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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154665
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】室外機の発電制御システム。
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20241024BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20241024BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20241024BHJP
   F24F 1/44 20110101ALI20241024BHJP
   F24F 11/30 20180101ALI20241024BHJP
【FI】
H02J3/38 110
H02J3/32
H02J13/00 311R
F24F1/44
F24F11/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068617
(22)【出願日】2023-04-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 出願発明の室外機の発電制御システムの販売。 公開日 令和4年7月7日 公開者 パナソニックホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳一
(72)【発明者】
【氏名】大畑 正
(72)【発明者】
【氏名】進藤 章
(72)【発明者】
【氏名】角田 幸久
【テーマコード(参考)】
3L260
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
3L260AB04
3L260BA53
3L260CB77
3L260CB79
3L260EA07
3L260FC31
5G064AA04
5G064AC05
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB12
5G064DA05
5G066HA04
5G066HA15
5G066HB01
5G066HB03
5G066HB09
5G066JA02
5G066JB03
(57)【要約】
【課題】発電機が発電した電力を効率的に使用できる空気調和装置の室外機を提供する。
【解決手段】複数台の室外機2を備え、室外機2は圧縮機12と、圧縮機12を駆動するガスエンジン10と、ガスエンジン10で駆動される発電機11とを備える室外機2の発電制御システムであって、室外機2は、親機と複数台の子機とで構成され、親機、及び複数台の子機の各々は、発電機11と、インバータを有し、負荷に対して出力する出力電力を制御する電力制御装置33と、を備え、親機、及び複数台の子機の電力制御装置33は、互いに通信可能に構成され、親機の電力制御装置33は、親機の出力電力が第1閾値電力以上である場合に、複数台の子機の各々に対して、親機の出力電力に応じて、複数台の子機の各々の目標出力電力を指示する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の室外機を備え、前記室外機は、圧縮機と、前記圧縮機を駆動するガスエンジンと、前記ガスエンジンで駆動される発電機とを備える室外機の発電制御システムであって、
前記室外機は、親機と複数台の子機とで構成され、
前記親機、及び前記複数台の子機の各々は、前記発電機と、インバータを有し、負荷に対して出力する出力電力を制御する電力制御装置と、を備え、前記親機、及び前記複数台の子機の前記電力制御装置は、互いに通信可能に構成され、
前記親機の前記電力制御装置は、前記親機の前記出力電力が第1閾値電力以上である場合に、前記複数台の子機の各々に対して、前記親機の前記出力電力に応じて、前記複数台の子機の各々の目標出力電力を指示する、
室外機の発電制御システム。
【請求項2】
前記親機の前記電力制御装置は、前記親機の前記出力電力が前記第1閾値電力以上である場合に、前記複数台の子機の各々に対して、前記目標出力電力として、互いに略同一の大きさの電力を指示する、請求項1に記載の室外機の発電制御システム。
【請求項3】
前記親機の前記電力制御装置は、前記複数台の子機の各々の前記出力電力が第2閾値電力以上である場合に、前記親機の前記出力電力を前記第1閾値電力よりも大きい所定電力に増大する、
請求項1または請求項2に記載の室外機の発電制御システム。
【請求項4】
前記親機の前記電力制御装置は、前記親機の前記出力電力が前記第1閾値電力より小さい場合に、前記複数台の子機の各々に対して、前記目標出力電力を指示しない、
請求項1または請求項2に記載の室外機の発電制御システム。
【請求項5】
前記親機、及び前記複数台の子機の前記電力制御装置の各々は、前記インバータの出力側に、前記出力電力の電圧を検出する電圧センサと、前記出力電力の電流を検出する電流センサと、を備え、前記電圧センサの検出結果、及び前記電流センサの検出結果に基づいて、前記出力電力を算出する、
請求項1または請求項2に記載の室外機の発電制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室外機の発電制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、停電時にガスエンジンによって駆動される発電機が空調設備に電力を供給する際に、所望の空調設備に電力を確実に供給できる空気調和システムを開示する。この空気調和システムは、圧縮機を駆動するガスエンジン、ガスエンジンで駆動される発電機、及び、発電機の発電電力を内部消費及び自立系統内に出力するインバータを備える室外機と、商用電源と自立運転回路とを切り替える電源切替盤と、を備える。この空気調和システムは、この電源切替盤に室内ユニットを含む負荷を接続し、停電時には発電電力により室外機、及び電源切替盤に接続された負荷の自立運転を可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-196885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、効率的に発電できる室外機の発電制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、複数台の室外機を備え、前記室外機は、圧縮機と、前記圧縮機を駆動するガスエンジンと、前記ガスエンジンで駆動される発電機とを備える室外機の発電制御システムであって、前記室外機は、親機と複数台の子機とで構成され、前記親機、及び前記複数台の子機の各々は、前記発電機と、インバータを有し、負荷に対して出力する出力電力を制御する電力制御装置と、を備え、前記親機、及び前記複数台の子機の前記電力制御装置は、互いに通信可能に構成され、前記親機の前記電力制御装置は、前記親機の前記出力電力が第1閾値電力以上である場合に、前記複数台の子機の各々に対して、前記親機の前記出力電力に応じて、前記複数台の子機の各々の目標出力電力を指示する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、効率的に発電できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施の形態に係る通常運転時の空気調和システムの電力系統を模式的に示す図
図2】通常運転(非停電)時の空気調和システムの電力系統を模式的に示す図
図3】インバータの構成を模式的に示すブロック図
図4】空気調和システムの構成を模式的に示すブロック図
図5】停電時の空気調和システムの電力系統を模式的に示す図
図6】空気調和システムの動作を示すフローチャート
図7】空気調和システムの動作を示すフローチャート
図8】空気調和システムの動作を示すフローチャート
図9】空気調和システムの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、停電時にエンジンの発電電力で空調設備に電力を供給する際に、所望の空調設備に電力を確実に供給できる空気調和システムを実現する技術があった。この空気調和システムは、圧縮機を駆動するガスエンジン、ガスエンジンで駆動される発電機、及び、発電機の発電電力を商用電源に出力するインバータを備える室外機と、商用電源と自立運転回路とを切り替える電源切替盤と、を備える。この空気調和システムは、この電源切替盤に室内ユニットを含む負荷を接続し、停電時には発電電力により室外機、及び電源切替盤に接続された負荷の自立運転を可能とする。
【0009】
このような空気調和システムには、各々が発電する複数の室外機を備え、これらの室外機のうちの一台が親機として他の室外機を制御するものが知られている。従来の構成では、親機の発電の負荷が過大になる場合には、他の室外機に対する親機の制御性が低下し、空気調和システム全体の発電効率が低下する虞があると言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
【0010】
そこで本開示は、効率的に発電できる室外機の発電制御システムを提供する。
【0011】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図しない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、図1図9を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.空気調和システムの構成]
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和システム1の電力系統を模式的に示す図である。図1は、通常運転時(通常運転モード)の空気調和システム1を示す。この図1では、電力が流れる線を太線で示す。
空気調和システム1は、大型のビルや学校等の施設に設置され、空気調和装置として機能するシステムである。空気調和システム1は、屋外に設置される複数台(本実施形態では4台)の室外機2A~2D(室外機)を備える。商用電源36の停電時の起動制御において、本開示の空気調和システム1は、予め定められた1台の室外機2Aが親機として動作し、この室外機2Aの制御に従って、残りの3台の室外機2B~2Dが子機として動作する。
空気調和システム1は、本開示の「室外機の発電制御システム」に相当する。
【0014】
各室外機2A~2Dには、それぞれ屋内における所定エリアに設置される室内機群3A~3Dが接続されて独立した冷凍サイクル回路を形成し、各冷凍サイクル内でそれぞれ空調運転が行われる。各室内機群3A~3Dは、それぞれ複数台(本実施形態では各4台)の室内機13a~13dを備える。これら室内機の台数は、空調対象エリアの広さ、及び、室外機の能力によって適宜変更可能である。
【0015】
空気調和システム1は、商用交流電源である商用電源36と各室外機2A~2Dが備える発電機11が発電した発電電力の系統とを切り替える単一の電源切替盤50を備える。この電源切替盤50には、各室外機2A~2D及び各室内機群3A~3Dがそれぞれ接続される。さらに、電源切替盤50には、各室内機群3A~3Dの室内機13a~13dが設置されるエリアに設けられた照明装置38がそれぞれ接続される。さらに、電源切替盤50には、各室内機群3A~3Dの室内機13a~13dが設置されるエリアに設けられた照明装置38、及びコンセント60がそれぞれ接続される。
電源切替盤50には、商用電源36と室外機2A~2Dの各発電機11で発電された発電電力の系統とを切り換える電源切替スイッチ52、352が設けられる。
電源切替盤50は、上流側給電ライン51aにおいて、ブレーカ37の下流側に設けられる(図2)。
【0016】
次いで、室外機2A~2D、及び室内機群3A~3Dについて説明する。
図2は、親機として動作する室外機2Aと室内機群3Aとを示す回路図である。図2では、電力が供給される線を太線で示す。
室外機2Aと室内機群3Aとは、液管4a及びガス管4bからなるユニット間配管4で接続され、これによって、空気調和システム1における空調運転を行うための冷凍サイクル回路が形成される。
室外機2Aには、駆動源として機能するガスエンジン10(エンジン)と、このガスエンジン10の駆動力により発電を行う発電機11と、ガスエンジン10の駆動力により冷媒を圧縮する圧縮機12とが収容される。ガスエンジン10は、燃料調整弁7を経て供給されるガス等の燃料と、スロットル弁8を経て供給される空気との混合気を燃焼させて駆動力を発生する。本実施の形態の燃料調整弁7、及びスロットル弁8は、直流電力で駆動する所謂電磁弁である。
【0017】
室内機群3Aは、同じ施設の各箇所に振り分けて設置される複数台(本実施の形態では4台)の室内機13a~13dを備える。これら室内機13a~13dには、室内機13a~13dを操作するためのリモコン5がそれぞれ設けられており、各室内機13a~13dに電力が供給される場合、ユーザによるリモコン操作に応じて個別に運転/運転停止等の操作が可能である。
【0018】
圧縮機12は、ガスエンジン10に接続される。圧縮機12の吐出管12cには、四方弁15、室外熱交換器17が順に接続される。室外熱交換器17には、直流モータであるファンモータ26aによって駆動される送風機26が設けられる。
室外熱交換器17には、液管4aを介して、各室内機13a~13dの減圧装置である膨張弁19a~19d及び室内熱交換器21a~21dが接続される。室内熱交換器21a~21dには、ガス管4bを介して、四方弁15が接続され、この四方弁15には、圧縮機12の吸込管12dを介して、圧縮機12が接続される。本実施の形態では、四方弁15は、直流電力で駆動する所謂電磁弁である。室内熱交換器21a~21dには、直流モータによって駆動される送風機6a~6dがそれぞれ設けられる。
【0019】
圧縮機12が駆動されると、四方弁15の切り替え状態が暖房切り替えであれば、図2に実線の矢印で示すように、圧縮機12、四方弁15、室内熱交換器21a~21d、膨張弁19a~19d、室外熱交換器17の順に冷媒が循環する。そして、室内熱交換器21a~21dでの冷媒凝縮熱により室内が暖房される。これとは反対に、四方弁15が冷房切り替えであれば、図1に破線の矢印で示すように、圧縮機12、四方弁15、室外熱交換器17、膨張弁19a~19d、室内熱交換器21a~21dの順に冷媒が循環する。そして、この室内熱交換器21a~21dでの冷媒蒸発熱により室内が冷房される。
なお、室内機13a~13dは並列接続されるため、各室内機13a~13dへ個別に冷媒を供給することができ、各室内機13a~13dを各々独立して運転することが可能である。
【0020】
次に、ガスエンジン10の冷却装置について説明する。
ガスエンジン10は、冷却水ポンプ27によって送り出される冷却水によって冷却される所謂水冷式エンジンである。冷却水ポンプ27は、当該冷却水ポンプ27を駆動させるポンプモータ27aを備える。ポンプモータ27aは、直流モータである。
ガスエンジン10は、冷却水ポンプ27によって送り出される冷却水がガスエンジン10のウォータージャケットを循環することで冷却される。
【0021】
次に、電力系統について説明する。
図1に示すように、本実施の形態の空気調和システム1では、各室外機2A~2Dの発電機11が電力会社の電力系統である商用電源36に接続される。これにより、各発電機11の発電電力を、商用電源36の電力とともに、室外機2A~2D、室内機13a~13d、照明装置38(他の電力負荷)、及びコンセント60(他の電力負荷)に供給することが可能である。
この場合、室外機2A~2D及び室内機13a~13dは、空気調和システム1の自己消費(自己電力消費)の電力負荷に相当する。照明装置38、及びコンセント60に対する供給電力は、空気調和に関係しない他の電力負荷(非空調装置)に相当する。
【0022】
電源切替盤50は、商用電源線(電灯線とも言う)である上流側給電ライン51aに並列に設けられる電源切替スイッチ52を備える。本実施形態では、電源切替スイッチ52には、親機である室外機2Aと子機である室外機2B、室外機2C、室外機2Dが接続される。そして、最下流の電源切替スイッチ352には、下流側給電ライン51bを介して、各室内機13a~13d、各照明装置38、及び各コンセント60が接続される。
【0023】
電源切替スイッチ52は、上流側給電ライン51aが接続される第1端子52a(通常運転用端子)と、室外機2Aの発電機11の発電電力が供給される電源線34bが接続される第2端子52b(自立運転用端子)と、商用電源36の電源線34aが接続される第3端子52c(給電用端子)とを備える。電源切替スイッチ52は、第3端子52cの接続先を、第1端子52aと第2端子52bとのいずれか一方に切り替えるスイッチ回路として機能する。
【0024】
電源線34aは、第3端子52cと室外機2Aの電力制御装置33との間で分岐する電源分岐線34a1を備える。この電源分岐線34a1は、さらに4つに分岐され、室外機2B~2Dの電力制御装置33の各々と、最下流に位置する電源切替スイッチ352とに接続される。
このため、空気調和システム1では、第3端子52cと第1端子52aとを接続することで、商用電源36から電力を、室外機2A~室外機2Dの各電力制御装置33に供給することが可能である。本実施の形態では、例えば、商用電源36から200Vの交流電力が供給される。さらに、空気調和システム1では、第3端子52cと第2端子52bとを接続することで、室外機2Aの発電機11の発電電力を電源分岐線34a1に供給すること可能である。
なお、電源分岐線34a1には、他の電源切替スイッチ52や、リレー等の開閉スイッチが設けられてもよい。
【0025】
最下流の電源切替スイッチ352は、上流側給電ライン51aが接続される第1端子352a(通常運転用端子)と、室外機2Aの発電機11の発電電力が供給される電源分岐線34a1が接続される第2端子352b(自立運転用端子)と、室内機13a~13d、各照明装置38、及び各コンセント60等が接続される下流側給電ライン51bが接続される第3端子352c(給電用端子)とを備える。電源切替スイッチ352は、第3端子352cの接続先を、第1端子352aと第2端子352bとのいずれか一方に切り替えるスイッチ回路として機能する。
【0026】
このように、電源切替盤50は、各電源切替スイッチ52を備えることで、下流側給電ライン51bへの電力源を、商用電源36と発電電力の系統(発電系統とも言う)との間で切り替える切替手段として機能する。
このため、空気調和システム1では、商用電源36、及び各室外機2A~2Dの発電機11から供給される電力を利用し、当該室外機2A~2D、室内機13a~13d、各照明装置38、及び各コンセント60を駆動する通常運転と、商用電源36から切り離して、各室外機2A~2Dの発電機11の発電電力によって当該室外機2A~2D、室内機13a~13d、各照明装置38、及び各コンセント60を駆動する自立運転とを選択的に行うことが可能である。
【0027】
次いで、発電電力の系統について説明する。
親機として機能する室外機2Aは、図2に示すように、発電機11の発電電力を変換する電力制御装置33と、発電電力の一部を蓄えるバッテリ49とを備える。
発電機11の発電電力は、電力線32を介して電力制御装置33に出力される。電力制御装置33は、発電機11の発電電力である三相交流電力を直流電力に変換した後、200Vの交流の電力に再度変換して電源線34(発電電力出力線)に出力する。
この電源線34は、上記した通常運転用の電源線34aと、自立運転用の電源線34bとに分岐する。これらの電源線34a、34bは、電源切替スイッチ52の第1端子52a、第2端子52bにそれぞれ接続される。また、通常運転用の電源線34aは、電源線41を介して、室外側コントローラ39に接続され、当該室外側コントローラ39を含む室外機2Aに電力を供給可能である。
なお、発電電力の一部は、図1に示す電力線47bを介してバッテリ49に供給され、バッテリ49に発電電力が蓄電される。
【0028】
自立運転の電源線34bは、上述した電源切替スイッチ52の第2端子52bに接続される。このため、空気調和システム1では、上述したように、電源切替スイッチ52の第2端子52bと第3端子52cとを接続することによって、電源切替スイッチ52を介して発電電力を電源分岐線34a1に直接供給することができる。
【0029】
電力制御装置33は、室外機2Aの室外側コントローラ39に、通信線40を介して通信可能に接続される。
上述の通り、室外機2Aでは、通常運転用の電源線34aを介して、室外側コントローラ39に発電電力を供給可能であると共に、商用電源36から電源線41を介して動作電源を室外側コントローラ39に供給可能である。
室外側コントローラ39は、室外機2Aの各機器(例えば、ガスエンジン10、バッテリ49、及び電源切替盤50等)の動作を中枢的に制御する制御部として機能する。また、室外機2Aは親機として機能するため、この室外機2Aの室外側コントローラ39は、停電時における各室外機2A~2Dの起動制御の主コントローラとなる。
室外側コントローラ39は、通信線42を介して各室内機群3A~3Dの室内側コントローラに通信可能に接続される。
【0030】
室外側コントローラ39は、室外機制御基板39cを備える。室外機制御基板39cには、電源線54を介してバッテリ49の電力が直接供給される。
室外機制御基板39cは、プロセッサ39a、メモリ39bを備える。
【0031】
プロセッサ39aは、CPU(Central Processing Unit)やMPC(Micro Processing Unit)等のプロセッサである。プロセッサ39aは、メモリ39bが記憶する制御プログラム等を読み出して実行することにより、室外機2Aの自立制御部(起動制御部)として機能する。
【0032】
メモリ39bは、制御プログラム等の各種データを記憶する記憶部である。メモリ39bは、制御プログラムやプロセッサ39aに処理されるデータを記憶する。メモリ39bは、不揮発性の記憶領域を有する。また、メモリ39bは、揮発性の記憶領域を備え、プロセッサ39aのワークエリアを構成してもよい。
【0033】
室外側コントローラ39は、電動部制御基板20を備える。電動部制御基板20は、電力線20aを介して、室外機2Aにおいて、直流電力で駆動する電動部である各機器(例えば、ファンモータ26a、ポンプモータ27a、各種の電磁弁が備えるモータ等)に電力を供給可能である。電動部制御基板20は、室外機2Aが出力する直流電力で駆動する電動部の駆動を制御する。
【0034】
室外側コントローラ39は、商用電源36、及び室外機2Aの発電機11から供給される電力で、室外機2A、室内機群3A、及び照明装置38を駆動する通常運転を行う通常運転モードと、停電時等に商用電源36から切り離されて発電機11の発電電力で室外機2A、室内機群3A及び照明装置38を駆動する自立運転を行う自立運転モードとのいずれかに動作モードを切り替える制御を行う。
室外側コントローラ39には、ユーザ等が手動で操作する手動スイッチである自立運転切り替えスイッチ56(自立運転スイッチ)が接続される。空気調和システム1では、自立運転切り替えスイッチ56が操作されることで、自立運転モードへの切り替え動作を室外側コントローラ39が開始する。
【0035】
バッテリ49の電力が供給される電源線54には、電源線48(図2)を介してガスエンジン10のセルモータが接続される。空気調和システム1において、室外機2Aでは、室外側コントローラ39の制御に従って、バッテリ49の電力でセルモータを駆動し、ガスエンジン10を起動させる。
【0036】
室外機2Aは親機として機能するため、この室外機2Aの室外側コントローラ39は、停電時における各室外機2A~2Dの起動制御の主コントローラとなる。室外機2Aの室外側コントローラ39は、子機となる室外機2B~2Dの各室外側コントローラ39の各々と通信線で接続される。
【0037】
子機として動作する室外機2B~2Dは、親機として動作する室外機2Aと同様な構成を備える。図1に示すように、室外機2B~2Dは、バッテリ49、自立運転切り替えスイッチ56及び、電力制御装置33から出力される自立運転用の電源線34bを備えない点で室外機2Aに相違する。
室外機2B~2Dの各々が備える電力制御装置33は、給電線34b1を介して、電源分岐線34a1に接続される。
【0038】
室外機2Aが備える室外側コントローラ39は、電源分岐線34a1、及び給電線34b1を介して、室外機2Aの発電電力を、室外機2B~2Dに給電させる。
室外機2B~2Dでは、電源分岐線34a1、及び給電線34b1を介して給電される室外機2Aの発電電力によって、セルモータが駆動される。これによって、室外機2B~2Dの各々が備えるガスエンジン10が起動される。
空気調和システム1において、室外機2B~2Dの各々が備える室外側コントローラ39は、電力負荷で消費される電力に応じて、室外機2B~2Dのうちのいずれか、あるいは全てを起動させる。
なお、室外機2B~2Dでは、室外機2Aが備える室外側コントローラ39の制御に従って、室外機2Aの発電電力によってセルモータを駆動し、室外機2B~2Dの各々が備えるガスエンジン10を起動させてもよい。
【0039】
次いで、電力制御装置33について説明する。
図3は、電力制御装置33の構成を模式的に示すブロック図である。図3では、電力が供給される線を太線で示す。
上述の通り、電力制御装置33は、発電機11の発電電力である三相交流電力を直流電力に変換した後、200Vの交流の電力に再度変換して電源線34(発電電力出力線)に出力する装置である。
電力制御装置33は、三相全波整流ダイオード70と、IPM基板72と、フィルタ基板74と、インバータ制御基板78とを備える。
三相全波整流ダイオード70は、電力線32を介して、発電機11から送り出された交流電圧を直流電圧に変換し整流する。三相全波整流ダイオード70で整流された電力は、電力線71を介してIPM基板72に送り出される。
【0040】
電力線71には、電解コンデンサ80が設けられる。電解コンデンサ80は、三相全波整流ダイオード70で整流された直流電圧を保持する。
電力線71には、DCリアクトル82が設けられる。DCリアクトル82は、電解コンデンサ80に保持された直流電圧を昇圧する際に必要なコイル素子である。
【0041】
IPM基板72は、半導体素子であるインテリジェントパワーモジュールが実装される基板である。IPM基板72は、インバータ部72aと、コンバータ部72bとを備える。
インバータ部72aは、空気調和システム1が自立運転を行う場合に、三相全波整流ダイオード70で整流された直流電圧を基に昇圧して交流に変換し、一定の交流電圧・電流に維持した交流電力として、電力負荷に供給するものである。
本実施の形態では、親機である室外機2Aでは、インバータ部72aは、一定の交流電圧に維持した交流電力を出力する。子機である室外機2B~2Dでは、インバータ部72aは、室外機2Aから出力された交流電圧に基づいて、親機である室外機2Aの指示に従い可変する交流電流を生成し、交流電力として出力する。
【0042】
インバータ部72aから送り出される電力は、電力線73を介して、電源線34a、34bに送り出される。当該電力は、室外機2A~2D、室内機13a~13d、照明装置38及びコンセント60等の電力負荷に供給される。
インバータ部72aは、空気調和システム1が通常運転を行う場合には、駆動を停止する。
インバータ部72aは、本開示の「インバータ」に相当する。
【0043】
電力線73には、ACリアクトル111が接続される。電力線73において、ACリアクトル111は、IPM基板72の下流側に配置され、インバータ部72aから送り出された高調波電流を抑える。
【0044】
電力線73において、ACリアクトル111の下流側には、ノイズフィルタ75が実装されるフィルタ基板74が接続される。インバータ部72aから送り出された電力は、フィルタ基板74を介して、電源線34bに送り出される。
フィルタ基板74には、電流センサ112、115と、電圧センサ110、114と、コンデンサ113とが実装される。
【0045】
電流センサ112は、電力線73に接続され、インバータ部72aから送り出される交流電力の電流値を検知する。電流センサ112は、信号線116を介して、インバータ制御基板78に接続される。これによって、インバータ制御基板78は、電流センサ112の電流値を取得可能である。
【0046】
電力線73において、電流センサ112の下流側には、電流センサ112側から順に、コンデンサ113と、電圧センサ110とが接続される。電圧センサ110は、インバータ部72aから送り出される交流電力の電圧値を検知する。電圧センサ110は、信号線121を介してインバータ制御基板78に接続される。インバータ制御基板78は、信号線121を介して電圧センサ110の検出する電圧値を取得可能である。
【0047】
電力線73において、電圧センサ110の下流側には、フィルタ回路であるノイズフィルタ75が接続される。
電力線73の下流側には、ノイズフィルタ75を介して、電源線34bが接続される。これによって、インバータ部72aは、電力線73と、電源線34bとを介して、電源切替盤50に接続される。
【0048】
電源線34bには、室外機2A~2Dのインバータ部72aから送り出される交流電力の合計値から、室内機13a~13d、照明装置38、及びコンセント60等の負荷で消費される交流電力の合計値を減じた余剰電力が流入するように構成される。この余剰電力は、例えば、電源線34bに設けられる出力端子34cに入力される。
【0049】
電源線34bには、電圧センサ114が接続される。この電圧センサ114は、電源線34bを流れる交流電力の電圧値を検知する。インバータ制御基板78は、信号線120を介して電圧センサ114の検出する電圧値を取得可能である。
電源線34bには、電流センサ115が設けられる。この電流センサ115は、電源線34bを流れる交流電力の電流値を検知する。インバータ制御基板78は、信号線117を介して電流センサ115の検出する電流値を取得可能である。
なお、電源線34bにおいて、電圧センサ114と、電流センサ115とは、任意の位置に設けられてもよい。
【0050】
インバータ制御基板78は、電圧センサ114の検出する電圧値と、電流センサ115の検出する電流値とを取得し、電力演算することで、電源線34bから流入する交流電力を算出可能である。具体的には、インバータ制御基板78は、電圧センサ114の検出する電圧値と、電流センサ115の検出する電流値とを積算することで、電源線34bを流れる交流電力を算出する。
【0051】
空気調和システム1が自立運転を行う場合、室外機2B~2Dの各々が備えるインバータ制御基板78は、室外機2Aのインバータ制御基板78と同様に、電圧センサ114の検出する電圧値と、電流センサ115の検出する電流値とを取得することで、室外機2Aが発電する電力の電圧値と、電流値を取得可能である。
【0052】
コンバータ部72bは、三相全波整流ダイオード70で整流された直流電圧を基に昇圧して一定の直流電圧に維持した直流電力として、電力線55を介して、電動部制御基板20に送り出すものである。コンバータ部72bから送り出された直流電力は、電動部制御基板20、及び電力線20a等を介して、送風機26のファンモータ26aや、冷却水ポンプ27のポンプモータ27a等の室外機2が備える電動部に供給される。
【0053】
電力線55には、電解コンデンサ118が設けられる。電解コンデンサ118は、三相全波整流ダイオード70で整流された直流電圧を基に、DCリアクトル82と、IPM基板72のコンバータ部72bとを使用した回路によって昇圧された電圧を保持する。
【0054】
IPM基板72からは、2つの電力線73と、2つの電力線55が引き出される。2つの電力線55は、いずれもインバータ制御基板78に接続される。2つの電力線55のうち、一方の電力線55からは、2つの分岐線55a、55bが引き出される。分岐線55aは、インバータ制御基板78に接続され、分岐線55bは、電動部制御基板20に接続される。
これによって、電力制御装置33では、コンバータ部72bから送り出された直流電力を、電動部制御基板20に送り出すことが可能である。
【0055】
このように、空気調和システム1では、電力制御装置33で変換された直流電力を、交流電力に変換することなく室外機2の電動部に送り出すことが可能である。このため、例えば、電動部制御基板20で電力の変換を行うことがなく、空気調和システム1の回路構成の簡略化、及び効率化を図ることが可能である。
【0056】
電力線55には、インバータ制御基板78と、電動部制御基板20とが接続される。すなわち、電力線55は、所謂バスラインとして機能する。
【0057】
電力線71には、電流センサ84が設けられる。電流センサ84は、電力線71における電流値を検出するセンサである。
電力線71において、電流センサ84は、電解コンデンサ80と、DCリアクトル82との間に設けられる。これによって、電流センサ84は、電解コンデンサ80のノイズによる影響を抑制しつつ、DCリアクトル82における電流値を検出することが可能である。
電流センサ84は、信号線81を介してインバータ制御基板78に接続される。インバータ制御基板78は、信号線81を介して電流センサ84の検出する電流値を取得可能である。
【0058】
電力線55には、一対の信号線83を介して電圧センサ86が設けられる。電圧センサ86は、電力線55における電圧値を検出するセンサである。電圧センサ86は、一対の信号線83の各々に設けられる互いに同一の検出回路を備える。
電圧センサ86は、一対の信号線83を介してインバータ制御基板78に接続される。インバータ制御基板78は、信号線83を介して電圧センサ86の検出する電圧値を取得可能である。
これによって、インバータ制御基板78は、電力線55の電圧値を取得し、当該電圧値に基づいて、インバータ部72aと、コンバータ部72bとを制御することができる。すなわち、バスラインである電力線55は、インバータ部72aと、コンバータ部72bとに基準となる電圧値を示すベースラインとして機能する。
【0059】
上述の通り、電圧センサ86は、一対の信号線83の各々に設けられる互いに同一の検出回路を備える。このため、インバータ制御基板78は、2つの検出回路が検出した電圧値の各々を取得する。インバータ制御基板78は、これら2つの電圧値を比較する。
これによって、インバータ制御基板78は、2つの電圧値が異なる場合、インバータ部72aと、コンバータ部72bとのベースラインである電力線55に紐づく回路の異常を検知できる。
【0060】
インバータ制御基板78は、コンバータ部72bから送り出された直流電力によって駆動し、電力制御装置33を制御する制御部として機能する。インバータ制御基板78は、図2に示すように、室外側コントローラ39に、通信線40を介して通信可能に接続される。インバータ制御基板78は、当該通信線40からの信号に基づいて、電力制御装置33を制御する。
インバータ制御基板78は、プロセッサ、及びメモリを備える。インバータ制御基板78のプロセッサは、インバータ制御基板78のメモリが記憶する制御プログラム等を読み出して実行することにより、電力制御装置33の駆動を制御する。
【0061】
インバータ制御基板78のプロセッサは、インバータ制御基板78のメモリが記憶する制御プログラム等を読み出して実行することにより、室外機2Aの直流電力で駆動する電動部の駆動を制御する。
親機である室外機2Aのインバータ制御基板78は、メモリが記憶する制御プログラムを読み出して実行することにより、分配制御部781、停止制御部782a、及び通信制御部784aとして機能する。
子機である室外機2Bのインバータ制御基板78は、メモリが記憶する制御プログラムを読み出して実行することにより、停止制御部782b、増加制御部783b、及び通信制御部784bとして機能する。
子機である室外機2Cのインバータ制御基板78は、メモリが記憶する制御プログラムを読み出して実行することにより、停止制御部782c、増加制御部783c、及び通信制御部784cとして機能する。
子機である室外機2Dのインバータ制御基板78は、メモリが記憶する制御プログラムを読み出して実行することにより、停止制御部782d、増加制御部783d、及び通信制御部784dとして機能する。
【0062】
インバータ制御基板78は、電力制御装置33の各部と通信を行うための通信インタフェース回路やコネクタ等の通信ハードウェアを有し、当該各部から受信したデータを室外機制御基板39cに送ると共に、室外機制御基板39cから受け取ったデータを当該各部に送信する。
【0063】
図4は、空気調和システム1の構成を模式的に示すブロック図である。
図4に示すように、空気調和システム1において、親機である室外機2Aのインバータ制御基板78には、第1通信線CLAと、第2通信線CLBとの各々を介して、子機である室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々が接続される。
室外機2Aのインバータ制御基板78は、通信制御部784aを備え、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78は、通信制御部784b~784dを備える。通信制御部784aは、第1通信線CLA、及び第2通信線CLBを介して、通信制御部784b~784dの各々と通信する。
【0064】
通信制御部784a~通信制御部784dは、第1通信線CLAを介する第1通信と、第2通信線CLBを介する第2通信とで互いに通信可能である。本実施の形態において、第1通信は、パケット解析等の所定の処理を行う所謂パケット通信である。第2通信は、所謂パルス通信である。パルス通信では、パケット解析等の所定の処理が不要である。このため、第2通信は、第1通信よりも処理に要する時間が短い。すなわち、第2通信は、第1通信よりも通信に要する時間が短い。
例えば、通信制御部784aが第1通信で負荷急減を子機に伝達する場合、当該伝達に要する時間は、50ms程度である。通信制御部784aが第2通信で負荷急減を子機に伝達する場合、当該伝達に要する時間は、1ms程度である。
本実施の形態において、第1通信と、第2通信とのパケットレベルの通信速度は、いずれも9600bpsである。
【0065】
なお、これに限らず、通信制御部784a~通信制御部784dが行う通信において、第1通信と、第2通信とは、異なる通信速度であってもよい。すなわち、通信制御部784a~通信制御部784dが行う通信は、第1通信線CLAを介する第1通信よりも第2通信線CLBを介する第2通信の方が速い通信速度であってもよい。
【0066】
室外機2Aの分配制御部781は、空気調和システム1が自立運転をする場合に、室外機2B~2Dの発電する電力を制御する。
【0067】
空気調和システム1が自立運転を開始すると、分配制御部781は、電流センサ115と、電圧センサ114との検出値を取得し、インバータ部72aによる出力電力を算出する。当該算出値が予め設定された第1閾値P1より小さい場合には、分配制御部781は、室外機2B~2Dにおけるインバータ部72aによる発電を実施しない。すなわち、算出値が予め設定された第1閾値P1よりも小さい場合には、自立運転を行う空気調和システム1では、室外機2Aのみが交流電力の発電を行う。本実施の形態では、第1閾値P1は、例えば、2.1kWである。
これによって、自立運転を行う空気調和システム1では、必要とされる出力電力が小さい場合に、室外機2B~2Dの発電を抑制可能である。このため、空気調和システム1では、より効率よく電力の発電を行うことができる。
第1閾値P1は、本開示の「第1閾値電力」に相当する。
【0068】
これに対して、当該算出値が予め設定された第1閾値P1以上の場合には、分配制御部781は、室外機2B~2Dの各々に発電させる交流電力の目標値を算出する。目標値は、算出値から第1閾値P1を引いた差を空気調和システム1が備える子機の台数で割った値である。すなわち、室外機2B~2Dの各々に発電させる交流電力の目標値は、下記の式(1)で算出される。
(目標値)=(算出値-P1)/(子機の台数) (1)
分配制御部781は、当該目標値を通信制御部784aと第1通信線CLAを介して、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78に送信する。室外機2B~2Dのインバータ制御基板78は、目標値を取得すると、発電量が目標値と一致するように、交流電力の発電を行う。
目標値は、本開示の「目標出力電力」に相当する。
【0069】
分配制御部781は、通信制御部784aと第1通信線CLAを介して、室外機2B~2Dの発電量を取得する。分配制御部781は、室外機2B~2Dのいずれかの発電量が予め設定された第2閾値P2以上の場合には、室外機2B~2Dの発電量が第2閾値P2以下となるように制御する。さらにこの場合には、分配制御部781は、インバータ部72aによる出力電力が第1閾値P1よりも大きくなるように、インバータ部72aによる出力電力を増加させる。本実施の形態では、第2閾値P2は、3.5kWである。
第2閾値P2は、本開示の「第2閾値電力」に相当する。
【0070】
これによって、空気調和システム1は、システムとして発電電力の上限に対して余裕がある場合に、親機である室外機2Aの発電量の増加を抑制しつつ、子機である室外機2B~2Dに優先して発電電力を分配する。このため、室外機2Aは、負荷急変時の一時的な電力変動の吸収を図ることができる。そして、空気調和システム1は、システムとして安定した基準電圧の生成に注力できる。
上述の通り、室外機2B~2Dは、室外機2Aの発電電力の電圧値に基づいて発電を行う。このため、空気調和システム1では、発電効率の低下を抑制できる。
加えて、空気調和システム1では、子機である室外機2B~2Dの発電量も所定値以下に抑制できる。
【0071】
室外機2Aの停止制御部782aは、空気調和システム1の自立運転時において、各室内機群3A~3D、照明装置38、及びコンセント60等から成る電力負荷で複数の機器が遮断された場合に、所定の信号を送信して室外機2B~2Dの発電を停止させる。
【0072】
室外機2B~2Dの停止制御部782b~782dは、停止制御部782aから所定の信号を受信した場合に、室外機2B~2Dの発電を停止させる。
【0073】
空気調和システム1では、自立運転下で室外機2A~2Dが発電を行う場合に、電力負荷で複数の機器が遮断されると、電源線34bを介して、室外機2Aに余剰分の電力が所謂逆電力として流入する場合がある。
【0074】
停止制御部782aは、ゼロクロス半周期毎に、電流センサ115と、電圧センサ114との検出値を取得し、電源線34bから流入する電力を算出する。本実施の形態では、停止制御部782aは、例えば電力の周波数が50Hzである場合には10ミリ秒毎、周波数が60Hzである場合には8.3ミリ秒毎に演算を行う。
【0075】
停止制御部782aは、逆電力が流入した場合、当該逆電力の電流の向きが通常の電力の逆であるため、上述する停止制御部782aの算出値は、負の値となる。当該算出値が負の値であり、且つ第3閾値P3以下の場合には、停止制御部782aは、以下の処理を実行する。すなわち、停止制御部782aは、第2通信線CLBを介して、室外機2B~2Dの停止制御部782b~782dに、インバータ部72aによる発電を停止させる信号である停止指示信号を送信する。本実施の形態では、第3閾値P3は、例えば-1000Wである。
このように、空気調和システム1は、第2通信線CLBを介して、停止指示信号の発信を瞬時に行うことで、室外機2Aに逆電流が流入することによる機器の不具合の発生を抑制できる。また、空気調和システム1は、負荷の急激な増加時に、応答が遅れることが抑制される。
【0076】
停止制御部782b~782dは、停止指示信号を第1期間T1以上連続して受信した場合には、ゲートブロックによって回路を遮断することで、インバータ部72aを停止させる。これによって、室外機2B~2Dの交流発電が停止される。第1期間T1は、例えば0.21ミリ秒である。このように、停止指示信号を第1期間T1以上連続して受信することで、停止制御部782b~782dは、誤検知によるインバータ部72aの停止を抑制できる。
【0077】
停止制御部782aは、停止指示信号の送信後に、電流センサ115と、電圧センサ114との検出値から算出する算出値が第4閾値P4以上の場合には、停止制御部782aは、停止指示信号の送信を停止する。本実施の形態では、第4閾値P4は、例えば-300Wである。
【0078】
停止制御部782b~782dは、停止指示信号が停止されてから第2期間T2が経過した場合には、インバータ部72aにおけるゲートブロックの解除を行う。この場合には、停止制御部782b~782dは、インバータ部72aの出力する電流値が零になるように、インバータ部72aを制御する。第2期間T2は、例えば20ミリ秒である。
停止制御部782b~782dは、さらに第3期間T3が経過すると、空気調和システム1の自立運転時における処理を再開する。室外機2B~2Dのインバータ制御基板78は、第3期間T3の経過後に、第1通信線CLAを介して室外機2Aのインバータ制御基板78から送信された信号に基づいて、室外機2B~2Dの発電する電力を制御する。
【0079】
これによって、室外機2B~2Dでは、第1通信線CLAを介する室外機2Aのインバータ制御基板78からの信号を受信するまで、インバータ部72aの各々が発電を開始することを抑制できる。このため、空気調和システム1では、インバータ部72aの駆動停止の実施から復帰する場合であっても、室外機2Aのインバータ制御基板78の制御による室外機2B~2Dの発電を実現できる。
【0080】
上述の通り、停止指示信号は、第1通信線CLAよりも、通信に関わる処理に要する時間が短い第2通信線CLBを介して送信される。これによって、空気調和システム1では、逆電力が室外機2Aに流入した場合に、速やかに室外機2B~2Dでの交流電力の発電を停止できると共に、室外機2Aに流入する逆電力を最小限にとどめることが可能である。
【0081】
室外機2B~2Dの増加制御部783b~783dは、空気調和システム1の自立運転時において、各室内機群3A~3D、照明装置38、及びコンセント60等から成る電力負荷で複数の機器が起動された場合に、室外機2B~2Dにおける発電電力を増加させる。
【0082】
空気調和システム1では、自立運転下で室外機2A~2Dが発電を行う場合に、電力負荷で複数の機器が起動されると、室外機2Aに負荷かかる。この場合には、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々は、電圧センサ114によって、室外機2Aから送り出される電力の電圧値の低下を検出する。
電圧センサ114が室外機2Aから送り出される電力の電圧値の低下を検出すると、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々は、電圧値の変化量を測る。この変化量は、例えば、ゼロクロス4周期における変化量である。
【0083】
増加制御部783b~783dは、変化量を特定すると、当該変化量を第5閾値P5と比較する。第5閾値P5は、例えば30Vrmsである。変化量が第5閾値P5以上の場合、増加制御部783b~783dの各々は、インバータ部72aにおける発電電流を増加させ、第1増加量Q1となるように、出力電力を増加させる。第1増加量Q1は、単位時間当たりの電力の発電量を示す。第1増加量Q1は、例えば20ミリ秒当たり800Wである。
【0084】
増加制御部783b~783dは、第4期間T4が経過するまで、インバータ部72aによる出力電力の増加を継続させる。この第4期間T4は、室外機2B~2Dのインバータ部72aの各々が第1増加量Q1で発電した場合に、上記の変化量を補える程度の期間である。第4期間T4は、例えばゼロクロス3周期である。なお、ゼロクロス1周期は、例えば電力の周波数が50Hzである場合には20ミリ秒、周波数が60Hzである場合には16.6ミリ秒である。
【0085】
増加制御部783b~783dは、第4期間T4が経過すると、インバータ部72aによる出力電力の増加を停止させる。この後、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々は、分配制御部781から送信される目標値に、発電量が一致するように、交流電力の発電を行う。すなわち、空気調和システム1は、室外機2Aから送り出される電力の電圧値の低下を検出する以前の運転を再開する。
【0086】
増加制御部783b~783dは、上述する変化量が第5閾値P5以下の場合には、当該変化量を第6閾値P6と比較する。第6閾値P6は、第5閾値P5より小さく、例えば2.5Vrmsである。変化量が第6閾値P6以上の場合、増加制御部783b~783dは、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々に、発電電流を増加させ、第2増加量Q2となるように、出力電力を増加させる。第2増加量Q2は、第1増加量Q1より小さい発電量である。第2増加量Q2は、例えば20ミリ秒当たり350Wである。
【0087】
増加制御部783b~783dは、第5期間T5が経過するまで、インバータ部72aによる発電電力の増加を継続させる。第5期間T5は、第4期間T4よりも長く、室外機2B~2Dのインバータ部72aの各々が第2増加量Q2分増加して発電した場合に、上記の変化量を補える程度の期間である。第5期間T5は、例えばゼロクロス6周期である。
【0088】
増加制御部783b~783dは、第5期間T5が経過すると、インバータ部72aによる出力電力を増加する処理を停止させる。この後、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78は、分配制御部781から送信される目標値に、発電量が一致するように、交流電力の発電を行う。
【0089】
増加制御部783b~783dは、上述する変化量が第6閾値P6より小さい場合には、発電電力を増加させる信号を送信しない。この後、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78は、分配制御部781から送信される目標値に、発電量が一致するように、交流電力の発電を行う。
【0090】
これによって、空気調和システム1では、自立運転中での室外機2A~2Dによる発電時に、電力負荷で複数の機器が起動された場合であっても、各室外機2B~2Dの発電電力を増加させることで、室外機2Aにかかる負荷を軽減できる。このため、空気調和システム1では、自立運転中に安定した電力供給を電力負荷に行うことができる。
【0091】
加えて、室外機2Aから供給される電圧値の変化量に応じて、各室外機2B~2Dの発電電力を増加させることで、空気調和システム1では、各室外機2B~2Dにかかる負荷を軽減できる。
【0092】
なお、上述した実施の形態では、室外機2B~2Dの各々が増加制御部783b~783dを備えるとした。しかしながらこれに限らず、空気調和システム1では、室外機2B~2Dのいずれか1台が増加制御部783を備えてもよい。
例えば、空気調和システム1では、室外機2Bにのみ増加制御部783bが設けられ、室外機2C、2Dでは、増加制御部783c、783dが省略されてもよい。この場合、空気調和システム1では、増加制御部783bが所定の信号を送信し、当該信号を受信した室外機2C、2Dのインバータ制御基板78の各々が当該信号に従って、出力電力の増加、及び出力電力の増加の停止を行ってもよい。この場合、増加制御部783bは、第2通信線CLBを介して、第2通信としてパルス信号を用いる通信を行う。
【0093】
また例えば、空気調和システム1では、親機である室外機2Aが増加制御部783aを備えてもよい。この場合、空気調和システム1では、増加制御部783aが所定の信号を送信し、当該信号を受信した室外機2B、2C、2Dのインバータ制御基板78の各々が当該信号に従って、発電電力の増加、及び発電電力を増加する処理の停止を行ってもよい。
【0094】
[1-2.動作]
[1-2―1.空気調和システムの運転モード]
以上のように構成された空気調和システム1について、その動作を以下説明する。
まず、空気調和システム1の基本動作である通常運転モードを説明する。
通常運転モードは、商用電源36から電力が供給される場合における空気調和システム1の動作モードである。図1に示すように、このモードにおいて、電源切替盤50は、室外機2Aが備える室外側コントローラ39の制御に従って、電源切替スイッチ52、352の各々がいずれも第1端子52a、352a側に切り替えられる。
【0095】
これによって、商用電源36から供給される電力は、上流側給電ライン51a及び各電源切替スイッチ52、電源線34a、及び電源分岐線34a1を介して、各室外機2A~2Dの各部に供給される。さらに、商用電源36から供給される電力は、電源切替スイッチ352、及び下流側給電ライン51bを介して、各室内機13a~13d、照明装置38、及びコンセント60に供給される。
【0096】
通常運転モードの実施時において、各室外機2A~2Dの発電機11は、当該室外機2A~2Dをそれぞれ駆動するための駆動電力を全てまかなう発電電力を出力する。
通常運転モードの実施時の室外機2Aにおいて、三相全波整流ダイオード70は、発電機11から送り出された交流電力の交流電圧を直流電圧に変換する。コンバータ部72bは、三相全波整流ダイオード70で整流された直流電圧を基に昇圧して、一定の直流電圧に維持した直流電力として、室外機2が備える電動部に供給する。これに対して、通常運転モードの実施時において、インバータ部72aは、機能しない。
【0097】
図5は、停電時の空気調和システム1の電力系統を模式的に示す図である。
次いで、停電時における空気調和システム1の動作である自立運転モードについて説明する。このモードでは、親機である室外機2Aが制御主体として動作する。
図5に示すように、停電等によって商用電源36からの電力供給が断たれると、室外機2A~2D、室内機13a~13d及び照明装置38等は、電力が供給されなくなって停止する。
【0098】
この停電状態で、ユーザの手動操作によって、室外機2Aに設けられた自立運転切り替えスイッチ56が「オン」に操作されると、図2に示すように、この自立運転切り替えスイッチ56がオンされたタイミングでバッテリ49からの電力が室外側コントローラ39の室外機制御基板39cに供給される。そして、室外側コントローラ39の制御に従って、バッテリ49の電力が不図示のDC/DCコンバータを通して200Vの交流電圧とされ、室外側コントローラ39の電源として供給される。
【0099】
続いて、室外機2Aの室外側コントローラ39は、通常運転モードから自立運転モードに切り替える動作を開始する。この場合、室外側コントローラ39は、バッテリ49の電力によってセルモータを駆動させ、ガスエンジン10を起動させる。これにより、ガスエンジン10が起動すると、発電機11による発電が開始される。本実施形態では、発電を優先してすべての室外機2A~2D(発電機)が起動した後に、空調運転を開始するために、ガスエンジン10が起動しても、室外側コントローラ39は、圧縮機12の運転開始を先送りにする。このため、空気調和システム1では、照明装置38、及びコンセント60だけに電力を供給したい場合に圧縮機12を運転する必要がなく、効率よく電力を供給可能である。
【0100】
続いて、室外機2Aの室外側コントローラ39は、自機の発電機11から自立運転用の電力が出力されたか否かを判定する。具体的には、発電機11から出力された電力は、電力制御装置33に入力されるため、室外側コントローラ39は、この電力制御装置33への電力の入力の有無で判定する。
【0101】
発電機11から自立運転用の電力が出力された場合、室外側コントローラ39は、電力制御装置33を通じて、自立運転用の電力を電源切替盤50に出力する。これにより、図5に示すように、電源切替盤50の各電源切替スイッチ52、352は、それぞれ自立運転用端子である第2端子52b、352b側に自動的に切り替わる。そして、商用電源36から電力制御装置33を含む室外機2A~2Dが切り離され、室外機2A~2Dと室内機13a~13d、照明装置38、及びコンセント60とが接続される。これによって、空気調和システム1では、商用系統と切断された独立系統、すなわち自立系統が形成され、自立運転が開始される。
【0102】
室外機2Aにおいて、ガスエンジン10が起動して、発電機11による発電が開始されると、三相全波整流ダイオード70は、発電機11から送り出された交流電力の交流電圧を直流電圧に変換する。コンバータ部72bは、当該三相全波整流ダイオード70で整流された直流電圧を基に昇圧して、一定の直流電圧に維持した直流電力として、室外機2Aが備える電動部に供給する。
【0103】
これに対して、インバータ部72aは、三相全波整流ダイオード70で整流された直流電圧を基に昇圧して交流に変換し、一定の交流電圧に維持した交流電力として出力する。
図5に示すように、この交流電力は、発電電力として、電源線34b(自立運転用)、電源切替スイッチ52、電源線34a、電源分岐線34a1を通じて、室外機2B~2Dに供給される。
【0104】
続いて、室外機2Aの室外側コントローラ39は、該室外機2Aで発電した発電電力を用いて、室外機2B~2Dのガスエンジン10のセルモータを駆動させ、該ガスエンジン10を起動させる。ガスエンジン10が起動すると、室外機2B~2Dの発電機11による発電が開始される。
【0105】
上述の通り、室外機2Aでの発電は、インバータ制御基板78によって制御される。また、空気調和システム1では、電力負荷での消費電力に応じて、室外機2B~2Dの室外側コントローラ39によって、室外機2B~2Dが起動される。
このような空気調和システム1において、室外機2B~2Dが備えるガスエンジン10は、いずれも室外機2Aで発電される発電電力によって起動されるため、室外機2B~2Dには、いずれも略同一の位相を備える電力が室外機2Aから供給される。
これによって、室外機2B~2Dの各々では、電力負荷での消費電力、及び他の室外機2B~2Dの駆動状態に関わらず、室外機2B~2Dの各々が備えるガスエンジン10が安定して起動され、動作する。
【0106】
室外機2Aの室外側コントローラ39は、室外機2B~2Dの発電機11から自立運転用の発電電力が出力されたか否かを判別する。該発電機11から出力された発電電力は、室外機2B~2Dの電力制御装置33に入力される。このため、室外機2Aの室外側コントローラ39は、室外機2B~2Dの電力制御装置33への電力の入力の有無で、室外機2B~2Dの発電機11から自立運転用の発電電力が出力されたか否かを判定する。
【0107】
発電機11から発電電力が出力された場合において、室外機2Aの室外側コントローラ39は、室外機2B~2Dの電力制御装置33を通じて出力される発電電力を、室外機2Aから出力された発電電力に重畳させるように調整する。
具体的には、室外機2Aでは、出力される発電電力の電圧を所定値に維持するように、電力制御装置33が動作する。室外機2B~2Dでは、室外機2Aから出力された発電電力の電圧値に応じて、出力される発電電力の電流を所定値に維持するように、電力制御装置33の各々が動作する。
これにより、室外機2A(親機)及び室外機2B~2D(子機)から出力される発電電力は波長等を合わせた状態で下流側に供給される。なお、図5に示すように、室外機2B~2Dでは、給電線34b1を介して、電源分岐線34a1に、当該室外機2B~2Dの発電電力が供給される。
【0108】
室内機13a~13dのいずれかを運転する場合には、リモコン5の運転操作を行う。これにより、対応する室外機2A~2Dの圧縮機12が駆動され、冷媒回路内を冷媒が循環することで空調運転が実現される。
【0109】
上述の通り、自立運転時には、上流側給電ライン51aは、電源切替盤50によって室外機2A~2Dから切り離され、電源切替盤50より上流側の商用電源36には、各発電機11の電力が供給されない。このため、空気調和システム1では、自立運転の実施時に商用電源36側に逆潮流が生じることを簡易な構造で防止可能であると共に、所望の室内機13a~13d、照明装置38、及びコンセント60を運転することが可能である。
したがって、空気調和システム1では、発電能力が限られる発電機11で電力を供給する場合であっても、停電時に所望の設備を稼働させることが可能である。また、空気調和システム1では、停電時の混乱状態にあっても、運転したい設備をその場で選定することなく、予め選定されて自立系統に配置される設備を速やかに稼働させることが可能である。
【0110】
また、自立運転時には、発電機11から下流側給電ライン51bに流れた電力の一部は、電源線41を通って室外機2Aに戻り、電力線47b等を介して、親機である室外機2Aが備えるバッテリ49に電力が供給される。すなわち、室外機2Aでは、自立運転中においてもバッテリ49が充電される。
【0111】
[1-2―2.自立運転における通常の空気調和システムの運転]
図6は、空気調和システム1の動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、空気調和システム1が自立運転を行う場合には、親機である室外機2Aにおいて、分配制御部781は、電流センサ115と、電圧センサ114との検出値を取得し、インバータ部72aによる出力電力を算出する(ステップS101)。
【0112】
次いで、分配制御部781は、ステップS101で算出した算出値と第1閾値P1とを比較する(ステップS103)。
算出値が第1閾値P1より小さい場合(ステップS103:NO)には、処理がステップS101に戻る。
【0113】
算出値が第1閾値P1以上の場合(ステップS103:YES)には、分配制御部781は、室外機2B~2Dの各々に発電させる交流電力の目標値を算出する(ステップS105)。分配制御部781は、当該目標値を通信制御部784aと第1通信線CLAを介して、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78に送信する(ステップS107)。室外機2B~2Dのインバータ制御基板78は、目標値を取得すると、発電量が目標値となるように、交流電力の発電を行う(ステップS109)。
【0114】
分配制御部781は、通信制御部784aと第1通信線CLAを介して、室外機2B~2Dの出力電力を取得する(ステップS111)。次いで、分配制御部781は、室外機2B~2Dの出力電力と第2閾値P2とを比較する(ステップS113)。
室外機2B~2Dのいずれかの発電量が第2閾値P2よりも小さい場合(ステップS113:NO)には、処理がステップS101に戻る。
【0115】
室外機2B~2Dのいずれかの発電量が第2閾値P2以上の場合(ステップS113:YES)には、分配制御部781は、室外機2B~2Dの発電量が第2閾値P2以下になるように制御する。さらに、分配制御部781は、第1閾値P1よりも大きくなるように、室外機2Aのインバータ部72aによる出力電力を増加させる(ステップS115)。
【0116】
[1-2―3.自立運転下で電力負荷が遮断される場合の空気調和システムの運転]
図7は、空気調和システム1の動作を示すフローチャートである。
空気調和システム1では、自立運転下で室外機2A~2Dが発電を行う場合に、電力負荷で複数の機器が遮断されると、電源線34bに配置された出力端子34cへ、室外機2Aに余剰分の電力が所謂逆電力として流入する場合がある。
【0117】
図7に示すように、空気調和システム1の自立運転中に、停止制御部782aは、ゼロクロス半周期毎に、電流センサ115と、電圧センサ114との検出値を取得し、電源線34bから流入する電力を算出する(ステップS201)。
【0118】
停止制御部782aは、ステップS201の算出値が第3閾値P3よりも大きい場合(ステップS202:NO)には、処理がステップS201に戻る。
ステップS201の算出値が第3閾値P3以下の場合(ステップS202:YES)には、停止制御部782aは、室外機2B~2Dの停止制御部782b~782dに、停止指示信号を送信する(ステップS205)。
【0119】
上述の通り、この停止指示信号は、パルス通信である第2通信線CLBを介して送信される。第2通信線CLBは、例えば図6のステップS107やステップS111での通信に用いられる第1通信線CLAよりも、通信に関わる処理に要する時間が短い第2通信を行う。
【0120】
停止制御部782aは、ステップS205の後に、電流センサ115と、電圧センサ114との検出値から算出する算出値と、第4閾値P4とを比較する(ステップS209)。
算出値が第4閾値P4以下の場合(ステップS209:NO)には、処理がステップS205に戻る。
【0121】
算出値が第4閾値P4以上の場合(ステップS209:YES)には、停止制御部782aは、停止指示信号の送信を停止する(ステップS211)。
【0122】
図8は、空気調和システム1の動作を示すフローチャートである。
図7に示すように、空気調和システム1の自立運転中に、停止制御部782b~782dは、停止指示信号を受信したか否かを判定する(ステップS301)。
停止指示信号を受信していないと停止制御部782b~782dが判定した場合(ステップS301:NO)には、処理がステップS301に戻る。
【0123】
停止指示信号を受信したと停止制御部782b~782dが判定した場合(ステップS301:YES)には、停止制御部782b~782dは、停止指示信号を第1期間T1以上連続して受信したか否かを判定する(ステップS303)。
停止指示信号を第1期間T1以上連続して受信していないと停止制御部782b~782dが判定した場合(ステップS303:NO)には、停止制御部782b~782dは、停止指示信号を受信した場合における処理を終了する。
【0124】
停止指示信号を第1期間T1以上連続して受信したと停止制御部782b~782dが判定した場合(ステップS303:YES)には、停止制御部782b~782dは、インバータ部72aをゲートブロックする(ステップS305)。
【0125】
次いで、停止制御部782b~782dは、第2期間T2が経過したか否かを判定する(ステップS307)。
第2期間T2が経過していないと停止制御部782b~782dが判定した場合(ステップS307:NO)には、処理がステップS305に戻る。
【0126】
第2期間T2が経過したと停止制御部782b~782dが判定した場合(ステップS307:YES)には、停止制御部782b~782dは、インバータ部72aのゲートブロックを解除する(ステップS309)。
【0127】
ステップS309の後、停止制御部782b~782dは、第3期間T3が経過したか否かを判定する(ステップS313)。
第3期間T3が経過していないと停止制御部782b~782dが判定した場合(ステップS313:NO)には、処理がステップS311に戻る。
【0128】
第3期間T3が経過したと停止制御部782b~782dが判定した場合(ステップS313:YES)には、停止制御部782b~782dは、停止指示信号を受信した場合における処理を終了する。
【0129】
[1-2―4.自立運転下で電力負荷が遮断される場合の空気調和システムの運転]
図9は、空気調和システム1の動作を示すフローチャートである。
空気調和システム1の自立運転下において、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々は、電圧センサ114で、室外機2Aから送り出される電力の電圧値を検出する(ステップ401)。
【0130】
空気調和システム1では、電力負荷で複数の機器が起動される等によって、室外機2Aから送り出される電力の電圧値が低下する場合がある。
電圧センサ114が室外機2Aから送り出される電力の電圧値の低下を検出すると、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々は、所定期間における電圧値の変化量を測る。
【0131】
電圧値の変化量が特定されると、増加制御部783b~783dは、当該変化量を第5閾値P5と比較する(ステップS403)。
変化量が第5閾値P5以上の場合(ステップS403:YES)には、増加制御部783b~783dの各々は、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々に、第1増加量Q1となるように、出力電力を増加させる(ステップS407)。
【0132】
次いで、増加制御部783b~783dは、第4期間T4が経過したか否かを判定する(ステップS409)。
第4期間T4が経過していないと増加制御部783b~783dが判定した場合(ステップS409:NO)には、処理がステップS407に戻る。
【0133】
第4期間T4が経過したと増加制御部783b~783dが判定した場合(ステップS409:YES)には、増加制御部783b~783dは、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々に、出力電力の増加を停止させる(ステップS411)。
【0134】
ステップS403において、変化量が第5閾値P5よりも小さいと増加制御部783b~783dが判定した場合(ステップS403:YES)には、増加制御部783b~783dは、当該変化量を第6閾値P6と比較する(ステップS405)。
変化量が第6閾値P6以上の場合(ステップS405:YES)には、増加制御部783b~783dの各々は、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々に、第2増加量Q2となるように、出力電力を増加させる(ステップS413)。
【0135】
次いで、増加制御部783b~783dは、第5期間T5が経過したか否かを判定する(ステップS415)。
第5期間T5が経過していないと増加制御部783b~783dが判定した(ステップS415:NO)場合には、処理がステップS413に戻る。
【0136】
第5期間T5が経過したと増加制御部783b~783dが判定した場合(ステップS415:YES)には、増加制御部783b~783dは、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78の各々に、出力電力の増加を停止させる(ステップS417)。
【0137】
ステップS403において、受信した変化量が第6閾値P6よりも小さいと判定した場合(ステップS405:NO)には、増加制御部783b~783dは、室外機2Aから送り出される電力の電圧値の低下を検知した場合における処理を終了する。
【0138】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、空気調和システム1は、各々が複数台の室外機2A~2Dを備える。室外機2A~室外機2Dは、いずれも発電機11と、インバータ部72aを有し、電力負荷に対して出力する出力電力を制御する電力制御装置33と、を備える。空気調和システム1では、室外機2Aが親機として機能し、室外機2B~室外機2Dが子機として機能する。室外機2Aの電力制御装置33と、室外機2B~室外機2Dの電力制御装置33とは、互いに通信可能に設けられる。室外機2Aの電力制御装置33は、当該電力制御装置33の出力電力が第1閾値P1以上である場合に、室外機2B~室外機2Dの各々に対して、室外機2Aの出力電力に応じて、複数台の子機の各々における出力電力の目標値を指示する。
これにより、空気調和システム1は、親機である室外機2Aの発電量の増加を抑制しつつ、子機である室外機2B~室外機2Dの発電電力を電力負荷に供給できる。このため、空気調和システム1は、親機である室外機2Aの子機に対する制御性を維持し、空気調和システム1における発電効率の低下を抑制できる。
【0139】
本実施の形態によれば、室外機2Aの電力制御装置33は、室外機2Aの出力電力が第1閾値P1以上である場合に、室外機2B~室外機2Dの各々に対して、出力電力の目標値として、互いに略同一の大きさの電力を指示してもよい。
これにより、空気調和システム1では、室外機2B~室外機2Dの間で発電量に偏りが生じることが抑制される。このため、空気調和システム1では、室外機2B~室外機2Dの少なくともいずれか一つで発電量が増加することを抑制できる。したがって、空気調和システム1では、空気調和システム1における発電効率の低下を抑制できる。
【0140】
本実施の形態によれば、室外機2Aの電力制御装置33は、室外機2B~室外機2Dの各々の出力電力が第2閾値P2以上である場合に、室外機2Aの出力電力を第1閾値P1よりも大きい所定電力に増大してもよい。
これにより、室外機2Aは、負荷急変時の一時的な電力変動の吸収を図ることができる。このため、空気調和システム1は、システムとして安定した基準電圧の生成に注力できる。
【0141】
本実施の形態によれば、室外機2Aの電力制御装置33は、室外機2Aの出力電力が第1閾値P1より小さい場合に、室外機2B~室外機2Dの各々に対して、出力電力の目標値を指示しなくてもよい。
これにより、室外機2Aは、出力電力に応じて、室外機2B~室外機2Dの発電を抑制できる。このため、空気調和システム1は、必要とされる電力が小さい場合において、より効率よく電力を発電できる。
【0142】
本実施の形態によれば、室外機2B~室外機2Dの電力制御装置33の各々は、インバータ部72aの出力側に、出力電力の電圧を検出する電圧センサ110と、出力電力の電流を検出する電流センサ112と、を備え、電圧センサ110の検出結果、及び電流センサ112の検出結果に基づいて、出力電力を算出してもよい。
これにより、室外機2Aは、出力電力に応じて、発電電力を制御することができる。また、室外機2A~2Dは、室外機2Aの出力電圧に応じて、発電できる。このため、空気調和システム1では、より確実に電力負荷に電力を供給できる。
【0143】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0144】
上述した実施形態は、本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0145】
図1図5に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施の形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、空気調和システム1の他の各部の具体的な細部構成についても、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0146】
図6図9に示す動作のステップ単位は、空気調和システム1の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、動作が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本開示の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0147】
上述した実施形態において、室外機2B~2Dと、電源分岐線34a1、及び商用電源線とは、電源切替スイッチ52のようなスイッチを介して接続されてもよい。当該スイッチは、電源切替盤50に設けられてもよい。
【0148】
上述した実施形態において、室外機2Aのインバータ制御基板78と、室外機2B~2Dのインバータ制御基板78とは、第1通信線CLAを介して第1通信としてパケット通信を行い、第2通信線CLBを介して第2通信としてパルス信号を用いる通信を行うとした。しかしながらこれに限らず、第1通信線CLAと第2通信線CLBとには、第1通信線CLAの通信速度よりも第2通信線CLBの通信速度の方が速い、あるいは処理に要する時間が短いのであれば、他の通信方式が用いられてもよい。また例えば、第1通信と第2通信とには、他の通信手段が用いられてもよい。
【0149】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0150】
(付記)
(技術1)複数台の室外機を備え、前記室外機は圧縮機と、前記圧縮機を駆動するガスエンジンと、前記ガスエンジンで駆動される発電機とを備える室外機の発電制御システムであって、前記室外機は、親機と複数台の子機とで構成され、前記親機、及び前記複数台の子機の各々は、前記発電機と、インバータを有し、負荷に対して出力する出力電力を制御する電力制御装置と、を備え、前記親機、及び前記複数台の子機の前記電力制御装置は、互いに通信可能に構成され、前記親機の前記電力制御装置は、前記親機の前記出力電力が第1閾値電力以上である場合に、前記複数台の子機の各々に対して、前記親機の前記出力電力に応じて、前記複数台の子機の各々の目標出力電力を指示する、室外機の発電制御システム。
この構成により、室外機の発電制御システムは、親機での発電量の増加を抑制しつつ、子機の発電電力を電力負荷に供給できる。このため、室外機の発電制御システムは、親機の子機に対する制御性を維持し、発電効率の低下を抑制できる。
【0151】
(技術2)前記親機の前記電力制御装置は、前記親機の前記出力電力が前記第1閾値電力以上である場合に、前記複数台の子機の各々に対して、前記目標出力電力として、互いに略同一の大きさの電力を指示する、技術1に記載の室外機の発電制御システム。
この構成により、室外機の発電制御システムでは、子機の各々の間で発電量に偏りが生じることが抑制される。このため、室外機の発電制御システムでは、少なくとも一つの子機に対する負荷が増加することを抑制できる。したがって、室外機の発電制御システムでは、室外機の発電制御システムにおける発電効率の低下を抑制できる。
【0152】
(技術3)前記親機の前記電力制御装置は、前記複数台の子機の各々の前記出力電力が第2閾値電力以上である場合に、前記親機の前記出力電力を前記第1閾値電力よりも大きい所定電力に増大する、技術1または技術2に記載の室外機の発電制御システム。
この構成により、親機は、負荷急変時の一時的な電力変動の吸収を図ることができる。このため、空気調和システムは、システムとして安定した基準電圧の生成に注力できる。
【0153】
(技術4)前記親機の前記電力制御装置は、前記親機の前記出力電力が前記第1閾値電力より小さい場合に、前記複数台の子機の各々に対して、前記目標出力電力を指示しない、技術1から技術3のいずれか1項に記載の室外機の発電制御システム。
この構成により、親機は、出力電力に応じて、電力負荷に供給される子機の発電を抑制できる。このため、室外機の発電制御システムでは、より効率よく電力を発電できる。
【0154】
(技術5)前記親機、及び前記複数台の子機の前記電力制御装置の各々は、前記インバータの出力側に、前記出力電力の電圧を検出する電圧センサと、前記出力電力の電流を検出する電流センサと、を備え、前記電圧センサの検出結果、及び前記電流センサの検出結果に基づいて、前記出力電力を算出する、技術1から技術4のいずれか1項に記載の室外機の発電制御システム。
この構成により、親機は、出力電力に応じて、発電電力を制御することができる。また、子機は、親機の出力電力に応じて、発電できる。このため、室外機の発電制御システムでは、より確実に電力負荷に電力を供給できる。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本開示は、冷媒を圧縮する圧縮機の駆動源としてガスエンジンを利用したガスヒートポンプ式空気調和装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0156】
1 空気調和システム(室外機の発電制御システム)
2 室外機
2A~2D 室外機
10 ガスエンジン
11 発電機
12 圧縮機
20 電動部制御基板
33 電力制御装置
34、34a、34b 電源線
34a1 電源分岐線
36 商用電源
39c 室外機制御基板
47a、47c、55 電力線
49 バッテリ
55 電力線
55a 分岐線
55b 分岐線
72 IPM基板
72a インバータ部(インバータ)
72b コンバータ部
74 フィルタ基板
78 インバータ制御基板
86、110、113、114 電圧センサ
112 電流センサ
P1 第1閾値(第1閾値電力)
P2 第2閾値(第2閾値電力)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9