(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015469
(43)【公開日】2024-02-02
(54)【発明の名称】昇降機能付きLED照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 21/36 20060101AFI20240126BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20240126BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240126BHJP
【FI】
F21V21/36 100
F21S8/04 110
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117618
(22)【出願日】2022-07-23
(71)【出願人】
【識別番号】000221432
【氏名又は名称】東西電工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川添 正和
(57)【要約】 (修正有)
【課題】新規設置工事、保守メンテナンスおよび清掃を地上で行うことを可能とし、作業性の向上及び作業者の安全確保を可能とする。
【解決手段】LED照明器具1に昇降機能2を付加することで、設置工事、清掃を容易に行うことが可能となる。初期投資は増加するがLED照明器具1の性能を十分に引き出すことが可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降装置2を有するLED照明器具と巻き上げ機とを滑車を介してワイヤーで接続したLED照明装置。
【請求項2】
前記昇降装置2を有する複数台の前記LED照明器具を1台の巻き上げ機に接続することを特徴とした請求項1記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記昇降装置2は、天井に取付けられる取付部22と、前記LED照明器具を取付け、前記ワイヤーで引き上げられる引上部21で構成され、前記取付部22と前記引上部21には、該引上部21が引き上げられる際に該引上部がねじれることを抑制するねじれ抑制部25、26、27が設けられる、請求項1に記載のLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来高天井用照明器具として水銀ランプを用いた照明器具が使用されていたが、水銀ランプの寿命による交換作業が必須のため、交換費用及び作業効率を考慮した施工が行われていた。しかし、LED照明器具の普及が進むと、LED器具の特徴である長寿命を理由に交換作業は不要と考えられるようになった。工場の粉塵など従来の水銀ランプで予想されなかった汚れが照度の低下、器具寿命がクローズアップされてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
工場内で使用されるLED高天井照明器具や工場クレ-ン用のLED照明器具などにおいて、短期間の使用で照度低下及び照明器具の破壊が発生している。主な原因としては器具に付着した汚れによる、光の取り出し効率の低下及び照明器具内部の温度上昇である。この対策としては定期的な清掃を行う方法がよい。新設時に照明器具の清掃等を考慮されていないため清掃を行う場合は、足場の設置や高所作業車を使用した高所での作業となるが工場設備等が障害となり、作業時間、安全性の確保、費用が問題となる。
【0004】
LED照明器具は通常40,000時間から60,000時間の寿命設定がなされているが、汚れの影響により照明器具内の温度上昇により10,000時間から15,000時間程度で故障する。これは従来の水銀ランプの寿命とほぼ同等であり、LED照明器具の価格は水銀ランプ器具に比べ数倍の価格設定となっている。
LED照明器具を粉塵等の汚れを除去してより効率よく経済的に使用することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記問題点を解決するため、LED照明器具に昇降機能を付帯させる。
100は昇降装置2を有するLED照明器具と巻き上げ機と滑車を介してワイヤーで接続した照明装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、LED照明器具に昇降機能を付帯させることで新規設置工事、保守メンテナンスおよび清掃を地上で行うことが可能となり作業性の向上及び作業者の安全確保が可能となる。昇降機能の設置に伴い初期費用は増加するが、作業ごとの足場設置や高所作業車の費用が不要、LED照明器具の寿命延長などで得られる費用効果の方が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例を示すLED照明装置100の構成図 実施例1
【
図2】本発明の他の実施例を示すLED照明装置200の構成図 実施例2
【
図3】本発明の昇降装置部2の動作説明図 実施例3
【
図4】本発明の引上部21と取付部22及び照明器具1が天井面6に納まった図 実施例4
【
図5】本発明の引上部21にLED照明器具1を取付ける一実施例 実施例5
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施例を示す昇降機能付きLED照明装置である。
【0010】
図1は本発明の一実施例である。LED照明器具1は昇降装置2を介して天井面6に取付けられており、昇降装置2は側壁面7に設置された巻き上げ機4と複数の滑車3を介してワイヤ-5で接続されている。
【0011】
本形態における巻き上げ機4は手動式、自動式を問わないものとする。
【0012】
粉塵工場内に設置された高天井照明器具を一例とした場合、設置後1年程度で汚れにより明るさが初期照度の50%に低下し、器具内温度は初期に比
べ15℃上昇していた。一般的に樹脂材料は温度が10℃上昇するごとに寿
命が半減すると言われている。器具の汚れが進めば更なる温度上昇に至り器
具の破壊が懸念される。明るさが初期照度の半分以下になることから十分な省エネ性能が期待できないことに加え作業環境を損なうこととなる。しかし、高天井照明器具の設置位置は高さ10mを超えることが多くあり清掃作業が容易ではない。
【0013】
図1に示す昇降装置2とLED照明装置1を本現場に用いることで、容易に清掃可能な高さに照明器具を移動することが可能となる。これにより、定期的な清掃が可能となりLED照明器具1の信頼性を確保することができる。
【0014】
LED照明器具1が多数設置されている場合は、
図2に示すように、1台の巻き上げ機4により複数台のLED照明器具1を昇降させることで、設置スペ-スの削減及び昇降作業の効率化が可能となる。
200は昇降装置2を有する複数台のLED照明器具を1台の巻き上げ機に接続することを特徴とした請求項2記載のLED照明装置。
【0015】
図3は昇降装置部の説明図
巻き上げ機4によって引上部21とLED照明器具1が巻き上げられる。引上滑車9により垂直にワイヤー5で吊されている引上部21とLED照明
器具1は従来の水銀ランプに比べ重量があるため引上部21とLED照明器具1はワイヤー5のねじれによって水平方向に回転する。そのため電源端子23と24の合体は容易でない。この解決方法として天井面6に取り付けられている取付部22の受側パイプ25の切口にテーパーをつけ引きあげられる突起物26にダボ27を設け、ダボの侵入ガイドとして受側パイプにスリットを設ける。受側パイプ25のテーパーとスリットにより引き上げられた突起物26が侵入するとダボ27によって水平方向に回転することがなく、電源端子23と24は合体できる。
【0016】
図4は引上部21と取付部22及びLED照明器具1が天井面6に納まった図である。
【0017】
図5は引上部21にLED照明器具1の取付方法の一実施例である。引上部21の下面にアーム8を設けLED照明器具1の裏面にアーム8と合体できる取付金具81を設けてアーム8に取付ける。すでに設置されたLED照明器具には取付金具を設ければよい。
【符号の説明】
【0018】
1・・・LED照明器具
2・・・昇降装置
21…ワイヤー5によって引き上げられる引上部
22…天井面に取付けられている取付部
23、24…電源端子 25受側パイプ
26…突起物 27…ダボ
3・・・滑車
4・・・巻き上げ機
5・・・ワイヤ-
6・・・天井面
7・・・側壁面
8・・・アーム 81…照明器具のアーム取付金具
9・・・引上滑車
100、200・・・LED照明装置