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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154752
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】発光素子および発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20241024BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20241024BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20241024BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20241024BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/32
H01L33/08
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068771
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五所野尾 浩一
【テーマコード(参考)】
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
5F142AA35
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB03
5F142CB14
5F142CB18
5F142CD02
5F142CD15
5F142CD44
5F142CD47
5F142FA46
5F241AA21
5F241CA05
5F241CA13
5F241CA40
5F241CA88
5F241CA94
5F241CB14
5F241CB16
5F241CB29
5F241FF06
(57)【要約】
【課題】n電極から離れた領域の駆動に必要な電圧を低減することが可能な発光素子を提供する。
【解決手段】フリップチップ型の発光素子であって、III族窒化物半導体からなるn層と、n層上に設けられ、III族窒化物半導体からなる活性層と、活性層上に設けられ、III族窒化物半導体からなるp層と、p層の一部領域に設けられ、前記n層に達する深さを有する溝と、溝の底面に露出するn層上に設けられたn電極と、p層上に設けられたp電極と、n層表面のうち活性層側とは反対側の面に設けられ、活性層からの光を透過する領域を有した導電膜と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリップチップ型の発光素子であって、
III族窒化物半導体からなるn層と、
前記n層上に設けられ、III族窒化物半導体からなる活性層と、
前記活性層上に設けられ、III族窒化物半導体からなるp層と、
前記p層の一部領域に設けられ、前記n層に達する深さを有する溝と、
前記溝の底面に露出する前記n層上に設けられたn電極と、
前記p層上に設けられたp電極と、
前記n層表面のうち前記活性層側とは反対側の面に設けられ、前記活性層からの光を透過する領域を有した導電膜と、
を有する発光素子。
【請求項2】
前記導電膜上に、誘電体多層膜からなるフィルタをさらに有し、
前記フィルタの透過スペクトルは、
前記活性層の発光波長のピークをλとして、λを含む帯域に透過帯域を有し、λよりも短波長側に阻止帯域を有し、前記阻止帯域は前記活性層の発光スペクトルと重なる、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
個々に発光するサブピクセルが2次元的に配列されたモノリシックマイクロLEDである、請求項1または請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記導電膜は、透明導電性材料からなる、請求項1または請求項2に記載の発光素子。
【請求項5】
前記n層の前記導電膜側の面であって各サブピクセルに対向する位置にマイクロレンズを有し、
前記n層の前記導電膜側の面のうち、前記マイクロレンズを除く領域に、前記導電膜が設けられ、前記導電膜は、前記活性層からの光を透過しない材料からなる、請求項3に記載の発光素子。
【請求項6】
前記n層から前記p層までの総膜厚は、前記サブピクセルの幅の3倍以下である、請求項5に記載の発光素子。
【請求項7】
前記n層から前記p層までの総膜厚は、前記サブピクセルの幅の2倍以下である、請求項5に記載の発光素子。
【請求項8】
請求項3に記載の発光素子と、
前記発光素子の前記n電極および前記p電極と接続され、前記発光素子の前記サブピクセルを個別に駆動する駆動回路を有したバックプレーンと、
を有する発光装置。
【請求項9】
前記バックプレーンは、LED側とは反対側の面に、前記駆動回路と接続された裏面電極を有する、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
平面視において前記発光素子の外周と前記バックプレーンの外周が一致している、請求項8に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子および発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイの高精細化が求められており、マイクロLEDディスプレイが注目されている。マイクロLEDディスプレイは、1~100μmオーダーの微小なLEDをマトリクス状に配列し、その微小なLEDを1つのサブピクセルとしたディスプレイである。マイクロLEDディスプレイには、マイクロLEDが個々のチップである構造と、1つのチップに複数のマイクロLEDを作製したモノリシック型の構造が知られている。特許文献1には、そのようなモノリシックマイクロLEDが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-158179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モノリシックマイクロLEDでは、サブピクセルを密に配列するため、n電極を素子外周部に設けることが考えられる。この場合、素子中央部のサブピクセルは素子端部のサブピクセルに比べてn電極から遠くなる。
【0005】
しかし、そのようなモノリシックマイクロLEDの場合、中央部のサブピクセルの駆動に必要な電圧が、端部のサブピクセルの駆動に必要な電圧よりも高くなってしまう。これは、中央部のピクセルから外周部のn電極までn層を電流が流れ、そのn層のシート抵抗に応じた電圧降下が生じるためである。
【0006】
また、モノリシックマイクロLEDでは、n層の厚さを薄くしたいという要望がある。基板の反りを抑制するためである。また、n層での光の拡散を抑え、隣接するサブピクセル間で光が混合しないようにするためである。
【0007】
しかし、n層を薄くすると、n層のシート抵抗は増加し、中央部のサブピクセルの駆動に必要な電圧がより大きくなってしまう。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、n電極から離れた領域の駆動に必要な電圧が低減された発光素子を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、
フリップチップ型の発光素子であって、
III族窒化物半導体からなるn層と、
前記n層上に設けられ、III族窒化物半導体からなる活性層と、
前記活性層上に設けられ、III族窒化物半導体からなるp層と、
前記p層の一部領域に設けられ、前記n層に達する深さを有する溝と、
前記溝の底面に露出する前記n層上に設けられたn電極と、
前記p層上に設けられたp電極と、
前記n層表面のうち前記活性層側とは反対側の面に設けられ、前記活性層からの光を透過する領域を有した導電膜と、
を有する発光素子にある。
【発明の効果】
【0010】
上記態様によれば、n層に導電膜を設けることでn層のシート抵抗を実質的に下げることができる。その結果、n電極から離れた領域の駆動に必要な電圧を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1における発光装置の構成を示した断面図であって発光装置の主面に垂直な断面。
図2】モノリシックマイクロLEDを電極側から見た平面図。
図3】実施形態1における発光装置の製造工程を示した図。
図4】実施形態1における発光装置の製造工程を示した図。
図5】実施形態1における発光装置の製造工程を示した図。
図6】実施形態1における発光装置の製造工程を示した図。
図7】実施形態1における発光装置の製造工程を示した図。
図8】実施形態1における発光装置の製造工程を示した図。
図9】実施形態1における発光装置の製造工程を示した図。
図10】実施形態1における発光装置の製造工程を示した図。
図11】実施形態1における発光装置の製造工程を示した図。
図12】実施形態2における発光装置の構成を示した断面図であって発光装置の主面に垂直な断面。
図13】実施形態3における発光装置の構成を示した断面図であって発光装置の主面に垂直な断面。
図14】実施形態4における発光装置の構成を示した断面図であって発光装置の主面に垂直な断面。
図15】フィルタの透過スペクトルを示したグラフ。
図16】第3活性層からの赤色光のスペクトルを示したグラフ。
図17】モノリシックマイクロLEDの色域を示した色度図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発光素子は、フリップチップ型である。発光素子は、III族窒化物半導体からなるn層と、n層上に設けられ、III族窒化物半導体からなる活性層と、活性層上に設けられ、III族窒化物半導体からなるp層と、p層の一部領域に設けられ、n層に達する深さを有する溝と、溝の底面に露出するn層上に設けられたn電極と、p層上に設けられたp電極と、n層表面のうち活性層側とは反対側の面に設けられ、活性層からの光を透過する領域を有した導電膜と、を有する。
【0013】
導電膜上に、誘電体多層膜からなるフィルタをさらに有し、フィルタの透過スペクトルは、活性層の発光波長のピークをλとして、λを含む帯域に透過帯域を有し、λよりも短波長側に阻止帯域を有し、阻止帯域は活性層の発光スペクトルと重なるようにしてもよい。
【0014】
個々に発光するサブピクセルが2次元的に配列されたモノリシックマイクロLEDであってもよい。
【0015】
導電膜は、透明導電性材料からなるものであってもよい。
【0016】
n層の導電膜側の面であって各サブピクセルに対向する位置にマイクロレンズを有し、n層の導電膜側の面のうち、マイクロレンズを除く領域に、導電膜が設けられ、導電膜は、活性層からの光を透過しない材料からなるものであってもよい。
【0017】
n層からp層までの総膜厚は、サブピクセルの幅の3倍以下であってもよい。また、n層からp層までの総膜厚は、サブピクセルの幅の2倍以下であってもよい。
【0018】
発光装置は、上記の発光素子と、発光素子のn電極およびp電極と接続され、発光素子のサブピクセルを個別に駆動する駆動回路を有したバックプレーンと、を有する。
【0019】
バックプレーンは、LED側とは反対側の面に、駆動回路と接続された裏面電極を有していてもよい。
【0020】
平面視において発光素子の外周とバックプレーンの外周が一致していてもよい。
【0021】
(実施形態1)
図1は、実施形態1における発光装置の構成を示した断面図であり、基板主面に垂直な方向における断面である。実施形態1における発光装置は、モノリシックマイクロLED100と、それを駆動するバックプレーン200によって構成されている。
【0022】
モノリシックマイクロLED100は、青、緑、赤を発光する発光素子が2次元的に配列された1チップの素子であり、フリップチップ型である。各発光素子がディスプレイの1サブピクセルとなる。
【0023】
バックプレーン200は、モノリシックマイクロLED100と接続され、モノリシックマイクロLED100を駆動するための駆動回路が形成された基板である。図1に示すように、モノリシックマイクロLED100はバックプレーン200にフリップチップ実装されている。このような構成とすることで、モノリシックマイクロLED100と駆動回路間の配線が必要なくなり、モノリシックマイクロLED100の微細化、高精細化による配線での電圧降下、信頼性などの問題が生じなくなる。
【0024】
1.モノリシックマイクロLED100の構成
モノリシックマイクロLED100は、図1に示すように、n層101と、第1活性層102と、第1中間層103と、第2活性層104と、第2中間層105と、第3活性層106と、保護層107と、が順に積層された層と、再成長層であるp層108と、pコンタクト電極109と、p電極110と、n電極111と、導電膜112と、を有している。
【0025】
n層101は、n型のIII族窒化物半導体である。たとえばn-GaN、n-AlGaN、n-InGaNなどである。Si濃度は、たとえば1×1018~100×1018cm-3である。
【0026】
n層101の厚さは3μm以下が好ましい。モノリシックマイクロLED100の反りを低減するためである。より好ましくは1μm以下である。また、n層101の厚さは0.5μm以上が好ましい。
【0027】
第1活性層102は、n層101の表面のうち光取り出し側とは反対側の面(マイクロレンズ113が設けられている側とは反対側の面)に設けられている。第1活性層102は、SQWまたはMQW構造の発光層である。発光波長は青色であり、440~480nmである。第1活性層102はAlGaNからなる障壁層とInGaNからなる井戸層を交互に1~9ペア積層させた構造である。より好ましくは1~7ペア、さらに好ましくは1~5ペアである。
【0028】
n層101と第1活性層102の間に、必要に応じてESD層や下地層を設けてもよい。ESD層は、静電耐圧向上のために設ける層である。たとえばノンドープまたは低濃度にSiがドープされたGaN、InGaN、またはAlGaNである。
【0029】
下地層は、超格子構造の半導体層であり、半導体層の格子歪みを緩和するための層である。たとえば、組成の異なるIII族窒化物半導体薄膜(たとえばGaN、InGaN、AlGaNのうち2つ)を交互に積層させたものであり、ペア数はたとえば3~30である。ノンドープでもよいし、Siを1×1017~100×1017cm-3程度ドープしてもよい。また、歪を緩和できるのであれば超格子構造でなくてもよい。第1活性層102とのヘテロ界面で格子定数差が小さくなるような材料であればよく、たとえば、InGaN層、AlInN層、AlGaInN層であってもよい。
【0030】
第1中間層103は、第1活性層102の表面のうちn層101側とは反対側の面に設けられている。第1中間層103は、第1活性層102からの発光と第2活性層104からの発光とを個別に制御可能とするために設ける層である。また、後述の溝121を形成する際に第1活性層102をエッチングダメージから保護する役割も有する。
【0031】
第1中間層103の材料は、GaNやInGaNである。ノンドープでもよいしn型であってもよい。In組成の異なる複数の層で構成してもよいし、ノンドープ層とn型層の2層としてもよい。
【0032】
第2活性層104は、第1中間層103の表面のうちn層101側とは反対側の面に設けられている。第2活性層104は、SQWまたはMQW構造の発光層である。発光波長は緑色であり、520~550nmである。第2活性層104はAlGaNからなる障壁層とInGaNからなる井戸層を交互に1~7ペア積層させた構造である。より好ましくは1~5ペア、さらに好ましくは1~3ペアである。また、第1活性層102のペア数と等しいか少ないことが好ましく、少ないことがより好ましい。
【0033】
第2中間層105は、第2活性層104の表面のうちn層101側とは反対側の面に設けられている。第2中間層105は、第1中間層103と同様の理由により設けられたものであり、第2活性層104からの発光と第3活性層106からの発光とを個別に制御可能とするために設ける層である。また、後述の溝122を形成する際に第2活性層104をエッチングダメージから保護する役割も有する。第2中間層105の材料は第1中間層103と同様であり、同一材料としてもよい。
【0034】
第3活性層106は、第2中間層105の表面のうちn層101側とは反対側の面に設けられている。第3活性層106は、SQWまたはMQW構造の発光層である。発光波長は赤色であり、600~630nmである。第3活性層106はAlGaNからなる障壁層とInGaNからなる井戸層を交互に1~7ペア積層させた構造である。より好ましくは1~5ペア、さらに好ましくは1~3ペアである。また、第2活性層104のペア数と等しいか少ないことが好ましく、少ないことがより好ましい。
【0035】
保護層107は、第3活性層106の表面のうちn層101側とは反対側の面に設けられている。保護層107は、活性層を保護するとともに、電子ブロック層としても機能する層である。保護層107は、第3活性層106の井戸層よりもバンドギャップの広い材料であればよく、AlGaN、GaN、InGaNなどである。保護層107の厚さは、2.5~50nmが好ましく、より好ましくは5~25nmである。保護層107に不純物をドープしてもよく、Mgをドープしてもよい。その場合、Mg濃度は1×1018~1000×1018cm-3とするのがよい。
【0036】
保護層107の一部領域はエッチングされ、保護層107からn層101に達する溝120、保護層107から第1中間層103に達する溝121、保護層107から第2中間層105に達する溝122が設けられている。
【0037】
p層108は、保護層107表面のうちn層101側とは反対側の面、溝122により露出した第2中間層105の表面、および溝121により露出した第1中間層103の表面に連続的に設けられている。p層108はp-GaNやp-InGaNである。Mg濃度はたとえば1×1019~1×1021cm-3である。また、p層108はIn組成やMg濃度が異なる複数の層で構成してもよい。
【0038】
p層108と保護層107の間、p層108と溝122により露出した第2中間層105の間、およびp層108と溝121により露出した第1中間層103の間に電子ブロック層を設けてもよい。電子ブロック層は、n層101から注入された電子を第1活性層102、第2活性層104、第3活性層106に効率よく閉じ込めるためにブロックする層である。電子ブロック層はGaNやAlGaNの単層でもよいし、AlGaN、GaN、InGaNのうち2以上を積層させた構造や、組成比のみ替えて積層させた構造であってもよい。また、超格子構造としてもよい。電子ブロック層の厚さは、5~50nmが好ましく、より好ましくは5~25nmである。電子ブロック層のMg濃度は1×1019~100×1019cm-3とするのがよい。
【0039】
pコンタクト電極109は、p層108表面のうちn層101側とは反対側の面であって、保護層107に対向する領域、溝122により露出した第2中間層105に対向する領域、溝121により露出した第1中間層103に対向する領域にそれぞれ分離して設けられている。pコンタクト電極109の材料は、p層108に対して低コンタクト抵抗な材料であり、たとえばAg、Ni/Au、Co/Au、ITO/Ni/Al、Rh、Ru、ITO、IZOなどである。以下、pコンタクト電極109のうち、溝121により露出した第1中間層103に対向する領域に設けられた部分をpコンタクト電極109A、溝122により露出した第2中間層105に対向する領域に設けられた部分をpコンタクト電極109B,保護層107に対向する領域に設けられた部分をpコンタクト電極109Cと呼ぶことにする。
【0040】
p電極110は、pコンタクト電極109A~Cの表面であってn層101側とは反対側の面にそれぞれ分離して設けられている。以下、pコンタクト電極109Aに設けられた部分をp電極110A、pコンタクト電極109Bに設けられた部分をp電極110B、pコンタクト電極109Cに設けられた部分をp電極110Cと呼ぶことにする。p電極110は、バックプレーン200側と接合する電極である。p電極110の材料は、たとえばTi/Auであり、n電極111と同一材料とすることができる。
【0041】
n電極111は、溝120によって露出したn層101表面に設けられている。n電極111は、n層101にコンタクトを取り、バックプレーン200側と接合する電極である。n電極111の材料は、たとえばTi/Auである。
【0042】
マイクロレンズ113は、n層101の表面のうち光取り出し側の面(第1活性層102側とは反対側の面)に設けられている。マイクロレンズ113は、n層101表面を凹凸加工して設けられたものであり、半球状の形状である。マイクロレンズ113は、平面視でpコンタクト電極109に対向する位置に設けられている。つまりサブピクセルごとに設けられている。マイクロレンズ113の直径はpコンタクト電極109の外接円の直径とおよそ同様である。たとえばpコンタクト電極109の外接円の直径の0.8~1.2倍である。マイクロレンズ113は、各サブピクセルからの光を挟角化し、ディスプレイのコントラストを高めるためのものである。
【0043】
半導体層の厚さ(n層101からp層108までの総膜厚、すなわち、n層101、第1活性層102、第1中間層103、第2活性層104、第2中間層105、第3活性層106、保護層107、p層108の合計の厚さ)は、サブピクセルの幅の3倍以下が好ましい。ここでサブピクセルの幅は、サブピクセルの外接円の直径とする。半導体層の厚さがサブピクセルの幅の3倍以下であれば、サブピクセルからの光とそれに対応するマイクロレンズ113との結合効率が高くなり、光取り出し効率や光の利用率を高くすることができる。より好ましくはサブピクセルの2倍以下である。
【0044】
導電膜112は、n層101の表面のうち光取り出し側(第1活性層102側とは反対側)の面、およびマイクロレンズの表面に連続して設けられている。導電膜112の材料は、透明導電性材料であればよく、ITO、IZO、NbやTaドープのTiO、などである。導電膜112は、n層101の実質的なシート抵抗を低減するために設けたものである。導電膜112の厚さは、n層101の実質的なシート抵抗を十分に低減できる程度であればよい。たとえば、n層101と導電膜112の積層のシート抵抗が、30Ω/□以下となるように厚さを設定するとよい。
【0045】
図2は、モノリシックマイクロLED100を光取り出し側とは反対側から見た平面図である。図2に示すように、モノリシックマイクロLED100は矩形であり、その外周部に矩形のリング状に溝120が設けられている。そして、溝120の内部に矩形のリング状にn電極111が設けられている。また、その溝120の内側に、2×2に配列された4つのサブピクセルを1ピクセルとしてそのピクセルが格子状に配列されている。
【0046】
2×2のサブピクセルは、図2のように、溝121と溝122が対角となるようなパターンであり、溝121上部のp電極110Aが設けられた領域が青色のサブピクセル、溝122上部のp電極110Bが設けられた領域が緑色のサブピクセル、他の2つの対角のp電極110Cが設けられた領域が赤色のサブピクセルである。通常、赤色の発光は、青色や緑色に比べて弱いため、赤色のサブピクセルを1つ多くしている。
【0047】
図2からわかるように、n電極111が外周部に設けられているため、n電極111から各サブピクセルまでの距離は均等ではなく、素子中央部のサブピクセルは素子端部のサブピクセルに比べてn電極111までの距離が長い。サブピクセルの駆動時、p電極110からp層108、p層108からn層101までおよそ垂直に電流が流れ、その後にn層101を水平に電流が流れてn電極111に到達する。そのため、素子中央部のサブピクセルを駆動する場合、n層101のシート抵抗による電圧降下が大きくなる。
【0048】
そこで実施形態1では、n層101から成長基板を除去してその除去した面に導電膜112を設け、n層101の実質的なシート抵抗を低減している。つまり、電流の大部分はn層101ではなく導電膜112を水平に流れるようになるためシート抵抗が低減する。その結果、素子中央部のサブピクセルの駆動に必要な電圧を低減することができる。
【0049】
また、導電膜112によってn層101の実質的なシート抵抗を低減できるので、n層101を薄くすることができる。従来はn層101のシート抵抗低減のためn層101をある程度厚くする必要があり、その結果ウェハの反りが大きくなっていた。また、n層101が厚いためサブピクセル間での混色が生じやすかった。実施形態1ではn層101を薄くできるのでn層101の反りを低減することができる。また、サブピクセル間の混色が生じにくくなる。たとえばn層101を1μm程度にすることができる。
【0050】
なお、n電極111のパターンやサブピクセルのパターンは図2に示すものに限られない。ただし、ピクセルを密にして高精細なディスプレイを実現するためには、図2のようにn電極111を外周部にリング状に設けることが好ましい。
【0051】
2.バックプレーン200の構成
バックプレーン200は、モノリシックマイクロLED100の駆動用LSIであり、図1に示すように、基板201と、絶縁膜202と、トランジスタ203と、n側接合電極204と、p側接合電極205と、裏面電極206と、を有している。
【0052】
基板201はSiからなる。基板201の一方の表面には複数のトランジスタ203が形成されている。トランジスタ203の個数はモノリシックマイクロLED100の各サブピクセルと同数である。これらのトランジスタ203は、平面視でモノリシックマイクロLED100の各サブピクセルと対向する位置に設けられている。トランジスタ203によってモノリシックマイクロLED100の各サブピクセルの発光が制御される。
【0053】
絶縁膜202は、基板201上を覆い、トランジスタ203を封止するように設けられている。そして、絶縁膜202上であってトランジスタ203の上部に当たる領域にp側接合電極205が設けられ、絶縁膜202上であって外周領域にn側接合電極204が設けられている。p側接合電極205は絶縁膜202に開けられた孔を介してトランジスタ203のドレインと接続されている。また、p側接合電極205はモノリシックマイクロLED100のp電極110と接合され、n側接合電極204はモノリシックマイクロLED100のn電極111と接合されている。
【0054】
基板201の他方の表面には、外部と接続される裏面電極206が設けられている。裏面電極206は、ディスプレイの制御信号や電力の入力のためのもので、図示しないトランジスタ等からなる回路を介してn側接合電極204、トランジスタ203のゲート、ソースと接続されている。裏面電極206の側面は絶縁膜で被覆されており、基板201とは絶縁されている。
【0055】
平面視において、モノリシックマイクロLED100の外周とバックプレーン200の外周は一致している。つまり、平面視においてモノリシックマイクロLED100とバックプレーン200は同一形状の矩形である。さらに、平面視においてバックプレーン200の短辺とモノリシックマイクロLED100の短辺が一致し、バックプレーン200の長辺とモノリシックマイクロLED100の長辺が一致している。これは、後述の製造方法で説明するように、モノリシックマイクロLED100とバックプレーン200をウェハ接合後に素子分割しているためである。
【0056】
このように、実施形態1における発光装置は、モノリシックマイクロLED100とその駆動回路であるバックプレーン200をフリップチップ実装によって一体化して1チップとした構成である。1チップ化によってディスプレイの微細化、高精細化を図ることができ、配線減による駆動電圧の低減や信頼性向上を図ることができる。
【0057】
また、外部と接続される電極(裏面電極206)をバックプレーン200の裏面側(モノリシックマイクロLED100側とは反対側の面)に設けているため、平面視においてモノリシックマイクロLED100とバックプレーン200の外周を一致させることができ、実施形態1における発光装置全体のサイズが、モノリシックマイクロLED100のサイズとほぼ同じとなり、小型化することができる。
【0058】
3.発光装置の製造方法
次に、実施形態1に係る発光装置の製造方法について図を参照に説明する。
【0059】
まず、図3に示すように、サファイアからなる基板114上に、n層101、第1活性層102、第1中間層103、第2活性層104、第2中間層105、第3活性層106、保護層107をMOCVD法によって順に積層する。基板114の材料はサファイアに限らず、III族窒化物半導体を成長可能な任意の材料を用いてよい。たとえば、Si、GaN、ScAlMgOなどを用いることができる。
【0060】
次に、図4に示すように、保護層107の一部領域をドライエッチングして、溝121、122を形成する。そして、溝121は第1中間層103が露出するまでエッチングし、溝122は第2中間層105が露出するまでエッチングする。
【0061】
次に、図5に示すように、保護層107の表面、溝121の底面、溝122の底面に連続してMOCVD法によってp層108を形成する。
【0062】
次に、図6に示すように、p層108の所定領域をドライエッチングして溝120を形成する。溝120は、n層101が露出するまでエッチングする。
【0063】
次に、図7に示すように、スパッタや蒸着によって、p層108上であって溝121の領域にpコンタクト電極109A、p層108上であって溝122の領域にpコンタクト電極109B、p層108上であって保護層107の上部に当たる領域にpコンタクト電極109Cを形成する。
【0064】
次に、図8に示すように、スパッタや蒸着によって、pコンタクト電極109A~109C上にp電極110A~110Cを形成し、溝120底面に露出するn層101上にn電極111を形成する。p電極110A~110Cとn電極111は同一材料であるため同時に形成することができる。
【0065】
次に、図9に示すように、バックプレーン200(ただし裏面電極206形成前)を用意し、モノリシックマイクロLED100をバックプレーン200にウェハ接合で実装する。これにより、モノリシックマイクロLED100のp電極110とバックプレーン200のp側接合電極205、モノリシックマイクロLED100のn電極111とバックプレーン200のn側接合電極204を接合する。
【0066】
次に、図10に示すように、レーザーリフトオフによって基板114を除去する。そして、その除去により露出したn層101表面をドライエッチングしてマイクロレンズ113を形成する。レーザーリフトオフ以外の基板リフトオフ方法、たとえばケミカルリフトオフを用いてもよい。
【0067】
マイクロレンズ113は、たとえば以下のようにして形成することができる。まず、n層101上に、レジストを断面形状が矩形となるようにリソグラフィによって形成する。そして、熱処理をすることによりレジストの断面形状を矩形からレンズ状に変形させ、その後にn層101をドライエッチングする。これによりレジストのレンズ形状をn層101に転写することができ、n層101をレンズ形状に加工してマイクロレンズ113を形成することができる。
【0068】
他にも、イオン注入によって屈折率分布を生じさせてレンズとする方法や、インクジェットやグレイスケールマスクによってレンズ形状のレジストを形成し、その後ドライエッチングする方法など、従来知られている任意の方法を用いることができる。
【0069】
次に、n層101の表面にマイクロレンズ113の凹凸に沿って膜状に導電膜112を形成する。導電膜112は、蒸着、スパッタ、CVDなどによって形成する。
【0070】
次に、導電膜112上に保護膜(図示しない)を形成する。そして、バックプレーン200の基板201裏面を研磨して薄くし、所定の領域に基板201を貫通する孔を形成し、溝の側面を絶縁膜で覆った後、孔を埋めるようにして裏面電極206を形成する。裏面電極206は、図示しないトランジスタ等からなる回路を介して、n側接合電極204やトランジスタ203のゲート、ソースと接続する。次に、ダイシングやレーザーによってモノリシックマイクロLED100とバックプレーン200を個々の発光装置に分割する。このように、モノリシックマイクロLED100とバックプレーン200をウェハ接合後に素子分割しているため、平面視においてモノリシックマイクロLED100とバックプレーン200の外周が一致している。以上によって実施形態1における発光装置を製造することができる。
【0071】
4.実施形態1における発光装置の効果
実施形態1における発光装置によれば、導電膜112によってn層101の実質的なシート抵抗を低減することができる。そのため、n電極111から離れた位置のサブピクセルの駆動に必要な電圧を低減することができる。また、マイクロレンズ113によって各サブピクセルからの光を挟角化することができ、コントラストの向上を図ることができる。
【0072】
(実施形態2)
図12は、実施形態2における発光装置の構成を示した断面図であって、発光装置の主面に垂直な断面である。実施形態2における発光装置は、実施形態1におけるモノリシックマイクロLED100のn層101、導電膜112を、n層131、導電膜132にそれぞれ変更したものであり、他は実施形態1と同様の構成である。
【0073】
n層131は、n層101の光取り出し側の面にマイクロレンズ113を設けずに平坦なままとしたものである。また、導電膜132は、この平坦なn層131の表面に形成されている点以外は実施形態1における導電膜112と同様である。
【0074】
実施形態2における発光装置は、実施形態1の発光装置と同様に、n層131の実質的なシート抵抗を低減することができる。そのため、n電極111から離れた位置のサブピクセルの駆動に必要な電圧を低減することができる。
【0075】
(実施形態3)
図13は、実施形態3における発光装置の構成を示した断面図であって、発光装置の主面に垂直な断面である。実施形態3における発光装置は、実施形態1におけるモノリシックマイクロLED100の導電膜112を導電膜142に変更したものであり、他の構成は実施形態1と同様である。
【0076】
導電膜142は、n層101の光取り出し側の表面のうちマイクロレンズ113が設けられた領域を除いた領域に設けられている。導電膜142の材料は、光を透過しない任意の導電性材料を用いることができる。たとえば、カーボンナノチューブなどの導電性のカーボンナノ材料を用いることができる。この場合、カーボンナノ材料を分散させた溶液をn層101に塗布した後、カーボンナノ材料を沈殿させ、溶媒を蒸発などで除去することで導電膜142を容易に形成することができる。
【0077】
実施形態3における発光装置は、実施形態1における発光装置と同様に、n電極111から離れた領域のサブピクセル駆動に必要な電圧を低減することができる。また、導電膜142によってマイクロレンズ113以外の部分は光が透過しないようにでき、コントラストを向上させることができる。
【0078】
(実施形態4)
図14は、実施形態4における発光装置の構成を示した断面図であって、発光装置の主面に垂直な断面である。図14に示すように、実施形態4における発光装置は、実施形態1における発光装置のモノリシックマイクロLED100に、平坦化膜150、フィルタ151を追加したものである。
【0079】
平坦化膜150は、導電膜112の表面のうちn層101側とは反対側の面に設けられている。平坦化膜150は、n層101のマイクロレンズ113によって凹凸となった表面を埋めて平坦な表面とするための膜である。平坦化膜150の材料は、SiOなどである。
【0080】
フィルタ151は、平坦化膜150の平坦な面(n層101側とは反対側の面)に設けられた誘電体多層膜である。誘電体多層膜は、屈折率の異なる2種類の誘電体を交互に積層したものである。誘電体多層膜の透過スペクトルには入射角依存性があるため、平坦化膜150によって平坦化して、その平坦な面に誘電体多層膜を設けることで、誘電体多層膜への光の入射角のばらつきを低減している。
【0081】
フィルタ151の誘電体多層膜の層数や各層の厚さは、透過スペクトルが次の特性となるように設定されている。
【0082】
フィルタ151の透過スペクトルは、第1活性層102、第2活性層104、および第3活性層106の発光波長ピークを含む所定範囲に透過帯域(透過率が90%の帯域)を有する。透過帯域の幅は、たとえば20~50nmである。
【0083】
さらに、第3活性層106の発光波長ピークの短波長側であって第2活性層104の発光波長ピークの長波長側、および第2活性層104の発光波長ピークの短波長側であって第1活性層102の長波長側にそれぞれ阻止帯域A、B(透過率が20%以下の帯域)を有する。阻止帯域A、Bの幅はたとえば10~40nmである。また、阻止帯域Aは第3活性層106の発光スペクトルと重なり、阻止帯域Bは第2活性層104の発光スペクトルと重なる。阻止帯域Aの上限は、第3活性層106の発光波長ピークをλR(nm)として、λR-30~λR-10の範囲である。また、阻止帯域Bの上限は、第2活性層104の発光波長ピークをλG(nm)として、λG-20~λG-10の範囲である。
【0084】
第3活性層106は赤色発光であるため、発光層のIn組成が大きいためIn組成のばらつきも大きく、発光スペクトルの幅が広くなってしまう。特に、赤色の短波長側のスペクトルの広がりは色純度を低下させる要因となる。そこで、フィルタ151の透過スペクトルを上記のように設定すれば、第3活性層106の発光スペクトルの短波長側を低減することができ、第3活性層106の発光スペクトルの幅を狭めることができる。そのため、モノリシックマイクロLED100の赤色の色純度を高めることができる。また同様に、緑色の色純度を高めることができる。その結果、モノリシックマイクロLED100の色域を広げることができる。
【0085】
なお、平坦化膜150を設けずに導電膜112に直接フィルタ151を設けてもよい。ただし、この場合、マイクロレンズ113の形状に沿ってフィルタ151が形成されるため、フィルタ151への入射角のばらつきに留意する必要がある。
【0086】
また、実施形態4は、実施形態2、3においても同様に適用することができる。
【0087】
以上、実施形態4における発光装置によれば、実施形態1における発光装置の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。フィルタ151によって赤色光や緑色光の純度を高くすることができ、モノリシックマイクロLED100の色域を広げることができる。
【0088】
次に、実施形態4に係る実験結果について説明する。SiOとTiOを交互に積層させた誘電体多層膜のフィルタについて、シミュレーションにより透過スペクトルを算出した。誘電体多層膜の各層の厚さは、透過スペクトルが波長460nm付近(第1活性層102の青色光のピーク波長付近)、530nm付近(第2活性層104の緑色光のピーク波長付近)、620nm付近(第3活性層106の赤色光のピーク波長付近)にそれぞれ透過帯域(透過率が90%以上の帯域)を有し、かつ、波長560~600nm、480~500nmに阻止帯域(透過率が20%以下の帯域)を有するように設定した。
【0089】
図15は、上記のように厚さを設定した場合のフィルタの透過スペクトルを示したグラフである。図16は、第3活性層106から放射される赤色光を図15の透過スペクトルを有したフィルタに入射させ、その透過光のスペクトルを求めた結果を示したグラフである。図15、16は垂直入射の場合である。図16において、フィルタなしは第3活性層106から放射される赤色光のスペクトルを示し、フィルタありはフィルタを透過させた赤色光のスペクトルを示している。
【0090】
図16のように、第3活性層106から放射される赤色光は、短波長側にもスペクトルが広がっていることが分かり、赤色の純度が低下していることが分かる。一方、フィルタを透過させた場合、赤色光の短波長側、波長560~610nmの帯域の強度が低下しており、スペクトルの半値幅が10nmほど狭くなっていることが分かる。つまり、純度の高い赤色が得られていることが分かる。これは、フィルタに波長560~600nmの阻止帯域が存在する結果である。また、図は示さないが、第2活性層104からの緑色光についても同様に、フィルタを通すことで純度の高い緑色が得られる。
【0091】
図17は、実施形態4に係るモノリシックマイクロLED100により再現できる色の範囲を示した色度図である。図17のように、フィルタによって赤色と緑色の純度が上がる結果、色域も広がることが分かる。
【0092】
(各種変形形態)
なお、実施形態ではフリップチップ型のモノリシックマイクロLED100を用いているが、本発明はフリップチップ型であればよく、モノリシック型以外、つまり一般的なLEDにも適用することができる。
【符号の説明】
【0093】
100:モノリシックマイクロLED
200:バックプレーン
101、131:n層
102:第1活性層
103:第1中間層
104:第2活性層
105:第2中間層
106:第3活性層
107:保護層
108:p層
109:pコンタクト電極
110:p電極
111:n電極
112:導電膜
113:マイクロレンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17