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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154591
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/02 20060101AFI20241024BHJP
   F24C 15/16 20060101ALI20241024BHJP
   F24C 15/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F24C7/02 551Q
F24C15/16 F
F24C15/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068500
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭彦
【テーマコード(参考)】
3L086
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086BC20
3L086BF07
3L086DA20
3L086DA30
(57)【要約】
【課題】受皿と回転駆動手段との接続状態が解除されにくい加熱調理器を得る。
【解決手段】調理室と、調理室に収容される円盤状の受皿と、受皿を支持し、受皿とともに調理室の底を覆う受皿保持部材と、受皿保持部材に支持された受皿を回転させる回転駆動手段と、回転駆動手段と受皿とを接続する接続状態と、回転駆動手段と受皿とを接続しない非接続状態とを有し、接続状態にあるときに、回転駆動手段の回転力を受皿に伝達する接続構造と、受皿の水平方向の移動を規制する移動規制構造とを備え、接続構造は、非接続状態にあるときに、受皿を支持した状態の受皿保持部材が調理室内を水平方向にスライド移動することで、接続状態になり、接続構造が接続状態になると、移動規制構造によって受皿の水平方向の移動が規制される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理室と、
前記調理室に収容される円盤状の受皿と、
前記受皿を支持し、前記受皿とともに前記調理室の底を覆う受皿保持部材と、
前記受皿保持部材に支持された前記受皿を回転させる回転駆動手段と、
前記回転駆動手段と前記受皿とを接続する接続状態と、前記回転駆動手段と前記受皿とを接続しない非接続状態とを有し、前記接続状態にあるときに、前記回転駆動手段の回転力を前記受皿に伝達する接続構造と、
前記受皿の水平方向の移動を規制する移動規制構造とを備え、
前記接続構造は、前記非接続状態にあるときに、前記受皿を支持した状態の前記受皿保持部材が前記調理室内を水平方向にスライド移動することで、前記接続状態になり、
前記接続構造が前記接続状態になると、前記移動規制構造によって前記受皿の水平方向の移動が規制される
加熱調理器。
【請求項2】
電波を発生させる高周波発生器と、
前記高周波発生器から放射された電磁波を前記調理室に導く導波管とを備え、
前記調理室の側壁及び前記導波管には、前記導波管の電磁波を前記調理室に伝搬させる照射口が設けられており、
上下方向において、前記照射口の上端は、前記受皿よりも上に配置され、前記照射口の下端は、前記受皿と前記調理室の前記底との間に配置されている
請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記導波管は、前記照射口が設けられた前記調理室の前記側壁に沿って上下方向に延びており、
前記高周波発生器は、前記照射口よりも上で前記導波管と接続されており、
前記導波管は、前記照射口と対向する壁面である対向壁面を有し、
前記対向壁面の少なくとも一部は、上から下に向かって前記照射口との距離が近くなるように傾斜した傾斜面又は傾斜曲面である
請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記調理室の前記底と、前記受皿の下面との間の高さ範囲において、前記照射口と前記受皿の中心との間には、構造物が設けられていない空間がある
請求項2又は請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記受皿保持部材は、前記受皿が挿入される開口又は凹部である受皿嵌合部を有し、
前記受皿の外周には、径方向外側に向かって延びる庇部が設けられており、
前記受皿が前記受皿嵌合部に挿入された状態において、前記庇部が前記受皿嵌合部の縁の上を覆う
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記受皿保持部材は、前記受皿嵌合部の周囲に、凹状の貯留部を備える
請求項5に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記調理室の対向する内面には、前記受皿保持部材の端部を支持する一対の桟が設けられており、
前記桟には、前記調理室の前記底との間の上下方向の隙間を閉塞する閉塞壁が設けられている
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記回転駆動手段は、前記調理室の前記底に設けられた回転軸を備え、
前記回転軸の軸線に沿った外周面には、互いに平行な一対の平面が形成されており、
前記接続構造は、
前記回転軸と、
前記受皿の下面に設けられ、前記回転軸の直径よりも小さくかつ前記一対の平面同士の距離よりも大きい長さの開口を有し、前記開口から挿入された前記回転軸を収容する係合部とを備えた
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記受皿の下面に設けられ、前記開口と前記受皿の外周部とを接続する平面形状が曲線状のガイド壁を備えた
請求項8に記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記移動規制構造は、
前記ガイド壁の前記開口側の端部に設けられ、前記ガイド壁から突出し、弾性によって突出状態が変化する係止部を備えた
請求項9に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記回転駆動手段は、前記調理室の前記底に設けられた回転軸を備え、
前記接続構造は、
前記回転軸と接続され、弾性体によって上へ付勢されて上下に移動可能な受皿係合部と、
前記受皿の下面に設けられ、前記受皿係合部が嵌合する凹状の係合部とを備え、
前記接続構造が前記非接続状態にあるときに、前記受皿を支持した状態の前記受皿保持部材が前記調理室内を水平方向にスライド移動することで、前記受皿の下面によって上から押された前記受皿係合部が下へ移動し、前記受皿係合部が前記係合部の下に位置すると、前記受皿係合部が上へ移動して前記係合部に嵌合する
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記受皿係合部は、前記受皿係合部が下へ移動した状態で回転可能に構成されており、
前記受皿係合部は、平面形状が前記回転軸を中心とした弧状の曲面壁と、前記曲面壁の両端から前記回転軸側に向かって延びる平らな壁とを有し、
前記係合部は、前記受皿係合部の前記曲面壁及び前記平らな壁のそれぞれと同形状の壁を有しており、
前記受皿の下面によって上から押されて下へ移動した前記受皿係合部の上に、前記係合部が位置すると、前記受皿係合部が回転し、前記受皿係合部及び前記係合部それぞれの前記平らな壁の周方向における位置が一致すると、前記受皿係合部が上へ移動して前記係合部に嵌合する
請求項11に記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記回転駆動手段は、前記調理室の前記底に設けられた回転軸を備え、
前記接続構造は、
前記受皿の下面に設けられ、前記受皿の回転中心と同心円状の溝部と、
前記溝部の中を移動するローラーと、
前記回転軸の回転を前記ローラーに伝達する回転伝達部とを備えた
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記移動規制構造は、
前記調理室の対向する内面に設けられ、上面に凹部を有し、前記受皿保持部材を支持する一対の桟と、
前記受皿保持部材の下面に設けられ、下に突出した凸部とを備え、
前記受皿を支持した状態の前記受皿保持部材の前記凸部が、前記桟の前記上面のうち前記凹部を除く領域に載せられた状態では、前記受皿の下面は、前記ローラーと干渉しない高さ位置にあり、
前記受皿を支持した状態の前記受皿保持部材の前記凸部が、前記桟の前記凹部に挿入された状態では、前記ローラーが前記溝部に挿入されて前記接続構造が前記接続状態になるとともに、前記受皿の水平方向の移動が規制される
請求項13に記載の加熱調理器。
【請求項15】
前記桟の前記凹部は、前記受皿保持部材が前記調理室内に入る際のスライド移動の方向に沿って下降する傾斜面を有する
請求項14に記載の加熱調理器。
【請求項16】
前記回転伝達部は、かさ歯車又はタイミングベルトを有する
請求項13に記載の加熱調理器。
【請求項17】
前記受皿保持部材は、
前記受皿が挿入される開口又は凹部である受皿嵌合部を有し、
前記受皿嵌合部に前記受皿が挿入された状態で前記受皿の側面と対向する位置には、水平方向に回転自在で、前記受皿の側面と接する受皿支持部が設けられている
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転する受皿を備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱調理器本体から引出し可能な箱状の引出し体と、引出し体の底に回転自在に支持された回転テーブルと、モーターと、引出し体の底と加熱調理器の底との間に配置されてモーターの回転を回転テーブルに伝達する動力伝達構造とを備えた加熱調理器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の加熱調理器の動力伝達構造は、扉の開閉に伴う引出し体の出没に連動して、回転テーブルとモーターとが着脱可能であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-127561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の加熱調理器は、開閉扉に対して箱状の引出し体が取り付けられており、開閉扉を閉じると引出し体が加熱調理器本体内に押し込まれて、引出し体の歯車と加熱調理器本体の歯車とが噛み合う。ところが、開閉扉と引出し体とを一体とすると、被加熱物も含めた重量が大きくなるため、開閉扉とは別に引出し体を加熱調理器本体に対して出し入れしたいという要望がある。特許文献1において開閉扉と引出し体とが別体となった場合、例えば振動等によって引出し体の歯車と加熱調理器本体の歯車とが噛み合った状態が解除されるおそれがあり、そうすると回転テーブルを回転させることができない。
【0005】
本開示は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、受皿と回転駆動手段との接続状態が解除されにくい加熱調理器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る加熱調理器は、調理室と、前記調理室に収容される円盤状の受皿と、前記受皿を支持し、前記受皿とともに前記調理室の底を覆う受皿保持部材と、前記受皿保持部材に支持された前記受皿を回転させる回転駆動手段と、前記回転駆動手段と前記受皿とを接続する接続状態と、前記回転駆動手段と前記受皿とを接続しない非接続状態とを有し、前記接続状態にあるときに、前記回転駆動手段の回転力を前記受皿に伝達する接続構造と、前記受皿の水平方向の移動を規制する移動規制構造とを備え、前記接続構造は、前記非接続状態にあるときに、前記受皿を支持した状態の前記受皿保持部材が前記調理室内を水平方向にスライド移動することで、前記接続状態になり、前記接続構造が前記接続状態になると、前記移動規制構造によって前記受皿の水平方向の移動が規制されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、回転駆動手段と受皿とを接続する接続構造が接続状態にあるときに、移動規制構造によって受皿の水平方向の移動が規制されるので、受皿と回転駆動手段との接続状態が解除されにくい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る加熱調理器の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る加熱調理器の扉が取り外された状態の斜視図である。
図3】実施の形態1に係る加熱調理器の内部構造を示す斜視図である。
図4】実施の形態1に係る加熱調理器の内部構造を示す斜視図である。
図5】実施の形態1に係る加熱調理器の内部構造を示す、受皿及び受皿保持部材が調理室から取り外された状態の斜視図である。
図6】実施の形態1に係る受皿保持部材及び受皿の分解斜視図である。
図7】実施の形態1に係る加熱調理器の縦断面模式図である。
図8】実施の形態1に係る加熱調理器の横断面模式図である。
図9】実施の形態1に係る加熱調理器の受皿支持部近傍の縦断面模式図である。
図10】実施の形態1に係る加熱調理器の回転軸及び係合部を説明する横断面模式図である。
図11】実施の形態2に係る加熱調理器の内部構造を示す、受皿及び受皿保持部材が調理室から取り外された状態の斜視図である。
図12】実施の形態2に係る受皿保持部材及び受皿の分解斜視図である。
図13】実施の形態2に係る回転駆動手段の斜視図である。
図14】実施の形態2に係る回転駆動手段の分解斜視図である。
図15】実施の形態2に係る加熱調理器の縦断面模式図である。
図16】実施の形態2に係る加熱調理器の横断面模式図である。
図17】実施の形態2に係る受皿及び受皿保持部材の調理室への設置動作を説明する図である。
図18】実施の形態3に係る加熱調理器の内部構造を示す、受皿及び受皿保持部材が調理室から取り外された状態の斜視図である。
図19】実施の形態3に係る加熱調理器の一部の構成の、下方からの斜視図である。
図20】実施の形態3に係る受皿保持部材及び受皿の分解斜視図である。
図21】実施の形態3に係る加熱調理器の横断面模式図である。
図22】実施の形態3に係る加熱調理器の縦断面模式図である。
図23】実施の形態3に係る加熱調理器の縦断面模式図である。
図24】実施の形態3に係る受皿及び受皿保持部材の調理室への設置動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る加熱調理器の実施の形態を、図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施の形態及び図面に示された態様に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、以下の各実施の形態に示す構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含むものである。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これらは説明のためのものであって、本開示を限定するものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の斜視図である。加熱調理器100は、外郭筐体1と、外郭筐体1の前側に設けられた扉2とを備える。
【0011】
扉2は、取っ手と、扉2の中央部分に設けられた窓とを備える。扉2の内面には、図示しない電磁波遮蔽手段が設けられる。電磁波遮蔽手段は、例えば、扉2の内面の縁に沿って環状に配置された電磁波吸収材料である。電磁波吸収材料に代えて、あるいはこれに加えて、電磁波遮蔽手段として、扉2の外周部にチョーク構造が設けられていてもよい。扉2の窓は、ガラス等の光透過性を有する板と、その内側に設けられたパンチングメタルとで構成されており、ユーザが加熱調理器100の内部を視認可能に構成されている。
【0012】
加熱調理器100の前面には、表示部3と操作部4とが設けられている。表示部3は、加熱調理器100の加熱メニュー又は加熱条件等の設定に関する情報、及び加熱調理器100の動作状態等を表示する。表示部3は、例えば液晶ディスプレイ又はランプ等で構成される。操作部4は、加熱温度又は加熱時間等の加熱条件、及び加熱開始又は停止等の動作指示に関する入力を受け付ける入力装置である。操作部4は、ハードウェアボタン又はタッチパネル等で構成される。なお、図1では、扉2に表示部3及び操作部4が設置された例を示すが、表示部3及び操作部4の配置は図示のものに限定されない。表示部3及び操作部4は、外郭筐体1の前面又は上面等に設けられていてもよい。
【0013】
さらに本実施の形態の加熱調理器100は、コードリーダー5を備える。コードリーダー5は、バーコード又はQRコード(登録商標)等の二次元コードを読み取る装置である。コードリーダー5は、二次元コードに光を照射する光源と、反射光を受光する受光素子とを備え、受光素子が受光した反射光によって情報を読み取る。コードリーダー5は、図1の例では、加熱調理器100の前面に設けられているが、コードリーダー5の位置は図示のものに限定されない。
【0014】
外郭筐体1の側面には、筐体第1吸気口6及び筐体第2吸気口7が設けられている。筐体第1吸気口6及び筐体第2吸気口7は、外郭筐体1の内外を連通させる開口である。筐体第1吸気口6及び筐体第2吸気口7は、後述するように、外郭筐体1内の部品を冷却する空気の外郭筐体1への入口である。筐体第1吸気口6及び筐体第2吸気口7は、それぞれ、複数の開口を備えている。
【0015】
外郭筐体1の後部の上面には、筐体排気口8が設けられている。筐体排気口8は、外郭筐体1内に形成された調理室10内の空気の、外郭筐体1からの出口である。筐体排気口8は、複数の開口を備えている。
【0016】
図2は、実施の形態1に係る加熱調理器100の扉2が取り外された状態の斜視図である。加熱調理器100の内部には、調理室10が形成されている。調理室10内には、棚板16と、受皿保持部材30と、受皿保持部材30に支持された円盤状の受皿40とが配置されている。
【0017】
棚板16は、調理室10内を上下に仕切る板であり、調理室10の前面の開口から出し入れ可能に構成されている。棚板16の上には、食材である被加熱物が載置される。棚板16を設けることで、受皿40に載置される被加熱物とその他の被加熱物とを同時に加熱調理することができる。なお、図2では1枚の棚板16を例示しているが、棚板16を2枚以上として、調理室10内を3段以上に仕切ってもよい。
【0018】
受皿40は、受皿保持部材30に支持され、受皿保持部材30とともに調理室10の前面の開口から対して出し入れされる。受皿40は、後述するように受皿保持部材30に支持された状態で、回転可能に構成されている。なお、受皿保持部材30の平面寸法と、棚板16の平面寸法とは同じにするとよい。このようにすることで、調理室10において受皿40を回転させない調理が行われる場合には、受皿40及び受皿保持部材30に代えて、棚板16を設置することもできる。
【0019】
図3は、実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を示す斜視図である。図3では、受皿40に載置された調理容器200及び調理容器200に収容された被加熱物201を併せて図示している。また、図3では、図2に示された棚板16が取り外されている。
【0020】
調理室10の後ろには、調理室排気ダクト17が設けられている。調理室排気ダクト17は、調理室10内から流出した空気の流路を内部に有する。調理室排気ダクト17は、調理室10の天井11から上に延びており、調理室排気ダクト17の上端に設けられた排気口は、筐体排気口8(図1及び図2参照)に接続される。調理室10内で生じた蒸気及び煙は、調理室排気ダクト17を介して、加熱調理器100の外部に排出される。これにより、調理室10内の食品が煙で燻されることを軽減して、調理の仕上がりを良好としている。
【0021】
調理室10の右側壁14の右側には、高周波加熱手段を構成する高周波発生器50と、導波管51とが配置されている。高周波加熱手段は、高周波の電磁波により被加熱物を加熱する。なお、以下の説明において、高周波の電磁波を、単に高周波と称する場合がある。
【0022】
高周波発生器50は、高周波を発生させる装置である。ここで、高周波発生器50が発生させる電磁波の周波数帯は、マイクロ波を含む高周波であるものとする。高周波発生器50は、発振器として、半導体式発信器又はマグネトロンを有している。半導体式発信器は、例えばGaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップ半導体又はLDMOS(Laterally Diffused MOS)を有し、2.45GH程度の周波数のマイクロ波を発生させる。マグネトロンから発生する電磁波の周波数は、2.45±0.2GH程度の範囲に分布するが、半導体式発信器から発生する電磁波の周波数は、2.45GHに対してほとんど揺らぎのない安定した周波数である。また、半導体式発信器は、周波数を可変制御できる点において、マグネトロンと異なる。高周波発生器50に半導体式発信器を採用することで、発生する電磁波の位相を精密に制御することができる。このため、電磁波が照射される食品の温度制御を精密に行うことができる。なお、これ以降の説明では、高周波発生器50がマグネトロンである場合を例として、説明する。
【0023】
導波管51は、調理室10の右側壁14の外側に上下方向に沿って延びる部分を有し、高周波発生器50から放射された電磁波を調理室10に伝搬させる。導波管51は、いわゆるTE10モードで電磁波を伝送する方形導波管である。高周波発生器50から導波管51内に放射された高周波は、上から下へ向かって進み、調理室10内に照射される。
【0024】
調理室10の右側には、回路基板20が設けられている。回路基板20は、高周波発生器50を駆動する整流回路、インバータ回路及び電源回路、並びにこれらを制御するCPUを含む制御回路等が実装された基板である。
【0025】
調理室10の右側かつ高周波発生器50及び回路基板20の前側には、第1送風機21及び第2送風機22が設けられている。第1送風機21は、吸気面が、筐体第1吸気口6(図1参照)と対向するように配置され、筐体第1吸気口6から吸い込んだ空気を、高周波発生器50を冷却する冷却風として送出する。第1送風機21と高周波発生器50との間には、風路が形成されている。第2送風機22は、吸気面が、筐体第2吸気口7(図1参照)と対向するように配置され、筐体第2吸気口7から吸い込んだ空気を、回路基板20を冷却する冷却風として送出する。第2送風機22と回路基板20との間には、風路が形成されている。回路基板20及び高周波発生器50を冷却した冷却風は、外郭筐体1の背面に設けられた図示しない排気口から排気される。
【0026】
調理室10内の被加熱物を加熱する加熱手段として、高周波加熱手段に加えて、あるいはこれに代えて、電気ヒーターを備えていてもよい。電気ヒーターは、例えばマイカヒーター等の抵抗発熱体を有する薄膜ヒーターが積層されたものであり、調理室10の天井11、底12(図5参照)、左側壁13及び右側壁14の一つ以上に設けられる。調理室10の壁面を加熱することで、調理室10内の温度を上昇させて、オーブン調理が可能となる。
【0027】
調理室10には、棚板16(図2参照)を支持する上桟18が設けられている。図3では左側壁13に設けられた上桟18のみが図示されているが、右側壁14にも上桟18が設けられる(図4参照)。左右で一対の上桟18は、調理室10内を前後方向に沿って延びている。上桟18の上面に棚板16が載置される。なお、上桟18に、上桟18の軸方向に沿って延びる溝を設け、この溝に棚板16が挿入されてもよい。
【0028】
図4は、実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を示す斜視図である。右側壁14には、照射口52と、照射口52を覆う照射口カバー53が設けられている。導波管51(図3参照)にも、図4に示す照射口52と同形状の照射口が同位置に設けられている。照射口52は、導波管51を伝搬する電磁波を調理室10に伝搬させる開口である。
【0029】
照射口カバー53は、電磁波が透過する材料であって電磁波の吸収が少ない材料、例えばマイカ又はセラミック等で形成されている。照射口カバー53で照射口52を覆うことで、被加熱物の加熱に伴って飛散した汁若しくは油又は蒸気等が、導波管51に侵入することによる、導波管51内の汚れ及び電気絶縁性の低下を軽減することができる。また、照射口カバー53は、右側壁14の内面との間に凹凸を生じさせないようにして設けられているのが好ましく、このようにすることで被加熱物の加熱に伴って飛散した汁又は油等の除去が容易になる。
【0030】
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を示す、受皿40及び受皿保持部材30が調理室10から取り外された状態の斜視図である。調理室10の対向する内面である左側壁13及び右側壁14には、受皿保持部材30の端部を支持する一対の桟19が設けられている。桟19は、調理室10内を前後方向に沿って延びている。桟19の上面に、受皿保持部材30が載置される。なお、桟19に、桟19の軸方向に沿って延びる溝を設け、この溝に受皿保持部材30が挿入されてもよい。桟19には、桟19と調理室10の底12との間の上下方向の隙間を閉塞する閉塞壁191が設けられている。閉塞壁191は、前後方向に延びる上下の壁である。
【0031】
照射口52の下端は、受皿40の上面であって被加熱物が載置される載置面41と、調理室10の底12との間に配置される。図5の例では、底12と右側壁14とが成す角に桟19が配置され、桟19の上面の上下方向の位置が、照射口52の下端の上下方向の位置と一致している。このため、照射口52の下端と底12との間の高低差は少ない。照射口52の下端と調理室10の底12との間の高低差を小さくすることで、照射口52からの電磁波は、平坦な底12をスムーズに進行することができる。これにより、受皿40の中心へ電磁波が到達しやすくなり、受皿40の中心部まで電界強度の高い領域を形成することができる。
【0032】
調理室10の底12の下には、受皿40を回転させる回転駆動手段60を構成する回転軸61と、電動機62とが設けられている。回転軸61は、上下方向に延びており、底12の上に先端が突出している。底12の上に突出した回転軸61は、後述するように受皿40に係合され、受皿40を水平方向に回転させる。電動機62は、ステッピングモーター等であり、回転軸61を回転させる。電動機62は、回路基板20に実装された制御回路によって動作が制御される。電動機62は、回転位置を検知する回転位置検知手段が内蔵されており、回転位置検知手段の回転位置情報は制御回路に伝送されて、受皿40の回転角度及び回転速度等の制御、並びに高周波発生器50の制御に使用される。
【0033】
受皿40は、受皿保持部材30に対して着脱可能である。受皿40には、受皿保持部材30に設置する際の受皿40の周方向の位置を示す目印411が設けられているとよい。目印411は、受皿40への刻印、印刷、又は受皿40のエンボス加工等によって設けられる。
【0034】
図6は、実施の形態1に係る受皿保持部材30及び受皿40の分解斜視図である。図6において、受皿保持部材30は、上から見た斜視図であり、受皿40は、下から見た斜視図である。図7は、実施の形態1に係る加熱調理器100の縦断面模式図である。図7は、加熱調理器100の前後方向に沿った縦断面を示している。
【0035】
受皿40の下面42には、係合部43と、ガイド壁47とが設けられている。また、受皿40の外周部には、径方向外側に向かって突出する庇部48が設けられている。係合部43は、回転軸61の先端が挿入される凹部を有し、凹部に挿入された回転軸61は係合部43の凹部を構成する壁と係合する。係合部43は、受皿40の下面42の中心に設けられている。
【0036】
ガイド壁47は、係合部43と受皿40の外周部とを接続する、平面形状が曲線状の上下方向に延びる壁である。本実施の形態では、平面形状が弧状の2つのガイド壁47が設けられている。2つのガイド壁47は、凸面同士が対向するようにして配置されている。受皿40の下面42の、2つのガイド壁47に挟まれた領域のうち、狭い方の領域をガイド領域421と称する。ガイド領域421の表面は、下面42の他の部分よりも上に位置している。すなわち、下面42は、ガイド領域421において上へ凹んでおり、図7に示すようにガイド領域421は下面42の他の部分よりも高い位置にある。
【0037】
受皿保持部材30は、保持体31と、受皿嵌合部32と、受皿支持部33と、貯留部34とを有する。保持体31は、概ね板状の部材である。
【0038】
受皿嵌合部32は、保持体31に形成され、受皿40が挿入される平面形状が円形の凹部であり、本実施の形態ではこの凹部の底がすべて開口している。
【0039】
受皿支持部33は、受皿嵌合部32を形成する側壁に設けられ、受皿40を回転自在に支持する。受皿支持部33は、受皿嵌合部32の周方向に沿って複数設けられている。受皿支持部33の構造は後述する。
【0040】
貯留部34は、受皿嵌合部32の周囲に設けられ、保持体31の外周の壁よりも低い位置にある凹部である。貯留部34は、受皿40が受皿保持部材30に支持されたときに、庇部48の外周側に位置する。本実施の形態では、平面形状が矩形の保持体31の四隅であって、受皿嵌合部32の外側にある領域に、貯留部34が設けられている。凹状の貯留部34を設けることで、被加熱物から飛散した破片及びたれ又は肉汁等の液体である飛散物を、貯留部34にて受けることができる。これにより、飛散物によって調理室10の底12の汚れを抑制することができる。また、受皿40に対してその周囲にある貯留部34が凹んでいるので、受皿40の周囲を持って受皿保持部材30に受皿40を着脱する際の操作性を向上させることができる。
【0041】
調理室10の底12の下には、外郭筐体1の底板との間に空間があり、この空間に回転駆動手段60が設けられる。回転駆動手段60は、回転軸61の先端が底12に設けられた穴から上へ突出するようにして設置される。
【0042】
図8は、実施の形態1に係る加熱調理器100の横断面模式図である。図8は、回転軸61を通る水平断面を下から見た状態を示している。受皿支持部33は、受皿40の外周に沿って周方向に等間隔に4つ設けられている。受皿支持部33は、3つ以上であればよい。また、受皿支持部33は、調理室10の左側壁13、右側壁14及び後壁15の各々と、受皿40の中心との距離が最短となる線上、すなわち受皿40の中心と各壁とを垂直に結ぶ線上を外した位置に、設けられるとよい。このようにすることで、調理室10内により大きな外径の受皿40を配置できるので、被加熱物の載置領域も大きくなってユーザの使い勝手が向上する。
【0043】
図9は、実施の形態1に係る加熱調理器100の受皿支持部33近傍の縦断面模式図である。受皿支持部33は、水平方向に回転可能な部材であり、図9の例では上下に突出した軸部331によって受皿保持部材30に軸支されている。受皿支持部33は、受皿40の側面と接触し、回転軸61によって回転する受皿40を水平方向に支持する。受皿支持部33は、図9に示すように、曲面で受皿40と接触するのがよい。このようにすることで、受皿支持部33と受皿40との間の転がり抵抗が軽減されるので、回転軸61を回転させる電動機62の負荷を軽減できる。
【0044】
受皿40に設けられた庇部48は、受皿保持部材30の上面に設けられた凹状の貯留部34の縁の上側に配置されている。詳しくは、貯留部34の縁、すなわち受皿嵌合部32の縁は、上に凸となった壁であり、この壁の上を庇部48が覆っている。このため、受皿嵌合部32に収容された受皿40と受皿保持部材30との間の径方向の隙間は、庇部48によって上から覆われる。したがって、受皿40の外周を伝い落ちる液体等が、受皿40と受皿保持部材30との隙間に入り込むことが抑制される。液体等が受皿40の外周面を伝って受皿40の下面42に入り込みにくいので、受皿40の下にある回転軸61への液体の付着も抑制され、回転軸61は安定した抵抗の少ない回転を保つことができる。
【0045】
図10は、実施の形態1に係る加熱調理器100の回転軸61及び係合部43を説明する横断面模式図である。図10は、回転軸61を通る水平断面を示している。回転軸61は、回転軸61の軸線に沿った外周面に、互いに平行な一対の平面が形成されている。言い換えると、回転軸61は、円柱の対向する側面が平行にカットされた形状である。図10の例では、回転軸61の紙面左右両側の面が、互いに平行な一対の平面となっている。係合部43の平面形状は、回転軸61の断面形状と同様に、円の対向する両端が平行にカットされた形状であって、かつガイド領域421に対して開かれた開口44を有する。係合部43のうち、外周面が曲面の部分を曲面部45と称し、互いに平行な一対の面を平面部46と称する。開口44の紙面左右両端に一対の平面部46があり、平面部46同士が曲面部45によって接続されている。回転軸61と係合部43とが周方向に平面を有し、回転軸61が係合部43に嵌合することにより、回転軸61と受皿40とが一体化され、回転軸61の回転によって受皿40も回転する。
【0046】
ガイド壁47の開口44側の端部には、一対のガイド壁47が対向する方向へ突出した係止部49が設けられている。係止部49は、係合部43に挿入された回転軸61の抜け止めとして機能する構造である。係止部49は、弾性によって突出状態が変化する。回転軸61は、ガイド壁47側から係合部43側(図10では紙面下側から上側)に向かって挿入されるが、回転軸61が係合部43を押圧して係止部49を弾性変形させ、これによって係止部49の突出量が小さくなり、回転軸61が係止部49を乗り越えて係合部43に入る。回転軸61が係合部43に入ると、係止部49への押圧が解除されることによって、係止部49が元の状態に復帰し、回転軸61が係合部43から抜けることを防ぐ。
【0047】
受皿40がポリプロピレン等の弾性を有する耐熱樹脂で構成されている場合は、樹脂の弾性により係止部49を受皿40に一体で形成可能である。受皿40がセラミック等の弾性のない硬質の材料で構成されている場合は、弾性を有する材料で構成された係止部49が受皿40に取り付けられていてもよい。この場合、係止部49の材料は、フッ素若しくはポリプロピレン等の樹脂、フッ素ゴム又はシリコンゴム等のマイクロ波で発熱しにくく耐熱性と弾性を備えたものを採用しうる。係止部49は、棒状又は筒状の部材であって、断面形状が円、楕円、長円、∞、瓢箪形等の部材を、受皿40の下面42に設けた同断面の穴部に取り付けることで実現されうる。
【0048】
調理室10内への受皿保持部材30及び受皿40の着脱時の動作、受皿40の回転動作、加熱動作、並びに本実施の形態の作用効果を説明する。
【0049】
図6に示すように、受皿保持部材30と受皿40とが分離された状態において、ユーザは、受皿40を受皿保持部材30の受皿嵌合部32に挿入する。次いで、扉2が開かれた状態で、図5に示すように受皿40と一体化された受皿保持部材30の端部が、桟19に係止される。ここで、受皿40には、受皿保持部材30に設置する際の受皿40の周方向の位置を示す目印411が設けられている。この目印411は、ガイド領域421が調理室10の奥側に位置するように、ユーザに受皿40の配置を促すためのものである。この目印411を調理室10の手前側に位置させることをユーザに促す表示が、受皿40又は受皿保持部材30に設けられていてもよいし、表示部3にて表示されてもよい。
【0050】
なお、制御回路(図示せず)は、調理室10内に受皿40が収容されていないと判定された場合には、回転軸61の曲面状の外周面(図10参照)が調理室10の奥側になるように、電動機62を制御して回転軸61の回転位置を調整してもよい。調理室10内の受皿40の有無は、電動機62の負荷電流、又は図示しない調理室10内の被加熱物を検知する被加熱物検知手段の検知結果に基づいて判定される。被加熱物検知手段は、例えば、温度センサ、光センサ、重量センサ、又はカメラ等の、被加熱物の有無を検知する装置である。また、受皿40の着脱を指示する操作を操作部4にて受け付け、着脱が指示されると回転軸61を上述の回転位置に調節してもよい。また、回転軸61の回転位置の指示を操作部4にて受け付け、ユーザにより指示された回転位置になるように回転軸61を回転させてもよい。
【0051】
次いで、ガイド領域421が調理室10の奥側に位置している状態の受皿40及び受皿保持部材30が、桟19の上面に載置され、調理室10の奥へ向かってスライド移動される。調理室10の奥側に位置するようにして配置されたガイド領域421から調理室10内に挿入され、受皿保持部材30のスライド移動に伴って、回転軸61の上をガイド領域421が通過する。ガイド領域421は、下面42の他の領域よりも高い位置にあるため、回転軸61は受皿40と衝突せず、受皿40のスムーズな移動が実現される。
【0052】
また、受皿保持部材30の受皿嵌合部32の底は、上下に貫通する開口であるので、受皿保持部材30もまた回転軸61と干渉せず、スライド移動の妨げとなることはない。なお、本実施の形態では、受皿嵌合部32の底がすべて開口した例を示すが、受皿嵌合部32の底がすべて開口していなくてもよく、少なくともガイド領域421に相当する領域が開口していればよい。受皿嵌合部32の底の開口領域を小さくすることで、調理室10の底12が受皿保持部材30によって覆われる領域を増やすことができるので、底12への汚れの付着をより抑制することができる。
【0053】
そして、回転軸61に係止部49が当接すると、係止部49が回転軸61によって押されて弾性変形し、係止部49を乗り越えた回転軸61が係合部43に係止され、図10に示す状態となる。回転軸61が係合部43に係止されると、受皿保持部材30は、調理室10の後壁15に接した状態になる。このとき、上面視において、調理室10の底12の全体が、受皿40及び受皿保持部材30によって覆われた状態となる。このため、加熱調理中に被加熱物から生じた飛散物は、受皿40又は受皿保持部材30によって受け止められ、底12に到達しにくい。したがって、調理室10の底12の汚れを抑制することができる。
【0054】
ここで、本実施の形態では、図6図8及び図10に示すように、受皿40の下面42には、係合部43の開口44と受皿40の外周部とを接続する平面形状が曲線状のガイド壁47が設けられている。また、本実施の形態では、受皿40は、受皿支持部33によって周方向に回転可能に支持されている。このため、受皿保持部材30がスライド移動する際に受皿40の目印411の位置がずれていたとしても、ガイド壁47に接触した回転軸61に案内されて、受皿40は回転し、係合部43が回転軸61と対向する。このように、調理室10内に受皿40をスライド移動させる際に、受皿40の目印411の位置のずれが修正されるので、受皿40を調理室10内に挿入する際のユーザの利便性を向上させることができる。
【0055】
回転軸61が係合部43に係止された状態で、受皿40に被加熱物が載置されるとともに、操作部4に対して加熱条件及び加熱開始の指示が入力されると、被加熱物の加熱が開始される。被加熱物を高周波加熱する場合には、高周波発生器50が連続的又は断続的に高周波を放射し、放射された高周波は導波管51を伝搬して照射口52から調理室10に伝搬される。これにより、調理室10内の被加熱物が高周波加熱される。高周波加熱の際には、電動機62によって回転軸61が回転され、回転軸61と接続された受皿40も回転される。受皿40が回転することで、受皿40の上に載置された被加熱物と照射口52との位置関係が変動し、これによって被加熱物の加熱ムラが軽減される。
【0056】
回転軸61が受皿40の中心にある係合部43と直接接続されているので、受皿40を360度以上回転させることができる。したがって、受皿40を360度未満の範囲で揺動させる特許文献1の加熱調理器と比較して、受皿40に載置された被加熱物の加熱ムラをより抑制することができる。また、本実施の形態では、回転軸61と受皿40とが直接的に接続されているので、特許文献1に開示された複数の歯車を組み合わせる構造と比べて、受皿40を回転させる回転駆動手段60の構造がシンプルであるので、加熱調理器100の製造コストを低減できる。
【0057】
また、図4及び図5に示すように、上下方向において、照射口52の上端は、受皿40よりも上に配置され、照射口52の下端は、受皿40と調理室10の底12との間に配置されている。照射口52の下端が受皿40と調理室10の底12との間に配置されていることにより、導波管51を伝搬する電磁波は、照射口52から調理室10の底12に沿って進行するため、受皿40の中心まで高い電界強度で伝搬する。したがって、照射口52から相対的に距離のある受皿40の中心に載置された被加熱物においても電磁波が十分に消費され、受皿40の中心部における被加熱物の加熱ムラを軽減することができる。
【0058】
また、調理室10の底12と、受皿40の下面42との間の高さ範囲において、照射口52と受皿40の中心との間には、構造物が設けられていない空間がある。このため、照射口52から調理室10の底12に沿って進行する電磁波は、構造物に阻害されることがないので、受皿40の中心部に到達しやすい。したがって、受皿40の中心部における被加熱物の加熱ムラをより軽減することができる。また、受皿40の下面42との間の高さ範囲において、照射口52と受皿40の中心との間には、構造物が設けられていない空間があることで、受皿40及び受皿保持部材30のスライド移動も容易であり、かつ調理室10内の清掃も容易である。
【0059】
また、図5及び図7に示すように、調理室10の対向する内面に設けられ、受皿保持部材30の端部を支持する一対の桟19には、調理室10の底12との間の上下方向の隙間を閉塞する閉塞壁191が設けられている。このため、被加熱物からの飛散物が受皿保持部材30を伝って桟19に到達した場合でも、桟19と底12との隙間が閉塞壁191で覆われていることで、桟19の下に飛散物は到達しにくい。したがって、桟19と底12との隙間に汚れが付着しにくい。また、調理室10の扉2が開かれたときに、桟19と底12との隙間が閉塞壁191で塞がれていることで、意匠性が向上する。
【0060】
被加熱物の加熱が停止された状態で、受皿保持部材30及び受皿40が調理室10から取り出される際には、制御回路は、目印411が調理室10の手前側に位置するように、すなわちガイド領域421が調理室10の奥側に位置するように、回転軸61及び受皿40を回転させる。その状態で、受皿40及び受皿保持部材30が調理室10から出る方向にスライド移動されると、回転軸61が係止部49を押圧して弾性変形させ、回転軸61が係止部49を乗り越えると、回転軸61と係合部43との係合状態が解除される。さらに受皿40及び受皿保持部材30が手前側にスライド移動されると、受皿40及び受皿保持部材30が調理室10から取り出される。なお、受皿保持部材30及び受皿40が調理室10から取り出される際に、制御回路によって回転軸61及び受皿40が回転されるのではなく、ユーザが手動でこれらを回転させてもよい。この場合、表示部3は、受皿40の目印411が調理室10の手前側に位置するように受皿40を回転させるよう促す情報を表示してもよい。
【0061】
以上のように、本実施の形態の加熱調理器100は、受皿保持部材30に支持された受皿40を回転させる回転駆動手段60と受皿40とを接続する接続状態と、回転駆動手段60と受皿40とを接続しない非接続状態とを有する接続構造を備えた。本実施の形態の接続構造は、回転駆動手段60に設けられた回転軸61と、受皿40に設けられた係合部43とを有している。係合部43は、受皿40の下面42に設けられ、回転軸61の直径よりも小さくかつ回転軸61の一対の平面同士の距離よりも大きい長さの開口44を有し、開口44から挿入された回転軸61を収容する。この接続構造としての回転軸61及び係合部43は、接続状態にあるときに、回転駆動手段60の回転力を受皿40に伝達する。そして、回転軸61及び係合部43は、非接続状態にあるときに、受皿40を支持した状態の受皿保持部材30が調理室10内を水平方向にスライド移動することで、接続状態になる。さらに、接続構造が接続状態になると、移動規制構造である係止部49によって、回転軸61の開口44からの抜け止め機能が発揮され、受皿40の水平方向の移動が規制される。
【0062】
このように、回転駆動手段60と受皿40とを接続する接続構造が接続状態にあるときに、移動規制構造である係止部49によって受皿40の水平方向の移動が規制されるので、受皿40と回転駆動手段60との接続状態が解除されにくい。
【0063】
実施の形態2.
実施の形態1の図1図4に示した構造は、本実施の形態にも適用される。本実施の形態は、回転駆動手段60A、接続構造、及び移動規制構造の具体的態様が、実施の形態1と異なる。本実施の形態では、実施の形態1との相違する構成については添え字Aを含む符号で示し、実施の形態1と共通する構成については同様の符号を付し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0064】
図11は、実施の形態2に係る加熱調理器100Aの内部構造を示す、受皿40A及び受皿保持部材30が調理室10から取り外された状態の斜視図である。図12は、実施の形態2に係る受皿保持部材30及び受皿40Aの分解斜視図である。図12において、受皿保持部材30は、上から見た斜視図であり、受皿40Aは、下から見た斜視図である。本実施の形態の加熱調理器100Aは、回転駆動手段60A及び受皿40Aの構造が、実施の形態1とは異なる。なお、回転駆動手段60Aが、受皿40Aを水平方向に360度以上回転可能であるという構成は、実施の形態1と同様である。
【0065】
また、実施の形態1と同様に、調理室10の底12と、受皿40Aの下面42(図11等参照)との間の高さ範囲において、照射口52と受皿40Aの中心との間には、構造物が設けられていない空間がある。このため、照射口52から調理室10の底12に沿って進行する電磁波は、構造物に阻害されることがないので、受皿40Aの中心部に到達しやすい。したがって、受皿40Aの中心部における被加熱物の加熱ムラをより軽減することができる。
【0066】
図13は、実施の形態2に係る回転駆動手段60Aの斜視図である。図14は、実施の形態2に係る回転駆動手段60Aの分解斜視図である。回転駆動手段60Aは、回転軸61A及び回転軸61Aを回転させる電動機62に加えて、伝達部63Aと、弾性体64Aと、接続部65Aと、固定部66Aと、止め部67Aとを備える。
【0067】
回転軸61Aは、実施の形態1の回転軸61とは形状が異なり、円柱状の軸の側面がカットされて形成された、いわゆるDカット形状を有する。電動機62が、回転軸61Aを水平方向に360度以上回転可能であるという構成は、実施の形態1と同様である。
【0068】
弾性体64Aは、伝達部63Aと接続部65Aとの間に介在し、上下方向に伸縮する部材である。弾性体64Aは、伝達部63Aに対して、接続部65Aを上方向に付勢する。本実施の形態の弾性体64Aは、圧縮コイルばねである。
【0069】
伝達部63Aは、回転軸61Aの回転力を、接続部65Aに伝達する部材である。伝達部63Aは、伝達軸631Aと、回転軸係合部632Aと、弾性体係止部633Aとを有する部材である。皿状の弾性体係止部633Aの上側に伝達軸631Aが設けられ、下側に回転軸係合部632Aが設けられている。伝達軸631Aは、回転軸61Aと同方向に延びる棒状の部材である。回転軸係合部632Aは、軸方向に垂直な断面がD形状の回転軸61Aが嵌合される開口を有し、回転軸61Aと伝達部63Aとを接続する。伝達部63Aに回転軸61Aが嵌合された状態で回転軸61Aが回転すると、回転軸61Aの回転トルクが回転軸係合部632Aを介して伝達部63Aに伝達され、伝達軸631Aが回転する。弾性体係止部633Aは、弾性体64Aを係止する。本実施の形態では、弾性体係止部633Aは、環状の圧縮ばねである弾性体64Aの下端が挿入される凹部を形成する壁であり、当該壁によって弾性体64Aの傾き及び離脱が抑制される。
【0070】
接続部65Aは、受皿40Aの係合部43Aに対して接続され、伝達軸631Aの回転力を受皿40Aに伝える部材である。接続部65Aは、受皿係合部651Aと、伝達軸係合部652Aと、弾性体係合部653Aとが一体に形成された平面形状が円形の部材である。
【0071】
受皿係合部651Aは、接続部65Aの上面に設けられた、一対の凸部と凹部からなる領域の複数の組み合わせである。本実施の形態では、一対の凸部と凹部からなる領域の組み合わせが、2つ設けられている。受皿係合部651Aの凸部は、平面形状が回転軸61Aを中心とした弧状の曲面壁6511Aと、曲面壁6511Aの両端から回転軸61A側に向かって接続部65Aの半径方向に延びる一対の平らな壁6512Aとを有し、回転軸61Aと同方向に突出している。受皿係合部651Aの凸部の上面は、接続部65Aの中心から外周に向かって下降する傾斜面を有している。受皿係合部651Aの凸部は、受皿40Aの係合部43Aに嵌合される。なお、本実施の形態の受皿係合部651Aは、一対の凸部と凹部からなる領域が、回転軸61Aを中心として回転対称に2つ設けられた例を示すが、当該領域は3つ以上設けられていてもよい。一対の凸部と凹部からなる領域の数を増やすことで、係合部43Aとの滑り回転角度を小さくできるため、回転軸61Aの回転力であって伝達軸631Aを介して伝わる回転力を、受皿40Aに対してより回転遅れの少ない状態で、受皿40Aに係合することができる。
【0072】
伝達軸係合部652Aは、伝達軸631Aが下から嵌合される、上下方向に延びる凹部である。伝達軸係合部652Aは、接続部65Aの下面に形成されていて、伝達軸631Aに向かって開口している。
【0073】
弾性体係合部653Aは、弾性体64Aを接続部65Aに対して接続する。本実施の形態の弾性体係合部653Aは、接続部65Aの下面に設けられ、下から上に凹んだ溝であり、当該溝に、圧縮コイルばねである弾性体64Aの上端が挿入される。弾性体64Aを接続部65Aの径方向及び高さ方向に位置決めする弾性体係合部653Aを設けることで、弾性体64Aの傾き及び離脱が抑制される。
【0074】
固定部66Aは、電動機62を調理室10の底12に固定するための部材である。本実施の形態の固定部66Aは、電動機62の外郭と一体で形成され、外郭の上面から鍔状に突出した部材であり、ねじ穴を有している。底12の下面(図15参照)に電動機62が取り付けられ、固定部66Aのねじ穴に下から挿入されたねじ(図示せず)によって、電動機62が底12に固定される。
【0075】
回転駆動手段60Aが組み立てられる際には、図14に示す順番で、電動機62と、伝達部63Aと、弾性体64Aと、接続部65Aとが重ねられる。回転軸61Aが回転軸係合部632Aに係合され、伝達軸631Aが伝達軸係合部652Aに挿入されると、伝達部63Aと接続部65Aとの間にある弾性体64Aが上下方向に圧縮される。組み立て前の状態において、伝達軸631Aの上端には止め部67Aが設けられておらず、伝達軸631Aの横断面は、軸方向において同形状である。伝達軸係合部652Aに挿入された伝達軸631Aの先端は接続部65Aの上面から突出し、突出した伝達軸631Aの先端に、伝達軸631A及び伝達軸係合部652Aよりも直径の大きい止め部67Aが設けられる。止め部67Aによって、伝達部63Aと接続部65Aとが、両者の間に弾性体64を挟んだ状態で固定される。止め部67Aは、伝達軸631Aの先端をカシメて変形又は成形することで形成されてもよい。また、伝達軸631Aとは別体の部品である止め部67Aを、伝達軸係合部652Aに上から圧入してもよい。また、ねじである止め部67Aが、伝達軸係合部652Aの上に突出した伝達軸631Aの先端に螺合されてもよい。
【0076】
回転駆動手段60Aが組み立てられると、図13に示す外観となる。伝達部63Aと接続部65Aとは、弾性体64Aによって互いに離れる方向に付勢された状態になる。伝達軸係合部652Aと、これに挿入された伝達軸631Aとの間には隙間があり、伝達軸631Aに対して接続部65Aは周方向に回転可能な状態である。
【0077】
図15は、実施の形態2に係る加熱調理器100Aの縦断面模式図である。図15は、加熱調理器100Aの前後方向に沿った縦断面を示している。
【0078】
調理室10の底12の下には、円筒状の収容凹部70Aが設けられている。収容凹部70A内に、回転駆動手段60Aの伝達部63A、弾性体64および接続部65Aが収容される。組み立てられた回転駆動手段60Aは、図11及び図15に示すように、調理室10の底12から上へ接続部65Aが突出するようにして、底12の下面に固定部66Aを介して固定される。回転駆動手段60Aが底12に組み付けられた状態では、弾性体64Aによって接続部65Aが上に付勢される。
【0079】
図16は、実施の形態2に係る加熱調理器100Aの横断面模式図である。図16は、回転軸61Aを通る水平断面を下から見た状態を示している。受皿40Aの係合部43Aは、受皿係合部651Aの外形と相似形であって、受皿係合部651Aよりも大きい外形を有する。係合部43Aには、受皿係合部651Aが挿入されている。
【0080】
図17は、実施の形態2に係る受皿40A及び受皿保持部材30の調理室10への設置動作を説明する図である。図17は、上段から下段へと順に、受皿40A及び受皿保持部材30が調理室10内にスライド移動する様子を示している。実施の形態2においては、実施の形態1とは異なり、受皿保持部材30に対する受皿40Aの回転角度を、予め調整しておく必要はない。
【0081】
図17上段に示すように、受皿40A及び受皿保持部材30は調理室10内に挿入され、桟19(図17には図示せず、図11参照)に沿って調理室10の後壁15側に向かってスライド移動される。弾性体64Aによって上へ付勢された受皿係合部651Aは、底12の上面よりも上に突出した状態である。
【0082】
図17中段に示すように、スライド移動した受皿40Aが調理室10の中央に至ると、受皿40Aが受皿係合部651Aの上に乗り上げる。受皿係合部651Aの上面は、外周から中央に向かって上昇する斜面であり、当該斜面に案内されて受皿40Aは受皿係合部651Aに乗る。これにより、受皿40Aが受皿係合部651Aを下へ押し、弾性体64Aがさらに圧縮される。このとき、図14に示した伝達軸631Aが挿入された伝達軸係合部652Aも、伝達軸631Aに案内されながら下へ移動する。したがって、受皿保持部材30又は受皿40Aが受皿係合部651Aに接触しても、受皿保持部材30及び受皿40Aは桟19に沿って抵抗少なく後壁15側へスライド移動することができる。
【0083】
図17下段に示すように、スライド移動した受皿保持部材30が後壁15に到達すると、受皿係合部651Aの直上に係合部43Aが位置する。
【0084】
ここで、受皿係合部651Aの周方向への回転角度によっては、係合部43Aと受皿係合部651Aの平面形状が一致しない状態にあり、この状態では受皿係合部651Aが係合部43Aには挿入されない。しかし、受皿係合部651Aは周方向に回転可能であり、弾性体64Aによって上に付勢されている。このため、弾性体64Aによって上へ押し上げられつつ、受皿係合部651Aの傾斜した上面が係合部43Aの周囲の壁に当たり、壁に案内されて受皿係合部651Aが係合部43Aに挿入可能な角度まで回転する。そうすると、弾性体64Aによって上に付勢されている受皿係合部651Aが係合部43Aに挿入される。これにより、回転軸61Aと受皿40Aとが、受皿係合部651Aを介して接続される。回転軸61Aと受皿40Aとが係合されると、上面視において、調理室10の底12の全体が、受皿40A及び受皿保持部材30によって覆われた状態となる。
【0085】
受皿保持部材30及び受皿40Aが調理室10から取り出される際には、図17の下段から上段に示した順で、各部が動作する。
【0086】
受皿40Aの回転動作を説明する。電動機62が動作して回転軸61Aが回転すると、回転軸61Aの回転力が伝達軸631Aに伝達され、伝達軸631Aに接続された接続部65Aも回転する。図13に示す接続部65Aの受皿係合部651Aの平らな壁6512Aは、加重を受皿40Aに伝達する力点となり、図16に示す平らな壁6512Aと接触する係合部43Aの壁が作用点となって、受皿40Aが回転する。
【0087】
以上のように、本実施の形態の加熱調理器100Aは、受皿保持部材30に支持された受皿40Aを回転させる回転駆動手段60Aと受皿40Aとを接続する接続状態と、回転駆動手段60Aと受皿40Aとを接続しない非接続状態とを有する接続構造を備えた。本実施の形態の接続構造は、回転駆動手段60Aに設けられた回転軸61Aと、伝達軸631Aと、伝達軸係合部652Aと、受皿係合部651Aと、受皿40Aに設けられた係合部43Aとを有している。この接続構造が非接続状態にあるときに、受皿40Aを支持した状態の受皿保持部材30が調理室10内を水平方向にスライド移動することで、受皿40Aの下面によって上から押された受皿係合部651Aが下へ移動する。そして、受皿係合部651Aが係合部43Aの下に位置すると、受皿係合部651Aが上へ移動して係合部43Aに嵌合する。この状態において、係合部43Aとこれに挿入された受皿係合部651Aとが、受皿40Aの水平方向の移動を規制する移動規制構造として機能する。
【0088】
このように、回転駆動手段60Aと受皿40Aとを接続する接続構造が接続状態にあるときに、移動規制構造である係合部43A及び受皿係合部651Aによって受皿40Aの水平方向の移動が規制されるので、受皿40Aと回転駆動手段60Aとの接続状態が解除されにくい。
【0089】
また、本実施の形態では、受皿係合部651Aは、受皿係合部651Aが下へ移動した状態で回転可能に構成されている。そして、受皿係合部651Aは、平面形状が回転軸61Aを中心とした弧状の曲面壁6511Aと、曲面壁6511Aの両端から回転軸61A側に向かって延びる平らな壁6512Aとを有し、係合部43Aは、受皿係合部651Aの曲面壁6511A及び平らな壁6512Aのそれぞれと同形状の壁を有している。受皿40Aの下面によって上から押されて下へ移動した受皿係合部651Aの上に、係合部43Aが位置すると、受皿係合部651Aが回転し、受皿係合部651A及び係合部43Aそれぞれの平らな壁の周方向における位置が一致すると、受皿係合部651Aが上へ移動して係合部43Aに嵌合する。
【0090】
このように、本実施の形態の受皿係合部651Aが自動的に回転するので、ユーザが受皿40Aを受皿保持部材30に載置する際には、受皿保持部材30に対する受皿40Aの回転角度を調整しなくてもよい。このため、受皿40Aの着脱操作が容易となり、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0091】
なお、受皿保持部材30及び受皿40Aが調理室10に出し入れされる際には、受皿係合部651Aと係合部43Aとの接触角度を小さくして抵抗少なく受皿係合部651Aが係合部43Aに挿入されるように、回転軸61Aの回転角度を調整してもよい。例えば、制御回路(図示せず)は、調理室10内に受皿40Aが収容されていないと判定された場合には、受皿係合部651Aと係合部43Aとの接触角度が小さくなるように、回転軸61Aを回転させる。調理室10内の受皿40Aの有無は、電動機62の負荷電流、又は図示しない調理室10内の被加熱物を検知する被加熱物検知手段の検知結果に基づいて判定される。また、受皿40Aの着脱を指示する操作を操作部4にて受け付け、着脱が指示されると回転軸61Aを上述の回転位置に調節してもよい。また、回転軸61Aの回転位置の指示を操作部4にて受け付け、ユーザにより指示された回転位置になるよう回転軸61Aを回転させてもよい。このようにすることで、スライド移動する受皿保持部材30及び受皿40Aの抵抗を減らすことができるので、受皿保持部材30及び受皿40Aを移動させるユーザの負荷を軽減できる。
【0092】
実施の形態3.
実施の形態1の図1図4に示した構造は、本実施の形態にも適用される。本実施の形態は、回転駆動手段60B、接続構造、及び移動規制構造の具体的態様が、実施の形態1及び実施の形態2と異なる。本実施の形態では、実施の形態1との相違する構成については添え字Bを含む符号で示し、実施の形態1と共通する構成については同様の符号を付し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0093】
図18は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bの内部構造を示す、受皿40B及び受皿保持部材30Bが調理室10から取り外された状態の斜視図である。調理室10の底12の下には、3つ以上のローラー68Bが設けられている。ローラー68Bは、底12の上に一部が突出するようにして設置されており、上下方向に回転する。受皿40Bの下面には、環状の溝部422Bが設けられている。溝部422Bは、ローラー68Bの通路となる部位である。受皿保持部材30Bの左右の両端には、調理室10の奥行き方向の一端に、下へ突出する凸部35Bが設けられている。
【0094】
図19は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bの一部の構成の、下方からの斜視図である。底12の下には、円盤状の回転伝達部69Bが設けられている。回転伝達部69Bは、複数のローラー68Bの内側に配置されている。回転伝達部69Bは、詳細は後述するが、回転軸61の回転力をローラー68Bに伝達する部材である。
【0095】
導波管51Bは、調理室10の右側壁14と対向する壁面である対向壁面511Bを有している。対向壁面511Bは、上下方向に延びる壁であって、下部の一部を、傾斜面512Bと称する。傾斜面512Bは、上から下に向かって照射口52(図18参照)との距離が近くなるように傾斜している。
【0096】
このように、導波管51Bに傾斜面512Bが設けられていることにより、高周波発生器50から放射されて導波管51Bを伝搬する高周波は、傾斜面512Bに案内されてスムーズに調理室10の底12に伝搬される。本実施の形態では、平面である傾斜面512Bを例示するが、傾斜面512Bは湾曲した傾斜曲面であってもよく、傾斜面512Bと同様の作用効果を得ることができる。なお、傾斜面512Bに相当する傾斜面は、実施の形態1及び実施の形態の導波管51に設けられてもよい。
【0097】
図20は、実施の形態3に係る受皿保持部材30B及び受皿40Bの分解斜視図である。図20において、受皿保持部材30Bは、上から見た斜視図であり、受皿40Bは、下から見た斜視図である。受皿40Bの下面42には、環状の溝部422Bが設けられている。受皿嵌合部32は、少なくとも溝部422Bが位置する領域は、上下に貫通する開口が設けられている。本実施の形態では、受皿嵌合部32の底の全体が開口である。
【0098】
図21は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bの横断面模式図である。図21は、ローラー68Bを通る水平断面を下から見た状態を示している。溝部422Bは、受皿40Bの回転中心と同心円状に形成されている。溝部422Bには、本実施の形態では4つのローラー68Bが挿入されている。4つのローラー68Bは、溝部422Bにおいて互いに等間隔に配置されている。なお、ローラー68Bは、3つ以上であればよい。
【0099】
桟19Bには、受皿保持部材30Bの凸部35Bが上から挿入される凹部192Bが形成されている。図21では凹部192Bに挿入された状態の凸部35Bの断面が示されている。
【0100】
図22は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bの縦断面模式図である。図22は、ローラー68Bを通る左右方向に沿った縦断面を後ろから見た状態を示している。図23は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bの縦断面模式図である。図23は、加熱調理器100Bの前後方向に沿った縦断面を示している。
【0101】
調理室10の右側壁14に設けられた照射口52の下端は、受皿40Bの載置面41と調理室10の底12との間に配置されている。なお、図22では照射口52は図示されていないが、説明のために照射口52の下端に相当する高さ位置を、符号52で示している。照射口52に接続される導波管51Bの傾斜面512Bは、アンテナ54の下から調理室10の底12に向かって、照射口52に近づくように傾斜している。なお、アンテナ54は、高周波発生器50に接続されるとともに導波管51Bに挿入され、高周波発生器50が発生させた2.4GHzの電波を高周波に変換して放射する。図示されていなかったが、アンテナ54は、実施の形態1及び実施の形態2にも設けられている。
【0102】
また、調理室10の底12と、受皿40Bの下面42との間の高さ範囲において、照射口52と受皿40Bの中心との間には、構造物が設けられていない空間がある。この空間をローラー68Bが通過するものの、当該空間には常設された構造物が存在しない。このため、照射口52から調理室10の底12に沿って進行する電磁波は、構造物に阻害されることがないので、受皿40Bの中心部に到達しやすい。これにより、受皿40Bの中心へ電磁波が到達しやすくなり、受皿40Bの中心部まで電界強度の高い領域を形成することができる。したがって、受皿40Bの中心部における被加熱物の加熱ムラをより軽減することができる。
【0103】
回転駆動手段60Bの電動機62の外郭は、外郭筐体1の底板に固定されている。回転軸61は、電動機62から上に延びており、円盤状の回転伝達部69Bの中心に係合されている。本実施の形態の回転軸61は、実施の形態2と同様のいわゆるDカット形状であってもよい。回転伝達部69Bの外周部には、周方向に渡って、ローラー68Bに設けられた溝と咬合するかさ歯車691Bが設けられている。回転軸61が回転すると、回転軸61に対して同軸接続された回転伝達部69Bが回転し、これによってかさ歯車691Bと咬合しているローラー68Bも回転する。
【0104】
複数のローラー68Bは同一方向に回転し、ローラー68Bと溝部422Bを介して接触している受皿40Bも回転する。ローラー68Bには、受皿40B及びその上に載置された被加熱物の荷重がかかり、ローラー68Bと受皿40Bとの間の摩擦により、ローラー68Bが回転することで受皿40Bを回転させることができる。なお、ローラー68Bと受皿40Bとの接触状態によっては、受皿40Bの回転にブレが生じる可能性もあるが、溝部422Bの壁が、ローラー68Bの受皿40Bの半径方向への移動を規制するため、回転のブレが過大となることはなく、受皿40Bを安定的に回転させることができる。
【0105】
なお、本実施の形態ではかさ歯車691Bによって、水平方向に回転する回転軸61の回転をローラー68Bの鉛直方向に回転する回転に変換する構成例を説明した。しかし、かさ歯車691Bに代えて、タイミングベルト等の他の手段により回転軸61の回転をローラー68Bに伝えてもよい。
【0106】
図24は、実施の形態3に係る受皿40B及び受皿保持部材30Bの調理室10への設置動作を説明する図である。図24は、上段から下段へと順に、受皿40B及び受皿保持部材30Bが調理室10内にスライド移動する様子を示している。実施の形態3においては、実施の形態1とは異なり、受皿保持部材30Bに対する受皿40Bの回転角度を、予め調整しておく必要はない。
【0107】
図24上段に示すように、受皿40B及び受皿保持部材30Bは調理室10内に挿入され、桟19Bに沿って調理室10の後壁15側に向かってスライド移動される。本実施の形態の受皿保持部材30Bは、桟19Bとの摺動面に、下へ突出する凸部35Bが設けられているので、凸部35Bの高さだけ受皿40Bの下面42が上へ持ち上げられて、下面42とローラー68Bとの間には隙間がある。このため、受皿40Bとローラー68Bとが接触することなく、受皿40B及び受皿保持部材30Bはスライド移動することができる。
【0108】
図24中段に示すように、スライド移動した受皿保持部材30Bの凸部35Bが、桟19Bの凹部192Bに至ると、凸部35Bが凹部192Bに入り、受皿保持部材30Bと桟19Bとが係合される。図24に示すように、凹部192Bを形成する壁面のうち、調理室10の前側の壁面は、後壁15に向かって下降するように傾斜した傾斜面である。すなわち、受皿40B及び受皿保持部材30Bが調理室10に挿入される際の進行方向に沿って、凹部192Bの壁面が下降している。この傾斜面に案内されて凸部35Bが凹部192B内に入る。ここで、図24に示す溝部422Bを形成する壁も、凹部192Bの傾斜面と同じ角度で傾斜しているので、受皿40Bと受皿保持部材30Bとは平行に移動し、ローラー68Bと受皿40Bの下面42とは接触しない。
【0109】
図24下段に示すように、スライド移動した受皿保持部材30Bが後壁15に到達すると、凸部35Bが凹部192Bに入り込む。そうすると、受皿40B及び受皿保持部材30Bは、図24上段に示す位置よりも下へ移動し、ローラー68Bの上面が溝部422Bにはまり込む。これにより、ローラー68Bと受皿40Bとが接触する。回転軸61と受皿40Bとが、回転伝達部69B及びローラー68Bを介して接続されると、上面視において、調理室10の底12の全体が、受皿40B及び受皿保持部材30Bによって覆われた状態となる。
【0110】
受皿保持部材30B及び受皿40Bが調理室10から取り出される際には、図24の下段から上段に示した順で、各部が動作する。
【0111】
受皿40Bの回転動作を説明する。電動機62が動作して回転軸61が回転すると、回転軸61の回転力が、回転伝達部69Bを介してローラー68Bに伝達され、ローラー68Bが上下方向に回転する。ローラー68Bは、受皿40Bの溝部422Bと接触している。受皿40Bの自重及び受皿40Bに載置された被加熱物の荷重により、ローラー68Bが回転することで受皿40Bを回転する。
【0112】
以上のように、本実施の形態の加熱調理器100Bは、受皿保持部材30Bに支持された受皿40Bを回転させる回転駆動手段60Bと受皿40Bとを接続する接続状態と、回転駆動手段60Bと受皿40Bとを接続しない非接続状態とを有する接続構造を備えた。本実施の形態の接続構造は、受皿40Bの下面42に設けられ、受皿40Bの回転中心と同心円状の溝部422Bと、溝部422Bの中を移動するローラー68Bと、回転軸61の回転をローラー68Bに伝達する回転伝達部69Bとを備えている。そして、この接続構造が非接続状態にあるときに、受皿40Bを支持した状態の受皿保持部材30Bが調理室10内を水平方向にスライド移動し、ローラー68Bの上に溝部422Bが位置すると、受皿40Bが下へ移動してローラー68Bと溝部422Bとが接触する。この状態において、溝部422Bとこれに挿入されたローラー68Bとが、受皿40Bの水平方向の移動を規制する移動規制構造として機能する。
【0113】
このように、回転駆動手段60Bと受皿40Bとを接続する接続構造が接続状態にあるときに、移動規制構造である受皿40Bの水平方向の移動が規制されるので、受皿40Bと回転駆動手段60Bとの接続状態が解除されにくい。
【0114】
また、本実施の形態では、さらなる移動規制構造として、調理室10の対向する内面に設けられ、上面に凹部192Bを有し、受皿保持部材30Bを支持する一対の桟19Bと、受皿保持部材30Bの下面に設けられ、下に突出した凸部35Bとを備えた。そして、受皿40Bを支持した状態の受皿保持部材30Bの凸部35Bが、桟19Bの上面のうち凹部192Bを除く領域に載せられた状態では、受皿40Bの下面42は、ローラー68Bと干渉しない高さ位置にある。他方、受皿40Bを支持した状態の受皿保持部材30Bの凸部35Bが、桟19Bの凹部192Bに挿入された状態では、ローラー68Bが溝部422Bに挿入されて接続構造が接続状態になるとともに、受皿40Bの水平方向の移動が規制される。このため、受皿40Bと回転駆動手段60Bとの接続状態を解除されにくくすることができる。
【0115】
以下、本開示の諸態様を付記する。
【0116】
(付記1)
調理室と、
前記調理室に収容される円盤状の受皿と、
前記受皿を支持し、前記受皿とともに前記調理室の底を覆う受皿保持部材と、
前記受皿保持部材に支持された前記受皿を回転させる回転駆動手段と、
前記回転駆動手段と前記受皿とを接続する接続状態と、前記回転駆動手段と前記受皿とを接続しない非接続状態とを有し、前記接続状態にあるときに、前記回転駆動手段の回転力を前記受皿に伝達する接続構造と、
前記受皿の水平方向の移動を規制する移動規制構造とを備え、
前記接続構造は、前記非接続状態にあるときに、前記受皿を支持した状態の前記受皿保持部材が前記調理室内を水平方向にスライド移動することで、前記接続状態になり、
前記接続構造が前記接続状態になると、前記移動規制構造によって前記受皿の水平方向の移動が規制される
加熱調理器。
(付記2)
電波を発生させる高周波発生器と、
前記高周波発生器から放射された電磁波を前記調理室に導く導波管とを備え、
前記調理室の側壁及び前記導波管には、前記導波管の電磁波を前記調理室に伝搬させる照射口が設けられており、
上下方向において、前記照射口の上端は、前記受皿よりも上に配置され、前記照射口の下端は、前記受皿と前記調理室の前記底との間に配置されている
付記1に記載の加熱調理器。
(付記3)
前記導波管は、前記照射口が設けられた前記調理室の前記側壁に沿って上下方向に延びており、
前記高周波発生器は、前記照射口よりも上で前記導波管と接続されており、
前記導波管は、前記照射口と対向する壁面である対向壁面を有し、
前記対向壁面の少なくとも一部は、上から下に向かって前記照射口との距離が近くなるように傾斜した傾斜面又は傾斜曲面である
付記2に記載の加熱調理器。
(付記4)
前記調理室の前記底と、前記受皿の下面との間の高さ範囲において、前記照射口と前記受皿の中心との間には、構造物が設けられていない空間がある
付記2又は付記3に記載の加熱調理器。
(付記5)
前記受皿保持部材は、前記受皿が挿入される開口又は凹部である受皿嵌合部を有し、
前記受皿の外周には、径方向外側に向かって延びる庇部が設けられており、
前記受皿が前記受皿嵌合部に挿入された状態において、前記庇部が前記受皿嵌合部の縁の上を覆う
付記1~付記4のいずれか一つに記載の加熱調理器。
(付記6)
前記受皿保持部材は、前記受皿嵌合部の周囲に、凹状の貯留部を備える
付記5に記載の加熱調理器。
(付記7)
前記調理室の対向する内面には、前記受皿保持部材の端部を支持する一対の桟が設けられており、
前記桟には、前記調理室の前記底との間の上下方向の隙間を閉塞する閉塞壁が設けられている
付記1~付記6のいずれか一つに記載の加熱調理器。
(付記8)
前記回転駆動手段は、前記調理室の前記底に設けられた回転軸を備え、
前記回転軸の軸線に沿った外周面には、互いに平行な一対の平面が形成されており、
前記接続構造は、
前記回転軸と、
前記受皿の下面に設けられ、前記回転軸の直径よりも小さくかつ前記一対の平面同士の距離よりも大きい長さの開口を有し、前記開口から挿入された前記回転軸を収容する係合部とを備えた
付記1~付記7のいずれか一つに記載の加熱調理器。
(付記9)
前記受皿の下面に設けられ、前記開口と前記受皿の外周部とを接続する平面形状が曲線状のガイド壁を備えた
付記8に記載の加熱調理器。
(付記10)
前記移動規制構造は、
前記ガイド壁の前記開口側の端部に設けられ、前記ガイド壁から突出し、弾性によって突出状態が変化する係止部を備えた
付記9に記載の加熱調理器。
(付記11)
前記回転駆動手段は、前記調理室の前記底に設けられた回転軸を備え、
前記接続構造は、
前記回転軸と接続され、弾性体によって上へ付勢されて上下に移動可能な受皿係合部と、
前記受皿の下面に設けられ、前記受皿係合部が嵌合する凹状の係合部とを備え、
前記接続構造が前記非接続状態にあるときに、前記受皿を支持した状態の前記受皿保持部材が前記調理室内を水平方向にスライド移動することで、前記受皿の下面によって上から押された前記受皿係合部が下へ移動し、前記受皿係合部が前記係合部の下に位置すると、前記受皿係合部が上へ移動して前記係合部に嵌合する
付記1~付記7のいずれか一つに記載の加熱調理器。
(付記12)
前記受皿係合部は、前記受皿係合部が下へ移動した状態で回転可能に構成されており、
前記受皿係合部は、平面形状が前記回転軸を中心とした弧状の曲面壁と、前記曲面壁の両端から前記回転軸側に向かって延びる平らな壁とを有し、
前記係合部は、前記受皿係合部の前記曲面壁及び前記平らな壁のそれぞれと同形状の壁を有しており、
前記受皿の下面によって上から押されて下へ移動した前記受皿係合部の上に、前記係合部が位置すると、前記受皿係合部が回転し、前記受皿係合部及び前記係合部それぞれの前記平らな壁の周方向における位置が一致すると、前記受皿係合部が上へ移動して前記係合部に嵌合する
付記11に記載の加熱調理器。
(付記13)
前記回転駆動手段は、前記調理室の前記底に設けられた回転軸を備え、
前記接続構造は、
前記受皿の下面に設けられ、前記受皿の回転中心と同心円状の溝部と、
前記溝部の中を移動するローラーと、
前記回転軸の回転を前記ローラーに伝達する回転伝達部とを備えた
付記1~付記7のいずれか一つに記載の加熱調理器。
(付記14)
前記移動規制構造は、
前記調理室の対向する内面に設けられ、上面に凹部を有し、前記受皿保持部材を支持する一対の桟と、
前記受皿保持部材の下面に設けられ、下に突出した凸部とを備え、
前記受皿を支持した状態の前記受皿保持部材の前記凸部が、前記桟の前記上面のうち前記凹部を除く領域に載せられた状態では、前記受皿の下面は、前記ローラーと干渉しない高さ位置にあり、
前記受皿を支持した状態の前記受皿保持部材の前記凸部が、前記桟の前記凹部に挿入された状態では、前記ローラーが前記溝部に挿入されて前記接続構造が前記接続状態になるとともに、前記受皿の水平方向の移動が規制される
付記13に記載の加熱調理器。
(付記15)
前記桟の前記凹部は、前記受皿保持部材が前記調理室内に入る際のスライド移動の方向に沿って下降する傾斜面を有する
付記14に記載の加熱調理器。
(付記16)
前記回転伝達部は、かさ歯車又はタイミングベルトを有する
付記13~付記15のいずれか一つに記載の加熱調理器。
(付記17)
前記受皿保持部材は、
前記受皿が挿入される開口又は凹部である受皿嵌合部を有し、
前記受皿嵌合部に前記受皿が挿入された状態で前記受皿の側面と対向する位置には、水平方向に回転自在で、前記受皿の側面と接する受皿支持部が設けられている
付記1~付記16のいずれか一つに記載の加熱調理器。
【符号の説明】
【0117】
1 外郭筐体、2 扉、3 表示部、4 操作部、5 コードリーダー、6 筐体第1吸気口、7 筐体第2吸気口、8 筐体排気口、10 調理室、11 天井、12 底、13 左側壁、14 右側壁、15 後壁、16 棚板、17 調理室排気ダクト、18 上桟、19 桟、19B 桟、20 回路基板、21 第1送風機、22 第2送風機、30 受皿保持部材、30B 受皿保持部材、31 保持体、32 受皿嵌合部、33 受皿支持部、34 貯留部、35B 凸部、40 受皿、40A 受皿、40B 受皿、41 載置面、42 下面、43 係合部、43A 係合部、44 開口、45 曲面部、46 平面部、47 ガイド壁、48 庇部、49 係止部、50 高周波発生器、51 導波管、51B 導波管、52 照射口、53 照射口カバー、54 アンテナ、60 回転駆動手段、60A 回転駆動手段、60B 回転駆動手段、61 回転軸、61A 回転軸、62 電動機、63A 伝達部、64 弾性体、64A 弾性体、65A 接続部、66A 固定部、67 ガイド壁、67A 止め部、68B ローラー、69B 回転伝達部、70A 収容凹部、100 加熱調理器、100A 加熱調理器、100B 加熱調理器、191 閉塞壁、192B 凹部、200 調理容器、201 被加熱物、331 軸部、411 目印、421 ガイド領域、422B 溝部、511B 対向壁面、512B 傾斜面、631A 伝達軸、632A 回転軸係合部、633A 弾性体係止部、651A 受皿係合部、652A 伝達軸係合部、653A 弾性体係合部、691B かさ歯車、6511A 曲面壁、6512A 平らな壁。
図1
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