IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊田自動織機の特許一覧

<>
  • 特開-糸又は織布の撮影装置 図1
  • 特開-糸又は織布の撮影装置 図2
  • 特開-糸又は織布の撮影装置 図3
  • 特開-糸又は織布の撮影装置 図4
  • 特開-糸又は織布の撮影装置 図5
  • 特開-糸又は織布の撮影装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154647
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】糸又は織布の撮影装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/898 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G01N21/898 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068585
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松岡 大輔
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA40
2G051AB20
2G051BA20
2G051BB01
2G051CA03
2G051CA04
2G051EA17
2G051EA27
(57)【要約】
【課題】撮影画像における糸又は織布を認識しやすくなる糸又は織布の撮影装置を提供する。
【解決手段】撮影対象が糸又は織布である糸又は織布の撮影装置は、撮影対象を撮影するカメラと、撮影対象を照らす照明と、撮影対象の色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する輝度設定部と、カメラによる撮影画像から撮影対象の輝度を検出する輝度検出部と、輝度設定部が設定した目標値と輝度検出部が検出した撮影対象の輝度とに基づいて、撮影画像における撮影対象の輝度が目標値になるように照明の明るさを制御する明るさ制御部とを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影対象が糸又は織布である糸又は織布の撮影装置であって、
前記撮影対象を撮影するカメラと、
前記撮影対象を照らす照明と、
前記撮影対象の色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する輝度設定部と、
前記カメラによる撮影画像から前記撮影対象の輝度を検出する輝度検出部と、
前記輝度設定部が設定した前記目標値と前記輝度検出部が検出した前記撮影対象の輝度とに基づいて、前記撮影画像における前記撮影対象の輝度が前記目標値になるように前記照明の明るさを制御する明るさ制御部と、
を備えることを特徴とする糸又は織布の撮影装置。
【請求項2】
前記カメラが撮影を継続している間、前記輝度検出部は、前記撮影対象の輝度の検出を繰り返し行うとともに、前記明るさ制御部は、前記照明の明るさの制御を繰り返し行う請求項1に記載の糸又は織布の撮影装置。
【請求項3】
前記撮影画像から前記撮影対象の色を検出する色検出部を備え、
前記輝度設定部は、前記撮影対象の色と前記適正値との関係を記憶しており、前記色検出部が検出した前記撮影対象の色に対応する前記適正値を前記目標値として設定する請求項1に記載の糸又は織布の撮影装置。
【請求項4】
前記撮影画像のうち、前記撮影対象が含まれる領域を対象領域として設定する領域設定部を備え、
前記色検出部は、前記対象領域の色を検出することにより、前記撮影対象の色を検出し、
前記輝度検出部は、前記対象領域の輝度を検出することにより、前記撮影対象の輝度を検出する請求項3に記載の糸又は織布の撮影装置。
【請求項5】
前記撮影対象は、経糸のうち、緯糸が緯入れされる開口を形成する部分である請求項1に記載の糸又は織布の撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影対象が糸又は織布である糸又は織布の撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影装置は、撮影対象を撮影するカメラと、撮影対象を照らす照明とを備えている。撮影装置は、織機における経糸の開口状態を検査するために用いられることがある。この場合、撮影装置の撮影対象は経糸である。作業者又は検査装置は、撮影画像における経糸を認識することによって、経糸の開口状態が適切な状態であるかを検査する。撮影装置は、緯糸の飛走状態を検査するために用いられることがある。この場合、撮影装置の撮影対象は緯糸である。作業者又は検査装置は、撮影画像における緯糸を認識することによって、緯糸の飛走状態が適切な状態であるかを検査する。撮影装置は、織布を検査するために用いられることがある。この場合、撮影装置の撮影対象は織布である。作業者又は検査装置は、撮影画像における織布を認識することによって、織布に異常がないかを検査する。
【0003】
特許文献1に記載の自動検反装置は、織布の撮影装置を備えている。織布の撮影装置は、照明の明るさを制御する明るさ制御部を備えている。明るさ制御部は、カメラから出力されたビデオ信号を受ける。明るさ制御部は、ビデオ信号の平均レベルが予め設定したレベルになるように照明の明るさを上下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-254503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、撮影画像全体の輝度に基づいて照明の明るさが制御されることによって、撮影画像全体の輝度が調整される。しかしながら、撮影画像における撮影対象の輝度が、作業者又は検査装置が撮影画像における撮影対象を認識するのに適した輝度になっているとは限らない。このため、例えば、照明の明るさが明るすぎることによって、撮影画像において撮影対象が白っぽく写る、いわゆる白飛びが発生することがある。この場合、作業者又は検査装置は、撮影画像において撮影対象を認識しにくくなるため、撮影対象を誤認識するおそれがある。また、照明の明るさが暗すぎることによって、撮影画像において撮影対象が暗く写ることがある。この場合も、作業者又は検査装置は、撮影画像において撮影対象を認識しにくくなるため、撮影対象を誤認識するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するための糸又は織布の撮影装置は、撮影対象が糸又は織布である糸又は織布の撮影装置であって、前記撮影対象を撮影するカメラと、前記撮影対象を照らす照明と、前記撮影対象の色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する輝度設定部と、前記カメラによる撮影画像から前記撮影対象の輝度を検出する輝度検出部と、前記輝度設定部が設定した前記目標値と前記輝度検出部が検出した前記撮影対象の輝度とに基づいて、前記撮影画像における前記撮影対象の輝度が前記目標値になるように前記照明の明るさを制御する明るさ制御部と、を備えることを要旨とする。
【0007】
上記構成によれば、輝度設定部は、撮影対象の色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する。明るさ制御部は、撮影画像における撮影対象の輝度が目標値となるように照明の明るさを制御する。このように照明の明るさは、撮影対象の色に基づいて制御される。このため、撮影装置は、撮影画像における撮影対象の認識しやすさが撮影対象の色によって異なることを考慮して撮影を行うことができる。これにより、作業者又は検査装置は、撮影画像における糸又は織布を認識しやすくなる。
【0008】
また、輝度検出部は、カメラによる撮影画像から撮影対象の輝度を検出する。明るさ制御部は、撮影画像における撮影対象の輝度が目標値となるように照明の明るさを制御する。このように照明の明るさは、撮影対象の輝度に基づいて制御される。このため、照明の明るさが撮影画像全体の輝度に基づいて制御される場合と比較して、撮影画像における撮影対象の輝度を、作業者又は検査装置が撮影画像における撮影対象を認識するのに適した輝度にしやすい。これによっても、作業者又は検査装置は、撮影画像における糸又は織布を認識しやすくなる。その結果、作業者又は検査装置は、撮影画像における糸又は織布を誤認識しにくくなる。
【0009】
上記糸又は織布の撮影装置において、前記カメラが撮影を継続している間、前記輝度検出部は、前記撮影対象の輝度の検出を繰り返し行うとともに、前記明るさ制御部は、前記照明の明るさの制御を繰り返し行ってもよい。
【0010】
撮影期間が長い場合、照明に埃などが付着することによって、照度が徐々に低下していくことがある。上記構成によれば、カメラが撮影を継続している間、輝度検出部は、撮影対象の輝度の検出を繰り返し行うとともに、明るさ制御部は、照明の明るさの制御を繰り返し行う。したがって、撮影期間の終盤においても、撮影画像における糸又は織布を認識しやすい。
【0011】
上記糸又は織布の撮影装置において、前記撮影画像から前記撮影対象の色を検出する色検出部を備え、前記輝度設定部は、前記撮影対象の色と前記適正値との関係を記憶しており、前記色検出部が検出した前記撮影対象の色に対応する前記適正値を前記目標値として設定してもよい。
【0012】
上記構成によれば、撮影装置によって、目標値を自動的に設定することができる。したがって、作業者が撮影装置に対して撮影対象の色、又は撮影対象の色に対応する輝度の適正値を入力する手間を省くことができる。
【0013】
上記糸又は織布の撮影装置において、前記撮影画像のうち、前記撮影対象が含まれる領域を対象領域として設定する領域設定部を備え、前記色検出部は、前記対象領域の色を検出することにより、前記撮影対象の色を検出し、前記輝度検出部は、前記対象領域の輝度を検出することにより、前記撮影対象の輝度を検出してもよい。
【0014】
上記糸又は織布の撮影装置において、前記撮影対象は、経糸のうち、緯糸が緯入れされる開口を形成する部分であってもよい。
上記構成によれば、作業者又は検査装置は、撮影画像における経糸の開口を形成する部分を認識しやすくなる。したがって、作業者又は検査装置は、経糸の開口状態を検査しやすくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、撮影画像における糸又は織布を認識しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、織機及び撮影装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、外部入力信号とトリガ信号との関係を示す図である。
図3図3は、制御部の機能要素を示すブロック図である。
図4図4は、撮影画像の一例を示す模式図である。
図5図5は、糸の色と輝度の適正値との関係を示す図である。
図6図6は、照明の明るさの調整方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、糸又は織布の撮影装置を具体化した一実施形態を図1図6にしたがって説明する。本実施形態の糸又は織布の撮影装置は、作業者又は検査装置が経糸の開口状態を検査するために用いられる。したがって、本実施形態の撮影対象は、経糸、より詳しくは、経糸のうち、緯糸が緯入れされる開口を形成する部分である。以下では、糸又は織布の撮影装置を単に「撮影装置」という。
【0018】
<織機>
図1に示すように、織機100は、機台101を備えている。機台101は、図示しない緯入れノズルと主軸102とを有している。緯入れノズルは、機台101の幅方向の第1端に設けられている。本実施形態の織機100は、エアジェット織機である。緯入れノズルは、機台101の幅方向の第1端から第2端に向かってエアを噴出することにより、経糸Tの開口Ta(図4参照)に対して緯糸を緯入れする。主軸102は、図示しないメインモータにより回転駆動される。緯入れノズルが緯糸を緯入れするタイミングは、主軸102の回転角度に対応している。具体的には、主軸102が特定の角度から所定の角度だけ回転したタイミングで、緯入れノズルは緯糸を緯入れする。以下の説明では、主軸102の特定の角度を基準角度という。また、基準角度に対する遅れ角を遅延角度という。
【0019】
織機100は、角度検出部103と、信号出力部104とを備えている。角度検出部103は、主軸102の回転角度を検出する。角度検出部103は、例えば、ロータリエンコーダである。角度検出部103は、信号出力部104に接続されている。角度検出部103は、検出した主軸102の回転角度を信号出力部104に送信する。信号出力部104は、角度検出部103から受信した主軸102の回転角度が予め設定された基準角度になる度に撮影装置10に信号を出力する。
【0020】
<撮影装置>
撮影装置10は、カメラ11と、照明12と、トリガユニット13と、パーソナルコンピュータ14とを備えている。
【0021】
カメラ11は、デジタルカメラである。カメラ11は、撮像素子を有している。撮像素子としては、例えば、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device image sensor)やCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor image sensor)が挙げられる。カメラ11は、RGBカメラである。したがって、カメラ11による撮影画像は、RGB画像である。
【0022】
カメラ11は、撮影対象を撮影可能な位置に設けられている。本実施形態のカメラ11は、経糸Tのうち、緯糸が緯入れされる開口Taを形成する部分を撮影可能な位置に設けられている。具体的には、カメラ11は、機台101の幅方向において緯入れノズルが位置する側の端である第1端に配置されている。カメラ11は、緯糸の緯入れ方向の上流側から下流側に向かって経糸Tを撮影する。
【0023】
本実施形態の照明12は、LEDライトである。照明12は、撮影対象を照らす位置に設けられている。本実施形態の照明12は、経糸Tのうち、緯糸が緯入れされる開口Taを形成する部分を照らす位置に設けられている。具体的には、照明12は、機台101の幅方向において緯入れノズルが位置する側の端である第1端に配置されている。照明12は、緯糸の緯入れ方向の上流側から下流側に向かって経糸Tを照らす。
【0024】
トリガユニット13は、プロセッサ13aと記憶部13bとを有している。プロセッサ13aとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びDSP(Digital Signal Processor)を挙げることができる。記憶部13bは、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部13bは、処理をプロセッサ13aに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部13b、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。トリガユニット13は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路であるトリガユニット13は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0025】
トリガユニット13は、カメラ11及び照明12と接続されている。トリガユニット13は、カメラ11が撮影を行うタイミング及び照明12が発光するタイミングを制御する。トリガユニット13は、織機100の信号出力部104と接続されている。信号出力部104が出力した信号は、外部入力信号としてトリガユニット13に入力される。トリガユニット13は、パーソナルコンピュータ14と接続されている。トリガユニット13には、パーソナルコンピュータ14から撮影用遅延角度が入力される。撮影用遅延角度は、カメラ11が撮影を行うタイミングを規定するものである。トリガユニット13は、織機100から入力される外部入力信号と、パーソナルコンピュータ14から入力される撮影用遅延角度とに基づいて、カメラ11が撮影を行うタイミング及び照明12が発光するタイミングを制御する。
【0026】
図2に示すように、トリガユニット13は、外部入力信号が入力される間隔から主軸102の回転周期Tmを把握する。トリガユニット13は、主軸102の回転周期Tm及び基準角度を用いて撮影用遅延角度を遅延時間Tdに換算する。トリガユニット13は、外部入力信号が入力された時刻trから遅延時間Td経過した時刻tsにおいて、カメラ11及び照明12に対して同時にトリガ信号を出力する。つまり、トリガユニット13は、主軸102が基準角度から撮影用遅延角度だけ回転したタイミングで、カメラ11及び照明12に対して同時にトリガ信号を出力する。
【0027】
カメラ11は、トリガユニット13からトリガ信号が入力されると撮影を行う。照明12は、トリガユニット13からトリガ信号が入力されると発光する。したがって、照明12は、カメラ11が経糸Tを撮影するのと同時に経糸Tを照らす。トリガユニット13は、所定の撮影期間、所定の撮影間隔で撮影装置10に撮影を行わせる。
【0028】
また、トリガユニット13は、照明12の明るさを制御する。トリガユニット13には、パーソナルコンピュータ14から照明12の明るさを制御するための明るさ制御値が入力される。トリガユニット13は、パーソナルコンピュータ14から入力された照明12の明るさ制御値にしたがって照明12を制御することにより、照明12の明るさを制御する。本実施形態では、照明12の明るさ制御値は、LEDライトに供給する電流値である。LEDライトに供給される電流値が大きいほど、照明12の明るさは明るくなる。
【0029】
図1に示すように、パーソナルコンピュータ14は、入力部15と、表示部16と、制御部17とを有している。
入力部15は、例えば、キーボードやマウスである。入力部15は、制御部17に接続されている。表示部16は、ディスプレイである。表示部16は、制御部17に接続されている。表示部16は、制御部17によって制御される。
【0030】
制御部17は、プロセッサ17aと記憶部17bとを有している。プロセッサ17aとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びDSP(Digital Signal Processor)を挙げることができる。記憶部17bは、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部17bは、処理をプロセッサ17aに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部17b、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御部17は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御部17は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0031】
作業者は、入力部15によって、制御部17に対して撮影用遅延角度を入力する。パーソナルコンピュータ14は、作業者によって入力された撮影用遅延角度をトリガユニット13に送信する。
【0032】
パーソナルコンピュータ14は、カメラ11と接続されている。パーソナルコンピュータ14は、カメラ11から撮影画像を取得する。パーソナルコンピュータ14は、取得した撮影画像を蓄積する。本実施形態では、パーソナルコンピュータ14は、カメラ11による撮影画像を表示部16に表示する。作業者は、表示部16により、撮影画像を確認することができる。そして、作業者が経糸Tの開口状態を検査する場合には、作業者は、撮影画像における経糸Tの状態を認識することによって、経糸Tの開口状態を検査する。
【0033】
検査装置が経糸Tの開口状態を検査する場合には、パーソナルコンピュータ14は、撮影画像を検査装置に送信する。検査装置は、例えば、撮影画像が入力されると、撮影画像における経糸Tの状態を出力するように学習された学習済みモデルを有している。検査装置は、学習済みモデルを用いて撮影画像における経糸Tの状態を認識する。そして、検査装置は、認識した経糸Tの状態から経糸Tの開口状態を検査する。なお、パーソナルコンピュータ14の制御部17が検査装置として機能してもよい。この場合、検査装置への撮影画像の送信は不要である。
【0034】
作業者は、入力部15によって、カメラ11による撮影画像において撮影対象が含まれる領域を選択する。本実施形態では、作業者は、入力部15として、例えばマウスを用いて、表示部16に表示されたカメラ11による撮影画像において経糸Tが含まれる領域を選択する。
【0035】
図3に示すように、制御部17は、領域設定部21と、色検出部22と、輝度設定部23と、輝度検出部24と、判定部25と、明るさ設定部26とを有している。領域設定部21、色検出部22、輝度設定部23、輝度検出部24、判定部25、及び明るさ設定部26は、プロセッサ17aが記憶部17bに記憶されたプログラムを実行することで機能する機能要素である。
【0036】
図4は、カメラ11による撮影画像Pの一例を示す模式図である。撮影画像Pには、撮影対象である経糸Tの開口Taを形成する部分だけでなく、筬105などの織機100の構成部品や背景が含まれている。
【0037】
領域設定部21は、カメラ11による撮影画像Pのうち、撮影対象が含まれる領域を対象領域Aとして設定する。本実施形態では、領域設定部21は、カメラ11による撮影画像Pのうち、経糸Tの開口Taを形成する部分が含まれる領域を対象領域Aとして設定する。
【0038】
上述したように、本実施形態では、作業者は、入力部15によって、撮影画像Pにおいて経糸Tが含まれる領域を選択する。本実施形態の領域設定部21は、作業者によって選択された領域を対象領域Aとして設定する。これにより、カメラ11による撮影画像Pのうち、経糸Tが含まれる領域が対象領域Aとして設定される。対象領域Aは、領域の大半が経糸Tに占められるように適宜設定される。
【0039】
色検出部22は、カメラ11による撮影画像Pから撮影対象の色を検出する。本実施形態では、色検出部22は、カメラ11による撮影画像Pから経糸Tの色を検出する。具体的には、色検出部22は、対象領域AのRGBの各階調に基づいて対象領域Aの色を検出する。上述したように、対象領域Aの大半は経糸Tが占めている。したがって、色検出部22が検出した対象領域Aの色は、経糸Tの色とみなすことができる。このように本実施形態の色検出部22は、対象領域Aの色を検出することにより、経糸Tの色を検出する。
【0040】
輝度設定部23は、撮影対象の色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する。本実施形態では、輝度設定部23は、経糸Tの色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する。
【0041】
上述したように、作業者又は検査装置は、経糸Tの開口状態を検査するために撮影画像Pにおける経糸Tを認識する。このとき、画像における経糸Tの認識のしやすさは経糸Tの色によって異なる。経糸Tの色が暗いほど、画像における経糸Tを認識しにくくなる。例えば、経糸Tが黒色である場合の方が、経糸Tが白色である場合よりも、画像における経糸Tを認識しにくい。このため、経糸Tの色が暗いほど画像の輝度を上げれば、経糸Tの色に依らず画像における経糸Tの認識しやすさを確保できる。撮影対象の色に対応する輝度の適正値は予め設定されている。輝度の適正値は、作業者又は検査装置が撮影画像Pにおける経糸Tを誤認識しにくいような輝度に設定されている。輝度の適正値は、経糸Tが明色である場合よりも暗色である場合の方が大きくなるように設定される。本実施形態では、輝度の適正値は、幅を持たせて設定されている。
【0042】
例えば、図5に示すように、経糸Tの色が明色である場合の輝度の適正値は、L1以上L2以下に設定されている。経糸Tの色が暗色である場合の輝度の適正値は、L3以上L4以下に設定されている。ただし、L2<L3である。経糸Tの色が明色より暗く、かつ暗色よりも明るい中間色である場合の輝度の適正値は、L5以上L6以下に設定されている。ただし、L2<L5、L6<L3である。例えば、明色は白色や黄色であり、中間色は青色であり、暗色は黒色である。
【0043】
輝度設定部23は、経糸Tの色と輝度の適正値との関係を記憶している。輝度設定部23は、経糸Tの色と輝度の適正値との関係から、色検出部22が検出した経糸Tの色に対応する輝度の適正値を把握する。輝度設定部23は、把握した輝度の適正値を目標値として設定する。例えば、色検出部22が経糸Tの色を白色であると検出した場合、輝度設定部23は、経糸Tの色が明色であることから、目標値をL1以上L2以下に設定する。
【0044】
輝度検出部24は、カメラ11による撮影画像Pから撮影対象の輝度を検出する。本実施形態では、輝度検出部24は、カメラ11による撮影画像Pから経糸Tの輝度を検出する。具体的には、輝度検出部24は、対象領域AのRGB画像をグレースケール画像に変換する。輝度検出部24は、対象領域Aのグレースケール画像の階調から対象領域Aの輝度を検出する。上述したように、対象領域Aの大半は経糸Tが占めている。したがって、輝度検出部24が検出した対象領域Aの輝度は、経糸Tの輝度とみなすことができる。このように本実施形態の輝度検出部24は、対象領域Aの輝度を検出することにより、経糸Tの輝度を検出する。
【0045】
判定部25は、輝度設定部23が設定した目標値と、輝度検出部24が検出した撮影対象の輝度とを比較することによって、照明12の明るさの変更の要否を判定する。判定部25は、輝度検出部24が検出した撮影対象の輝度が目標値である場合、照明12の明るさの変更が不要であると判定する。一方、判定部25は、輝度検出部24が検出した撮影対象の輝度が目標値でない場合、照明12の明るさの変更が必要であると判定する。
【0046】
明るさ設定部26は、判定部25の判定結果に基づいて照明12の明るさ制御値を設定する。本実施形態では、明るさ設定部26は、判定部25の判定結果に基づいてLEDライトに供給する電流値を設定する。判定部25が照明12の明るさの変更が不要であると判定した場合、明るさ設定部26は、照明12の明るさ制御値を現在の明るさ制御値から変更しない。一方、判定部25が照明12の明るさの変更が必要であると判定した場合、明るさ設定部26は、照明12の明るさ制御値を現在の明るさ制御値から変更する。明るさ設定部26は、照明12の明るさを撮影画像Pにおける撮影対象の輝度が目標値になるような明るさにするために、照明12の明るさ制御値を設定する。
【0047】
具体的には、撮影対象の輝度が目標値の下限を下回っている場合、明るさ設定部26は、照明12の明るさを明るくするために、照明12の明るさ制御値を現在の明るさ制御値よりも増大させる。本実施形態では、明るさ設定部26は、LEDライトに供給する電流値を現在の電流値よりも大きい値に設定する。一方、撮影対象の輝度が目標値の上限を上回っている場合、明るさ設定部26は、照明12の明るさを暗くするために、照明12の明るさ制御値を現在の明るさ制御値よりも減少させる。本実施形態では、明るさ設定部26は、LEDライトに供給する電流値を現在の電流値よりも小さい値に設定する。
【0048】
パーソナルコンピュータ14は、明るさ設定部26が設定した照明12の明るさ制御値をトリガユニット13に送信する。トリガユニット13は、パーソナルコンピュータ14から受信した照明12の明るさ制御値にしたがって照明12を制御する。これにより、撮影画像Pにおける撮影対象の輝度が目標値の下限を下回っている場合には、照明12の明るさは明るくなるように制御される。撮影画像Pにおける撮影対象の輝度が目標値の上限を上回っている場合には、照明12の明るさは暗くなるように制御される。その結果、撮影画像Pにおける撮影対象の輝度は目標値になる。
【0049】
判定部25、明るさ設定部26、及びトリガユニット13は、明るさ制御部を構成している。明るさ制御部は、輝度設定部23が設定した目標値と輝度検出部24が検出した撮影対象の輝度とに基づいて、撮影画像Pにおける撮影対象の輝度が目標値となるように照明12の明るさを制御する。
【0050】
<照明の明るさの調整方法>
撮影装置10が行う照明12の明るさの調整方法について説明する。
図6に示すように、ステップS11において、領域設定部21は、カメラ11による撮影画像Pのうち、経糸Tが含まれる領域を対象領域Aとして設定する。ステップS12において、色検出部22は、カメラ11による撮影画像Pから経糸Tの色を検出する。ステップS13において、輝度設定部23は、経糸Tの色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する。ステップS14において、輝度検出部24は、撮影画像Pから経糸Tの輝度を検出する。ステップS15において、明るさ制御部の判定部25は、ステップS14において検出された経糸Tの輝度が、ステップS13において設定された目標値であるか否かを判定する。
【0051】
経糸Tの輝度が目標値でない場合(ステップS15でNO)、ステップS16に進む。ステップS16において、明るさ制御部は、照明12の明るさを変更する。具体的には、明るさ設定部26は、照明12の明るさ制御値を変更する。トリガユニット13は、明るさ設定部26によって変更された照明12の明るさ制御値にしたがって照明12を制御する。一方、経糸Tの輝度が目標値である場合(ステップS15でYES)、ステップS17に進む。照明12の明るさは変更されない。
【0052】
カメラ11が撮影を継続している場合、すなわちパーソナルコンピュータ14がカメラ11から新たな撮影画像Pを受信している場合(ステップS17でYES)、ステップS14に戻る。つまり、カメラ11が撮影を継続している間、輝度検出部24は、経糸Tの輝度を繰り返し検出する。輝度検出部24は、所定の検出間隔で経糸Tの輝度を検出する。また、カメラ11が撮影を継続している間、明るさ制御部は、照明12の明るさを繰り返し制御する。一方、カメラ11が撮影を継続していない場合、すなわちパーソナルコンピュータ14がカメラ11から新たな撮影画像Pを受信していない場合(ステップS17でNO)、フローを終了する。
【0053】
[本実施形態の作用]
本実施形態の作用を説明する。
例えば、照明12の明るさが一定の場合、経糸Tが明色であるときには撮影画像Pにおける経糸Tを認識しやすいが、経糸Tが暗色であるときには撮影画像Pにおける経糸Tを認識しにくいということが生じる。かといって、照明12の明るさを明るくすると、経糸Tが暗色であるときには撮影画像Pにおける経糸Tを認識できるようになるが、経糸Tが明色であるときには撮影画像Pにおいて経糸Tが白飛びすることがある。
【0054】
これに対し、本実施形態では、輝度設定部23は、経糸Tの色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する。明るさ制御部は、輝度設定部23が設定した目標値と輝度検出部24が検出した経糸Tの輝度とに基づいて、撮影画像Pにおける経糸Tの輝度が目標値となるように照明12の明るさを制御する。このように照明12の明るさは、経糸Tの色に基づいて制御される。このため、撮影装置10は、撮影画像Pにおける経糸Tの認識しやすさが経糸Tの色によって異なることを考慮して撮影を行うことができる。これにより、作業者又は検査装置は、撮影画像Pにおける経糸Tを認識しやすくなる。
【0055】
また、本実施形態では、輝度検出部24は、撮影画像Pから経糸Tの輝度を検出する。明るさ制御部は、撮影画像Pにおける経糸Tの輝度が目標値となるように照明12の明るさを制御する。このように照明12の明るさは、経糸Tの輝度に基づいて制御される。このため、照明12の明るさが撮影画像P全体の輝度に基づいて制御される場合と比較して、撮影画像Pにおける経糸Tの輝度を、作業者又は検査装置が撮影画像Pにおける経糸Tを認識するのに適した輝度にしやすい。これによっても、作業者又は検査装置は、撮影画像Pにおける経糸Tを認識しやすくなる。
【0056】
[本実施形態の効果]
本実施形態の効果を説明する。
(1)照明12の明るさは、経糸Tの色に基づいて制御される。このため、撮影装置10は、撮影画像Pにおける経糸Tの認識しやすさが経糸Tの色によって異なることを考慮して撮影を行うことができる。これにより、作業者又は検査装置は、撮影画像Pにおける経糸Tを認識しやすくなる。また、照明12の明るさは、経糸Tの輝度に基づいて制御される。このため、照明12の明るさが撮影画像P全体の輝度に基づいて制御される場合と比較して、撮影画像Pにおける経糸Tの輝度を、作業者又は検査装置が撮影画像Pにおける経糸Tを認識するのに適した輝度にしやすい。これによっても、作業者又は検査装置は、撮影画像Pにおける経糸Tを認識しやすくなる。その結果、作業者又は検査装置は、撮影画像Pにおける経糸Tを誤認識しにくくなる。
【0057】
(2)撮影期間が長い場合、照明12に埃などが付着することによって、照度が徐々に低下していくことがある。本実施形態では、カメラ11が撮影を継続している間、輝度検出部24は、経糸Tの輝度の検出を繰り返し行うとともに、明るさ制御部は、照明12の明るさの制御を繰り返し行う。したがって、撮影期間の終盤においても、撮影画像Pにおける経糸Tを認識しやすい。
【0058】
(3)撮影装置10は、撮影画像Pから経糸Tの色を検出する色検出部22を備えている。輝度設定部23は、経糸Tの色と輝度の適正値との関係を記憶している。輝度設定部23は、色検出部22が検出した経糸Tの色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する。この構成によれば、撮影装置10によって、目標値を自動的に設定することができる。したがって、作業者が制御部17に対して経糸Tの色、又は経糸Tの色に対応する輝度の適正値を入力する手間を省くことができる。
【0059】
(4)本実施形態の撮影対象は、経糸Tのうち、緯糸が緯入れされる開口Taを形成する部分である。このため、作業者又は検査装置は、撮影画像Pにおける経糸Tの開口Taを形成する部分を認識しやすくなる。したがって、作業者又は検査装置は、経糸Tの開口状態を検査しやすくなる。
【0060】
(5)明るさ制御部は、輝度検出部24が検出した経糸Tの輝度が、輝度設定部23が設定した目標値の上限を上回っている場合、照明12であるLEDライトに供給する電流値を減少させることによって、照明12の明るさを暗くする。これにより、作業者又は検査装置が撮影画像Pにおける経糸Tを認識しやすくなるだけでなく、撮影装置10の撮影に要する電力を削減できるとともに照明12の発熱を抑えることができる。
【0061】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0062】
○ 上記実施形態では、撮影装置10の撮影対象は、経糸Tに限定されない。撮影装置10の撮影対象は、緯糸や織布であってもよい。
○ カメラ11及び照明12は、機台101の幅方向において緯入れノズルが位置する端とは反対側の端である第2端に設けられていてもよい。この場合、カメラ11は、緯糸の緯入れ方向の下流側から上流側に向かって撮影対象を撮影する。また、照明12は、緯糸の緯入れ方向の下流側から上流側に向かって撮影対象を照らす。
【0063】
○ 照明12は、撮影対象を照らすことができ、かつ明るさを調整可能であれば、LEDライトでなくてもよい。
○ 上記実施形態では、作業者が、撮影画像Pにおける撮影対象が含まれる領域を選択していたが、これに限定されない。例えば、領域設定部21が、撮影画像Pにおける撮影対象が含まれる領域を選択してもよい。具体的には、領域設定部21は、撮影画像Pが入力されると、撮影画像Pにおいて撮影対象が含まれる領域を出力するように学習された学習済みモデルを有していてもよい。領域設定部21は、学習済みモデルによって出力された領域を対象領域Aとして設定する。この場合、作業者は、撮影画像Pにおける撮影対象が含まれる領域を選択しなくてもよい。
【0064】
○ 領域設定部21は、対象領域Aを複数設定してもよい。
○ 上記実施形態では、色検出部22は、対象領域Aの色を検出することによって、撮影対象の色を検出していたが、これに限定されない。例えば、色検出部22は、撮影画像Pから撮影対象を抽出するとともに抽出した撮影対象の色を検出するように学習された学習済みモデルを有していてもよい。色検出部22は、学習済みモデルを用いることにより、撮影画像Pから撮影対象の色を直接検出する。この場合、領域設定部21は不要である。
【0065】
○ 上記実施形態では、輝度検出部24は、対象領域Aの輝度を検出することによって、撮影対象の輝度を検出していたが、これに限定されない。例えば、輝度検出部24は、撮影画像Pから撮影対象を抽出するとともに抽出した撮影対象の輝度を検出するように学習された学習済みモデルを有していてもよい。輝度検出部24は、学習済みモデルを用いることにより、撮影画像Pから撮影対象の輝度を直接検出する。この場合、領域設定部21は不要である。
【0066】
○ 上記実施形態では、色検出部22が対象領域Aから撮影対象の色を検出していたが、これに限定されない。例えば、作業者が入力部15によって撮影対象の色を制御部17に入力してもよい。輝度設定部23は、記憶している撮影対象の色と輝度の適正値との関係を用いて、作業者から入力された撮影対象の色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する。この場合、制御部17は、色検出部22を有していなくてもよい。また、ステップS12は不要になる。
【0067】
○ 上記実施形態では、輝度設定部23は、記憶している撮影対象の色と輝度の適正値との関係を用いて、色検出部22が検出した撮影対象の色に対応する輝度の適正値を目標値として設定していたが、これに限定されない。例えば、作業者が入力部15によって撮影対象の色に対応する輝度の適正値を制御部17に入力してもよい。輝度設定部23は、作業者から入力された輝度の適正値を目標値として設定する。これにより、撮影対象の色に対応する輝度の適正値が目標値に設定される。この場合、制御部17は、色検出部22を有していなくてもよい。また、ステップS12は不要になる。さらに、輝度設定部23は、撮影対象の色と輝度の適正値との関係を記憶していなくてもよい。
【0068】
○ 上記実施形態では、撮影対象の色に対応する輝度の適正値及び目標値に幅を持たせていたが、撮影対象の色に対応する輝度の適正値及び目標値は1つの値であってもよい。
○ トリガユニット13及び制御部17は、1つの制御装置であってもよい。
【0069】
○ 輝度検出部24が1回目の経糸Tの輝度の検出を行うタイミングは、領域設定部21が対象領域Aを設定するステップS11よりも後であれば適宜変更されてもよい。例えば、輝度検出部24は、色検出部22が経糸Tの色を検出するステップS12と同時又はステップS12よりも前に、1回目の経糸Tの輝度の検出を行ってもよい。輝度検出部24は、輝度設定部23が目標値を設定するステップS13と同時又はステップS13よりも前に、1回目の経糸Tの輝度の検出を行ってもよい。
【0070】
○ 輝度検出部24は、経糸Tの輝度を繰り返し検出しなくてもよい。明るさ制御部は、照明12の明るさを繰り返し制御しなくてもよい。つまり、輝度検出部24は、経糸Tの輝度を一度だけ検出するとともに、明るさ制御部は、照明12の明るさを一度だけ制御してもよい。この場合、ステップS17は不要になる。
【0071】
[付記]
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
[1]撮影対象が糸又は織布である糸又は織布の撮影装置であって、前記撮影対象を撮影するカメラと、前記撮影対象を照らす照明と、前記撮影対象の色に対応する輝度の適正値を目標値として設定する輝度設定部と、前記カメラによる撮影画像から前記撮影対象の輝度を検出する輝度検出部と、前記輝度設定部が設定した前記目標値と前記輝度検出部が検出した前記撮影対象の輝度とに基づいて、前記撮影画像における前記撮影対象の輝度が前記目標値になるように前記照明の明るさを制御する明るさ制御部と、を備えることを特徴とする糸又は織布の撮影装置。
【0072】
[2]前記カメラが撮影を継続している間、前記輝度検出部は、前記撮影対象の輝度の検出を繰り返し行うとともに、前記明るさ制御部は、前記照明の明るさの制御を繰り返し行う[1]に記載の糸又は織布の撮影装置。
【0073】
[3]前記撮影画像から前記撮影対象の色を検出する色検出部を備え、前記輝度設定部は、前記撮影対象の色と前記適正値との関係を記憶しており、前記色検出部が検出した前記撮影対象の色に対応する前記適正値を前記目標値として設定する[1]又は[2]に記載の糸又は織布の撮影装置。
【0074】
[4]前記撮影画像のうち、前記撮影対象が含まれる領域を対象領域として設定する領域設定部を備え、前記色検出部は、前記対象領域の色を検出することにより、前記撮影対象の色を検出し、前記輝度検出部は、前記対象領域の輝度を検出することにより、前記撮影対象の輝度を検出する[3]に記載の糸又は織布の撮影装置。
【0075】
[5]前記撮影対象は、経糸のうち、緯糸が緯入れされる開口を形成する部分である[1]~[4]の何れか1つに記載の糸又は織布の撮影装置。
【符号の説明】
【0076】
10…撮影装置、11…カメラ、12…照明、21…領域設定部、22…色検出部、23…輝度設定部、24…輝度検出部、A…対象領域、P…撮影画像、T…経糸、Ta…開口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6