(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154750
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20241024BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20241024BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241024BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20241024BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241024BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21V21/03 461
F21V23/00 150
F21V23/00 120
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068762
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 竜男
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA01
3K014AA01
3K014DA03
3K014DA08
(57)【要約】
【課題】モジュール基板の光源実装面に複数のLED素子を全体的に配置することができ、均一な発光面を実現することができる照明器具を提供する。
【解決手段】被取付部Cの配線器具に電気的且つ機械的に接続される引掛刃12が設けられる器具本体21と、引掛刃12と接続する電源基板22と、複数のLED素子23を配置したモジュール基板24と、器具本体21の照射面側に配置されるセード35と、を備える照明器具11において、モジュール基板24は、光源実装面24aに複数のLED素子23を備え、LED素子23は、光源実装面24aの平面視中央部を含むLED配置領域24Dに配置され、電源基板22は平面視でモジュール基板24と重なるように、モジュール基板24の光源実装面24aとは反対の面側に配置され、セード35はモジュール基板24の光源実装面24aを覆うように配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部の配線器具に電気的且つ機械的に接続される引掛刃が設けられる本体と、
前記引掛刃と接続する電源基板と、複数のLED素子を配置したモジュール基板と、前記本体の照射面側に配置されるセードと、
を備える照明器具において、
前記モジュール基板は、光源実装面に複数のLED素子を備え、前記LED素子は、光源実装面の平面視中央部を含むLED配置領域に配置され、
前記電源基板は平面視で前記モジュール基板と重なるように、前記モジュール基板の光源実装面とは反対の面側に配置され、前記セードは前記モジュール基板の光源実装面を覆うように配置される、照明器具。
【請求項2】
前記モジュール基板は、金属製のベース基板を用いて形成される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
電源ボックスを有し、
前記電源基板は、前記電源ボックス内に配置される、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記電源基板は、前記電源ボックスの側面の照射面側端面よりも取付面側に配置される、請求項3に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関し、詳細には、小型で薄型のLED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、LED素子を光源に使用したLED照明器具が公知となっており、特に天井面に設置された配線器具に接続される天井直付け型シーリングライトは公知となっている。
【0003】
従来技術の被取付部に取り付けられるLEDランプ本体は、基板と、LED素子からの熱を放熱する放熱部材と、基板及び放熱部材を保持するベース部材と、を備え、ベース部材に被取付部の配線器具に電気的かつ機械的に連結される引掛刃が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来の照明器具では、同一の基板に複数のLED素子と点灯回路が実装され、複数のLED素子が転倒回路を囲うように配置されている。このような構成においては、点灯回路が基板の中央部に配置され、基板の中央部にLED素子が配置されていないため、中央部付近が暗くなり均一な発光面を実現し難かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、モジュール基板の光源実装面に複数のLED素子を全体的に配置することができ、均一な発光面を実現することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
すなわち、本願に開示する照明器具は、被取付部の配線器具に電気的且つ機械的に接続される引掛刃が設けられる本体と、
前記引掛刃と接続する電源基板と、複数のLED素子を配置したモジュール基板と、前記本体の照射面側に配置されるセードと、
を備える照明器具において、
前記モジュール基板は、光源実装面に複数のLED素子を備え、前記LED素子は、光源実装面の平面視中央部を含むLED配置領域に配置され、
前記電源基板は平面視で前記モジュール基板と重なるように、前記モジュール基板の光源実装面とは反対の面側に配置され、前記セードは前記モジュール基板の光源実装面を覆うように配置されるものである。
【0009】
本願に開示する照明器具において、前記モジュール基板は、金属製のベース基板を用いて形成されることが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明器具において、前記電源基板は、前記電源ボックス内に配置されることが好ましい。
【0011】
本願に開示する照明器具において、前記電源基板は、前記電源ボックスの側面の照射面側端面よりも取付面側に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、モジュール基板の光源実装面に複数のLED素子を全体的に配置することができ、均一な発光面を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る照明器具を斜め上方から見た分解斜視図。
【
図2】同じく照明器具を示す斜め下方から見た分解斜視図。
【
図6】同じく解除ボタンを解除側へ移動させた状態の照明器具を示す平面図。
【
図9】同じく解除ボタンをロック側へ移動させた状態の照明器具を示す平面図。
【
図11】同じく器具本体および電源ボックスを示す底面図。
【
図12】同じく器具本体および電源ボックスを示す斜め下方から見た分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る照明器具11について、
図1から
図13を用いて説明する。本実施形態に係る照明器具11は、LED素子23を光源とする照明器具である。照明器具11は、例えば天井面等の被取付部Cに直接取り付けられる直付け型のシーリングライトとして使用することが可能である。なお、照明器具11は、天井面に限らず、壁面(傾斜面も含む)に取り付けてブラケットライトとして使用することも可能である。以下の説明では、照明器具11の光を照射する側を照明器具11の照射面側とし、照明器具11における被取付部Cに対向する側を照明器具11の取付面側(照射面側の反対側)として説明する。また、照明器具11の取付面側とは、照明器具11の背面側(裏面側)である。また、
図2等に示す照明器具11が被取付部Cに取付けられた状態において、被取付部Cに直交する方向を照明器具11の上下方向とした場合、照明器具11の取付面側を上方とし、照明器具11の照射面側の直下方向を下方として説明する。照明器具11の上下方向に対して直交する方向を照明器具11の側方として説明する。また、以下の説明において、上方から照明器具11等を視た状態を平面視とする。上下方向に対して直交方向から照明器具11等を視た状態を側面視とする。照明器具11等の断面形状を視た状態を断面視とする。
【0015】
照明器具11は、
図1および
図4に示すように、天井面等の被取付部Cにあらかじめ設置されている引掛けシーリング等の配線器具Cbに直接接続可能な引掛刃12を有する。引掛刃12の引掛端子12aを配線器具Cbの接続孔(図示せず)に挿入して照明器具11を回動することにより、被取付部Cに配置された配線器具Cbに電気的かつ機械的に接続される。これにより、別途引掛けシーリングキャップや引掛けシーリングアダプタのような接続部品や、木ねじ等取付部材を設けることなく、引掛刃12によって照明器具11を被取付部Cに配線器具Cbを介して取り付けることができる。
【0016】
図1から
図4に示すように、照明器具11は、一対の引掛刃12・12が設けられる器具本体21と、引掛刃12と接続する電源基板22を有する電源部と、複数のLED素子23を配置したモジュール基板24を有する光源部と、器具本体21の照射面側に配置されるセード35と、を備える。照明器具11の外形は、平面視において略円形状であって、照明器具11の高さ方向(
図2の照明器具11の上下方向)の寸法が、照明器具11の径方向(
図2の照明器具11の上下方向に対して直交方向)の寸法よりも小さく薄型で扁平な略円柱形状である。
なお、照明器具11の外形形状は、本実施形態に限定されるものではない。照明器具11の外形形状は、平面視において略円形状以外に、例えば、楕円形状、正方形状、長方形状、多角形状や扇形、またはそれらを組み合わせた形状にすることもできる。
本実施形態の引掛刃12は、Z型に折り曲げ加工して形成される。引掛刃12は、一方の端部に被取付面Cに設けられる配線器具Cbと接続可能な引掛端部12aを有し、他方の端部に電源基板22と接続するピン状の端子部12bを有する。引掛端部12a及び端子部12bの間に、引掛端部12a及び端子部12bと交差する平坦部12cを有する。
【0017】
本発明の照明器具における本体に相当する器具本体21は、
図4及び
図12に示すように、モジュール基板24、電源ボックス26、を内側に格納するとともに下部にセード35を取り付けるための取付端面を備えた下方が下方された有底円筒形部材である。器具本体21は、円筒部32と、円筒部32の下端部から下側に延出される円環状の周端部33と、円筒部32の上端を覆うように形成される上面部34と、を有している。
【0018】
器具本体21は、
図3に示すように、器具本体21の上面部34に引掛刃12の引掛端子12aを露出させるための貫通孔28が設けられている。貫通孔28は器具本体21の上面部34に二か所設けられており、引掛刃12の引掛端子12aの幅よりも大きく形成されている。器具本体21は、上面部34の照射面側から下方に延びるようにガイド筒部29・29を有する。ガイド筒部29・29は、引掛刃12・12の平坦部12bがねじ等で固定可能なように中途部に段差形状が形成される(
図5参照)。貫通孔28・28は、ガイド筒部29・29の開口と連続するように設けられる。ガイド筒部29は、開口部の内面に内側に突出する2つの凸部29a・29aが設けられている。引掛刃12の平坦部12cは、凸部29a・29aと対応する2つの切り欠きが設けられており、平坦部12cの切り欠きを凸部29a・29aと合わせることで、ガイド筒部29における引掛刃12の水平方向の位置を容易に位置決めするとともに位置ズレを抑止する。これにより、照明器具11の取付作業における回動する動作等による引掛刃21への負荷により引掛刃12の位置ズレを抑止することができる。引掛刃12が位置ズレしにくいため、端子部12bが位置ズレによる端子部12bの変形や電源基板22との接続不良を抑止する。
【0019】
器具本体21は、絶縁性を有する樹脂素材で構成することができる。本実施形態では、一例としてPBT(Poly Butylene Terephtalate)で構成した。なお、器具本体21はPBTに限らず、必要な絶縁性及び機械的強度を備える樹脂素材を使用して構成することができる。
【0020】
器具本体21は、照射面側の端部から下方側へ向かって突出する周端部33を有する。器具本体21の周端部33には、セード35の内周面が嵌合する。
また、周端部33には、周方向に沿って係合溝31が設けられている。周端部33の係合溝31に係合する係合爪30がセード35の内周面に形成される。
【0021】
器具本体21は、円筒部32の内面側に、上面部34の照射面側表面から上下方向に立設する壁部21bと、複数の第1ボス21c(本実施形態では3つ)と、第2ボス21dとを有する。
壁部21bの外形は、後述するモジュール基板24の外形の一部と平面視で沿う形状で形成される。壁部21bの照射面側端面は、モジュール基板24の取付面側の外周端付近と当接し、器具本体21におけるモジュール基板24の上下方向の位置を位置決めすることができる。
複数の第1ボス21cは、壁部21bに囲まれた空間に設けられる。本実施形態の3つの第1ボス21cは、モジュール基板24を固定する3つのネジ部材51にそれぞれ対応するように設けられる。モジュール基板24に設けられる3つの貫通孔24bを介して3つのネジ部材51をそれぞれ3つの第1ボス21cに螺合することで、モジュール基板24は器具本体21に固定される。
第2ボス21dは、後述する電源ボックス26と平面視で重なる位置に設けられる。本実施形態の第2ボス21dは、段差部26cと平面視で重なる位置に設けた。第2ボス21dは、電源基板22を固定するネジ部材52と対応するように設けられる。電源基板22に設けられる貫通孔(図示せず)を介してネジ部材52を第2ボス21dに螺合することで、電源基板22は電源ボックス26の段差部26cとともに器具本体21に共締めされる。これにより、電源基板22を段差部26cと密着性が高い状態で器具本体21に固定することができる。
【0022】
本実施形態の光源部は、モジュール基板24と、モジュール基板24に実装された複数のLED23を有する。モジュール基板24は、
図2、
図5及び
図6に示すように、光源実装面24aに複数のLED素子23と、を備える。電源基板22は、モジュール基板24に給電して複数のLED23を点灯させる点灯回路の回路部品を備える。モジュール基板24及び電源基板22は、器具本体21の照射面側に配置されており、照射面側にLED素子23実装されたモジュール基板24が配置され、取付面側に電源基板22が配置される。モジュール基板24及び電源基板22は、器具本体21の平面視で重なる位置に配置される。モジュール基板24は、その外周付近を器具本体21の側部21bの下端と当接するように配置される。
【0023】
また、モジュール基板24は、金属製のベース基板を用いて形成される。本実施形態のモジュール基板24は、アルミ基板を用いて形成した。金属製のベース基板は、熱伝導率が高いため、LED素子23などの発熱する部品からの熱を効率よく放熱することができる。特にアルミ基板は熱伝導率が高いため放熱性に優れ、LED素子23から生じる熱を、モジュール基板24の温度よりも周囲の温度が低い場合には、モジュール基板24の周囲に効率よく放熱することができる。
【0024】
LED素子23は、
図2、
図5及び
図6に示すように、モジュール基板24の照射面側である光源実装面24aに配置される。モジュール基板24の光源実装面24aは、白色のソルダーレジストが塗布されている。光源実装面24aを白色塗装することにより、光源実装面24aの光の反射率を高めることができ、LED素子23の光量を有効的に利用できるものである。
【0025】
図2に示すように、光源実装面24aには、LED素子23を配置するLED配置領域24Dが設けられる。LED配置領域24Dは少なくとも光源実装面24aの平面視中央部を含む領域である。本実施形態においては、LED配置領域24Dは、モジュール基板24の光源実装面24a全体に設けられており、複数のLED素子23は、平面視において均一に分散して配置されている。
このように構成することにより、発光源である複数のLED素子23が全体的に分散して配置されることで、均一な発光面を実現することができる。
【0026】
なお、本実施形態においては、LED配置領域24Dは、モジュール基板24の光源実装面24a全体に設けられているが、平面視中央部を含む領域であればよく、例えば、平面視中央部を含む帯状の領域に配置することも可能である。
【0027】
本実施形態の電源部は、電源回路が形成された電源基板22を有する。電源基板22は、絶縁性を有したプリント配線基板上に複数の電子部品が実装された電源回路が構成されている。電源基板22の電源回路は、モジュール基板24に実装されている複数のLED23に給電を行ってLED素子23を点灯させるための電源回路である。電源基板22は、引掛刃12の端子部12bと電気的及び機械的に接続されることで外部商用電源から交流電流が供給される。電源基板22は、引掛刃12を通じて供給される外部商用電源の交流電流を所定の直流電流に変換し、変換後の電流をモジュール基板24に実装された複数のLED素子23に供給して点灯させる。電源回路を構成する複数の電子部品の一部に、例えばコンデンサ等の発熱部品22aを有する。
本実施形態においては、引掛刃12と電源基板22とは、はんだ接合により接続される。電源基板22は、2つの引掛刃12の端子部12bとそれぞれ対応する位置に貫通孔22b・22bが設けられる。本実施形態の電源基板22は、2つのガイド筒部29・29と当接することによって、器具本体21における上下方向の位置について位置決めされる。これにより、電源基板22を引掛刃12に対する適正な位置に容易に配置することができる。電源基板22を所定の位置にセットすると、引掛刃12の端子部12bの先端が電源基板22の貫通孔22bに挿入された状態となる。その状態で電源基板22の照射面側からはんだ接合することにより引掛刃12と電源基板22とは物理的、且つ電気的に接続される。
【0028】
電源基板22は、
図1及び
図2に示すように、平面視長方形状に構成されており、電源ボックス26内に格納される。電源基板22及び電源ボックス26は、平面視でモジュール基板24と重なるように、モジュール基板24の光源実装面24aとは反対の面側(照明器具11の取付面側)に配置される。電源ボックス26は、少なくとも電源基板22に配置される前記発熱部品22aの取付面側を覆うように構成されている。
【0029】
電源ボックス26は、
図1から
図4に示すように、平面視長方形状の有底の箱状に形成され、電源基板22を収納可能に構成されている。電源ボックス26は、取付面側に配置される底板26aと、底板26aの周囲から下方へ立設する側板26bとを備える。側板26bは電源基板22の外周端を囲むように形成される。電源基板22は、側板26bによって電源ボックス26における前後左右方向を規制される。これにより、電源基板22を電源ボックス26の所定の位置に容易に配置することができる。また、取付面側の底面の一部において、他の部分よりも照射面側に配置された段差部26cを有する。電源ボックス26を器具本体21の所定の位置に配置すると、段差部26cはガイド筒部29の下端と略面一となる位置に配置される。これにより、電源基板22は段差部26cとガイド筒部29の両方と当接若しくは近接するように電源ボックス26内に配置される。電源基板22が段差部26cと当接若しくは密着するため、後述するように電源基板22から生じる熱が電源ボックス26に伝わりやすく放熱性を高めることができる。
なお、本実施形態においては、電源ボックス26は有底の箱状に形成されているが、これに限定するものではなく、例えば、側板26bの一部を切り欠いた形状や、複数のパーツを組み合わせて構成することもできる。
【0030】
電源ボックス26は、金属材料で構成されている。本実施形態の電源ボックス26は、アルミを用いて形成している。アルミのような金属材料は熱伝導率が高いため、このように構成することで放熱性の高い電源ボックス26を実現する。電源基板22の発熱部品などから生じる熱は、電源基板22やその周囲の空気に伝わり、さらに電源ボックス26に伝わる。特に、発熱部品22aの上方に金属材料で作成された電源ボックス26の底板26aを配置することで、発熱部品22aから生じる熱は、空気を介して電源ボックス26に伝わり、効率よく放熱することができる。
【0031】
電源ボックス26は、
図11から
図13に示すように、器具本体21の電源ボックス格納部21aに沿うように配置される。電源ボックス格納部21aには、電源ボックス26の側板26bの一部に沿う壁部21bが設けられている。壁部21bに側板26bを沿わせることにより、電源ボックス26を容易に器具本体21内の所定の位置に格納することができる。電源ボックス26は、器具本体21のガイド筒部29・29に対応する貫通孔26d・26dが設けられている。本実施形態においては、一方の貫通孔26dは底板26aに設けられ、他方の貫通孔26dは後述する段差部26cに設けられる。一方のガイド筒部29は底板26aに設けられた貫通孔26dを介して電源ボックス26の内側に配置される。ガイド筒部29は絶縁性を有する樹脂素材を用いて形成され、該ガイド筒部29に配置される引掛刃12と電源ボックス26が接触することを防止する。他方のガイド筒部29は、その開口が段差部26cの貫通孔26dと平面視で重なる位置に配置される。
本実施形態では、電源ボックス26は、電源ボックス格納部21a、壁部21bの一部及びガイド筒部29によって位置決めされて器具本体21に配置される。
【0032】
側板26bの照射面側端部は、
図2、
図4及び
図5に示すように、段差部26cよりも照射面側に突出している。電源基板22は、電源ボックス26の段差部26cと、器具本体21のガイド筒部29の開口端に当接するように配置されている。そのため、側板26bの照射面側端面よりも取付面側に配置される。このように構成することにより、電源基板22は、電源ボックス26の内部に格納され、電源ボックス26によって電源部から発生する熱を効率よく放熱することができる。
【0033】
側板26bの照射面側端部は、
図4及び
図5に示すように、モジュール基板24が当接若しくは近接している。モジュール基板24は、段差部26c及び電源基板22とは離隔するように配置されている。これにより、モジュール基板24と、電源基板22とは接触しないため、互いに対して直接の熱伝導を抑制することができる。
【0034】
照明器具11は、
図6から
図10に示すように、被取付部Cに設けられた配線器具Cbの接続孔と係合することで、配線器具Cbの接続孔と照明器具11の接続刃12との嵌合状態を保持するロック機構38を有する。
ロック機構38は、解除ボタン41と、ロックボタン42と、スプリング43と、を有する。解除ボタン41は、器具本体21の側面から器具本体21の径方向へ進退可能に構成されている。解除ボタン41を器具本体21内側へ押圧することにより、
図7に示すように、ロックボタン42は下方に移動し、器具本体21の内部に配置されるように構成されている。これにより、配線器具Cbの接続孔とロック機構38との係合状態を解除する。
【0035】
ロックボタン42は、被取付部Cに設けられた配線器具Cbの接続孔と係合可能に構成されたボタンである。スプリング43は、一端側がロックボタン42と当接し、他端側が、電源ボックス26の段差部26cの取付側面と当接するように構成されている。本実施形態のスプリング43は、円筒形の圧縮コイルばねに形成した。電源ボックス26の段差部26cは取付面側に突出する凸部26eを有し、段差部26c側のスプリング43の端部は、その内側に凸部26eが配置されるように段差部26cと当接する。これにより、段差部26c側のスプリング43の端部は容易に位置決めするともに、スプリング43の弾性力による位置ズレを抑止する。ロック機構38の一部は、段差部26cと器具本体21の上面部34との間に配置される。このように配置することで、ロック機構38の一部を電源ボックス26と平面視及び側面視で重なる位置に配置することができる。この構成は、ロック機構38が電源ボックス26と重ならないように配置される構成と比べて、高さ方向及び幅方向に対して大型化することを抑止する。これにより、ロック機構38を有する照明器具11の小型化を実現する。
【0036】
解除ボタン41は、径方向内側端部にロックボタン42の傾斜面42aと接触する解除側傾斜面41aを備えている(
図2参照)。
図6から
図8に示すように、解除ボタン41を径方向内側に移動させると、ロックボタン42は、解除側傾斜面41aの移動に合わせて、下方へ押圧される。また、
図9及び
図10に示すように、通常時においてロックボタン42は、スプリング43の弾性力によって上方へ押圧され、器具本体21の上面部34から露出している。作業者が解除ボタン41を径方向に内側へ押し込むと、
図6及び
図7に示すように、解除ボタン41は器具本体21の径方向内側に移動し、スプリング43の弾性力に抗して解除ボタン42を下方へ移動させる。これにより、解除ボタン42は器具本体21内に格納された器具本体21の上面部34から突出しない状態となる。
【0037】
このように構成することにより、解除ボタン41を押していないときは、スプリング43の弾性力により、ロックボタン42の上端が器具本体21上面部34から上方へ突出する。ロックボタン42の上端が、配線器具Cbの接続孔に挿入されることで接続刃12が配線器具Cbから離脱することを抑止する。このようにして、照明器具11は配線器具Cbから離脱不能に被取付部Cに固定される。
【0038】
また、解除ボタン41を径方向内側へ押圧した場合は、ロックボタン42は、スプリング43の弾性力に抗して下方へ移動する。これにより、ロックボタン42の上端が器具本体21内に格納される。ロックボタン42の上端が、配線器具Cbの接続孔から離脱した状態となることで、照明器具11は被取付部Cに設けられる配線器具Cbから離脱可能になる。
【0039】
このように構成することにより、被取付部Cに設けられる配線器具Cbから照明器具11が脱落することを抑止する。作業者は解除ボタン41を操作することにより、容易に照明器具11を配線器具Cbとの係合状態から被係合状態に変更することができる。
【0040】
セード35は、
図4から
図6に示すように、モジュール基板24の光源実装面24aを覆うように配置される。セード35は、少なくとも光源実装面24aを覆うように器具本体21に取り付けられ、光源実装面24a(LED素子23)から出射された光を反射及び拡散させつつ導光し、セード35の外部へ出射される光を配光制御する透光性部材である。セード35は、モジュール基板24と対向するように配置され、モジュール基板24の照射面側に配置された光源実装面24a(LED素子23)から出射された光を導光して、面発光としてセード35の外部に出射可能である。セード35は、透光性を有する樹脂素材で形成されている。セード35は、拡散処理がなされている。本実施形態のセード35においては、器具本体21の開口から露出する照射面側の表面に対し、ドットパターンで白色(半透光性)のシルク印刷にて印刷層を形成させた。セード35は、ドットパターンの印刷層を形成したものに限らず、例えば、ドットパターン以外の印刷層を形成したもの、微細な凹凸を表面に形成したシボ加工(フロスト加工)を施したもの、内部に拡散剤を混入させたもの、拡散反射シートを貼り付けたもので構成することもできる。
【0041】
以上説明した本実施形態に係る照明器具11によれば、被取付部Cの配線器具Cbに電気的且つ機械的に接続される引掛刃12が設けられる器具本体21と、引掛刃12と接続する電源基板22と、複数のLED素子23を配置したモジュール基板24と、器具本体21の照射面側に配置されるセード35と、を備える照明器具11において、モジュール基板24は、光源実装面24aに複数のLED素子23を備え、LED素子23は、光源実装面24aの平面視中央部を含むLED配置領域24Dに配置され、電源基板22は平面視でモジュール基板24と重なるように、モジュール基板24の光源実装面24aとは反対の面側に配置され、セード35はモジュール基板24の光源実装面24aを覆うように配置される。
これにより、電源基板22とモジュール基板24とが重なるように、モジュール基板24の光源実装面24aと反対の面側に配置されることにより、電源基板22の配置に影響されることなくLED配置領域24Dを設けることができる。このように構成することにより、モジュール基板24の光源実装面24aに複数のLED素子23を全体的に配置することができ、均一な発光面を実現することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る照明器具11では、モジュール基板24は、金属製のベース基板を用いて形成される。
これにより、LED素子23から生じる熱に対して放熱性を高めることができる。
【0043】
また、本実施形態に係る照明器具11では、電源ボックス26を有し、電源基板22は、電源ボックス26内に配置される。
これにより、電源ボックス26内に電源基板22を配置することで、器具本体21内での位置決めが容易となる。また、電源ボックス26の放熱性によって、電源基板22の発熱部品等から発生する熱に対して放熱性を高めることができる。
【0044】
また、本実施形態に係る照明器具11では、電源基板22は、電源ボックス26の側板26bの照射面側端面よりも取付面側に配置される。これにより、電源基板22は、電源ボックス26の内部に配置され、電源ボックス26によって電源基板22の上方及び側方が囲まれるため、電源ボックス26の放熱性を効率的に利用することができる。
また、電源基板22は、電源ボックス26によりモジュール基板24との間に隙間を設けて配置される。電源基板22及びモジュール基板24は互いと接触しないため、それぞれから生じる熱に対して互いに直接の熱伝導を抑制することができる。これにより、電源基板22及びモジュール基板24のそれぞれから生じる熱の互いへの伝導を低減させることができる。
【0045】
また、本実施形態に係る照明器具11では、モジュール基板24は、光源実装面24aに複数のLED素子23を備え、LED素子23は、光源実装面24aの平面視中央部を含むLED配置領域24Dに配置され、電源基板22は平面視でモジュール基板24と重なるように、モジュール基板24の光源実装面24aとは反対の面側に配置され、金属製の電源収納部である電源ボックス26を備え、前記電源ボックス26は、少なくとも電源基板22に配置されるコンデンサ等の発熱部品22aの取付面側(上方)を覆うものである。
これにより、電源ボックス26は少なくとも電源基板22に配置される発熱部品の上方を覆うので、電源基板22の発熱部品22a等から発生する熱に対して放熱性を高めることができる。
【0046】
また、電源ボックス26は有底の箱状に形成され、電源基板22は、電源ボックス26内に配置されるものである。
これにより、電源基板22は、電源ボックス26の内部に容易に配置されるため、照明器具11の組立性を高めるとともに、電源ボックス26の放熱性を効率的に利用することができる。
【0047】
また、電源ボックス26は、取付面側の底面の一部において、他の部分よりも照射面側に配置された段差部26cを有するものである。
これにより、段差部26cを利用して、容易に電源基板22を電源ボックス26内に配置することができる。
【0048】
また、器具本体21は、電源ボックス26の側板26bの一部に沿う壁部21bを有するものである。
これにより、電源ボックス26を壁部21bに沿って配置することができるので組立性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0049】
11 照明器具
21 器具本体(本体)
22 電源基板
22a 蓄熱部
23 LED素子
24 モジュール基板
24a 光源実装面
24D LED配置領域
26 電源ボックス(電源収納部)
26a 底板
26b 側板
26c 段差部
30 係合爪
31 係合溝
32 円筒部
33 周端部
35 セード
38 ロック機構
41 解除ボタン
42 ロックボタン
43 スプリング