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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154587
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A47J27/00 109Z
A47J27/00 109S
A47J27/00 103E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068486
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 朋生
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055AA09
4B055BA07
4B055CA73
4B055CB08
4B055CC29
4B055CD63
4B055DB14
4B055GB08
4B055GB25
4B055GC03
4B055GC33
4B055GD02
4B055GD04
(57)【要約】
【課題】調理中に減圧経路の閉塞が生じた場合でも、調理が継続可能な加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器は、容器と蓋体と加熱部と減圧装置と減圧経路と復圧経路と流路切替弁と制御装置とを備える。蓋体は、容器内と接続する第1内孔部を有する。加熱部は容器を加熱し、減圧装置は容器内を減圧する。減圧経路は、第1内孔部と、外部に開口する第1外孔部とを接続し、第1内孔部と第1外孔部との間に減圧装置を設ける。復圧経路は、第1内孔部と、外部に開口する第2外孔部とを接続する。流路切替弁は、減圧経路と復圧経路とに設けられ、第1内孔部を流れる空気の流通方向を切り替える。制御装置は、減圧経路に閉塞が発生した場合、回復時間の間、流路切替弁に、第1内孔部と第2外孔部とを接続させ、閉塞が解消した場合、流路切替弁に第1内孔部と第1外孔部とを接続させ、減圧装置に動作を行わせる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を加熱調理する加熱調理器であって、
前記被調理物を収容するための容器と、
前記容器内と接続する第1内孔部を有し、前記容器を覆う蓋体と、
前記容器を加熱する加熱部と、
前記容器内を減圧する減圧装置と、
前記第1内孔部と前記加熱調理器の外部に開口する第1外孔部とを接続し、前記第1内孔部と前記第1外孔部との間に前記減圧装置が設けられた減圧経路と、
前記第1内孔部と前記加熱調理器の外部に開口する第2外孔部とを接続する復圧経路と、
前記減圧経路と前記復圧経路とに設けられ、前記第1内孔部を流れる空気の流通方向を切り替える流路切替弁と、
前記加熱部、前記減圧装置、および前記流路切替弁を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記減圧装置が動作する調理である減圧調理の際に、前記流路切替弁に前記第1内孔部と前記第1外孔部とを接続させて、前記容器内から前記第1内孔部を介して前記減圧経路に流入した空気を前記第1外孔部から外部へ流出させ、
前記減圧調理の際に、前記減圧経路に閉塞が発生した場合には、予め定められた回復時間の間、前記流路切替弁に前記第1内孔部と前記第2外孔部とを接続させて、前記加熱調理器の外部から前記第2外孔部を介して前記復圧経路に流通した空気を、前記第1内孔部から前記容器内に流通させ、
前記閉塞が解消した場合には、前記流路切替弁に前記第1内孔部と前記第1外孔部とを接続させて、前記減圧装置を動作させて前記減圧経路に空気を流通させる、加熱調理器。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記閉塞が発生した場合には、加熱を停止するよう前記加熱部を制御し、前記閉塞が解消した場合には、加熱を再開するよう前記加熱部を制御する、請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記第1外孔部と前記第2外孔部とは、別個の孔部であり、
前記流路切替弁は、
前記減圧経路において前記第1内孔部と前記減圧装置との間に設けられ、且つ、前記復圧経路において前記第1内孔部と前記第2外孔部との間に設けられた第1三方弁であり、
前記制御装置は、
前記回復時間の間、前記減圧装置を停止させる、請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記減圧経路は、
前記減圧装置と前記第1内孔部とを接続する第1減圧経路と、
前記減圧装置と前記第1外孔部とを接続する第2減圧経路と、
を含み、
前記流路切替弁は、
前記第1減圧経路に設けられた第2三方弁と、
前記第2減圧経路に設けられた第3三方弁と、
を有し、
前記第2外孔部と前記第1外孔部とは、1つの孔部であり、
前記復圧経路は、
前記第2三方弁と、前記第2減圧経路における前記第3三方弁と前記第1外孔部との間の第1位置と、を接続する第1部分復圧経路を含み、且つ、前記第3三方弁と、前記第1減圧経路における、前記第1内孔部と前記第2三方弁との間の第2位置と、を接続する第2部分復圧経路を含み、
前記制御装置は、
前記減圧調理の際に、前記第1内孔部と前記減圧装置とを接続するよう前記第2三方弁を制御して、前記容器内から前記第1減圧経路に流通した空気を前記減圧装置に流入させ、且つ、前記減圧装置と前記第1外孔部とを接続するよう前記第3三方弁を制御して、前記減圧装置から前記第2減圧経路に流出した空気を前記第1外孔部に流通させ、
前記閉塞が発生した場合には、前記減圧装置を動作させた状態で、前記第1位置と前記減圧装置とを接続するよう前記第2三方弁を制御して、前記第1外孔部を介して前記加熱調理器の外部から前記第2減圧経路に流入した空気を、前記第1部分復圧経路を介して前記減圧装置に流入させ、且つ、前記減圧装置と前記第2位置とを接続するよう前記第3三方弁を制御して、前記減圧装置から前記第2減圧経路に流入した空気を、前記第2部分復圧経路および前記第2位置を介して、前記第1内孔部から前記容器内に流入させる、請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記加熱調理器の外部に開口する第3外孔部と、
前記容器内に開口する第2内孔部と、
前記第3外孔部と前記第2内孔部とを接続する空気流通経路と、
前記空気流通経路に設けられ、開状態で前記空気流通経路に空気を流通させ、閉状態で前記空気流通経路の空気の流通を遮断する開閉弁と、
を有し、
前記制御装置は、
前記減圧調理の際には、前記開閉弁を閉状態にし、
前記閉塞が発生した場合には、前記開閉弁を開状態に制御し、
前記閉塞が解消した場合には、前記開閉弁を閉状態に制御する、請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記第2外孔部は、第1の第2外孔部と、第2の第2外孔部とを有し、
前記第1の第2外孔部は前記第1外孔部とは別の孔部であり、前記第2の第2外孔部と前記第1外孔部とは、1つの孔部であり、
前記流路切替弁は、
前記減圧経路において、前記第1内孔部と前記減圧装置との間に設けられた第1三方弁と、
前記第1三方弁と前記減圧装置とを接続する、前記減圧経路に含まれる第1減圧経路に設けられた第2三方弁と、
前記減圧装置と前記第1外孔部とを接続する、前記減圧経路に含まれる第2減圧経路に設けられた第3三方弁と、
を有し、
前記復圧経路は、
前記第1の第2外孔部と前記第1三方弁とを接続する第1復圧経路と、
第2復圧経路と、
を含み、
前記第2復圧経路は、
前記第2三方弁と、前記第2減圧経路における前記第3三方弁と前記第1外孔部との間の第1位置と、を接続する第1部分復圧経路を含み、且つ、前記第3三方弁と、前記第1減圧経路における、前記第1三方弁と前記第2三方弁との間の第2位置と、を接続する第2部分復圧経路を含み、
前記制御装置は、
前記減圧調理の際には、
前記第1内孔部と前記減圧装置とを接続するよう前記第1三方弁および前記第2三方弁を制御して、前記容器内からの空気を、前記第1内孔部を介して前記第1減圧経路に流通させ、且つ、前記減圧装置と前記第1外孔部とを接続するよう前記第3三方弁を制御して、前記減圧装置から前記第2減圧経路に流出した空気を、前記第1外孔部を介して前記加熱調理器の外部に流出させ、
前記閉塞が発生した場合には、前記回復時間のうちの第1部分時間の間、前記減圧装置を停止させた状態で、前記第1内孔部と前記第1復圧経路とを接続するよう前記第1三方弁を制御して、前記第1復圧経路内の空気を、前記第1内孔部を介して前記容器内に流入させ、
前記第1部分時間の経過後の前記回復時間の残りの時間である第2部分時間の間、前記減圧装置を動作させた状態で、前記第1位置と前記減圧装置とを接続するよう前記第2三方弁を制御して、前記第1外孔部を介して前記第2減圧経路に流入した空気を、前記第1部分復圧経路を介して前記減圧装置に流入させ、且つ、前記減圧装置と前記第2位置とを接続するよう前記第3三方弁を制御して、前記減圧装置から前記第2減圧経路に流入した空気を、前記第2部分復圧経路を介して前記第2位置に流通させ、更に、前記第2位置と前記第1内孔部とを接続するよう前記第1三方弁を制御して、前記第2位置から前記第1内孔部を介して前記容器内に空気を流入させる、請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記加熱調理器の外部に開口する第3外孔部と、
前記容器内に開口する第2内孔部と、
前記第3外孔部と前記第2内孔部とを接続する空気流通経路と、
前記空気流通経路に設けられ、開状態で前記空気流通経路に空気を流通させ、閉状態で前記空気流通経路の空気の流通を遮断する開閉弁と、
を有し、
前記制御装置は、
前記減圧調理の際には、前記開閉弁を閉状態にし、
前記閉塞が発生した場合であって、前記減圧装置を動作させている状態のときには、前記開閉弁を開状態に制御し、
前記閉塞が解消した場合には、前記開閉弁を閉状態に制御する、請求項6に記載の加熱調理器。
【請求項8】
調理条件を設定するための入力部を更に備え、
前記制御装置は、
前記閉塞の解消後に再開される調理について設定されている前記調理条件を変更する、請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食材を加熱調理する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、容器内を減圧する減圧装置を備え、容器内を減圧した状態で容器内の食材を加工する調理器が知られる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の調理器には、減圧装置が配置され、調理器の外部と容器内とを連通させる減圧経路が設けられている。当該調理器の制御装置は、減圧経路に食材が侵入した場合には、減圧経路上の大気解放弁を開状態にし、減圧装置の駆動を停止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7040759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記調理器は、減圧経路への食材の侵入があると、大気解放弁を開き、減圧装置の駆動を停止する。しかし、減圧調理を続行するためには、調理器への再度の設定が必要であり、利便性を欠く場合があった。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、調理中に減圧経路の閉塞が生じた場合でも、調理が継続可能な加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る加熱調理器は、被調理物を加熱調理する加熱調理器であって、前記被調理物を収容するための容器と、前記容器内と接続する第1内孔部を有し、前記容器を覆う蓋体と、前記容器を加熱する加熱部と、前記容器内を減圧する減圧装置と、前記第1内孔部と前記加熱調理器の外部に開口する第1外孔部とを接続し、前記第1内孔部と前記第1外孔部との間に前記減圧装置が設けられた減圧経路と、前記第1内孔部と前記加熱調理器の外部に開口する第2外孔部とを接続する復圧経路と、前記減圧経路と前記復圧経路とに設けられ、前記第1内孔部を流れる空気の流通方向を切り替える流路切替弁と、前記加熱部、前記減圧装置、および前記流路切替弁を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記減圧装置が動作する調理である減圧調理の際に、前記流路切替弁に前記第1内孔部と前記第1外孔部とを接続させて、前記容器内から前記第1内孔部を介して前記減圧経路に流入した空気を前記第1外孔部から外部へ流出させ、前記減圧調理の際に、前記減圧経路に閉塞が発生した場合には、予め定められた回復時間の間、前記流路切替弁に前記第1内孔部と前記第2外孔部とを接続させて、前記加熱調理器の外部から前記第2外孔部を介して前記復圧経路に流通した空気を、前記第1内孔部から前記容器内に流通させ、前記閉塞が解消した場合には、前記流路切替弁に前記第1内孔部と前記第1外孔部とを接続させて、前記減圧装置を動作させて前記減圧経路に空気を流通させるものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る加熱調理器によれば、減圧経路に閉塞が発生した場合に、外部から第2外孔部を介して復圧経路に流通した空気を、容器内に流通させることができ、閉塞の解消が図られる。そして、閉塞が解消した場合に、減圧装置を動作させて、容器内から第1内孔部を介して減圧経路に流入した空気を第1外孔部に流通させることができるため、速やかな調理の再開が可能となる。そのため、調理の中断によって生じる加熱調理器への再設定が不要になり、且つ、調理を停止することによって生じる食材の無駄を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る加熱調理器の構成例を模式的に示す断面模式図である。
図2】実施の形態1における減圧ポンプによる吸気工程を示す模式図である。
図3】実施の形態1における減圧ポンプによる排気工程を示す模式図である。
図4】実施の形態1における被調理物の温度と飽和水蒸気圧との関係を示すグラフである。
図5】実施の形態1に係る加熱調理器の構成例を示すブロック図である。
図6】実施の形態1における制御装置の構成例を示すブロック図である。
図7】実施の形態1における制御装置のハードウェア構成の第1の例を示す模式図である。
図8】実施の形態1における制御装置のハードウェア構成の第2の例を示す模式図である。
図9】実施の形態1に係る加熱調理器による調理手順を例示するフローチャートである。
図10】実施の形態1に係る加熱調理器による回復処理を含む処理の流れを例示するフローチャートである。
図11】実施の形態2に係る加熱調理器の構成例を模式的に示す断面模式図である。
図12】実施の形態2に係る加熱調理器の構成例を示すブロック図である。
図13】実施の形態2に係る制御装置の構成例を示すブロック図である。
図14】実施の形態2に係る加熱調理器による調理手順を例示するフローチャートである。
図15】実施の形態2に係る加熱調理器100による回復処理を含む処理の流れを例示するフローチャートである。
図16】実施の形態3に係る加熱調理器の構成例を模式的に示す断面模式図である。
図17】実施の形態3に係る加熱調理器の構成例を示すブロック図である。
図18】実施の形態3における制御装置の構成例を示すブロック図である。
図19】実施の形態3に係る加熱調理器による調理手順を例示するフローチャートである。
図20】実施の形態3に係る加熱調理器による回復処理を含む処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、実施の形態に係る加熱調理器100について詳述する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の構成例を模式的に示す断面模式図である。なお、図1では、加熱調理器100の一部の構成の断面構造を示す。加熱調理器100は、本体1と、蓋体25と、操作表示部23とを備える。
【0011】
本体1は、容器カバー2と、容器5と、加熱部3とを有する。容器カバー2は、本体1の内側に固定されている。容器カバー2の上側の縁には、容器5を保持するための保持部2aが設けられている。
【0012】
加熱部3は、容器カバー2の外壁部に設けられている。加熱部3は、容器5を加熱するものであり、例えば電磁誘導加熱コイルである。電磁誘導加熱コイルは、導線がスパイラル状に巻かれた構成であり、当該導線には高周波電流が供給される。当該高周波電流によって電磁誘導加熱コイルには磁束が生じ、当該磁束によって容器5に渦電流が生じる。そして、当該渦電流によって容器5に熱が発生し、容器5内の被調理物が加熱される。なお、実施の形態1では、加熱部3を電磁誘導加熱コイルとして説明するが、加熱部3は電磁誘導加熱コイルに限らず、例えばヒータ等、他の加熱方式によって容器5を加熱する加熱手段であってもよい。加熱部3は、電磁誘導加熱コイルと共に、他の加熱手段を含むものでもよい。
【0013】
容器5は、容器カバー2の内側に着脱自在に装着される。容器5の上側の縁には、外周に沿ってフランジ部5aが設けられている。容器5の側壁の外側面には、外周に沿って取っ手部6が設けられている。容器カバー2の内側に容器5が装着されると、取っ手部6が保持部2aに接触し、容器5が容器カバー2に保持される。
【0014】
容器カバー2の底板の中央部には、底板を貫通する孔部4bが形成されており、孔部4bには鍋底温度センサ4が設けられている。鍋底温度センサ4は、容器5の底板の温度を検知する。本体1の内側底部には、鍋底温度センサ4が位置する場所に圧縮バネ4aが設けられている。鍋底温度センサ4は圧縮バネ4aを介して本体1に支持される。圧縮バネ4aの弾性力によって鍋底温度センサ4が上方向に押されることで、鍋底温度センサ4が容器5に密着した状態が維持される。
【0015】
蓋体25は、不図示のヒンジを介して本体1に取り付けられている。これにより、使用者は、本体1に対して蓋体25を開閉することができる。蓋体25は、容器5の開口を覆う内蓋7と、内蓋7を覆う外蓋9とを有する。外蓋9は、第1三方弁11、開閉弁17、減圧ポンプ13およびカートリッジ20を備える。カートリッジ20は、容器5内で生じた蒸気を一時的に貯める役目を果たす。カートリッジ20には、容器5内の高圧蒸気をカートリッジ20の中へ導くための蒸気排出弁18が設けられている。蒸気排出弁18は、蓋体25が閉じられた状態の外蓋9において、内蓋7に設けられた孔に対向する位置に設けられている。内蓋7に設けられた孔は、容器5内の気圧が大気圧以下である場合には、蒸気排出弁18によって閉塞した状態になる。蒸気排出弁18は、容器5内の気圧が大気圧未満である場合、カートリッジパッキン21と密着し、これにより、容器5の内部が密閉される。蒸気排出弁18の作用については後述する。また、カートリッジ20には、カートリッジ20内に流入した蒸気を加熱調理器100の外部に排出させるための蒸気排出口19が設けられている。
【0016】
減圧ポンプ13は、容器5内を減圧する減圧装置の一例である。減圧ポンプ13は、例えば、ダイヤフラムポンプである。以下、減圧ポンプ13による吸気工程と排気工程とについて、図2および図3を参照しながら説明する。図2は、実施の形態1における減圧ポンプ13による吸気工程を示す模式図である。図3は、実施の形態1における減圧ポンプ13による排気工程を示す模式図である。図2に示すように、減圧ポンプ13は、筐体61とモータ62とシャフト64とを有する。筐体61には、吸気口66と排気口67とダイヤフラム63とが設けられている。モータ62は、回転軸62aを含み、当該回転軸62aを中心に回転する。シャフト64は、モータ62の駆動をダイヤフラム63に伝達する。回転軸62aには、円板65が取り付けられている。また、シャフト64の2つの端部のうち、一方の端部が円板65に取り付けられ、他方の端部がダイヤフラム63に取り付けられている。
【0017】
筐体61の吸気口66には、第1逆止弁66aが設けられている。第1逆止弁66aは、容器5内から吸気口66に流通する空気を筐体61内に流通させ、且つ、筐体61内の空気が吸気口66から流出することを阻止する。筐体61の排気口67には、第2逆止弁67aが設けられている。第2逆止弁67aは、筐体61内から外部に空気を流出させ、且つ、外部からの空気が排気口67を介して筐体61内に流入することを阻止する。
【0018】
図2図3における直線且つ実線の矢印はシャフト64の動作方向を示し、破線の矢印は空気の流れを示す。ただし、図2図3の「X」が付された、直線且つ実線の矢印は、X軸方向を示す。図2においてモータ62の回転軸62aが、曲線の矢印の示す方向である時計回りに回転すると、円板65に取り付けられたシャフト64は、X軸方向にダイヤフラム63を引っ張る。その結果、ダイヤフラム63が膨らみ、吸気口66から空気が筐体61の内部に流入する。一方、排気口67の側では、第2逆止弁67aにより排気口67から筐体61の内部に空気が入ることが阻止される。
【0019】
図2に示した状態から、モータ62の回転軸62aが更に時計回りに回転すると、図3に示すように、シャフト64は、X軸方向の反対方向にダイヤフラム63を押す。その結果、ダイヤフラム63が縮み、筐体61の内部の空気が排気口67から筐体61の外に流出する。一方、吸気口66の側では、第1逆止弁66aによって筐体61内の空気が吸気口66から流出することが阻止される。
【0020】
図1の説明に戻る。図1に示されるように、外蓋9には、減圧ポンプ13の吸気口66(図2図3参照)と第1三方弁11とを接続する第1減圧経路14aが設けられている。また、外蓋9には、減圧ポンプ13の排気口67(図2図3参照)とカートリッジ20内とを接続する第2減圧経路14bが設けられている。第2減圧経路14bは、カートリッジ20に設けられた開口である第1外蓋通気孔15aを介して、カートリッジ20内と連通している。
【0021】
外蓋9には、また、外部への開口である第2外蓋通気孔15bが形成されており、当該第2外蓋通気孔15bと第1三方弁11とを接続する第1復圧経路16aが設けられている。なお、実施の形態1の第2外蓋通気孔15bは、図1に示されるように外蓋9の上面に形成されているが、外蓋9の側面に形成されてもよい。
【0022】
外蓋9には、開閉弁17とカートリッジ20内とを接続する第1空気流通経路16bが設けられている。なお、第1空気流通経路16bは、カートリッジ20に設けられた開口である第3外蓋通気孔15cを介してカートリッジ20内と連通している。第1空気流通経路16bは、空気流通経路の例である。また、第3外蓋通気孔15cは第3外孔部の例である。
【0023】
外蓋9には、容器5内の気圧および温度を検出する蓋センサ22が設けられている。蓋センサ22は、容器5内の空気の温度を検出する不図示の温度センサを含む。また、蓋センサ22は、容器5内の気圧を検出する不図示の圧力センサを含む。
【0024】
内蓋7の周縁部には、シール材として機能する蓋パッキン8が設けられている。蓋パッキン8によって容器5のフランジ部5aと内蓋7の内壁面とがシールされる。内蓋7には、内蓋7を貫通する第1内蓋通気孔10aおよび第2内蓋通気孔10bが設けられている。第1内蓋通気孔10aの周縁部分には、第1経路パッキン12aが設けられ、第2内蓋通気孔10bの周縁部分には、第2経路パッキン12bが設けられている。第1経路パッキン12aと第2経路パッキン12bの各々は、シール材として機能する。第1経路パッキン12aは、第1内蓋通気孔10aと第1三方弁11との間で空気を流通させる。すなわち、第1内蓋通気孔10aは、第1経路パッキン12aを介して第1三方弁11と接続されている。第2経路パッキン12bは、第2内蓋通気孔10bと開閉弁17との間で空気を流通させる。すなわち、第2内蓋通気孔10bは、第2経路パッキン12bを介して開閉弁17と接続されている。なお、第1内蓋通気孔10aは、第1内孔部の例である。
【0025】
第1三方弁11は、第1内蓋通気孔10aを、第1減圧経路14aと第1復圧経路16aのいずれかに接続する。第1三方弁11は、流路切替弁の例である。第1三方弁11は、第1開状態において、蓋体25が閉められた状態で、第1内蓋通気孔10a及び第1経路パッキン12aを第1減圧経路14aに接続することで、容器5内と第1減圧経路14aとを連通させる。第1三方弁11は、第2開状態において、蓋体25が閉められた状態で、第1内蓋通気孔10a及び第1経路パッキン12aを第1復圧経路16aに接続することで、容器5内と第2外蓋通気孔15bとを連通させる。第1三方弁11が第2開状態である場合には、容器5内と外部との間で空気の授受が行われ、容器5内の気圧は外気圧と等しくなる。
【0026】
開閉弁17は、開状態において、第1空気流通経路16bに空気を流通させる。また、開閉弁17は、閉状態において、第1空気流通経路16bにおける空気の流通を遮断する。
【0027】
以下、減圧ポンプ13による容器5内の減圧処理について説明する。減圧処理が実行される場合には、第1三方弁11は第1開状態に制御される。これにより、容器5内と減圧ポンプ13の吸気口66とは、第1内蓋通気孔10aと第1三方弁11と第1減圧経路14aとを介して接続される。また、減圧処理が実行される場合には、開閉弁17は閉状態に制御される。ここで、減圧ポンプ13が動作すると、図2図3を参照して説明したように、モータ62の駆動がダイヤフラム63の伸縮運動に変換され、容器5内の空気は、減圧ポンプ13によって吸引され、第1内蓋通気孔10aと第1三方弁11と第1減圧経路14aと吸気口66とを介して、筐体61内に流入する。そして、筐体61内の空気は、排気口67を介して第2減圧経路14bに流出し、第1外蓋通気孔15aと、カートリッジ20の蒸気排出口19とを介して外部に排出される。これにより、容器5内が減圧される。減圧処理時における、第1内蓋通気孔10aから蒸気排出口19または第1外蓋通気孔15aまでの流通経路は、減圧経路の例である。減圧経路とは、減圧処理時における容器5内から外部への空気の流通経路である。また、蒸気排出口19および第1外蓋通気孔15aの各々は、加熱調理器100の外部への開口である第1外孔部の例である。
【0028】
容器5内が減圧されて大気圧未満になることにより、被調理物は大気圧下における沸点よりも低い温度で沸騰する。以下、図4を参照して具体的に説明する。図4は、実施の形態1における被調理物の温度と飽和水蒸気圧との関係を示すグラフである。なお、図4のグラフは、被調理物の温度に対する飽和水蒸気圧、すなわち、被調理物が沸騰する際の圧力と沸点との関係を示す。図4に示すように、容器5内の被調理物の沸点は、容器5内の圧力によって変動する。例えば、容器5内の気圧が0.2[atm]まで下がれば、被調理物は約60[℃]で沸騰する。これにより、加熱調理器100は、100[℃]未満の低温沸騰調理が可能になる。
【0029】
図1の参照に戻る。蒸気排出弁18は、容器5内が大気圧以下である場合、閉状態になる。ここで、開閉弁17の各々が閉状態である場合に、容器5内の被調理物が加熱されると、被調理物から蒸気が発生する。発生した蒸気によって容器5内の気圧が大気圧を超えると、蒸気は蒸気排出弁18を重力方向と反対方向に押す。蒸気が蒸気排出弁18を押す力が蒸気排出弁18にかかる重力よりも大きくなると、蒸気はカートリッジ20内に流入する。カートリッジ20内に流入した蒸気は、カートリッジ20に設けられた蒸気排出口19を介して、外部に排出される。
【0030】
操作表示部23は、本体1の側面に設けられている。操作表示部23は、例えば、画像を表示する不図示の表示装置と、当該表示装置の上などに配置される不図示のタッチパネルとを有する。タッチパネルは、使用者が加熱調理器100に指示を入力するための入力インターフェースの役目を果たす。当該タッチパネルは入力部の例である。表示装置は、各種センサの検出値および加熱調理器100の動作の状態を表示する。図1に示す構成例においては、操作表示部23は、本体1の側面に設けられているが、外蓋9の上面に設けられていてもよい。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイである。なお、表示装置は、複数のLED(Light Emitting Diode)によって構成されてもよい。表示装置は、報知部の例である。加熱調理器100は、Bluetooth(登録商標)等に基づく、不図示の通信部を有してもよい。この場合には、通信部は、表示装置が表示する情報を、使用者の不図示の端末に送信してもよい。なお、当該端末は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末等である。使用者は、端末が表示する情報を参照することによって、加熱調理器100の動作状態を確認することができる。当該端末と通信部とは、報知部の他の例である。端末は、使用者からの加熱調理器100への設定を受け付けてもよく、通信部は、端末から当該設定の内容を示す信号を受信してもよい。この場合、通信部と当該端末とは、入力部の他の例である。
【0031】
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器100の構成例を示すブロック図である。加熱調理器100は、図1を参照して説明した構成の他、インバータ部41と制御装置30とを備える。図4に示すセンサ群42は、図1に示す鍋底温度センサ4および蓋センサ22を含む。インバータ部41は、加熱部3に高周波電流を供給する。制御装置30は、操作表示部23のタッチパネル、および、上記通信部の両方または一方が使用者から受け付けた指示と、センサ群42の全部または一部による検知結果とに基づいて、加熱部3、第1三方弁11、開閉弁17、減圧ポンプ13、および、操作表示部23の表示装置を制御する。なお、制御装置30は、インバータ部41を介して加熱部3を制御する。制御装置30は、本体1に設けられてもよいし、外蓋9に設けられてもよい。
【0032】
図6は、実施の形態1における制御装置30の構成例を示すブロック図である。制御装置30は、記憶部31と、判定制御部32と、加熱制御部33と、弁制御部34と、ポンプ制御部35と、タイマ36とを有する。図6に示されるように、センサ群42には、鍋底温度センサ4および蓋センサ22の他、ポンプ温度センサ43とモータ回転センサ44とが含まれる。ポンプ温度センサ43は、減圧ポンプ13に設けられ、図2図3に示すモータ62の温度を検知する。モータ回転センサ44は、減圧ポンプ13に設けられ、モータ62の回転速度を検知する。ポンプ温度センサ43は、モータ62の温度に限らず、減圧ポンプ13全体の温度を検知してもよい。以下では、モータ62の温度、または、減圧ポンプ13全体の温度をポンプ温度と記載する場合もある。
【0033】
制御装置30の記憶部31は、加熱調理器100が有する複数の調理モードの各々での、容器5内の気圧、圧力上昇速度、調理時間、および調理温度等の条件の組み合わせと、各組み合わせでの制御対象機器の制御内容とを記憶する。なお、制御対象機器とは、加熱部3、三方弁、開閉弁17、減圧ポンプ13、蒸気排出弁18、および、操作表示部23の各々を指す。記憶部31は、調理モードの他、保温モードにおける制御内容を記憶していてもよい。保温モードとは、例えば、調理終了後、容器5に収容されている食材を保温するためのモードを指す。
【0034】
複数の調理モードには、例えば、低温沸騰モード、減圧染み込みモードおよび昇温沸騰モード等が含まれる。低温沸騰モードは、容器5内を減圧し、且つ、容器5内を飽和蒸気温度の前後に温度調整することで、例えば100[℃]未満の温度での沸騰を促し、容器5内を蒸気で満たす低温蒸し調理を行うモードである。減圧染み込みモードは、加熱調理前に、容器5内で、減圧と、大気圧までの昇圧とを交互に繰り返すことによって、食材への調味液の浸透を促進するモードである。昇温沸騰モードは、容器5内を昇温しながら、断続的に、飽和蒸気圧までの減圧と、大気圧までの昇圧とを交互に繰り返すことで、容器5内を均一に昇温するモードである。
【0035】
判定制御部32は、複数の調理モードのうちのいずれかを使用者に選択させるための案内情報を表示するよう操作表示部23を制御する。判定制御部32は、使用者によって調理モードが操作表示部23を介して選択されると、選択された調理モードに基づいて、加熱制御部33、弁制御部34およびポンプ制御部35を制御する。具体的には、判定制御部32は、選択された調理モードでの制御内容を示す制御信号を、加熱制御部33、弁制御部34およびポンプ制御部35に送信する。
【0036】
加熱制御部33は、判定制御部32から取得した制御信号に基づいて、インバータ部41を介して加熱部3を制御する。具体的には、加熱制御部33は、制御信号に基づいて、加熱部3の通電開始のタイミングおよび通電時間等を制御する。
【0037】
弁制御部34は、判定制御部32から受信した制御信号に基づいて、第1三方弁11と開閉弁17とを制御する。ポンプ制御部35は、判定制御部32から取得した制御信号に基づいて、減圧ポンプ13を制御する。具体的には、ポンプ制御部35は、減圧ポンプ13の動作開始及び動作停止のタイミングおよび動作時間を制御する。ポンプ制御部35は、また、減圧ポンプ13の動作中に一定の周期でモータ62からモータ電流を示す電流情報を取得し、取得した電流情報を判定制御部32に送信する。
【0038】
タイマ36は、時間を計測し、計測した時間を示す情報を、判定制御部32と弁制御部34とポンプ制御部35とに提供する。以下では、タイマ36が計測した時間を計測時間と記載する場合もある。
【0039】
ここで、減圧ポンプ13の動作中には、第1内蓋通気孔10aへの食材の貼り付き、または、第1内蓋通気孔10aもしくは第1経路パッキン12aにおける食材の詰まり等が生じる可能性がある。これによって、容器5内から減圧経路に空気が流通しなく可能性がある。このように減圧経路が閉塞すると、減圧ポンプ13は、100[℃]未満の設定温度での被調理物の飽和水蒸気圧まで容器5内を減圧することができなくなる。閉塞状態のまま、更に、減圧ポンプ13が動作を継続すると、筐体61に空気が流入しない状態で、モータ62が回転してダイヤフラム63を伸縮させる。ダイヤフラム63は、筐体61内に空気が流入する正常な状態における形状変化とは異なる高負荷状態で伸縮されるため、ひずみが生じる。また、モータ62は、ダイヤフラム63を伸縮させる負荷が増加するため、モータ62の駆動電流が増加してポンプ温度が上昇する。以下では、単に閉塞と記載する場合には、減圧経路における閉塞を指すものとする。
【0040】
実施の形態1の判定制御部32は、減圧ポンプ13の動作中には、一定時間毎に閉塞が発生しているか否かを判定する。具体的には、判定制御部32は、蓋センサ22が検知した容器5内の気圧と温度とに基づいて閉塞の発生の有無を判定する。判定制御部32は、容器5内の気圧が低下せず、且つ、当該気圧が容器5内の被調理物の温度における飽和水蒸気圧よりも高い場合には、閉塞が発生していると判定する。閉塞が発生している場合には、加熱調理器100は、当該閉塞を解消するための回復処理を行う。まず、判定制御部32は、閉塞の発生を示す異常発生信号を弁制御部34およびポンプ制御部35に送信する。なお、判定制御部32は、異常発生信号を加熱制御部33に送信してもよい。
【0041】
弁制御部34は、異常発生信号を受信すると、予め定められた第1回復時間が経過するまで第1三方弁11を第2開状態とする。なお、第1回復時間は、記憶部31に記憶されており、例えば30[秒]である。第1回復時間は、回復時間の例である。第1三方弁11が第2開状態になることによって、第2外蓋通気孔15bと第1復圧経路16aとを介して、大気が容器5に流通する。これにより、第1内蓋通気孔10aに貼り付いていた食材などが下方に圧されるなどして、閉塞が解消され得る。第1内蓋通気孔10aと第2外蓋通気孔15bとを接続する経路は、復圧経路の例である。なお、復圧経路とは、閉塞が発生した場合に、当該閉塞を解消するための空気の流路であって、容器5の外部から容器5内に流入する空気の流路を指し、第1内蓋通気孔10aと第2外孔部とを接続するものである。第2外孔部とは、加熱調理器100における外部への開口部分であって、閉塞が発生した場合に、加熱調理器100の外部の空気を容器5内に取り込むためのものである。第2外蓋通気孔15bは第2外孔部の例である。
【0042】
ポンプ制御部35は、異常発生信号を受信すると、第1回復時間が経過するまでの間、減圧ポンプ13に動作を停止させる。
【0043】
加熱制御部33は、異常発生信号を受信した場合には、第1回復時間が経過するまで、加熱部3への電力の供給を停止してもよいし、供給する電力を小さくしてもよい。回復処理中に、加熱部3が加熱を継続することにより、あるいは、加熱部3による火力が高い状態が維持されることにより、食材の変質が進む場合がある。しかし、第1回復時間の間、加熱部3への電力の供給を停止することにより、または当該電力を小さくすることにより、調理の仕上がりの悪化が抑制される。なお、異常発生信号は、判定制御部32が加熱制御部33と弁制御部34とポンプ制御部35の各々を制御するための制御信号の例である。
【0044】
図7は、実施の形態1における制御装置30のハードウェア構成の第1の例を示す模式図である。図7に示すように、制御装置30は、互いに第1バス50によって接続された処理回路51と第1入出力インターフェース回路52とによって構成可能である。処理回路51は、例えば、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。記憶部31およびタイマ36の各機能は、処理回路51によって実現可能である。また、判定制御部32、加熱制御部33、弁制御部34、およびポンプ制御部35の各機能は、処理回路51と第1入出力インターフェース回路52とによって実現可能である。
【0045】
図8は、実施の形態1における制御装置30のハードウェア構成の第2の例を示す模式図である。制御装置30は、互いに第2バス70によって接続された、プロセッサ71とメモリ72と第2入出力インターフェース回路73とによって構成可能である。プロセッサ71は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)等である。メモリ72は、例えば、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等である。記憶部31による機能はメモリ72によって実現可能である。判定制御部32が制御信号を生成し、弁制御部34およびポンプ制御部35等に出力する機能は、プロセッサ71がメモリ72に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することによって実現可能である。タイマ36の機能は、プロセッサ71、または、プロセッサ71およびメモリ72の組み合わせによって実現可能である。加熱制御部33、弁制御部34、およびポンプ制御部35の各機能と、判定制御部32が操作表示部23を制御する機能とは、プロセッサ71とメモリ72と第2入出力インターフェース回路73とによって実現可能である。なお、制御装置30は、図8に示す構成要素に加え、RTC(Real Time Clock)を有してもよい。この場合、タイマ36の機能は、当該RTCによって実現する。
【0046】
以下、実施の形態1に係る加熱調理器100による減圧調理の動作について図9を参照しながら説明する。図9は、実施の形態1に係る加熱調理器100による減圧調理手順を例示するフローチャートである。
【0047】
使用者は、調理メニューを決めると、当該調理メニューに必要な肉、魚、野菜、調味料および水等の材料を容器5に入れ、容器5の取っ手部6を把持して容器カバー2に装着する。そして、使用者は、蓋体25を閉める。蓋体25が閉まると、外蓋9が蓋パッキン8を介して内蓋7を容器5のフランジ部5aに強く押しつけ、フランジ部5aと蓋パッキン8とがシールされる。このとき、開閉弁17は開状態であるため、空気は第3外蓋通気孔15cと蒸気排出口19とを介して容器5内と外部との間で流通する。
【0048】
使用者は、蓋体25を閉めた後、操作表示部23を操作して、調理モードを選択する。その際、使用者は、調理モードだけでなく、操作表示部23を操作して調理条件を設定してもよい。調理条件は、例えば、容器5の内部の気圧、圧力上昇速度、調理時間および調理温度などである。なお、使用者は、操作表示部23を操作して、調理モードに代えて保温モードを選択してもよく、調理条件に代えて保温条件を設定してもよい。
【0049】
ステップS101において判定制御部32は、操作表示部23に調理開始の指示が入力されたか否かを判定する。調理開始の指示が入力されない間(ステップS101)、加熱調理器100は処理をステップS101に留める。調理開始の指示が入力されると(ステップS101:YES)、ステップS102において判定制御部32は、操作表示部23を介して使用者が指定した調理モードに基づく制御信号を生成し、生成した制御信号を加熱制御部33、弁制御部34およびポンプ制御部35に送信する。加熱制御部33は、判定制御部32から受信した制御信号に基づいて、加熱部3への電力供給を開始する。加熱部3は、電力供給が開始されることで、容器5の加熱を開始する。
【0050】
ステップS103において判定制御部32は、被調理物の温度が調理温度に達したか否かを判定する。なお、調理温度は、調理モードに基づいて定まる温度である。被調理物の温度は、鍋底温度センサ4および蓋センサ22による検知結果に基づいて、判定制御部32によって導出される。被調理物の温度が調理温度に達しない間(ステップS103:NO)、加熱部3による加熱が継続された状態で、加熱調理器100は処理をステップS103に留める。
【0051】
被調理物の温度が調理温度に達すると(ステップS103:YES)、ステップS104において加熱制御部33は、判定制御部32からの制御信号に基づいて、被調理物の温度を調理温度に維持するよう加熱部3を制御する。なお、加熱制御部33による制御は、被調理物の温度が調理温度と一致する状態を維持する制御に限らず、被調理物の温度が調理温度を基準に予め決められた範囲内にある状態を維持する制御でもよい。
【0052】
ステップS105において弁制御部34は、判定制御部32からの制御信号に基づいて、開閉弁17を閉状態に、第1三方弁11を第1開状態に制御する。第1三方弁11が第1開状態になることにより、第1内蓋通気孔10aと第1減圧経路14aとが接続され、容器5内が減圧ポンプ13の吸気口66と接続される。
【0053】
ステップS106においてポンプ制御部35は、判定制御部32からの制御信号に基づいて、減圧ポンプ13を動作させる。具体的には、ポンプ制御部35は、容器5内の気圧が被調理物の飽和蒸気圧に近づくよう減圧ポンプ13を制御する。減圧ポンプ13の動作によって容器5内の気圧が低下し、容器5内の気圧が設定温度に調整された被調理物の飽和蒸気圧に達すると、被調理物が沸騰を開始する。
【0054】
なお、ステップS106に先立ち、判定制御部32は、容器5の容量と減圧ポンプ13の吸気流量とに基づいて、減圧下での調理効果が得られる気圧まで、減圧ポンプ13に容器5内を減圧させるための減圧時間を導出してもよい。この場合、判定制御部32は、導出した減圧時間を示す制御信号をポンプ制御部35に送信する。ポンプ制御部35は、ステップS106において、タイマ36による計測時間を参照しながら、制御信号が示す減圧時間の間、減圧ポンプ13を動作させる。
【0055】
判定制御部32は、蓋センサ22が検知した温度に基づいて被調理物が沸騰したと判定するまで、容器5内を減圧するよう減圧ポンプ13を制御するようポンプ制御部35に指示してもよい。なお、容器5内の目標気圧が予め設定されていてもよく、判定制御部32は、蓋センサ22が検知した気圧が目標気圧になるまで、減圧ポンプ13を動作させるようポンプ制御部35に指示を行ってもよい。
【0056】
ステップS107において判定制御部32は、被調理物の温度が予め設定された温度帯に含まれるか否かを判定する。被調理物の温度が当該温度帯に含まれない場合には(ステップS107:NO)、加熱調理器100は処理をステップS107に留める。被調理物の温度が当該温度帯に含まれる場合には(ステップS107:YES)、ステップS108において判定制御部32は、ステップS108に移ってからのタイマ36による計測時間が、設定されている調理時間に達したか否かを判定する。計測時間が調理時間に達しない間(ステップS108:NO)、加熱調理器100は処理をステップS108に留める。このとき、判定制御部32は、計測時間が調理時間に到達するまで、容器5内の温度および気圧を維持するよう、加熱制御部33を介して加熱部3を制御し、ポンプ制御部35を介して減圧ポンプ13を制御する。操作表示部23の表示装置は、容器5内の温度および気圧等の少なくともいずれかを表示してもよい。また、当該表示装置は、沸騰状態またはスチーム状態等の被調理物の状態、および、調理時間を表示してもよい。
【0057】
計測時間が調理時間に達した場合には(ステップS108:YES)、ステップS109において操作表示部23は、判定制御部32の制御に基づいて調理の終了を報知する。このとき、判定制御部32は、加熱制御部33およびポンプ制御部35等に対して制御の終了を指示する。加熱制御部33は加熱部3への電力供給を停止し、ポンプ制御部35は減圧ポンプ13を停止する。
【0058】
なお、図9では、ステップS103において被調理物の温度が調理温度に達した場合に、ステップS105において第1三方弁11および開閉弁17が制御される例を示したが、ステップS105の処理は、ステップS103以前に行われてもよい。すなわち、被調理物の温度が調理温度に達する前に、制御装置30は第1三方弁11を第1開状態に制御し、開閉弁17を閉状態に制御してもよい。
【0059】
ここで、図9に示すステップS106以降の処理、すなわち、減圧ポンプ13の動作中には、減圧経路において閉塞が発生する可能性がある。以下、図10を参照しながら、減圧経路の閉塞を解消するための加熱調理器100による回復処理について説明する。図10は、実施の形態1に係る加熱調理器100による回復処理を含む処理の流れを例示するフローチャートである。なお、図10に示す処理のうち、ステップS201の処理は、ステップS106以降の処理と並行して実行される。
【0060】
ステップS201において判定制御部32は、減圧経路の閉塞が発生しているか否かを判定する。閉塞が発生していない場合には(ステップS201:NO)、加熱調理器100は処理をステップS201に戻す。閉塞が発生している場合には(ステップS201:YES)、加熱調理器100はステップS202に処理を移す。ステップS202以降の処理は、ステップS106~ステップS108の処理途中における割り込み処理である。
ステップS202以降の処理が実行される場合、ステップS106~ステップS108の処理は途中で停止する。ステップS202においてポンプ制御部35は、判定制御部32からの異常発生信号に基づいて減圧ポンプ13を停止させる。ステップS203において弁制御部34は、判定制御部32からの異常発生信号に基づいて第1三方弁11を第2開状態に制御する。なお、ステップS202の処理とステップS203の処理は逆の順番で実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。加熱制御部33は、ステップS202~ステップS203において、加熱部3への電力の供給を停止するか、当該電力を低減させてもよい。
【0061】
ステップS204において判定制御部32は、ステップS203の処理の実行時からの計測時間が第1回復時間に達したか否かを判定する。ステップS203の処理の実行時からの計測時間が第1回復時間に達しない間(ステップS204:NO)、加熱調理器100は処理をステップS204に留める。すなわち、弁制御部34は、第1三方弁11を第2開状態に維持する。
【0062】
第1三方弁11が第2開状態となることにより、第1内蓋通気孔10aと第2外蓋通気孔15bとが第1復圧経路16aによって連通する。これにより、第2外蓋通気孔15bから第1復圧経路16aに流入した外気が容器5の方向に流通する。第1復圧経路16aを介して容器5へ流通した外気の圧力が、第1内蓋通気孔10aまたは第1経路パッキン12a等に貼り付いた異物の粘着力を上回ると、減圧経路の閉塞が解消される。
【0063】
ステップS203の処理の実行時からの計測時間が第1回復時間に達した場合には(ステップS204:YES)、ステップS205において弁制御部34は、判定制御部32からの制御信号に基づいて第1三方弁11を第1開状態にする。ステップS206においてポンプ制御部35は、減圧ポンプ13を動作させる。これにより、容器5内が再び減圧される。なお、ステップS205とステップS206の処理は並行して実行されてもよい。ここで、ステップS202~ステップS203の段階において加熱部3への電力の供給が停止した場合には、ステップS205とステップS206において加熱制御部33は、加熱部3に電力を再度供給する。ステップS202~ステップS203の段階において加熱部3への電力が低減された場合には、ステップS205とステップS206において加熱制御部33は、当該電力を低減前の電力に戻す。
【0064】
加熱調理器100は、予め定められた回数だけ、ステップS201~ステップS208の処理を繰り返す。具体的には、判定制御部32は、ステップS201~ステップS206の処理の実行回数をカウントする。すなわち、判定制御部32は、ステップS201~ステップS206の処理が実行された回数を記憶し、ステップS206の処理が実行された後、ステップS207において当該回数に1を加算する。ステップS208において判定制御部32は、ステップS201~ステップS206の処理の実行回数が、予め定められた規定回数以上か否かを判定する。実行回数が規定回数未満である場合には(ステップS208:NO)、加熱調理器100は処理をステップS201に戻す。すなわち、ステップS201以降の処理が繰り返される。なお、ステップS208の処理後のステップS201において閉塞が発生していないと判定された場合に、途中まで実行されていたステップS106~ステップS108の処理が再開される。
【0065】
実行回数が規定回数以上である場合には(ステップS208:YES)、判定制御部32は、減圧経路の閉塞の解消が不可能と判定し、ステップS209において、減圧動作による不具合を示すエラー表示を行うよう操作表示部23を制御する。ステップS210において弁制御部34は、判定制御部32からの制御信号に基づき、開閉弁17を開状態に切り替える。開閉弁17を開状態に切り替えることで、減圧状態にあった容器5内に外気が流入し、容器5内の気圧は大気圧と等しくなる。ステップS211においてポンプ制御部35は、判定制御部32からの制御信号に基づき、減圧ポンプ13を停止させる。ステップS210の処理とステップS211の処理は、逆の順番で実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。ステップS211の処理後、加熱調理器100は処理を終了する。
【0066】
ここで、ステップS201において判定制御部32は、蓋センサ22が検知した容器5内の気圧と温度とに基づいて減圧経路の閉塞の発生の有無を判定したが、判定制御部32は、当該気圧および当該温度に加え、モータ電流の増加、および、ポンプ温度の上昇のうちの両方または一方に基づいて、閉塞の発生の有無を判定してもよい。これにより、判定精度の向上が図られる。
【0067】
判定制御部32は、ステップS202~ステップS204の回復処理が実行された場合には、以降の調理工程の所要時間または調理温度を変更してもよい。例えば、調理温度が高い場合には、回復処理が実行される間、加熱による食材の状態変化が進むことが想定されるが、判定制御部32が、調理時間を設定された時間より短くすることによって、調理の仕上がりの悪化を抑制することができる。あるいは、調理温度が低い場合には、回復処理が実行される間に食材が冷めてしまい、調理に余計な時間がかかることが想定されるが、判定制御部32が、調理温度を設定された温度より高くすることによって、余分な調理時間を削減することができる。回復処理の処理後の調理工程での調理時間または調理温度を変更した場合には、操作表示部23は、判定制御部32からの指示に基づいて、表示する調理終了時間を変更してもよい。
【0068】
以上、減圧経路の閉塞を解消するための回復処理について説明したが、加熱調理中には、当該閉塞以外にも、減圧ポンプ13の異常が発生することがある。詳細には、調理中に減圧ポンプ13が容器5内の蒸気を吸引することによって、第1減圧経路14aと、第2減圧経路14bと、減圧ポンプ13内とに水分が付着することがあり、このような水分の付着により、減圧ポンプ13の流量が変化し得ると共に、減圧ポンプ13内の密閉性が損なわれる場合がある。これにより、減圧ポンプ13の減圧性能が低下し得る。
【0069】
実施の形態1に係る加熱調理器100は、減圧ポンプ13内と、第1減圧経路14aと、第2減圧経路14bとにおける水分の排出のための乾燥運転を実行する。なお、乾燥運転は、調理終了後のタイミングと、容器5内の減圧後のタイミングのうちの両方または一方のタイミングで実行される。以下、乾燥運転について詳述する。弁制御部34は、第1減圧経路14aと第1復圧経路16aとを接続するよう第1三方弁11を制御する。これにより、減圧ポンプ13の吸気口66と第2外蓋通気孔15bとが接続される。ポンプ制御部35は、減圧ポンプ13を動作させる。減圧ポンプ13は、第2外蓋通気孔15bと第1復圧経路16aと第1減圧経路14aと吸気口66とを介して、外気を筐体61内に吸入する。そして、減圧ポンプ13は、吸入した当該外気を、排気口67と第2減圧経路14bと第1外蓋通気孔15aとを介してカートリッジ20に排出する。これにより、外気は、減圧ポンプ13内と第1減圧経路14aと第2減圧経路14bとを流れる。外気は容器5内の空気よりも乾いているため、減圧ポンプ13内と第1減圧経路14aと第2減圧経路14bとに付着した水分は、第1外蓋通気孔15aを介してカートリッジ20内に排出され、カートリッジ20内で保持される。なお、加熱調理器100は、カートリッジ20の他に、水分を保持する不図示の排水容器を有してもよく、第1外蓋通気孔15aは当該排水容器と接続されてもよい。
【0070】
なお、外蓋9が開いた状態でも、減圧ポンプ13によって滞りなく排水できるよう、減圧ポンプ13の排気口67は、外蓋9が開いた状態で重力方向に向くよう設けられていることが望ましい。また、外蓋9が閉じた状態では、減圧ポンプ13の吸気口66よりも排気口67が下側になるように吸気口66と排気口67とが設けられていることが望ましい。これにより、重力によって減圧ポンプ13内の水分が排出されやすくなる。
【0071】
更に、カートリッジ20および上記排水容器等の保持容器と減圧ポンプ13との間の距離は、できるだけ短い方が望ましい。例えば、容器5の後方に保持容器が配置される場合には、減圧ポンプ13も保持容器と同様に後方に配置されると、減圧ポンプ13と保持容器とを接続する経路が短くなり、排水が促されやすくなる。図1では、第1外蓋通気孔15aが、排気口67よりも高い位置に設けられた例を示したが、排水の容易化のためには、排気口67と第1外蓋通気孔15aとは同じ高さの位置に設けられるか、第1外蓋通気孔15aが排気口67よりも低い位置に設けられることが望ましい。また、第1外蓋通気孔15aが排気口67よりも低い位置に設けられる場合には、排気口67と第1外蓋通気孔15aとを接続する経路は、排気口67から第1外蓋通気孔15aに向かうに従い、下方に傾斜する経路であることが望ましい。これにより、減圧ポンプ13からの排水の促進が図られる。
【0072】
以下、実施の形態1に係る加熱調理器100による効果について述べる。実施の形態1係る加熱調理器100は、被調理物を加熱調理するものであって、容器5と蓋体25と加熱部3と減圧装置と減圧経路と復圧経路と流路切替弁と制御装置30とを備える。容器5は被調理物を収容する。蓋体25は、容器5内と接続する第1内孔部を有し、容器5を覆う。加熱部3は容器5を加熱する。減圧装置は容器5内を減圧する。減圧経路は、第1内孔部と、加熱調理器100の外部に開口する第1外孔部とを接続する。また、減圧経路は、第1内孔部と第1外孔部との間に減圧装置が設けられている。復圧経路は、第1内孔部と、加熱調理器100の外部に開口する第2外孔部とを接続する。流路切替弁は、減圧経路と復圧経路とに設けられ、第1内孔部を流れる空気の流通方向を切り替える。制御装置30は、加熱部3、減圧装置、および流路切替弁を制御する。制御装置30は、減圧装置が動作する調理である減圧調理の際に、流路切替弁に第1内孔部と第1外孔部とを接続させて、容器5内から第1内孔部を介して減圧経路に流入した空気を第1外孔部から外部へ流出させる。制御装置30は、減圧調理の際に、減圧経路に閉塞が発生した場合には、予め定められた回復時間の間、流路切替弁に第1内孔部と第2外孔部とを接続させて、加熱調理器100の外部から第2外孔部を介して復圧経路に流通した空気を、第1内孔部から容器内に流通させる。制御装置30は、閉塞が解消した場合には、流路切替弁に第1内孔部と第1外孔部とを接続させて、減圧装置を動作させて減圧経路に空気を流通させる。
【0073】
上記構成によれば、減圧調理中に閉塞が発生しても、復圧経路を介して第2外孔部から第1内孔部に空気が流通する。そのため、減圧経路の閉塞状態が変化し得、閉塞が解消する可能性がある。そして、閉塞が解消された場合には、制御装置30は、減圧経路に空気が流通するよう流路切替弁を制御し、減圧装置に動作を行わせるため、減圧調理が自動的に再開される。そのため、再調理のための設定が不要となる。また、調理が中断されることによる食材の無駄が抑制され得る。
【0074】
実施の形態1における制御装置30は、閉塞が発生した場合には、加熱を停止するよう加熱部3を制御する。制御装置30は、閉塞が解消した場合には、加熱を再開するよう加熱部3を制御する。これにより、回復処理中に被調理物が過剰に加熱されて仕上がりが損なわれることが抑制される。
【0075】
実施の形態1における第1外孔部と第2外孔部とは、別個の孔部である。流路切替弁は、減圧経路において第1内孔部と減圧装置との間に設けられ、且つ、復圧経路において第1内孔部と第2外孔部との間に設けられた第1三方弁11である。制御装置30は、回復時間の間、減圧装置を停止させる。これにより、閉塞発生時には、第1三方弁11を第2開状態にすることにより、第2外孔部から復圧経路に流入した外気が容器5に流れるため、閉塞の原因となっていた食材が当該外気によって圧されて移動するなどし、閉塞の解消が図られる。
【0076】
実施の形態1に係る加熱調理器100は、調理条件を設定するための入力部を更に備える。制御装置30は、閉塞の解消後に再開される調理について設定されている調理条件を変更する。回復処理中に、食材が過剰に加熱され、あるいは、食材が冷えるなどしても、再開される調理の調理条件が変更されることによって、食材の仕上がりの悪化が抑制される。
【0077】
実施の形態2.
以下、実施の形態2に係る加熱調理器100について説明する。なお、実施の形態2では、実施の形態1における構成要素と同様の構成要素に対し、同一の符号を付すものとする。また、実施の形態2において、実施の形態1における構成と同様の構成、および、実施の形態1における機能と同様の機能等については、特段の事情がない限り説明を省略する。
【0078】
図11は、実施の形態2に係る加熱調理器100の構成例を模式的に示す断面模式図である。図12は、実施の形態2に係る加熱調理器100の構成例を示すブロック図である。実施の形態2に係る加熱調理器100の外蓋9は、実施の形態1の第1三方弁11に代え、第2三方弁11aと第3三方弁11bとを備える。第2三方弁11aおよび第3三方弁11bは流路切替弁の例である。
【0079】
第2三方弁11aは、第1減圧経路14aに設けられている。第3三方弁11bは第2減圧経路14bに設けられている。なお、実施の形態2では、第1減圧経路14aを、減圧ポンプ13の吸気口66(図2図3参照)と、第1経路パッキン12aまたは第1内蓋通気孔10aとを接続する経路とする。実施の形態2における第2減圧経路14bは、実施の形態1と同様に、減圧ポンプ13の排気口67(図2図3参照)と、カートリッジ20内とを接続する経路である。
【0080】
外蓋9には、また、第1部分復圧経路14cと第2部分復圧経路14dとが設けられている。第1部分復圧経路14cは、第2減圧経路14bにおける第1位置P1と第2三方弁11aとを接続する。なお、第1位置P1は、第1外蓋通気孔15aと第3三方弁11bとの間の位置である。第2部分復圧経路14dは、第1減圧経路14aにおける第2位置P2と第3三方弁11bとを接続する。なお、第2位置P2は、第1内蓋通気孔10aと第2三方弁11aとの間の位置である。
【0081】
第2三方弁11aは、第1開状態において、蓋体25が閉められた状態で、第1内蓋通気孔10aと第1経路パッキン12aとを介して、容器5内と減圧ポンプ13の吸気口66とを連通させる。第2三方弁11aは、第2開状態において、蓋体25が閉められた状態で、減圧ポンプ13の吸気口66と第1部分復圧経路14cとを連通させる。
【0082】
第3三方弁11bは、第1開状態において、減圧ポンプ13の排気口67と第1位置P1とを接続することで、第2減圧経路14bを連通状態とする。これにより、蓋体25が閉められた状態で、減圧ポンプ13とカートリッジ20内とを第1外蓋通気孔15aを介して連通させる。第3三方弁11bは、第2開状態において、蓋体25が閉められた状態で、減圧ポンプ13の排気口67と第2部分復圧経路14dとを連通させる。
【0083】
図13は、実施の形態2に係る制御装置30の構成例を示すブロック図である。なお、実施の形態2の制御装置30のハードウェア構成は、実施の形態1と同様に図7図8によって例示される。図13に示すように、実施の形態2における制御装置30の弁制御部34は、第1三方弁11に代え、第2三方弁11aおよび第3三方弁11bを制御する。
【0084】
弁制御部34は、減圧ポンプ13が動作する調理の間は、判定制御部32からの制御信号に基づいて、第2三方弁11aと第3三方弁11bの各々を第1開状態に制御する。第2三方弁11aと第3三方弁11bとが第1開状態となることにより、容器5内の空気は減圧ポンプ13によって吸引され、カートリッジ20内に導かれる。そして、容器5内は減圧される。
【0085】
弁制御部34は、減圧経路において閉塞が発生した場合には、判定制御部32からの制御信号に基づいて、予め定められた第2回復時間の間、第2三方弁11aと第3三方弁11bの各々を第2開状態にする。なお、第2回復時間は、記憶部31に記憶されている。第2回復時間は第1回復時間と等しくともよいし、異なっていてもよい。第2回復時間は回復時間の例である。
【0086】
弁制御部34は、閉塞が発生した場合には、判定制御部32からの制御信号に基づいて、第2回復時間の間、開閉弁17を開状態にする。開閉弁17が開状態になることにより、容器5内の空気は開閉弁17を介して第1空気流通経路16bを流通し、カートリッジ20内に流入する。これにより、減圧状態にあった容器5内は、大気圧状態となる。
【0087】
実施の形態2のポンプ制御部35は、閉塞発生時において、減圧ポンプ13を動作させる。第2開状態の第2三方弁11aは、第1部分復圧経路14cと減圧ポンプ13の吸気口66とを接続しており、これにより、第1外蓋通気孔15aを介して第1部分復圧経路14cに流入した空気が減圧ポンプ13に導かれる。減圧ポンプ13を通過した空気は、第2開状態にある第3三方弁11bによって第2部分復圧経路14dに導かれ、容器5内へと向かう。第2部分復圧経路14dから容器5内に向かう空気によって、閉塞の解消が図られる。
【0088】
以下では、第1外蓋通気孔15aから第1内蓋通気孔10aまでの空気の流通経路、すなわち、第1外蓋通気孔15aから、第1部分復圧経路14cと第2三方弁11aと減圧ポンプ13と第3三方弁11bと第2部分復圧経路14dとを介した、第1内蓋通気孔10aまでの経路を、第2復圧経路と記載する場合もある。第2復圧経路は復圧経路の例である。また、開閉弁17が設けられた第2内蓋通気孔10bは第2内孔部の例である。
【0089】
以下、実施の形態2に係る加熱調理器100による動作について図14を参照しながら説明する。図14は、実施の形態2に係る加熱調理器100による調理手順を例示するフローチャートである。
【0090】
ステップS301~ステップS304の処理は、ステップS101~ステップS104の処理と同様である。ステップS305において弁制御部34は、判定制御部32からの制御信号に基づいて、開閉弁17を閉状態に制御し、且つ、第2三方弁11aと第3三方弁11bとを第1開状態に制御する。ステップS306~ステップS309の処理は、ステップS106~ステップS109の処理と同様である。
【0091】
次に、図15を参照しながら、減圧経路の閉塞が発生した場合に、実施の形態2に係る加熱調理器100が行う処理について説明する。図15は、実施の形態2に係る加熱調理器100による回復処理を含む処理の流れを例示するフローチャートである。なお、図15に示す処理のうち、ステップS401の処理は、ステップS306以降の処理と並行して実行される。
【0092】
ステップS401の処理はステップS201の処理と同様である。ステップS402において弁制御部34は、開閉弁17を開状態にする。なお、ステップS402以降の処理は、ステップS306~ステップS308の処理途中における割り込み処理である。ステップS402以降の処理が実行される場合、ステップS306~ステップS308の処理は途中で停止する。ステップS403において弁制御部34は、第2三方弁11aと第3三方弁11bとを第2開状態にする。なお、ステップS402の処理とステップS403の処理は、逆の順番で実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。加熱制御部33は、ステップS402~ステップS403において、加熱部3への電力の供給を停止するか、当該電力を低減させてもよい。
【0093】
ステップS404において判定制御部32は、ステップS402~ステップS403の実行時点から計測時間が第2回復時間に達したか否かを判定する。当該計測時間が第2回復時間に達しない間(ステップS404:NO)、加熱調理器100は処理をステップS404に留める。当該計測時間が第2回復時間に達した場合には(ステップS404:YES)、ステップS405において弁制御部34は、判定制御部32からの制御信号に基づいて、開閉弁17を閉状態にする。ステップS406において弁制御部34は、判定制御部32からの制御信号に基づいて、第2三方弁11aと第3三方弁11bとを第1開状態にする。なお、ステップS405の処理とステップS406の処理とは、逆の順番で実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。ここで、ステップS402~ステップS403の段階において加熱部3への電力の供給が停止した場合には、ステップS405~ステップS406において加熱制御部33は、加熱部3に電力を再度供給する。ステップS402~ステップS403の段階において加熱部3への電力が低減された場合には、ステップS405~ステップS406において加熱制御部33は、当該電力を低減前の電力に戻す。
【0094】
ステップS407~ステップS411の処理は、ステップS207~ステップS211の処理と同様である。なお、ステップS407では、判定制御部32は、ステップS401~ステップS406の処理の実行回数に1を加算し、ステップS408において判定制御部32は、当該実行回数が規定回数以上か否かを判定する。当該実行回数が規定回数未満であれば、加熱調理器100は処理をステップS401に戻すが、ステップS408の処理後のステップS401において閉塞が発生していないと判定された場合には、途中まで実行されていたステップS306~ステップS308の処理が再開される。
【0095】
以下、実施の形態2に係る加熱調理器100による効果について説明する。実施の形態2における減圧経路は、第1減圧経路14aと第2減圧経路14bとを含む。第1減圧経路14aは、減圧装置と第1内孔部とを接続する。第2減圧経路14bは、減圧装置と第1外孔部とを接続する。流路切替弁は、第2三方弁11aと第3三方弁11bとを有する。第2三方弁11aは第1減圧経路14aに設けられ、第3三方弁11bは第2減圧経路14bに設けられている。実施の形態2の第2外孔部と第1外孔部とは、1つの孔部である。復圧経路は、第1部分復圧経路14cと第2部分復圧経路14dとを含む。第1部分復圧経路14cは、第2三方弁11aと、第2減圧経路14bにおける第3三方弁11bと第1外孔部との間の第1位置P1と、を接続する。第2部分復圧経路14dは、第3三方弁11bと、第1減圧経路14aにおける、第1内孔部と第2三方弁11aとの間の第2位置P2と、を接続する。制御装置30は、減圧調理の際に、第1内孔部と減圧装置とを接続するよう第2三方弁11aを制御して、容器内から第1減圧経路14aに流通した空気を減圧装置に流入させ、且つ、減圧装置と第1外孔部とを接続するよう第3三方弁11bを制御し、減圧装置から第2減圧経路14bに流出した空気を第1外孔部に流通させる。制御装置30は、閉塞が発生した場合には、減圧装置を動作させた状態で、第1位置P1と減圧装置とを接続するよう第2三方弁11aを制御して、第1外孔部を介して外部から第2減圧経路14bに流入した空気を、第1部分復圧経路14cを介して減圧装置に流入させ、且つ、減圧装置と第2位置P2とを接続するよう第3三方弁11bを制御して、減圧装置から第2減圧経路14bに流入した空気を、第2部分復圧経路14dおよび第2位置P2を介して、第1内孔部から容器5内に流入させる。
【0096】
上記構成によれば、減圧ポンプ13の動作によって、外部から復圧経路に空気を導き、第1内孔部に空気を流通させるため、減圧ポンプ13の運転周波数を調節することによって、大気圧のみで閉塞を解消するよりも、迅速に閉塞を解消することが可能になる。
【0097】
実施の形態2に係る加熱調理器100は、更に、外部に開口する第3外孔部と、容器5内に開口する第2内孔部と、第3外孔部と第2内孔部とを接続する空気流通経路と、空気流通経路に設けられた開閉弁17と、を更に有する。開閉弁17は、開状態で空気流通経路に空気を流通させ、閉状態で空気流通経路の空気の流通を遮断する。制御装置30は、減圧調理の際には、開閉弁17を閉状態にする。制御装置30は、閉塞が発生した場合には、開閉弁17を開状態に制御する。また、制御装置30は、閉塞が解消した場合には、開閉弁17を閉状態に制御する。閉塞発生時に開閉弁17が開状態になることにより、空気流通経路と第2内孔部を介して容器5内に空気が流入して、減圧状態であった容器5内は、大気圧状態に復帰する。このとき、減圧装置が動作することによって閉塞が解消すると、第1内孔部を介して容器5内に外気が導かれる。開閉弁17が開状態であるため、容器5内の空気は第2内孔部から流出する。
【0098】
実施の形態3.
以下、実施の形態3に係る加熱調理器100について説明する。なお、実施の形態3では、実施の形態1~実施の形態2における構成要素と同様の構成要素に対し、同一の符号を付すものとする。また、実施の形態3において、実施の形態1~実施の形態2における構成と同様の構成、および、実施の形態1~実施の形態2における機能と同様の機能等については、特段の事情がない限り説明を省略する。
【0099】
図16は、実施の形態3に係る加熱調理器100の構成例を模式的に示す断面模式図である。図17は、実施の形態3に係る加熱調理器100の構成例を示すブロック図である。実施の形態3に係る加熱調理器100の外蓋9は、実施の形態1に示す構成に加え、実施の形態2の第2三方弁11aと第3三方弁11bとを備えるものである。実施の形態3における第2三方弁11aは、実施の形態2と同様に、第1減圧経路14aに設けられている。なお、実施の形態3の第1減圧経路14aは、実施の形態1と同様、第1三方弁11と減圧ポンプ13とを接続する経路である。第3三方弁11bは、実施の形態2と同様に、第2減圧経路14bに設けられている。第2減圧経路14bは、実施の形態1~実施の形態2と同様である。実施の形態3の外蓋9には、実施の形態2と同様に、第1部分復圧経路14cと第2部分復圧経路14dとが設けられている。
【0100】
図18は、実施の形態3における制御装置30の構成例を示すブロック図である。実施の形態3の制御装置30の構成要素は、実施の形態1~実施の形態2と同様である。なお、実施の形態3では、制御装置30の制御対象機器の中に第1三方弁11~第3三方弁11bが含まれる。実施の形態3における制御装置30のハードウェア構成は、実施の形態1~実施の形態2と同様に、図7図8によって例示される。
【0101】
実施の形態3の判定制御部32は、閉塞が発生した場合には、第1三方弁11を第2開状態にするよう弁制御部34に制御信号を送信する。また、判定制御部32は、減圧ポンプ13を停止させるようポンプ制御部35に制御信号を送信する。第1三方弁11が第2開状態になることにより、第1外蓋通気孔15aと第1復圧経路16aと第1三方弁11とを介して、減圧状態の容器5に外気が向かい、当該外気の圧力によって、閉塞状態が変化する。
【0102】
弁制御部34は、判定制御部32からの制御信号に基づいて、予め定められた第1部分時間の間、第1三方弁11を第2開状態にする。第1部分時間は、上述の第1回復時間および第2回復時間のいずれかと等しくともよいし、これらと異なる時間であってもよい。
【0103】
判定制御部32は、第1部分時間の経過後、第1三方弁11を第1開状態、第2三方弁11aを第2開状態、第3三方弁11bを第2開状態、開閉弁17を開状態にするよう、弁制御部34に制御信号を送信する。また、判定制御部32は、減圧ポンプ13に運転を実行させるようポンプ制御部35に制御信号を送信する。これにより、減圧ポンプ13の吸引力によって、カートリッジ20内の空気は、第1外蓋通気孔15aを介して第1部分復圧経路14cに流入する。そして、第1部分復圧経路14cを流通する空気は、第2三方弁11aを介して減圧ポンプ13に流入する。減圧ポンプ13を流出した空気は、第3三方弁11bと第2部分復圧経路14dと第1三方弁11とを介して、第1内蓋通気孔10aに向かう。この空気の圧力により、閉塞の解消が図られる。なお、実施の形態3では、第2復圧経路を、第1外蓋通気孔15aから、第1部分復圧経路14cと第2三方弁11aと減圧ポンプ13と第3三方弁11bと第2部分復圧経路14dと第1三方弁11とを介する、第1内蓋通気孔10aまでの空気の流路を指すものとする。当該第2復圧経路と第1復圧経路16aとを含む経路は、復圧経路の例である。
【0104】
弁制御部34は、判定制御部32からの制御信号に基づく、予め定められた第2部分時間の間、第1三方弁11を第1開状態、第2三方弁11aを第2開状態、第3三方弁11bを第2開状態、開閉弁17を開状態にする。第2部分時間は、第1回復時間、第2回復時間、および第1部分時間のいずれかと等しくともよいし、これらと異なる時間でもよい。第1部分時間と第2部分時間との合計時間は回復時間の例である。
【0105】
以下、実施の形態3に係る加熱調理器100による動作について図19を参照しながら説明する。図19は、実施の形態3に係る加熱調理器100による調理手順を例示するフローチャートである。
【0106】
ステップS501~ステップS504の処理は、ステップS101~ステップS104の処理と同様である。ステップS505において判定制御部32は、開閉弁17を閉状態にし、且つ、第1三方弁11~第3三方弁11bの各々を第1開状態にするための制御信号を弁制御部34に送信する。弁制御部34は、判定制御部32からの制御信号に基づいて、開閉弁17を閉状態し、且つ、第1三方弁11~第3三方弁11bの各々を第1開状態にする。
【0107】
ステップS506~ステップS509の処理は、ステップS106~ステップS109の処理と同様である。
【0108】
次に、図20を参照しながら、閉塞が発生した場合に、実施の形態3に係る加熱調理器100が行う回復処理について説明する。図20は、実施の形態3に係る加熱調理器100による回復処理を含む処理の流れを例示するフローチャートである。なお、図20に示す処理のうち、ステップS601の処理は、ステップS506以降の処理と並行して実行される。
【0109】
ステップS601~ステップS603の処理は、ステップS201~ステップS203の処理と同様である。なお、ステップS602以降の処理は、ステップS506~ステップS508の処理途中における割り込み処理である。ステップS602以降の処理が実行される場合、ステップS506~ステップS508の処理は途中で停止する。加熱制御部33は、ステップS602~ステップS603において、加熱部3への電力の供給を停止するか、当該電力を低減させてもよい。ステップS604において判定制御部32は、ステップS603の処理の実行時からの計測時間が、第1部分時間に達したか否かを判定する。ステップS603の処理の実行時からの計測時間が第1部分時間に達しない間(ステップS604:NO)、加熱調理器100は処理をステップS604に留める。
【0110】
ステップS603において第1三方弁11が第2開状態となることにより、第1内蓋通気孔10aと第2外蓋通気孔15bとが第1復圧経路16aによって連通する。これにより、第2外蓋通気孔15bから第1復圧経路16aに流入した外気が容器5の方向に流通する。第1復圧経路16aを介して容器5へ流通した外気の圧力が、第1内蓋通気孔10aまたは第1経路パッキン12a等に貼り付いた異物の粘着力を上回ると、減圧経路の閉塞が解消される。
【0111】
計測時間が第1部分時間に達した場合には(ステップS604:YES)、ステップS605において弁制御部34は、開閉弁17を開状態にする。ステップS606において弁制御部34は、第1三方弁11を第1開状態にする。ステップS607において弁制御部34は、第2三方弁11aと第3三方弁11bとを第2開状態にする。ステップS608においてポンプ制御部35は、減圧ポンプ13に運転を実行させる。なお、ステップS605~ステップS607の処理の順番は、図20に示すものに限られない。例えば、ステップS605~ステップS607の処理は、逆の順番で実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。
【0112】
ステップS605~ステップS607において、第1三方弁11が第1開状態、第2三方弁11aが第2開状態、第3三方弁11bが第2開状態となることにより、第1内蓋通気孔10aと第1外蓋通気孔15aとが、第1部分復圧経路14cと第2部分復圧経路14dとによって連通する。これにより、第1外蓋通気孔15aから流入した外気が容器5へと流通する。容器5へ流通した外気の圧力が、第1内蓋通気孔10aまたは第1経路パッキン12a等に貼り付いた異物の粘着力を上回ると、減圧経路の閉塞が解消される。
【0113】
ステップS609において判定制御部32は、ステップS605~ステップS608のうちの少なくともいずれかの処理が行われてからの計測時間が第2部分時間以上か否かを判定する。当該計測時間が第2部分時間に達しない間(ステップS609:NO)、加熱調理器100は処理をステップS609に留める。当該計測時間が第2部分時間に達した場合には(ステップS609:YES)、加熱調理器100は処理をステップS610に移す。ステップS610~ステップS611の処理は、ステップS405~ステップS406の処理と同様である。ここで、ステップS602~ステップS603の段階において加熱部3への電力の供給が停止した場合には、ステップS610~ステップS611において加熱制御部33は、加熱部3に電力を再度供給する。ステップS602~ステップS603の段階において加熱部3への電力が低減された場合には、ステップS610~ステップS611において加熱制御部33は、当該電力を低減前の電力に戻す。
【0114】
ステップS612において判定制御部32は、記憶する実行回数に1を加算する。当該実行回数は、ステップS601~ステップS611の処理の実行回数である。ステップS613において判定制御部32は、当該実行回数が規定回数以上か否かを判定する。当該実行回数が規定回数未満である場合には(ステップS613:NO)、加熱調理器100は処理をステップS601に戻す。ステップS613の処理後のステップS601において閉塞が発生していないと判定された場合に、途中まで実行されていたステップS506~ステップS508の処理が再開される。当該実行回数が規定回数以上である場合には(ステップS613:YES)、加熱調理器100は処理をステップS614に移す。ステップS614~ステップS616の処理は、ステップS209~ステップS211の処理と同様である。
【0115】
図20では、加熱調理器100は、ステップS602~ステップS604で、第1復圧経路16aを介して外気の容器5への流通を試みた後、ステップS605~ステップS609で、減圧ポンプ13によって、空気を第2復圧経路を経由させて第1内蓋通気孔10aに流通を試みている。これにより、第1復圧経路16aによる自然復圧により閉塞が解消しなかった場合でも、減圧ポンプ13によって強制的に10aに向かって空気を送り込むことにより、閉塞が解消し得る。なお、加熱調理器100は、減圧ポンプ13によって、空気を第2復圧経路を介して第1内蓋通気孔10aに流通させた後、第1復圧経路16aを介して外気を容器5に流通させてもよい。すなわち、ステップS602~ステップS604の処理は、ステップS605~ステップS611の処理後に行われてもよい。なお、この場合には、ステップS601の段階で第1三方弁11は第1開状態であるため、ステップS606の処理は省略される。また、ステップS601の段階で減圧ポンプ13は動作しているため、ステップS608の処理は省略される。また、ステップS604で計測時間が第1部分時間以上になった場合であって、ステップS612の処理前に、ステップS610~ステップS611の処理に代え、ステップS205~ステップS206の処理が実行される。
【0116】
なお、実施の形態3の加熱調理器100は、図20に示す処理に代え、図10に示す処理と、図15に示す処理のうちのいずれかのみを実行してもよい。
【0117】
以下、実施の形態3に係る加熱調理器100による効果について記載する。実施の形態3に係る加熱調理器100の第2外孔部は、第1の第2外孔部と、第2の第2外孔部とを有する。第1の第2外孔部は、第1外孔部とは別の孔部であり、第2の第2外孔部と第1外孔部とは、1つの孔部である。流路切替弁は、第1三方弁11と第2三方弁11aと第3三方弁11bとを有する。第1三方弁11は、減圧経路において、第1内孔部と減圧装置との間に設けられている。第2三方弁11aは、第1三方弁11と減圧装置とを接続する、減圧経路に含まれる第1減圧経路14aに設けられている。第3三方弁11bは、減圧装置と第1外孔部とを接続する、減圧経路に含まれる第2減圧経路14bに設けられている。復圧経路は、第1の第2外孔部と第1三方弁11とを接続する第1復圧経路16aと、第2復圧経路とを含む。第2復圧経路は、第2三方弁11aと、第2減圧経路14bにおける第3三方弁11bと第1外孔部との間の第1位置P1と、を接続する第1部分復圧経路14cを含む。また、第2復圧経路は、第3三方弁11bと、第1減圧経路14aにおける、第1三方弁11と第2三方弁11aとの間の第2位置P2と、を接続する第2部分復圧経路14dを含む。制御装置30は、減圧調理の際には、第1内孔部と減圧装置とを接続するよう第1三方弁11と第2三方弁11aとを制御して、容器5内の空気を、第1内孔部を介して減圧装置に流通させる。そして、制御装置30は、減圧装置と第1外孔部とを接続するよう第3三方弁11bを制御して、減圧装置から第2減圧経路14bに流出した空気を、第1外孔部を介して外部に流出させる。制御装置30は、閉塞が発生した場合には、回復時間のうちの第1部分時間の間、減圧装置を停止させた状態で、第1内孔部と第1復圧経路16aとを接続するよう第1三方弁11を制御して、第1復圧経路内の空気を、第1内孔部を介して容器5内に流入させる。また、制御装置30は、第1部分時間の経過後の回復時間の残りの時間である第2部分時間の間、減圧装置を動作させた状態で、第1位置P1と減圧装置とを接続するよう第2三方弁11aを制御して、第1外孔部を介して第2減圧経路14bに流入した空気を、第1部分復圧経路14cを介して減圧装置に流入させ、且つ、減圧装置と第2位置P2とを接続するよう第3三方弁11bを制御して、減圧装置から第2減圧経路14bに流入した空気を、第2部分復圧経路14dを介して第2位置P2に流通させ、更に、第2位置P2と第1内孔部とを接続するよう第1三方弁11を制御して、第2位置P2から第1内孔部を介して容器5内に空気を流入させる。
【0118】
上記構成によれば、第1部分時間に亘って、第1の第2外孔部を介して第1復圧経路16aに流入した大気圧と同じ気圧の空気によって、閉塞状態に変化がもたらされる。そして、第1部分時間の経過後の第2部分時間に亘って、減圧装置による吸引力に基づいて、外気が第1内孔部に送られるため、閉塞状態に更なる変化がもたらされる。第1部分時間と第2部分時間の各々において、異なる方法で、第1内孔部に空気が送り込まれるため、閉塞の解消効果が高まる。
【0119】
実施の形態3に係る加熱調理器100は、外部に開口する第3外孔部と、容器5内に開口する第2内孔部と、第3外孔部と第2内孔部とを接続する空気流通経路と、空気流通経路に設けられた開閉弁17とを有する。開閉弁17は、開状態で空気流通経路に空気を流通させ、閉状態で空気流通経路の空気の流通を遮断する。制御装置30は、減圧調理の際には、開閉弁17を閉状態にする。制御装置30は、閉塞が発生した場合であって、減圧装置を動作させている状態のときには、開閉弁17を開状態に制御し、閉塞が解消した場合には、開閉弁17を閉状態に制御する。閉塞発生時に開閉弁17が開状態になることにより、空気流通経路と第2内孔部を介して容器5内に空気が流入して、減圧状態であった容器5内は、大気圧状態に復帰する。このとき、減圧装置が動作することによって閉塞が解消すると、第1内孔部を介して容器5内に外気が導かれる。開閉弁17が開状態であるため、容器5内の空気は第2内孔部から流出する。
【0120】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0121】
(付記1)
被調理物を加熱調理する加熱調理器であって、
前記被調理物を収容するための容器と、
前記容器内と接続する第1内孔部を有し、前記容器を覆う蓋体と、
前記容器を加熱する加熱部と、
前記容器内を減圧する減圧装置と、
前記第1内孔部と前記加熱調理器の外部に開口する第1外孔部とを接続し、前記第1内孔部と前記第1外孔部との間に前記減圧装置が設けられた減圧経路と、
前記第1内孔部と前記加熱調理器の外部に開口する第2外孔部とを接続する復圧経路と、
前記減圧経路と前記復圧経路とに設けられ、前記第1内孔部を流れる空気の流通方向を切り替える流路切替弁と、
前記加熱部、前記減圧装置、および前記流路切替弁を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記減圧装置が動作する調理である減圧調理の際に、前記流路切替弁に前記第1内孔部と前記第1外孔部とを接続させて、前記容器内から前記第1内孔部を介して前記減圧経路に流入した空気を前記第1外孔部から外部へ流出させ、
前記減圧調理の際に、前記減圧経路に閉塞が発生した場合には、予め定められた回復時間の間、前記流路切替弁に前記第1内孔部と前記第2外孔部とを接続させて、前記加熱調理器の外部から前記第2外孔部を介して前記復圧経路に流通した空気を、前記第1内孔部から前記容器内に流通させ、
前記閉塞が解消した場合には、前記流路切替弁に前記第1内孔部と前記第1外孔部とを接続させて、前記減圧装置を動作させて前記減圧経路に空気を流通させる、加熱調理器。
(付記2)
前記制御装置は、
前記閉塞が発生した場合には、加熱を停止するよう前記加熱部を制御し、前記閉塞が解消した場合には、加熱を再開するよう前記加熱部を制御する、付記1に記載の加熱調理器。
(付記3)
前記第1外孔部と前記第2外孔部とは、別個の孔部であり、
前記流路切替弁は、
前記減圧経路において前記第1内孔部と前記減圧装置との間に設けられ、且つ、前記復圧経路において前記第1内孔部と前記第2外孔部との間に設けられた第1三方弁であり、
前記制御装置は、
前記回復時間の間、前記減圧装置を停止させる、付記1または付記2に記載の加熱調理器。
(付記4)
前記減圧経路は、
前記減圧装置と前記第1内孔部とを接続する第1減圧経路と、
前記減圧装置と前記第1外孔部とを接続する第2減圧経路と、
を含み、
前記流路切替弁は、
前記第1減圧経路に設けられた第2三方弁と、
前記第2減圧経路に設けられた第3三方弁と、
を有し、
前記第2外孔部と前記第1外孔部とは、1つの孔部であり、
前記復圧経路は、
前記第2三方弁と、前記第2減圧経路における前記第3三方弁と前記第1外孔部との間の第1位置と、を接続する第1部分復圧経路を含み、且つ、前記第3三方弁と、前記第1減圧経路における、前記第1内孔部と前記第2三方弁との間の第2位置と、を接続する第2部分復圧経路を含み、
前記制御装置は、
前記減圧調理の際に、前記第1内孔部と前記減圧装置とを接続するよう前記第2三方弁を制御して、前記容器内から前記第1減圧経路に流通した空気を前記減圧装置に流入させ、且つ、前記減圧装置と前記第1外孔部とを接続するよう前記第3三方弁を制御して、前記減圧装置から前記第2減圧経路に流出した空気を前記第1外孔部に流通させ、
前記閉塞が発生した場合には、前記減圧装置を動作させた状態で、前記第1位置と前記減圧装置とを接続するよう前記第2三方弁を制御して、前記第1外孔部を介して前記加熱調理器の外部から前記第2減圧経路に流入した空気を、前記第1部分復圧経路を介して前記減圧装置に流入させ、且つ、前記減圧装置と前記第2位置とを接続するよう前記第3三方弁を制御して、前記減圧装置から前記第2減圧経路に流入した空気を、前記第2部分復圧経路および前記第2位置を介して、前記第1内孔部から前記容器内に流入させる、付記1または付記2に記載の加熱調理器。
(付記5)
前記加熱調理器の外部に開口する第3外孔部と、
前記容器内に開口する第2内孔部と、
前記第3外孔部と前記第2内孔部とを接続する空気流通経路と、
前記空気流通経路に設けられ、開状態で前記空気流通経路に空気を流通させ、閉状態で前記空気流通経路の空気の流通を遮断する開閉弁と、
を有し、
前記制御装置は、
前記減圧調理の際には、前記開閉弁を閉状態にし、
前記閉塞が発生した場合には、前記開閉弁を開状態に制御し、
前記閉塞が解消した場合には、前記開閉弁を閉状態に制御する、付記4に記載の加熱調理器。
(付記6)
前記第2外孔部は、第1の第2外孔部と、第2の第2外孔部とを有し、
前記第1の第2外孔部は前記第1外孔部とは別の孔部であり、前記第2の第2外孔部と前記第1外孔部とは、1つの孔部であり、
前記流路切替弁は、
前記減圧経路において、前記第1内孔部と前記減圧装置との間に設けられた第1三方弁と、
前記第1三方弁と前記減圧装置とを接続する、前記減圧経路に含まれる第1減圧経路に設けられた第2三方弁と、
前記減圧装置と前記第1外孔部とを接続する、前記減圧経路に含まれる第2減圧経路に設けられた第3三方弁と、
を有し、
前記復圧経路は、
前記第1の第2外孔部と前記第1三方弁とを接続する第1復圧経路と、
第2復圧経路と、
を含み、
前記第2復圧経路は、
前記第2三方弁と、前記第2減圧経路における前記第3三方弁と前記第1外孔部との間の第1位置と、を接続する第1部分復圧経路を含み、且つ、前記第3三方弁と、前記第1減圧経路における、前記第1三方弁と前記第2三方弁との間の第2位置と、を接続する第2部分復圧経路を含み、
前記制御装置は、
前記減圧調理の際には、
前記第1内孔部と前記減圧装置とを接続するよう前記第1三方弁および前記第2三方弁を制御して、前記容器内からの空気を、前記第1内孔部を介して前記第1減圧経路に流通させ、且つ、前記減圧装置と前記第1外孔部とを接続するよう前記第3三方弁を制御して、前記減圧装置から前記第2減圧経路に流出した空気を、前記第1外孔部を介して前記加熱調理器の外部に流出させ、
前記閉塞が発生した場合には、前記回復時間のうちの第1部分時間の間、前記減圧装置を停止させた状態で、前記第1内孔部と前記第1復圧経路とを接続するよう前記第1三方弁を制御して、前記第1復圧経路内の空気を、前記第1内孔部を介して前記容器内に流入させ、
前記第1部分時間の経過後の前記回復時間の残りの時間である第2部分時間の間、前記減圧装置を動作させた状態で、前記第1位置と前記減圧装置とを接続するよう前記第2三方弁を制御して、前記第1外孔部を介して前記第2減圧経路に流入した空気を、前記第1部分復圧経路を介して前記減圧装置に流入させ、且つ、前記減圧装置と前記第2位置とを接続するよう前記第3三方弁を制御して、前記減圧装置から前記第2減圧経路に流入した空気を、前記第2部分復圧経路を介して前記第2位置に流通させ、更に、前記第2位置と前記第1内孔部とを接続するよう前記第1三方弁を制御して、前記第2位置から前記第1内孔部を介して前記容器内に空気を流入させる、付記1または付記2に記載の加熱調理器。
(付記7)
前記加熱調理器の外部に開口する第3外孔部と、
前記容器内に開口する第2内孔部と、
前記第3外孔部と前記第2内孔部とを接続する空気流通経路と、
前記空気流通経路に設けられ、開状態で前記空気流通経路に空気を流通させ、閉状態で前記空気流通経路の空気の流通を遮断する開閉弁と、
を有し、
前記制御装置は、
前記減圧調理の際には、前記開閉弁を閉状態にし、
前記閉塞が発生した場合であって、前記減圧装置を動作させている状態のときには、前記開閉弁を開状態に制御し、
前記閉塞が解消した場合には、前記開閉弁を閉状態に制御する、付記6に記載の加熱調理器。
(付記8)
調理条件を設定するための入力部を更に備え、
前記制御装置は、
前記閉塞の解消後に再開される調理について設定されている前記調理条件を変更する、付記1~付記7の一つに記載の加熱調理器。
【0122】
以上、実施の形態について説明したが、本開示の内容は、実施の形態に限定されるものではなく、想定しうる均等の範囲を含む。また、実施の形態1~実施の形態3で説明した構成およびその変形例は、機能及び動作を阻害しない範囲で、互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0123】
1 本体、2 容器カバー、2a 保持部、3 加熱部、4 鍋底温度センサ、4a 圧縮バネ、4b 孔部、5 容器、5a フランジ部、6 取っ手部、7 内蓋、8 蓋パッキン、9 外蓋、10a 第1内蓋通気孔、10b 第2内蓋通気孔、11 第1三方弁、11a 第2三方弁、11b 第3三方弁、12a 第1経路パッキン、12b 第2経路パッキン、13 減圧ポンプ、14a 第1減圧経路、14b 第2減圧経路、14c 第1部分復圧経路、14d 第2部分復圧経路、15a 第1外蓋通気孔、15b 第2外蓋通気孔、15c 第3外蓋通気孔、16a 第1復圧経路、16b 第1空気流通経路、17 開閉弁、18 蒸気排出弁、19 蒸気排出口、20 カートリッジ、21 カートリッジパッキン、22 蓋センサ、23 操作表示部、25 蓋体、30 制御装置、31 記憶部、32 判定制御部、33 加熱制御部、34 弁制御部、35 ポンプ制御部、36 タイマ、41 インバータ部、42 センサ群、43 ポンプ温度センサ、44 モータ回転センサ、50 第1バス、51 処理回路、52 第1入出力インターフェース回路、61 筐体、62 モータ、62a 回転軸、63 ダイヤフラム、64 シャフト、65 円板、66 吸気口、66a 第1逆止弁、67 排気口、67a 第2逆止弁、70 第2バス、71 プロセッサ、72 メモリ、73 第2入出力インターフェース回路、100 加熱調理器、P1 第1位置、P2 第2位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20