、
前記スピンドルの回転数を調整するために前記第1の穴に対して嵌合されると共に、前記弁口の開口面積を変えるための弁体を有する第1の栓とを備え、
前記ポンプ室と前記接続路とは、循環路を協働して形成し、
前記スピンドルと前記内ロータと前記外ロータと前記ボディとは、潤滑液を循環路に循環させるための流体ポンプを協働して形成し、
前記第1の栓と前記ボディとは、流量調整弁を協働して形成する、
管内洗浄装置。
【請求項2】
前記流量調整弁は、ニードル弁である、
請求項1に記載の管内洗浄装置。
【請求項3】
第2の栓を更に備え、
前記接続路は、前記ポンプ室の異なる箇所に通じる、吸入路と排出路と、前記吸入路と前記排出路を中継すると共に、前記弁口を含む中継路とを有し、
前記吸入路と前記排出路は、前記ポンプ室の異なる箇所に通じる、吸入ポートと排出ポートと、前記吸入ポートと前記排出ポートから前記ポンプ室を基準として前記軸線方向の一方へそれぞれ延びる、吸入孔と排出孔とを含み、
前記ボディは、前記第2の栓が着脱可能に嵌合するための第2の穴を更に有し、
前記第2の穴は、前記弁口とは異なる位置において前記中継路に通じ、
前記第1の穴と前記中継路と前記第2の穴は、前記ボディを一直線に貫通する直線路を協働して形成する、
請求項1又は2に記載の管内洗浄装置。
【請求項4】
第3の栓を更に備え、
前記ボディは、前記中継路に通じると共に前記第3の栓が着脱可能に嵌合するための第3の穴H3を更に有し、
前記第2の穴と前記第3の穴の一方は、潤滑液を前記ポンプ室に注入するためのもので、他方は、前記ポンプ室の空気を排出するためのものである、
請求項3に記載の管内洗浄装置。
【請求項5】
前記第3の穴は、前記弁口を基準にして前記第1の穴の方において前記中継路に通じ、
前記中継路は、前記弁口を基準にして前記第1の穴の方に位置する第1の流路を更に含み、
前記第1の流路は、前記吸入路と前記排出路との一方に通じさせると共に、前記弁口よりも口径を大きくし、
前記弁体が前記弁口を塞いだ場合に、前記第1の流路と前記第1の栓との半径方向の間には、前記吸入路と前記排出路の前記一方と前記第3の穴とを通じさせる隙間が形成される、
請求項4に記載の管内洗浄装置。
【請求項6】
前記軸線方向から見て、前記直線路を水平に且つ前記スピンドルに対して上方に配置した場合に、前記第3の穴は直線路に対し上方に配置される、
請求項4に記載の管内洗浄装置。
【請求項7】
前記軸線方向から見た場合に、前記ボディの外周面の異なる箇所に固定されると共に伸縮自在な複数のアーム機構部を更に備える、
請求項1又は2に記載の管内洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管の内面用の洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
管の内面に水垢や酸化物等の異物が付着、堆積してしまうことがある。このような異物を除去するものとして、管内洗浄装置が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された管内洗浄装置は、高圧水が順番に通過する、ローターとノズルヘッドとノズルと、ローターを回転させるエアモータとを備える。エアモータにはスピードコントローラが設けられ、スピードコントローラがノズルの回転数を調整する。なお、本明細書では、回転数とは、単位時間当たりの回転数のことである。
【0004】
特許文献2に開示された管内洗浄装置は、高圧水が順番に通過する、管状軸とノズルブロックとノズルと、管状軸を回転可能に収容する複数のデスクと、トロコイドポンプと、絞り弁とを備える。複数のデスクには、トロコイドポンプのポンプ室に通じる油路が形成される。絞り弁は円柱形状であり、油路を開閉可能とする。絞り弁が油路の開口量を変更することによって、油の流量を調整し、ノズルの回転数を調整する。以後、管状軸と実質的に同一な物をスピンドルと称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許5801524号
【特許文献2】実開昭57-90764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2においては、絞り弁が円柱形状であるので、絞り弁を少し操作するだけで、油路の開口量が急激に変化する。その結果、油の流量が急激に変化し、ノズルの回転数が急激に変化する。
本発明は、スピンドルの回転を規制するための油の流量を調整し易くすることで、ノズルの回転数(早い、遅い)を変更し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
代表的な本発明は、高圧水を通過させるためのスピンドルと、前記スピンドルの先部から前記スピンドルの軸線方向に突出し、前記高圧水が前記スピンドルから供給されるヘッドと、前記軸線方向から見て、前記ヘッドから半径方向の外側へ突出し、前記高圧水が前記ヘッドから供給され、外部に噴射される複数のノズルと、前記スピンドルを回転可能に収容すると共に、弁口を含む接続路と、前記接続路とボディの外部とに通じる第1の穴と、を有するボディと、前記ボディと前記スピンドルとの間に配置される外ロータと、前記外ロータの内部に配置され、前記スピンドルに固定されると共に、前記接続路の両端に接続されるポンプ室が前記外ロータとの間に形成される内ロータと、前記スピンドルの回転数を調整するために前記第1の穴に対して嵌合されると共に、前記弁口の開口面積を変えるための弁体を有する第1の栓とを備え、前記ポンプ室と前記接続路とは、循環路を協働して形成し、前記スピンドルと前記内ロータと前記外ロータと前記ボディとは、潤滑液を循環路に循環させるための流体ポンプを協働して形成し、前記第1の栓と前記ボディとは、流量調整弁を協働して形成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の管内洗浄装置は、スピンドルの回転を規制するための油の流量を調整し易くすることで、ノズルの回転数(早い、遅い)を変更し易い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一実施形態の管内洗浄装置を示す説明図である。
図2】第一実施形態の管内洗浄装置を示す断面図である。
図3A図2のIIIA-IIIA線断面図である。
図3B図3Aの空間部を理解するための断面図である。
図4図2のIV-IV線断面図である。
図5図2のV-V線断面図である。
図6A】本発明の第二実施形態の管内洗浄装置における一の態様を示す説明図である。
図6B】第二実施形態の管内洗浄装置における他の態様を示す説明図である。
図7A】本発明の第三実施形態の管内洗浄装置における一の態様を示す説明図である。
図7B】第三実施形態の管内洗浄装置における他の態様を示す説明図である。
図8】本発明の第四実施形態の管内洗浄装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1には洗浄対象の管1と、本発明の第一実施形態の管内洗浄装置(以下、洗浄装置と略する。)10の外観が示されている。洗浄装置10は、ボディ11と、スピンドル12と、ヘッド13と、複数のノズル14と、管継手15と、水管16と、吊り具17とを備える。
【0011】
ボディ11は、その内部にスピンドル12を回転可能に収容し、その外部にスピンドル12の先部を突出する。
【0012】
スピンドル12が回転するときの中心となる直線を、軸線Lと称する。軸線Lが延びる方向を軸線方向と称する。軸線Lに対して直交する方向であって且つ軸線Lに接近および離隔する方向を、半径方向と称する。軸線方向から見た場合に、物の外側に沿った面を、外周面と称する。軸線方向から見たときに、物が環状である場合には、物の内側に沿った面を、内周面と称する。
【0013】
ヘッド13は、スピンドル12の先部から軸線方向の一方へ突出する。軸線方向から見て、複数のノズル14は、ヘッド13から半径方向の外側へ突出する。ノズル14は、半径方向に対して傾斜している。吊り具17は、ヘッド13を基準にしてスピンドル12とは反対側に、ヘッド13から突出する。
【0014】
管継手15は水管16とボディ11に連結される。水管16には高圧水が供給される。高圧水は、水管16、管継手15、スピンドル12、ヘッド13、複数のノズル14を順番に通過する。複数のノズル14の先端から高圧水が噴射される。噴射の反力によって、洗浄装置10が吊り具17とは反対側へ推進され、スピンドル12がヘッド13と複数のノズル14と一緒に軸線Lを中心にして回転する。ボディ11と管継手15と水管16は回転しない。複数のノズル14から噴射される高圧水の噴射角度や噴射量を異ならせることによって、スピンドル12が回転する。
【0015】
図2~5には、洗浄装置10の内部構造が示されている。洗浄装置10は、図3に示すように、第1の栓21と、第2の栓22と、第3の栓23と、図2に示すように、内ロータ24と、外ロータ25と、複数の軸受26と、複数のシール部27とを更に備える。
【0016】
ボディ11は筒状である。ボディ11の内部にはスピンドル12の他に、第1の栓21と、第2の栓22と、第3の栓23と、内ロータ24と、外ロータ25と、複数の軸受26と、複数のシール部27とが更に収容される。
【0017】
管継手15は筒状である。管継手15の内部には軸線方向に貫通する水路15aが形成される。
【0018】
軸受26は環状である。複数の軸受26は、スラスト軸受か、ラジアル軸受であり、スラスト軸受とラジアル軸受を少なくとも一つ含む状態で構成される。複数の軸受26は、ボディ11とスピンドル12との半径方向の間に配置され、ボディ11に対してスピンドル12を、回転可能に且つ軸線方向に移動不能に支持する。本実施形態では、軸受26の個数は3つである。3つの軸受26は、軸線方向に間隔をあけて配置される。3つの軸受26を区別する場合には、管継手15からヘッド13に向かって順に、第1の軸受26a、第2の軸受26b、第3の軸受26cと称する。なお、本明細書中においては、軸受26を3つとして説明したが、個数は適宜設定できることは言うまでもない。
【0019】
スピンドル12は、軸線方向に一直線に延びる管状である。スピンドル12の内部には、軸線方向に貫通する水路12aが形成される。スピンドル12は、スピンドル本体121と、鍔122とを有する。スピンドル本体121は円筒状である。鍔122は、スピンドル12の軸線方向の中間部において、スピンドル本体121の外周面から半径方向の外側へ突出する。鍔122は環状で、スピンドル12の外周面の周方向の全長に亘って形成される。鍔122に対して軸線方向の両隣りに第1の軸受26aと第2の軸受26bとが配置される。第1の軸受26aと第2の軸受26bは、鍔122を軸線方向から挟む状態で回転可能に支持すると共に、スピンドル本体121を半径方向の外側から回転可能に支持する。第3の軸受26cは、スピンドル本体121を半径方向の外側から回転可能に支持する。
【0020】
シール部27は環状である。複数のシール部27は、ボディ11とスピンドル12との半径方向の間、およびスピンドル12と管継手15との半径方向の間を密閉する状態で配置される。本実施形態では、シール部27の個数は、3つである。3つのシール部27を区別する場合には、管継手15からヘッド13に向かって順に、第1のシール部27a、第2のシール部27b、第3のシール部27cと称する。なお、本明細書中においては、シール部27を3つとして説明したが、個数は適宜設定できることは言うまでもない。
【0021】
第1のシール部27aは、ボディ11に対して管継手15の方に配置される。第1のシール部27aは、軸線方向に関してボディ11と管継手15との間に収容され、半径方向に関してスピンドル本体121と管継手15との間に挟まれる。
【0022】
第2のシール部27bは、第1の軸受26に対して管継手15の方に配置される。第2のシール部27bは、軸線方向に関して第2の軸受26とボディ11との間に収容され、半径方向に関してボディ11とスピンドル本体121との間に挟まれる。
【0023】
第3のシール部27cは、第3の軸受26に対してヘッド13の方に配置される。第3のシール部27cは、軸線方向に関してボディ11と第3の軸受26との間に収容され、半径方向に関してスピンドル12とボディ11との間に挟まれる。
【0024】
ヘッド13は、柱状のブロックである。ヘッド13の表面は、ボディ11に対し軸線方向に対向する一面131と、吊り具17に対し軸線方向に対向する先端面132と、外周面133とを有する。
【0025】
一面131にはスピンドル12の先部を収容する穴131aが形成される。穴131aとスピンドル12の先部とは、ねじ対偶S1によって固定される。詳しくは以下の通りである。穴131aの内周面にはねじ対偶S1の雌ネジS1bが形成される。スピンドル12の先部の外周面にはねじ対偶S1の雄ネジS1aが形成される。雄ネジS1aと雌ネジS1bが嵌合することによって、ヘッド13はスピンドル12の先部に固定される。ヘッド13とスピンドル12の固定をより強固にするには、例えば図示しないナットが用いられる。ナットは雄ネジS1aにねじ込まれた状態でヘッド13に押し付けられる。
【0026】
外周面133には複数のノズル14の一端部を収容する穴133aがそれぞれ形成される。複数の穴133aは、外周面133の周方向に間隔をあけて配置される。穴133aとノズル14の一端部とは、ねじ対偶S2によって固定される。穴133aの内周面にはねじ対偶S2の雌ネジS2bが形成される。ノズル14の一端部の外周面には、ねじ対偶S2の雄ネジS2aが形成される。雄ネジS2aと雌ネジS2bが嵌合することによって、ノズル14はヘッド13に固定される。ノズル14とヘッド13の固定をより強固にするには、例えば図示しないナットが用いられる。ナットは、雄ネジS2aにねじ込まれた状態でヘッド13に押し付けられる。ヘッド13の内部には、高圧水を通過させる水路13aが形成される。水路13aは、穴131aと複数の穴133aとを通じさせる。
【0027】
ノズル14は管状である。ノズル14の内部には高圧水を通過させる水路14aが形成される。その結果、高圧水は、水路12a、水路13a、水路14aの順に供給される。
【0028】
図5に示すように軸線方向から見て、内ロータ24の中央部には、軸線方向に貫通する貫通穴24aが形成される。貫通穴24aにはスピンドル12が通される。内ロータ24は、スピンドル12に対し半径方向の外側に固定される。
【0029】
軸線方向から見て、外ロータ25の中央部には、軸線方向に貫通する貫通穴25aが形成される。貫通穴25aには内ロータ24が収容される。貫通穴25aは外ロータ25の内周面である。
【0030】
内ロータ24と外ロータ25は、ボディ11の内部に軸線方向に移動不能な状態で収容される。内ロータ24と外ロータ25とボディ11とスピンドル12は、流体ポンプを協働して形成する。流体ポンプは内接歯車ポンプである。内ロータ24がスピンドル12と一緒に回転すると、内ロータ24の回転に従って、外ロータ25が内ロータ24よりも遅く回転する。内接歯車ポンプは、本実施形態では、トロコイドポンプである。したがって、内ロータ24と外ロータ25は歯車である。なお、内接歯車ポンプは、内部に単数または複数の歯車を有する構造であれば良く、複数のときは、上下または左右に歯車を有する形態等でも良い。内ロータ24の外周面と外ロータ25の内周面は、トロコイド曲線を利用した曲面である。内ロータ24の外周面と外ロータ25の外周面には複数の歯が形成される。内ロータ24の歯数は外ロータ25の歯数よりも一つ少ない。外ロータ25の外周面は円筒面である。ボディ11の内周面と外ロータ25の外周面とは、僅かな隙間を介して対向する。その結果、外ロータ25は、内ロータ24とボディ11との半径方向の間に配置され、ボディ11の内部で回転可能に支持される。
【0031】
内ロータ24と外ロータ25の間にはポンプ室31が形成される。ポンプ室31は、内ロータ24と外ロータ25とが所々で密接することによって、内ロータ24の外周方向に区画された複数の部屋32から構成される。内ロータ24がスピンドル12と一緒に回転すると、外ロータ25が内ロータ24に従って回転し、ポンプ室31の内部形状が変形する。ポンプ室31の内部変形に伴って、複数の部屋32は変形し、周方向に変位する。図3に示すようにボディ11には、ポンプ室31の異なる箇所を接続する接続路33が形成される。ポンプ室31と接続路33とは、循環路を協働して形成する。循環路には潤滑液としての油が満たされる。
【0032】
スピンドル12と内ロータ24とが一緒に回転すると、接続路33の一端からポンプ室31に油が吸入され、ポンプ室31から接続路33の他端に油が排出する。スピンドル12の回転方向が逆転すると、ポンプ室31に対して油が出入りする方向が逆転する。本実施形態では、図5を基準として、スピンドル12は右回りに回転するものとする。図4では、スピンドル12の回転方向が逆になっていることに留意する。
【0033】
接続路33は図2~4に示すように、吸入路34と、排出路35と、中継路36とを有する。図2では、吸入路34が示されていないことに留意する。軸線方向から見て、吸入路34と排出路35とは、スピンドル12の外周方向に離れて形成され、ポンプ室31の異なる箇所に通じる。図3では、吸入路34と排出路35とは、中継路36を中心にして左右に形成される。吸入路34は、中継路36に対して右側に位置し、排出路35は中継路36に対して左側に位置する。吸入路34は、油をポンプ室31に吸入するための流路である。排出路35は、油をポンプ室31から排出するための流路である。中継路36は、油を排出路35から吸入路34へ通過させるための流路である。
【0034】
吸入路34は、吸入ポート34aと、吸入孔34bとを含む。排出路35は、排出ポート35aと、排出孔35bとを含む。吸入ポート34aと排出ポート35aは、スピンドル12とは半径方向に離れた位置において、スピンドル12の外周に沿ってそれぞれ延びる。吸入ポート34aと排出ポート35aとは円弧状であり、周方向に離れている。吸入ポート34aと排出ポート35aは、ポンプ室31に対して周方向の異なる位置において通じる。
【0035】
吸入孔34bは、吸入ポート34aに通じる。詳しくは、吸入孔34bは、吸入ポート34aにおける左回り方向の端部に通じる。吸入孔34bは、吸入ポート34aからポンプ室31とは反対側に延びる。排出孔35bは、排出ポート35aに通じる。詳しくは、排出孔35bは、排出ポート35aの右回り方向の端部に通じる。排出孔35bは、排出ポート35aからポンプ室31とは反対側に延びる。吸入孔34bと排出孔35bとは軸線方向に平行に延びる。
【0036】
ボディ11は図3に示すように、接続路33の他に、第1の穴H1と、第2の穴H2と、第3の穴H3を更に有する。第1の穴H1と、第2の穴H2と、第3の穴H3は、ボディ11の外周面に形成される。第1の穴H1と第2の穴H2と第3の穴H3は、中継路36に対して異なる箇所で通じる。第1の穴H1と中継路36と第2の穴H2は、ボディ11を一直線に貫通する直線路を協働して形成する。軸線方向から見て、直線路を水平に且つスピンドル12に対して上方に配置した場合に、第3の穴H3は、直線路に対し上方に配置される。
第2の穴H2と第2の栓22とは、ねじ対偶S3によって嵌合する。第2の穴H2にはねじ対偶S3の雌ネジS3bが形成される。第2の栓22は、ねじ対偶S3の雄ネジS3aを含むボルトであり、第2の穴H2に着脱可能で且つ埋設される。
第3の穴H3と第3の栓23とは、ねじ対偶S4によって嵌合する。第3の穴H3にはねじ対偶S4の雌ネジS4bが形成される。第3の栓23は、ねじ対偶S4の雄ネジS4aを含むボルトであり、第3の穴H3に着脱可能で且つ埋設される。
【0037】
中継路36は図2に示すように、ポンプ室31に対して軸線方向の一方に形成される。詳しくは、中継路36は、ポンプ室31に対しヘッド13の方に形成される。軸線方向から見て、中継路36は、軸線Lとは偏心した位置において、一直線に延びる。詳しくは、中継路36は、軸線Lに直交する線に対して平行に延びる。中継路36は、吸入孔34bと排出孔35bに対して通じる。中継路36は、第1の流路36aと、弁口36bと、第2の流路36cとを含む。弁口36bは、中継路36の全長の中間部に位置する。第1の流路36aは、弁口36bに対して第1の穴H1の方に位置し、吸入路34と排出路35との一方である排出路35に通じる。第2の流路36cは、弁口36bに対して第2の穴H2の方に位置し、吸入路34と排出路35のうち他方である吸入路34に通じる。第1の流路36aと第2の流路36cは、弁口36bよりも口径を大きくしてある。
【0038】
第1の栓21とボディ11とは、流量調整弁としてのニードル弁を協働して形成する。ニードル弁は、弁口36bの開口面積を変化させることによって、潤滑路において油の流量を調整する。その結果、ニードル弁は、スピンドル12の回転に要する力を変化させる。なお、流量調整弁は、ニードル弁に限ったものではなく、弁口36bの開口面積を変更できるものであればよい。
【0039】
第1の栓21は、操作部21aと、弁棒21bと、弁体21cとを有する。操作部21aと弁棒21bと弁体21cとは一直線に配置される。
【0040】
弁体21cは、中継路36の内部に突入し、弁口36bを開閉する。弁体21cは、弁棒21bから延びる。弁体21cは、その先端に向かって先細りとなる形状である。本実施形態では、弁体21cは円錐状である。弁体21cの最大径は、弁口36bの口径よりも大きい。なお、弁体21cの形状は問わない。
【0041】
弁棒21bは、弁体21cと操作部21aとの間に配置される。弁棒21bは、操作部21bから延びると共に、第1の穴H1に対してねじ対偶で嵌合される。弁棒21bは、弁棒本体部21b1と、鍔部21b2とを含む。弁棒本体部21b1は、円柱状である。鍔部21b2は円環状であり、弁棒本体部21b1の外周面からその周方向の全長に亘って突出する。
【0042】
第1の穴H1は、大径部H1aと、中径部H1bと、小径部H1cとを含む。口径は、大径部H1a、中径部H1b、小径部H1cの順番で小さくなる。大径部H1aと中径部H1bと小径部H1cとは、ボディ11の外周面から第1の流路36aに向かって順番に配置される。小径部H1cは中径部H1bと第1の流路36aに通じる。大径部H1aは中径部H1bとボディ11の外部に通じる。中径部H1bは、弁棒本体部21b1よりも僅かに僅かに大径である。
【0043】
第1の栓21は、第1の穴H1に対しねじ対偶S5によって嵌合する。ねじ対偶S5の雄ネジS5aが鍔部21b2の外周面に形成される。ねじ対偶S5の雌ネジS5bが中径部H1bの内周面に形成される。第1の栓21は、第1の穴H1に対する嵌合量によって、弁口36bの内部に対する、弁体21cの突入量を設定し、弁口36bの開口面積を設定し、弁口36bの内部を通過する、油の流量を設定する。なお、第1の栓21に対する操作だけで、スピンドル12の回転を規制するための油の流量が、容易に調整され、ノズルの回転数(早い、遅い)が変更され、スピンドル12の回転数(早い、遅い)が設定される。
【0044】
操作部21aにはねじ回し工具の先部を嵌合させるための溝21a1が形成される。操作部21aが右回り又は左回りに操作されることによって、弁体21cの先部が弁口36bの内部において前進又は後退する。
【0045】
弁体21cが弁口36bを塞いだ場合に、第1の流路36aと第1の栓21との半径方向の間には隙間Gが形成される。本実施形態では、隙間Gは、弁体21cの回りに形成される。なお、操作部21aに対する操作は、手動だけでなく、自動化も図ることができる。自動化を図る場合は、操作部21aの先端に電子機器(内蔵、外付け等は問わない)を配置する。遠隔で電子機器を操作することによって、操作部21aの回転方向および回転量を調整できる。
【0046】
図2に示すように、吊り具17は、輪41と、軸部42と、固定部43と、軸受44とを備える。
【0047】
軸部42の外周面には軸線方向の中間部に溝42aが形成される。溝42aは、軸部42の外周面の周方向の全長に亘って形成される。溝42aには、軸受44の半径方向の内側部が収容される。
【0048】
固定部43は、ヘッド13の表面のうちボディ11とは反対側の面に固定される。固定には例えば図示しない、ねじ対偶が用いられる。固定部43は筒状である。固定部43の内周面には軸線方向の中間部に溝43aが形成される。溝43aは、固定部43の内周面の周方向の全長に亘って形成される。溝43aには、軸受44の半径方向の外側部が収容される。固定部43は、ヘッド13と一緒に回転すると共に、軸受44を介して軸部42には回転を伝えない。
【0049】
輪41は、ロープを通すための輪本体部41aと、輪本体部41aの外周面から軸部42に向かって突出する留め部41bとを有する。留め部41bは環状である。留め部41bの内部には軸部42の一端部が収容される。留め部41bと軸部42とは、例えばねじ対偶によって固定される。
【0050】
図1に示すように、洗浄装置10が吊り具17を下に向けた状態で管1の内部に挿入される。図示しないロープが輪本体部41aに通され、洗浄装置10がロープを介して上方から支持される。吊り具17は、洗浄装置10を管1の内部において昇降させる際に、洗浄装置10がバランスを崩さないように補助する。高圧水が水管16に供給される。高圧水が複数のノズル14から噴射される。高圧水が下向きに噴射されるので、洗浄装置10には上方へ推進する力が作用する。管1の内部が洗浄され、複数のノズル14がヘッド13とスピンドル12と一緒に回転する。その結果、内ロータ24が回転し、外ロータ25が従動回転する。外ロータ25の従動回転によって、油がポンプ室31と接続路33を循環する。油は、弁口36bの開口面積に応じて、弁口36bを通過し、その通過具合に対応してスピンドル12の回転速度が定まる。ニードル弁を用いているので、操作部21aを介して第1の栓21を回すことによって、弁体21cの先部が弁口36bの内部において第1の栓21の回転量に応じて緻密に前進又は後退する。その結果、弁口36bの内部での弁体21cの突入量が変化し、弁口36bの開口面積が変化する。弁口36bの開口面積の変化に伴って、油が循環路を流れる抵抗が変化し、ノズル14の回転速度が緻密に制御される。なお、油による抵抗が小さい場合は、回転数が大きくなり、抵抗が大きい場合は、スピンドル12の回転数が規制されることで、回転数が小さくなる。
【0051】
作業者は、循環路に油を初めて注入する場合には、1)、2)、3)の手順に従う。
1)第2の栓22と第3の栓23を外し、第1の栓21を閉めて、弁口36bを弁体21cで塞ぐ。
2)第2の穴H2から注射器で油を注入し、ヘッド13を回転させる。その結果、内ロータ24が回転し、油の注入量と同じ量だけ、事前に内部に溜まっていた空気が第3の穴H3からボディ11の外部へ排出される。油は、第2の穴H2から第2の流路36cに入って弁体21cに衝突し、吸入孔34b、吸入ポート34a、ポンプ室31、排出ポート35a、排出孔35b、隙間G、第1の流路36a、第3の穴H3に導かれる。その結果、循環路への油の充満と、循環路からの空気抜きとが完了する。第2の穴H2から油を勢いよく注入しても、弁口36bが塞がれているので、油はポンプ室31へ向かって順番に流れ、循環路からの空気抜きは短時間で終了する。
3)第2の栓22を第2の穴H2に嵌合させ、第3の栓23を第3の穴H3に嵌合させる。その結果、循環路に油が充満する。
【0052】
第1の穴H1だけを有する洗浄装置の場合、循環路に油を初めて注入するには、第1の穴H1から油の注入と空気の排出を同時にしなければならない。第1の穴H1と第2の穴H2だけを有する洗浄装置の場合、循環路に油を初めて注入するには、第2の穴H2から油を注入し、第1の穴H1から空気を排出する。第2の穴H2から油を勢いよく注入すると、第1の穴H1を油で塞ぐことになり、第1の穴H1から空気が排出し難くなるので、第1の穴H1を油で塞がない程度の勢いで、第2の穴H2から油を注入する。
【0053】
洗浄装置10では、第1の穴H1と中継路36と第2の穴H2がボディ11を一直線に貫通する状態で通じる構成なので、作業者はボディ11に第1の穴H1と中継路36と第2の穴H2を形成し易い。
【0054】
軸線方向から見て、直線路を水平に且つスピンドル12に対して上方に配置した場合に、第3の穴H3が、直線路に対し上方に配置されるので、第2の穴H2から油を注入した場合に、油が第3の穴H3に達したことを目視でき、作業性が向上する。
【0055】
図6には、本発明の第二実施形態の洗浄装置10Aが示されている。洗浄装置10Aは、複数のアーム機構部18を更に備えることについて、洗浄装置10とは相違する。
【0056】
複数のアーム機構部18は、軸線方向から見た場合に、ボディ11の外周面の異なる箇所に固定されると共に、ボディ11を中心にして放射状に配置される。アーム機構部18は半径方向に伸縮自在である。アーム機構部18は、取付部51と、複数のアーム52と、接触子53と、複数の連結具54と、留め具55と、を有する。
【0057】
アーム52は、矩形状の板である。アーム52の四辺と外板の四辺は、軸線方向に平行な二辺と、軸線Lに対して直交する方向に平行な二辺である。複数のアーム52は、複数の連結具54によって、半径方向に相対的に移動可能に連結される。本実施形態では、アーム52の数は2つである。(3つ以上であっても構わない。)2つのアーム52を区別する場合、取付部51に固定する方を第1のアーム52a、第1のアーム52aに連結する方を第2のアーム52bと称する。第1のアーム52aは半径方向の最も内側に位置するアーム52でもある。第2のアーム52bは、半径方向の最も外側に位置するアーム52でもある。第2のアーム52bには軸線方向に間隔をあけて複数の長孔52hが形成される。長孔52hは、半径方向に延びている。第1のアーム52aにおける半径方向の外側の端部には、軸線方向に間隔をあけて複数の貫通穴(図示略)が形成される。第1のアーム52aと第2のアーム52bは、貫通穴と長孔52hの一部とを一致させた状態で、複数の連結具54と留め具55によって連結される。第1のアーム52aの半径方向の内側の端部は、取付部51を介してボディ11の外周面に取り付けられる。
【0058】
連結具54にはそれぞれ例えばボルトとナットや、ピン継手が用いられる。留め具55は、2つのアーム52を半径方向に相対的に移動不能に留める。留め具55には例えばボルトとナットが用いられる。留め具55には本実施形態では、操作し易いようにレバー付きのボルトと、ナットが用いられる。留め具55は、ナットに対してレバー付きのボルトを緩めることによって、第1のアーム52aに対して第2のアーム52bを移動可能とし、レバー付きのボルトを締め付けることによって、第1のアーム52aに対して第2のアーム52bを移動不能に固定する。連結具54と留め具55は、長孔52hに沿って移動するスライダーでもある。複数のスライダーに第2のアーム52bが固定されることによって、第1のアーム52aと第2のアーム52bとは半径方向に平行に保持される。
なお、留め具55に対する操作は、手動だけでなく、自動化も図ることができる。自動化を図る場合は、留め具55に電子機器(内蔵、外付け等は問わない)を配置し、遠隔でレバー付きボルトの締め付け方向、および締め付け量を調整できる。第1のアーム52aに対して第2のアーム52bを半径方向に移動する操作も、手動だけでなく、自動化も図ることができる。自動化を図る場合は、第1のアーム52aと第2のアーム52bに関わるように電子機器(内蔵、外付け等は問わない)を配置する。遠隔で電子機器を操作すると、第1のアーム52aに対する第2のアーム52bの半径方向の位置が調整される。
【0059】
接触子53は、第2のアーム52bの半径方向の外側部に固定され、第2のアーム52bに対して半径方向の外側に張り出す。固定には例えばボルトとナットが用いられる。軸線方向の長さに関して、接触子53は、第2のアーム52bよりも長い。
【0060】
洗浄装置10Aを使用する場合、管1の内径に合わせて、複数のアーム機構部18の長さは設定される。その結果、洗浄装置10Aは、複数のアーム機構部18がない洗浄装置と比べて、管1の中で安定する。
【0061】
図7には第3実施形態の洗浄装置10Bが示されている。洗浄装置10Bは、洗浄装置10のアーム機構部18とは異なるアーム機構部18Aを備える。
【0062】
アーム機構部18Aは、取付部51と、リンク機構部60を有する。
【0063】
リンク機構部60は、軸線方向から見た場合に、ボディ11の外周面の異なる箇所に取付部51を介して固定されると共に、ボディ11を中心にして放射状に配置される。アーム機構部18は半径方向に伸縮自在である。リンク機構部60は、4本のリンク61と、複数の連結軸62と、留め具55とを備える。4本のリンク61を区別する場合、第1のリンク61a、第2のリンク61b、第3のリンク61c、第4のリンク61dと称する。
【0064】
連結軸62は、詳細な構造を図示しないが、軸と、軸の両端部から張り出す一対の止め環とを備える。
【0065】
第1のリンク61aと第2のリンク61bとは、軸線方向に平行に延びるように配置されると共に、半径方向に離れて配置される。第1のリンク61aと第2のリンク61bにおける軸線方向の一方側には、軸線方向に延びる長孔61hが形成される。第1のリンク61aは取付部51に固定される。
【0066】
第3のリンク61cの長さ方向の中間部と第4のリンク61dの長さ方向の中間部には連結軸62の軸が貫通する。第3のリンク61cと第4のリンク61dは、連結軸62の止め環によって連結される。その結果、第3のリンク61cと第4のリンク61dは連結軸62を中心にして揺動可能になる。
【0067】
第3のリンク61cの一端部と第1のリンク61aにおける軸線方向の他方側に連結軸62の軸が貫通する。第3のリンク61cの一端部と第1のリンク61aにおける軸線方向の他方側とは、連結軸62の一対の止め環によって連結される。その結果、第3のリンク61cは、第1のリンク61aに対して連結軸62を中心にして揺動可能になる。第3のリンク61cの他端部と第2のリンク61bの長孔61hとに連結軸62の軸が貫通する。第3のリンク61cと第2のリンク61bとは、連結軸62の止め環によって連結される。その結果、連結軸62は長孔61hに沿って移動可能なスライダーとなる。
【0068】
第4のリンク61dの一端部と第2のリンク61bの軸線方向における他方側には連結軸62の軸が貫通する。第4のリンク61dの一端部と第2のリンク61bの軸線方向における他方側とは、連結軸62の一対の止め環によって連結される。その結果、第4のリンク61dは、第2のリンク61bに対して連結軸62を中心にして揺動可能になる。第4のリンク61dの他端部を第1のリンク61aに固定するために、留め具55が用いられる。留め具55は本実施形態では、1つの連結軸62としての機能も発揮する。留め具55には例えばボルトとナットが用いられる。留め具55には本実施形態では、操作し易いようにレバー付きのボルトと、ナットが用いられる。ボルトとナットは連結されることによって、軸と、軸の両端部から張り出す一対の止め環とを備える。ボルトの頭部とナットが一対の止め環になる。ボルトの軸部が軸になる。第4のリンク61dの他端部と第1のリンク61aの長孔61hとに留め具55の軸が貫通する。第4のリンク61dの他端部と第1のリンク61aとは、留め具55の一対の止め環によって連結される。その結果、留め具55は長孔61hに沿って移動可能なスライダーとなる。留め具55のレバーを締め付けることによって、第4のリンク61dと第1のリンク61aとが固定され、リンク機構部60の半径方向の長さが設定される。
【0069】
図8には第4実施形態の洗浄装置10Cが示されている。洗浄装置10Cは、ノズル14Bとヘッド13とを繋ぐ延長管19を更に備えることについて、洗浄装置10とは相違する。延長管19の一端部はヘッド13に連結され、延長管19の他端部はノズル14Bに連結される。延長管19は、複数本連結しても良い。ノズル14Bは、半径方向に対する傾斜方向を、ノズル14とは反対にしてある。
【0070】
本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の範囲の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
10,10A,10B,10C 洗浄装置
11 ボディ
12 スピンドル
13 ヘッド
14,14B ノズル
18,18A アーム機構部
G 隙間
L 軸線
21 第1の栓
21c 弁体
22 第2の栓
23 第3の栓
24 内ロータ
25 外ロータ
31 ポンプ室
33 接続路
34 吸入路
34a 吸入ポート
34b 吸入孔
35 排出路
35a 排出ポート
35b 排出孔
36 中継路
36a 第1の流路
36b 弁口
H1 第1の穴
H2 第2の穴
H3 第3の穴
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8