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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154630
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】買い物用バッグ及び買い物カート
(51)【国際特許分類】
   A45C 3/04 20060101AFI20241024BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20241024BHJP
   A45C 5/14 20060101ALI20241024BHJP
   A45C 5/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A45C3/04 A
B62B3/00 F
A45C5/14 A
A45C5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068561
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000505
【氏名又は名称】アロン化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(72)【発明者】
【氏名】内野 雄市郎
【テーマコード(参考)】
3B045
3D050
【Fターム(参考)】
3B045AA53
3B045EA02
3B045EB11
3B045EB17
3B045FB02
3B045FC04
3B045GB01
3B045GC02
3B045GD07
3B045HA02
3D050AA02
3D050BB05
3D050DD01
3D050EE08
3D050EE15
(57)【要約】
【課題】使い勝手のよい買い物用バッグ及び、その買い物用バッグを備えた買い物カートを提供する。
【解決手段】バッグは、フレーム体51と、フレーム体51の外側に取り付けられ前面及び上面が開口された開口部を有する外装材と、フレーム体51により支持され買い物した物を載せるトレイ54とを備える。フレーム体51は、左右方向に対向して設けられた一対の枠状部材56と、各枠状部材56の後端部を連結して設けられ上下方向に離間して配置された複数の連結バー57とを有する。枠状部材56は、前後方向に離間して配置された一対の縦桟61と、各縦桟61を繋いで設けられ上下方向に複数設けられた横桟64とを有する。各横桟64は、一対の縦桟61よりも左右方向の内側に延出する延出部67を有する。トレイ54は、各枠状部材56の延出部67に載置されることにより支持され、外装材の開口部を通じて引き出し可能とされている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム体と、
前記フレーム体の外側に取り付けられ、少なくとも前面が開口された開口部を有する外装材と、
前記開口部を開閉可能なカバー材と、
前記フレーム体により支持され、買い物した物を載せるトレイと、
を備える買い物用バッグであって、
前記フレーム体は、
左右方向に対向して設けられ、枠状をなす一対の枠状部材と、
前記各枠状部材の後端側を連結して設けられ、上下方向に離間して配置された複数の連結バーとを有し、
前記各枠状部材は、
前後方向に離間して配置された一対の縦桟と、
前記一対の縦桟を繋いで設けられ、上下方向に複数配置された横桟とを有し、
前記複数の横桟は、前記一対の縦桟よりも左右方向の内側に延出する延出部を有し、
前記トレイは、前記各枠状部材の前記延出部に載置されることにより支持され、前記開口部を通じて引き出し可能とされている、買い物用バッグ。
【請求項2】
前記各枠状部材は、前記連結バーが連結される連結部を有しており、
前記連結部は、左右方向における前記枠状部材の内側に突出する筒状をなしており、
前記連結バーは、前記各枠状部材の前記連結部にそれぞれ挿し込まれた状態で、それら各連結部に連結されている、請求項1に記載の買い物用バッグ。
【請求項3】
前記延出部は、前記横桟の長手方向に延びており、
前記延出部には、上方に突出し前記長手方向に延びる突条部と、下方に突出し前記長手方向に延びる突条部とが設けられ、
前記トレイは、左右方向の両端側にそれぞれ下方に突出する突出部を有し、
それら各突出部は、前記各枠状部材の前記延出部における前記上方に突出する前記突条部よりも左右方向外側の位置に載置され、
前記各突条部を含む前記枠状部材は、上下対称の形状を有している、請求項1に記載の買い物用バッグ。
【請求項4】
前記買い物用バッグの底部を構成し、買い物した物を載せる底トレイを備え、
前記底トレイは、前記各枠状部材の下端側に跨がって設けられ、それら各枠状部材にそれぞれ連結されている、請求項1に記載の買い物用バッグ。
【請求項5】
前記各枠状部材は樹脂材料により形成され、
前記各連結バーはアルミニウム合金により形成されている、請求項1に記載の買い物用バッグ。
【請求項6】
前記買い物用バッグの下端部に車輪を有し、
前記車輪の回転軸は、前後方向に延びている、請求項1に記載の買い物用バッグ。
【請求項7】
前後方向の長さが左右方向の長さよりも短い、請求項6に記載の買い物用バッグ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の買い物用バッグと、
前記買い物用バッグを支持するバッグ支持部と、
前記買い物用バッグの上方に設けられ、買い物かごが載置されるかご載置部と、
を備える、買い物カート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、買い物用バッグ、及び買い物用バッグを備える買い物カートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、スーパーマーケット等の店舗にて購入した物を自宅まで運ぶ際に用いられる買い物用バッグが知られている。特許文献1には、買い物用バッグとして、直方体枠状に形成されたフレーム体と、フレーム体の外側に取り付けられた布製の外装材とを備えるものが開示されている。フレーム体は、金属製のパイプ材が複数組み合わされて形成されている。フレーム体は、四隅に設けられた複数の柱部と、フレーム体の両側面と背面とにおいて隣り合う柱部の間に架け渡された複数の横桟とを有する。横桟は、フレーム体の両側面と背面とにおいてそれぞれ上下に複数ずつ配置されている。また、フレーム体の前面側は開口されている。
【0003】
フレーム体の内側には、買い物した物を載せるトレイが設けられている。トレイには、左右方向の両側にフックが取り付けられている。それらのフックがフレーム体の横桟に引っ掛けられることによりトレイが支持されている。
【0004】
外装材は、前面に開口部を有し、その開口部には開閉可能な開閉部が設けられている。この開閉部を開けて開口部を開放させることにより、開口部を通じて買い物した物をトレイに載せたり取り出したりすることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭57-067868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1の買い物用バッグは、フレーム体が金属製パイプが組まれてなるものであるため、バッグの重量が大きくなることが想定される。その場合、バッグを楽に取り扱うことができないおそれがある。
【0007】
また、上記特許文献1の買い物用バッグは、トレイに設けられたフックがフレーム体の横桟に引っ掛けられる構成となっているため、トレイを手前に引き出そうとすると、フックが手前側の柱に当たってそれ以上トレイを手前に引き出すことができない。そのため、買い物の際にバッグ内からトレイを引き出してトレイ上に買い物した物を載せ、その後トレイをバッグ内に戻すといったことができない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、使い勝手のよい買い物用バッグ及び、その買い物用バッグを備えた買い物カートを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、第1の発明の買い物用バッグは、フレーム体と、前記フレーム体の外側に取り付けられ、少なくとも前面が開口された開口部を有する外装材と、前記開口部を開閉可能なカバー材と、前記フレーム体により支持され、買い物した物を載せるトレイと、を備える買い物用バッグであって、前記フレーム体は、左右方向に対向して設けられ、枠状をなす一対の枠状部材と、前記各枠状部材の後端側を連結して設けられ、上下方向に離間して配置された複数の連結バーとを有し、前記各枠状部材は、前後方向に離間して配置された一対の縦桟と、前記一対の縦桟を繋いで設けられ、上下方向に複数配置された横桟とを有し、前記複数の横桟は、前記一対の縦桟よりも左右方向の内側に延出する延出部を有し、前記トレイは、前記各枠状部材の前記延出部に載置されることにより支持され、前記開口部を通じて引き出し可能とされている。
【0010】
第1の発明によれば、フレーム体が、左右方向に対向する一対の枠状部材と、各枠状部材の後端側を連結する上下複数の連結バーとを有している。この場合、各枠状部材を樹脂材料等、軽量の材料により形成し、それら各枠状部材を複数の連結バーにより連結することで、フレーム体の強度を確保しながらフレーム体の軽量化を図ることができる。そのため、買い物用バッグの取り扱いを楽にすることができる。
【0011】
また、各枠状部材は、一対の縦桟と上下複数の横桟とを有しており、複数の横桟は、一対の縦桟よりも左右方向の内側に延出する延出部を有している。トレイは、各枠状部材の延出部に載置されることにより支持され、外装材の開口部を通じて引き出し可能とされている。これにより、買い物の際には、トレイをバッグ内から引き出してトレイの上に買い物した物を載せ、その後、トレイをバッグ内に戻すといったことが可能となる。
【0012】
よって、以上より、買い物用バッグの使い勝手をよいものとすることができる。
【0013】
第2の発明の買い物用バッグは、第1の発明において、前記各枠状部材は、前記連結バーが連結される連結部を有しており、前記連結部は、左右方向における前記枠状部材の内側に突出する筒状をなしており、前記連結バーは、前記各枠状部材の前記連結部にそれぞれ挿し込まれた状態で、それら各連結部に連結されている。
【0014】
第2の発明によれば、連結バーが、各枠状部材の連結部に挿し込まれた状態で、それら各連結部に連結されている。この場合、各枠状部材の位置合わせを容易に行うことができ、ひいては各枠状部材においてトレイが載置される延出部の位置合わせを容易に行うことができる。
【0015】
第3の発明の買い物用バッグは、第1の発明において、前記延出部は、前記横桟の長手方向に延びており、前記延出部には、上方に突出し前記長手方向に延びる突条部と、下方に突出し前記長手方向に延びる突条部とが設けられ、前記トレイは、左右方向の両端側にそれぞれ下方に突出する突出部を有し、それら各突出部は、前記各枠状部材の前記延出部における前記上方に突出する前記突条部よりも左右方向外側の位置に載置され、前記各突条部を含む前記枠状部材は、上下対称の形状を有している。
【0016】
第3の発明によれば、横桟の延出部が横桟の長手方向に延びており、その延出部に上方に突出する突条部と下方に突出する突条部とが設けられている。これらの突条部も横桟の長手方向に延びている。この場合、各横桟の剛性を高めることができるため、枠状部材の強度向上を図ることができ、ひいてはフレーム体の強度向上を図ることができる。
【0017】
また、トレイが左右方向の両端側にそれぞれ下方に突出する突出部を有し、それら各突出部が、各枠状部材の延出部における上側の突出部よりも左右方向外側の位置に載置されている。この場合、トレイが左右にずれるのを抑制することができ、トレイを安定した状態で支持することができる。
【0018】
さらに、各突条部を含む枠状部材が上下対称の形状を有しているため、枠状部材を左側の枠状部材としても右側の枠状部材としても使用することができる。これにより、枠状部材の共通化を図ることができ、コスト低減等の効果を得ることができる。
【0019】
第4の発明の買い物用バッグは、第1の発明において、前記買い物用バッグの底部を構成し、買い物した物を載せる底トレイを備え、前記底トレイは、前記各枠状部材の下端側に跨がって設けられ、それら各枠状部材にそれぞれ連結されている。
【0020】
第4の発明によれば、買い物用バッグの底部を構成する底トレイが、各枠状部材の下端側に跨がって設けられ、それら各枠状部材にそれぞれ連結されている。これにより、底トレイを用いてフレーム体の強度をより高めることができる。
【0021】
第5の発明の買い物用バッグは、第1の発明において、前記各枠状部材は樹脂材料により形成され、前記各連結バーはアルミニウム合金により形成されている。
【0022】
第5の発明によれば、フレーム体の軽量化を好適に図ることができる。
【0023】
第6の発明の買い物用バッグは、第1の発明において、前記買い物用バッグの下端部に車輪を有し、前記車輪の回転軸は、前後方向に延びている。
【0024】
第6の発明によれば、車輪を左右方向に回転させながら買い物用バッグを左右方向に移動させることができる。この場合、買い物用バッグの移動方向がトレイの引き出し方向と異なる方向となっているため、トレイを買い物用バッグから引き出す際に買い物用バッグが移動しにくく、トレイを引き出し易い。
【0025】
第7の発明の買い物用バッグは、第6の発明において、前後方向の長さが左右方向の長さよりも短い。
【0026】
第7の発明によれば、買い物用バッグの前後方向の長さが左右方向の長さよりも短くなっているため、買い物用バッグを屋内等、狭いところで移動させる際に好都合である。また、トレイを買い物用バッグから引き出す際の距離を短くすることができるため、トレイをより引き出し易くすることができる。
【0027】
第8の発明の買い物用カートは、第1乃至第7のいずれかの発明の買い物用バッグと、前記買い物用バッグを支持するバッグ支持部と、前記買い物用バッグの上方に設けられ、買い物かごが載置されるかご載置部と、を備える。
【0028】
第8の発明によれば、買い物用バッグが買い物カートに備え付けられているため、店内で購入した商品を買い物用バッグに収容し、その収容状態で買い物カートを移動させ自宅まで運ぶことが可能となっている。そして、自宅に着いたら、買い物用バッグを買い物カートから取り出し、室内に運ぶことが可能となっている。この場合、上述したように、買い物用バッグの軽量化が図られているため、取り扱いが楽である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】買い物カートを前方から見た斜視図。
図2】買い物カートを前方から見た斜視図であり、バッグを買い物カートから取り外した状態で示している。
図3】買い物カートを示す側面図。
図4】買い物カートを後方から見た斜視図。
図5】バッグの構成を示す斜視図であり、外装材からカバー材を取り外した状態で示している。
図6】外装材及びカバー材を取り外した状態でバッグの内部構成を示す斜視図。
図7】フレーム体を示す斜視図。
図8】枠状部材の横桟周辺を拡大して示す縦断面図。
図9】フレーム体からトレイを上方に離した状態でフレーム体及びトレイを下方から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1及び図2はいずれも買い物カート10を前方から見た斜視図である。図2では、バッグ13を買い物カート10から取り外した状態で示している。図3は、買い物カート10を示す側面図である。図3では便宜上、買い物かごKを二点鎖線で示している。図4は、買い物カート10を後方から見た斜視図である。
【0031】
また、以下の説明では、買い物カート10を移動させる際の移動方向を前後方向とし、その前後方向に対して直交する方向を左右方向とする。
【0032】
図1図4に示すように、買い物カート10は、当該カート10の骨組を構成する第1フレーム11及び第2フレーム12と、買い物した物(商品)を収容するバッグ13と、バッグ13を支持するバッグ支持部14と、買い物かごKを載置するかご載置部15とを備える。本買い物カート10によれば、スーパーマーケット等の店内ではかご載置部15に買い物かごKを載せることでショッピングカートとしての利用が可能となる。また、買い物した後は、買い物した物をバッグ13内に収容し、自宅まで運ぶことが可能となる。なお、バッグ13が「買い物用バッグ」に相当する。
【0033】
第1フレーム11と第2フレーム12とは、側面視において略X字状をなすように互いに交差して配置されている。第1フレーム11は後方に傾斜して延びており、第2フレーム12は前方に傾斜して延びている。これら各フレーム11,12は、互いに交差する交差部において連結されている。第1フレーム11の下端部には前輪16が取り付けられ、第2フレーム12の下端部には後輪17が取り付けられている。また、第1フレーム11は、第2フレーム12よりも上方に延びている。第1フレーム11の上端側には、ユーザが買い物カート10を移動する際に把持するハンドル18が設けられている。
【0034】
第1フレーム11は、上下方向に延びる左右一対の脚フレーム21と、各脚フレーム21の中間部に架け渡された横フレーム22と、各脚フレーム21の上端部に架け渡されたハンドルフレーム23とを有する。これら各フレーム21~23は、金属製のパイプ材又は棒材により形成されている。
【0035】
各脚フレーム21は、上下複数のパイプ材を繋げて形成されている。各脚フレーム21の下端部には前輪16が取り付けられている。また、各脚フレーム21には、かご載置部15を支持する支持部材25が取り付けられている。支持部材25は、前方に張り出す張出部26を有している。また、ハンドルフレーム23には、樹脂製のハンドルカバー28が被せられている。ハンドルカバー28とハンドルフレーム23とによりハンドル18が構成されている。
【0036】
第2フレーム12は、上下方向に延びる左右一対の脚フレーム31と、各脚フレーム31の下端側に架け渡された横フレーム32とを有する。これら各フレーム31,32は、金属製のパイプ材又は棒材により形成されている。各脚フレーム31の下端部に前輪16が取り付けられている。
【0037】
バッグ13は、バッグ支持部14により着脱可能に支持されている。バッグ13の下端部には、複数の車輪33が取り付けられている。これにより、バッグ13をバッグ支持部14(ひいては買い物カート10)から取り出して、車輪33を転がしながら移動させることが可能となっている。したがって、例えば買い物して帰宅した後、玄関でバッグ13を買い物カート10から取り出し、室内側に運ぶことが可能となっている。
【0038】
バッグ支持部14は、第1フレーム11の下端側に設けられ、第1フレーム11の各脚フレーム21の間に配置されている。バッグ支持部14は、各脚フレーム21にそれぞれ連結バー35を介して連結されている。バッグ支持部14は、バッグ13が載置される載置部36と、載置されたバッグ13を後方から受ける受け部37と、載置されたバッグ13が前方に脱落するのを防止するストッパ部38とを有する。
【0039】
バッグ支持部14の載置部36には、バッグ13の下面が載置されている。この場合、バッグ13の各車輪33は、載置部36を挟んだ左右両側に位置している。また、バッグ13は、かかる載置状態で第1フレーム11の各脚フレーム21の間に位置しているとともに、第2フレーム12の各脚フレーム31の間に位置している。また、バッグ13の背面側にはフック39が設けられ、そのフック39が横フレーム22に上方から引っ掛けられている。
【0040】
かご載置部15は、第1フレーム11及び第2フレーム12が交差する交差部よりも上方において、それら各フレーム11,12に跨がって設けられている。かご載置部15は、バッグ支持部14に支持されたバッグ13の上方に配置されている。かご載置部15は、平面視コの字形の枠状をなしており、その開放部を後方に向けた状態で配置されている。
【0041】
かご載置部15は、前後方向に延びる左右一対のアーム41と、各アーム41の前端部に架け渡された前端フレーム42とを有している。前端フレーム42には、後方に張り出す一対の張出部45が設けられている。各張出部45は、左右方向に離間して配置されている。本買い物カート10では、買い物かごKが各張出部45と各支持部材25の張出部26とに跨がって載置されるようになっている。
【0042】
続いて、バッグ13の構成について図1及び図4に加え、図5図7に基づき説明する。図5は、バッグ13の構成を示す斜視図であり、外装材52からカバー材53を取り外した状態で示している。図6は、外装材52及びカバー材53を取り外した状態でバッグ13の内部構成を示す斜視図である。図7は、フレーム体51を示す斜視図である。
【0043】
図1図4及び図5に示すように、バッグ13は、上下方向に延びる略直方体状に形成されている。バッグ13は、前後方向の長さが左右方向の長さよりも短くされている。バッグ13の下端部(詳しくは、後述する底トレイ71)には、上述したように、複数(具体的には4つ)の車輪33が設けられている。各車輪33は、その回転軸33a(図6参照)が前後方向に延びる向きでバッグ13の下端部に取り付けられている。これにより、各車輪33は左右方向に回転可能とされ、その回転によりバッグ13を左右方向に移動させることが可能となっている。
【0044】
バッグ13の背面側には、持ち手47が取り付けられている。持ち手47は、ユーザがバッグ13を買い物カート10から取り出して移動させる際に把持する部分である。バッグ13の背面側には上述したフック39が取り付けられており、そのフック39に持ち手47が回動可能に取り付けられている。バッグ13が買い物カート10のバッグ支持部14に支持されている場合には、持ち手47がバッグ13の背面側に折り畳まれた状態とされる(図4参照)。一方、バッグ13を買い物カート10から取り出して移動させる際には、持ち手47が上方に回動され立ち上がった状態とされる(図5参照)。
【0045】
バッグ13は、フレーム体51と、フレーム体51の外側に取り付けられた外装材52と、カバー材53と、フレーム体51により支持されたトレイ54とを備える。フレーム体51は、図6及び図7に示すように、左右方向に対向して設けられた一対の枠状部材56と、各枠状部材56の後端部を連結して設けられた上下一対の連結バー57とを有する。
【0046】
各枠状部材56は、樹脂材料により矩形枠状に形成され、例えばナイロン樹脂により形成されている。各枠状部材56は、四角環状に形成された外枠部58を有する。外枠部58は、前後方向に離間して配置された一対の縦桟61と、各縦桟61の下端部を繋ぐ下桟62と、各縦桟61の上端部を繋ぐ上桟63とを有する。また、各枠状部材56は、さらに、外枠部58の内側に複数(本実施形態では5つ)の横桟64を有する。これら各横桟64は、各縦桟61を繋いで設けられ、上下方向に等間隔(等ピッチ)で配置されている。なお、各枠状部材56は、ABSやポリプロピレン、ポリエチレン等、他の樹脂材料により形成されてもよいが、ナイロン樹脂により形成されるのが好ましい。
【0047】
各連結バー57は、左右方向に延びる筒状に形成され、詳しくは四角筒状に形成されている。各連結バー57は、アルミニウム合金により形成されている。各連結バー57のうち一方の連結バー57は各枠状部材56の下端部同士を連結しており、他方の連結バー57は各枠状部材56の上端部同士を連結している。
【0048】
各枠状部材56は、連結バー57が連結される連結部66を有している。各枠状部材56は、各連結バー57に対応して連結部66を一対有している。各連結部66は、枠状部材56の後側の縦桟61における上端部及び下端部にそれぞれ配置されている。各連結部66は、左右方向の内側に突出する筒状に形成され、詳しくは四角筒状に形成されている。各連結バー57は、その両端側がそれぞれ各枠状部材56の連結部66に挿し込まれ、その状態でそれら各連結部66に連結されている。
【0049】
続いて、枠状部材56の横桟64の構成について、図7に加え、図8及び図9に基づき説明する。図8は、枠状部材56の横桟64周辺を拡大して示す縦断面図である。図9は、フレーム体51からトレイ54を上方に離した状態でフレーム体51及びトレイ54を下方から見た斜視図である。
【0050】
図7図9に示すように、各枠状部材56において、複数の横桟64はそれぞれ一対の縦桟61よりも左右方向の内側に延出する延出部67を有している。延出部67は、横桟64の長手方向(換言すると前後方向)に延びている。延出部67には、その延出した側の端部に、上方に突出する突条部68aと、下方に突出する突条部68bとが設けられている。これら各突条部68a,68bは、横桟64の長手方向に延びている。また、各突条部68a,68bを含む横桟64は上下対称の形状を有しており、さらには各横桟64を含む枠状部材56が上下対称の形状を有している。
【0051】
このように、枠状部材56は、外枠部58(一対の縦桟61、下桟62、上桟63)と、各突条部68a,68bを含む複数の横桟64と、各連結部66とが樹脂材料により一体成形されることにより形成されている。
【0052】
図6及び図8に示すように、各枠状部材56の延出部67には、トレイ54が載置されている。トレイ54は、これら各延出部67に載置されることにより支持されている。トレイ54は、樹脂材料により四角皿状に形成され、矩形板状の底板部54aと、底板部54aの周縁部から上方に立ち上がる側板部54bとを有している。また、トレイ54の左右方向の長さ(つまり、トレイ54の横幅)は、左右方向における各枠状部材56の縦桟61の間隔よりも小さくなっている。
【0053】
各枠状部材56における複数の横桟64にそれぞれ延出部67が設けられていることで、いずれの延出部67にトレイ54を載置するかにより、トレイ54の高さ位置を変更することが可能となっている。図6の例では、トレイ54が最も高い位置に配置されている。また、図6の例では、トレイ54が一つだけ設けられているが、トレイ54が上下に複数設けられていてもよい。
【0054】
トレイ54は、側板部54bの左右両側の各側面が上方に向けて左右方向外側に傾斜する傾斜面とされている。側板部54bの左右両側の各側面にはそれぞれ係止部69が設けられている。係止部69は、側板部54bに対向して設けられた対向板部69aを有している。対向板部69aは上下方向(略鉛直方向)に延びており、その上端部が側板部54bに接続されている。また、対向板部69aは前後方向に延びており、その前後方向の両端部にはそれぞれ対向板部69aと側板部54bとを繋ぐ繋ぎ部69bが設けられている。
【0055】
トレイ54の各対向板部69aは下方に向けて突出している。トレイ54の各対向板部69aは、各枠状部材56の延出部67に載置されている。この場合、各対向板部69aは、延出部67における突条部68aよりも左右方向外側の位置に載置されている。この載置状態で対向板部69aは突条部68aに対して係止され、その係止によりトレイ54が左右にずれることが規制されている。また、係止部69の各繋ぎ部69bは、前後方向における突条部68aを挟んだ両側に配置されている。そのため、各繋ぎ部69bにより、トレイ54が前後方向にずれることが規制されている。なお、この場合、対向板部69aが「突出部」に相当する。
【0056】
図5及び図6に示すように、バッグ13は、その底部を構成する底トレイ71を有している。底トレイ71は、樹脂材料により四角皿状に形成されている。底トレイ71には、買い物した物を載せることが可能となっている。底トレイ71は、フレーム体51の各枠状部材56の下端側に跨がって設けられ、それら各枠状部材56にそれぞれ連結されている。具体的には、底トレイ71は、矩形板状の底板部71aと、底板部71aの周縁部から上方に立ち上がる側板部71bとを有している。各枠状部材56は、その下桟62が底トレイ71の内側に入り込んでおり、その入り込んだ下桟62に対して底トレイ71の側板部71bが化粧ねじ74により固定されている。
【0057】
図5に示すように、外装材52は、布材により形成され、フレーム体51の外側に取り付けられている。外装材52は、フレーム体51を後方から覆う背板部52aと、フレーム体51を両側方からそれぞれ覆う一対の側板部52bとを有する。各側板部52bは、フレーム体51の枠状部材56に化粧ねじ76により固定されている。
【0058】
外装材52は、前面及び上面がそれぞれ開口されている。この場合、外装材52には、前面及び上面に跨る開口部78が形成されている。開口部78の開口幅は、トレイ54の横幅よりも大きくなっている。この開口部78を通じてトレイ54をバッグ13の外に引き出すことが可能となっている。
【0059】
外装材52の開口部78には、カバー材53が設けられている。カバー材53は、開口部78を開閉するものであり、布材により形成されている。カバー材53と外装材52との境界部には、その境界部に沿って線ファスナ79が設けられている。この線ファスナ79により、カバー材53は、外装材52に着脱可能に取り付けられている。
【0060】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0061】
フレーム体51が、左右方向に対向する一対の枠状部材56と、各枠状部材56の後端部を連結する上下複数の連結バー57とを有している。この場合、各枠状部材56を、軽量の材料である樹脂材料により形成し、それら各枠状部材56を複数の連結バー57により連結することで、フレーム体51の強度を確保しながらフレーム体51の軽量化を図ることができる。そのため、バッグ13の取り扱いを楽にすることができる。
【0062】
また、各枠状部材56は、一対の縦桟61と上下複数の横桟64とを有しており、複数の横桟64は、一対の縦桟61よりも左右方向の内側に延出する延出部67を有している。トレイ54は、各枠状部材56の延出部67に載置されることにより支持され、外装材52の開口部78を通じて引き出し可能とされている。これにより、買い物の際には、トレイ54をバッグ13内から引き出してトレイ54の上に買い物した物を載せ、その後、トレイ54をバッグ13内に戻すといったことが可能となる。
【0063】
よって、以上より、バッグ13の使い勝手をよいものとすることができる。
【0064】
各枠状部材56は、連結バー57が連結される連結部66を有しており、連結部66は、左右方向における枠状部材56の内側に突出する筒状をなしている。連結バー57は、各枠状部材56の連結部66に挿し込まれた状態で、それら各連結部66に連結されている。この場合、各枠状部材56の位置合わせを容易に行うことができ、ひいては各枠状部材56においてトレイ54が載置される延出部67の位置合わせを容易に行うことができる。
【0065】
横桟64の延出部67が横桟64の長手方向に延びており、その延出部67に上方に突出する突条部68aと下方に突出する突条部68bとが設けられている。これらの突条部68a,68bも横桟64の長手方向に延びている。この場合、各横桟64の剛性を高めることができるため、枠状部材56の強度向上を図ることができ、ひいてはフレーム体51の強度向上を図ることができる。
【0066】
また、トレイ54が左右方向の両端側にそれぞれ下方に突出する対向板部69aを有しており、それら各対向板部69aが、各枠状部材56の延出部67における上側の突条部68aよりも左右方向外側の位置に載置されている。この場合、トレイ54が左右にずれるのを抑制することができ、トレイ54を安定した状態で支持することができる。
【0067】
さらに、各突条部68a,68bを含む枠状部材56が上下対称の形状を有しているため、枠状部材56を左側の枠状部材としても右側の枠状部材としても使用することができる。これにより、枠状部材56の共通化を図ることができ、コスト低減等の効果を得ることができる。
【0068】
バッグ13の底部を構成する底トレイ71が、各枠状部材56の下端側に跨がって設けられ、それら各枠状部材56にそれぞれ連結されている。これにより、底トレイ71を用いてフレーム体51の強度をより高めることができる。
【0069】
各枠状部材56は樹脂材料により形成され、各連結バー57はアルミニウム合金により形成されているため、フレーム体51の軽量化を好適に図ることができる。
【0070】
車輪33の回転軸33aが前後方向に延びているため、車輪33を左右方向に回転させながらバッグ13を左右方向に移動させることができる。この場合、バッグ13の移動方向がトレイ54の引き出し方向と異なる方向となっているため、トレイ54をバッグ13から引き出す際にバッグ13が移動しにくく、トレイ54を引き出し易い。
【0071】
バッグ13の前後方向の長さが左右方向の長さよりも短くなっているため、バッグ13を屋内等、狭いところで移動させる際に好都合である。また、トレイ54をバッグ13から引き出す際の距離を短くすることができるため、トレイ54をより引き出し易くすることができる。
【0072】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0073】
・上記実施形態の構成において、係止部69の各繋ぎ部69bを設けないようにしてもよい。この場合、トレイ54の各係止部69の対向板部69aをそれぞれ延出部67に載置した状態で、トレイ54を延出部67に沿ってスライド可能とすることができる。そして、かかるスライドにより、トレイ54を外装材52の開口部78を通じて引き出し可能とすることができる。この場合、トレイ54を手前側にスライドさせるだけで容易に引き出すことが可能となる。
【0074】
・上記実施形態では、横桟64の延出部67に上方に突出する突条部68aと下方に突出する突条部68bとをそれぞれ設けたが、延出部67に上方に突出する突条部68aのみ設けるようにしてもよい。この場合にも、トレイ54が左右にずれるのを抑制することができる。
【0075】
・上記実施形態では、横桟64の延出部67を横桟64の長手方向に延びるように形成したが、例えば延出部を横桟64の長手方向の両端側にそれぞれ部分的に設けるようにしてもよい。この場合にも、トレイ54を各枠状部材56の延出部に載置することにより支持することができる。
【0076】
・上記実施形態では、外装材52の前面及び上面が開口するように開口部78が形成されていたが、外装材52の前面のみが開口するように開口部が形成されていてもよい。この場合でも、開口部を通じてトレイ54を引き出すことができる。
【0077】
・上記実施形態では、買い物カート10に備え付けのバッグ13(買い物用バッグ)に本発明を適用したが、買い物カート10とは独立して設けられる買い物用バッグに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0078】
10…買い物カート、13…買い物用バッグとしてのバッグ、14…かご支持部、15…かご載置部、51…フレーム体、52…外装材、53…カバー材、54…トレイ、56…枠状部材、57…連結バー、61…縦桟、64…横桟、66…連結部、67…延出部、68a,68b…突条部、71…底トレイ、78…開口部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9