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  • 特開-貯湯式給湯機 図1
  • 特開-貯湯式給湯機 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154549
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】貯湯式給湯機
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/16 20220101AFI20241024BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20241024BHJP
【FI】
F24H9/16 C
F24H1/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068414
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004314
【氏名又は名称】弁理士法人青藍国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100168273
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 昌稔
(72)【発明者】
【氏名】河村 祐太
(72)【発明者】
【氏名】北西 博
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕迪
(72)【発明者】
【氏名】桑原 愛
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA23
3L122AA28
3L122AB26
3L122AB58
3L122AB62
3L122AB64
3L122GA07
(57)【要約】
【課題】貯湯タンクに貯められた温水を非常時に外部に取り出すことができる貯湯式給湯機を提供する。
【解決手段】貯湯式給湯機100は、熱源11と、熱源11によって生成された温水を貯留する貯湯タンク22と、貯湯タンク22に通じる空気導入経路30に設けられた空気導入弁31と、貯湯タンク22の高さ方向における第1排水位置に配置された第1排水口32aを有し、かつ、貯湯タンク22に接続された第1経路32と、貯湯タンク22の高さ方向において第1排水位置よりも上方の第2排水位置に配置された第2排水口34aを有し、かつ、貯湯タンク22に接続された第2経路34と、を備える。空気導入弁31を開くことによって、貯湯タンク22に貯められた温水を自重により第1経路32及び第2経路34から貯湯タンク22の外部に取り出すことが許容される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源と、
前記熱源によって生成された温水を貯留する貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに通じる空気導入経路に設けられた空気導入弁と、
前記貯湯タンクの高さ方向における第1排水位置に配置された第1排水口を有し、かつ、前記貯湯タンクに接続された第1経路と、
前記貯湯タンクの高さ方向において前記第1排水位置よりも上方の第2排水位置に配置された第2排水口を有し、かつ、前記貯湯タンクに接続された第2経路と、
を備え、
前記空気導入弁を開くことによって、前記貯湯タンクに貯められた温水を自重により前記第1経路及び前記第2経路から前記貯湯タンクの外部に取り出すことが許容される、
貯湯式給湯機。
【請求項2】
前記空気導入弁を閉じたとき、前記貯湯タンクに貯められた温水を前記第1経路及び前記第2経路から前記貯湯タンクの外部に取り出すことが禁止される、
請求項1に記載の貯湯式給湯機。
【請求項3】
前記第2経路は、前記貯湯タンクの底部に接続されている、
請求項1に記載の貯湯式給湯機。
【請求項4】
前記第2経路は、前記貯湯タンクの内部に向けて開口する取水口を有し、
前記取水口は、前記貯湯タンクの高さ方向において前記第2排水位置よりも下方に位置する、
請求項3に記載の貯湯式給湯機。
【請求項5】
前記第2経路は、前記貯湯タンクの外部において前記貯湯タンクの底部から前記第2排水位置まで上方に延びている、
請求項3に記載の貯湯式給湯機。
【請求項6】
前記第1経路が前記第2経路から分岐しており、
前記第2経路の取水口が前記第1経路の取水口を兼ねている、
請求項3に記載の貯湯式給湯機。
【請求項7】
前記熱源が燃料電池を含む、
請求項1に記載の貯湯式給湯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、貯湯式給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
貯湯式給湯機には、貯湯タンクに貯められた温水を断水時の生活用水として使用できることが求められる。
【0003】
特許文献1に記載された貯湯式給湯システムによれば、タンクユニットの上部に逃し弁が設けられ、タンクユニットの下部に非常用取水栓が設けられている。断水時に逃し弁及び非常用取水栓を開くと、逃し弁から貯湯タンクに空気が流入し、貯湯タンクに貯められた温水が非常用取水栓から外部に流出する。外部に流出した温水をバケツなどの容器で受け取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-217619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術においては、貯湯タンクの下部から温水が流出するため、バケツ、ペットボトルなどの高さがある容器で温水を受け取ることが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
熱源と、
前記熱源によって生成された温水を貯留する貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに通じる空気導入経路に設けられた空気導入弁と、
前記貯湯タンクの高さ方向における第1排水位置に配置された第1排水口を有し、かつ、前記貯湯タンクに接続された第1経路と、
前記貯湯タンクの高さ方向において前記第1排水位置よりも上方の第2排水位置に配置された第2排水口を有し、かつ、前記貯湯タンクに接続された第2経路と、
を備え、
前記空気導入弁を開くことによって、前記貯湯タンクに貯められた温水を自重により前記第1経路及び前記第2経路から前記貯湯タンクの外部に取り出すことが許容される、
貯湯式給湯機。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、貯湯タンクに貯められた温水を第1排水口及び第2排水口から取り出すことができる。第2排水口は第1排水口よりも上方に位置しているので、バケツ、ペットボトルなどの高さがある容器で第2排水口から流出した温水を容易に受け取ることができる。第1排水口は、第2排水口よりも下方に位置しているので、第1排水口によれば十分な量の温水を使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】貯湯式給湯機の構成図
図2】貯湯タンク及びその周囲の構造を詳細に示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見等)
本発明者らが本開示に想到するに至った当時、貯湯タンクに貯められた温水のほぼ全量を動力なしで取り出すことができるように、非常用の取水栓は、貯湯タンクの下部に設けられていた。貯湯タンクの下部に取水栓がある場合、バケツ、ペットボトルなどの高さがある容器で温水を受け取ることは難しい。また、貯湯タンクの下部の取水栓を目視しながら温水を容器で受け取る必要があるため、しゃがんだ姿勢のような無理な姿勢を維持しなければならず、ユーザに大きな身体的な負担があった。さらに、取水栓が地面に近い位置にあるので、土などの異物が温水に混入する可能性があり、衛生面においてユーザの抵抗感があった。一方、貯湯タンクに貯められた温水を動力なしで十分に取り出せるように、貯湯タンクの下部に取水栓を設けざるを得なかった。
【0010】
本開示は、貯湯タンクに貯められた温水を非常時に外部に取り出す際のこれらの課題を解決することを目的とする。
【0011】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0012】
添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0013】
(実施の形態1)
以下、図1及び図2を用いて、実施の形態1を説明する。
【0014】
[1-1.構成]
図1は、実施の形態1の貯湯式給湯機100の概略構成図である。貯湯式給湯機100は、熱源11及び貯湯タンク22を備えている。熱源11によって生成された温水が貯湯タンク22に貯められる。貯湯タンク22に貯められた温水が蛇口、浴槽などの使用箇所50に供給される。
【0015】
本実施の形態において、熱源11は、熱源ユニット10に含まれている。貯湯タンク22は、貯湯ユニット20に含まれている。熱源ユニット10及び貯湯ユニット20は、熱回収水路40によって互いに接続されている。
【0016】
熱源11は、例えば、ヒートポンプ又は燃料電池である。熱源11が燃料電池である場合、貯湯式給湯機100は、熱及び電力を外部に供給可能なコージェネレーションシステムである。貯湯式給湯機100の熱源11として燃料電池を使用することによって、燃料電池の総合効率を向上させることができる。燃料電池としては、固体高分子形燃料電池、固体酸化物形燃料電池、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池などが挙げられる。排熱が比較的大きいことから、固体高分子形燃料電池は貯湯式給湯機100の熱源11に適している。
【0017】
熱源ユニット10は、熱源11に加え、熱交換器12及び冷却水回路13を有する。冷却水回路13にはポンプ14が設けられている。
【0018】
熱交換器12は、熱源11の排熱によって貯湯タンク22の水を加熱するための装置である。熱交換器12は、熱源11の冷却水と貯湯タンク22の水との間で熱交換を生じさせる。熱交換器12は、例えば、二重管式熱交換器、プレート式熱交換器などの液-液熱交換器である。
【0019】
冷却水回路13は、熱源11と熱交換器12との間で冷却水を循環させるための流路であり、熱源11と熱交換器12とを接続している。冷却水回路13によって、熱源11を冷却できるとともに、熱源11の排熱を温水の形で熱源11の外部に取り出すことができる。
【0020】
熱回収水路40は、送り経路40a及び戻し経路40bを有する。送り経路40aは、貯湯タンク22の底部と熱交換器12の入口とを接続している。戻し経路40bは、熱交換器12の出口と貯湯タンク22の上部とを接続している。送り経路40aは、熱交換器12において加熱されるべき水を熱交換器12に導くための流路である。戻し経路40bは、熱交換器12において加熱された水(温水)を貯湯タンク22に導くための流路である。熱交換器12は、熱回収水路40を流れる水と冷却水回路13を流れる水とを熱交換させるように構成されている。熱交換器12は、冷却水回路13の冷却水の熱によって貯湯タンク22に貯められるべき温水を生成する。
【0021】
貯湯ユニット20は、貯湯タンク22に加え、空気導入経路30、第1経路32及び第2経路34を有する。空気導入経路30、第1経路32及び第2経路34は、それぞれ、少なくとも1つの配管によって構成され、貯湯タンク22に接続されている。第1経路32及び第2経路34は、断水時において、貯湯タンク22に貯められた温水を貯湯タンク22の外部に導く非常用の水取り出し経路である。空気導入経路30には空気導入弁31が設けられている。空気導入弁31は、手動で操作可能な開閉弁である。空気導入経路30は、貯湯タンク22の頂部に接続されている。空気導入弁31を開くと空気導入経路30を通じて貯湯タンク22に空気が流入できる。空気導入弁31を開くことによって、貯湯タンク22に貯められた温水を自重により第1経路32及び第2経路34から貯湯タンク22の外部に取り出すことが許容される。「頂部」は、例えば、貯湯タンク22の上面図に現れる部分である。
【0022】
本明細書において、貯湯タンク22に貯められた水は、その温度に依らず、全て「温水」と表記する。
【0023】
図2に示すように、第1経路32は、貯湯タンク22の高さ方向における第1排水位置に配置された第1排水口32aを有する。第1排水位置は、例えば、貯湯タンク22の設置面Grから高さH1の位置である。第2経路34は、貯湯タンク22の高さ方向において第1排水位置よりも上方の第2排水位置に配置された第2排水口34aを有する。第2排水位置は、例えば、貯湯タンク22の設置面Grから高さH2の位置である。このような構成によれば、バケツ、ペットボトルなどの高さがある容器で第2排水口34aから流出した温水を容易に受け取ることができる。第2排水口34aは地面から離れているので、土などの異物が温水とともに容器に混入するおそれも少ない。第1排水口32aは、第2排水口34aよりも下方に位置しているので、第1排水口32aによれば十分な量の温水を使用できる。例えば、貯湯タンク22に貯められた温水の全量を外部に取り出すことができる。温水は自重によって貯湯タンク22の外部に流出するので、本実施の形態の貯湯式給湯機100によれば、断水時かつ停電時であっても、貯湯タンク22に貯められた温水を生活用水として使用できる。
【0024】
本実施の形態において、第2経路34は、貯湯タンク22の底部に接続されている。このような構成によれば、貯湯タンク22の側面に配管を通すことを回避できる。
【0025】
第2経路34は、貯湯タンク22の内部に向けて開口する取水口34bを有する。取水口34bは、貯湯タンク22の高さ方向において第2排水位置(高さH2の位置)よりも下方に位置する。このような構成によれば、温水の水位が第2排水位置を下回るまで、第2排水口34aから自重により温水を流出させることができる。本実施の形態では、取水口34bは、貯湯タンク22の底面に位置している。
【0026】
第1経路32は、貯湯タンク22の外部において第2経路34から分岐している。つまり、第2経路34の取水口34bが第1経路32の取水口32bを兼ねている。このような構成によれば、貯湯タンク22に接続される配管の数を減らすことができる。ただし、第1経路32を構成する配管及び第2経路34を構成する配管が互いに独立して貯湯タンク22の底部に接続されていてもよい。
【0027】
第1経路32には、手動で操作可能な第1開閉弁33が設けられている。第2経路34には、手動で操作可能な第2開閉弁35が設けられている。空気導入弁31を開き、第1開閉弁33を閉じ、第2開閉弁35を開くと、第2経路34のみから温水が流出する。所定量の温水を第2経路34から取り出すことが可能である。温水の水位が第2排水位置まで低下すると、第2経路34からの温水の流出が止まる。その場合、第1開閉弁33を開くことによって、第1経路32から残りの温水を流出させることができる。
【0028】
空気導入弁31を閉じると、貯湯タンク22に空気が流入できないので、貯湯タンク22に貯められた温水を第1経路32及び第2経路34から貯湯タンク22の外部に取り出すことが禁止される。貯湯タンク22には、通常、高温(例えば65℃)の温水が貯められている。そのため、通常時に第1経路32及び第2経路34から温水を取り出すことは火傷回避の観点から避けるべきである。本実施の形態によれば、空気導入弁31を開かない限り、第1開閉弁33又は第2開閉弁35を開いても第1経路32又は第2経路34から温水が殆ど流出しない。つまり、空気導入弁31が1種の安全装置として機能する。
【0029】
本実施の形態によれば、温水の水位が第2排水口34aの位置(第2排水位置)を下回るまで、第2経路34から温水を取り出すことができる。一例において、貯湯タンク22の最大容量の50%から60%の温水を第2経路34から外部に取り出すことができるように、第2排水口34aの位置が調節される。このような構成によれば、ユーザは、楽な姿勢で十分な量の温水を貯湯タンク22から取り出すことができる。
【0030】
本実施の形態において、第2経路34は、貯湯タンク22の外部において貯湯タンク22の底部から第2排水位置まで上方に延びている。このような構成によれば、貯湯タンク22の側面に配管を通すことを回避できる。「底部」は、例えば、貯湯タンク22の底面図に現れる部分である。
【0031】
第2経路34の取水口34bを兼ねる第1経路32の取水口32bは、貯湯タンク22の底面に位置している。貯湯タンク22の高さ方向において、第1排水口32aを含めた第1経路32の全体が取水口32bよりも下方に位置している。このような構成によれば、貯湯タンク22に貯められた温水の全量を外部に取り出すことができる。一例において、貯湯タンク22の最大容量の90%以上、望ましくは100%の温水を第1経路32から外部に取り出すことができる。
【0032】
貯湯ユニット20は、補助熱源機24、水混合調節弁26及び給湯経路28を有していてもよい。給湯経路28に補助熱源機24及び水混合調節弁26が設けられている。補助熱源機24は、例えば、ガス給湯器である。貯湯タンク22に貯められた温水の温度が要求温度よりも低い場合、補助熱源機24で温水を加熱して使用箇所50に供給できる。貯湯タンク22に貯められた温水の温度が要求温度よりも高い場合、水混合調節弁26において、貯湯タンク22に貯められた温水が市水と混合される。
【0033】
貯湯タンク22の底部には、市水の給水経路36が接続されている。貯湯タンク22に貯められた温水が消費されると、給水経路36を通じて市水Wが貯湯タンク22に補給される。通常時において、貯湯タンク22には市水の給水圧力が加わっている。
【0034】
[1-2.動作]
以上のように構成された貯湯式給湯機100について、その動作を以下説明する。
【0035】
通常時において、ポンプ14を作動させると冷却水回路13を冷却水が循環する。ポンプ16を作動させると貯湯タンク22の下部に貯められた水が熱回収水路40を循環する。熱源11の熱によって温水が生成され、貯湯タンク22の上部に貯められる。使用箇所50の1つである蛇口を開くと給湯経路を通じて貯湯タンク22に貯められた温水が蛇口に供給される。温水の消費に応じて、貯湯タンク22に市水Wが補給される。
【0036】
断水時において、空気導入弁31を開き、第2開閉弁35を開くと、貯湯タンク22に貯められた温水が第2経路34を通じて貯湯タンク22の外部に流出する。温水の水位が第2排水口34aの位置を下回ると、第2経路34からの温水の流出が止まる。第1開閉弁33を開くと、貯湯タンク22に貯められた温水が第1経路32を通じて貯湯タンク22の外部に流出する。第1経路32を使用すれば、貯湯タンク22に貯められた温水のほぼ全量を外部に取り出すことができる。
【0037】
空気導入弁31、第1開閉弁33及び第2開閉弁35は、手動で操作可能なので、断水時かつ停電時であっても、ポンプなどの動力を使用することなく、貯湯タンク22に貯められた温水を安全かつ容易に外部に取り出すことができる。
【0038】
なお、市水の供給を停止するため給水栓を閉じた場合、断水時に限らず、貯湯タンク22に貯められた温水を第1経路32及び第2経路34から外部に取り出すことが可能である。
【0039】
熱回収水路40は閉じた流路なので、熱回収水路40から貯湯タンク22の温水を取り出すことはできない。断水が起こると貯湯タンク22に貯められた温水に市水の水圧が加わらない。そのため、給湯経路28を通じて貯湯タンク28の温水を取り出すこともできない。
【0040】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、空気導入弁31を開くことによって、貯湯タンク22に貯められた温水を自重により第1経路32及び第2経路34から貯湯タンク22の外部に取り出すことが許容される。第2排水口34aは第1排水口32aよりも上方に位置しているので、バケツ、ペットボトルなどの高さがある容器で第2排水口34aから流出した温水を容易に受け取ることができる。第1排水口32aは、第2排水口34aよりも下方に位置しているので、第1排水口32aによれば十分な量の温水を使用できる。
【0041】
また、本実施の形態において、空気導入弁31を閉じたとき、貯湯タンク22に貯められた温水を第1経路32及び第2経路34から貯湯タンク22の外部に取り出すことが禁止されてもよい。このような構成によれば、空気導入弁31が1種の安全装置として機能する。
【0042】
また、本実施の形態において、第2経路34は、貯湯タンク22の底部に接続されていてもよい。このような構成によれば、貯湯タンク22の側面に配管を通すことを回避できる。
【0043】
また、本実施の形態において、第2経路は、貯湯タンクの内部に向けて開口する取水口を有していてもよく、取水口は、貯湯タンクの高さ方向において第2排水位置よりも下方に位置していてもよい。このような構成によれば、温水の水位が第2排水位置を下回るまで、第2排水口34aから自重により温水を流出させることができる。
【0044】
また、本実施の形態において、第2経路34は、貯湯タンク22の外部において貯湯タンク22の底部から第2排水位置まで上方に延びていてもよい。このような構成によれば、貯湯タンク22の側面に配管を通すことを回避できる。
【0045】
また、本実施の形態において、第1経路32が第2経路34から分岐していてもよく、第2経路34の取水口34bが第1経路32の取水口32bを兼ねていてもよい。このような構成によれば、貯湯タンク22に接続される配管の数を減らすことができる。
【0046】
また、本実施の形態において、熱源11が燃料電池を含んでいてもよい。貯湯式給湯機100の熱源11として燃料電池を使用することによって、燃料電池の総合効率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本開示の技術は、貯湯式給湯機に有用である。
【符号の説明】
【0048】
10 熱源ユニット
11 熱源
12 熱交換器
13 冷却水回路
14 ポンプ
16 ポンプ
20 貯湯ユニット
22 貯湯タンク
24 補助熱源機
26 水混合調節弁
28 給湯経路
30 空気導入経路
31 空気導入弁
32 第1経路
32a 第1排水口
32b,34b 取水口
33 第1開閉弁
34 第2経路
34a 第2排水口
35 第2開閉弁
36 給水経路
40 熱回収水路
40a 送り経路
40b 戻し経路
50 使用箇所
100 貯湯式給湯機
W 市水
図1
図2