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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154676
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】押出ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/34 20190101AFI20241024BHJP
   B29C 48/325 20190101ALI20241024BHJP
【FI】
B29C48/34
B29C48/325
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068636
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000212728
【氏名又は名称】中田エンヂニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 忠資
【テーマコード(参考)】
4F207
【Fターム(参考)】
4F207AA45
4F207AD15
4F207AG08
4F207AJ08
4F207KA01
4F207KA17
4F207KB18
4F207KL58
4F207KL76
4F207KL77
4F207KL80
4F207KM15
(57)【要約】
【課題】 メンテナンス性に優れ、メンテナンス後の調整時間も短縮可能な押出ヘッドを提供する。
【解決手段】 可塑性を有するゴム材料Gを管状体G1として押し出すための押出ヘッド1である。管状体G1の外周形状を形成するための開口部2aを有するダイ2と、管状体G1の内周形状を形成するためのテーパー部3aとテーパー部3aの軸方向の反対側に設けられた第1ネジ部3bとを有するスピンドル3と、スピンドル3を軸方向にのみ移動可能に支持する支持部4aと、開口部2aとテーパー部3aとの間の距離を調整するための調整機構5とを含む。調整機構5は、第1ネジ部3bにネジ結合された第2ネジ部6aを有する第1歯車6と、第1歯車6に噛み合う第2歯車7と、第2歯車7を回転させるための駆動部8とを含む。第2歯車7は、第1歯車6に噛み合う第1位置P1と、第1歯車6から離隔した第2位置P2とに移動可能に構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可塑性を有するゴム材料を管状体として押し出すための押出ヘッドであって、
前記管状体の外周形状を形成するための開口部を有するダイと、
前記管状体の内周形状を形成するためのテーパー部と前記テーパー部の軸方向の反対側に設けられた第1ネジ部とを有するスピンドルと、
前記スピンドルを軸方向にのみ移動可能に支持する支持部と、
前記開口部と前記テーパー部との間の距離を調整するための調整機構とを含み、
前記調整機構は、前記第1ネジ部にネジ結合された第2ネジ部を有する第1歯車と、前記第1歯車に噛み合う第2歯車と、前記第2歯車を回転させるための駆動部とを含み、
前記第2歯車は、前記第1歯車に噛み合う第1位置と、前記第1歯車から離隔した第2位置とに移動可能に構成されている、
押出ヘッド。
【請求項2】
前記第1歯車及び前記第2歯車は、それぞれ、傘歯車である、請求項1に記載の押出ヘッド。
【請求項3】
前記第2歯車は、前記第1位置と前記第2位置との間を旋回移動可能に構成されている、請求項1に記載の押出ヘッド。
【請求項4】
前記第2歯車は、前記第1位置と前記第2位置との間を直線移動可能に構成されている、請求項1に記載の押出ヘッド。
【請求項5】
前記調整機構は、前記第2歯車の前記第1位置を規定する位置決め手段を含む、請求項1に記載の押出ヘッド。
【請求項6】
前記第1歯車を間接的に支持する第1部材と、前記第2歯車を間接的に支持する第2部材とを含み、
前記位置決め手段は、前記第1部材及び前記第2部材の一方に形成されたテーパー孔部と、前記第1部材及び前記第2部材の他方に形成され、かつ、前記テーパー孔部に接触可能なテーパー突部とを含む、請求項5に記載の押出ヘッド。
【請求項7】
前記位置決め手段は、少なくとも2本の位置決めピンを含む、請求項5に記載の押出ヘッド。
【請求項8】
前記スピンドルは、前記スピンドルを貫通する中空部を有する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の押出ヘッド。
【請求項9】
前記調整機構は、前記開口部の軸心位置に対する前記テーパー部の軸心位置を調整するための調心手段を有する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の押出ヘッド。
【請求項10】
前記調心手段は、前記ダイに設けられた駆動モータと、前記開口部を介して前記駆動モータと対向する位置に設けられた弾性部材とを含む、請求項9に記載の押出ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可塑性を有するゴム材料を管状体として押し出すための押出ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可塑性を有するゴム材料を管状体として押し出すための押出ヘッド、いわゆるクロスヘッドが種々知られている。例えば、下記特許文献1は、ダイスの中心とクロスヘッドの中心との位置決めを行う調芯機構を有することで振れ精度を向上し得る押出し機を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-290367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の押出ヘッドは、構造が複雑であり、メンテナンスに多大な時間を要するとともに、メンテナンス後の調整作業にも多大な時間を要するという問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、メンテナンス性に優れ、メンテナンス後の調整時間も短縮可能な押出ヘッドを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、可塑性を有するゴム材料を管状体として押し出すための押出ヘッドであって、前記管状体の外周形状を形成するための開口部を有するダイと、前記管状体の内周形状を形成するためのテーパー部と前記テーパー部の軸方向の反対側に設けられた第1ネジ部とを有するスピンドルと、前記スピンドルを軸方向にのみ移動可能に支持する支持部と、前記開口部と前記テーパー部との間の距離を調整するための調整機構とを含み、前記調整機構は、前記第1ネジ部にネジ結合された第2ネジ部を有する第1歯車と、前記第1歯車に噛み合う第2歯車と、前記第2歯車を回転させるための駆動部とを含み、前記第2歯車は、前記第1歯車に噛み合う第1位置と、前記第1歯車から離隔した第2位置とに移動可能に構成されている、押出ヘッドである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の押出ヘッドは、上述の構成を備えることにより、メンテナンス性に優れており、メンテナンス後の調整時間も短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の押出ヘッドの一実施形態を示す断面模式図である。
図2】第2歯車が第2位置に移動した状態の押出ヘッドの断面模式図である。
図3】調整機構を上流側から見た断面模式図である。
図4】第2の実施形態の調整機構の断面模式図である。
図5】第3の実施形態の調整機構の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態の押出ヘッド1を示す断面模式図である。図1に示されるように、本実施形態の押出ヘッド1は、可塑性を有するゴム材料Gを管状体G1として押し出すためのものである。
【0010】
本実施形態の押出ヘッド1は、管状体G1の外周形状を形成するためのダイ2と、管状体G1の内周形状を形成するためのスピンドル3とを含んでいる。本実施形態のダイ2は、管状体G1の外周形状を形成するための開口部2aを有している。本実施形態のスピンドル3は、管状体G1の内周形状を形成するためのテーパー部3aと、テーパー部3aの軸方向の反対側に設けられた第1ネジ部3bとを有している。
【0011】
押出ヘッド1は、例えば、スピンドル3の径方向の外側に配されたアタッチメント4を含んでいる。アタッチメント4は、スピンドル3を軸方向にのみ移動可能に支持する支持部4aを有するのが望ましい。このような支持部4aは、スピンドル3が軸周りに回転することを抑制することができ、第1ネジ部3bに回転方向の力が作用したときにも、スピンドル3を軸方向に移動させることができる。
【0012】
本実施形態の押出ヘッド1は、開口部2aとテーパー部3aとの間の距離Lを調整するための調整機構5を含んでいる。このような調整機構5は、管状体G1の厚さtを容易に調整することができる。
【0013】
本実施形態の調整機構5は、第1ネジ部3bにネジ結合された第2ネジ部6aを有する第1歯車6と、第1歯車6に噛み合う第2歯車7と、第2歯車7を回転させるための駆動部8とを含んでいる。このような調整機構5は、駆動部8を回転させることで、第2歯車7を介して第1歯車6を回転させ、第2ネジ部6aと第1ネジ部3bとのネジ結合によりスピンドル3を軸方向に移動させることができ、管状体G1の厚さtを容易に調整することができる。
【0014】
図2は、第2歯車7が第2位置P2に移動した状態の押出ヘッド1の断面模式図である。図1及び図2に示されるように、本実施形態の第2歯車7は、第1歯車6に噛み合う第1位置P1と、第1歯車6から離隔した第2位置P2とに移動可能に構成されている。このような第2歯車7は、第1歯車6やスピンドル3を分解時に第1歯車6から離隔させることができ、メンテナンス作業を容易にすることができる。
【0015】
また、このような調整機構5は、メンテナンス後に第2歯車7を第1位置P1に移動させ、スピンドル3の軸方向の位置を調整するだけで押出作業を再開できるので、メンテナンス後の調整時間を短縮することができる。このため、本実施形態の押出ヘッド1は、メンテナンス性に優れており、メンテナンス後の調整時間も短縮することができる。
【0016】
より好ましい態様として、押出ヘッド1は、アタッチメント4を支持するベース9を含んでいる。ベース9には、ゴム材料Gを投入するための投入口9aが設けられるのが望ましい。ベース9とアタッチメント4との境界部には、例えば、ゴム材料Gを流すための流路(図示省略)が設けられている。なお、ゴム材料Gの流路を別に確保できる場合、ベース9は、例えば、アタッチメント4と一体構造であってもよい。
【0017】
本実施形態のスピンドル3は、スピンドル3を貫通する中空部3cを有している。中空部3cには、例えば、管状体G1の芯金Cを軸方向の上流側Uから下流側Dに向けて移動可能に貫通させることができる。
【0018】
本実施形態の押出ヘッド1は、スピンドル3の上流側Uから中空部3cに芯金Cが差し込まれ、下流側Dのダイ2で芯金Cの周囲にゴム材料Gを管状体G1として被覆している。このような押出ヘッド1は、芯金Cの周囲にスムーズにゴム材料Gを被覆することができる。なお、芯金Cは、例えば、ワイヤであってもよい。また、管状体G1は、例えば、芯金Cがない中空の管状体G1であってもよい。
【0019】
調整機構5は、ダイ2の開口部2aの軸心位置に対するスピンドル3のテーパー部3aの軸心位置を調整するための調心手段10を有するのが望ましい。このような調整機構5は、第1歯車6、第2歯車7及び駆動部8により、管状体G1の全体の厚さtを調整することができ、調心手段10により、管状体G1の周方向の厚さtのバラつきを調整することができる。
【0020】
本実施形態の調心手段10は、ダイ2に設けられた駆動モータ10aと、開口部2aを介して駆動モータ10aと対向する位置に設けられた弾性部材10bとを含んでいる。調心手段10は、例えば、2つの駆動モータ10aと2つの弾性部材10bとを含んでいる。2つの駆動モータ10aは、互いに直交する方向に配置されるのが望ましい。
【0021】
このような調心手段10は、図示省略のセンサにより管状体G1の厚さtを検出して駆動モータ10aを駆動することで、常に管状体G1の厚さtが一定になるように自動的に調整することができる。なお、調心手段10は、例えば、ダイ2の周囲に配された複数の調心ボルトによる手動調整であってもよい。
【0022】
駆動モータ10aは、例えば、ステッピングモータやサーボモータ、ギヤードモータ等から適宜採用される。弾性部材10bは、例えば、複数の皿バネが好適に採用される。調心手段10は、例えば、弾性部材10b側に図示省略の位置センサを設けて、駆動モータ10aをフィードバック制御するようにしてもよい。このような調心手段10は、自動調芯による振れ精度を向上させることができる。
【0023】
調整機構5の第1歯車6及び第2歯車7は、それぞれ、傘歯車であるのが望ましい。本実施形態の第1歯車6及び第2歯車7は、それぞれの軸方向が互いに直交する方向に配置されている。このような調整機構5は、第2歯車7の移動により、第1歯車6やスピンドル3を分解するためのスペースを大きく確保することができ、メンテナンス性を更に向上させることができる。
【0024】
第1歯車6と第2歯車7とは、歯数が同一であるのが望ましい。このような調整機構5は、スピンドル3の軸方向の位置調整が容易であり、メンテナンス後の調整作業をより効率化することができ、メンテナンス後の調整時間も短縮することができる。なお、第1歯車6及び第2歯車7は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、平歯車やはすば歯車であってもよい。
【0025】
本実施形態の第2歯車7は、第1位置P1と第2位置P2との間を旋回移動可能に構成されている。このような調整機構5は、第2歯車7の移動が容易であり、メンテナンス性を向上させることに役立つ。
【0026】
調整機構5は、第2歯車7の第1位置P1を規定する位置決め手段11を含むのが望ましい。このような調整機構5は、第1歯車6と第2歯車7との噛み合い調整が容易であり、メンテナンス後の調整時間を短縮することができる。
【0027】
押出ヘッド1は、例えば、第1歯車6を間接的に支持する第1部材12と、第2歯車7を間接的に支持する第2部材13とを含んでいる。第1部材12は、例えば、ベース9、アタッチメント4及びスピンドル3を介して第1歯車6を支持している。第2部材13は、例えば、駆動部8を介して第2歯車7を支持している。このような第1部材12及び第2部材13は、簡易な構成で、第2歯車7を移動させることに役立つ。
【0028】
位置決め手段11は、第1部材12及び第2部材13の一方、本実施形態では第1部材12に形成されたテーパー孔部12aと、第1部材12及び第2部材13の他方、本実施形態では第2部材13に形成されたテーパー突部13aとを含んでいる。テーパー突部13aは、テーパー孔部12aに全体が接触可能な形状であるのが望ましい。このような位置決め手段11は、旋回移動する第2歯車7の第1位置P1を確実に規定することができる。
【0029】
図3は、調整機構5を上流側Uから見た断面模式図である。図3に示されるように、本実施形態の調整機構5は、第2歯車7を第1位置P1で固定するロック手段14を含んでいる。ロック手段14は、例えば、第1部材12と第2部材13とを固定する複数のロックボルト14aを含んでいる。このような調整機構5は、簡易な構成で、第2歯車7を第1位置P1に確実に固定することができる。
【0030】
ロックボルト14aは、その一端が第1部材12又は第2部材13、本実施形態では、第2部材13に揺動自在に固着されている。調整機構5は、例えば、二点鎖線で示されるように、ロックボルト14aを第1部材12から離隔させた状態で、第2歯車7を移動させることができる。このようなロック手段14は、固定、解除作業が容易であり、メンテナンス性を向上させることに役立ち、コストパフォーマンスにも優れている。
【0031】
図4は、第2の実施形態の調整機構20の断面模式図である。上述の実施形態と同一の要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図4に示されるように、第2の実施形態の調整機構20は、上述の調整機構5と同様、スピンドル3(図1に示す)にネジ結合された第1歯車6と、第1歯車6に噛み合う第2歯車7と、第2歯車7を回転させるための駆動部8とを含んでいる。
【0032】
第1歯車6は、上述の実施形態と同様、第1部材21により間接的に支持されるのが望ましい。第2の実施形態の第2歯車7は、上述の実施形態と同様、第2部材22により間接的に支持されている。このような第1部材21及び第2部材22は、簡易な構成で、第2歯車7を移動させることに役立つ。
【0033】
第2の実施形態の調整機構20の第2歯車7は、第1歯車6に噛み合う第1位置P1と、第1歯車6から離隔した第2位置P2(図示省略)との間を直線移動可能に構成されている。調整機構20は、例えば、第2歯車7を直線移動させるためのガイド手段23を含んでいる。
【0034】
ガイド手段23は、リニアガイドであるのが望ましい。ガイド手段23は、例えば、第1部材21に取り付けられたレール部23aと、第2部材22に取り付けられたガイド部23bとを含んでいる。このような調整機構20は、第2歯車7を精度よく直線移動させることができる。
【0035】
第2の実施形態の調整機構20は、上述の調整機構5と同様、第2歯車7の第1位置P1を規定する位置決め手段24を含んでいる。位置決め手段24は、例えば、第1部材21に形成された位置決め孔24aと、位置決め孔24aに差し込み可能な位置決めピン24bを含んでいる。
【0036】
位置決め手段24は、少なくとも2本、第2の実施形態では2本の位置決めピン24bを含んでいる。このような位置決め手段24は、直線移動する第2歯車7の第1位置P1を確実に規定することができる。
【0037】
第2の実施形態の調整機構20は、上述の調整機構5と同様、第2歯車7を第1位置P1で固定するロック手段14(図3に示す)を含んでいる。このような調整機構20は、簡易な構成で、第2歯車7を第1位置P1に確実に固定することができる。
【0038】
図5は、第3の実施形態の調整機構30の断面模式図である。上述の実施形態と同一の要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図5に示されるように、第3の実施形態の調整機構30は、上述の調整機構5と同様、スピンドル3(図1に示す)にネジ結合された第1歯車6と、第1歯車6に噛み合う第2歯車7と、第2歯車7を回転させるための駆動部8とを含んでいる。
【0039】
第1歯車6は、上述の実施形態と同様、第1部材31により間接的に支持されるのが望ましい。第3の実施形態の第2歯車7は、上述の実施形態と同様、第2部材32により間接的に支持されている。このような第1部材31及び第2部材32は、簡易な構成で、第2歯車7を移動させることに役立つ。
【0040】
第3の実施形態の調整機構30の第2歯車7は、上述の調整機構20と同様、第1歯車6に噛み合う第1位置P1と、第1歯車6から離隔した第2位置P2(図示省略)との間を直線移動可能に構成されている。第3の実施形態の調整機構30は、上述の調整機構20と同様、第2歯車7を直線移動させるためのガイド手段23を含んでいる。
【0041】
第3の実施形態の調整機構30は、上述の調整機構5と同様、第2歯車7の第1位置P1を規定する位置決め手段33を含んでいる。位置決め手段33は、例えば、第1部材21に形成された固定シャフト33aと、固定シャフト33aに接するボールブッシュ33bを含んでいる。
【0042】
位置決め手段33は、少なくとも2本、第3の実施形態では2本の固定シャフト33aを含んでいる。このような位置決め手段33は、直線移動する第2歯車7の第1位置P1を確実に規定することができる。
【0043】
第3の実施形態の調整機構30は、上述の調整機構5と同様、第2歯車7を第1位置P1で固定するロック手段14(図1に示す)を含んでいる。このような調整機構30は、簡易な構成で、第2歯車7を第1位置P1に確実に固定することができる。
【0044】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
【0045】
[付記]
本発明は、次のとおりである。
【0046】
[本発明1]
可塑性を有するゴム材料を管状体として押し出すための押出ヘッドであって、
前記管状体の外周形状を形成するための開口部を有するダイと、
前記管状体の内周形状を形成するためのテーパー部と前記テーパー部の軸方向の反対側に設けられた第1ネジ部とを有するスピンドルと、
前記スピンドルを軸方向にのみ移動可能に支持する支持部と、
前記開口部と前記テーパー部との間の距離を調整するための調整機構とを含み、
前記調整機構は、前記第1ネジ部にネジ結合された第2ネジ部を有する第1歯車と、前記第1歯車に噛み合う第2歯車と、前記第2歯車を回転させるための駆動部とを含み、
前記第2歯車は、前記第1歯車に噛み合う第1位置と、前記第1歯車から離隔した第2位置とに移動可能に構成されている、
押出ヘッド。
【0047】
[本発明2]
前記第1歯車及び前記第2歯車は、それぞれ、傘歯車である、本発明1に記載の押出ヘッド。
【0048】
[本発明3]
前記第2歯車は、前記第1位置と前記第2位置との間を旋回移動可能に構成されている、本発明1に記載の押出ヘッド。
【0049】
[本発明4]
前記第2歯車は、前記第1位置と前記第2位置との間を直線移動可能に構成されている、本発明1に記載の押出ヘッド。
【0050】
[本発明5]
前記調整機構は、前記第2歯車の前記第1位置を規定する位置決め手段を含む、本発明1に記載の押出ヘッド。
【0051】
[本発明6]
前記第1歯車を間接的に支持する第1部材と、前記第2歯車を間接的に支持する第2部材とを含み、
前記位置決め手段は、前記第1部材及び前記第2部材の一方に形成されたテーパー孔部と、前記第1部材及び前記第2部材の他方に形成され、かつ、前記テーパー孔部に接触可能なテーパー突部とを含む、本発明5に記載の押出ヘッド。
【0052】
[本発明7]
前記位置決め手段は、少なくとも2本の位置決めピンを含む、本発明5に記載の押出ヘッド。
【0053】
[本発明8]
前記スピンドルは、前記スピンドルを貫通する中空部を有する、本発明1ないし7のいずれか1項に記載の押出ヘッド。
【0054】
[本発明9]
前記調整機構は、前記開口部の軸心位置に対する前記テーパー部の軸心位置を調整するための調心手段を有する、本発明1ないし7のいずれか1項に記載の押出ヘッド。
【0055】
[本発明10]
前記調心手段は、前記ダイに設けられた駆動モータと、前記開口部を介して前記駆動モータと対向する位置に設けられた弾性部材とを含む、本発明9に記載の押出ヘッド。
【符号の説明】
【0056】
1 押出ヘッド
2 ダイ
2a 開口部
3 スピンドル
3a テーパー部
3b 第1ネジ部
4a 支持部
5 調整機構
6 第1歯車
6a 第2ネジ部
7 第2歯車
8 駆動部
図1
図2
図3
図4
図5