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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154713
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20241024BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20241024BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241024BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20241024BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20241024BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/34 J
G09G3/20 642J
G09G3/20 650M
G09G3/20 660H
G09G3/20 642E
G09G3/20 621A
G09G3/20 641E
G09G3/20 650J
G09G3/20 660R
G09G3/20 660K
G09G3/20 611D
G09G3/20 642A
G02F1/133 535
G02F1/13357
G02F1/1335
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068691
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003926
【氏名又は名称】弁理士法人イノベンティア
(72)【発明者】
【氏名】結城 龍三
(72)【発明者】
【氏名】臼倉 奈留
(72)【発明者】
【氏名】増田 純一
(72)【発明者】
【氏名】八木 秀悟
【テーマコード(参考)】
2H193
2H291
2H391
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZD40
2H193ZE04
2H193ZF11
2H193ZG04
2H193ZG14
2H193ZG23
2H193ZG41
2H193ZG48
2H193ZG60
2H193ZH40
2H193ZH53
2H193ZP13
2H193ZR06
2H193ZR09
2H291FA17Z
2H291FA42X
2H291FA52Z
2H291FA71Z
2H291FA85Z
2H291LA21
2H291LA26
2H291LA40
2H291MA03
2H291NA52
2H291NA54
2H391AA15
2H391AB04
2H391AC13
2H391AC26
2H391AC30
2H391AC53
2H391AD55
2H391CB32
2H391CB52
2H391EA14
2H391FA04
5C006AA14
5C006AA16
5C006AA22
5C006AB02
5C006AC29
5C006AF27
5C006AF44
5C006AF45
5C006AF46
5C006AF51
5C006AF71
5C006AF85
5C006BB11
5C006BB28
5C006BB29
5C006BF24
5C006BF27
5C006BF28
5C006EA01
5C006EC09
5C006FA03
5C006FA16
5C006FA22
5C006FA25
5C006FA54
5C006FA55
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC07
5C080DD05
5C080DD08
5C080DD10
5C080DD12
5C080DD21
5C080EE25
5C080EE29
5C080EE30
5C080KK20
(57)【要約】
【課題】クロストークがより抑制された液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、第1方向に最大輝度を有する第1光、および、第1方向とは異なる第2方向に最大輝度を有する第2光を切り替えて主面から出射するバックライトモジュール20と、液晶表示パネル10と、制御装置50とを備える。制御装置は、第1画像を受け取り、第1画像に基づき、第1画像の色が反転された画像であって、かつ、輝度が調整された第1オフセット画像を生成し、第1画像を含む第1表示画像と、第1オフセット画像を含む第2表示画像とが交互に表示されるように液晶表示パネルを制御し、第1表示画像を表示する際に第1光が出射し、第2表示画像を表示する際に第2光が出射するように、バックライトモジュールを制御する。第1オフセット画像の輝度と、液晶表示パネルが第1表示画像を表示したときの第2方向における輝度とほぼ等しい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に最大輝度を有する第1光、および、前記第1方向とは異なる第2方向に最大輝度を有する第2光を切り替えて主面から出射するバックライトモジュールと、
前記第1光および前記第2光が透過するように配置された液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルおよび前記バックライトモジュールを制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
第1画像を受け取り、前記第1画像に基づき、前記第1画像の色が反転された画像であって、かつ、輝度が調整された第1オフセット画像を生成し、
前記第1画像を含む第1表示画像と、前記第1オフセット画像を含む第2表示画像が交互に表示されるように前記液晶表示パネルを制御し、
前記第1表示画像を表示する際に前記第1光が出射し、前記第2表示画像を表示する際に前記第2光が出射するように、前記バックライトモジュールを制御し、
前記第1オフセット画像の輝度と、前記液晶表示パネルが前記第1表示画像を表示したときの前記第2方向における輝度とはほぼ等しい、液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1オフセット画像は、前記第1方向および前記第2方向を含む平面と、前記液晶表示パネルの表面とが交差する直線方向において、増大または減少する輝度分布を有している、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶表示パネルは、240Hz以上のリフレッシュレートを有する、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
第2画像を受け取り、前記第2画像に基づき、前記第2画像の色が反転された画像であって、かつ、輝度が調整された第2オフセット画像をさらに生成し、
前記第1画像と、前記第2オフセット画像とを合成した前記第1表示画像を生成し、
前記第2画像と、前記第1オフセット画像とを合成した前記第2表示画像を生成する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記バックライトモジュールは、
前記第1光を出射する第1バックライトと、
前記第2光を出射する第2バックライトと、
前記第1バックライトと前記第2バックライトの間に配置され、第1光学シートを含む光制御体と、
を有し、
前記第2バックライトは、前記第1バックライトと、前記液晶表示パネルとの間に位置し、
前記第1光学シートは、厚さ方向に垂直な第3方向に間隙をあけて配置される複数の第1遮光部と、前記複数の第1遮光部の間にそれぞれ位置する複数の第1透光部とを有し、
各第1遮光部は、前記第3方向および前記厚さ方向に垂直な第4方向と前記厚さ方向とに伸びており、
各第1透光部の前記第3方向の幅W1と前記厚さ方向の高さH1は、W1/H1>1の関係を満たしている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記光制御体は、第2光学シートと、レンズシートとをさらに含み、
前記レンズシートは、前記第1光学シートと前記第2光学シートとの間に位置し、前記第4方向に平行な軸を有するリニアフレネルレンズであり、
前記第2光学シートは、前記第2バックライトと、前記レンズシートとの間に位置し、
前記第2光学シートは、前記第3方向に間隙をあけて配置される複数の第2遮光部と、前記複数の第2遮光部の間にそれぞれ位置する複数の第2透光部とを有し、
各第2遮光部は、前記第4方向と前記厚さ方向とに伸びており、
各第2透光部の前記第3方向の幅W2と前記厚さ方向の高さH2は、W2/H2>W1/H1の関係を満たしている、請求項5に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は種々の分野で利用されており、車両にも広く利用されてきている。例えば、助手席の前に液晶表示装置が配置された車両も実用化されてきている。
【0003】
助手席の前に配置される液晶表示装置には、例えば、映画などが表示され得るが、そのような画像が運転中の運転手から見えることは、安全性の観点から好ましくない。このため、運転中の運転者が、助手席前の液晶表示装置の画像を視認できなくする技術が求められている。
【0004】
例えば、特許文献1は、第1の画像は主として第1の鑑賞者(運転手)に提供し、第2の画像は主として第2の鑑賞者(助手席の乗客)に提供する際に、2つの画像のクロストーク、つまり、第2の画像が第1の鑑賞者に知覚されたり、第1の画像が第2の鑑賞者に日知覚されるのを抑制する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2011-511508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、クロストークがより抑制された液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態に係る液晶表示装置は、第1方向に最大輝度を有する第1光、および、前記第1方向とは異なる第2方向に最大輝度を有する第2光を切り替えて主面から出射するバックライトモジュールと、前記第1光および前記第2光が透過するように配置された液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルおよび前記バックライトモジュールを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、第1画像を受け取り、前記第1画像に基づき、前記第1画像の色が反転された画像であって、かつ、輝度が調整された第1オフセット画像を生成し、前記第1画像を含む第1表示画像と、前記第1オフセット画像を含む第2表示画像が交互に表示されるように前記液晶表示パネルを制御し、前記第1表示画像を表示する際に前記第1光が出射し、前記第2表示画像を表示する際に前記第2光が出射するように、前記バックライトモジュールを制御し、前記第1オフセット画像の輝度と、前記液晶表示パネルが前記第1表示画像を表示したときの前記第2方向における輝度とほぼ等しい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、クロストークがより抑制された液晶表示装置が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る液晶表示装置の構成を模式的に示す図である。
図2図2は、バックライトモジュールの模式的な断面構造の一例を示す。
図3A図3Aは、第1光学シートの平面図である。
図3B図3Bは、第1光学シートの断面図である。
図4図4は、第1実施形態の液晶表示装置から出射する第1光および第2光の配光特性の一例を示す。
図5図5は、第1実施形態の液晶表示装置の動作を説明するフローチャートである。
図6図6は、生成する画像データの例を示す模式図である。
図7図7は、液晶表示パネルに表示させる画像とバックライトモジュールの点灯のタイミングを示す模式図である。
図8図8は、第1実施形態の液晶表示装置に表示される画像の見え方を説明する模式図である。
図9図9は、運転手が認識する液晶表示装置の画面の輝度分布を説明する模式図である。
図10図10は、第2実施形態の液晶表示装置の動作を説明する式図である。
図11図11は第3実施形態の液晶表示装置の断面構造の一部を示す模式図である。
図12図12は、第3実施形態の液晶表示装置から出射する第1光および第2光の配光特性の一例を示す。
図13図13は、第3実施形態の液晶表示装置の動作を説明するフローチャートである。
図14図14は、生成する画像データの例を示す模式図である。
図15A図15Aは、光制御体の他の例を示す模式的断面図である。
図15B図15Bは、第1光学シートの断面構造を示す模式図である。
図15C図15Cは、第2光学シートの断面構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されていたり、一部の構成部材が省略されていたりする場合がある。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る液晶表示装置の構成を模式的に示す図である。液晶表示装置101は、液晶表示パネル10と、バックライトモジュール20と、制御装置50とを備える。
液晶表示パネル10は、種々の駆動方式の液晶表示パネルであってよい。好ましくは、液晶表示パネル10は高速駆動パネルである。ここで高速とは、一般的なリフレッシュレートである60Hzよりも高いリフレッシュレートをいう。より好ましくは、液晶表示パネル10は240Hz以上のリフレッシュレートで駆動し得る。バックライトモジュール20は、以下において詳述するように、第1方向に最大輝度を有する第1光および第2方向に最大輝度を有する第2光を切り替えて出射することができる。
【0012】
バックライトモジュール20は、第1バックライト21と、第2バックライト22と、光制御体30とを含む。
【0013】
図2は、バックライトモジュール20の模式的な断面構造の一例を示す。第1バックライト21は、第1導光板21Aと第1発光素子21Bとを含む。第1導光板21Aは、主面21Aaおよび主面21Abと、水平方向であるx軸方向(第3方向)に垂直な2つの側面21Ac、21Adとを有する板形状を有している。第1導光板21Aは、ポリカーボネート、アクリルなどの透光性の樹脂から構成されている。
【0014】
第1発光素子21Bは、例えば、サイドビュー型のLEDであり、側面21Acに対向して配置されている。第1発光素子21Bから出射した光は、側面21Acから第1導光板21A内に入射し、主面21Aaと主面21Abとの間で反射しながら、主面21Aaおよび主面21Abから出射する。
【0015】
同様に、第2バックライト22は、第2導光板22Aと第2発光素子22Bとを含む。第2導光板22Aは、主面22Aaおよび主面22Abと、x軸方向に垂直な側面2つの側面22Ac、22Adとを有する板形状を有している。第2導光板22Aは、ポリカーボネート、アクリルなどの透光性の樹脂から構成されている。
【0016】
第2発光素子22Bは、例えば、サイドビュー型のLEDであり、側面22Adに対向して配置されている。第2発光素子22Bから出射した光は、側面22Adから第2導光板22A内に入射し、主面22Aaと主面22Abとの間で反射しながら、主面22Aaおよび主面22Abから出射する。
【0017】
光制御体30は、第1光学シート31を含む。図3Aおよび図3Bは、第1光学シート31の平面図および断面図である。第1光学シート31は、x軸方向に間隙をあけて配置される複数の第1遮光部31Aと、複数の第1遮光部31Aの間にそれぞれ位置する複数の第1透光部31Bとを含む。
【0018】
第1遮光部31Aは遮光性を有し、第1透光部31Bは透光性を有している。例えば、第1遮光部31Aは、40%以下の可視光透過率を有している。より好ましくは、第1遮光部31Aは、20%以下の可視光透過率を有している。一方、第1透光部31Bは、46%以上の可視光透過率を有している。より好ましくは、第1透光部31Bは、80%以上の可視光透過率を有している。第1透光部31Bは、例えば、黒色樹脂によって構成され、第1透光部31Bは透明樹脂によって構成される。
【0019】
各第1遮光部31Aは、z軸方向(厚さ方向)およびy軸方向(第4方向)に伸びている。各第1透光部31Bのx軸方向の幅W1とz軸方向の高さH1は、W1/H1<1の関係を満たしていることが好ましい。例えばW1は60μm~150μmであり、H1は、160μm~1500μmであり、W1/H1は0.04~0.9375である。
【0020】
バックライトモジュール20において、光制御体30は、第1バックライト21と第2バックライト22との間に配置されており、第2バックライト22は、光制御体30と液晶表示パネル10との間に位置している。また、バックライトモジュール20から出射する第1光および第2光が液晶表示パネル10に入射するように、バックライトモジュール20は、液晶表示パネル10に対して配置される。
【0021】
バックライトモジュール20は、制御装置50の制御により点灯する。具体的には、第1バックライト21および第2バックライト22の一方が選択的に点灯する。第1バックライト21が点灯する場合、第1発光素子21Bから出射した光が第1導光板21Aへ入射し、主面21Aaおよび主面21Abから第1光が出射する。
【0022】
主面21Aaから出射した第1光は、光制御体30へ入射する。光制御体30の第1光学シート31が上述した構造を有することによって、光制御体30に斜めに入射した第1光は第1遮光部31Aに入射し吸収される。このため、z軸方向に概ね平行に入射した光のみが光制御体30を透過し、第2バックライト22の第2導光板22Aをさらに透過して、液晶表示パネル10へ入射する。さらに第1バックライト21からの第1光は、液晶表示パネル10を透過して液晶表示装置101の外部へ出射する。
【0023】
このように第1バックライト21から出射した第1光は、光制御体30を透過することによって、広がって出射するのが抑制される。図4は、液晶表示パネル10の主面10aから出射する第1光の配光特性の一例を示す。主面10aに垂直、つまり0°付近の狭い範囲で光が出射する。例えば、0°±15°程度の狭い角度で第1光が出射する。
【0024】
一方、第2バックライト22が点灯する場合、第2発光素子22Bから出射した光が第2導光板22Aへ入射し、主面22Aaおよび主面22Abから第2光が出射する。
【0025】
主面22Aaから出射した第2光は、液晶表示パネル10へ入射する。さらに第2光は、液晶表示パネル10を透過して液晶表示装置の外部へ出射する。
【0026】
第2光は、光制御体30を透過しないため、特に制限を受けずに広い角度で液晶表示パネル10の主面10aから出射する。ただし、第2バックライト22では、第2導光板22Aの側面22Bdから第2光を入射させているため、主面10aに垂直な0°の方向からx軸の負の方向に輝度の高い角度範囲の分布がずれる。例えば図4に示すように、-15°~-80°程度の範囲で輝度が高くなる。
【0027】
このようにバックライトモジュール20が、第1光および第2光を選択的に出射することによって、本実施形態の液晶表示装置101は、液晶表示パネル10から出射する光、つまり、液晶表示パネル10に表示される画像を、主として特定の方向から見ることが可能なように表示する。例えば、第1バックライト21を点灯して表示した画像は、0°±15°程度の第1方向から視認でき、第2バックライト22を点灯して表示した画像は、-15°~-80°程度の第2方向から視認が可能である。例えば、本実施形態の液晶表示装置101が車両の助手席の正面に配置される場合、第1方向は、助手席についた乗客(passenger)が画像を視認できる方向である。また、第2方向は、運転席についた運転修が画像を視認できる方向である。第1方向および第2方向は、液晶表示パネル10の主面10aに水平な方向かつ垂直に交わる平面上に位置している。
【0028】
ただし、図4に示されるように、第1光は、第2方向においても多少の強度で出射する。このため、助手席の乗客に画像を表示した場合であって、運転手が視認できる状態にある。このようなクロストーク像が運転手に視認されにくいように、液晶表示装置101は画像の表示を制御する。
【0029】
バックライトモジュール20は、第1導光板21Aの主面21Ab側に反射シート23をさらに備えていてもよい。これにより、第1バックライト21および第2バックライト22から液晶表示パネル10と反対側へ出射する光を、液晶表示パネル10側へ反射させことができる。
【0030】
また、バックライトモジュール20は、第1バックライト21から出射する第1光の第1方向への指向性を高めるため、第1バックライト21と光制御体30との間にプリズムシート24A、24Bおよび反射型偏光板25をさらに備えていてもよい。
【0031】
さらに、バックライトモジュール20は、第2バックライト22と液晶表示パネル10との間に、第2光の均一性を高めるために拡散シート26を備えていてもよい。
【0032】
制御装置50は、メモリと、CPUなどの演算装置とを含み、液晶表示パネル10およびバックライトモジュール20を制御する。具体的には、制御装置50は、上述した助手席の乗客用に表示した画像が、運転手により視認されにくくなるように画像の表示のさせかたを制御する。
【0033】
以下、本実施形態の液晶表示装置101および制御装置50の動作を説明する。
【0034】
図5は、本実施形態の液晶表示装置の動作を説明するフローチャートであり、図6は、生成する画像データの例を示す模式図である。本実施形態の液晶表示装置は、助手席に座る乗客に第1画像を提供する。この第1画像は例えば、映画などの娯楽コンテンツである。運転手が車両を運転中、第1画像に注意が向けられることは好ましくないため、第1画像が視認しにくくなるようにする。
【0035】
(1)第1反転色画像の生成(S1、S2)
まず、制御装置50は、第1画像を受け取り(S1)、第1画像から第1画像の色を反転させた画像である第1反転色画像を生成する。例えば、図6に示すように、制御装置50は、第1画像IM1の反転色画像である第1反転色画像RIM1を生成する。第1反転色画像RIM1の各画素値Lp_pixelは、例えば、第1画像IM1の各画素の輝度値をLpixel、第1画像における最大輝度をLmaxとして、式(1)で示される。反転色画像とは、色相環において、正反対の位置にある色で置き換えられた画像である。式(1)に従って、RGBの各色の輝度を変換することによって、反転色画像を生成することができる。第1画像がモノクロ画像である場合も同様に反転色画像を生成することができる。
【0036】
p_pixel=Lmax-Lpixel ・・・(1)
式(1)における値は、例えば、液晶表示パネル10における最大輝度値(例えば1000cd/m)に基づいていてもよいし、8ビットデータ(0~255)で画像処理を行う場合には、最大輝度として、255階調を採用してもよい。例えば、1000cd/mを最大輝度とした場合、第1画像IM1はデータD1で表され、第1反転色画像RIM1はデータRD1で示される。
【0037】
(2)第1オフセット画像を生成(S3)
続いて、第1オフセット画像を生成する。制御装置50は、例えば、第1画像IM1を第1方向に表示した場合において、第2方向に出射される第1画像IM1の輝度値の割合であるクロストーク係数aleakを記憶している。クロストーク係数aleakは第1方向に出射される第1画像IM1の各画素の輝度値Lpixel_Pおよび第2方向に出射される第1画像IM1の各画素の輝度値Lpixel_Dとして下記式(2)で示される。
leak=Lpixel_D/Lpixel_P ・・(2)
クロストーク係数aleakは、図4に示すような第1バックライト21の配光特性から求めてもよい。
【0038】
制御装置50は、生成した第1反転色画像RIM1にクロストーク係数aleakを乗じることによって、輝度が調整された第1反転色画像である第1オフセット画像RIM1’を生成する。
第1オフセット画像RIM1’の各画素の輝度値LD_pixelは、以下の式(3)で示される。
D_pixel=aleak・Lp_pixel ・・・(3)
例えば、クロストーク係数aleakが0.003である場合、得られる第1オフセット画像RIM1’のデータRD1’は図6に示す通りである。クロストーク係数aleakがかけ合わせられることによって、第1オフセット画像RIM1’の画像全体の平均輝度は、第1画像IM1よりも小さくなっている。
【0039】
(3)第1表示画像および第2表示画像の生成(S4、S5)
制御装置50は、第1バックライト21を点灯させる際に表示させる第1表示画像および第2バックライト22を点灯させる際に表示させる第2表示画像を生成する。具体的には、制御装置50は、第1画像IM1を含む第1表示画像と、第1オフセット画像RIM1’を含む第2表示画像とを生成する。
【0040】
(4)第1表示画像および第2表示画像の表示(S6、S7)
続いて、制御装置50は、液晶表示パネル10に第1表示画像と第2表示画像を交互に表示させる。この時、制御装置50は、第1表示画像および第2表示画像の表示の切替のタイミングと、第1バックライト21および第2バックライト22の点灯の切替のタイミングとを同期させる。具体的には、制御装置50は、第1表示画像を液晶表示パネル10に表示させているタイミングで第1バックライト21を点灯させ、第2表示画像を液晶表示パネル10に表示させているタイミングで第2バックライト22を点灯させる。
【0041】
図7は、液晶表示パネル10に表示させる画像とバックライトモジュール20の点灯のタイミングを示す模式図である。例えば、制御装置50は、インターレース駆動によって、液晶表示パネル10に、偶数フィールドおよび奇数フィールの第1表示画像と、偶数フィールドおよび奇数フィールの第2表示画像を交互に表示させる。各フィールドは、例えば、240Hzの周波数で表示され、第1表示画像を表示している期間の一部で第1バックライト21を点灯させ、第2表示画像を表示している期間の一部で第2バックライト22を点灯させる。例えば、第1バックライト21および第2バックライトの点灯期間は、約2.1msである。
【0042】
図8は、上述した制御によって、液晶表示装置101に表示される画像の見え方を説明する模式図である。第1表示画像および第2表示画像が交互に表示されるが、第1方向から液晶表示装置101を眺める助手席の乗客には、第1バックライト21の点灯時に高い輝度で第1表示画像が表示される。一方、第2バックライト22の点灯時に表示される第2表示画像は、高い輝度を有しておらず、また、配光特性上、第2バックライト22は第1方向には、高い輝度で出射しない。このため、乗客は、第1画像である第1表示画像を鮮明に認識でき、第2画像をほとんど認識することがない。
【0043】
これに対し、第2方向から液晶表示パネル10を眺める運転席の運転手は、第1バックライト21の点灯時に第1表示画像のクロストーク像を認識する。また、第2バックライト22の点灯時に、運転席は、第2表示画像を認識する。この第2表示画像は、クロストーク係数aleakが乗じられることによって、輝度が調整された第1オフセット画像RIM1’である。
【0044】
図6に示すように、第1表示画像のクロストーク像は、第1画像IM1のデータD1にクロストーク係数aleakを乗じたデータD1’で示される。第1表示画像のクロストーク像と第1オフセット画像RIM1’とは反転色の関係にあり、かつ輝度値が同じレベルである。このため、これら2つの画像を重ね合わせたD1’+RD1’のデータで示されるように、2つの画像が互いに相殺し合うことによって、運転手には、実質的に均一な無彩色の画像として認識される。このため、運転手は、第1画像を認識することがない。
【0045】
このように本実施形態によれば、運転手に向けて指向性が高められた第2バックライトの点灯時に、助手席の乗客のために表示する第1画像の反転色画像が、輝度が調整された上で表示される。このため、第1表示画像のクロストーク像が効率的に相殺され、均一な輝度で表示され、運転手に第1表示画像が視認されるのを抑制することができる。
【0046】
(第2実施形態)
本実施形態の液晶表示装置を説明する。液晶表示装置が助手席の乗客の正面に配置されている場合、図9に示すように、運転手は、第2方向から液晶表示装置の画面を眺めることになる。運転手から端Eまでの距離は相対的に長く、運転手から端Eまでの距離は相対的に短い。このため、液晶表示装置101の画面上では、第1表示画像のクロストーク像が効率的に相殺され、均一な輝度で表示されても、運転手には、均一な無彩色の画面が、端E側で相対的に暗く、端E側で相対的に明るく視認され得る。
【0047】
このような表示を抑制するためには、第1反転色画像の輝度を調整する際、水平方向に輝度分布を持たせればよい。具体的には、第1オフセット画像RIM1’の各画素の輝度値LD_pixelを画素のx座標に応じて重みづけを行う。例えば、xを各画素のx座標、xmaxを画素のx座標の最大値、βを重み係数として、補正後の第1オフセット画像RIM1’の各画素の輝度値LCD_pixelは式(4)で示される。
【0048】
CD_pixel=(1+βx/xmax)LD_pixel ・・・(4)
例えば、運転手から、端Eまでの距離が相対的に長く、端Eまでの距離が相対的に短い場合には、係数βは、0<β≦0.5の範囲の値である。また、端Eまでの距離が相対的に長く、端Eまでの距離が相対的に短い場合には、係数βは、-0.5≦β<0の範囲の値である。これによって、補正後の第1オフセット画像RIM1’は、水平方向において、増大または減少する輝度分布を有している。
【0049】
制御装置50は、補正後の第1オフセット画像RIM1’を含む第2表示画像を生成し、第1実施形態で説明したように液晶表示装置を制御する。これにより、図10に示すように、液晶表示装置102の画面では、第1表示画像のクロストーク像が効率的に相殺され、端E側で相対的に明るく、端E側で相対的に暗い画面が表示される。運転手から、端Eまでの距離が相対的に長いことによって、運転手には、全体として均一な明るさの無彩色画面が視認され得る。
【0050】
(第3実施形態)
本開示の液晶表示装置は、異なる2方向から2人の観察者がそれぞれ異なる画像を見る場合において、互いにクロストーク像を抑制することのできる表示装置にも好適に用い得る。図11は本実施形態の液晶表示装置103の断面構造の一部を示す模式図である。液晶表示装置103は、液晶表示パネル10と、バックライトモジュール20’と、制御装置50(図2)とを備える。
【0051】
バックライトモジュール20’は、第1バックライト21と、第2バックライト22とを備えている。第1バックライト21および第2バックライト22は、第1実施形態で説明した構造を備えている。
【0052】
バックライトモジュール20’は、第1導光板21Aの主面21Ab側に反射シート23をさらに備えていてもよいし、第2バックライト22と液晶表示パネル10との間に、第1光および第2光の指向性を高めるため、プリズムシート27をさらに備えていてもよい。
【0053】
図11は、バックライトモジュール20’から出射する第1光および第2光の配光特性の一例を示す。第1実施形態で説明したように、第2バックライト22では、第2導光板22Aの側面22Bdから第2光を入射させているため、主面10aに垂直な0°の方向からx軸の負の方向に輝度の高い角度範囲の分布がずれる。例えば図12に示すように、-32°±10°程度の範囲で第2光の輝度が高くなる。この角度範囲を第2方向という。同様に、第1バックライト21では、第1導光板21Aの側面22Bcから第1光を入射させているため、主面10aに垂直な0°の方向からx軸の正の方向に輝度の高い角度範囲の分布がずれる。例えば、32°±10°程度の範囲で第1光の輝度が高くなる。この角度範囲を第1方向という。
【0054】
第1方向および第2方向は、配向特性分布の0°に対してほぼ対称に位置している。このため、例えば、本実施形態の液晶表示装置103を車両の運転席と助手席の間の前方に配置すれば、例えば、第1方向に位置する助手席の乗客と第2方向に位置する運転席の運転手にそれぞれ選択的に光を配光させることができる。よって、液晶表示装置103は、乗客と運転手に異なる画像を呈示することができる。
【0055】
制御装置50は、例えば、第1画像および第2画像を受け取り、第1画像を第1方向に、第2画像を第2方向に呈する。また、第1画像が第2方向から視認され、第2画像が第1方向か視認されるクロストークが生じるのを抑制する。
【0056】
以下、本実施形態の液晶表示装置103および制御装置50の動作を説明する。図13は、本実施形態の液晶表示装置の動作を説明するフローチャートであり、図14は、生成する画像データを説明する模式図である。
【0057】
(1)第1反転色画像および第2反転色画像の生成(S11、S12)
まず、制御装置50は、第1画像および第2画像を受け取り、第1画像から第1画像の反転色画像である第1反転色画像を生成する。また、制御装置50は、第2画像から第2画像の反転色画像である第2反転色画像を生成する。例えば、図6に示すように、制御装置50は、第1画像IM1の反転色画像である第1反転色画像RIM1および第2画像IM2の反転色画像である第2反転色画像RIM2を生成する。各画素の輝度値は式(1)と同様にして求められる。
【0058】
図14において、データD1は第1画像の各画素の輝度値の例を示し、データD2は第2画像の各画素の輝度値の例を示す。また、データRD1およびRD2は、第1反転色画像RIM1の輝度値および第2反転色画像RIM2の輝度値の例を示す。
【0059】
(2)第1オフセット画像および第2オフセット画像の生成(S13)
制御装置50は、第1画像IM1を第1方向に表示した場合において、第2方向に出射される第1画像IM1の輝度値の割合である第1クロストーク係数aleak-1、および、第2画像IM2を第2方向に表示した場合において、第1方向に出射される第2画像IM2の輝度値の割合である第2クロストーク係数aleak-2を記憶している。
【0060】
制御装置50は、生成した第1反転色画像RIM1および第2反転色画像RIM2に第1クロストーク係数aleak-1、および、第2クロストーク係数aleak-2をそれぞれ乗じることによって、第1オフセット画像RIM1’および第2オフセット画像RIM2’を生成する。図14において、データRD1’およびRD2’は、第1オフセット画像RIM1’および第2オフセット画像RIM2’の輝度値の例を示す。
【0061】
(3)第1表示画像および第2表示画像の生成(S14、S15)
制御装置50は、第1バックライト21を点灯させる際に表示させる第1表示画像および第2バックライト22を点灯させる際に表示させる第2表示画像を生成する。具体的には、制御装置50は、第1画像IM1と第2オフセット画像RIM2’とを合成して第1表示画像(D1+RD2’)を生成する。また、制御装置50は、第2画像IM2と第1オフセット画像RIM1’とを合成して第2表示画像(D2+RD1’)を生成する。
【0062】
(4)第1表示画像および第2表示画像の表示(S16、S17)
制御装置50は、液晶表示パネル10に第1表示画像と第2表示画像を交互に表示させる。この時、制御装置50は、第1表示画像および第2表示画像の表示の切替のタイミングと、第1バックライト21および第2バックライト22の点灯の切替のタイミングとを同期させる。具体的には、制御装置50は、第1表示画像を液晶表示パネル10に表示させているタイミングで第1バックライト21を点灯させ、第2表示画像を液晶表示パネル10に表示させているタイミングで第2バックライト22を点灯させる。
【0063】
第1表示画像には、第2オフセット画像RIM2’の成分が含まれる。このため、第2画像のクロストーク像が第1方向に位置する乗客に呈示されても、第2オフセット画像RIM2’の成分によって効率的に、第2画像のクロストーク像が相殺される。よって、乗客は液晶表示装置103に表示される第1表示画像中に第2画像の成分を認識することなく、良好な第1画像を視認できる。
【0064】
同様に、第2表示画像には、第1オフセット画像RIM1’の成分が含まれる。このため、第1画像のクロストーク像が第2方向に位置する運転手に呈示されても、第1オフセット画像RIM1’の成分によって、効率的に第1画像のクロストーク像が相殺される。よって、運転手は液晶表示装置103に表示される第2表示画像中に第1画像の成分を認識することなく、良好な第2画像を視認できる。
【0065】
(他の形態)
本開示の液晶表示装置には種々の改変が可能である。例えば、バックライトユニットは第1バックライト21および第2バックライト22を含む限り、光の分布を均一にする拡散シート、液晶表示パネル10側への光の出射効率を高める輝度向上フィルム、光の指向性を高めるプリズムシート等、他の光学要素をさらに備えていてもよい。
【0066】
また、第1~第3実施形態は適宜組み合わせることができる。例えば、第1実施形態の液晶表示装置101に第1画像および第2画像を表示させてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、まず、第1画像から反転色の第1反転画像を生成し、続いて、第1クロストーク係数を乗じることによって、第1オフセット画像を生成していた。しかし、まず、第1画像の各画素値に第1クロストーク係数を乗じ、続いて、反転色の画像を生成することによって第1オフセット画像を生成してもよい。あるいは、これらの演算を一度に行ってもよい。
【0068】
また、例えば、第1実施形態の光制御体30は他の構造を備えていてもよい。例えば、液晶表示装置は、図15Aに示す光制御体60を備えていてもよい。
【0069】
光制御体60は、反射シート61と、導光板62と、プリズムシート63、64と、第1光学シート65と、レンズシート66と、第2光学シート67とを備えている。
【0070】
第1光学シート65は第1実施形態の第1光学シート31と同様の構造を備えている。具体的には、図15Bに示すように、第1光学シート65は、x軸方向に間隙をあけて配置される複数の第1遮光部65Aと、複数の第1遮光部65Aの間にそれぞれ位置する複数の第1透光部65Bとを含む。各第1遮光部65Aは、z軸方向(厚さ方向)およびy軸方向に伸びている。各第1透光部65Bのx軸方向の幅W1とz軸方向の高さH1は、W1/H1>1の関係を満たしていることが好ましい。
【0071】
レンズシート66は、第1光学シート65と第2光学シート67との間に位置し、y軸方向に伸びるリニアフレネルレンズである。
【0072】
第2光学シート67も第1光学シート65と同様の構造を備えている。具体的には、第2光学シート67、x軸方向に間隙をあけて配置される複数の第2遮光部67Aと、複数の第2遮光部67Aの間にそれぞれ位置する複数の第2透光部67Bとを含む。各第2遮光部67Aは、z軸方向(厚さ方向)およびy軸方向に伸びている。各第2透光部67Bのx軸方向の幅W2とz軸方向の高さH2は、W2/H2>W1/H1の関係を満たしている。
【0073】
このような構造によれば、第1光学シート65によって、レンズシート66に斜めに入射する光が抑制され、主としてレンズシート66に対して垂直な方向に光を入射させることができる。よって、レンズシート66の光学特性、つまり、リニアフレネルレンズの光学特性に従って、光を中央に収束させることができる。
【0074】
また、第2光学シート67によって、レンズシート66を透過した光のうち、斜めに出射する光が抑制される。ただし、W2/H2>W1/H1の関係を満たしていることによって、第2光学シート67が斜めに透過する光を吸収する度合は第1光学シート65より小さい。このため、レンズシート66の光学特性が適度に抑制される。例えば、レンズシート66の集光機能によって、画面の中央の輝度が高く周辺の輝度が低くなるのが抑制される。
【0075】
本開示の液晶表示装置は、以下のようにも説明することができる。
【0076】
第1の構成に係る液晶表示装置は、
第1方向に最大輝度を有する第1光、および、第1方向とは異なる第2方向に最大輝度を有する第2光を切り替えて主面から出射するバックライトモジュールと、
第1光および第2光が透過するように配置された液晶表示パネルと、
液晶表示パネルおよびバックライトモジュールを制御する制御装置と、
を備え、
制御装置は、
第1画像を受け取り、第1画像に基づき、第1画像の色が反転された画像であって、かつ、輝度が調整された第1オフセット画像を生成し、
第1画像を含む第1表示画像と、第1オフセット画像を含む第2表示画像が交互に表示されるように液晶表示パネルを制御し、
第1表示画像を表示する際に第1光が出射し、第2表示画像を表示する際に第2光が出射するように、バックライトモジュールを制御し、
第1オフセット画像の輝度と、液晶表示パネルが第1表示画像を表示したときの第2方向における輝度とはほぼ等しい。
【0077】
第1の構成に係る液晶表示装置によれば、第2バックライトの点灯時に、第1画像の色が反転された画像が、輝度が調整された上で表示される。このため、第2方向から液晶表示装置を見た場合、第1表示画像のクロストーク像が効率的に相殺され、均一な輝度の無彩色の画面が表示される。よって、第2方向において第1表示画像が視認されるのを抑制することができる。
【0078】
第2の構成に係る液晶表示装置は第1の構成において、第1オフセット画像は、第1方向および第2方向を含む平面と、液晶表示パネルの表面とが交差する直線方向において、増大または減少する輝度分布を有していてもよい。
いる、請求項1に記載の液晶表示装置。
【0079】
第3の構成に係る液晶表示装置は第1の構成において、液晶表示パネルは、240Hz以上のリフレッシュレートを有していてもよい。
【0080】
第4の構成に係る液晶表示装置は第1の構成において、
制御装置は、
第2画像を受け取り、第2画像に基づき、第2画像の色が反転された画像であって、かつ、輝度が調整された第2オフセット画像をさらに生成し、
第1画像と、第2オフセット画像とを合成した第1表示画像を生成し、
第2画像と、第1オフセット画像とを合成した第2表示画像を生成してもよい。
【0081】
第5の構成に係る液晶表示装置は第1の構成において、
バックライトモジュールは、
第1光を出射する第1バックライトと、
第2光を出射する第2バックライトと、
第1バックライトと第2バックライトの間に配置され、第1光学シートを含む光制御体と、
を有し、
第2バックライトは、第1バックライトと、液晶表示パネルとの間に位置し、
第1光学シートは、厚さ方向に垂直な第3方向に間隙をあけて配置される複数の第1遮光部と、複数の第1遮光部の間にそれぞれ位置する複数の第1透光部とを有し、
各第1遮光部は、第3方向および前記厚さ方向に垂直な第4方向と厚さ方向とに伸びており、
各第1透光部の前記第3方向の幅W1と厚さ方向の高さH1は、W1/H1>1の関係を満たしていてもよい。
【0082】
第6の構成に係る液晶表示装置は第5の構成において、
光制御体は、第2光学シートと、レンズシートとをさらに含み、
レンズシートは、第1光学シートと第2光学シートとの間に位置し、第4方向に平行な軸を有するリニアフレネルレンズであり、
第2光学シートは、第2バックライトと、レンズシートとの間に位置し、
第2光学シートは、前記第3方向に間隙をあけて配置される複数の第2遮光部と、複数の第2遮光部の間にそれぞれ位置する複数の第2透光部とを有し、
各第2遮光部は、第4方向と厚さ方向とに伸びており、
各第2透光部の前記第3方向の幅W2と厚さ方向の高さH2は、W2/H2>W1/H1の関係を満たしていてもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…液晶表示パネル、10a…主面、20,20’…バックライトモジュール
21…第1バックライト、21A…第1導光板、21Aa,21Ab,22Aa,22Ab…主面、21Ac,21Ad,22Ac,22Ad…側面、21B…第1発光素子、22…第2バックライト、22A…第2導光板、22B…第2発光素子、23…反射シート
24A,24B…プリズムシート、25…反射型偏光板、26…拡散シート、27…プリズムシート、30,60…光制御体、31,65…第1光学シート、31A,65A…第1遮光部、31B、65B…第1透光部、50…制御装置、61…反射シート、62…導光板、63,64…プリズムシート、66…レンズシート、67…第2光学シート
67A…第2遮光部、67B…第2透光部、101~103…液晶表示装置
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C