(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154695
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】表示システム、情報取得装置、表示処理装置、表示処理方法、情報取得方法、情報取得プログラムおよび表示処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20241024BHJP
B63B 49/00 20060101ALI20241024BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 U
B63B49/00 Z
G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068667
(22)【出願日】2023-04-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 発行者名 公益社団法人 日本マリンエンジニアリング学会 刊行物名、巻数、号数 日本マリンエンジニアリング学会誌、第57巻、第6号 発行日 令和4年11月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 達也
【テーマコード(参考)】
3E138
5C054
【Fターム(参考)】
3E138AA20
3E138MA01
3E138MB08
3E138MB10
3E138MB13
3E138MC02
3E138MC05
3E138MD05
3E138MF07
5C054CA04
5C054CC02
5C054CE00
5C054DA07
5C054EA05
5C054EA07
5C054FE14
5C054FE16
5C054FE18
5C054FE23
5C054GB02
5C054GB05
5C054GB06
5C054GD01
5C054HA26
(57)【要約】
【課題】水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析する。
【解決手段】表示システムは、情報取得装置と、表示処理装置とを備え、前記情報取得装置は、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、前記情報取得装置は、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、前記情報取得装置は、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する表示処理を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取得装置と、
表示処理装置とを備え、
前記情報取得装置は、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、
前記情報取得装置は、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、
前記情報取得装置は、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、
前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する表示処理を行う、表示システム。
【請求項2】
前記表示処理装置は、さらに、前記情報取得装置から受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記水上移動体に関するイベントの発生を検知し、
前記表示処理装置は、前記表示処理として、
前記情報取得装置から受信した前記時系列の画像情報の中から、検知した前記イベントに対応する1または複数の前記画像情報である対応画像情報を選択し、
前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の中から、検知した前記イベントに対応する1または複数の前記計測情報である対応計測情報を選択し、
前記情報取得装置から受信した前記時系列の位置情報の中から、検知した前記イベントに対応する1または複数の前記位置情報である対応位置情報を選択し、
選択した前記対応画像情報、前記対応計測情報および前記対応位置情報を前記特定の時刻である前記イベントの発生時刻と対応付けて表示する処理を行う、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記表示処理装置は、さらに、前記イベントの発生時刻以降の時間帯に対応する、前記対応画像情報、前記対応計測情報および前記対応位置情報のうちの少なくともいずれか1つを順次表示する、請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記位置情報に基づいて、前記イベントとして、特定の港への前記水上移動体の入港、または前記特定の港からの前記水上移動体の出港を検知する、請求項2または請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記計測情報は、前記水上移動体の速度を示し、
前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した、前記位置情報、および前記計測情報の示す前記速度に基づいて、前記イベントとして、前記入港または前記出港を検知する、請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
前記時系列の計測情報は、前記水上移動体に搭載された原動機の回転数の時系列変化を示し、
前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記回転数の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記回転数の急増速または急減速の発生を検知する、請求項2または請求項3に記載の表示システム。
【請求項7】
前記時系列の計測情報は、前記水上移動体に搭載された原動機の回転数に関する指令信号の時系列変化を示し、
前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記指令信号の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記回転数の急増速または急減速の発生を検知する、請求項2または請求項3に記載の表示システム。
【請求項8】
前記時系列の計測情報は、前記水上移動体の舵角に関する指令信号の時系列変化を示し、
前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記指令信号の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記水上移動体における急転舵の発生を検知する、請求項2または請求項3に記載の表示システム。
【請求項9】
前記時系列の計測情報は、前記水上移動体の舵角の時系列変化を示し、
前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記舵角の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記水上移動体における急転舵の発生を検知する、請求項2または請求項3に記載の表示システム。
【請求項10】
前記時系列の画像情報は、前記水上移動体の所定の場所において撮影された複数の前記画像を示し、
前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の画像情報の示す前記複数の画像のうちの少なくともいずれか1つの前記画像に所定の検知対象が含まれている場合、前記イベントとして、前記水上移動体における所定の作業の発生を検知する、請求項2または請求項3に記載の表示システム。
【請求項11】
前記時系列の計測情報は、前記水上移動体の動揺角の時系列変化を示し、
前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記動揺角の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記水上移動体の位置における天候が荒天であることを検知する、請求項2または請求項3に記載の表示システム。
【請求項12】
前記時系列の計測情報は、前記水上移動体と他の水上移動体との間の距離の時系列変化を示し、
前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記距離の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記水上移動体に対する前記他の水上移動体の接近を検知する、請求項2または請求項3に記載の表示システム。
【請求項13】
前記表示処理装置は、前記水上移動体に関する情報以外の情報に基づいて、前記特定の時刻を決定する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項14】
前記情報取得装置は、取得した前記位置情報の示す前記位置が特定の位置である場合、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報のうちの少なくともいずれか1つを構成する情報の取得周期を変更する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項15】
表示処理装置を備える表示システムにおいて用いられる情報取得装置であって、
水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得する画像情報取得部と、
前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得する計測情報取得部と、
前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記画像情報取得部によって取得された前記画像情報、前記計測情報取得部によって取得された前記計測情報、および前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報を前記表示処理装置へ送信する通信部とを備える、情報取得装置。
【請求項16】
情報取得装置を備える表示システムにおいて用いられる表示処理装置であって、
水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報と、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報と、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報とを前記情報取得装置から受信する通信部と、
前記通信部によって受信された、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する表示処理を行う表示処理部とを備える、表示処理装置。
【請求項17】
情報取得装置と表示処理装置とを備える表示システムにおける表示処理方法であって、
前記情報取得装置が、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、
前記情報取得装置が、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、
前記情報取得装置が、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、
前記表示処理装置が、前記情報取得装置から受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する表示処理を行う、表示処理方法。
【請求項18】
表示処理装置を備える表示システムにおいて用いられる情報取得装置における情報取得方法であって、
水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得し、
前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得し、
前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得し、
取得した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を前記表示処理装置へ送信する、情報取得方法。
【請求項19】
情報取得装置を備える表示システムにおいて用いられる表示処理装置における表示処理方法であって、
水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報と、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報と、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報とを前記情報取得装置から受信し、
受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する、表示処理方法。
【請求項20】
表示処理装置を備える表示システムにおいて用いられる情報取得装置において用いられる情報取得プログラムであって、
水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得する処理と、
前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得する処理と、
前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得する処理と、
取得した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を前記表示処理装置へ送信する処理とをコンピュータに実行させるための、情報取得プログラム。
【請求項21】
情報取得装置を備える表示システムにおいて用いられる表示処理装置において用いられる表示処理プログラムであって、
水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報と、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報と、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報とを前記情報取得装置から受信する処理と、
受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する処理とをコンピュータに実行させるための、表示処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、情報取得装置、表示処理装置、表示処理方法、情報取得方法、情報取得プログラムおよび表示処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車向けのドライブレコーダが普及している。たとえば、特許文献1(特開2005-14686号公報)には、以下のようなドライブレコーダが開示されている。すなわち、ドライブレコーダは、車両外または車両内の映像を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した映像を記録する記録部と、前記記録した映像を画面に表示するディスプレイと、前記ディスプレイの画面の前面に配置されて押下された位置の座標データを出力するタッチパネルと、前記タッチパネルの押下位置に応じて前記カメラの撮影方向を変更する撮影方向変更手段とを備えたことを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-14686号公報
【特許文献2】特開2011-257849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、船舶等の水上移動体において、当該水上移動体の周囲を撮影するカメラが搭載される場合がある。また、水上移動体には、各種センサが搭載されている。カメラによって撮影された画像およびセンサの計測結果を後から分析する場合、当該画像および計測結果を時系列に表示するだけでは、水上移動体における状況であってユーザの関心が高い状況に対応する画像および計測結果の把握が困難である場合がある。また、ユーザが分析すべき画像および計測結果を見落とす可能性がある。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析可能な表示システム、情報取得装置、表示処理装置、情報取得方法、表示処理方法、情報取得プログラムおよび表示処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る表示システムは、情報取得装置と、表示処理装置とを備え、前記情報取得装置は、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、前記情報取得装置は、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、前記情報取得装置は、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する表示処理を行う。
【0007】
このように、水上移動体に関する複数の情報を特定の時刻に対応付けて表示する構成により、当該時刻における水上移動体の状況を、視覚的に容易に把握することができる。また、たとえば、ユーザが振り返りを行うべき状況が発生した時刻に対応する画像情報、計測情報および位置情報を表示することができるため、ユーザにおいて当該状況をより確実に振り返ることができる。したがって、水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析することができる。
【0008】
(2)上記(1)において、前記表示処理装置は、さらに、前記情報取得装置から受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記水上移動体に関するイベントの発生を検知してもよく、前記表示処理装置は、前記表示処理として、前記情報取得装置から受信した前記時系列の画像情報の中から、検知した前記イベントに対応する1または複数の前記画像情報である対応画像情報を選択してもよく、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の中から、検知した前記イベントに対応する1または複数の前記計測情報である対応計測情報を選択してもよく、前記情報取得装置から受信した前記時系列の位置情報の中から、検知した前記イベントに対応する1または複数の前記位置情報である対応位置情報を選択してもよく、選択した前記対応画像情報、前記対応計測情報および前記対応位置情報を前記特定の時刻である前記イベントの発生時刻と対応付けて表示する処理を行ってもよい。
【0009】
このような構成により、たとえば、ユーザが水上移動体におけるイベントの発生を把握していない場合であっても、当該イベントの発生を自動的に検知することができる。また、発生したイベントに対応する、画像情報、計測情報および位置情報を容易に把握することができるため、当該イベントの発生原因の分析、および当該イベントに対する安全対策の立案等を行うことができる。
【0010】
(3)上記(2)において、前記表示処理装置は、さらに、前記イベントの発生時刻以降の時間帯に対応する、前記対応画像情報、前記対応計測情報および前記対応位置情報のうちの少なくともいずれか1つを順次表示してもよい。
【0011】
このような構成により、イベント発生時刻以降の時間帯に対応する時系列情報を参照し、イベントの発生原因の分析、および当該イベントに対する安全対策の立案等を行うことができる。
【0012】
(4)上記(2)または(3)において、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記位置情報に基づいて、前記イベントとして、特定の港への前記水上移動体の入港、または前記特定の港からの前記水上移動体の出港を検知してもよい。
【0013】
このような構成により、水上移動体が港へ入港した際、または港から出港した際の画像情報、計測情報および位置情報を把握することができるため、たとえば当該水上移動体が所定のルールに従って入港または出港したか否か等を後から容易に分析することができる。
【0014】
(5)上記(4)において、前記計測情報は、前記水上移動体の速度を示してもよく、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した、前記位置情報、および前記計測情報の示す前記速度に基づいて、前記イベントとして、前記入港または前記出港を検知してもよい。
【0015】
このように、水上移動体の入港または出港を検知する場合、水上移動体の位置に加えて、当該水上移動体の速度を考慮する構成により、水上移動体が移動しているか否かを確認することができるため、入港または出港の検知精度を向上させることができる。
【0016】
(6)上記(2)から(5)のいずれかにおいて、前記時系列の計測情報は、前記水上移動体に搭載された原動機の回転数の時系列変化を示してもよく、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記回転数の時系列変に基づいて、前記イベントとして、前記回転数の急増速または急減速の発生を検知してもよい。
【0017】
このような構成により、原動機の回転数の急増速または急減速が発生した際の画像情報、計測情報および位置情報を把握することができるため、当該回転数の急増速または急減速の発生原因等を後から容易に分析することができる。
【0018】
(7)上記(2)から(6)のいずれかにおいて、前記時系列の計測情報は、前記水上移動体に搭載された原動機の回転数に関する指令信号の時系列変化を示してもよく、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記指令信号の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記回転数の急増速または急減速の発生を検知してもよい。
【0019】
このような構成により、原動機の回転数の急増速または急減速が発生した際の画像情報、計測情報および位置情報を把握することができるため、当該回転数の急増速または急減速の発生原因等を後から容易に分析することができる。
【0020】
(8)上記(2)から(7)のいずれかにおいて、前記時系列の計測情報は、前記水上移動体の舵角に関する指令信号の時系列変化を示してもよく、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記指令信号の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記水上移動体における急転舵の発生を検知してもよい。
【0021】
このような構成により、水上移動体において急転舵が発生した際の画像情報、計測情報および位置情報を把握することができるため、急転舵の発生原因等を後から容易に分析することができる。
【0022】
(9)上記(2)から(8)のいずれかにおいて、前記時系列の計測情報は、前記水上移動体の舵角の時系列変化を示してもよく、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記舵角の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記水上移動体における急転舵の発生を検知してもよい。
【0023】
このような構成により、水上移動体において急転舵が発生した際の画像情報、計測情報および位置情報を把握することができるため、急転舵の発生原因等を後から容易に分析することができる。
【0024】
(10)上記(2)から(9)のいずれかにおいて、前記時系列の画像情報は、前記水上移動体の所定の場所において撮影された複数の前記画像を示してもよく、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の画像情報の示す前記複数の画像のうちの少なくともいずれか1つの前記画像に所定の検知対象が含まれている場合、前記イベントとして、前記水上移動体における所定の作業の発生を検知してもよい。
【0025】
このような構成により、たとえば、水上移動体のデッキにおいて所定の作業を実行中の画像情報、計測情報および位置情報を把握することができるため、たとえば、当該作業が所定のルールに従って実行されていたか否か等を後から容易に分析することができる。
【0026】
(11)上記(2)から(10)のいずれかにおいて、前記時系列の計測情報は、前記水上移動体の動揺角の時系列変化を示してもよく、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記動揺角の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記水上移動体の位置における天候が荒天であることを検知してもよい。
【0027】
このような構成により、荒天時における画像情報、計測情報および位置情報を把握することができるため、たとえば、水上移動体が荒天時に移動する場合における安全対策の立案等を行うことができる。
【0028】
(12)上記(2)から(11)のいずれかにおいて、前記時系列の計測情報は、前記水上移動体と他の水上移動体との間の距離の時系列変化を示してもよく、前記表示処理装置は、前記情報取得装置から受信した前記時系列の計測情報の示す前記距離の時系列変化に基づいて、前記イベントとして、前記水上移動体に対する前記他の水上移動体の接近を検知してもよい。
【0029】
このような構成により、他の水上移動体が接近した際の画像情報、計測情報および位置情報を把握することができるため、たとえば、当該接近の原因等を後から容易に分析することができる。
【0030】
(13)上記(1)から(12)のいずれかにおいて、前記表示処理装置は、前記水上移動体に関する情報以外の情報に基づいて、前記特定の時刻を決定してもよい。
【0031】
このような構成により、水上移動体に搭載されたカメラおよびセンサ等の機器によって取得された情報に限らず、ユーザの関心の高い状況に対応する情報、たとえば気象情報を外部装置等から取得して、特定の時刻を決定することができる。
【0032】
(14)上記(1)から(13)のいずれかにおいて、前記情報取得装置は、取得した前記位置情報の示す前記位置が特定の位置である場合、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報のうちの少なくともいずれか1つを構成する情報の取得周期を変更してもよい。
【0033】
このような構成により、たとえば、水上移動体が障害物の多い港の周辺を移動中である場合、画像情報、計測情報および位置情報のうちの少なくともいずれか1つを構成する情報の取得周期を短くすることができるため、水上移動体の移動状況をより詳細に分析することができる。また、たとえば、水上移動体が障害物の少ない大洋を移動中である場合、当該取得周期を長くすることができるため、各種情報を蓄積する記憶部の記憶容量を節約することができる。
【0034】
(15)表示処理装置を備える表示システムにおいて用いられる情報取得装置であって、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得する画像情報取得部と、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得する計測情報取得部と、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記画像情報取得部によって取得された前記画像情報、前記計測情報取得部によって取得された前記計測情報、および前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報を前記表示処理装置へ送信する通信部とを備える。
【0035】
このように、水上移動体に関する複数の情報を表示処理装置へ送信する構成により、たとえば、表示処理装置によって当該複数の情報を特定の時刻に対応付けて表示することができるため、当該時刻における水上移動体の状況を、視覚的に容易に把握することができる。また、たとえば、ユーザが振り返りを行うべき状況が発生した時刻に対応する画像情報、計測情報および位置情報を表示処理装置によって表示することができるため、ユーザにおいて当該状況をより確実に振り返ることができる。したがって、水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析することができる。
【0036】
(16)情報取得装置を備える表示システムにおいて用いられる表示処理装置であって、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報と、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報と、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報とを前記情報取得装置から受信する通信部と、前記通信部によって受信された、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する表示処理を行う表示処理部とを備える。
【0037】
このように、水上移動体に関する複数の情報を特定の時刻に対応付けて表示する構成により、当該時刻における水上移動体の状況を、視覚的に容易に把握することができる。また、たとえば、ユーザが振り返りを行うべき状況が発生した時刻に対応する画像情報、計測情報および位置情報を表示することができるため、ユーザにおいて当該状況をより確実に振り返ることができる。したがって、水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析することができる。
【0038】
(17)情報取得装置と表示処理装置とを備える表示システムにおける表示処理方法であって、前記情報取得装置が、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、前記情報取得装置が、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、前記情報取得装置が、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得して前記表示処理装置へ送信し、前記表示処理装置が、前記情報取得装置から受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する表示処理を行う。
【0039】
このように、水上移動体に関する複数の情報を特定の時刻に対応付けて表示する構成により、当該時刻における水上移動体の状況を、視覚的に容易に把握することができる。また、たとえば、ユーザが振り返りを行うべき状況が発生した時刻に対応する画像情報、計測情報および位置情報を表示することができるため、ユーザにおいて当該状況をより確実に振り返ることができる。したがって、水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析することができる。
【0040】
(18)表示処理装置を備える表示システムにおいて用いられる情報取得装置における情報取得方法であって、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得し、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得し、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得し、取得した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を前記表示処理装置へ送信する。
【0041】
このように、水上移動体に関する複数の情報を表示処理装置へ送信する構成により、たとえば、表示処理装置によって当該複数の情報を特定の時刻に対応付けて表示することができるため、当該時刻における水上移動体の状況を、視覚的に容易に把握することができる。また、たとえば、ユーザが振り返りを行うべき状況が発生した時刻に対応する画像情報、計測情報および位置情報を表示処理装置によって表示することができるため、ユーザにおいて当該状況をより確実に振り返ることができる。したがって、水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析することができる。
【0042】
(19)情報取得装置を備える表示システムにおいて用いられる表示処理装置における表示処理方法であって、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報と、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報と、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報とを前記情報取得装置から受信し、受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する。
【0043】
このように、水上移動体に関する複数の情報を特定の時刻に対応付けて表示する構成により、当該時刻における水上移動体の状況を、視覚的に容易に把握することができる。また、たとえば、ユーザが振り返りを行うべき状況が発生した時刻に対応する画像情報、計測情報および位置情報を表示することができるため、ユーザにおいて当該状況をより確実に振り返ることができる。したがって、水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析することができる。
【0044】
(20)表示処理装置を備える表示システムにおいて用いられる情報取得装置において用いられる情報取得プログラムであって、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得する処理と、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報を取得する処理と、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報を取得する処理と、取得した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を前記表示処理装置へ送信する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0045】
このように、水上移動体に関する複数の情報を表示処理装置へ送信する構成により、たとえば、表示処理装置によって当該複数の情報を特定の時刻に対応付けて表示することができるため、当該時刻における水上移動体の状況を、視覚的に容易に把握することができる。また、たとえば、ユーザが振り返りを行うべき状況が発生した時刻に対応する画像情報、計測情報および位置情報を表示処理装置によって表示することができるため、ユーザにおいて当該状況をより確実に振り返ることができる。したがって、水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析することができる。
【0046】
(21)情報取得装置を備える表示システムにおいて用いられる表示処理装置において用いられる表示処理プログラムであって、水上移動体上において撮影された画像を前記画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報と、前記水上移動体に搭載されたセンサによる計測結果を前記センサの計測時刻であるセンサ計測時刻と対応付けた時系列の計測情報と、前記水上移動体の位置を、前記位置が計測された時刻である位置計測時刻と対応付けた時系列の位置情報とを前記情報取得装置から受信する処理と、受信した、前記画像情報、前記計測情報および前記位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0047】
このように、水上移動体に関する複数の情報を特定の時刻に対応付けて表示する構成により、当該時刻における水上移動体の状況を、視覚的に容易に把握することができる。また、たとえば、ユーザが振り返りを行うべき状況が発生した時刻に対応する画像情報、計測情報および位置情報を表示することができるため、ユーザにおいて当該状況をより確実に振り返ることができる。したがって、水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、水上移動体に関する情報であってユーザの関心が高い情報を容易に分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る表示システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る情報取得装置の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係る管理サーバの構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係る管理サーバにおける対応付け処理の一例を概念的に示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係る管理サーバにおける対応付け処理の他の例を概念的に示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによって作成されるリスト画面情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによる表示処理の一例を概念的に示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによる表示処理の他の例を概念的に示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによって作成されるイベント抽出画面情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態に係る情報取得装置による送信処理の動作手順を定めたフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによるイベント検知処理の動作手順を定めたフローチャートである。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによる表示処理の動作手順を定めたフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態に係る表示システムにおける情報取得装置、管理サーバおよび端末装置の処理のシーケンスの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態に係る表示システムの変形例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0051】
<構成および基本動作>
[表示システム]
図1は、本発明の実施の形態に係る表示システムの構成を示す図である。
図1を参照して、表示システム501は、情報取得装置101と、管理サーバ201と、端末装置301とを備える。情報取得装置101および管理サーバ201は、たとえば、インターネット等の外部ネットワーク151を介して情報の送受信を行うことができる。情報取得装置101は、船舶10に搭載されている。船舶10は、水上移動体の一例である。管理サーバ201は、表示処理装置の一例である。
【0052】
管理サーバ201および端末装置301は、たとえば、船舶10の運行を管理する事業者、または個人(以下、まとめてユーザと称する。)により使用される。端末装置301は、たとえばノートPC(Personal Computer)である。端末装置301は、たとえば外部ネットワーク151経由で管理サーバ201と各種情報をやり取りする。なお、端末装置301は、ノートPCに限らず、タブレット等の通信端末装置であってもよい。
【0053】
[情報取得装置]
図2は、本発明の実施の形態に係る情報取得装置の構成を示す図である。
図2を参照して、情報取得装置101は、画像情報取得部21と、計測情報取得部22と、位置情報取得部23と、通信部24と、制御部25と、記憶部26とを備える。画像情報取得部21、計測情報取得部22、位置情報取得部23、通信部24および制御部25の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。記憶部26は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。
【0054】
図1および
図2を参照して、画像情報取得部21は、船舶10上において撮影された画像を当該画像の撮影時刻と対応付けた時系列の画像情報を取得する。
【0055】
より詳細には、船舶10には、カメラ51であるカメラ51a,51bが搭載されている。カメラ51は、所定のエリアを定期的に撮影する。カメラ51は、たとえば船舶10におけるネットワーク(以下、「船内ネットワーク」とも称する。)を介して情報取得装置101と接続されている。カメラ51によって撮影される画像は、静止画であってもよいし、動画を構成する画像であってもよい。
【0056】
ここでは、カメラ51aは、たとえば、航海中の船舶10の周囲を撮影する航海撮影用カメラである。カメラ51bは、たとえば、船舶10のデッキを撮影するカメラである。以下、カメラ51aを「航海撮影用カメラ51a」とも称し、カメラ51bを「デッキ撮影用カメラ51b」とも称する。
【0057】
航海撮影用カメラ51aは、たとえば、撮影した画像(以下、「航海画像」とも称する。)と、航海画像の撮影時刻と、自己のID(Identifier)とを含む画像情報(以下、「航海画像情報」とも称する。)を、船内ネットワークを介して情報取得装置101へ送信する。航海撮影用カメラ51aは、たとえば定期的に、航海画像情報を情報取得装置101へ送信する。すなわち、航海撮影用カメラ51aは、時系列の航海画像情報を情報取得装置101へ送信する。
【0058】
デッキ撮影用カメラ51bは、たとえば、撮影した画像(以下、「デッキ画像」とも称する。)と、デッキ画像の撮影時刻と、自己のIDとを含む画像情報(以下、「デッキ画像情報」とも称する。)を、船内ネットワークを介して情報取得装置101へ送信する。デッキ撮影用カメラ51bは、たとえば定期的に、デッキ画像情報を情報取得装置101へ送信する。すなわち、デッキ撮影用カメラ51bは、時系列のデッキ画像情報を情報取得装置101へ送信する。
【0059】
情報取得装置101における画像情報取得部21は、航海撮影用カメラ51aから航海画像情報を受信すると、受信した航海画像情報を記憶部26に保存する。
【0060】
また、画像情報取得部21は、デッキ撮影用カメラ51bからデッキ画像情報を受信すると、受信したデッキ画像情報を記憶部26に保存する。
【0061】
なお、カメラ51は、画像情報を船内ネットワークを介して情報取得装置101へ送信する構成に限らず、たとえば、メモリカードおよびUSB(Universal Serial Bus)(登録商標)等の記録媒体に画像情報を書き込む構成であってもよい。この場合、画像情報取得部21は、当該記録媒体から画像情報を取得してもよい。
【0062】
また、カメラ51は、撮影した画像とIDとを含み、かつ撮影時刻を含まない情報を情報取得装置101へ送信する構成であってもよい。この場合、画像情報取得部21は、カメラ51から受信した当該情報に含まれる画像に当該情報を受信した時刻を対応付けることにより、画像情報を取得する。
【0063】
計測情報取得部22は、船舶10に搭載されたセンサ52による計測結果をセンサ52の計測時刻(以下、「センサ計測時刻」とも称する。)と対応付けた時系列の計測情報を取得する。
【0064】
より詳細には、船舶10には、センサ52であるセンサ52a,52b,52c,52d,52e,52fが搭載されている。各センサ52は、たとえばネットワークを介して情報取得装置101と接続されている。各センサ52は、たとえば、計測結果と、センサ計測時刻と、自己のIDとを含む計測情報を作成して情報取得装置101へ送信する。
【0065】
センサ52は、速度センサ、エンジンセンサ、舵角センサ、動揺角センサ、音センサ、水温センサ、水深センサ、信号検出センサおよびレーダ装置等である。
【0066】
ここでは、センサ52a、センサ52b、センサ52c、センサ52d、センサ52eおよびセンサ52fは、それぞれ速度センサ、エンジンセンサ、信号検出センサ、舵角センサ、動揺角センサおよびレーダ装置である。以下、センサ52a、センサ52b、センサ52c、センサ52d、センサ52eおよびセンサ52fを、それぞれ速度センサ52a、エンジンセンサ52b、信号検出センサ52c、舵角センサ52d、動揺角センサ52eおよびレーダ装置52fとも称する。
【0067】
速度センサ52aは、たとえば定期的に、船舶10の速度を計測する。速度センサ52aは、たとえば定期的に、計測した速度と、センサ計測時刻と、自己のIDとを含む速度情報を情報取得装置101へ送信する。すなわち、速度センサ52aは、船舶10の速度の時系列変化を示す時系列の計測情報(以下、「時系列の速度情報」とも称する。)を情報取得装置101へ送信する。
【0068】
エンジンセンサ52bは、たとえば定期的に、船舶10に搭載されたエンジン60の回転数(以下、「エンジン回転数」とも称する。)を計測する。エンジンセンサ52bは、たとえば定期的に、計測した回転数と、センサ計測時刻と、自己のIDとを含む回転数情報を情報取得装置101へ送信する。すなわち、エンジンセンサ52bは、エンジン回転数の時系列変化を示す時系列の計測情報(以下、「時系列の回転数情報」とも称する。)を情報取得装置101へ送信する。エンジン60は、原動機の一例である。
【0069】
信号検出センサ52cは、たとえば定期的に、エンジン60に対する指令信号を検出する。より詳細には、船舶10には、たとえば、エンジン60の出力を制御するための図示しないエンジンテレグラフが搭載されている。エンジンテレグラフは、たとえば船舶10の操縦者による船舶10のエンジン回転数に関する指示を受け付け、操縦者の指示内容であるエンジン回転数の指令値(以下、「指令回転数」とも称する。)を示す回転数指令信号をエンジン60へ出力する装置である。
【0070】
信号検出センサ52cは、エンジンテレグラフから出力される回転数指令信号を監視することにより、当該回転数指令信号の示す指令回転数を検出する。信号検出センサ52cは、たとえば定期的に、検出した指令回転数と、センサ計測時刻と、自己のIDとを含む回転数指令情報を情報取得装置101へ送信する。すなわち、信号検出センサ52cは、エンジン60に対する回転数指令信号の時系列変化を示す時系列の計測情報(以下、「時系列の回転数指令情報」とも称する。)を情報取得装置101へ送信する。
【0071】
また、信号検出センサ52cは、たとえば定期的に、船舶10の図示しない舵に対する指令信号を検出する。より詳細には、船舶10には、たとえば、自動航行時において、舵の舵角を制御するための図示しない舵制御装置が搭載されている。舵制御装置は、たとえば船舶10の操縦者による舵角に関する指示を受け付け、操縦者の指示内容である舵角の指令値(以下、「指令舵角」とも称する。)を示す舵角指令信号を舵へ出力する装置である。
【0072】
信号検出センサ52cは、舵制御装置から出力される舵角指令信号を監視することにより、当該舵角指令信号の示す指令舵角を検出する。信号検出センサ52cは、たとえば定期的に、検出した指令舵角と、センサ計測時刻と、自己のIDとを含む舵角指令情報を情報取得装置101へ送信する。すなわち、信号検出センサ52cは、船舶10の舵に対する舵角指令信号の時系列変化を示す時系列の計測情報(以下、「時系列の舵角指令情報」とも称する。)を情報取得装置101へ送信する。
【0073】
舵角センサ52dは、たとえば定期的に、船舶10の舵の舵角を計測する。舵角センサ52dは、たとえば定期的に、計測した舵角と、センサ計測時刻と、自己のIDとを含む舵角情報を情報取得装置101へ送信する。すなわち、舵角センサ52dは、船舶10の舵角の時系列変化を示す時系列の計測情報(以下、「時系列の舵角情報」とも称する。)を情報取得装置101へ送信する。
【0074】
動揺角センサ52eは、たとえば定期的に、船舶10の動揺角を計測する。動揺角センサ52eは、たとえば定期的に、計測した動揺角と、センサ計測時刻と、自己のIDとを含む動揺角情報を情報取得装置101へ送信する。すなわち、動揺角センサ52eは、船舶10の動揺角の時系列変化を示す時系列の計測情報(以下、「時系列の動揺角情報」とも称する。)を情報取得装置101へ送信する。
【0075】
レーダ装置52fは、たとえば定期的に、船舶10と他の船舶との間の距離を計測する。レーダ装置52fは、たとえば定期的に、計測した距離と、センサ計測時刻と、自己のIDとを含む距離情報を情報取得装置101へ送信する。すなわち、レーダ装置52fは、船舶10と他の船舶との間の距離の時系列変化を示す時系列の計測情報(以下、「時系列の距離情報」とも称する。)を情報取得装置101へ送信する。
【0076】
情報取得装置101における計測情報取得部22は、複数のセンサ52のうちの少なくともいずれか1つから時系列の計測情報を受信すると、受信した当該計測情報を記憶部26に保存する。
【0077】
なお、センサ52は、計測結果とIDとを含み、センサ計測時刻を含まない情報を情報取得装置101へ送信する構成であってもよい。この場合、計測情報取得部22は、センサ52から受信した当該情報に含まれる計測結果に当該情報を受信した時刻を対応付けることにより、計測情報を取得する。
【0078】
位置情報取得部23は、船舶10の位置を、当該位置が計測された時刻(以下、「位置計測時刻」とも称する。)と対応付けた時系列の位置情報を取得する。
【0079】
より詳細には、船舶10には、たとえばGNSS(Global Navigation Satellite Systems)受信機53が搭載されている。GNSS受信機53は、1または複数の衛星からたとえば定期的にGNSS信号を受信し、受信したGNSS信号に基づいて船舶10の位置検出を行う。船舶10の位置は、たとえば緯度および経度によって示される。
【0080】
GNSS受信機53は、たとえば定期的に、検出結果と、位置計測時刻と、自己のIDとを含む位置情報を作成して情報取得装置101へ送信する。すなわち、GNSS受信機53は、時系列の位置情報を情報取得装置101へ送信する。
【0081】
情報取得装置101における位置情報取得部23は、GNSS受信機53から位置情報を受信すると、受信した位置情報を記憶部26に保存するとともに、当該位置情報を受信した旨を示す通知を制御部25へ出力する。
【0082】
なお、GNSS受信機53は、検出結果とIDとを含み、位置計測時刻を含まない情報を情報取得装置101へ送信する構成であってもよい。この場合、位置情報取得部23は、GNSS受信機53から受信した当該情報に含まれる計測結果に当該情報を受信した時刻を対応付けることにより、位置情報を取得する。
【0083】
通信部24は、Wi-Fi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)、衛星回線または5G等の通信方式に従って、図示しない無線基地局等の装置と無線通信を行うことにより、外部ネットワーク151経由で管理サーバ201と通信を行う。なお、通信部24は、無線基地局および外部ネットワーク151を介して管理サーバ201と通信する構成に限らず、有線回線を介して管理サーバ201と通信する構成であってもよい。
【0084】
通信部24は、画像情報取得部21によって取得された画像情報、計測情報取得部22によって取得された計測情報、および位置情報取得部23によって取得された位置情報を管理サーバ201へ送信する送信処理を行う。
【0085】
より詳細には、記憶部26は、自己の情報取得装置101が搭載される船舶10のID(以下、「船舶ID」とも称する。)を記憶する。
【0086】
通信部24は、たとえば定期的に、画像情報、計測情報および位置情報のうちの少なくともいずれか1つを記憶部26から取得し、取得した情報および船舶IDを含む船舶情報群を作成して管理サーバ201へ送信する。たとえば、通信部24は、自己の情報取得装置101が起動してから一定時間経過するごとに、船舶情報群を作成して管理サーバ201へ送信する。すなわち、通信部24は、記憶部26において所定時間蓄積された時系列の各種情報と、船舶IDとを含む船舶情報群を管理サーバ201へ送信する。
【0087】
情報取得装置101は、取得した位置情報の示す位置が特定の位置である場合、画像情報、計測情報および位置情報のうちの少なくともいずれか1つを構成する情報の取得周期を変更する周期変更処理を行う。
【0088】
より詳細には、情報取得装置101は、たとえば、取得した位置情報が所定の港周辺の位置を示す場合、当該取得周期を、当該位置情報が海域上の位置を示す場合における取得周期よりも短くする。ここでは、情報取得装置101は、たとえば、周期変更処理として、画像情報、計測情報および位置情報の各取得周期を変更する。
【0089】
具体的には、記憶部26は、たとえば、船舶10が着岸する港の位置を示す港情報を記憶する。港の位置は、たとえば緯度および経度によって示される。
【0090】
制御部25は、位置情報を受信した旨を示す通知を位置情報取得部23から受けると、記憶部26に保存されている時系列の位置情報、および港情報を読み出す。そして、制御部25は、当該位置情報の示す位置計測時刻ごとに、船舶10の位置と、港情報の示す港の位置との間の距離を算出し、算出した距離が所定の閾値未満であるか否かを確認する。
【0091】
たとえば、制御部25は、算出した複数の距離のうちの少なくともいずれか1つが閾値未満である場合、画像情報取得部21、計測情報取得部22および位置情報取得部23に、画像情報、計測情報および位置情報の各々の取得周期を短くするための周期変更指示を出力する。
【0092】
画像情報取得部21、計測情報取得部22および位置情報取得部23は、制御部25から周期変更指示を受けると、当該周期変更指示に従って、画像情報、計測情報および位置情報の各々の取得周期を短くする。一方、制御部25は、算出した複数の距離のすべてが閾値以上である場合、周期変更処理を行わない。
【0093】
なお、制御部25は、たとえば、上記各取得周期を短くするための周期変更指示を出力した後に、位置情報取得部23が取得した時系列の位置情報において、港の位置との間の距離が閾値以上である船舶10の位置が含まれている場合、当該各取得周期を元の値に戻す指示を画像情報取得部21、計測情報取得部22および位置情報取得部23へ出力してもよい。
【0094】
[管理サーバ]
図3は、本発明の実施の形態に係る管理サーバの構成を示す図である。
図3を参照して、管理サーバ201は、通信部31と、解析部32と、表示処理部33と、記憶部34とを備える。通信部31、解析部32および表示処理部33の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路により実現される。記憶部34は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。
【0095】
通信部31は、船舶情報群を外部ネットワーク151経由で情報取得装置101から受信する。通信部31は、情報取得装置101から船舶情報群を受信すると、受信した船舶情報群を記憶部34に保存するとともに、当該船舶情報群に含まれる各情報の種類を確認する。
【0096】
記憶部34は、カメラ51、センサ52またはGNSS受信機53のIDと、情報取得装置101から受信する情報との対応関係を示す種類テーブルを記憶する。
【0097】
通信部31は、情報取得装置101から船舶情報群を受信すると、記憶部34に保存されている種類テーブルを読み出す。そして、通信部31は、種類テーブルを参照することにより、船舶情報群に含まれる、カメラ51、センサ52またはGNSS受信機53のIDに対応する情報の種類を特定する。
【0098】
そして、通信部31は、特定した種類の情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す通知(以下、「受信通知」とも称する。)を解析部32へ出力する。
【0099】
たとえば、管理サーバ201は、情報取得装置101から受信した、画像情報、計測情報および位置情報のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、船舶10に関するイベントの発生を検知するイベント検知処理を行う。
【0100】
より詳細には、解析部32は、通信部31から受信通知を受けると、記憶部34に保存されている船舶情報群に基づいて、イベント検知処理を行う。
【0101】
ここで、船舶10に関するイベントは、船舶10の入港、船舶10の出港、エンジン回転数の急増速、エンジン回転数の急減速、船舶10の急転舵、船舶10の位置における荒天の発生、船舶10における所定の作業の実行、および他の船舶の接近等である。
【0102】
(船舶の入港または出港)
解析部32は、情報取得装置101から受信した位置情報および速度情報に基づいて、イベントとして、特定の港への船舶10の入港、または当該港からの船舶10の出港を検知する。
【0103】
より詳細には、たとえば、解析部32は、位置情報および速度情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、特定の港への船舶10の入港、または当該港からの船舶10の出港が発生したか否かを判断する。
【0104】
具体的には、解析部32は、情報取得装置101から受信した位置情報に基づいて、当該位置情報の示す船舶10の位置と特定の港との間の距離を算出する。
【0105】
そして、解析部32は、算出した距離が所定の距離閾値以下である場合であって、算出した距離に対応する船舶10の位置、が計測された位置計測時刻(以下、「対象位置時刻」とも称する。)に対応するセンサ計測時刻、における速度(以下、「対応速度」とも称する。)が所定の速度閾値以上である場合、イベントとして、特定の港への船舶10の入港を検知する。
【0106】
記憶部34は、船舶IDと、船舶10の船名と、船舶10が着岸する港との対応関係を示す管理テーブルを記憶する。
【0107】
解析部32は、位置情報および速度情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、記憶部34に保存されている当該船舶情報群、および管理テーブルを読み出す。そして、解析部32は、管理テーブルを参照することにより、当該船舶情報群に含まれる船舶IDに対応する、船名および港を特定する。
【0108】
記憶部34は、さらに、船舶10が着岸する港の位置を示す港情報を記憶する。
【0109】
解析部32は、船舶IDに対応する港を特定すると、記憶部34における港情報を読み出す。そして、解析部32は、港情報を参照することにより、特定した港の位置を確認する。
【0110】
解析部32は、港の位置を確認すると、船舶情報群に含まれる時系列の位置情報において、位置計測時刻ごとに、船舶10の位置と確認した港の位置との間の距離を算出する。
【0111】
解析部32は、算出した複数の距離のうちの少なくともいずれか1つが距離閾値以下である場合、時系列の位置情報における対象位置時刻を確認する。そして、解析部32は、記憶部34に保存されている時系列の速度情報において、確認した対象位置時刻に対応するセンサ計測時刻を特定する対応付け処理を行う。
【0112】
図4は、本発明の実施の形態に係る管理サーバにおける対応付け処理の一例を概念的に示す図である。
【0113】
図4を参照して、解析部32は、対象位置時刻を確認すると、記憶部34に保存されている時系列の速度情報を読み出す。そして、解析部32は、時系列の速度情報の示す複数のセンサ計測時刻のうち、対象位置時刻の直前の位置計測時刻よりも後のセンサ計測時刻であって、対象位置時刻よりも前のセンサ計測時刻を、対象位置時刻に対応するセンサ計測時刻として特定する。
【0114】
たとえば、対象位置時刻が時刻t31である場合、当該対象位置時刻t31に対応するセンサ計測時刻は、位置計測時刻t30よりも後の時刻であって、対象位置時刻t31よりも前の時刻である時刻t21,t22である。
【0115】
図5は、本発明の実施の形態に係る管理サーバにおける対応付け処理の他の例を概念的に示す図である。
【0116】
図5を参照して、解析部32は、時系列の速度情報の示す複数のセンサ計測時刻のうち、対象位置時刻に最も近いセンサ計測時刻を、当該対象位置時刻に対応するセンサ計測時刻として特定してもよい。
【0117】
たとえば、対象位置時刻が時刻t30である場合、当該対象位置時刻t30に対応するセンサ計測時刻は、時刻t21である。対象位置時刻が時刻t31である場合、当該対象位置時刻t31に対応するセンサ計測時刻は、時刻t22である。なお、
図4および
図5に示す撮影時刻については、後述する。
【0118】
再び
図3を参照して、解析部32は、対象位置時刻に対応するセンサ計測時刻を特定すると、特定したセンサ計測時刻における対応速度が速度閾値以上であるか否かを確認する。
【0119】
解析部32は、対応速度が速度閾値以上である場合、特定したセンサ計測時刻において、船舶10の入港が発生したと判断する。この場合、解析部32は、たとえば特定したセンサ計測時刻をイベント発生時刻であると判断する。そして、解析部32は、特定した船名の船舶10の入港の発生、および入港した港を示す検知結果、ならびにイベント発生時刻を含む入港情報を作成し、イベント発生情報として表示処理部33へ出力する。
【0120】
一方、解析部32は、船舶10の港への着岸を検知した後に算出した距離が距離閾値よりも大きい場合であって、かつ対応速度が速度閾値以上である場合、イベントとして、当該港からの船舶10の出港を検知する。
【0121】
より詳細には、解析部32は、たとえば、上記港情報を用いて港の位置を確認した後、船舶情報群における時系列の位置情報において、当該港の位置と同じ位置が含まれているか否かを確認する。解析部32は、当該時系列の位置情報において、港の位置と同じ位置が含まれている場合、船舶10の当該港への着岸を検知する。
【0122】
解析部32は、船舶10の当該港への着岸を検知すると、時系列の位置情報に含まれる複数の位置計測時刻のうち、港の位置が計測された位置計測時刻よりも後の位置計測時刻ごとに、船舶10の位置と当該港の位置との間の距離を算出する。
【0123】
解析部32は、算出した複数の距離のうちの少なくともいずれか1つが距離閾値より大きい場合、記憶部34に保存されている時系列の速度情報において、対応速度が速度閾値以上であるか否かを確認する。解析部32は、対応速度が速度閾値以上である場合、当該対応速度が計測されたセンサ計測時刻において、船舶10が出港したと判断する。この場合、解析部32は、当該センサ計測時刻をイベント発生時刻であると判断する。
【0124】
そして、解析部32は、特定した船名の船舶10の出港の発生、および出港した港を示す検知結果、ならびにイベント発生時刻を含む出港情報を作成し、イベント発生情報として表示処理部33へ出力する。
【0125】
なお、解析部32は、算出した複数の距離のうちの少なくともいずれか1つが距離閾値以下である場合、対応速度が速度閾値以上であるか否かに関わらず、イベントとして、船舶10の入港を検知してもよい。また、解析部32は、算出した複数の距離のうちの少なくともいずれか1つが距離閾値より大きい場合、対応速度が速度閾値以上であるか否かに関わらず、イベントとして、船舶10の出港を検知してもよい。
【0126】
また、解析部32は、算出した距離が所定の距離閾値以下である場合であって、対象位置時刻に対応するセンサ計測時刻、におけるエンジン回転数が所定の回転数閾値以上である場合、イベントとして、特定の港への船舶10の入港を検知してもよい。また、解析部32は、船舶10の港への着岸を検知した後に算出した距離が距離閾値よりも大きい場合であって、かつ当該エンジン回転数が回転数閾値以上である場合、イベントとして、当該港からの船舶10の出港を検知してもよい。
【0127】
(エンジン回転数の急増速または急減速)
<例1>
たとえば、解析部32は、時系列の回転数情報の示すエンジン回転数の時系列変化に基づいて、エンジン回転数の急増速または急減速の発生を検知する。
【0128】
より詳細には、たとえば、解析部32は、時系列の回転数情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、エンジン回転数の急増速、または当該エンジン回転数の急減速が発生したか否かを判断する。
【0129】
具体的には、解析部32は、時系列の回転数情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を受けると、記憶部34に保存されている当該船舶情報群、および管理テーブルを読み出す。そして、解析部32は、管理テーブルを参照することにより、当該船舶情報群に含まれる船舶IDに対応する船名を特定する。
【0130】
また、解析部32は、時系列の回転数情報の示すエンジン回転数の時系列変化に基づいて、たとえば、あるセンサ計測時刻における1分あたりの、エンジン回転数の変化量を算出する。
【0131】
解析部32は、当該変化量を算出すると、イベントとして、エンジン回転数の急増速が発生したか否かを判断する。具体的には、解析部32は、算出した変化量が第1の回転数閾値より大きいか否かを確認する。
【0132】
解析部32は、算出したエンジン回転数の変化量が第1の回転数閾値より大きい場合、エンジン回転数の急増速の発生を検知する。この場合、解析部32は、たとえば、算出した変化量に対応するセンサ計測時刻をイベント発生時刻であると判断する。そして、解析部32は、特定した船名の船舶10におけるエンジン回転数の急増速の発生を示す検知結果と、イベント発生時刻とを含む急増速情報を作成し、イベント発生情報として表示処理部33へ出力する。
【0133】
一方、解析部32は、算出した変化量が第1の回転数閾値未満である場合、イベントとして、エンジン回転数の急減速が発生したか否かを判断する。より詳細には、解析部32は、算出した変化量が所定の閾値(以下、「第2の回転数閾値」とも称する。)未満であるか否かを確認する。たとえば、第2の回転数閾値は、第1の回転数閾値より小さい。
【0134】
また、解析部32は、算出した変化量が第2の回転数閾値未満である場合、イベントとして、エンジン回転数の急減速の発生を検知する。そして、解析部32は、特定した船名の船舶10におけるエンジン回転数の急減速の発生を示す検知結果と、イベント発生時刻とを含む急減速情報を作成し、イベント発生情報として表示処理部33へ出力する。
【0135】
一方、解析部32は、算出した変化量が第2の回転数閾値以上である場合、エンジン回転数の急減速が発生していないと判断する。
【0136】
<例2>
たとえば、解析部32は、情報取得装置101から受信した時系列の回転数指令情報の示す回転数指令信号の時系列変化に基づいて、イベントとして、エンジン回転数の急増速または急減速の発生を検知する。
【0137】
より詳細には、たとえば、解析部32は、時系列の回転数指令情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、エンジン回転数の急増速、または当該エンジン回転数の急減速が発生したか否かを判断する。
【0138】
具体的には、解析部32は、時系列の回転数指令情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、記憶部34に保存されている当該船舶情報群、および管理テーブルを読み出す。そして、解析部32は、管理テーブルを参照することにより、当該船舶情報群に含まれる船舶IDに対応する船名を特定する。
【0139】
たとえば、解析部32は、時系列の回転数指令情報の示す回転数指令信号の時系列変化において、指令回転数が急激に増大している場合、エンジン回転数の急増速の発生を検知する。具体的には、解析部32は、単位時間あたりの、指令回転数の変化量が所定の閾値Th11以上である場合、エンジン回転数の急増速の発生を検知する。
【0140】
あるいは、たとえば、解析部32は、回転数指令信号の指令回転数と、当該回転数指令信号が計測された時刻に対応するセンサ計測時刻における実際のエンジン回転数(以下、「対応エンジン回転数」とも称する。)とに基づいて、エンジン回転数の急増速の発生を検知する。具体的には、解析部32は、回転数指令信号の時系列変化において、少なくともいずれか1つの回転数指令信号の示す指令回転数が対応エンジン回転数よりも所定の閾値Th12以上大きい場合、エンジン回転数の急増速の発生を検知する。
【0141】
一方、解析部32は、回転数指令信号の時系列変化において、対応エンジン回転数よりも閾値Th12以上大きい指令回転数を示す回転数指令信号が含まれていない場合、エンジン回転数の急増速が発生していないと判断する。
【0142】
そして、解析部32は、特定した船名の船舶10におけるエンジン回転数の急増速の発生を示す検知結果と、イベント発生時刻とを含む急増速情報をイベント発生情報として作成して表示処理部33へ出力する。
【0143】
また、たとえば、解析部32は、回転数指令信号の時系列変化において、指令回転数が急激に減速している場合、エンジン回転数の急減速の発生を検知する。具体的には、解析部32は、単位時間あたりの、指令回転数の変化量が所定の閾値Th13未満である場合、エンジン回転数の急減速の発生を検知する。
【0144】
あるいは、たとえば、解析部32は、回転数指令信号の示す指令回転数、および対応エンジン回転数に基づいて、エンジン回転数の急減速の発生を検知する。具体的には、解析部32は、回転数指令信号の時系列変化において、少なくともいずれか1つの回転数指令信号の示す指令回転数が対応エンジン回転数よりも所定の閾値Th14以上小さい場合、エンジン回転数の急減速の発生を検知する。
【0145】
あるいは、たとえば、解析部32は、回転数指令信号の時系列変化において、クラッシュアスターンに対応する指令回転数を示す回転数指令信号が含まれている場合、エンジン回転数の急減速の発生を検知する。
【0146】
一方、解析部32は、回転数指令信号の時系列変化において、単位時間あたりの、指令回転数の変化量が閾値Th13以上であるとともに、対応エンジン回転数よりも閾値Th14以上小さい指令回転数を示す回転数指令信号と、クラッシュアスターンに対応する指令回転数を示す回転数指令信号とが含まれていない場合、エンジン回転数の急減速が発生していないと判断する。
【0147】
解析部32は、エンジン回転数の急減速の発生を検知すると、特定した船名の船舶10におけるエンジン回転数の急減速の発生を示す検知結果と、イベント発生時刻とを含む急減速情報を作成し、イベント発生情報として表示処理部33へ出力する。
【0148】
(急転舵)
<例1>
たとえば、解析部32は、情報取得装置101から受信した時系列の舵角情報の示す舵角の時系列変化に基づいて、イベントとして、船舶10における急転舵の発生を検知する。
【0149】
より詳細には、たとえば、解析部32は、時系列の速度情報および時系列の舵角情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、船舶10において急転舵が発生したか否かを判断する。
【0150】
具体的には、解析部32は、時系列の速度情報および時系列の舵角情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、記憶部34に保存されている当該船舶情報群、および管理テーブルを読み出す。そして、解析部32は、管理テーブルを参照することにより、当該船舶情報群に含まれる船舶IDに対応する船名を特定する。
【0151】
また、解析部32は、船舶情報群に含まれる時系列の速度情報の示す複数のセンサ計測時刻である複数の速度計測時刻のうち、船舶10の速度が速度閾値以上である速度計測時刻(以下、「対象速度時刻」とも称する。)を確認する。
【0152】
解析部32は、対象速度時刻を確認すると、船舶情報群に含まれる舵角情報を参照することにより、当該舵角情報の示す複数のセンサ計測時刻である複数の舵角計測時刻のうち、確認した対象速度時刻に対応する舵角計測時刻を特定する。
【0153】
たとえば、解析部32は、
図4に示す対応付け処理と同様に、時系列の舵角情報の示す複数の舵角計測時刻のうち、対象速度時刻の直前の速度計測時刻よりも後の舵角計測時刻であって、対象速度時刻よりも前の舵角計測時刻を、対象速度時刻に対応する舵角計測時刻として特定する。
【0154】
なお、解析部32は、たとえば
図5に示す対応付け処理と同様に、時系列の舵角情報の示す複数の舵角計測時刻のうち、対象速度計測時刻に最も近い舵角計測時刻を、当該対象速度時刻に対応する舵角計測時刻として特定してもよい。
【0155】
舵角計測時刻における舵角は、たとえば、船舶10が右回りに旋回する場合および左回りに旋回する場合において、それぞれ、プラスの値およびマイナスの値である。解析部32は、対象速度時刻に対応する舵角計測時刻を特定すると、当該舵角計測時刻における舵角がプラスの値である場合、当該舵角が所定の第1閾値以上であるか否かを確認する。また、解析部32は、特定した舵角計測時刻における舵角がマイナスの値である場合、当該舵角が所定の第2閾値以下であるか否かを確認する。
【0156】
解析部32は、特定した舵角計測時刻において、プラスの値の舵角が第1閾値以上である場合、またはマイナスの値の舵角が第2閾値以下である場合、イベントとして、船舶10における急転舵の発生を検知する。この場合、解析部32は、当該舵角計測時刻をイベント発生時刻であると判断する。そして、解析部32は、特定した船名の船舶10における急転舵の発生を示す検知結果と、イベント発生時刻とを含む急転舵情報を作成し、イベント発生情報として表示処理部33へ出力する。
【0157】
一方、解析部32は、時系列の速度情報において対象速度時刻が含まれていない場合、舵角計測時刻において、プラスの値の舵角が第1閾値未満である場合、またはマイナスの値の舵角が第2閾値より大きい場合、船舶10において急転舵が発生していないと判断する。
【0158】
<例2>
たとえば、解析部32は、情報取得装置101から受信した時系列の舵角指令情報の示す舵角指令信号の時系列変化に基づいて、イベントとして、船舶10における急転舵の発生を検知する。
【0159】
より詳細には、たとえば、解析部32は、時系列の速度情報および時系列の舵角指令情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、船舶10において急転舵が発生したか否かを判断する。
【0160】
具体的には、解析部32は、時系列の速度情報および時系列の舵角指令情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、記憶部34に保存されている当該船舶情報群、および管理テーブルを読み出す。そして、解析部32は、管理テーブルを参照することにより、当該船舶情報群に含まれる船舶IDに対応する船名を特定する。
【0161】
また、解析部32は、時系列の速度情報における対象速度時刻を確認すると、船舶情報群に含まれる舵角指令情報を参照することにより、当該舵角指令情報の示す複数のセンサ計測時刻である複数の舵角指令時刻のうち、確認した対象速度時刻に対応する舵角指令時刻を特定する。
【0162】
たとえば、解析部32は、
図4に示す対応付け処理と同様に、舵角指令情報の示す複数の舵角指令時刻のうち、対象速度時刻の直前の速度計測時刻よりも後の舵角計測時刻であって、対象速度時刻よりも前の舵角指令刻を、対象速度時刻に対応する舵角指令時刻として特定する。
【0163】
なお、解析部32は、たとえば
図5に示す対応付け処理と同様に、舵角指令情報の示す複数の舵角計測時刻のうち、対象速度時刻に最も近い舵角指令時刻を、当該対象速度時刻に対応する舵角指令時刻として特定してもよい。
【0164】
解析部32は、対象速度時刻に対応する舵角指令時刻を特定すると、当該舵角指令時刻における指令舵角が所定の閾値以上であるか否かを確認する。
【0165】
解析部32は、特定した舵角指令時刻における指令舵角が閾値以上である場合、イベントとして、船舶10における急転舵の発生を検知する。この場合、解析部32は、当該舵角指令信号をイベント発生時刻であると判断する。そして、解析部32は、特定した船名の船舶10における急転舵の発生を示す検知結果と、イベント発生時刻とを含む急転舵情報を作成し、イベント発生情報として表示処理部33へ出力する。
【0166】
一方、解析部32は、時系列の速度情報において対象速度時刻が含まれていない場合、または舵角指令時刻における指令舵角が閾値未満である場合、船舶10において急転舵が発生していないと判断する。
【0167】
(デッキ作業)
たとえば、解析部32は、情報取得装置101から受信した時系列のデッキ画像情報に含まれる複数のデッキ画像のうちの少なくともいずれか1つのデッキ画像に所定の検知対象が含まれている場合、イベントとして、船舶10のデッキにおいて所定の作業(以下、「デッキ作業」とも称する。)の発生を検知する。検知対象は、たとえば人である。
【0168】
より詳細には、たとえば、解析部32は、時系列の速度情報および時系列のデッキ画像情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、デッキ作業が実行されたか否かを判断する。
【0169】
具体的には、解析部32は、時系列の速度情報および時系列のデッキ画像情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、記憶部34に保存されている当該船舶情報群および管理テーブルを読み出す。そして、解析部32は、管理テーブルを参照することにより、当該船舶情報群に含まれる船舶IDに対応する船名を特定する。
【0170】
また、解析部32は、船舶情報群に含まれる時系列の速度情報の示す複数の速度計測時刻のうち、船舶10の速度が速度閾値以上である対象速度時刻を確認する。
【0171】
解析部32は、対象速度時刻を確認すると、船舶情報群に含まれるデッキ画像情報を参照することにより、当該デッキ画像情報の示す複数の撮影時刻のうち、確認した対象速度時刻に対応する撮影時刻を特定する。
【0172】
再び
図4を参照して、たとえば、解析部32は、時系列のデッキ画像情報の示す複数の撮影時刻のうち、対象速度時刻の直前の速度計測時刻よりも後の撮影時刻であって、対象速度時刻よりも前の撮影時刻を、対象速度時刻に対応する撮影時刻として特定する。
【0173】
図4において、たとえば、対象速度時刻が時刻t21である場合、当該対象速度時刻に対応する撮影時刻は、速度計測時刻t20よりも後の時刻であって、対象速度時刻t21よりも前の時刻である時刻t10である。
【0174】
再び
図5を参照して、たとえば、解析部32は、時系列のデッキ画像情報の示す複数の撮影時刻のうち、対象速度時刻に最も近い撮影時刻を、当該対象速度時刻に対応する撮影時刻として特定してもよい。
【0175】
たとえば、
図5において、対象速度時刻が時刻t21である場合、当該対象速度時刻に対応する撮影時刻は、時刻t10である。また、対象速度時刻が時刻t22である場合、当該対象速度時刻に対応する撮影時刻は、時刻t11である。
【0176】
解析部32は、対象速度時刻に対応する撮影時刻を特定すると、当該撮影時刻におけるデッキ画像(以下、「対応デッキ画像」とも称する。)に人が含まれているか否かを確認する。
【0177】
解析部32は、対応デッキ画像に人が含まれている場合、イベントとして、船舶10のデッキにおいてデッキ作業中であることを検知する。この場合、解析部32は、対応デッキ画像の撮影時刻をイベント発生時刻であると判断する。そして、解析部32は、特定した船名の船舶10におけるデッキ作業の発生を示す検知結果と、イベント発生時刻とを含むデッキ情報を作成し、イベント発生情報として表示処理部33へ出力する。
【0178】
一方、解析部32は、記憶部34に保存されている速度情報に速度閾値以上の速度が含まれていない場合、または対応デッキ画像に人が含まれていない場合、デッキ作業中でないと判断する。
【0179】
なお、解析部32は、デッキ作業が実行されたか否かを判断する処理において、対象速度時刻を確認することなく、情報取得装置101から受信したデッキ画像情報において、人を含むデッキ画像が含まれているか否かを確認してもよい。
【0180】
(荒天)
たとえば、解析部32は、時系列の動揺角情報の示す動揺角の時系列変化に基づいて、イベントとして、船舶10の位置における天候が荒天であることを検知する。
【0181】
より詳細には、たとえば、解析部32は、時系列の動揺角情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、船舶10の位置における天候が荒天であるか否かを判断する。
【0182】
具体的には、解析部32は、時系列の動揺角情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、記憶部34に保存されている当該船舶情報群および管理テーブルを読み出す。そして、解析部32は、管理テーブルを参照することにより、当該船舶情報群に含まれる船舶IDに対応する船名を特定する。
【0183】
また、解析部32は、時系列の動揺角情報の示す動揺角の時系列変化に基づいて、所定の単位時間あたりの、動揺角の振れ幅を算出する。たとえば、解析部32は、船舶情報群に含まれる時系列の動揺角情報において、あるセンサ計測時刻における1分あたりの動揺角の振れ幅を算出する。ここで、所定の単位時間あたりの、動揺角の振れ幅とは、たとえば、当該単位時間における動揺角の最大値と最小値との差である。
【0184】
そして、解析部32は、算出した振れ幅が所定の閾値(以下、「動揺角閾値」とも称する。)以上であるか否かを確認する。
【0185】
解析部32は、算出した変化量が動揺角閾値以上である場合、イベントとして、船舶10の位置における天候が荒天であることを検知する。この場合、解析部32は、当該変化量に対応するセンサ計測時刻をイベント発生時刻であると判断する。そして、解析部32は、特定した船名の船舶10の位置における荒天の発生を示す検知結果と、イベント発生時刻とを含む動揺角情報を作成し、イベント検知情報として表示処理部33へ出力する。
【0186】
一方、解析部32は、算出した変化量が動揺角閾値未満である場合、船舶10の位置における天候が荒天でないと判断する。なお、解析部32は、時系列の航海画像情報に基づいて、所定の単位時間あたりの、航海撮影用カメラ51aの揺れ量の変化量を算出し、当該変化量が所定の閾値以上である場合、イベントとして、船舶10の位置における天候が荒天であることを検知してもよい。
【0187】
(他の船舶の接近)
たとえば、解析部32は、時系列の距離情報の示す、船舶10と他の船舶との間の距離の時系列変化に基づいて、イベントとして、他の船舶の接近を検知する。
【0188】
より詳細には、たとえば、解析部32は、時系列の距離情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す通知を通信部31から受けると、他の船舶の接近が発生したか否かを判断する。
【0189】
具体的には、解析部32は、時系列の距離情報を含む船舶情報群を受信した旨を示す受信通知を通信部31から受けると、記憶部34に保存されている当該船舶情報群、および管理テーブルを読み出す。そして、解析部32は、管理テーブルを参照することにより、当該船舶情報群に含まれる船舶IDに対応する船名を特定する。
【0190】
また、解析部32は、時系列の距離情報の示す、船舶10と他の船舶との間の距離の時系列変化において、当該距離が所定の距離閾値未満であるセンサ計測時刻が含まれているか否かを確認する。
【0191】
解析部32は、時系列の距離情報の示す、船舶10と他の船舶との間の距離の時系列変化において、当該距離が所定の距離閾値未満であるセンサ計測時刻が含まれている場合、イベントとして、船舶10に対する他の船舶の接近を検知する。この場合、解析部32は、当該センサ計測時刻をイベント発生時刻であると判断する。そして、解析部32は、特定した船名の船舶10に対する他の船舶の接近を示す検知結果と、イベント発生時刻とを含む接近情報を作成し、イベント発生情報として表示処理部33へ出力する。
【0192】
一方、解析部32は、時系列の距離情報の示す、船舶10と他の船舶との間の距離の時系列変化において、当該距離が所定の距離閾値未満であるセンサ計測時刻が含まれていない場合、他の船舶の接近が発生していないと判断する。
【0193】
なお、解析部32は、イベント検知処理において、各種イベントの発生を検知しなかった場合、当該イベント検知処理に用いた船舶情報群を記憶部34から削除してもよい。これにより、記憶部34における記憶容量を節約することができる。
【0194】
また、管理サーバ201以外の他の装置が解析部32を備え、上述のような処理を行ってもよい。たとえば、船舶10に搭載された装置が解析部32を備え、作成したイベント発生情報と、当該イベント発生情報に対応する船舶情報群とを管理サーバ201へ送信する構成であってもよい。これにより、管理サーバ201における処理負荷を低減することができる。
【0195】
(リスト画面情報)
表示処理部33は、解析部32からイベント発生情報を受けると、当該イベント発生情報を記憶部34に保存するとともに、当該イベント発生情報に含まれる検知結果の示すイベントと、当該検知結果の示す船舶10の船名と、船舶10が着岸する港と、当該イベント発生情報に含まれるイベント発生時刻との対応関係を示すイベントリストLを作成する。表示処理部33は、作成したイベントリストLを記憶部34に保存する。
【0196】
また、表示処理部33は、イベントリストLを含むリスト画面情報S1を作成する。より詳細には、端末装置301は、リスト画面情報S1を要求する指示(以下、「リスト送信指示」とも称する。)をユーザから受け付けると、受け付けた指示内容を示すリスト指示情報を管理サーバ201へ送信する。
【0197】
管理サーバ201において、通信部31は、端末装置301からリスト指示情報を受信すると、リスト指示情報を受信した旨を示す通知を表示処理部33へ出力する。
【0198】
表示処理部33は、リスト指示情報を受信した旨を示す通知を通信部31から受けると、記憶部34に保存されているイベントリストLを読み出す。そして、表示処理部33は、イベントリストLを示す領域R11と、表示ボタンBt10を示す領域R12とを含むリスト画面情報S1を作成する。
【0199】
図6は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによって作成されるリスト画面情報の一例を示す図である。
【0200】
図6を参照して、リスト画面情報S1において、船名「AAA」の船舶10では、イベント発生時刻「2022/11/03 16:01:47」において「急転舵」が発生している。また、船名「BBB」の船舶10では、イベント発生時刻「2022/11/4 10:04:29」において「東京」港への「入港」が発生し、イベント発生時刻「2022/11/4 18:11:01」において「東京」港からの「出港」が発生している。また、船名「AAA」の船舶10では、イベント発生時刻「2022/11/05 12:16:20」において、エンジン回転数の「急増速」が発生している。
【0201】
また、リスト画面情報S1では、表示ボタンBt10である表示ボタンBt11,Bt12,Bt13,Bt14が表示されている。表示ボタンBt11はイベント「急転舵」に対応し、表示ボタンBt12はイベント「入港」に対応し、表示ボタンBt13はイベント「出港」に対応し、表示ボタンBt14はイベント「急増速」に対応している。
【0202】
表示処理部33は、リスト画面情報S1を作成すると、作成したリスト画面情報S1を通信部31経由で端末装置301へ送信する。
【0203】
端末装置301は、管理サーバ201からリスト画面情報S1を受信すると、当該リスト画面情報S1を示すイベントリスト画面を自己のモニタ等に表示する。なお、表示処理部33は、当該イベントリスト画面を含むHTML(HyperText Markup Language)形式の電子メールを通信部31経由で端末装置301へ送信してもよい。
【0204】
(イベント抽出画面情報)
管理サーバ201は、情報取得装置101から受信した、画像情報、計測情報および位置情報を特定の時刻と対応付けて表示する表示処理を行う。ここでは、特定の時刻は、たとえばイベント発生時刻である。
【0205】
より詳細には、管理サーバ201は、端末装置301にイベントリスト画面が表示されている状態において、特定のイベントに対応する、画像情報、計測情報および位置情報の表示指示(以下、「イベント特定指示」とも称する)をユーザから受けると、当該イベント特定指示に従って、表示処理を行う。
【0206】
具体的には、端末装置301は、ユーザにより、イベントリスト画面における複数の表示ボタンBt10のうちのいずれか1つを押下する操作が行われた場合、当該操作が行われた表示ボタンBt10と、イベント特定指示とを示すイベント特定情報を管理サーバ201へ送信する。
【0207】
管理サーバ201において、通信部31は、端末装置301からイベント特定情報を受信すると、受信したイベント特定情報を表示処理部33へ出力する。
【0208】
たとえば、表示処理部33は、記憶部34に保存されている時系列の航海画像情報の中から、解析部32によって検知されたイベントに対応する1または複数の航海画像情報(以下、「対応画像情報」とも称する。)を選択する。
【0209】
また、たとえば、表示処理部33は、記憶部34に保存されている時系列の計測情報の中から、解析部32によって検知されたイベントに対応する1または複数の計測情報(以下、「対応計測情報」とも称する。)を選択する。
【0210】
また、たとえば、表示処理部33は、記憶部34に保存されている時系列の位置情報の中から、解析部32によって検知されたイベントに対応する1または複数の位置情報(以下、「対応位置情報」とも称する。)を選択する。
【0211】
具体的には、表示処理部33は、通信部31からイベント特定情報を受けると、当該イベント特定情報の示す表示ボタンBt10に対応するイベント、に関するイベント発生情報を記憶部34から取得し、当該イベント発生情報に含まれるイベント発生時刻を確認する。そして、表示処理部33は、確認したイベント発生時刻に対応する、航海画像情報、計測情報および位置情報を記憶部34から取得する。
【0212】
図7は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによる表示処理の一例を概念的に示す図である。
【0213】
図7を参照して、たとえば、表示処理部33は、記憶部34から取得したイベント発生情報に含まれるイベント発生時刻がセンサ計測時刻t23である場合、センサ計測時刻t23以降における計測情報を対応計測情報として選択する。また、表示処理部33は、センサ計測時刻t23より前の撮影時刻のうちの直近の撮影時刻t12以降における航海画像情報を対応画像情報として選択する。また、表示処理部33は、センサ計測時刻t23より前の位置計測時刻のうちの直近の位置計測時刻t31以降における位置情報を対応位置情報として選択する。
【0214】
図8は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによる表示処理の他の例を概念的に示す図である。
【0215】
図8を参照して、たとえば、表示処理部33は、イベント発生時刻がセンサ計測時刻t23である場合、センサ計測時刻t23に最も近い撮影時刻t12以降における航海画像情報を対応画像情報として選択してもよい。また、表示処理部33は、センサ計測時刻t23に最も近い位置計測時刻t32以降における位置情報を対応位置情報として選択してもよい。
【0216】
そして、表示処理部33は、表示処理として、対応画像情報、対応計測情報および対応位置情報をイベント発生時刻と対応付けて表示する処理を行う。
【0217】
具体的には、表示処理部33は、イベント発生情報と、選択した、対応画像情報、対応計測情報および対応位置情報とを用いて、イベント抽出画面情報S2を作成する。そして、表示処理部33は、作成したイベント抽出画面情報S2を通信部31経由で端末装置301へ送信する。また、表示処理部33は、作成したイベント抽出画面情報S2を記憶部34に保存する。
【0218】
端末装置301は、管理サーバ201からイベント抽出画面情報S2を受信すると、当該イベント抽出画面情報S2を示すイベント抽出画面を自己のモニタ等に表示する。なお、表示処理部33は、当該イベント抽出画面を含むHTML形式の電子メールを通信部31経由で端末装置301へ送信してもよい。
【0219】
図9は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによって作成されるイベント抽出画面情報の一例を示す図である。
【0220】
図3および
図9を参照して、表示処理部33は、たとえば領域R21,R22,R23,R24,R25,R26,R27を含むイベント抽出画面情報S2を作成する。
【0221】
領域R21は、たとえば、イベントの発生を検知した船舶10の船名を示す。
図9に示す例では、領域R21は、船名「AAA」を示す。
【0222】
領域R22は、たとえば、表示処理部33によって選択された対応画像情報における最も古い撮影時刻を示す。領域R23は、たとえば、当該対応画像情報における最も新しい撮影時刻を示す。
図9に示す例では、領域R22,R23は、対応画像情報における撮影時刻が「2022/11/05 12:15:40」から「2022/11/05 14:17:10」であることを示す。
【0223】
領域R24は、たとえば、表示処理部33によって選択された対応画像情報における最も古い撮影時刻に対応する航海画像を示す。すなわち、領域R24は、領域R22の示す撮影時刻において撮影された航海画像を示す。
【0224】
領域R24は、さらに、たとえばUI(User Interface)としての再生スライダP、再生ボタンBt21、送りボタンBt22および戻りボタンBt23を含む。なお、領域R24は、当該UIを含まなくてもよい。
【0225】
領域R25は、たとえば、表示処理部33によって選択された対応位置情報の示す船舶10の位置の、時系列変化を示す。具体的には、領域R25は、たとえば、海図上に重畳した当該時系列変化を示す。当該時系列変化は、たとえば複数のアイコンIaによって表示される。
【0226】
表示処理部33は、複数のアイコンIaのうち、ユーザにより選択されたアイコンIaの表示態様を変更する。
図9に示す例では、ユーザにより選択されたアイコンIaは、船舶を示すアイコンIbに変化する。ユーザは、マウスまたはキーボード等の入力装置を用いて、アイコンIaを選択する。なお、ユーザは、端末装置301がたとえばタブレットである場合、当該タブレットにおけるタッチパネルを介してアイコンIaを選択してもよい。
【0227】
領域R26は、たとえば、領域R25におけるアイコンIb、に対応する船舶10の位置を示す。
図9に示す例では、領域R26は、船舶10の位置が「緯度:34.6253 経度:135.2486」であることを示す。
【0228】
領域R27は、たとえば、表示処理部33によって選択された対応計測情報を示す。
図9に示す例では、領域R27は、
図6に示すリスト画面情報S1におけるイベント「急増速」のイベント発生時刻「2022/11/05 12:16:20」以降のエンジン回転数の時系列変化を示す。
【0229】
たとえば、表示処理部33は、さらに、イベント発生時刻以降の時間帯に対応する対応画像情報、対応計測情報および対応位置情報のうちの少なくともいずれか1つを順次表示する。ここでは、表示処理部33は、イベント発生時刻以降の時間帯に対応する対応画像情報を順次表示する。
【0230】
より詳細には、表示処理部33は、イベント抽出画面が端末装置301において表示されている状態において、ユーザにより領域R24に対して所定の操作が行われた場合、イベント発生時刻に対応する撮影時刻以降の対応画像情報を順次表示する。
【0231】
具体的には、端末装置301は、ユーザにより、イベント抽出画面における再生ボタンBt21を押下する操作が行われた場合、当該操作を示す再生要求情報を管理サーバ201へ送信する。
【0232】
管理サーバ201において、通信部31は、端末装置301から再生要求情報を受信すると、受信した再生要求情報を表示処理部33へ出力する。
【0233】
表示処理部33は、通信部31から再生要求情報を受けると、記憶部34に保存されているイベント抽出画面情報S2を読み出す。そして、表示処理部33は、イベント抽出画面情報S2に含まれる領域R22の示す撮影時刻、の直後の撮影時刻以降であって、領域R23の示す撮影時刻までに撮影された複数の航海画像を記憶部34から取得する。
【0234】
表示処理部33は、取得した複数の航海画像を通信部31経由で端末装置301へ送信する。
【0235】
端末装置301は、管理サーバ201から複数の航海画像を受信すると、イベント抽出画面情報S2に含まれる領域R24において、当該複数の航海画像を順次表示する。
【0236】
[動作の流れ]
本発明の実施の形態に係る表示システム501における各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態でまたは通信回線を介して流通する。
【0237】
図10は、本発明の実施の形態に係る情報取得装置による送信処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0238】
まず、情報取得装置101は、カメラ51から時系列の画像情報を取得して記憶部26に保存する(ステップS101)。
【0239】
次に、情報取得装置101は、センサ52から時系列の計測情報を取得して記憶部26に保存する(ステップS102)。
【0240】
次に、情報取得装置101は、GNSS受信機53から時系列の位置情報を取得して記憶部26に保存する(ステップS103)。なお、ステップS101、ステップS102およびステップS103は、順序を入れ替えて実行してもよいし、並列して実行してもよい。
【0241】
情報取得装置101は、自己が起動してから一定時間経過するまで(ステップS104においてNO)、カメラ51から取得した新たな時系列の画像情報と、センサ52から取得した新たな計測情報と、GNSS受信機53から取得した新たな時系列の位置情報とを記憶部26に保存する(ステップS101からステップS103)。
【0242】
そして、情報取得装置101は、自己が起動してから一定時間経過すると(ステップS104においてYES)、記憶部34に保存されている時系列の画像情報と、時系列の計測情報と、時系列の位置情報と、船舶IDとを含む船舶情報群を作成して管理サーバ201へ送信する送信処理を行う(ステップS105)。
【0243】
図11は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによるイベント検知処理の動作手順を定めたフローチャートである。
【0244】
図11を参照して、まず、管理サーバ201は、情報取得装置101から受信した船舶情報群を記憶部34から取得する(ステップS201)。
【0245】
次に、管理サーバ201は、取得した船舶情報群に基づいて、船舶10におけるイベントの発生を検知した場合(ステップS202においてYES)、検知したイベントの種類と、イベント発生時刻とを含むイベント発生情報を作成して記憶部34に保存する(ステップS203)。
【0246】
一方、管理サーバ201は、船舶10におけるイベントの発生を検知しなかった場合(ステップS202においてNO)、情報取得装置101から新たな船舶情報群を受信し、当該新たな船舶情報群を記憶部34から取得する(ステップS201)。
【0247】
図12は、本発明の実施の形態に係る管理サーバによる表示処理の動作手順を定めたフローチャートである。
【0248】
図12を参照して、まず、管理サーバ201は、端末装置301からのリスト送信指示を待ち受け(ステップS301においてNO)、端末装置301からリスト送信指示を受信すると(ステップS301においてYES)、リスト画面情報S1を作成する(ステップS302)。
【0249】
次に、管理サーバ201は、作成したリスト画面情報S1を端末装置301へ送信する(ステップS303)。
【0250】
次に、管理サーバ201は、端末装置301からのイベント特定指示を待ち受け(ステップS304においてNO)、端末装置301からイベント特定指示を受信すると(ステップS304においてYES)、記憶部34に保存されている船舶情報群に含まれる各情報とイベント発生時刻とを対応付ける(ステップS305)。
【0251】
次に、管理サーバ201は、イベント抽出画面情報S2を作成する。たとえば、上述したように、管理サーバ201は、検知したイベントに対応する、対応画像情報、対応計測情報および対応位置情報を用いて、イベント抽出画面情報S2を作成する(ステップS306)。
【0252】
次に、管理サーバ201は、作成したイベント抽出画面情報S2を端末装置301へ送信する(ステップS307)。
【0253】
図13は、本発明の実施の形態に係る表示システムにおける情報取得装置、管理サーバおよび端末装置の処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0254】
図13を参照して、まず、情報取得装置101は、カメラ51から時系列の画像情報を取得する(ステップS401)。
【0255】
次に、情報取得装置101は、センサ52から時系列の計測情報を取得する(ステップS402)。
【0256】
次に、情報取得装置101は、GNSS受信機53から時系列の位置情報を取得する(ステップS403)。
【0257】
次に、情報取得装置101は、取得した、時系列の画像情報、時系列の計測情報および時系列の位置情報、ならびに船舶IDを含む船舶情報群を管理サーバ201へ送信する(ステップS404)。
【0258】
次に、管理サーバ201は、情報取得装置101から受信した船舶情報群を記憶部34に保存する(ステップS405)。
【0259】
次に、管理サーバ201は、記憶部34に保存されている船舶情報群に基づいて、船舶10におけるイベントの発生を検知する(ステップS406)。
【0260】
次に、管理サーバ201は、検知したイベントの種類と、イベント発生時刻とを含むイベント発生情報を作成して記憶部34に保存する(ステップS407)。
【0261】
次に、端末装置301は、リスト画面情報の送信を指示するリスト送信指示を管理サーバ201へ送信する(ステップS408)。
【0262】
次に、管理サーバ201は、端末装置301からリスト送信指示を受信すると、リスト画面情報S1を端末装置301へ送信する(ステップS409)。
【0263】
次に、端末装置301は、管理サーバ201からリスト画面情報S1を受信すると、当該リスト画面情報S1を示すリスト画面を自己のモニタ等に表示する(ステップS410)。
【0264】
次に、端末装置301は、イベント抽出画面情報の送信を指示するイベント特定指示を管理サーバ201へ送信する(ステップS411)。
【0265】
次に、管理サーバ201は、端末装置301からイベント特定指示を受信すると、イベント抽出画面情報S2を端末装置301へ送信する(ステップS412)。
【0266】
次に、端末装置301は、管理サーバ201からイベント抽出画面情報S2を受信すると、当該イベント抽出画面情報S2を示すイベント抽出画面を自己のモニタ等に表示する(ステップS413)。
【0267】
[変形例]
管理サーバ201は、船舶10に関する情報以外の情報に基づいて、イベントの発生を検知してもよい。
【0268】
図14は、本発明の実施の形態に係る表示システムの変形例の構成を示す図である。
図14を参照して、表示システム501は、さらに、気象サーバ401を備える。気象サーバ401は、たとえば、海域における時系列の気象情報を保持する。気象サーバ401は、たとえばAPI(Web Application Programming Interface)サーバである。時系列の気象情報は、たとえば、風量の時系列変化を示す。
【0269】
具体的には、たとえば、管理サーバ201は、情報取得装置101から船舶情報群を受信すると、当該船舶情報群に対応する船舶10、の航海日時における時系列の気象情報を要求する要求情報を外部ネットワーク151経由で気象サーバ401へ送信する。
【0270】
気象サーバ401は、たとえば、管理サーバ201から当該要求情報を受信すると、上記要求情報に従い、船舶10の航海日時における時系列の気象情報を外部ネットワーク151経由で管理サーバ201へ送信する。
【0271】
変形例では、管理サーバ201は、さらに、気象サーバ401から受信した気象情報に基づいて、イベント検知処理を行う。たとえば、管理サーバ201は、当該気象情報の示す風量の時系列変化に基づいて、船舶10の位置における天候が荒天であるか否かを判断する。
【0272】
より詳細には、管理サーバ201において、通信部31は、気象サーバ401から時系列の気象情報を受信すると、受信した当該気象情報を記憶部34に保存するとともに、当該気象情報を受信した旨を示す通知を解析部32へ出力する。
【0273】
解析部32は、時系列の気象情報を受信した旨を示す通知を通信部31から受けると、記憶部34に保存されている当該気象情報を読み出す。そして、解析部32は、当該気象情報の示す風量の時系列変化において、風量が所定の閾値以上である時刻が含まれているか否かを確認する。
【0274】
解析部32は、当該風量の時系列変化において、風量が閾値以上である時刻が含まれている場合、イベントとして、船舶10の位置における天候が荒天であることを検知する。この場合、解析部32は、当該時刻をイベント発生時刻であると判断する。そして、解析部32は、特定した船名の船舶10の位置における荒天の発生を示す検知結果と、イベント発生時刻とを含む気象情報を作成し、イベント発生情報として表示処理部33へ出力する。
【0275】
表示処理部33は、解析部32から上記イベント発生情報を受けると、当該イベント発生情報に含まれる検知結果の示すイベント「荒天」と、特定した船名と、イベント発生時刻との対応関係を示すイベントリストLを作成して記憶部34に保存する。また、表示処理部33は、端末装置301にイベントリスト画面が表示されている状態において、当該イベント「荒天」に対するイベント特定指示を受けると、画像情報、計測情報および位置情報を、風量が閾値以上である時刻と対応付けて表示する。
【0276】
なお、本発明の実施の形態に係る管理サーバ201の機能の一部または全部が、クラウドコンピューティングによって提供されてもよい。すなわち、本発明の実施の形態に係る管理サーバ201が、複数のサーバによって構成されるクラウドサーバであってもよい。
【0277】
また、本発明の実施の形態に係る表示システム501において、情報取得装置101は、船舶10と他の船舶との間の距離の時系列変化を示す時系列の計測情報をレーダ装置52fから受信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。船舶10には、他の船舶を自動識別するAIS(Automatic Identification System)が搭載されてもよい。この場合、情報取得装置101は、当該AISから定期的に取得した他の船舶の位置情報と、GNSS受信機53から取得した船舶10の位置情報とに基づいて、船舶10の位置と他の船舶の位置との間の距離の時系列変化を示す距離情報を算出して管理サーバ201へ送信する。そして、管理サーバ201は、情報取得装置101から受信した当該距離情報に基づいて、他の船舶の接近が発生したか否かを判断する。
【0278】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0279】
10 船舶
21 画像情報取得部
22 計測情報取得部
23 位置情報取得部
24,31 通信部
25 制御部
26,34 記憶部
32 解析部
33 表示処理部
51,51a,51b カメラ
52,52a,52b,52c,52d,52e,52f センサ
101 情報取得装置
201 管理サーバ
301 端末装置
401 気象サーバ
501 表示システム