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特開2024-154595情報処理装置、情報処理方法及び管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154595
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/06 20060101AFI20241024BHJP
   G06F 12/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G06F3/06 302A
G06F12/02 510A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068507
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521042770
【氏名又は名称】ウーブン・バイ・トヨタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 誉博
(72)【発明者】
【氏名】玉尾 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 朋暉
(72)【発明者】
【氏名】堀江 拓実
(72)【発明者】
【氏名】カーク シュープ
【テーマコード(参考)】
5B160
【Fターム(参考)】
5B160AA20
5B160MM01
(57)【要約】
【課題】他の制御装置が情報処理装置にアクセスする回数が増大することを抑制しつつ、データがストレージデバイスに書き込まれたことを他の制御装置に把握させること。
【解決手段】情報処理装置20のCPU22は、管理部と更新部として機能する。管理部は、制御装置40から受信したデータを第2記憶装置24の第1記憶領域241に格納する。管理部は、更新条件が成立した場合に、第1記憶領域241のデータのストレージデバイス30への書き込みを要求し、その後にデータの書き込みが完了した旨を制御装置40に通知する。更新部は、データのストレージデバイス30への書き込みが要求された場合に、第1記憶領域241のデータを第2記憶装置24の第2記憶領域242に格納し、第2記憶領域242のデータをストレージデバイス30に書き込む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の制御装置から受信したデータを基に、車両のストレージデバイスの記憶内容を更新する情報処理装置であって、
実行装置と、第1記憶装置と、第2記憶装置と、を備え、
前記第1記憶装置は、オペレーションシステムと、前記オペレーションシステム上で実行される管理プログラムと、を記憶しており、
前記実行装置は、
前記管理プログラムを実行することによって、
前記他の制御装置から受信した前記データを前記第2記憶装置の第1記憶領域に格納し、
所定の更新条件が成立した場合に、前記第1記憶領域の前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みを要求し、その後に前記データの書き込みが完了した旨を前記他の制御装置に通知し、
前記実行装置は、
前記オペレーションシステムを実行することによって、
前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みが要求された場合に、前記第1記憶領域の前記データを前記第2記憶装置の第2記憶領域に格納し、当該第2記憶領域の前記データを前記ストレージデバイスに書き込む
情報処理装置。
【請求項2】
前記実行装置は、前記第1記憶領域に格納されている前記データの数が所定数に達した場合に、前記更新条件が成立したと判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記実行装置は、前記他の制御装置から前記データを最後に受信してから所定時間が経過した場合に、前記更新条件が成立したと判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記実行装置は、
前記管理プログラムを実行することによって、
前記データを前記ストレージデバイスに書き込むことをキャンセルする要求を前記他の制御装置から受信した場合に前記第1記憶領域の前記データを削除する
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記実行装置は、
前記管理プログラムを実行することによって、
前記第1記憶領域に複数の前記データが格納されている状況下で当該複数のデータのうちの一部のデータを前記ストレージデバイスに書き込むことをキャンセルする要求を前記他の制御装置から受信した場合に、前記第1記憶領域の前記複数のデータのうち、前記一部のデータを削除する
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記実行装置は、
前記管理プログラムを実行することによって管理部として機能し、
前記オペレーションシステムを実行することによって更新部として機能する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
他の制御装置から受信したデータを基に、車両のストレージデバイスの記憶内容を情報処理装置に更新させる情報処理方法であって、
前記他の制御装置が前記情報処理装置に送信したデータを第1記憶領域に管理部が格納することと、
所定の更新条件が成立した場合に、前記第1記憶領域の前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みを前記管理部が更新部に要求することと、
前記ストレージデバイスへのデータの書き込みを前記管理部が要求した場合に、前記第1記憶領域の前記データを前記更新部が第2記憶領域に格納し、当該第2記憶領域の前記データを前記更新部が前記ストレージデバイスに書き込むことと、
前記データの書き込みが完了した旨を前記管理部が前記他の制御装置に通知することと、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
車両のストレージデバイスを管理する情報処理装置が備える実行装置に実行させる管理プログラムであって、
前記情報処理装置は、他の制御装置から受信したデータを前記ストレージデバイスに書き込むことを要求された場合に、前記他の制御装置から受信した前記データを、当該情報処理装置の記憶装置の第2記憶領域に格納し、当該第2記憶領域の前記データを前記ストレージデバイスに書き込むようになっており、
前記実行装置に、
前記他の制御装置が送信したデータを、前記記憶装置の第1記憶領域に格納することと、
所定の更新条件が成立した場合に、前記第1記憶領域の前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みを要求することと、
前記ストレージデバイスへの前記データの書き込みを要求した後に、前記データの書き込みが完了した旨を前記他の制御装置に通知することと、を実行させる
管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージデバイスを管理する情報処理装置、情報処理方法及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数のストレージデバイスを管理するシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-135511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、ストレージデバイスを管理する情報処理装置の実行装置は、オペレーションシステムを実行することによって、ストレージデバイスの記憶内容を更新する。この場合、実行装置は、他の制御装置が送信したデータをキャッシュメモリに格納する。そして、実行装置は、キャッシュメモリのデータをストレージデバイスに書き込む。このとき、実行装置は、自身で定めたタイミングでキャッシュメモリのデータをストレージデバイスに書き込む。そのため、他の制御装置が送信したデータがどのタイミングでストレージデバイスに書き込まれたのかを当該他の制御装置が把握できない。
【0005】
他の制御装置が、データの送信後に当該データをストレージデバイスに書き込む指示を情報処理装置に送信するようにすれば、データがストレージデバイスに書き込まれたことを他の制御装置が把握できるようになる。しかしながら、この場合では、他の制御装置が上記指示を情報処理装置に送信する分、他の制御装置が情報処理装置にアクセルする回数が増大してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための情報処理装置は、他の制御装置から受信したデータを基に、車両のストレージデバイスの記憶内容を更新する装置である。当該情報処理装置は、実行装置と、第1記憶装置と、第2記憶装置と、を備えている。前記第1記憶装置は、オペレーションシステムと、前記オペレーションシステム上で実行される管理プログラムと、を記憶している。前記実行装置は、前記管理プログラムを実行することによって、前記他の制御装置から受信した前記データを前記第2記憶装置の第1記憶領域に格納し、所定の更新条件が成立した場合に、前記第1記憶領域の前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みを要求し、その後に前記データの書き込みが完了した旨を前記他の制御装置に通知する。前記実行装置は、前記オペレーションシステムを実行することによって、前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みが要求された場合に、前記第1記憶領域の前記データを前記第2記憶装置の第2記憶領域に格納し、当該第2記憶領域の前記データを前記ストレージデバイスに書き込む。
【0007】
上記課題を解決するための情報処理方法は、他の制御装置から受信したデータを基に、車両のストレージデバイスの記憶内容を情報処理装置に更新させる方法である。当該情報処理方法は、前記他の制御装置が前記情報処理装置に送信したデータを第1記憶領域に管理部が格納することと、所定の更新条件が成立した場合に、前記第1記憶領域の前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みを前記管理部が更新部に要求することと、前記ストレージデバイスへのデータの書き込みを前記管理部が要求した場合に、前記第1記憶領域の前記データを前記更新部が第2記憶領域に格納し、当該第2記憶領域の前記データを前記更新部が前記ストレージデバイスに書き込むことと、前記データの書き込みが完了した旨を前記管理部が前記他の制御装置に通知することと、を含む。
【0008】
上記課題を解決するための管理プログラムは、車両のストレージデバイスを管理する情報処理装置が備える実行装置に実行させるプログラムである。前記情報処理装置は、他の制御装置から受信したデータを前記ストレージデバイスに書き込むことを要求された場合に、前記他の制御装置から受信した前記データを、当該情報処理装置の記憶装置の第2記憶領域に格納し、当該第2記憶領域の前記データを前記ストレージデバイスに書き込むようになっている。当該管理プログラムは、前記実行装置に、前記他の制御装置が送信したデータを、前記記憶装置の第1記憶領域に格納することと、所定の更新条件が成立した場合に、前記第1記憶領域の前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みを要求することと、前記ストレージデバイスへの前記データの書き込みを要求した後に、前記データの書き込みが完了した旨を前記他の制御装置に通知することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
上記情報処理装置、情報処理方法及び管理プログラムは、他の制御装置が情報処理装置にアクセスする回数が増大することを抑制しつつ、データがストレージデバイスに書き込まれたことを他の制御装置に把握させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態の情報処理装置を備えた制御システムの概略を示すブロック図である。
図2図2は、図1の制御システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1の情報処理装置で実行される一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、情報処理装置、情報処理方法及び管理プログラムの一実施形態を図1図3に従って説明する。
図1は、車載の制御システム10を図示している。制御システム10は、情報処理装置20と、情報処理装置20が管理するストレージデバイス30と、複数の制御装置40とを備えている。すなわち、ストレージデバイス30は車両に設けられている。また、制御装置40が「他の制御装置」に対応している。情報処理装置20、ストレージデバイス30及び複数の制御装置40は、バス11を介してデータの送受信を行う。例えば、バス11はCANである。CANは、「Controller Area Network」の略記である。
【0012】
<制御装置>
複数の制御装置40は処理回路41をそれぞれ備えている。例えば、処理回路41は電子制御装置である。この場合、処理回路41は、CPU42と記憶装置43とを有している。記憶装置43は、CPU42によって実行される制御プログラムを記憶している。CPU42は、制御プログラムを実行することによって、少なくとも1つの機能を実現できる。ここでいう「機能」は、車両の走行に関する機能、車両の内部又は外部の画像を記憶させる機能、及び、ファームウェアを自動で更新する機能などを含んでいる。
【0013】
<ストレージデバイス>
ストレージデバイス30は、各種のプログラム及び各種のデータを記憶可能である。ストレージデバイス30は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである。ストレージデバイス30は、NAND型のフラッシュメモリである。ストレージデバイス30の一例は、eMMCである。eMMCは、「embedded Multi Media Card」の略記である。ストレージデバイス30は、書き込み上限回数を有している。ストレージデバイス30に対する書き込み回数は、何かしらのデータを同一のメモリセルに書き込んだ回数に相当する。したがって、ここでいう「書き込み」とは、空のメモリセルに情報を書き込むことはもちろん、既に情報を書き込み済みのメモリセルの記憶内容を上書きすることも含んでいる。また、ストレージデバイス30の書き込み上限回数は、1つのメモリセル又は所定のメモリフレームに書き込み可能な回数である。したがって、データの上書きを含めたストレージデバイス30に書き込みできる総容量は、メモリセル又はメモリフレームの容量、メモリセル又はメモリフレームの数、及び書き込み可能な回数を乗算した値である。
【0014】
<情報処理装置>
情報処理装置20は処理回路21を備えている。制御装置40が送信したデータをバス11を介して情報処理装置20が受信すると、処理回路21は、当該データに基づいてストレージデバイス30の記憶内容を更新する。例えば、処理回路21は電子制御装置である。この場合、処理回路21は、CPU22と第1記憶装置23と第2記憶装置24とを有している。CPU22が「実行装置」に対応している。
【0015】
第1記憶装置23は、CPU22によって実行される制御プログラムを記憶している。例えば、第1記憶装置23は、オペレーションシステム110と、管理プログラム111とを記憶している。CPU22がオペレーションシステム110を実行することにより、CPU22は、制御装置40から受信したデータをストレージデバイス30に書き込むことができる。
【0016】
管理プログラム111は、オペレーションシステム110上で実行されるアプリケーションプログラムである。CPU22が管理プログラム111を実行することにより、CPU22は、データがストレージデバイス30に書き込まれるタイミングを制御したり、データがストレージデバイス30に書き込まれたことを制御装置40に通知したりすることができる。
【0017】
第2記憶装置24は、CPU22の演算結果などが一時的に記憶される。例えば、第2記憶装置24は、第1記憶領域241と第2記憶領域242とを有している。第1記憶領域241には、CPU22が管理プログラム111を実行している場合に、バス11を介して受信したデータが一時的に格納される。第1記憶領域241には、複数のデータを格納できる。第2記憶領域242には、ストレージデバイス30に書き込むデータが格納される。すなわち、データをストレージデバイス30に書き込む場合、CPU22は、第1記憶装置23のデータを第2記憶領域242に格納する。そして、CPU22は、第2記憶領域242のデータをストレージデバイス30に書き込む。
【0018】
<機能構成>
図2を参照し、制御システム10の機能構成について説明する。
図2に示すように、制御装置40の記憶装置43の制御プログラムをCPU42が実行することにより、CPU42が複数の機能部M11,M12,M13,…として機能する。複数の機能部M11,M12,M13,…は上記の機能に相当する。情報処理装置20の第1記憶装置23のオペレーションシステム110をCPU22が実行することにより、CPU22が更新部M30として機能する。第1記憶装置23の管理プログラム111をCPU22が実行することにより、CPU22が管理部M20として機能する。
【0019】
複数の機能部M11,M12,M13,…は、ストレージデバイス30に書き込むデータDTを送信する。
管理部M20は、機能部M11,M12,M13,…からデータDTを受信すると、当該データDTを第1記憶領域241に格納する。すなわち、第1記憶領域241が、管理部M20のキューとして機能する。そのため、第1記憶領域241には、複数のデータDTが蓄積される。
【0020】
管理部M20は、所定の更新条件が成立した場合に、第1記憶領域241のデータDTのストレージデバイス30への書き込みを更新部M30に要求する。例えば、管理部M20は、以下の2つの条件(A1)及び(A2)のうちの少なくとも1つが成立した場合に、更新条件が成立したと判定する。
【0021】
(A1)第1記憶領域241に格納されているデータDTの数が所定数に達すること。
(A2)管理部M20がデータDTを最後に受信してから所定時間が経過すること。
所定数は、第1記憶領域241の記憶容量に応じた数に設定されている。例えば、2以上の値が所定数として設定されている。そのため、管理部M20は、第1記憶領域241でオーバーフローが発生することを抑制できる。
【0022】
管理部M20が最後にデータDTを受信してからある程度の時間が経過しても、次のデータDTが機能部から送信されてこない場合、機能部が停止している可能性がある。そこで、機能部が停止していると判断できる時間の長さが所定時間として設定されている。そのため、管理部M20は、上記の条件(A2)が成立した場合には、機能部が停止したと見なせるため、更新条件が成立したと判定する。
【0023】
管理部M20は、データDTのストレージデバイス30への書き込みを更新部M30に要求した後で、データDTの書き込みが完了した旨を機能部M11,M12,M13,…に通知する。
【0024】
なお、上記の複数の機能部M11,M12,M13,…は、データDTを情報処理装置20に送信した後で当該データDTのストレージデバイス30への書き込みを不要と判断することがある。この場合、複数の機能部M11,M12,M13,…は、データDTをストレージデバイス30に書き込むことをキャンセルする要求を情報処理装置20に送信することがある。こうした要求を「キャンセル要求」という。管理部M20は、キャンセル要求を機能部から受信した場合、第1記憶領域241のデータDTを削除する。例えば、管理部M20は、第1記憶領域241に格納されている全てのデータDTを削除する。
【0025】
更新部M30は、データDTのストレージデバイス30への書き込みを管理部M20から要求された場合に、第1記憶領域241に格納されている全てのデータDTを第2記憶領域242に格納する。すなわち、第2記憶領域242が、更新部M30のキャッシュメモリとして機能する。そして、更新部M30は、第2記憶領域242に格納されている全てのデータDTをストレージデバイス30に書き込む。
【0026】
<情報処理方法>
図3には、情報処理方法における各種の処理の実行手順が図示されている。情報処理装置20のCPU22が、所定の制御サイクル毎に図3に示す一連の処理を実行する。
【0027】
ステップS11において、CPU22は、制御装置40からデータDTを受信したか否かを判定する。CPU22は、データDTを受信した場合(S11:YES)、処理をステップS21に移行する。一方、CPU22は、データDTを受信していない場合(S11:NO)、処理をステップS13に移行する。
【0028】
ステップS13において、CPU22は、上記キャンセル要求を制御装置40から受信したか否かを判定する。CPU22は、キャンセル要求を受信した場合(S13:YES)、処理をステップS15に移行する。一方、CPU22は、キャンセル要求を受信していない場合(S13:NO)、一連の処理を一旦終了する。
【0029】
ステップS15において、CPU22は、管理部M20として機能することにより、第1記憶領域241のデータDTを削除する。すなわち、CPU22は、管理プログラム111を実行することによって、第1記憶領域241のデータDTを削除する。例えば第1記憶領域241に複数のデータDTが格納されている場合、CPU22は、第1記憶領域241の全てのデータDTを削除する。その後、CPU22は一連の処理を一旦終了する。
【0030】
ステップS21において、CPU22は、管理部M20として機能することにより、データDTを第1記憶領域241に格納する。すなわち、CPU22は、管理プログラム111を実行することによって、データDTを第1記憶領域241に格納する。そして、CPU22は処理をステップS23に移行する。
【0031】
ステップS23において、CPU22は、管理部M20として機能することにより、上述した更新条件が成立したか否かを判定する。すなわち、CPU22は、管理プログラム111を実行することによって、更新条件が成立したか否かを判定する。CPU22は、更新条件が成立したと判定した場合(S23:YES)、処理をステップS25に移行する。一方、CPU22は、更新条件が成立していないと判定した場合(S23:NO)、一連の処理を一旦終了する。
【0032】
ステップS25において、CPU22は、管理部M20として機能することにより、第1記憶領域241のデータDTのストレージデバイス30への書き込みを要求する。すなわち、CPU22は、管理プログラム111を実行することによって、第1記憶領域241のデータDTのストレージデバイス30への書き込みを要求する。そして、CPU22は処理をステップS27に移行する。
【0033】
ステップS27において、CPU22は、更新部M30として機能することにより、第1記憶領域241のデータDTを第2記憶領域242に格納する。すなわち、CPU22は、オペレーションシステム110を実行することによって、第1記憶領域241のデータDTを第2記憶領域242に格納する。そして、CPU22は処理をステップS29に移行する。
【0034】
ステップS29において、CPU22は、更新部M30として機能することにより、第2記憶領域242のデータDTをストレージデバイス30に書き込む。すなわち、CPU22は、オペレーションシステム110を実行することによって、第2記憶領域242のデータDTをストレージデバイス30に書き込む。そして、CPU22は処理をステップS31に移行する。
【0035】
ステップS31において、CPU22は、管理部M20として機能することにより、データDTの書き込みが完了した旨を制御装置40に通知する。すなわち、CPU22は、管理プログラム111を実行することによって、データDTの書き込みが完了した旨を制御装置40に通知する。その後、CPU22は一連の処理を一旦終了する。
【0036】
<本実施形態の作用>
制御装置40は、ストレージデバイス30に記憶させる必要のあるデータDTを取得すると、データDTをバス11に送信する。すると、情報処理装置20は、当該データDTをバス11を介して受信する。
【0037】
情報処理装置20のCPU22は、オペレーションシステム110上で管理プログラム111を実行している。そのため、CPU22は、制御装置40から受信したデータDTを第2記憶装置24の第1記憶領域241に格納する。CPU22は、上述した更新条件が成立するまでの間、データDTを第1記憶領域241に格納し続ける。CPU22は、更新条件が成立したと判定すると、データDTのストレージデバイス30への書き込みを要求する。
【0038】
CPU22は、オペレーションシステム110を実行している。そのため、CPU22は、データDTのストレージデバイス30への書き込みが要求されると、第1記憶領域241の全てのデータDTを第2記憶領域242に格納する。これにより、第1記憶領域241に格納されていたデータDTは、第1記憶領域241から消去される。
【0039】
続いて、CPU22は、第2記憶領域242の全てのデータDTをストレージデバイス30に書き込む。また、CPU22は、管理プログラム111を実行しているため、データDTのストレージデバイス30への書き込みが完了した旨をバス11を介して制御装置40に通知する。
【0040】
<本実施形態の効果>
(1)情報処理装置20のCPU22は管理プログラム111を実行する。そのため、CPU22は、データDTをストレージデバイス30に書き込む際に、データDTのストレージへの書き込みが完了した旨を制御装置40に通知する。そのため、制御装置40は、データDTをストレージデバイス30に書き込む指示を情報処理装置20に送信しなくても、データDTがストレージデバイス30に書き込まれたことを把握できる。したがって、情報処理装置20は、制御装置40が情報処理装置20にアクセスする回数が増大することを抑制しつつ、データDTがストレージデバイス30に書き込まれたことを制御装置40に把握させることができる。
【0041】
(2)CPU22は、第1記憶領域241に格納されているデータDTの数が所定数に達した場合に、更新条件が成立したと判定する。これにより、情報処理装置20は、データDTを第1記憶領域241に蓄え続けることによって第1記憶領域241でオーバーフローが発生する前に、データDTをストレージデバイス30に書き込むことができる。
【0042】
(3)CPU22は、データDTを最後に受信してから所定時間が経過した場合に、更新条件が成立したと判定する。これにより、情報処理装置20は、制御装置40で機能が停止したと判定できる場合には、それまでに第1記憶領域241に蓄積したデータDTをストレージデバイス30に書き込むことができる。
【0043】
(4)CPU22は、上記キャンセル要求を制御装置40から受信した場合、第1記憶領域241のデータDTを削除する。これにより、情報処理装置20は、キャンセル要求を制御装置40から受信した場合に、データDTをストレージデバイス30に書き込んでしまうことを抑制できる。
【0044】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0045】
・制御装置40は、複数のデータDTを情報処理装置20に送信した後で、複数のデータDTのうちの一部のデータDTをストレージデバイス30に書き込むことをキャンセルする要求を情報処理装置20に送信することがあり得る。この場合、情報処理装置20のCPU22は、第1記憶領域241の複数のデータDTのうち、上記一部のデータDTのみを削除するようにしてもよい。これにより、情報処理装置20は、上記一部のデータDTをストレージデバイス30に書き込んでしまうことを抑制できる。
【0046】
・更新条件は、上記条件(A1)を含むのであれば、上記条件(A2)を含んでいなくてもよい。反対に、更新条件は、上記条件(A2)を含むのであれば、上記条件(A1)を含んでいなくてもよい。
【0047】
・上記実施形態では、CPU22は、データDTをストレージデバイス30に書き込んだ後に書き込みが完了した旨を制御装置40に通知しているが、これに限らない。例えば、CPU22は、第1記憶領域241のデータDTを第2記憶領域242に格納したことをトリガーとして、書き込みが完了した旨を制御装置40に通知してもよい。すなわち、図3に示した一連の処理において、CPU22は、ステップS31の処理を、ステップS27とステップS29との間で実行してもよい。
【0048】
・上記実施形態では、情報処理装置20とは別に設けられたストレージデバイス30へのデータDTの書き込みについて説明したが、これに限らない。例えば情報処理装置20が不揮発性のメモリを備えている場合は、当該不揮発性のメモリをストレージデバイスと見なすことができる。そのため、情報処理装置20のCPU22は、制御装置40から受信したデータDTを自身の不揮発性のメモリに書き込む場合に図3に示した一連の処理を実行してもよい。
【0049】
・処理回路21は、CPUとROMとを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。すなわち、処理回路21は、以下(a)、(b)及び(c)の何れかの構成であればよい。
【0050】
(a)処理回路21は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含んでいる。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含んでいる。
【0051】
(b)処理回路21は、各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備えている。専用のハードウェア回路としては、例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASIC又はFPGAを挙げることができる。なお、ASICは、「Application Specific Integrated Circuit」の略記であり、FPGAは、「Field Programmable Gate Array」の略記である。
【0052】
(c)処理回路21は、各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうちの残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
【0053】
なお、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」又は「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」又は「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0054】
<技術的思想>
上記実施形態及び複数の変更例から把握できる技術的思想を付記として記載する。
(付記1)他の制御装置から受信したデータを基に、車両のストレージデバイスの記憶内容を更新する情報処理装置であって、
実行装置と、第1記憶装置と、第2記憶装置と、を備え、
前記第1記憶装置は、オペレーションシステムと、前記オペレーションシステム上で実行される管理プログラムと、を記憶しており、
前記実行装置は、
前記管理プログラムを実行することによって、
前記他の制御装置から受信した前記データを前記第2記憶装置の第1記憶領域に格納し、
所定の更新条件が成立した場合に、前記第1記憶領域の前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みを要求し、その後に前記データの書き込みが完了した旨を前記他の制御装置に通知し、
前記実行装置は、
前記オペレーションシステムを実行することによって、
前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みが要求された場合に、前記第1記憶領域の前記データを前記第2記憶装置の第2記憶領域に格納し、当該第2記憶領域の前記データを前記ストレージデバイスに書き込む、情報処理装置。
【0055】
(付記2)前記実行装置は、前記第1記憶領域に格納されている前記データの数が所定数に達した場合に、前記更新条件が成立したと判定する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)前記実行装置は、前記他の制御装置から前記データを最後に受信してから所定時間が経過した場合に、前記更新条件が成立したと判定する、付記1又は付記2に記載の情報処理装置。
【0056】
(付記4)前記実行装置は、
前記管理プログラムを実行することによって、
前記データを前記ストレージデバイスに書き込むことをキャンセルする要求を前記他の制御装置から受信した場合に前記第1記憶領域の前記データを削除する、付記1~付記3のうち何れか一項に記載の情報処理装置。
【0057】
(付記5)前記実行装置は、
前記管理プログラムを実行することによって、
前記第1記憶領域に複数の前記データが格納されている状況下で当該複数のデータのうちの一部のデータを前記ストレージデバイスに書き込むことをキャンセルする要求を前記他の制御装置から受信した場合に、前記第1記憶領域の前記複数のデータのうち、前記一部のデータを削除する、付記1~付記3のうち何れか一項に記載の情報処理装置。
【0058】
(付記6)前記実行装置は、
前記管理プログラムを実行することによって管理部として機能し、
前記オペレーションシステムを実行することによって更新部として機能する、付記1~付記5のうち何れか一項に記載の情報処理装置。
【0059】
(付記7)他の制御装置から受信したデータを基に、車両のストレージデバイスの記憶内容を情報処理装置に更新させる情報処理方法であって、
前記他の制御装置が前記情報処理装置に送信したデータを第1記憶領域に管理部が格納することと、
所定の更新条件が成立した場合に、前記第1記憶領域の前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みを前記管理部が更新部に要求することと、
前記ストレージデバイスへのデータの書き込みを前記管理部が要求した場合に、前記第1記憶領域の前記データを前記更新部が第2記憶領域に格納し、当該第2記憶領域の前記データを前記更新部が前記ストレージデバイスに書き込むことと、
前記データの書き込みが完了した旨を前記管理部が前記他の制御装置に通知することと、を含む情報処理方法。
【0060】
(付記8)車両のストレージデバイスを管理する情報処理装置が備える実行装置に実行させる管理プログラムであって、
前記情報処理装置は、他の制御装置から受信したデータを前記ストレージデバイスに書き込むことを要求された場合に、前記他の制御装置から受信した前記データを、当該情報処理装置の記憶装置の第2記憶領域に格納し、当該第2記憶領域の前記データを前記ストレージデバイスに書き込むようになっており、
前記実行装置に、
前記他の制御装置が送信したデータを、前記記憶装置の第1記憶領域に格納することと、
所定の更新条件が成立した場合に、前記第1記憶領域の前記データの前記ストレージデバイスへの書き込みを要求することと、
前記ストレージデバイスへの前記データの書き込みを要求した後に、前記データの書き込みが完了した旨を前記他の制御装置に通知することと、を実行させる、管理プログラム。
【符号の説明】
【0061】
10…制御システム
20…情報処理装置
22…CPU
23…第1記憶装置
24…第2記憶装置
241…第1記憶領域
242…第2記憶領域
30…ストレージデバイス
40…制御装置
110…オペレーションシステム
111…管理プログラム
M20…管理部
M30…更新部
図1
図2
図3