(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154714
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ブラインド装置及びブラインドシステム
(51)【国際特許分類】
E06B 9/264 20060101AFI20241024BHJP
E06B 9/386 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
E06B9/264 B
E06B9/386
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068692
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】牛尾 紳之介
(72)【発明者】
【氏名】松岡 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅也
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043BB14
2E043BC01
2E043DA01
2E043DB05
(57)【要約】
【課題】太陽電池を備えるスラットの傾斜角度を変化させた場合において、太陽電池の受光量が低下するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
ブラインド装置の一態様は、自ブラインド装置が設置される窓部に相対する第2側部の反対側の側部である第1側部と、前記第2側部と、前記第1側部と前記第2側部とをつなぐ表面と、を有する太陽電池部と、水平面に対する前記表面の傾斜角度を調整する角度調整部と、を備える。前記角度調整部が前記傾斜角度を調整する際に、前記第2側部は前記窓部から遠ざからない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自ブラインド装置が設置される窓部に相対する第2側部の反対側の側部である第1側部と、前記第2側部と、前記第1側部と前記第2側部とをつなぐ表面と、を有する太陽電池部と、
水平面に対する前記表面の傾斜角度を調整する角度調整部と、を備え、
前記角度調整部が前記傾斜角度を調整する際に、前記第2側部は前記窓部から遠ざからない、ブラインド装置。
【請求項2】
前記角度調整部は、
前記水平面に対する前記第1側部の垂直方向における位置である第1垂直位置を調整する第1垂直位置調整部、または前記水平面に対する前記第2側部の前記垂直方向における位置である第2垂直位置を調整する第2垂直位置調整部の少なくともいずれか一方と、
前記窓部に対する前記第1側部の水平方向における位置である第1水平位置を調整する第1水平位置調整部と、を備え、
前記角度調整部は、前記第1垂直位置調整部又は前記第2垂直位置調整部の少なくともいずれか一方及び前記第1水平位置調整部によって、前記窓部に対する前記第2側部の前記水平方向における位置である第2水平位置が前記窓部から遠ざからないように、前記傾斜角度を調整する、請求項1に記載のブラインド装置。
【請求項3】
前記角度調整部は、
前記第1垂直位置調整部と、前記第2垂直位置調整部と、の双方を備え、
前記角度調整部は、前記第1垂直位置調整部、前記第2垂直位置調整部及び前記第1水平位置調整部によって、前記窓部に対する前記第2側部の前記水平方向における位置である第2水平位置が前記窓部から遠ざからないように、前記傾斜角度を調整する、請求項2に記載のブラインド装置。
【請求項4】
前記第1垂直位置調整部又は前記第2垂直位置調整部の少なくともいずれか一方が、前記第2垂直位置に対する前記第1垂直位置を前記垂直方向における上方向側に移動させ、かつ、前記第1水平位置調整部が、前記第1水平位置を前記窓部に近付けることで、前記傾斜角度の絶対値が増加する、請求項3に記載のブラインド装置。
【請求項5】
前記第1垂直位置調整部又は前記第2垂直位置調整部の少なくともいずれか一方が、前記第2垂直位置に対する前記第1垂直位置を前記垂直方向における下方向側に移動させ、かつ、前記第1水平位置調整部が、前記第1水平位置を前記窓部に近付けることで、前記傾斜角度の絶対値が増加する、請求項3に記載のブラインド装置。
【請求項6】
前記太陽電池部の短手方向は、前記第1側部から前記第2側部に向かう方向である第1方向であり、
自ブラインド装置の筐体部と、複数の太陽電池部のうち前記垂直方向に沿って前記筐体部との距離が最も小さい前記太陽電池部である上端太陽電池部との距離は、前記上端太陽電池部の前記第1方向に沿った長さ以下である、請求項1に記載のブラインド装置。
【請求項7】
前記第1垂直位置調整部と前記第2垂直位置調整部とに動力を与える動力源部と、
前記動力源部から前記第1垂直位置調整部に伝えられる動力を調整する第1切替部、又は前記動力源部から前記第2垂直位置調整部に伝えられる動力を調整する第2切替部の少なくとのいずれか一方をさらに備える、請求項3に記載のブラインド装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のブラインド装置と、
前記ブラインド装置を制御する制御装置と、を備え、
前記ブラインド装置は、前記制御装置から受信した指示情報に基づいて、前記ブラインド装置を制御する制御部をさらに備える、ブラインドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブラインド装置及びブラインドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブラインド装置において、スラットの表面に太陽電池を配置する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽電池を備えるスラットの傾斜角度を変化させた場合において、太陽電池の受光量が低下するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ブラインド装置の一態様は、自ブラインド装置が設置される窓部に相対する第2側部の反対側の側部である第1側部と、前記第2側部と、前記第1側部と前記第2側部とをつなぐ表面と、を有する太陽電池部と、水平面に対する前記表面の傾斜角度を調整する角度調整部と、を備える。前記角度調整部が前記傾斜角度を調整する際に、前記第2側部は前記窓部から遠ざからない。
【0006】
ブラインドシステムの一態様は、自ブラインド装置が設置される窓部に相対する第2側部の反対側の側部である第1側部と、前記第2側部と、前記第1側部と前記第2側部とをつなぐ表面と、を有する太陽電池部と、水平面に対する前記表面の傾斜角度を調整する角度調整部と、を備え、前記角度調整部が前記傾斜角度を調整する際に、前記第2側部は前記窓部から遠ざからないブラインド装置と、前記ブラインド装置を制御する制御装置とを備える。前記ブラインド装置は、前記制御装置から受信した指示情報に基づいて、前記ブラインド装置を制御する制御部をさらに備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示で提供されるブラインド装置では、太陽電池を備えるスラットの傾斜角度を変化させた場合において、太陽電池の受光量の低下を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るブラインドシステムSY1を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係るブラインドシステムSY1を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る表示装置Ap3の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1において、
図4のV―V断面を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1において、断面を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の太陽電池部11を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の機能ブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の取り得る状態間の関係を示した遷移図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の収納状態Con1における断面図を示した断面図である。
【
図11】
図11は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の水平状態Con2における断面図を示した断面図である。
【
図12】
図12は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第1傾斜状態Con3における断面図を示した断面図である。
【
図13】
図13は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第1垂直状態Con4における断面図を示した断面図である。
【
図14】
図14は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第2傾斜状態Con5における断面図を示した断面図である。
【
図15】
図15は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第2垂直状態Con6における断面図を示した断面図である。
【
図16】
図16は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第1A動作を示した図である。
【
図17】
図17は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第1B動作を示した図である。
【
図18】
図18は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第1C動作を示した図である。
【
図19】
図19は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第3A動作を示した図である。
【
図20】
図20は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第3B動作を示した図である。
【
図21】
図21は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第3C動作を示した図である。
【
図22】
図22は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1の第1動作における太陽電池部11の傾斜角度の変化を示した図である。
【
図23】
図23は、実施形態1に係るブラインドシステムの制御フローを示した図である。
【
図24】
図24は、実施形態2に係るブラインド装置Ap12を示した断面図である。
【
図25】
図25は、実施形態3に係るブラインド装置Ap13を示した断面図である。
【
図26】
図26は、実施形態4に係るブラインド装置Ap14を示した断面図である。
【
図27】
図27は、実施形態4に係るブラインド装置Ap14を示した断面図である。
【
図28】
図28は、実施形態5に係るブラインド装置Ap15を示した断面図である。
【
図29】
図29は、実施形態5に係るブラインド装置Ap15を示した断面図である。
【
図30】
図30は、実施形態6に係るブラインド装置Ap16を示した断面図である。
【
図31】
図31は、実施形態6に係るブラインド装置Ap16を示した断面図である。
【
図32】
図32は、実施形態6に係るブラインド装置Ap16を示した断面図である。
【
図33】
図33は、実施形態7に係るブラインド装置Ap17を示した断面図である。
【
図34】
図34は、実施形態8に係るブラインド装置Ap18を示した断面図である。
【
図35】
図35は、実施形態8に係るブラインド装置Ap18を示した断面図である。
【
図36】
図36は、実施形態8に係るブラインド装置Ap18を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
採光及び遮光等の機能を有するブラインド装置において、太陽電池が表面に配置されたスラットを有するブラインド装置が知られている。
【0010】
ブラインド装置では、各スラットの窓側の側部と反対側の側部(以下、第1側部ともいう。)に接続したコードと、各スラットの窓側の側部(以下、第2側部ともいう。)に接続したコードと、を連動させることで、各スラットの傾斜角度を調整する方法が知られている。この方法では、第1側部と第2側部とが逆方向に移動しつつ、第1側部の移動量と第2側部の移動量とが同じであるため、第1側部と第2側部とから距離が等しい点の集まりである第1仮想線を中心として、各スラットは傾斜角度が変化する。
【0011】
この場合、各スラットが水平な状態(水平面からの第1側部の高さと水平面からの第2側部の高さとが等しい状態)から、各スラットが傾いた状態(水平面からの第1側部の高さと水平面からの第2側部の高さとが異なる状態)に変化すると、ブラインド装置が設置される窓の表面と各スラットの第2側部との距離が離れる。窓の表面と各スラットの第2側部との距離が離れると、窓枠や天井等で太陽光が遮られるために、太陽光を直接受光できないスラットが増えてしまう。この結果、ブラインド装置全体での、発電量が低下する可能性がある。
【0012】
つまり、太陽電池を備えるスラットの傾斜角度を変化させた場合において、太陽電池の受光量が低下するおそれがあった。
【0013】
そして、本開示の発明者は、太陽電池を備えるスラットの傾斜角度を変化させた場合において、太陽電池の受光量の低下を低減することができるブラインド装置に関する技術を創出した。
【0014】
これについて、以下、各実施形態を図面に基づいて説明する。図面においては同様な構成及び機能を有する部分に同じ符号が付されており、下記の説明では重複の説明が省略される。図面は模式的に示されたものである。各図では、右手系のXYZ座標系が付されている。このXYZ座標系では、水平方向に沿った一方向が+X方向とされ、重力方向に沿った方向が-Z方向とされ、+X方向及び-Z方向の両方に直交する水平方向に沿った方向が+Y方向とされている。
【0015】
また、X軸とZ軸を含む平面での回転方向について、原点を中心として、+X方向から+Z方向に回転する方向を正方向とする。逆に、原点を中心として、+X方向から-Z方向に回転する方向を負方向とする。つまり、回転角度をθとすると、+X方向のX軸はθが0度、+Z方向のZ軸はθが90度、-X方向のX軸はθが180度、-Z方向のZ軸はθが270度(-90度)となる。
【0016】
<1.第1実施形態>
<1-1.ブラインドシステムSY1>
ブラインドシステムSY1の概略の構成について、
図1を参照しつつ説明する。ブラインドシステムSY1は、施設F1における屋内空間Spiにおいて、屋内空間Spiに指
し組む太陽光の量を調整することを可能とするシステムである。
図1に示されるように、ブラインドシステムSY1は、複数のブラインド装置Ap1、制御装置Ap2、及び表示装置Ap3を備える。
図1では、複数のブラインド装置Ap1として、ブラインド装置Ap1a、ブラインド装置Ap1b、ブラインド装置Ap1cが例示されている。また、ブラインドシステムSY1は、配電盤装置Ap5、負荷装置Ap6、蓄電装置Ap7、発電装置Ap8、又はメータ装置Ap9のいずれかをさらに備えてもよい。
【0017】
ブラインドシステムSY1は、1つの施設F1に備えられてもよく、複数の施設F1にまたがって備えられてもよい。施設F1は、住宅などの施設F1であってもよく、店舗などの施設F1であってもよく、オフィスなどの施設F1であってもよい。施設F1は、2以上の住宅を含む集合住宅又は2以上のオフィスを含むオフィスビル等であってもよい。施設F1は、住宅、店舗及びオフィスの少なくともいずれか2以上の施設F1を含む複合施設であってもよい。
【0018】
ブラインドシステムSY1は、メータ装置Ap9を介して電力系統PS1と接続されてもよい。ブラインドシステムSY1は、電力系統PS1と連系して、電力系統PS1から電力が供給されてもよい。ブラインドシステムSY1は、電力系統PS1と連系して、電力系統PS1に電力を供給してもよい。電力系統PS1からブラインドシステムSY1に供給される電力は、潮流電力、買電電力又は需要電力と称されてもよい。ブラインドシステムSY1から電力系統PS1に供給される電力は、逆潮流電力又は売電電力と称されてもよい。
図2では、複数のブラインドシステムSY1として、ブラインドシステムSY1a、ブラインドシステムSY1b、ブラインドシステムSY1cが例示されている。
【0019】
ブラインドシステムSY1とサーバ装置Ap4は、ネットワークN1を介して通信可能に構成されてもよい。ネットワークN1は、インターネットを含んでもよく、VPN(Virtual Private Network)などの専用回線を含んでもよく、移動体通信網を含んでもよい。
【0020】
ブラインド装置Ap1は、施設F1における屋内空間Spiにおいて、屋内空間Spiに差し込む太陽光の量を調整することを可能とする装置である。ブラインド装置Ap1は、施設F1における屋内空間Spiにおいて、屋外空間Spoと屋内空間Spiとを仕切っている状態にある窓部Wi1の近傍で使用される。窓部Wi1は、例えば、
図5のように、施設F1の開口部F11を構成している部分(以下、開口縁部Wi11ともいう)に沿って位置している窓枠Wi13と、窓枠Wi13内に位置している板状の透明部Wi12と、を有する。透明部Wi12には、例えば、板ガラスなどの透明な板材が適用される。実施形態1に係るブラインド装置Ap1は、スラットに太陽電池セル(以下、PVセル:Photovoltaic Cell)を有する装置である。以下、太陽電池セルを備えるスラットを太陽電池部11と称する。ブラインド装置Ap1の具体的な構成と動作については、後述する。
【0021】
ところで、以降の説明では、屋外空間Spoと屋内空間Spiを仕切る窓部Wi1の屋内空間Spi側の表面(以降、内側表面という。)において、垂直方向をZ方向とする。また、内側表面において、Z方向と直行する方向をY方向とする。そして、Z方向とY方向の双方に直交する方向をX方向とする。X方向は、窓部Wi1又は内側表面から遠ざかる方向と考えてもよい。加えて、Z方向において、重力に沿って落下する方向を-Z方向、逆に重力に逆らう方向を+Z方向とする。また、X方向において、内側表面に接近する方向を-X方向、逆に内側表面から遠ざかる方向を+X方向とする。そして、右手系座標系に従って、Y方向において、-Y方向と+Y方向とを決定する。さらに、以降の説明では、X方向を第1方向、Y方向を第2方向、Z方向を第3方向という場合がある。
【0022】
制御装置Ap2は、複数のブラインド装置Ap1を制御する装置である。制御装置Ap2は、ブラインド装置Ap1に指示情報を送信することで、指示情報が送信されるブラインド装置Ap1を制御してもよい。制御装置Ap2の具体的な構成と動作については、後述する。
【0023】
制御装置Ap2は、EMS(Energy Management System)としての機能を有してもよい。この場合、制御装置Ap2とEMSは一体の装置であってもよく、それぞれ独立した装置であってもよい。EMSは、ブラインドシステムSY1に関する電力を管理する。EMSは、ブラインド装置Ap1、発電装置Ap8、蓄電装置Ap7、負荷装置Ap6、配電盤装置Ap5を制御してもよい。
【0024】
表示装置Ap3は、ブラインド装置Ap1に関する情報を表示する装置である。ブラインド装置Ap1に関する情報は、例えば、ブラインド装置Ap1の発電量、ブラインド装置Ap1の太陽電池部11(スラット)の傾斜角度、又は水平面FSに対する太陽光の入射角度等であってもよい。表示装置Ap3は、例えば、
図3のようなインターフェースを有してもよい。なお、太陽電池部11(スラット)の傾斜角度の定義については、後述する。
【0025】
表示装置Ap3は、ブラインドシステムSY1のユーザが、ブラインドシステムSY1又はブラインド装置Ap1の動作を制御するために用いるインターフェースであってもよい。この場合、表示装置Ap3は、ブラインド装置Ap1のリモートコントローラであってもよい。インターフェースは、ボタンであってもよく、タッチパネルであってもよく、モーションジェスチャ機能を有するモジュール等であってもよい。
【0026】
配電盤装置Ap5は、回路の開閉を制御する装置である。配電盤装置Ap5は、電圧の昇降又は電気系統の切替えを行ってもよい。配電盤装置Ap5は、遮断器、保護継電器、又は計測機器を備えてもよい。配電盤装置Ap5は、分電盤、制御盤、監視盤、又は端子盤のいずれかを含んでもよい。
【0027】
負荷装置Ap6は、電力を消費する装置である。例えば、負荷装置Ap6は、所定空間の温度を調整する空調装置を含んでもよく、屋内空間Spiの照度を調整する照明装置を含んでもよい。空調装置及び照明装置は、屋内空間Spiの環境を調整する所定装置の一例である。空調装置及び照明装置は、ブラインド装置Ap1の操作によって影響される装置であると考えてもよい。負荷装置Ap6は、映像機器、音響機器、冷蔵庫、洗濯機、パーソナルコンピュータなどを含んでもよい。
【0028】
蓄電装置Ap7は、電力の充電及び電力の放電をすることができる装置である。例えば、蓄電装置Ap7は、PCS(Power Conditioning System)及び蓄電セルによって構成される。蓄電装置Ap7は、ブラインド装置Ap1の太陽電池部11で発電された電力を充電及び放電してもよい。
【0029】
発電装置Ap8は、発電をすることができる分散電源装置である。発電装置Ap8は、太陽電池装置又は燃料電池装置であってもよい。太陽電池装置は、太陽光などの光に応じて発電をする分散電源である。例えば、太陽電池装置は、PCS及び太陽光パネルによって構成される。実施形態1では、太陽電池装置は、ブラインド装置Ap1以外でブラインドシステムSY1内に設置される太陽電池セルを有する発電装置Ap8の一例であってもよい。一方で、燃料電池装置は、燃料を用いて発電を行う分散電源である。例えば、燃料電池装置は、PCS及び燃料電池セルによって構成される。例えば、燃料電池装置は、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte
Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
【0030】
メータ装置Ap9は、電力系統PS1からブラインドシステムSY1への潮流電力を測定する。メータ装置Ap9は、ブラインドシステムSY1から電力系統PS1への逆潮流電力を測定してもよい。例えば、メータ装置Ap9は、電力会社に帰属するスマートメーター(Smart Meter)であってもよい。メータ装置Ap9は、第1間隔(例えば、30分)における測定結果(潮流電力又は逆潮流電力の積算値)を示す情報要素を第1間隔毎にEMSに送信してもよい。メータ装置Ap9は、第1間隔よりも短い第2間隔(例えば、1分)における測定結果を示す情報要素をEMSに送信してもよい。
【0031】
サーバ装置Ap4は、地域電力会社などの事業者によって管理されてもよい。地域電力会社は、自治体などによって運営される電力会社であってもよい。サーバ装置Ap4は、発電事業者、又は送配電事業者、若しくは小売事業者、又はリソースアグリゲータなどの事業者によって管理されるサーバであってもよい。リソースアグリゲータは、VPP(Virtual Power Plant)において、電力系統PS1の電力需給バランスを調整する電力事業者であってもよい。電力需給バランスの調整は、ブラインドシステムSY1の需要電力(潮流電力)の削減電力を価値と交換する取引(以下、ネガワット取引)を含んでもよい。電力需給バランスの調整は、逆潮流電力の増大電力を価値と交換する取引を含んでもよい。リソースアグリゲータは、VPPにおいて、発電事業者、送配電事業者及び小売事業者などに逆潮流電力を提供する電力事業者であってもよい。
【0032】
<1-2.ブラインド装置Ap1>
ブラインド装置Ap1の構成の概略について、
図4から
図15を参照しつつ説明する。
【0033】
図4は、ブラインド装置Ap1の斜視図である。
図5は、
図4中のV-V断面図の模式図である。ブラインド装置Ap1は、複数の太陽電池部11と、筐体部13と、錘部12と、角度調整部AAとを備える。角度調整部AAは、第1垂直位置調整部14と、第2垂直位置調整部15と、第1水平位置調整部18とを備えてもよい。筐体部13は、その内部に、複数の太陽電池部11、錘部12、並びに第1垂直位置調整部14、第2垂直位置調整部15、及び第1水平位置調整部18の動作を実現するための各種の構成及び機構を有する。複数の太陽電池部11のそれぞれは、筐体部13と錘部12との間でZ方向に沿って配列される。
【0034】
図6は、ブラインド装置Ap1の断面図の模式図である。ブラインド装置Ap1は、第1垂直位置調整部14と、第2垂直位置調整部15と、第1水平位置調整部18と、昇降調整部19と、垂直方向動力源部21と、水平方向動力源部22と、を備える。また、
図8に示すように、ブラインド装置Ap1は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、を備える。
図8は、ブラインド装置を示す機能ブロック図である。なお、模式図中では、筐体部13の内部に図示されているが、これらの一部又は全部が、筐体部13の外部に位置してもよい。
【0035】
<1-2-1.ブラインド装置Ap1の構成>
以下では、ブラインド装置の各構成を説明する。
【0036】
<1-2-1-1.太陽電池部11>
太陽電池部11は、太陽電池素子111cを備えるスラット部材である。太陽電池部11は、例えば、細長い板状の部材(以下、板状部材ともいう)であってもよい。太陽電池部11は、例えば、矩形状の表面SF及び裏面SBを有してもよく、円弧状に湾曲した表
面SF及び裏面SBを有してもよい。太陽電池部11の表面SF及び裏面SBのそれぞれは、例えば、Y方向に沿った長手方向を有する。太陽電池部11は、例えば、
図7のような構成であってもよい。
【0037】
太陽電池部11は、ブラインド装置Ap1が設置される窓部Wi1に相対する側部の反対側の側部である、第1側部S1を有する。別の見方をすると、第1側部S1は、太陽電池部11の+X方向側の側部である。具体的には、太陽電池部11の表面SFが+Z方向を向いている場合に、第1側部S1は、太陽電池部11の+X方向側の側部である。言い換えると、太陽電池素子111cが+Z方向を向いている場合において、第1側部S1は、+X方向側に位置する太陽電池部11の側部である。また、太陽電池部11が、厚み方向の幅(Z方向の幅)を有する場合、第1側部S1は、ブラインド装置Ap1が設置される窓部Wi1に相対する側面の反対側の側面であると考えてもよい。この場合、第1側部S1は、平面であってもよく、湾曲した面であってもよい。また、太陽電池部11のZ方向の幅が、太陽電池部11の短手方向の幅(X方向の幅)に比べて小さい場合、ブラインド装置Ap1が設置される窓部Wi1に相対する側辺の反対側の側辺を、第1側部S1と考えてもよい。この場合、第1側部S1は、直線状であってもよく、曲線状であってもよい。
【0038】
太陽電池部11は、ブラインド装置Ap1が設置される窓部Wi1に相対する側部である、第2側部S2を有する。別の見方をすると、第2側部S2は、太陽電池部11の-X方向側の側部である。具体的には、太陽電池部11の表面SFが+Z方向を向いている場合に、第2側部S2は、太陽電池部11の-X方向側の側部である。言い換えると、太陽電池素子111cが+Z方向を向いている場合において、第2側部S2は、-X方向側に位置する太陽電池部11の側部である。また、太陽電池部11が、Z方向の幅を有する場合、第2側部S2は、ブラインド装置Ap1が設置される窓部Wi1に相対する側面であると考えてもよい。この場合、第2側部S2は、平面であってもよく、湾曲した面であってもよい。また、太陽電池部11のZ方向の幅が、太陽電池部11のX方向の幅に比べて小さい場合、ブラインド装置Ap1が設置される窓部Wi1に相対する側辺を、第2側部S2と考えてもよい。この場合、第2側部S2は、直線状であってもよく、曲線状であってもよい。
【0039】
太陽電池部11は、+Y方向側の側部である第3側部S3と、-Y方向側の側部である第4側部S4とを有してもよい。
【0040】
太陽電池部11は、例えば、スラット本体部と、太陽電池モジュール111と、接続箱112(ジャンクションボックスとも端子箱ともいう)。と、を備えている。太陽電池モジュール111は、スラット本体部に固定されている。接続箱112は、スラット本体部又は太陽電池モジュール111に固定されている。
【0041】
スラット本体部の素材には、例えば、木、アルミニウム等の金属又は樹脂等の遮光性に優れた素材などが適用される。スラット本体部は、例えば、木、アルミニウム又は樹脂等で構成されたベース層に、酸化チタン又はフッ素の層が被覆された構成を有していてもよい。スラット本体部の第2方向(ここでは-Z方向)における厚さは、例えば、0.2ミリメートル(mm)から5mm程度とされてもよい。
【0042】
太陽電池モジュール111は、複数の太陽電池素子111cを有する太陽電池モジュール111である。太陽電池モジュール111は、例えば、細長い板状の形状を有してもよい。太陽電池モジュール111は、例えば、Y方向に沿った長手方向を有してもよい。複数の太陽電池素子111cは、Y方向に沿って配列されてもよい。また、太陽電池モジュール111は、太陽電池素子111cの間に、昇降吊下げ部19bを通すための貫通孔を
有してもよい。
【0043】
太陽電池素子111cは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子である。太陽電池素子111cは、例えば、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、化合物半導体系、有機半導体系、又はペロブスカイト系等の太陽電池素子111c、若しくは、これらを複数組み合わせたタンデム型の太陽電池素子111cであってもよい。
【0044】
接続箱112は、複数の太陽電池素子111cで発生した電気エネルギーを一つに纏める機器である。接続箱112は、バイパスダイオードを有してもよい。太陽電池部11は両端に一つずつ接続箱112を有してもよい。この場合、隣り合う第1の太陽電池部11aと第2の太陽電池部11bにおいて、第1の太陽電池部11aの接続箱112と、第2の太陽電池部11bの接続箱112とが接続されてもよい。
【0045】
ブラインド装置Ap1において、例えば、
図7で示されるように、隣り合う太陽電池部11の間で、太陽電池モジュール111が電気的に直列に接続されてもよい。例えば、隣り合う2つの太陽電池部11が、第1の太陽電池部11aと、第2の太陽電池部11bとによって構成される場合を想定する。この場合には、例えば、第1の太陽電池部11aが、第1方向が-Y方向に沿った方向となるように配置され、第2の太陽電池部11bが、
第1方向が+Y方向に沿った方向となるように配置される。この場合、隣り合う第1の太陽電池部11aと第2の太陽電池部11bとの間では、第1の太陽電池部11aにおける接続箱112と、第2の太陽電池部11bにおける接続箱112とが接続される。
【0046】
<1-2-1―2.錘部12>
錘部12は、複数の太陽電池部11の下部に位置する部材である。錘部12は、例えば、水平方向(Y方向)に沿った長手方向を有する長尺の部材であってもよい。錘部12は
、例えば、ボトムレールであってもよい。
【0047】
<1-2-1―3.筐体部13>
筐体部13は、ブラインド装置Ap1の筐体である。筐体部13は、第1吊下げ部14b、第2吊下げ部15b、又は昇降吊下げ部19bが通る貫通孔を有してもよい。貫通孔は1つであってもよく、第1吊下げ部14b、第2吊下げ部15b、又は昇降吊下げ部1
9bごとに貫通孔が設けられてもよい。
【0048】
<1-2-1―4.角度調整部AA>
角度調整部AAは、水平面FSに対する太陽電池部11の傾斜角度を調整する。角度調整部AAは、第2側部S2を窓部Wi1から遠ざからないように、水平面FSに対する太陽電池部11の傾斜角度を調整する。別の見方をすると、角度調整部AAは、第1側部S1と第2側部S2との中点の集合である仮想線が窓部Wi1に近付けるように、水平面FSに対する太陽電池部11の傾斜角度を調整する。この場合、傾斜角度を調整する際の太陽電池部11の回転中心が、第2側部S2側に位置してもよい。別の見方をすると、角度調整部AAは、太陽電池部11の傾斜角度を調整する際の回転中心が、第2側部S2と、第1側部S1と第2側部S2との中点の集合である仮想線との間に位置するように、水平面FSに対する太陽電池部11の傾斜角度を調整してもよい。より具体的には、角度調整部AAは、第2側部S2を回転の中心として、水平面FSに対する太陽電池部11の傾斜角度を調整してもよい。
【0049】
角度調整部AAは、第1垂直位置調整部14、第2垂直位置調整部15、又は第1水平位置調整部18を備えてもよい。角度調整部AAは、第1垂直位置調整部14又は第2垂直位置調整部15の少なくともいずれか一方及び第1水平位置調整部18によって、窓部Wi1に対する第2側部S2の水平方向における位置である第2水平位置を窓部Wi1か
ら遠ざけないように、水平面FSに対する太陽電池部11の傾斜角度を調整してもよい。
【0050】
<1-2-1―4―1.第1垂直位置調整部14>
第1垂直位置調整部14は、水平面FSに対する太陽電池部11の第1側部S1の、垂直方向における位置である第1垂直位置を調整する。つまり、第1垂直位置調整部14は、水平面FSに対する第1側部S1の、相対的な高さを調整する。第1垂直位置調整部14は、1つの装置から構成されてもよく、複数の装置から構成されてもよい。実施形態1に係る第1垂直位置調整部14は、第1駆動部14aと、第1吊下げ部14bとを含む。ただし、第1垂直位置調整部14の構成はこれに限定されるものではない。
【0051】
第1駆動部14aは、第1吊下げ部14bをZ方向に沿って駆動させる。第1駆動部14aが、第1吊下げ部14bをZ方向に沿って駆動させることで、太陽電池部11の第1側部S1をZ方向に沿って駆動させることができる。第1駆動部14aは、例えば、リール状の機構であってもよい。第1駆動部14aは、第1切替部16を介して垂直方向動力源部21から動力を受けて駆動する。第1駆動部14aが第1吊下げ部14bを巻き取ることで、太陽電池部11の第1側部S1を+Z方向に上昇させてもよい。第1駆動部14aが第1吊下げ部14bを送り出すことで、太陽電池部11の第1側部S1を-Z方向に下降させてもよい。
【0052】
第1吊下げ部14bは、太陽電池部11の第1側部S1、錘部12及び第1駆動部14aを接続する部材である。例えば、第1吊下げ部14bは、太陽電池部11の第1側部S1、錘部12及び第1水平位置調整部18を接続してもよい。第1吊下げ部14bは、例えば、紐状、鎖状又は帯状等の細長い部材で構成されてもよい。また、第1吊下げ部14bは、例えば、はしご状のコード(ラダーコード)であってもよく、Z方向に延びる1本のコードであってもよい。第1吊下げ部14bは、例えば、-Z方向に垂下する一対の縦線と、この一対の縦線の間にそれぞれ結線された複数の横線と、を有してもよい。この場合、一対の縦線は、例えば、第1駆動部14aから吊り下げられており、錘部12に連結されていてもよい。複数の横線のそれぞれは、1つの太陽電池部11を下方から保持してもよい。太陽電池部11は、複数の第1吊下げ部14bによって下方から保持されてもよい。
【0053】
第1吊下げ部14bは、例えば、第1水平位置調整部18によって、水平面FSに対して傾斜してもよい。これにより、複数の太陽電池部11のそれぞれの水平面FSに対する傾斜角度が変更され得る。この結果、複数の太陽電池部11によって、ブラインド装置Ap1が設置される屋内空間Spiに入射する光を遮ったり、入射する光の量を調整させたりすることができる。
【0054】
本願において、傾斜角度は、水平面FSに対する太陽電池部11(スラット)の表面SFがなす傾きの角度のことを意味する。つまり、水平面FSと表面SFがなす角度が傾斜角度であると考えてもよい。例えば、太陽電池部11が板状の部材である場合は、太陽電池部11の表面SFと水平面FSとがなす角度を、太陽電池部11の傾斜角度としてもよい。例えば、太陽電池部11の表面SFが湾曲している場合、太陽電池部11の第1側部S1と第1吊下げ部14bが接続する点(第1接続点)及び太陽電池部11の第2側部S2と第2吊下げ部15bが接続する点(第2接続点)を結ぶ直線と、水平面FSとがなす角度を、太陽電池部11の傾斜角度と考えてもよい。例えば、太陽電池部11の表面SFが湾曲している場合、太陽電池部11の第1側部S1と表面SFがなす辺(第1接続辺)及び太陽電池部11の第2側部S2と表面SFがなす辺(第2接続辺)を備える仮想的な平面と、水平面FSとがなす角度を、太陽電池部11の傾斜角度と考えてもよい。なお、本開示中では、水平面FSに対する太陽電池部11の表面SFがなす傾斜角度を、水平面FSに対する太陽電池部11の傾斜角度又は太陽電池部11の傾斜角度などと称する場合
がある。
【0055】
本願において、傾斜角度の値は、太陽電池部11の第1側部S1が第2側部S2よりも+Z方向に位置する場合を、正の値とする。別の見方をすると、傾斜角度の値は、太陽電池部11の第1側部S1が第2側部S2よりも-Z方向に位置する場合を、負の値とする。そして、傾斜角度の値は、太陽電池部11の第1側部S1と第2側部S2とがZ方向における位置が等しい場合を、傾斜角度を0度とする。つまり、太陽電池部11の第1側部S1が第2側部S2よりも+Z方向に位置する場合、傾斜角度は0度よりも大きく、かつ、+90度以下の角度となる。一方で、太陽電池部11の第1側部S1が第2側部S2よりも-Z方向に位置する場合、傾斜角度は0度よりも小さく、かつ、-90度以上の角度となる。
【0056】
本願において、傾斜角度は、+X方向から+Z方向に向けて反時計回りに回転する方向を正の方向とする。例えば、ある点を基準にして考えた場合、ある点を原点とするXZ平面において、原点周りで反時計回りに回転する方向を正の方向と考えてもよい。この場合、ある点を原点とするXZ平面において、原点周りで時計回りに回転する方向を負の方向と考えてもよい。より具体的には、傾斜角度は、Y軸に平行な直線を回転軸として、+X方向から+Z方向に向けて反時計回りに回転する方向を正の方向と考えてもよい。なお、以下の説明では、太陽電池部11の第2側部S2と第2垂直位置調整部15の第2吊下げ部15bとの接点を基準点として、太陽電池部11の傾斜角度の正負を説明する。
【0057】
本願において、水平面FSは、XY平面に平行な面である。ただし、この場合の平行は、建築物の建築時の誤差などを考慮したズレを包含するものである。水平面FSは、例えば、屋内空間Spiの床面であってもよい。
【0058】
<1-2-1―4-2.第2垂直位置調整部15>
第2垂直位置調整部15は、水平面FSに対する太陽電池部11の第2側部S2の、垂直方向における位置である第2垂直位置を調整する。つまり、第2垂直位置調整部15は、水平面FSに対する第2側部S2の、相対的な高さを調整する。第2垂直位置調整部15は、1つの装置から構成されてもよく、複数の装置から構成されてもよい。実施形態1に係る第2垂直位置調整部15は、第2駆動部15aと、第2吊下げ部15bとを含む。ただし、第2垂直位置調整部15の構成はこれに限定されるものではない。
【0059】
第2駆動部15aは、第2吊下げ部15bをZ方向に沿って駆動させる。第2駆動部15aが、第2吊下げ部15bをZ方向に沿って駆動させることで、太陽電池部11の第2側部S2をZ方向に沿って駆動させることができる。第2駆動部15aは、例えば、リール状の機構であってもよい。第2駆動部15aは、第2切替部17を介して垂直方向動力源部21から動力を受けて駆動する。第2駆動部15aが第2吊下げ部15bを巻き取ることで、太陽電池部11の第2側部S2を+Z方向に上昇させてもよい。第2駆動部15aが第2吊下げ部15bを送り出すことで、太陽電池部11の第2側部S2を-Z方向に下降させてもよい。
【0060】
第2吊下げ部15bは、太陽電池部11の第2側部S2、錘部12及び第2駆動部15aを接続する部材である。第2吊下げ部15bは、例えば、紐状、鎖状又は帯状等の細長い部材で構成されてもよい。また、第2吊下げ部15bは、例えば、はしご状のコード(ラダーコード)であってもよく、Z方向に延びる1本のコードであってもよい。第2吊下げ部15bは、例えば、-Z方向に垂下する一対の縦線と、この一対の縦線の間にそれぞれ結線された複数の横線と、を有してもよい。この場合、一対の縦線は、例えば、第2駆動部15aから吊り下げられており、錘部12に連結されていてもよい。複数の横線のそれぞれは、1つの太陽電池部11を下方から保持してもよい。太陽電池部11は、複数の
第2吊下げ部15bによって下方から保持されてもよい。
【0061】
<1-2-1―4-3.第1水平位置調整部18>
第1水平位置調整部18は、窓部Wi1に対する太陽電池部11の第1側部S1の、+X方向における位置である第1水平位置を調整する。別の見方をすると、第1水平位置調整部18は、第1側部S1と第1吊下げ部14bと接続点と、窓部Wi1の表面に対する位置を調整すると考えてもよい。別の見方をすると、第1水平位置調整部18は、窓部Wi1に対する、第1吊下げ部14bの水平方向(X方向)における位置を調整する。別の見方をすると、
図16等のように、第1水平位置調整部18は、窓部Wi1と第1吊下げ部14bとの距離である第1距離L1を調整すると考えてもよい。ここで、第1距離L1は、窓部Wi1と、第1吊下げ部14bが-Z方向に垂れ下がる位置との距離と考えてもよい。例えば、第1距離L1は、第1吊下げ部14bが-Z方向に垂れ下がる位置を仮想面に投影した位置と第2吊下げ部15bが-Z方向に垂れ下がる位置を当該仮想面に投影した位置とを含む仮想線上における、第1吊下げ部14bが-Z方向に垂れ下がる位置を仮想面に投影した位置と窓部Wi1を仮想面に投影した線分との距離と考えてもよい。
【0062】
例えば、
図4のように、第1吊下げ部14bがコードである場合、第1水平位置調整部18は、X方向(水平方向)に沿って移動できる滑車(第1滑車)であってもよい。この場合、第1吊下げ部14bは、一方の端部(第1端部T1)が錘部12に接続され、もう一方の端部(第2端部T2)が第1駆動部14aに接続される。そして、第1吊下げ部14bは、第1端部T1と第2端部T2との間において、第1水平位置調整部18(第1滑車)と当接する。例えば、第1滑車が-X方向に移動することで、第1吊下げ部14bと第1滑車とが当接する位置も-X方向に移動する。これにより、第1吊下げ部14bが-Z方向(垂直方向)に垂れ下がる位置が-X方向に移動するため、窓部Wi1に対する太陽電池部11の第1側部S1の、+X方向における位置である第1水平位置が窓部Wi1側に移動する。具体的な動作については、後述する。第1水平位置調整部18は、水平方向動力源部22から動力を受けて駆動する。なお、第1水平位置調整部18は上述した第1滑車に限定されない。第1水平位置調整部18は、実施形態3等のように、窓部Wi1に対する太陽電池部11の第1側部S1の、+X方向における位置である第1水平位置を調整するような種々の構成が適用され得る。
【0063】
<1-2-1―5.第1切替部16>
第1切替部16は、垂直方向動力源部21から第1駆動部14aに伝えられる動力を調整する。例えば、第1切替部16は、第1水平位置調整部18が移動する場合に、垂直方向動力源部21からの動力を第1駆動部14aに伝えてもよい。例えば、第1切替部16は、昇降駆動部19aが動作する場合に、垂直方向動力源部21からの動力を第1駆動部14aに伝えないようにしてもよい。言い換えると、第1切替部16は、後述する昇降切替部20が垂直方向動力源部21からの動力を昇降駆動部19aに動力を伝える場合に、垂直方向動力源部21からの動力を第1駆動部14aに伝えないようにしてもよい。
【0064】
<1-2-1―6.第2切替部17>
第2切替部17は、垂直方向動力源部21から第2駆動部15aに伝えられる動力を調整する。例えば、第2切替部17は、第1水平位置調整部18が移動する場合に、垂直方向動力源部21からの動力を第2駆動部15aに伝えてもよい。例えば、第2切替部17は、昇降駆動部19aが動作する場合に、垂直方向動力源部21からの動力を第2駆動部15aに伝えないようにしてもよい。言い換えると、第2切替部17は、後述する昇降切替部20が垂直方向動力源部21からの動力を昇降駆動部19aに動力を伝える場合に、垂直方向動力源部21からの動力を第2駆動部15aに伝えないようにしてもよい。
【0065】
<1-2-1―7.昇降調整部19>
昇降調整部19は、複数の太陽電池部11の収納又は展開を行う。言い換えると、昇降調整部19は、収納状態Con1から水平状態Con2に、又は、水平状態Con2から収納状態Con1にブラインド装置Ap1との間で遷移させる。昇降調整部19は、1つの装置から構成されてもよく、複数の装置から構成されてもよい。実施形態1に係る昇降調整部19は、昇降駆動部19aと、昇降吊下げ部19bとを含む。ただし、昇降調整部19の構成はこれに限定されるものではない。なお、
図6以降の図面中では、図面の見やすさのために、昇降調整部19を図示していない場合がある。
【0066】
昇降駆動部19aは、昇降吊下げ部19bをZ方向に沿って駆動させる。昇降駆動部19aが、昇降吊下げ部19bをZ方向に沿って駆動させることで、太陽電池部11及び錘部12をZ方向に沿って駆動させることができる。昇降駆動部19aは、リール状の機構であってもよい。昇降駆動部19aは、昇降切替部20を介して垂直方向動力源部21から動力を受けて駆動する。昇降駆動部19aが昇降吊下げ部19bを巻き取ることで、錘部12を+Z方向に上昇させてもよい。昇降駆動部19aが昇降吊下げ部19bを送り出すことで、錘部12を-Z方向に下降させてもよい。
【0067】
昇降吊下げ部19bは、錘部12と昇降駆動部19aとを接続する部材である。昇降吊下げ部19bは、例えば、-Z方向に垂下する1本のコード(昇降コード)であってもよい。昇降吊下げ部19bは、例えば、昇降駆動部19aから吊り下げられており、複数の太陽電池部11が有する貫通孔に挿通されて、錘部12に連結されてもよい。例えば、昇降吊下げ部19bは、昇降駆動部19aによって巻き上げられることで、錘部12を上昇させて、複数の太陽電池部11を下方から順に重ねて引き上げることができる。これにより、ブラインド装置Ap1を水平状態Con2から収納状態Con1にすることができる。また、例えば、昇降吊下げ部19bは、昇降駆動部19aによって送り出されることで、錘部12を下降させて、複数の太陽電池部11を下方へ向けて順に下降させることができる。これにより、ブラインド装置Ap1を収納状態Con1から水平状態Con2にすることができる。
【0068】
Y方向において、昇降吊下げ部19bと錘部12とが接続する位置と、第1吊下げ部14bと錘部12とが接続する位置とが異なってもよい。言い換えると、昇降吊下げ部19bと錘部12とが接続する位置を含むXZ断面と、第1吊下げ部14bと錘部12とが接続する位置を含むXZ断面とが異なってもよい。このようにすることで、昇降調整部19が第1垂直位置調整部14に隣接しなくなるため、ブラインド装置Ap1のX方向に沿った幅又はブラインド装置Ap1のZ方向に沿った幅を小さくすることができ、ブラインド装置Ap1を小型化することができる。昇降吊下げ部19bと第2吊下げ部15bとの関係についても同様である。
【0069】
<1-2-1―8.昇降切替部20>
昇降切替部20は、垂直方向動力源部21から昇降駆動部19aに伝えられる動力を調整する。例えば、昇降切替部20は、例えば、第1駆動部14aが動作する場合に、垂直方向動力源部21からの動力を昇降駆動部19aに伝えないようにしてもよい。
【0070】
<1-2-1―9.垂直方向動力源部21>
垂直方向動力源部21は、第1駆動部14a、第2駆動部15a及び昇降駆動部19aが駆動するための動力をそれぞれに与える。垂直方向動力源部21は、例えば、モーターによって動力を発生させてもよい。また、垂直方向動力源部21は、太陽電池部11の昇降を操作するためのコードである昇降コード(操作コード)を、ブラインド装置Ap1のユーザが引っ張る力を用いて動力を発生させてもよい。
【0071】
<1-2-1―10.水平方向動力源部22>
水平方向動力源部22は、第1水平位置調整部18が駆動するための動力を第1水平位置調整部18に与える。水平方向動力源部22は、例えば、モーターによって動力を発生させてもよい。また、水平方向動力源部22は、太陽電池部11の昇降を操作するためのコードである昇降コード(操作コード)を、ブラインド装置Ap1のユーザが引っ張る力を用いて動力を発生させてもよい。
【0072】
垂直方向動力源部21と水平方向動力源部22は、別々の部材であってもよく、一体となった部材であってもよい。別々の部材とした場合においてそれぞれの駆動方法を変えることで、手動でブラインド装置Ap1を駆動する場合に、ユーザが太陽電池部11の傾斜角度を調整するための部材と、太陽電池部11を昇降するための部材とを判別しやすくすることができる。一方で、一体とした場合、ブラインド装置Ap1全体の大きさを小さくすることができる。
【0073】
<1-2-1―11.制御部31>
制御部31は、ブラインド装置Ap1の動作を制御する。制御部31は、筐体部13の内部に備えられてもよく、筐体部13の外部に備えられてもよい。制御部31は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(Integrated Circit(s):IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete
circuit(s))など)によって構成されてもよい。
図8は、実施形態1に係るブラインド装置の制御部31に関する機能ブロック図である。
【0074】
制御部31は、制御装置Ap2からの指示情報に基づいてブラインド装置Ap1の動作を制御してもよい。この場合、制御部31は、指示情報を処理する指示情報処理部311をさらに備えてもよい。例えば、収納状態Con1から水平状態Con2にブラインド装置Ap1の状態を変更することを示す指示情報を、制御装置Ap2から制御部31が受信した場合、制御部31は、後述する第1動作を行うように、ブラインド装置Ap1を制御してもよい。例えば、ブラインド装置Ap1に関する情報を報告することを示す指示情報を、制御装置Ap2から制御部31が受信した場合、制御部31は、後述する報告情報を作成してもよい。
【0075】
ここで、指示情報は、制御装置Ap2が作成する情報であって、ブラインド装置Ap1の動作をブラインド装置Ap1の制御部31に指示するために用いられる情報である。指示情報は、ブラインドシステムSY1のユーザが制御装置Ap2又は表示装置Ap3を介して入力した情報に基づいて作成されてもよい。例えば、ユーザによって、ブラインド装置Ap1を第1垂直状態Con4にすることを入力した場合、制御装置Ap2はブラインド装置Ap1を第1垂直状態Con4に変更することを示す指示情報を作成してもよい。指示情報は、所定時間ごとに制御装置Ap2からブラインド装置Ap1に送信されてもよく、制御装置Ap2がブラインド装置Ap1に動作を指示するたびにブラインド装置Ap1に送信されてもよい。指示情報は、制御装置Ap2が制御するブラインド装置Ap1毎に異なる内容の指示情報が送信されてもよく、制御装置Ap2が制御するブラインド装置Ap1全体に同一の内容の指示情報が送信されてもよい。
【0076】
指示情報には、ブラインド装置Ap1を水平状態Con2とすることを指示する情報、又はブラインド装置Ap1を収納状態Con1とすることを指示する情報が含まれてもよい。指示情報には、太陽電池部11の傾斜角度を変更することを指示する情報が含まれてもよい。この場合、例えば、太陽電池部11の傾斜角度を増加させることを指示する情報、又は太陽電池部11の傾斜角度を減少させることを指示する情報が含まれてもよい。太陽電池部11の傾斜角度を増加させることを指示する情報は、第1動作を指示する情報、又は、第4動作を指示する情報であってもよい。太陽電池部11の傾斜角度を減少させる
ことを指示する情報は、第2動作を指示する情報、又は、第3動作を指示する情報であってもよい。また、例えば、指示情報には、太陽電池部11の傾斜角度を示す情報が含まれてもよい。
【0077】
指示情報には、当該指示情報によって、制御されるブラインド装置Ap1を示す情報が含まれてもよい。また、指示情報には、ブラインド装置Ap1の状態に関する情報を報告する報告情報を送信することを指示する情報が含まれてもよい。ブラインド装置Ap1の状態に関する情報には、当該報告情報に対応するブラインド装置Ap1を示す情報、ブラインド装置Ap1の状態(収納状態Con1、水平状態Con2、第1傾斜状態Con3、第1垂直状態Con4、第2傾斜状態Con5、又は第2垂直状態Con6のいずれかの状態)を示す情報、ブラインド装置Ap1の傾斜角度を示す情報、又はブラインド装置Ap1が故障又はメンテナンスなどによって制御ができない状態であることを示す情報などが含まれてもよい。報告情報には、太陽電池部11の発電量、日射量、又は温度を示す情報が含まれてもよい。
【0078】
制御部31は、制御装置Ap2に送信する報告情報を作成する報告情報作成部312をさらに備えてもよい。報告情報作成部312は、指示情報で指示された動作を開始したとき、又は指示情報で指示された動作が完了したとき、若しくは、指示情報で指示された動作を開始したときからは指示情報で指示された動作が完了するまでの間に報告情報を作成してもよい。また、報告情報作成部312は、指示情報の内容が、制御装置Ap2に報告情報を送信することを指示する場合に、報告情報を作成してもよい。また、報告情報作成部312は、所定時間ごとに報告情報を作成してもよい。
【0079】
<1-2-1―12.通信部32>
通信部32は、後述する制御装置Ap2と通信するインターフェースである。通信部32は、通信モジュールによって構成されてもよい。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、ZigBee(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、Wi―SUN、LTE(登録商標)、5G、又は6G等の規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3等の規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0080】
<1-2-1―13.記憶部33>
記憶部33は、各種情報を記憶可能に構成される。記憶部33は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの、制御部31のCPUが読み取り可能な非一時的な記録媒体を含んでもよい。制御部31の各種機能は、例えば、制御部31のCPUが記憶部33内のプログラムを実行することによって実現されてもよい。記憶部33は、通信部32が受信した指示情報又は制御部31が作成した報告情報を記憶してもよい。記憶部33は、太陽電池部11の傾斜角度、当該傾斜角度における第1水平位置調整部18の位置、当該傾斜角度における第1駆動部14aの第1巻取り量A1、当該傾斜角度における第2駆動部15aの第2巻取り量A2、及び運転状態の対応関係を記憶してもよい。
【0081】
<1-2-2.ブラインド装置Ap1の動作>
図9に示すように、ブラインド装置Ap1は、収納状態Con1、水平状態Con2、第1傾斜状態Con3、第1垂直状態Con4、第2傾斜状態Con5、及び第2垂直状態Con6の6つの状態をとることができる。
【0082】
収納状態Con1は、複数の太陽電池部11及び錘部12が重畳されて収納されている状態である。例えば、収納状態Con1は、
図10のように、昇降駆動部19aが昇降吊下げ部19bを巻き取ることで錘部12の位置を上昇させることで、複数の太陽電池部1
1及び錘部12が重畳されて収納されている状態であってもよい。水平状態Con2は、複数の太陽電池部11及び錘部12が展開されて太陽電池部11のそれぞれの傾斜角度が0度である状態である。水平状態Con2は、例えば、
図11のように、昇降駆動部19aが昇降吊下げ部19bを繰り出すことで錘部12の位置を下降させることで、複数の太陽電池部11及び錘部12が展開されて太陽電池部11のそれぞれが水平面FSに対し水平になっている状態であってもよい。
【0083】
第1傾斜状態Con3は、太陽電池部11の傾斜角度が0度よりも大きく、かつ、+90度よりも小さい状態である。別の見方をすると、第1傾斜状態Con3は、太陽電池部11の第2側部S2よりも太陽電池部11の第1側部S1が、+Z方向に位置している状態である。第1傾斜状態Con3は、例えば
図12のような状態であってもよい。第1垂直状態Con4は、太陽電池部11の傾斜角度が+90度となっている状態である。第1垂直状態Con4は、例えば
図13のように、太陽電池部11が、第2側部S2よりも第1側部S1が+Z方向側に位置し、かつ、水平面FSに対して略直角となっている状態であると考えてもよい。また、第1垂直状態Con4は、ブラインド装置Ap1において、太陽電池部11を水平面FSに対して取り得る最大の傾斜角度に達している状態である考えてもよい。
【0084】
第2傾斜状態Con5は、太陽電池部11の傾斜角度が0度よりも小さく、かつ、―90度よりも大きい状態である。別の見方をすると、第2傾斜状態Con5は、太陽電池部11の第2側部S2よりも太陽電池部11の第1側部S1が、―Z方向に位置している状態である。第2傾斜状態Con5は、例えば
図14のような状態であってもよい。第2垂直状態Con6は、太陽電池部11の傾斜角度が―90度となっている状態である。第2垂直状態Con6は、例えば
図15のように、太陽電池部11が、第2側部S2よりも第1側部S1が―Z方向側に位置し、かつ、水平面FSに対して略直角となっている状態であると考えてもよい。また、第2垂直状態Con6は、ブラインド装置Ap1において、太陽電池部11を水平面FSに対して取り得る最小の傾斜角度に達している状態である考えてもよい。
【0085】
次に、6つの状態の内のある状態であるブラインド装置Ap1を、別の状態に変化させる動作について説明する。
図9に示すように、動作には、展開動作、収納動作、第1動作、第2動作、第3動作、及び第4動作の6つの種類がある。以下では、展開動作及び収納動作、第1動作及び第2動作、並びに第3動作及び第4動作の、3つに大別して説明する。なお、
図16から
図21においては、図の見やすさのために、昇降吊下げ部19bの図示は省略している。
【0086】
<1-2-2-1.展開動作、収納動作>
展開動作は、ブラインド装置Ap1を収納状態Con1から水平状態Con2に変化させる動作である。一方で、収納動作は、ブラインド装置Ap1を水平状態Con2から収納状態Con1に変化させる動作である。収納動作は展開動作の逆の動作と考えてもよく、展開動作は収納動作の逆の動作と考えてもよい。
【0087】
展開動作では、垂直方向動力源部21から、昇降駆動部19aに動力が伝えられることで、昇降吊下げ部19bが送り出される。これにより、複数の太陽電池部11及び錘部12の位置が下降することで、ブラインド装置Ap1が収納状態Con1から水平状態Con2となる。言い換えると、ブラインド装置Ap1が収納状態Con1から水平状態Con2になった場合、積み重なって収納されていた複数の太陽電池部11が、Z方向(垂直方向)に互いに距離を開けて配列した状態となる。なお、
図11の例では、複数の太陽電池部11の全てが展開されている状態となっているが、展開動作後の状態はこれに限定されない。例えば、展開動作後の状態は、複数の太陽電池部11のうち一部が収納状態Co
n1、残りがZ方向(垂直方向)に互いに距離を開けて配列した状態となっていてもよい。
【0088】
収納動作では、垂直方向動力源部21から、昇降駆動部19aに動力が伝えられることで、昇降吊下げ部19bが巻き取られる。これにより、複数の太陽電池部11及び錘部12の位置が上昇し、ブラインド装置Ap1が水平状態Con2から収納状態Con1となる。言い換えると、ブラインド装置Ap1が水平状態Con2から収納状態Con1になった場合、Z方向(垂直方向)に互いに距離を開けて配列していた複数の太陽電池部11が、積み重なって収納された状態となる。なお、
図11の例では、複数の太陽電池部11の全てが筐体部13の内部に収納されているが、収納動作後の状態はこれに限定されない。例えば、収納動作後の状態は、複数の太陽電池部11のうち一部又は全部が筐体の外部に積み重なった状態であってもよい。
【0089】
<1-2-2-2.第1動作、第2動作>
第1動作は、太陽電池部11の傾斜角度を0度以上の範囲で増加させる動作である。つまり、第1動作は、太陽電池部11の傾斜角度の絶対値を増加させる動作である。別の見方をすると、第1動作は、太陽電池部11の傾斜角度が0以上となる範囲内で、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置を+Z方向に移動させる動作である。第1動作によって、ブラインド装置Ap1は、水平状態Con2から、第1傾斜状態Con3に変化する。また、第1動作によって、ブラインド装置Ap1は、第1傾斜状態Con3から、第1垂直状態Con4に変化する。
【0090】
第2動作は、太陽電池部11の傾斜角度を0度以上の範囲で減少させる動作である。つまり、第2動作は、太陽電池部11の傾斜角度の絶対値を減少させる動作である。別の見方をすると、第2動作は、太陽電池部11の傾斜角度が0以上となる範囲内で、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置を-Z方向に移動させる動作である。第2動作によって、ブラインド装置Ap1は、第1垂直状態Con4から、第1傾斜状態Con3に変化する。また、第1動作によって、ブラインド装置Ap1は、第1傾斜状態Con3から、水平状態Con2に変化する。第2動作は第1動作の逆の動作と考えてもよく、第1動作は第2動作の逆の動作と考えてもよい。
【0091】
第1動作には、
図16から
図18に示すような3つのパターンが考えられる。第1動作を行う場合には、3つのパターンのうちのいずれか1つ、または、3つのパターンのうち
からの組合せによって実現することができる。以下では、
図16に示す第1動作のパターンの動作を第1A動作、
図17に示す第1動作のパターンの動作を第1B動作、及び
図18に示す第1動作のパターンの動作を第1C動作と称する。第1A動作、第1B動作、及び第1C動作は、太陽電池部11の傾斜角度を変化させる際の、Z方向に沿った第1吊下げ部14b又は第2吊下げ部15bの動作が異なる。一方で、第1A動作、第1B動作、及び第1C動作は、太陽電池部11の傾斜角度を変化させる際の、X方向に沿った第1吊下げ部14b及び第2吊下げ部15bの動作は同一である。
【0092】
図16を参照しつつ、第1A動作におけるZ方向に沿った第1吊下げ部14b及び第2吊下げ部15bの動作を説明する。第1A動作では、垂直方向動力源部21から第1駆動部14aに動力が伝えられて、第1吊下げ部14bが巻き取られることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が+Z方向に移動する。つまり、第1A動作では、第1側部S1のZ方向における位置を+Z方向に移動させることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が+Z方向に移動する。第1A動作によって太陽電池部11の傾斜角度を変化させる場合、第1吊下げ部14bの巻取り量で太陽電池部11の傾斜角度を調整できるため、ブラインド装置Ap1の構造を簡略化することができる。
【0093】
なお、
図16では、第2側部S2が移動しない場合を用いて説明したが、第1A動作はこれに限定されない。例えば、第1A動作の間に第2側部S2が+Z方向に移動してもよい。この場合、第2側部S2が+Z方向に移動した距離よりも、第1側部S1が+Z方向に移動した距離が大きければ、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置を+Z方向に移動することができる。
【0094】
次に、
図17を参照しつつ、第1B動作におけるZ方向に沿った第1吊下げ部14b及び第2吊下げ部15bの動作を説明する。第1B動作では、垂直方向動力源部21から第2駆動部15aに動力が伝えられて、第2吊下げ部15bが送り出されることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が+Z方向に移動する。つまり、第1B動作では、第2側部S2のZ方向における位置を-Z方向に移動させることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が+Z方向に移動する。第1B動作によって太陽電池部11の傾斜角度を変化させる場合、X方向に沿った位置の調整とZ方向に沿った位置の調整とを、第1吊下げ部14b側と第2吊下げ部15b側とにそれぞれ分離することができるため、太陽電池部11の傾斜角度の調整を容易にすることができる。
【0095】
なお、
図17では、第1側部S1が移動しない場合を用いて説明したが、第1B動作はこれに限定されない。例えば、第1B動作の間に第1側部S1が-Z方向に移動してもよい。この場合、第1側部S1が-Z方向に移動した距離よりも、第2側部S2が-Z方向に移動した距離が大きければ、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置を+Z方向に移動することができる。
【0096】
次に、
図18を参照しつつ、第1C動作におけるZ方向に沿った第1吊下げ部14b及び第2吊下げ部15bの動作を説明する。第1C動作では、垂直方向動力源部21から第1駆動部14a及び第2駆動部15aに動力が伝えられる。そして、第1吊下げ部14bが巻き取られ、一方で第2吊下げ部15bが送り出されることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が+Z方向に移動する。つまり、第1C動作では、第1側部S1のZ方向における位置を+Z方向に移動させると同時に、第2側部S2のZ方向における位置を-Z方向に移動させることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が+Z方向に移動する。第1C動作によって太陽電池部11の傾斜角度を変化させる場合、第1側部S1と第2側部S2の間に回転の中心が存在する。このため、太陽電池部11の傾斜角度を変化させるために必要なトルクを小さくすることができ、太陽電池部11の傾斜角度を変化させる際に必要な電力を低減することができる。
【0097】
なお、
図18では、第1側部S1の+Z方向に沿った移動距離と第2側部S2の-Z方向に沿った移動距離とが同一の場合を用いて説明したが、第1C動作はこれに限定されない。例えば、第1側部S1の+Z方向に沿った移動距離が第2側部S2の-Z方向に沿った移動距離よりも大きくてもよく、第1側部S1の+Z方向に沿った移動距離が第2側部S2の-Z方向に沿った移動距離よりも小さくてもよい。
【0098】
図16から
図18を参照しつつ、第1動作におけるX方向に沿った第1吊下げ部14b及び第2吊下げ部15bの動作を説明する。第1動作では、水平方向動力源部22から第1水平位置調整部18に動力が伝えられることで、第1吊下げ部14bが-X方向に移動する。これにより、窓部Wi1に対する太陽電池部11の第1側部S1のX方向における位置である第1水平位置が、-X方向に移動する。一方で、第2吊下げ部15bはX方向に沿って移動しないため、窓部Wi1に対する太陽電池部11の第2側部S2のX方向における位置である第2水平位置は変化しない。このようにすることで、太陽電池部11の第2側部S2と窓部Wi1の表面との距離を変化させずに、太陽電池部11の傾斜角度を増加させることができる。別の見方をすると、太陽電池部11の第2側部S2と第2吊下
げ部15bとの接点を回転中心として、太陽電池部11の傾斜角度を増加させることができる。このようにすることで、太陽電池部11の第2側部S2と窓部Wi1の表面との距離が増加しないため、窓枠Wi13等の陰の影響により、太陽電池部11の発電効率の低下量を低減することができる。
【0099】
<1-2-2-3.第3動作、第4動作>
第3動作は、太陽電池部11の傾斜角度を0度以下の範囲で減少させる動作である。つまり、第3動作は、太陽電池部11の傾斜角度の絶対値を増加させる動作である。別の見方をすると、第3動作は、太陽電池部11の傾斜角度が0以下となる範囲内で、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置を-Z方向に移動させる動作である。第3動作によって、ブラインド装置Ap1は、水平状態Con2から、第2傾斜状態Con5に変化する。また、第3動作によって、ブラインド装置Ap1は、第2傾斜状態Con5から、第2垂直状態Con6に変化する。
【0100】
第4動作は、太陽電池部11の傾斜角度を0度以下の範囲で減少させる動作である。つまり、第4動作は、太陽電池部11の傾斜角度の絶対値を減少させる動作である。別の見方をすると、第4動作は、太陽電池部11の傾斜角度が0以下となる範囲内で、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置を+Z方向に移動させる動作である。第4動作によって、ブラインド装置Ap1は、第2垂直状態Con6から、第2傾斜状態Con5に変化する。また、第4動作によって、ブラインド装置Ap1は、第2傾斜状態Con5から、水平状態Con2に変化する。第4動作は第3動作の逆の動作と考えてもよく、第3動作は第4動作の逆の動作と考えてもよい。
【0101】
第3動作には、
図19から
図21に示すような3つのパターンが考えられる。第3動作を行う場合には、3つのパターンのうちのいずれか1つ、または、3つのパターンのうち
からの組合せによって実現することができる。以下では、
図19に示す第3動作のパターンの動作を第3A動作、
図20に示す第3動作のパターンの動作を第3B動作、及び
図21に示す第3動作のパターンの動作を第3C動作と称する。第3A動作、第3B動作、及び第3C動作は、太陽電池部11の傾斜角度を変化させる際の、Z方向に沿った第1吊下げ部14b又は第2吊下げ部15bの動作が異なる。一方で、第3A動作、第3B動作、及び第3C動作は、太陽電池部11の傾斜角度を変化させる際の、X方向に沿った第1吊下げ部14b及び第2吊下げ部15bの動作は同一である。
【0102】
図19を参照しつつ、第3A動作におけるZ方向に沿った第1吊下げ部14b及び第2吊下げ部15bの動作を説明する。第3A動作では、垂直方向動力源部21から第1駆動部14aに動力が伝えられて、第1吊下げ部14bが送り出されることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が-Z方向に移動する。つまり、第3A動作では、第1側部S1のZ方向における位置を-Z方向に移動させることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が-Z方向に移動する。第3A動作によって太陽電池部11の傾斜角度を変化させる場合、第1吊下げ部14bの巻取り量(送出し量)で太陽電池部11の傾斜角度を調整できるため、ブラインド装置Ap1の構造を簡略化することができる。
【0103】
なお、
図19では、第2側部S2が移動しない場合を用いて説明したが、第3A動作はこれに限定されない。例えば、第3A動作の間に第2側部S2が-Z方向に移動してもよい。この場合、第2側部S2が-Z方向に移動した距離よりも、第1側部S1が-Z方向に移動した距離が大きければ、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置を-Z方向に移動することができる。
【0104】
次に、
図20を参照しつつ、第3B動作におけるZ方向に沿った第1吊下げ部14b及
び第2吊下げ部15bの動作を説明する。第3B動作では、垂直方向動力源部21から第2駆動部15aに動力が伝えられて、第2吊下げ部15bが巻き取られることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が-Z方向に移動する。つまり、第3B動作では、第2側部S2のZ方向における位置を+Z方向に移動させることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が-Z方向に移動する。第3B動作によって太陽電池部11の傾斜角度を変化させる場合、X方向に沿った位置の調整とZ方向に沿った位置の調整とを、第1吊下げ部14b側と第2吊下げ部15b側とにそれぞれ分離することができるため、太陽電池部11の傾斜角度の調整を容易にすることができる。
【0105】
なお、
図20では、第1側部S1が移動しない場合を用いて説明したが、第3B動作はこれに限定されない。例えば、第3B動作の間に第1側部S1が+Z方向に移動してもよい。この場合、第1側部S1が+Z方向に移動した距離よりも、第2側部S2が+Z方向に移動した距離が大きければ、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置を-Z方向に移動することができる。
【0106】
次に、
図21を参照しつつ、第3C動作におけるZ方向に沿った第1吊下げ部14b及び第2吊下げ部15bの動作を説明する。第3C動作では、垂直方向動力源部21から第1駆動部14a及び第2駆動部15aに動力が伝えられる。そして、第1吊下げ部14bが送り出され、一方で第2吊下げ部15bが巻き取られることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が-Z方向に移動する。つまり、第3C動作では、第1側部S1のZ方向における位置を-Z方向に移動させると同時に、第2側部S2のZ方向における位置を+Z方向に移動させることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が-Z方向に移動する。第3C動作によって太陽電池部11の傾斜角度を変化させる場合、第1側部S1と第2側部S2の間に回転の中心が存在する。このため、太陽電池部11の傾斜角度を変化させるために必要なトルクを小さくすることができ、太陽電池部11の傾斜角度を変化させる際に必要な電力を低減することができる。
【0107】
なお、
図21では、第1側部S1の-Z方向に沿った移動距離と第2側部S2の+Z方向に沿った移動距離とが同一の場合を用いて説明したが、第3C動作はこれに限定されない。例えば、第1側部S1の-Z方向に沿った移動距離が第2側部S2の+Z方向に沿った移動距離よりも大きくてもよく、第1側部S1の-Z方向に沿った移動距離が第2側部S2の+Z方向に沿った移動距離よりも小さくてもよい。
【0108】
図19から
図21を参照しつつ、第3動作におけるX方向に沿った第1吊下げ部14b及び第2吊下げ部15bの動作を説明する。第3動作では、水平方向動力源部22から第1水平位置調整部18に動力が伝えられることで、第1吊下げ部14bが-X方向に移動する。これにより、窓部Wi1に対する太陽電池部11の第1側部S1のX方向における位置である第1水平位置が、-X方向に移動する。一方で、第2吊下げ部15bはX方向に沿って移動しないため、窓部Wi1に対する太陽電池部11の第2側部S2のX方向における位置である第2水平位置は変化しない。このようにすることで、太陽電池部11の第2側部S2と窓部Wi1の表面との距離を変化させずに、太陽電池部11の傾斜角度を減少させることができる。別の見方をすると、太陽電池部11の第2側部S2と第2吊下げ部15bとの接点を回転中心として、太陽電池部11の傾斜角度を減少させることができる。
【0109】
<1-2-2-4.第1動作における移動量>
次に、第1動作を例にして、太陽電池部11の傾斜角度が第1傾斜角度θ1から第2傾斜角度θ2に変化する場合を考える。なお、
図22中の破線は、太陽電池部11の傾斜角度が第1傾斜角度θ1である状態を示している。つまり、太陽電池部11の傾斜角度が変化する前の状態である。
図22中の実線は、太陽電池部11の傾斜角度が第2傾斜角度θ
2である状態を示している。つまり、太陽電池部11の傾斜角度が変化した後の状態である。
図22は、太陽電池部11の傾斜角度が第1傾斜角度θ1である状態と太陽電池部11の傾斜角度が第1傾斜角度θ1である状態との比較を示している。なお、
図22において、図の見やすさのために、昇降吊下げ部19bの図示は省略している。
【0110】
第2傾斜角度θ2が第1傾斜角度θ1よりも大きい場合、第1距離L1は減少する。より具体的には、第1傾斜角度θ1が0度以上かつ第2傾斜角度θ2よりも小さく、第2傾斜角度θ2が90度以下である場合、第1水平位置調整部18が-X方向に向けて移動するため、第1距離L1は減少する。
【0111】
第1動作において、第1吊下げ部14bが-X方向(水平方向)に向けて移動する距離である第1水平移動距離L1hは、太陽電池部11の傾斜角度の変化量に基づいて決定されてもよい。別の見方をすると、第1動作において、第1吊下げ部14bが-X方向(水平方向)に向けて移動する距離である第1水平移動距離L1hは、太陽電池部11の第2傾斜角度θ2に基づいて決定されてもよい。より具体的には、第1水平移動距離L1hは、太陽電池部11の傾斜角度の変化量と太陽電池部11の短手方向の幅(第1側部S1と第2側部S2との間の幅)に基づいて決定されてもよい。この場合、太陽電池部11の短手方向の幅をWとすると、第1水平移動距離L1hは、以下の式(1)のように表すことができる。
【0112】
ここで、第1水平移動距離L1hは、傾斜角度が変化する前の第1吊下げ部14bの位置と傾斜角度が変化した後の第1吊下げ部14bの位置との距離である。言い換えると、太陽電池部11の傾斜角度が変化する間に、第1吊下げ部14bが-X方向に移動した距
離である。
図22の例では、第1水平移動距離L1hは、変化する前の傾斜角度θ1のときの第1吊下げ部14bの位置から、変化した後の傾斜角度θ2のときの第1吊下げ部14bの位置との間の距離であってもよい。
L1h=W|cosθ2―cosθ1| ・・・式(1)
【0113】
第1動作において、第1駆動部14aは、第1吊下げ部14bを巻き取ってもよい。このようにすることで、第1吊下げ部14bがたわんで、太陽電池部11ごとに傾斜角度がばらつくことを低減することができる。言い換えると、第1吊下げ部14bを引っ張ることで、水平面FSに対する各太陽電池部11の傾斜角度をそろえることができる。このようにすることで、太陽電池部11ごとの発電効率のばらつきを低減することで、ブラインド装置Ap1全体での発電効率の低下量を低減することができる。
【0114】
第1動作において、第1駆動部14aが第1吊下げ部14bを巻き取る量である第1巻取り量A1は、太陽電池部11の傾斜角度の変化量に基づいて決定されてもよい。別の見方をすると、第1巻取り量A1は、太陽電池部11の第2傾斜角度θ2に基づいて決定されてもよい。より具体的には、第1巻取り量A1は、太陽電池部11の傾斜角度の変化量と太陽電池部11の短手方向の幅(第1側部S1と第2側部S2との間の幅)に基づいて決定されてもよい。さらに、具体的には、太陽電池部11の傾斜角度の変化による第1側部S1の+Z方向の位置の変化量から、上記第1水平移動距離L1hを引いた値を、第1巻取り量A1としてもよい。この場合、第1巻取り量A1が正の値である場合は、第1駆動部14aが巻き取る量であり、第1巻取り量A1が負の値である場合は、第1駆動部14aが送り出す量である。この場合、太陽電池部11の短手方向の幅をWとすると、太陽電池部11の傾斜角度の変化による第1側部S1の+Z方向の位置の変化量(以下、第1垂直移動距離L1vともいう。)は、以下の式(2)のように表すことができる。
【0115】
ここで、第1垂直移動距離L1vは、傾斜角度が変化する前の第1側部S1の+Z方向の位置と傾斜角度が変化した後の第1側部S1の+Z方向の位置との距離である。言い換
えると、太陽電池部11の傾斜角度が変化する間に、第1側部S1が+Z方向に移動した距離である。
図22の例では、第1垂直移動距離L1vは、変化する前の傾斜角度θ1のときの第1側部S1の+Z方向の位置から、変化した後の傾斜角度θ2のときの第1側部S1の+Z方向の位置との間の距離であってもよい。
L1v=W|sinθ2―sinθ1| ・・・式(2)
【0116】
ところで、複数の太陽電池部11のうち、+Z方向において最も上に位置する太陽電池
部11を上端太陽電池部11uとする場合、上端太陽電池部11uと筐体部13との距離は、上端太陽電池部11uの短手方向の幅よりも小さくしてもよい。言い換えると、上端太陽電池部11uの第2側部S2と第2吊下げ部14bとの接点と筐体部13の下面との距離は、上端太陽電池部11uの短手方向の幅よりも小さくしてもよい。このようにすることで、遮光状態とした場合、上端太陽電池部11uと筐体部13の下面との間に隙間ができず、ブラインド装置Ap1の遮光性を向上させることができる。
【0117】
<1-3.制御装置Ap2>
制御装置Ap2は、ブラインドシステムSY1内で、ブラインド装置Ap1の動作を制御する。制御装置Ap2は、指示情報をブラインド装置Ap1に送信することで、ブラインド装置Ap1を制御する。制御装置Ap2は、ブラインド装置Ap1ごとに異なる指示情報を送信してもよく、制御するブラインド装置Ap1の全体に同一の指示情報を送信してもよい。
【0118】
制御装置Ap2は、指示情報を作成する。制御装置Ap2は、ブラインドシステムSY1のユーザからの入力があった場合に指示情報を作成してもよい。例えば、ブラインドシステムSY1のユーザが表示装置Ap3を介して入力した情報に基づいて指示情報を作成する。例えば、ブラインドシステムSY1のユーザが、採光状態から遮光状態に変更する入力をした場合、制御装置Ap2は、遮光状態に変更することを指示する指示情報を作成してもよい。例えば、ブラインドシステムSY1のユーザが、傾斜角度を1段階大きくする入力をした場合、制御装置Ap2は、ユーザの入力した量に対応する量だけ太陽電池部11の傾斜角度を増加させることを指示する指示情報を作成してもよい。
【0119】
制御装置Ap2は、所定時間ごとに指示情報を作成してもよい。例えば、制御装置Ap2は、ブラインド装置Ap1に入射する太陽光の入射角度に基づいて、太陽電池部11の傾斜角度を変更することを指示する指示情報をブラインド装置Ap1に送信してもよい。この場合、例えば、制御装置Ap2は、ブラインド装置Ap1に入射する太陽光の角度に直交するように、太陽電池部11の傾斜角度を決定してもよい。このようにすることで、太陽電池部11の表面SFでの太陽光の反射を低減することができるため、太陽電池部11の内部に取り込まれ得る太陽光の量を増やすことができるため、太陽電池部11における発電効率を向上させることができる。
【0120】
<1-4.ブラインドシステムSY1の制御フロー>
次に、ブラインドシステムSY1の制御フローを、
図23を参照しつつ説明する。
【0121】
ステップST1において、制御装置Ap2は、指示情報を作成する。
【0122】
ステップST2において、制御装置Ap2は、指示情報をブラインド装置Ap1の通信部32に送信する。
【0123】
ステップST3において、ブラインド装置Ap1の制御部31(指示情報処理部311)は、指示情報の内容を処理する。
【0124】
ステップST4において、ブラインド装置Ap1の制御部31は、指示情報の内容を実行するように、ブラインド装置Ap1の他の構成を制御する。
【0125】
ステップST5において、ブラインド装置Ap1の制御部31(報告情報作成部312)は、報告情報を作成する。
【0126】
ステップST6において、ブラインド装置Ap1の通信部32は、報告情報を制御装置Ap2に送信する。報告情報を受信した制御装置Ap2は、報告情報の内容を、表示装置Ap3又はサーバ装置Ap4に送信してもよい。例えば、制御装置Ap2は、報告情報の内容を表示装置Ap3に表示させてもよい。例えば、太陽電池部11の傾斜角度又はブラインド装置Ap1の発電量が報告情報に含まれる場合に、当該報告情報に含まれていた太陽電池部11の傾斜角度又はブラインド装置Ap1の発電量を表示装置Ap3に表示させてもよい。
【0127】
<2.他の実施形態>
本開示は上述の実施形態1に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更及び改良等が可能である。
【0128】
<2-1.実施形態2 >
実施形態2では、実施形態1との相違点を中心に説明する。実施形態2は、実施形態1と異なり、第2垂直位置調整部15を備えない実施形態である。この場合、実施形態2に係るブラインド装置Ap12を、
図24を参照しつつ説明する。
【0129】
ブラインド装置Ap12は、第2垂直位置調整部15を備えないため、第1動作では第1A動作を、第3動作では第3A動作のみを行うことができる。ブラインド装置Ap12は、ブラインド装置Ap1において第2側部S2のZ方向に沿った移動距離が0である場合と考えてもよい。このような構成とすることで、ブラインド装置Ap12を構成する部品を減らし、ブラインド装置Ap12の構造を簡略化することができる。
【0130】
<2-2.実施形態3>
実施形態3では、実施形態1との相違点を中心に説明する。実施形態3は、実施形態1と異なり、第1垂直位置調整部14を備えない実施形態である。この場合、実施形態3に係るブラインド装置Ap13を、
図25を参照しつつ説明する。
【0131】
ブラインド装置Ap13は、第1垂直位置調整部14を備えないため、第1動作では第1B動作を、第3動作では第3B動作のみを行うことができる。ブラインド装置Ap13は、ブラインド装置Ap1において第1側部S1のZ方向に沿った移動距離が0である場合と考えてもよい。このような構成とすることで、X方向に沿った位置の調整とZ方向に沿った位置の調整とを、第1吊下げ部14b側と第2吊下げ部15b側とにそれぞれ分離することができるため、太陽電池部11の傾斜角度の調整を容易にすることができる。
【0132】
<2-3.実施形態4>
実施形態4では、実施形態1との相違点を中心に説明する。実施形態4は、実施形態1と異なり、第1水平位置調整部18に加えて、第2水平位置調整部41を備える実施形態である。以下では、実施形態4に係るブラインド装置Ap14を、
図26と
図27を参照しつつ説明する。
【0133】
実施形態4に係るブラインド装置Ap14は、実施形態1に係るブラインド装置Ap1に加えて、第2水平位置調整部41と、第3切替部42と、第4切替部43とをさらに備える。
【0134】
第2水平位置調整部41は、窓部Wi1と第2吊下げ部15bとの距離である第2距離L2を調整する。言い換えると、第2水平位置調整部41は、窓部Wi1に対する、第2吊下げ部15bの水平方向(X方向)における位置を調整する。言い換えると、第2水平位置調整部41は、窓部Wi1に対する、太陽電池部11の第2側部S2の水平方向(X方向)における位置を調整する。ここで、第2距離L2は、窓部Wi1と、第2吊下げ部15bが-Z方向に垂れ下がる位置との距離と考えてもよい。例えば、第2距離L2は、第1吊下げ部14bが-Z方向に垂れ下がる位置を仮想面に投影した位置と第2吊下げ部15bが-Z方向に垂れ下がる位置を当該仮想面に投影した位置とを含む仮想線上における、第2吊下げ部15bが-Z方向に垂れ下がる位置を仮想面に投影した位置と窓部Wi1を仮想面に投影した線分との距離と考えてもよい。
【0135】
例えば、
図26及び
図27のように、第2吊下げ部15bがコードである場合、第2水平位置調整部41は、X方向(水平方向)に沿って移動できる滑車(第2滑車)であってもよい。この場合、第2吊下げ部15bは、一方の端部(第3端部T3)が錘部12に接続され、もう一方の端部(第4端部T4)が第2駆動部15aに接続される。そして、第2吊下げ部15bは、第3端部T3と第4端部T4との間において、第2水平位置調整部41(第2滑車)と当接する。例えば、第2滑車が+X方向に移動することで、第2吊下げ部15bと第2滑車とが当接する位置も+X方向に移動する。これにより、第2吊下げ部15bが-Z方向(垂直方向)に垂れ下がる位置が+X方向に移動するため、窓部Wi1と第2吊下げ部15bとの距離である第2距離L2が増加する。このようにすることで、窓部Wi1と太陽電池部11の第2側部S2との間に空間を作ることで、太陽電池部11の温度が上昇することを緩和することができる。第2水平位置調整部41は、水平方向動力源部22から動力を受けて駆動する。なお、第2水平位置調整部41は上述した第2滑車に限定されない。第2水平位置調整部41は、実施形態5または実施形態6における第1水平位置調整部18のような構成が適用されてもよい。
【0136】
第3切替部42は、水平方向動力源部22から第1水平位置調整部18に伝えられる動力を調整する部材である。例えば、第3切替部42は、第1動作又は第2動作の実行中に、水平方向動力源部22からの動力を第1水平位置調整部18に伝えてもよい。例えば、第3切替部42は、展開動作又は収納動作の実行中に、水平方向動力源部22からの動力を第1水平位置調整部18に伝えないようにしてもよい。
【0137】
第4切替部43は、水平方向動力源部22から第2水平位置調整部41に伝えられる動力を調整する部材である。例えば、第4切替部43は、第1動作又は第2動作の実行中に、水平方向動力源部22からの動力を第2水平位置調整部41に伝えてもよい。例えば、第4切替部43は、展開動作又は収納動作の実行中に、水平方向動力源部22からの動力を第1水平位置調整部18に伝えないようにしてもよい。
【0138】
<2-2.実施形態5>
実施形態5では、実施形態1との相違点を中心に説明する。実施形態5は、実施形態1と異なり、第1垂直位置調整部14と第1水平位置調整部18の構成が異なる実施形態である。具体的には、第1垂直位置調整部14と第1水平位置調整部18とが一体となっている実施形態である。以下では、実施形態5に係るブラインド装置Ap15を、
図28及び
図29を参照しつつ説明する。
【0139】
実施形態5に係る第1垂直位置調整部14は、
図28及び
図29に示すように、所定の点を中心とした円弧状を移動することができるように構成されてもよい。この場合、第1吊下げ部14bの+Z方向側の端部又は当該端部に接続する部材であってもよい。ここで、所定の点は、太陽電池部11が水平面FSに対して平行である場合(太陽電池部11の
傾斜角度が0度である場合)における、第1垂直位置調整部14の存在する仮想面に、第2吊下げ部15bを投影した点である。なお、第2吊下げ部15bが図形である場合は、その内部の点又はその中心点を所定の点と考えてもよい。なお、この場合の当該円弧の半径は、太陽電池部11の第1側部S1から第2側部S2までの間の幅に相当する。このような構成とすることで、ブラインド装置Ap15の構造を簡略化することができる。
【0140】
<2-5.実施形態6>
実施形態6では、実施形態1との相違点を中心に説明する。実施形態6は、実施形態1と異なり、第1吊下げ部14bの構成が異なる実施形態である。以下では、実施形態6に係るブラインド装置Ap16を、
図30から
図32を参照しつつ説明する。
図30は、収納状態Con1の状態のブラインド装置Ap16を示した模式図である。
図31は、水平状態Con2の状態のブラインド装置Ap16を示した模式図である。
図32は、第1傾斜状態Con3の状態のブラインド装置Ap16を示した模式図である。
【0141】
実施形態6に係る第1吊下げ部14bは、垂直方向(Z方向)に延びる板状の部材であ
る。第1吊下げ部14bは、垂直方向(Z方向)に延びる間隙部Gを有している。間隙部
Gには、太陽電池部11の第1側部S1に設けられた第1突起部11pがはめ込まれている。第1突起部11pは、Z方向に沿って、間隙部Gを上下することができる。また、間
隙部Gには、錘部12の+X方向側の側面に設けられた第2突起部12pもはめ込まれて
いる。第2突起部12pも、Z方向に沿って、間隙部Gを上下することができる。
【0142】
実施形態6においても、第1水平位置調整部18がX方向に沿って移動することで、太
陽電池部11の傾斜角度を調整することができる。例えば、
図32のように、第1水平位置調整部18が-X方向に向かって移動することで、太陽電池部11を傾斜させることができる。また、例えば、
図30のように、昇降駆動部16aが昇降吊下げ部16bを巻き上げることで、ブラインド装置Ap16を収納状態Con1とすることができる。
【0143】
<2-6.実施形態7>
実施形態7では、実施形態1との相違点を中心に説明する。実施形態7は、実施形態1と異なり、垂直方向動力源部21と水平方向動力源部22とが一体となっている実施形態である。以下では、実施形態7に係るブラインド装置Ap17を、
図33を参照しつつ説明する。
図33は、収納状態Con1の状態のブラインド装置Ap17を示した模式図である。
【0144】
動力源部70は、第1駆動部14a、第2駆動部15a、第1水平位置調整部18及び昇降駆動部19aが駆動するための動力をそれぞれに与える。動力源部70は、例えば、モーターによって動力を発生させてもよい。また、動力源部70は、太陽電池部11の昇降を操作するためのコードである昇降コード(操作コード)を、ブラインド装置Ap1のユーザが引っ張る力を用いて動力を発生させてもよい。
【0145】
実施形態7に係るブラインド装置Ap17では、垂直方向動力源部21と水平方向動力源部22とを別々に有するかわりに、動力源部70のひとつにまとめている。このようにすることで、ブラインド装置Ap17の筐体部13内の部材を減らすことができる。これにより、ブラインド装置Ap17の構造を簡略化することができる。
【0146】
<2-7.実施形態8>
実施形態8では、実施形態1との相違点を中心に説明する。実施形態8は、実施形態1と異なり、第1水平位置調整部18が固定されている実施形態である。以下では、実施形態78に係るブラインド装置Ap18を、
図34から
図36を参照しつつ説明する。
図34は、収納状態Con1の状態のブラインド装置Ap18を示した模式図である。
図35
は、第1傾斜状態Con3の状態のブラインド装置Ap18を示した模式図である。
図36は、第1垂直状態Con4の状態のブラインド装置Ap18を示した模式図である。
【0147】
実施形態8では、第1吊下げ部14bは、上側吊下げ部14b1と下側吊下げ部14b2と含む。上側吊下げ部14b1は、第1駆動部14aと上端太陽電池部11uの第1側部S1とを接続する部材である。上側吊下げ部14b1は、第1水平位置調整部18に接している。一方で、下側吊下げ部14b2は、上端太陽電池部11uの第1側部S1と錘部12とを接続する部材である。上側吊下げ部14b1及び下側吊下げ部14b2は、例えば、紐状、鎖状又は帯状等の細長い部材で構成されてもよい。また、上側吊下げ部14b1及び下側吊下げ部14b2は、例えば、はしご状のコード(ラダーコード)であってもよく、Z方向に延びる1本のコードであってもよい。
【0148】
実施形態8では、第1水平位置調整部18は、ブラインド装置Ap18が第1垂直状態Con4又は第2垂直状態Con6である場合に、上側吊下げ部14b1のうち第1水平位置調整部18と上端太陽電池部11uとの間に位置する部分が、Z方向において第2吊下げ部15bに略平行となる位置に固定されている。この場合、第1駆動部14aが上側吊下げ部14b1を巻き取ることで、太陽電池部11(上端太陽電池部11u)の第2側部S2に対する、太陽電池部11(上端太陽電池部11u)の第1側部S1のZ方向における位置が+Z方向に移動する。つまり、第1側部S1のZ方向における位置を+Z方向に移動させることで、第2側部S2に対する第1側部S1のZ方向における位置が+Z方向に移動する。この場合、第1吊下げ部14bの巻取り量で太陽電池部11の傾斜角度を調整できるため、ブラインド装置Ap1の構造を簡略化することができる。
【0149】
<2-9.その他の実施形態>
本開示を諸図面および実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づいた種々の変形および修正を行うことが可能であることに留意されたい。したがって、これらの変形および修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部およびステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、前述した本開示の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施することも可能である。
【0150】
<2-5.本開示のまとめ>
本開示には、以下の内容が含まれる。
【0151】
一実施形態において、(1)ブラインド装置は、自ブラインド装置が設置される窓部に相対する第2側部の反対側の側部である第1側部と、前記第2側部と、前記第1側部と前記第2側部とをつなぐ表面と、を有する太陽電池部と、水平面に対する前記表面の傾斜角度を調整する角度調整部と、を備える。前記角度調整部が前記傾斜角度を調整する際に、前記第2側部は前記窓部から遠ざからない。
【0152】
(2)上記(1)のブラインド装置において、前記角度調整部は、前記水平面に対する前記第1側部の垂直方向における位置である第1垂直位置を調整する第1垂直位置調整部、又は前記水平面に対する前記第2側部の前記垂直方向における位置である第2垂直位置を調整する第2垂直位置調整部の少なくともいずれか一方を備える。前記角度調整部は、前記窓部に対する前記第1側部の水平方向における位置である第1水平位置を調整する第1水平位置調整部を備える。前記角度調整部は、前記第1垂直位置調整部又は前記第2垂直位置調整部の少なくともいずれか一方及び前記第1水平位置調整部によって、前記窓部に対する前記第2側部の前記水平方向における位置である第2水平位置が前記窓部から遠
ざからないように、前記傾斜角度を調整する。
【0153】
(3)上記(1)から(2)のいずれかのブラインド装置において、前記角度調整部は、前記第1垂直位置調整部と、前記第2垂直位置調整部と、の双方を備える。前記角度調整部は、前記第1垂直位置調整部、前記第2垂直位置調整部及び前記第1水平位置調整部によって、前記窓部に対する前記第2側部の前記水平方向における位置である第2水平位置が前記窓部から遠ざからないように、前記傾斜角度を調整する。
【0154】
(4)上記(1)から(3)のいずれかのブラインド装置において、前記第1垂直位置調整部又は前記第2垂直位置調整部の少なくともいずれか一方が、前記第2垂直位置に対する前記第1垂直位置を前記垂直方向における上方向側に移動させ、かつ、前記第1水平位置調整部が、前記第1水平位置を前記窓部に近付けることで、前記傾斜角度の絶対値が増加する。
【0155】
(5)上記(1)から(3)のいずれかのブラインド装置において、前記第1垂直位置調整部又は前記第2垂直位置調整部の少なくともいずれか一方が、前記第2垂直位置に対する前記第1垂直位置を前記垂直方向における下方向側に移動させ、かつ、前記第1水平位置調整部が、前記第1水平位置を前記窓部に近付けることで、前記傾斜角度の絶対値が増加する。
【0156】
(6)上記(1)から(5)のいずれかのブラインド装置において、前記太陽電池部の短手方向は、前記第1側部から前記第2側部に向かう方向である第1方向であり、自ブラインド装置の筐体部と、複数の太陽電池部のうち前記垂直方向に沿って前記筐体部との距離が最も小さい前記太陽電池部である上端太陽電池部との距離は、前記上端太陽電池部の前記第1方向に沿った長さ以下である。
【0157】
(7)上記(1)から(6)のいずれかのブラインド装置において、前記第1垂直位置調整部と前記第2垂直位置調整部とに動力を与える動力源部をさらに備える。前記ブラインド装置は、前記動力源部から前記第1垂直位置調整部に伝えられる動力を調整する第1切替部、又は前記動力源部から前記第2垂直位置調整部に伝えられる動力を調整する第2切替部の少なくとのいずれか一方をさらに備える。
【0158】
一実施形態において、(8)ブラインドシステムは、上記(1)から(7)のいずれかのブラインド装置と、前記ブラインド装置を制御する制御装置と、を備える。前記ブラインド装置は、前記制御装置から受信した指示情報に基づいて、前記ブラインド装置を制御する制御部をさらに備える
【符号の説明】
【0159】
ブラインドシステム :SY1(SY1a、SY1b、SY1c)
ブラインド装置 :Ap1(Ap1a、Ap1b、Ap1c)、Ap12、Ap13、
Ap14、Ap15、Ap16、Ap17、Ap18
制御装置 :Ap2
表示装置 :Ap3
サーバ装置 :Ap4
配電盤装置 :Ap5
負荷装置 :Ap6
蓄電装置 :Ap7
発電装置 :Ap8
メータ装置 :Ap9
電力系統 :PS1
ネットワーク :N1
施設 :F1
開口部 :F11
屋内空間 :Spi
屋外空間 :Spo
窓部 :Wi1
開口縁部 :Wi11
透明部 :Wi12
窓枠 :Wi13
水平面 :FS
太陽電池部 :11
上端太陽電池部 :11u
表面 :SF
裏面 :SB
第1側部 :S1
第2側部 :S2
第3側部 :S3
第4側部 :S4
太陽電池モジュール :111
太陽電池素子 :111c
接続箱 :112
第1突起部 :11p
錘部 :12
第2突起部 :12p
筐体部 :13
角度調整部 :AA
第1垂直位置調整部 :14
第1駆動部 :14a
第1吊下げ部 :14b
第1端部 :T1
第2端部 :T2
間隙部 :G
第2垂直位置調整部 :15
第2駆動部 :15a
第2吊下げ部 :15b
第3端部 :T3
第4端部 :T4
第1切替部 :16
第2切替部 :17
第1水平位置調整部 :18
昇降調整部 :19
昇降駆動部 :19a
昇降吊下げ部 :19b
昇降切替部 :20
垂直方向動力源部 :21
水平方向動力源部 :22
制御部 :31
指示情報処理部 :311
報告情報作成部 :312
通信部 :32
記憶部 :33
第2水平位置調整部 :41
第3切替部 :42
第4切替部 :43
傾斜角度 :θ
第1傾斜角度 :θ1
第2傾斜角度 :θ2
第1距離 :L1
第2距離 :L2
収納状態 :Con1
水平状態 :Con2
第1傾斜状態 :Con3
第1垂直状態 :Con4
第2傾斜状態 :Con5
第2垂直状態 :Con6