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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154681
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】背負ユニット
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20241024BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20241024BHJP
【FI】
A45F3/04 300
H01M50/244 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068645
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沓名 知之
(72)【発明者】
【氏名】北原 幹大
(72)【発明者】
【氏名】秦 達也
【テーマコード(参考)】
2E181
5H040
【Fターム(参考)】
2E181BC01
2E181BD02
5H040AA06
5H040AS19
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040GG22
5H040GG23
(57)【要約】
【課題】 背負ユニットを背負っているときの作業者の負担を軽減することができる技術を開示する。
【解決手段】 背負ユニットは、上下方向に延びる背板と、背板に固定され、上下方向に延びる弾性部材と、収容部を有している肩ベルトであって、収容部は、弾性部材を挿入するための開口を有しており、弾性部材の一部を収容する、肩ベルトと、を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる背板と、
前記背板に固定され、上下方向に延びる弾性部材と、
収容部を有している肩ベルトであって、前記収容部は、前記弾性部材を挿入するための開口を有しており、前記弾性部材の一部を収容する、前記肩ベルトと、
を備える、背負ユニット。
【請求項2】
前記収容部は、上側被覆部材と、下側被覆部材と、を有しており、
前記収容部は、前記収容部の幅方向の第1端部、及び、前記幅方向の第2端部であって、前記第1端部とは反対側の前記第2端部において前記上側被覆部材が前記下側被覆部材に結合されることによって画定され、
前記収容部は、さらに、前記収容部の前記開口側の第3端部において、前記第1端部と前記第2端部の間において前記上側被覆部材と前記下側被覆部材とを結合する結合部を備えており、
前記弾性部材は、前記第1端部と前記結合部との間、又は、前記第2端部と前記結合部との間に、配置される、請求項1に記載の背負ユニット。
【請求項3】
前記収容部は、上側被覆部材と、下側被覆部材と、を有しており、
前記収容部は、前記収容部の幅方向の第1端部、及び、前記幅方向の第2端部であって、前記第1端部とは反対側の前記第2端部において前記上側被覆部材が前記下側被覆部材に結合されることによって画定され、
前記上側被覆部材は、2重の被覆部材で構成されている、請求項1又は2に記載の背負ユニット。
【請求項4】
前記収容部は、上側被覆部材と、下側被覆部材と、を有しており、
前記収容部は、前記収容部の幅方向の第1端部と、前記幅方向の第2端部であって、前記第1端部とは反対側の前記第2端部と、前記収容部の前記開口側の第3端部とは反対側の第4端部と、において、前記上側被覆部材が前記下側被覆部材に結合されることによって画定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の背負ユニット。
【請求項5】
前記背板と前記弾性部材とが別の材料で構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の背負ユニット。
【請求項6】
前記背板には、背負式装置を着脱可能に取り付け可能であり、
前記背負式装置は、背負式の電源装置である、請求項1から5のいずれか一項に記載の背負ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、背負ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上下方向に延びる背板と、肩ベルトと、を備える、背負ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-128860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の背負ユニットでは、背負ユニットが作業者に背負われている状態において、作業者の肩に掛けられている肩ベルトが後方側にずれて、背板の上部が、作業者の背中から離れる。この場合、背板の上部が作業者の背中に接している状態と比較して、作業者の肩の前部(鎖骨の近傍)に大きな力がかかるようになる。この状態で作業をするのは、作業者にとって負担となる。
【0005】
本明細書では、背負ユニットを背負っているときの作業者の負担を軽減することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、背負ユニットを開示する。上下方向に延びる背板と、前記背板に固定され、上下方向に延びる弾性部材と、収容部を有している肩ベルトであって、前記収容部は、前記弾性部材を挿入するための開口を有しており、前記弾性部材の一部を収容する、前記肩ベルトと、を備えてもよい。
【0007】
上記の背負ユニットでは、背負ユニットが作業者に背負われると、肩ベルトが作業者の肩に沿って曲がるとともに、背板の上部が作業者の背中側に引っ張られた状態になる。この場合、背板が作業者の背中に密着した状態が維持される。このため、背板の上部が、作業者の背中から離れることによって、作業者の肩の前部に大きな力がかかることを抑制することができる。従って、背負ユニットを背負っているときの作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例の作業用機器2を後方右方上方から見た斜視図である。
図2】実施例の背負ユニット6を後方右方上方から見た斜視図である。
図3】実施例の取付板10及び背板12の後面図である。
図4】実施例の肩ベルト14を後方右方上方から見た斜視図である。
図5】実施例において、作業用機器2が作業者に背負われている状態のポケット40の断面図である。
図6】比較例に係る作業用機器102が作業者に背負われている状態の左面図である。
図7】実施例に係る作業用機器2が作業者に背負われている状態の左面図である。
図8】比較例に係る作業用機器102が作業者に背負われている状態において作業者にかかる力と、実施例に係る作業用機器2が作業者に背負われている状態において作業者にかかる力と、を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された背負ユニットを提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0010】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0011】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において、背負ユニットは、上下方向に延びる背板と、前記背板に固定され、上下方法に延びる弾性部材と、収容部を有している肩ベルトであって、前記収容部は、前記弾性部材を挿入するための開口を有しており、前記弾性部材の一部を収容する、前記肩ベルトと、を備えてもよい。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記収容部は、上側被覆部材と、下側被覆部材と、を有していてもよい。前記収容部は、前記収容部の幅方向の第1端部、及び、前記幅方向の第2端部であって、前記第1端部とは反対側の前記第2端部において前記上側被覆部材が前記下側被覆部材に結合されることによって画定されてもよい。前記収容部は、さらに、前記収容部の前記開口側の第3端部において、前記第1端部と前記第2端部の間において前記上側被覆部材と前記下側被覆部材とを結合する結合部を備えてもよい。前記弾性部材は、前記第1端部と前記結合部との間、又は、前記第2端部と前記結合部との間に、配置されてもよい。
【0014】
上記の構成によると、収容部が結合部を有していない構成と比較して、開口部の幅方向の大きさを小さくすることができる。開口部の幅方向の大きさを小さくすることによって、肩ベルトから弾性部材が抜けることを抑制することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記収容部は、上側被覆部材と、下側被覆部材と、を有していてもよい。前記収容部は、前記収容部の幅方向の第1端部、及び、前記幅方向の第2端部であって、前記第1端部とは反対側の前記第2端部において前記上側被覆部材が前記下側被覆部材に結合されることによって画定されてもよい。前記上側被覆部材は、2重の被覆部材で構成されていてもよい。
【0016】
背負ユニットが作業者に背負われると、肩ベルト及び弾性部材が、作業者の肩に沿って曲がる。この状態において、弾性部材の復元力が上側被覆部材にかかる。上記の構成によると、上側被覆部材の耐久性を向上させることができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記収容部は、上側被覆部材と、下側被覆部材と、を有していてもよい。前記収容部は、前記収容部の幅方向の第1端部と、前記幅方向の第2端部であって、前記第1端部とは反対側の前記第2端部と、前記収容部の前記開口側の第3端部とは反対側の第4端部と、において、前記上側被覆部材が前記下側被覆部材に結合されることによって画定されてもよい。
【0018】
上記の構成によると、第4端部において上側被覆部材が下側被覆部材に結合されていない構成と比較して、背板の上部が作業者の背中側により引っ張られた状態になる。従って、背負ユニットを背負っているときの作業者の負担をより軽減することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記背板と前記弾性部材とが別の材料で構成されていてもよい。
【0020】
上記の構成によると、弾性部材よりも剛性が高い材料で背板を形成することができる。このため、背板の剛性を向上させることができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、背負式装置を着脱可能に取付け可能であり、前記背負式装置は、背負式の電源装置であってもよい。
【0022】
背負式の電源装置は、重量物である。このため、作業者の肩側の前部等にかかる力は比較的に大きい。上記の構成によれば、作業者の肩側の前部に大きな力がかかることを抑制することができ、有用である。
【0023】
(実施例)
図1に示すように、作業用機器2は、背負式装置4と、背負ユニット6と、を備えている。背負式装置4は、背負ユニット6に着脱可能に取り付けられる。本実施例では、背負式装置4は、背負式の電源装置である。背負式装置4の重量は、5kg~20kgである。背負式装置4は、例えば、充放電可能な二次バッテリである。背負式装置4には、背負式装置4に接続される外部電源(図示省略)を介して、充電電力が外部から供給される。背負式装置4は、接続コード8を介して、モータを有する電動作業機(図示省略)に接続され、モータに放電電力を供給する。作業者は、背負式装置4により、電動作業機を長時間に亘って使用することができる。以下では、作業者が作業用機器2を背負って直立した場合の、作業者から視た前後方向、左右方向、及び上下方向を、作業用機器2の前後方向、左右方向、及び、上下方向と呼ぶ。
【0024】
図2に示すように、背負ユニット6は、取付板10と、背板12と、左右一対の肩ベルト14と、腰ベルト16と、を備えている。取付板10及び背板12は、ユーザが背負ユニット6を背負った時に、ユーザの背中に対向する。取付板10は、弾性材料からなり、例えば、HDPE(高密度ポリエチレン)等の樹脂材料からなる。背板12は、金属材料からなる。
【0025】
取付板10は、背板12の上部において、背板12の前面に固定されている。図3に示すように、取付板10は、基部22と、4個のバックル受部24と、アシスト部26と、を備えている。基部22は、平板部22aと、2個の突出部22bと、を有している。左側の突出部22bは、平板部22aの左端部から左斜め上方に延びている。右側の突出部22bは、平板部22aの右端部から右斜め上方に延びている。バックル受部24は、平板部22aの右下部、平板部22aの左下部、及び、2個の突出部22bに設けられている。左側のアシスト部26は、左側の突出部22bから左斜め上方に延びている。右側のアシスト部26は、右側の突出部22bから右斜め上方に延びている。なお、アシスト部26は、上下方向に平行に延びていてもよい。アシスト部26の幅方向(アシスト部26の長手方向に直交する方向)の大きさは、突出部22bの幅方向の大きさよりも小さい。また、アシスト部26の厚みは、突出部22bの厚みよりも小さい。
【0026】
背板12は、装置搭載部28と、2個のバックル受部30と、を備えている。装置搭載部28には、背負式装置4(図1参照)が着脱可能に取付けられる。
【0027】
図4の肩ベルト14は、作業者の肩に装着可能である。肩ベルト14の一端14aには、2個のバックル32が設けられており、肩ベルト14の他端14bには、バックル34が設けられている。肩ベルト14の一端14aに設けられているバックル32は、取付板10のバックル受部24(図3参照)に取付けられる。肩ベルト14の他端14bに設けられているバックル34は、背板12のバックル受部30(図3参照)に取付けられる。図2の腰ベルト16は、作業者の腰に装着可能である。腰ベルト16は、ネジによって背板12の前面の下部に取付けられている。肩ベルト14が作業者の肩に装着されると、背負ユニット6が作業者に背負われ、腰ベルト16が作業者の腰に装着されると、作業用機器2の状態が安定する。
【0028】
肩ベルト14には、アシスト部26を挿入可能なポケット40が設けられている。肩ベルト14の一端14aが取付板10に取付けられている状態において、ポケット40は、バックル32よりも上方に位置している。図5に示すように、ポケット40は、肩ベルト14の長手方向に沿って延びている。ポケット40の長手方向において、バックル32側の端部40aには、開口48が形成されており、バックル32側の端部40aとは反対側の端部40bは閉じられている。具体的には、ポケット40の端部40bは、頂点Aよりも後方の位置で閉じられている。頂点Aは、背負ユニット6が作業者によって背負われている状態における肩ベルト14の最も上方の点である。肩ベルト14が作業者の肩に装着されている状態において、ポケット40内に位置するアシスト部26は、ポケット40の形状に沿って弾性変形する。この状態において、ポケット40内に位置するアシスト部26の端部26aは、頂点Aよりも後方に位置している。ポケット40は、上側被覆部材42、及び、下側被覆部材46によって画定されている。上側被覆部材42は、2重の被覆部材で構成されている。即ち、ポケット40の上面側は、2重に被覆されている。上側被覆部材42は、右端部、左端部、及び、端部40bにおいて下側被覆部材46に縫い合わされている。
【0029】
図1に示すように、肩ベルト14には、ポケット40の幅方向(肩ベルト14の長手方向に直交する方向)の大きさを小さくするための縫目Sが形成されている。縫目Sは、ポケット40の開口48(図5参照)からポケット40の内側に向かって(肩ベルト14の長手方向に向かって)延びている。縫目Sは、上側被覆部材42を下側被覆部材46に縫い合わせることによって形成される。本実施例では、アシスト部26がポケット40に挿入される前に、縫目Sが形成される。変形例では、アシスト部26がポケット40に挿入されている状態で縫目Sが形成されてもよい。
【0030】
図6図8を参照して、比較例の作業用機器102が作業者に背負われる場合に作業者にかかる力、及び、実施例の作業用機器2が作業者に背負われる場合に作業者にかかる力について説明する。図6の比較例の作業用機器102は、取付板110がアシスト部26を有しておらず、肩ベルト114がポケット40を有していない点で、本実施例の作業用機器2と相違する。図8では、比較例の作業用機器102が作業者に背負われる場合に作業者にかかる力の大きさを白抜きの四角で示し、実施例の作業用機器2が作業者に背負われる場合に作業者にかかる力を黒色の四角で示す。
【0031】
図6に示すように、比較例の作業用機器102が作業者に背負われている場合、肩ベルト114が取付板110及び背板112に対して上方に延びないために、作業者の肩に掛けられている肩ベルト114が後方側にずれる。この場合、取付板110及び背板112の上部が、作業者の背中から離れるように、取付板110及び背板112が作業者に対して傾斜する。このような状況においては、作業者の肩の前部(鎖骨の近傍)に力F1、F2がかかり、作業者の肩に上部に力F3がかかり、作業者の肩の後部に力F4がかかる。
【0032】
一方、図7に示すように、実施例の作業用機器2が作業者に背負われると、肩ベルト14が作業者の肩に沿って曲がるとともに、背板12の上部が作業者の背中側に引っ張られた状態になる。このため、取付板10及び背板12が作業者に対して傾斜しない。この場合、背板12が作業者の背中に密着した状態が維持される。このような状況においても、作業者の肩の前部(鎖骨の近傍)に力F1、F2がかかり、作業者の肩の上部に力F3がかかり、作業者の肩の後部に力F4がかかる。しかしながら、図8に示すように、本実施例の作業用機器2が作業者に背負われている状態では、作業者の肩の前部にかかる力F1、F2が、比較例の作業用機器102が作業者に背負われている場合の力F1、F2よりも低減される。
【0033】
1つまたはそれ以上の実施形態において、図1に示すように、背負ユニット6は、上下方向に延びる背板12と、背板12に固定され、上下方向に延びるアシスト部26(「弾性部材」の一例)と、ポケット40(「収容部」の一例)を有している肩ベルト14であって、ポケット40は、アシスト部26を挿入するための開口48を有しており、アシスト部26の一部を収容する、肩ベルト14と、を備えている。
【0034】
上記の背負ユニット6では、背負ユニット6が作業者に背負われると、肩ベルト14が作業者の肩に沿って曲がるとともに、背板12の上部が作業者の背中側に引っ張られた状態になる。この場合、背板12が作業者の背中に密着した状態が維持される。このため、背板12の上部が、作業者の背中から離れることによって、作業者の肩の前部に大きな力がかかることを抑制することができる。従って、背負ユニット6を背負っているときの作業者の負担を軽減することができる。
【0035】
1つまたはそれ以上の実施形態において、図5に示すように、ポケット40は、上側被覆部材42と、下側被覆部材46と、を有している。ポケット40は、ポケット40の右端部(「第1端部」の一例)、及び、左端部(「第2端部」の一例)において上側被覆部材42が下側被覆部材46に結合されることによって画定されている。図1に示すように、ポケット40は、さらに、ポケット40の開口48側の端部40a(「第3端部」の一例)において、右端部と左端部の間において上側被覆部材42と下側被覆部材46とを結合する縫目S(「結合部」の一例)を備えている。右側のアシスト部26は、ポケット40の右端部と縫目Sとの間に配置され、左側のアシスト部26は、ポケット40の左端部と縫目Sとの間に配置される。
【0036】
上記の構成によると、ポケット40が縫目Sを有していない構成と比較して、開口48の幅方向の大きさを小さくすることができる。開口48の幅方向の大きさを小さくすることによって、肩ベルト14からアシスト部26が抜けることを抑制することができる。
【0037】
1つまたはそれ以上の実施形態において、図5に示すように、ポケット40は、上側被覆部材42と、下側被覆部材46と、を有している。ポケット40は、ポケット40の右端部(「第1端部」の一例)、及び、左端部(「第2端部」の一例)において上側被覆部材42が下側被覆部材46に結合されることによって画定されている。上側被覆部材42は、2重の被覆部材で構成されている。
【0038】
背負ユニット6が作業者に背負われると、肩ベルト14及びアシスト部26が、作業者の肩に沿って曲がる。この状態において、アシスト部26の復元力が上側被覆部材42にかかる。上記の構成によると、上側被覆部材42の耐久性を向上させることができる。
【0039】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ポケット40は、上側被覆部材42と、下側被覆部材46と、を有している。ポケット40は、ポケット40の右端部(「第1端部」の一例)と、左端部(「第2端部」の一例)と、ポケット40の開口48側の端部40a(「第3端部」の一例)とは反対側の端部40b(「第4端部」の一例)と、において上側被覆部材42が下側被覆部材46に結合されることによって画定される。
【0040】
上記の構成によると、端部40bにおいて上側被覆部材42が下側被覆部材46に結合されていない構成と比較して、背板12の上部が作業者の背中側により引っ張られた状態になる。従って、背負ユニット6を背負っているときの作業者の負担をより軽減することができる。
【0041】
1つまたはそれ以上の実施形態において、背板12とアシスト部26とが別材料で構成されている。
【0042】
上記の構成によると、アシスト部26よりも剛性が高い材料で背板12を形成することができる。このため、背板12の剛性を向上させることができる。
【0043】
1つまたはそれ以上の実施形態において、図1に示すように、背負ユニット6は、背負式装置4を着脱可能に取り付け可能であり、背負式装置4は、背負式の電源装置である。
【0044】
背負式の電源装置は、重量物である。例えば、背負式の電源装置の重量は約10kgである。このため、作業者の肩の前部等にかかる力は比較的に大きい。上記の構成によれば、作業者の肩の前部に大きな力がかかることを抑制することができ、有用である。
【0045】
(第1変形例)「背負式装置」は、背負式の電源装置に限定されず、背負式の動力作業機であってもよい。動力作業機は、例えば、ブロワ、ミストブロワ、集塵機、草刈機、噴霧器である。また、動力作業機は、エンジンを有する動力作業機であってもよいし、モータを有する動力作業機であってもよい。
【0046】
(第2変形例)肩ベルト14のポケット40に縫目Sが形成されていなくてもよい。
【0047】
(第3変形例)「結合部」は、縫目Sに限定されず、リベット、クリップ、ホック等であってもよい。
【0048】
(第4変形例)作業用機器は、ポケット40に代えて、バックル32側の端部、及び、バックル32側の端部とは反対側の端部に開口が形成されている収容部を備えてもよい。即ち、バックル32側の端部とは反対側の端部において、上側被覆部材42が下側被覆部材46に結合されていなくてもよい。
【0049】
(第5変形例)アシスト部26と背板12とが同じ材料で構成されていてもよい。本変形例では、背板12もHDPE(高密度ポリエチレン)等の樹脂材料で形成される。
【0050】
(第6変形例)実施例では、取付板10がアシスト部26を備えているが、取付板10とアシスト部26とが別体であってもよい。例えば、取付板10にアシスト部26が固定されていてもよい。
【0051】
(第7変形例)背負式装置が、背板、及び、アシスト部を有していてもよい。例えば、背負式装置のハウジングの後壁が「背板」を構成し、当該「背板」にアシスト部が固定されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
2:作業用機器、4:背負式装置、6:背負ユニット、8:接続コード、10:取付板、12:背板、14:肩ベルト、14a:一端、14b:他端、16:腰ベルト、22:基部、22a:平板部、22b:突出部、24:バックル受部、26:アシスト部、26a:端部、28:装置搭載部、30:バックル受部、32:バックル、34:バックル、40:ポケット、42:上側被覆部材、46:下側被覆部材、48:開口、102:作業用機器、110:取付板、112:背板、114:肩ベルト、S:縫目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8