(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154683
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】旅行者分析支援装置、旅行者分析支援方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/14 20120101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068650
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】川村 武人
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC26
5L050CC26
(57)【要約】
【課題】 地域の旅行者について分析可能な旅行者分析支援装置を提供する。
【解決手段】 本発明の旅行者分析支援装置は、旅行者情報取得部、行動情報取得部、分析部、及び出力部を含み、
前記旅行者情報取得部は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得部は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析部は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力部は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旅行者情報取得部、行動情報取得部、分析部、及び出力部を含み、
前記旅行者情報取得部は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得部は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析部は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力部は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力する、旅行者分析支援装置。
【請求項2】
前記分析部は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の人格情報を推定し、前記人格情報を含む分析データを生成する、請求項1記載の旅行者分析支援装置。
【請求項3】
前記分析部は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域に関する旅行実績を推定し、前記旅行実績を含む分析データを生成する、請求項1または2記載の旅行者分析支援装置。
【請求項4】
前記分析部は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域への好意度を推定し、前記好意度を含む分析データを生成する、請求項1または2記載の旅行者分析支援装置。
【請求項5】
旅行者情報取得工程、行動情報取得工程、分析工程、及び出力工程を含み、
前記旅行者情報取得工程は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得工程は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析工程は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力工程は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力する、旅行者分析支援方法。
【請求項6】
前記分析工程は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の人格情報を推定し、前記人格情報を含む分析データを生成する、請求項5記載の旅行者分析支援方法。
【請求項7】
前記分析工程は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域に関する旅行実績を推定し、前記旅行実績を含む分析データを生成する、請求項5または6記載の旅行者分析支援方法。
【請求項8】
前記分析工程は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域への好意度を推定し、前記好意度を含む分析データを生成する、請求項5または6記載の旅行者分析支援方法。
【請求項9】
旅行者情報取得手順、行動情報取得手順、分析手順、及び出力手順を含み、
前記旅行者情報取得手順は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得手順は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析手順は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力手順は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
旅行者情報取得手順、行動情報取得手順、分析手順、及び出力手順を含み、
前記旅行者情報取得手順は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得手順は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析手順は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力手順は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅行者分析支援装置、旅行者分析支援方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介して利用者に観光に関連する情報を提供するサービスが知られている。例えば、特許文献1には、移動先までの交通機関の情報、宿泊先の情報、イベントの情報等をまとめて提供し、観光旅行の予約を支援するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、持続可能な観光を維持するためには、新たな消費者ニーズに対し、その地域ならではの資源を活用した観光体験を創出するため、地域の旅行関係者が、顧客接点データを活用することで、関係性を深めていく需要がある。しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、単に利用者に旅行プランを提供することができるにすぎず、地域の旅行関係者が顧客接点データを活用できないという課題がある。
【0005】
そこで本発明は、地域の旅行者について分析可能な旅行者分析支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の旅行者分析支援装置は、
旅行者情報取得部、行動情報取得部、分析部、及び出力部を含み、
前記旅行者情報取得部は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得部は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析部は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力部は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力する。
【0007】
本発明の旅行者分析支援方法は、
旅行者情報取得工程、行動情報取得工程、分析工程、及び出力工程を含み、
前記旅行者情報取得工程は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得工程は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析工程は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力工程は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力する。
【0008】
本発明のプログラムは、
旅行者情報取得手順、行動情報取得手順、分析手順、及び出力手順を含み、
前記旅行者情報取得手順は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得手順は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析手順は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力手順は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の記録媒体は、
旅行者情報取得手順、行動情報取得手順、分析手順、及び出力手順を含み、
前記旅行者情報取得手順は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得手順は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析手順は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力手順は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、地域の旅行者について分析可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1の旅行者分析支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の旅行者分析支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の旅行者分析支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、「旅行者」は、特に制限されず、旅行を検討中の者でもよいし、旅行中の者でもよいし、旅行を終えて帰宅した者(旅行後の者)でもよい。旅行を検討中の旅行者は、例えば、「旅マエ」ともいい、旅行中の旅行者は、例えば、「旅ナカ」ともいい、旅行後の旅行者は、例えば、「旅アト」ともいう。
【0013】
本発明において、「旅行関係者」は、例えば、その地域において旅行に関連する者であれば、特に制限されない。前記旅行関係者の具体例としては、例えば、旅行関連事業者、観光スポットの管理者、自治体、警察、消防、医療関係者、交通機関、地域住民等があげられる。
【0014】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0015】
[実施形態1]
本実施形態の旅行者分析支援装置について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態の旅行者分析支援装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、旅行者分析支援装置10(以下、「本装置10」ともいう)は、旅行者情報取得部11、行動情報取得部12、分析部13、及び出力部14を含む。また、図示していないが、本装置10は、例えば、記憶部、入力部、及び出力部を含んでもよい。
【0016】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。本装置10は、対象物を撮像可能な撮像端末(例えば、カメラ付きのスマートフォン、タブレット端末等)であってもよいし、前記撮像端末と通信可能な装置であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0017】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0018】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、旅行者情報取得部11、行動情報取得部12、分析部13、及び出力部14として機能する。本装置10は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、これらの組合せを備えてもよい。
【0019】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、スピーカ等の音声出力装置、カメラ等の外部撮像装置、および加速度センサ、地磁気センサ、方向センサ等の各種センサ等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、ユーザの端末等の他の装置と接続することもできる。
【0020】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0021】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が、例えば、前記記憶部を含む場合、記憶装置104が前記記憶部として機能する。記憶装置104は、例えば、後述する旅行者情報、行動情報、分析結果、人格情報、好意度の少なくとも一つを記憶していてもよい。
【0022】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0023】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等があげられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0024】
つぎに、本実施形態の旅行者分析支援方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の旅行者分析支援方法は、例えば、
図1から
図2に示す旅行者分析支援装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の旅行者分析支援方法は、
図1から
図2の旅行者分析支援装置10の使用には限定されない。
【0025】
まず、旅行者情報取得部11は、旅行者情報を取得する(S1、旅行者情報取得工程)。前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含む。前記旅行者識別情報は、旅行者を特定可能な情報であれば特に制限されない。前記旅行者識別情報は、例えば、旅行者の氏名、ニックネーム、年齢、住所、電話番号、メールアドレス、ID、パスワード等の旅行者自身の情報でもよいし、旅行者が所有する端末(旅行者端末)の情報であってもよい。前記旅行者が所有する端末の情報は、例えば、電話番号、メールアドレス、ID、パスワード、IPアドレス、MACアドレス、端末の機器固有情報(端末のシリアルナンバー、国際移動体装置識別番号(International Mobile Equipment Identifier)等の識別番号)等の情報があげられる。前記関心地域は、例えば、前記旅行者が興味関心を持っている地域であり、前記旅行者が旅行を希望する地域であってもよいし、前記旅行者が旅行中の地域であってもよいし、前記旅行者が過去に旅行した地域であってもよい。前記関心地域は、例えば、前記旅行者の旅行履歴、検索履歴、位置情報等から推定した情報であってもよいし、前記旅行者自身の入力により取得した情報であってもよい。旅行者情報取得部11は、例えば、前記旅行者から直接前記旅行者情報を取得してもよいし、間接的に前記旅行者情報を取得してもよい。前者の具体例としては、例えば、前記旅行者の端末から、本装置10にアクセスさせ、前記旅行者自身に入力させた情報を前記旅行者情報として取得できる。後者の具体例としては、前記旅行者情報を保有する他の装置から前記旅行者情報を取得できる。前記旅行者情報を保有する他の装置は、特に制限されず、例えば、前記旅行者の旅行を仲介する際に使用された観光予約支援システムを構成するサーバ装置等があげられるが、これには限定されない。旅行者情報取得部11は、例えば、取得した前記旅行者情報を記憶装置104またはメモリ102に記憶してもよい。
【0026】
つぎに、行動情報取得部12は、前記旅行者情報に基づいて特定される前記旅行者の行動情報を取得する(S2、行動情報取得工程)。前記行動情報は、前記旅行者がとった行動を示す情報であれば、特に制限されない。前記行動情報は、前記旅行者のウェブ上における行動の情報でもよいし、前記旅行者の現実における行動の情報でもよいが、前記旅行者の現実における行動の情報を含むことが好ましい。前記旅行者の現実における行動の情報は、例えば、体験情報ともいう。前記ウェブ上における行動の情報は、例えば、ウェブ検索履歴、ECサイトの閲覧履歴および購買履歴、ウェブサイトの閲覧履歴、SNSのアカウント情報、SNS上の発信情報、SNS上での他のユーザとのやり取りの情報等があげられる。前記現実における行動の情報(体験情報)は、例えば、移動履歴、現実の店舗における購買履歴、撮影した写真や動画の情報、旅行時に利用した交通機関の履歴、旅行先で体験した経験(例えば、体験型観光の経験)履歴等があげられる。前記体験型観光とは、例えば、旅行者が実際に体験することができるアクティビティや文化体験などを提供する観光を意味する。具体例として、例えば、釣り体験、川下り体験、乗馬体験、トレッキング、サイクリング、グランピング等の自然環境におけるアクティビティ;世界遺産、伝統芸能、寺社仏閣等文化財の見学、SDGs等の地域学習;サッカー、野球、ゴルフ、バスケットボール等のスポーツ体験;温泉、医療ツーリズム、食文化、農業体験等のウェルネス・健康食体験;等を提供する観光があげられる。行動情報取得部12は、例えば、取得した行動情報(体験情報)を記憶装置104またはメモリ102に記憶してもよい。この場合、例えば、行動情報取得部12は、前記行動情報(体験情報)と、前記旅行者情報とを紐づけて記憶できる。
【0027】
行動情報取得部12は、例えば、前記S1で取得した旅行者情報に基づいて前記旅行者の端末を特定し、特定した旅行者の端末から前記行動情報を取得できる。なお、行動情報の取得は、前記旅行者の端末からの取得には限定されず、例えば、前記観光予約支援システムや、前記旅行者が利用したECサイトを構成するサーバ装置などから前記行動情報を取得してもよいし、前記旅行者自身が本装置10に前記行動情報を入力することで前記行動情報を取得してもよい。また、前記行動情報が前記体験情報を含む場合、行動情報取得部12は、例えば、前記体験情報に関連する各種装置および端末から前記体験情報を取得できる。具体例として、前記体験情報が、前記移動履歴や、撮影した写真や動画の情報を含む場合、行動情報取得部12は、例えば、前記旅行者の端末から前記体験情報を取得できる。また、前記体験情報が、前記購買履歴および前記交通機関の履歴を含む場合、行動情報取得部12は、例えば、前記旅行者の端末、前記店舗の端末、前記交通機関が管理する端末等から前記体験情報を取得できる。前記体験情報が、前記体験型観光の経験履歴を含む場合、例えば、前記体験型観光の体験スポットに所定の端末や識別情報(QRコード(登録商標)等が掲載された紙等)を配置しておく。そして、行動情報取得部12は、例えば、旅行者が前記端末にアクセスした情報や、前記識別情報を旅行者の端末で読み取った情報等を取得することで、前記体験情報を取得できる。
【0028】
つぎに、分析部13は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成する(S3、分析工程)。前記分析データは、例えば、旅行関係者がマーケティングに使用できる情報であれば特に制限されない。前記分析データの具体例としては、例えば、旅行者の属性、前記関心地域における旅行者の数、旅行者の関心地域における消費金額、消費傾向、観光プラン、満足度、滞在期間、イベント参加率、観光スポットの訪問率等の情報があげられる。前記分析データは、例えば、前記旅行者の属性ごとに分析されたデータであることが好ましい。前記属性は、例えば、年齢、性別、所在地域等の旅行者自身の属性であってもよいし、ツアー参加の有無、体験型観光プログラムの参加の有無、旅行者が利用した交通機関等の旅行内容に関する属性であってもよい。
【0029】
分析部13は、例えば、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の人格情報を推定し、前記人格情報を含む分析データを生成できる。前記人格情報は、例えば、いわゆるペルソナである。前記人格情報の推定は、例えば、いわゆるマーケティングにおけるペルソナ生成手法が適宜利用できる。具体的に、分析部13は、例えば、関心地域が共通する複数の旅行者について、前記行動情報を集積し、前記行動情報の共有項を特定する。つぎに、分析部13は、例えば、前記共通項に基づいて前記複数の旅行者について、共通する属性に基づいてグループ化する。そして、前記行動情報に基づいて、グループ化した旅行者の興味関心を分析することで、前記関心地域における旅行者の人格情報(ペルソナ)を推定できる。
【0030】
また、分析部13は、例えば、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域に関する旅行実績を推定し、前記旅行実績を含む分析データを生成してもよい。前記旅行実績は、例えば、前記旅行者が前記関心地域に対し、旅行に関する行動を起こしたか否かを示す情報である。前記旅行実績は、例えば、前記旅行者が前記関心地域に対し実際に旅行に来たか否かを示す情報でもよいし、旅行のための行動(例えば、ツアーや宿泊施設への予約、申し込み、問い合わせ等の行動)をとったか否かの情報でもよいし、これらの組み合わせでもよい。分析部13は、前記旅行者の移動履歴、前記旅行者のSNS等での発信情報、ウェブの閲覧履歴、旅行プランの購入履歴、公共交通機関のチケットの購買履歴等から前記旅行者の旅行実績を推定できる。分析部13は、前記旅行実績として、例えば、さらに、前記関心地域が共通する旅行者において、前記旅行のための行動をとった旅行者のうち、実際に旅行にきた人数の割合を推定してもよい。
【0031】
さらに、分析部13は、例えば、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域への好意度を推定し、前記好意度を含む分析データを生成できる。具体的に、分析部13は、例えば、前記旅行者の関心地域における消費金額、前記旅行者の満足度、前記旅行者の関心地域へのリピート回数等に基づいて、前記旅行者の関心地域への好意度を推定できる。また、分析部13は、例えば、前記好意度が閾値よりも高い旅行者について、ロイヤルカスタマー候補として抽出し、前記ロイヤルカスタマー候補となる旅行者の人格情報(ペルソナ)を推定してもよい。前記ペルソナの推定方法は、例えば、前記ロイヤルカスタマー候補となる旅行者の情報を用いる以外は、前述の通りである。
【0032】
そして、出力部14は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力する(S4、出力工程)。出力部14による出力は、前記旅行関係者が閲覧可能な状態で出力可能であれば特に制限されない。出力部14は、例えば、前記旅行関係者が所有する端末に直接出力してもよいし、本装置10の出力装置106等に出力してもよいし、プリンタ等により前記分析データを印刷してもよい。
【0033】
本実施形態の旅行者分析支援装置10は、例えば、旅行者の行動情報に基づいて、旅行者の関心地域における旅行者を分析できる。このため、本実施形態の旅行者分析支援装置10によれば、例えば、関心地域に適した旅行者像や、前記適した旅行者に好まれているコンテンツが何かなどを分析することができ、持続可能な観光地づくりを支援することができる。
【0034】
[実施形態2]
本実施形態のプログラムは、前述の旅行者分析支援方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、旅行者情報取得手順、行動情報取得手順、分析手順、及び出力手順を実行させるためのプログラムである。
【0035】
前記旅行者情報取得手順は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得手順は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析手順は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力手順は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力する。
【0036】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、旅行者情報取得手順、行動情報取得手順、分析手順、及び出力手順として機能させるプログラムということもできる。
【0037】
本実施形態のプログラムは、前記本発明の旅行者分析支援装置および旅行者分析支援方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリー(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリー、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0038】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0039】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
旅行者情報取得部、行動情報取得部、分析部、及び出力部を含み、
前記旅行者情報取得部は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得部は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析部は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力部は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力する、旅行者分析支援装置。
(付記2)
前記分析部は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の人格情報を推定し、前記人格情報を含む分析データを生成する、付記1記載の旅行者分析支援装置。
(付記3)
前記分析部は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域に関する旅行実績を推定し、前記旅行実績を含む分析データを生成する、付記1または2記載の旅行者分析支援装置。
(付記4)
前記分析部は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域への好意度を推定し、前記好意度を含む分析データを生成する、付記1から3のいずれかに記載の旅行者分析支援装置。
(付記5)
旅行者情報取得工程、行動情報取得工程、分析工程、及び出力工程を含み、
前記旅行者情報取得工程は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得工程は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析工程は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力工程は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力する、旅行者分析支援方法。
(付記6)
前記分析工程は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の人格情報を推定し、前記人格情報を含む分析データを生成する、付記5記載の旅行者分析支援方法。
(付記7)
前記分析工程は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域に関する旅行実績を推定し、前記旅行実績を含む分析データを生成する、付記5または6記載の旅行者分析支援方法。
(付記8)
前記分析工程は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域への好意度を推定し、前記好意度を含む分析データを生成する、付記5から7のいずれかに記載の旅行者分析支援方法。
(付記9)
旅行者情報取得手順、行動情報取得手順、分析手順、及び出力手順を含み、
前記旅行者情報取得手順は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得手順は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析手順は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力手順は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記10)
前記分析手順は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の人格情報を推定し、前記人格情報を含む分析データを生成する、付記9記載のプログラム。
(付記11)
前記分析手順は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域に関する旅行実績を推定し、前記旅行実績を含む分析データを生成する、付記9または10記載のプログラム。
(付記12)
前記分析手順は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域への好意度を推定し、前記好意度を含む分析データを生成する、付記9から11のいずれかに記載のプログラム。
(付記13)
旅行者情報取得手順、行動情報取得手順、分析手順、及び出力手順を含み、
前記旅行者情報取得手順は、旅行者情報を取得し、
前記旅行者情報は、旅行者を識別可能な旅行者識別情報と、前記旅行者の関心地域とを含み、
前記行動情報取得手順は、前記旅行者情報により特定される旅行者の行動情報を取得し、
前記分析手順は、前記旅行者情報および前記行動情報に基づいて、前記関心地域における旅行者を分析し、前記分析結果を含む分析データを生成し、
前記出力手順は、前記分析データを前記関心地域の旅行関係者へ出力し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記14)
前記分析手順は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の人格情報を推定し、前記人格情報を含む分析データを生成する、付記13記載の記録媒体。
(付記15)
前記分析手順は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域に関する旅行実績を推定し、前記旅行実績を含む分析データを生成する、付記13または14記載の記録媒体。
(付記16)
前記分析手順は、前記旅行者情報及び前記行動情報に基づいて、前記旅行者の前記関心地域への好意度を推定し、前記好意度を含む分析データを生成する、付記13から15のいずれかに記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、旅行者の行動情報に基づいて、旅行者の関心地域における旅行者を分析できる。このため、本発明は、旅行事業分野、マーケティング分野等において有用である。
【符号の説明】
【0041】
10 旅行者分析支援装置
11 旅行者情報取得部
12 行動情報取得部
13 分析部
14 出力部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス