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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154755
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】用役管理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 30/24 20220101AFI20241024BHJP
   G06F 16/583 20190101ALI20241024BHJP
【FI】
G06V30/24 620Z
G06F16/583
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068775
(22)【出願日】2023-04-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000233044
【氏名又は名称】株式会社日立パワーソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】糸日谷 秀一
(72)【発明者】
【氏名】江口 博之
【テーマコード(参考)】
5B064
5B175
【Fターム(参考)】
5B064AA10
5B064AB06
5B064BA01
5B064DA10
5B064EA07
5B064EA19
5B064EA39
5B175DA02
5B175HB05
(57)【要約】
【課題】表示画面から適切に文字情報を取得できるようにする。
【解決手段】監視対象システム40が備える表示装置46に表示される画像情報DVを取得する機能を備えるデータ収集部12と、前記画像情報DVの順番に紐づく前記画像解析手法SF4を選択する画像解析手法選択部16と、前記画像解析手法選択部16が選択した前記画像解析手法SF4を用いて、前記画像情報DVから、前記文字情報DCを抽出する画像解析部14と、を用役管理装置10に設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象システムが備える表示装置に表示される画像情報を取得する機能と、前記監視対象システムにおけるソフトウエアの動作順序である動作シナリオデータを取得する機能と、前記画像情報から、前記監視対象システムの状態を表す文字情報を抽出する複数の画像解析手法を有する画像解析手法データを取得する機能と、前記動作シナリオデータに従って遷移する複数の前記画像情報の順番と何れかの前記画像解析手法とを紐づけるデータ収集シナリオを取得する機能と、を備えるデータ収集部と、
前記画像情報の順番に紐づく前記画像解析手法を選択する画像解析手法選択部と、
前記画像解析手法選択部が選択した前記画像解析手法を用いて、前記画像情報から、前記文字情報を抽出する画像解析部と、を備える
ことを特徴とする用役管理装置。
【請求項2】
前記データ収集部は、任意の前記画像情報に対して、第1手法および第2手法を含む複数の前記画像解析手法を紐づけた前記データ収集シナリオを取得するものであり、
前記画像解析部は、前記第1手法に基づいて前記文字情報の取得を試行する機能と、前記第1手法に基づく前記文字情報の取得が失敗したことを条件として前記第2手法に基づいて前記文字情報の取得を試行する機能と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の用役管理装置。
【請求項3】
前記第1手法は、前記表示装置に表示される各文字のドットパターンを予め取得した結果である既取得ドットパターンと、前記画像情報に現れるドットパターンである表示ドットパターンとを比較することによって前記文字情報を取得する手法であり、
前記第2手法は、前記既取得ドットパターンを用いることなく前記文字情報を取得する手法である
ことを特徴とする請求項2に記載の用役管理装置。
【請求項4】
前記データ収集シナリオは、任意の前記画像情報に対して複数の前記画像解析手法を紐づけたものであり、
前記画像解析部は、複数の前記画像解析手法に各々対応する複数パターンの前記文字情報を抽出するものであり、
複数パターンの前記文字情報を対比して、複数パターンの前記文字情報におけるエラーの有無を判定するエラーチェック部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の用役管理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
監視対象システムが備える表示装置に表示される画像情報を取得する機能と、前記監視対象システムにおけるソフトウエアの動作順序である動作シナリオデータを取得する機能と、前記画像情報から、前記監視対象システムの状態を表す文字情報を抽出する複数の画像解析手法を有する画像解析手法データを取得する機能と、前記動作シナリオデータに従って遷移する複数の前記画像情報の順番と何れかの前記画像解析手法とを紐づけるデータ収集シナリオを取得する機能と、を備えるデータ収集手段、
前記画像情報の順番に紐づく前記画像解析手法を選択する画像解析手法選択手段、
前記画像解析手法選択手段が選択した前記画像解析手法を用いて、前記画像情報から、前記文字情報を抽出する画像解析手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用役管理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約には、「画像で構成された表示画面中から所定の文字列情報やグラフィカルユーザインタフェースの部品を検索することができる文字列画像検索装置、部品画像検索装置を提供する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6355768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した技術において、表示画面から一層適切に文字情報を取得したいという要望がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、表示画面から適切に文字情報を取得できる用役管理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明の用役管理装置は、監視対象システムが備える表示装置に表示される画像情報を取得する機能と、前記監視対象システムにおけるソフトウエアの動作順序である動作シナリオデータを取得する機能と、前記画像情報から、前記監視対象システムの状態を表す文字情報を抽出する複数の画像解析手法を有する画像解析手法データを取得する機能と、前記動作シナリオデータに従って遷移する複数の前記画像情報の順番と何れかの前記画像解析手法とを紐づけるデータ収集シナリオを取得する機能と、を備えるデータ収集部と、前記画像情報の順番に紐づく前記画像解析手法を選択する画像解析手法選択部と、前記画像解析手法選択部が選択した前記画像解析手法を用いて、前記画像情報から、前記文字情報を抽出する画像解析部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、表示画面から適切に文字情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による用役管理装置システムのブロック図である。
図2】コンピュータのブロック図である。
図3】動作シナリオデータの一例を示す図である。
図4】データ収集シナリオデータの一例を示す図である。
図5】画像解析手法データの一例を示す図である。
図6】第2実施形態による用役管理装置システムのブロック図である。
図7】第2実施形態におけるデータ収集シナリオデータの一例を示す図である。
図8】第2実施形態における評価ルーチンのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態の概要]
企業や工場が有する設備では、設備を監視するための設備監視システムが稼働している。例えば、オフィスであれば、オフィス内に設けられた空調設備などを監視するシステムが設けられている。これらの設備監視システムのうち、稼働年数が長く製造年度が古いシステムは、設備の監視データを短期間しか保存することができない、システム外部へ監視データを出力できない、等の技術的制約を有する場合が多い。これにより、設備監視システムが取得した設備監視データを十分に活用できない場合が生じる。また、設備監視システムを更新して機能を追加すれば、設備監視データを予兆診断に活用できるものの、高額な更新費用がかかることから、特に中小企業では機器更新が進んでいないのが実情である。従って、既存の設備監視システムを活用したままで、設備監視データの利活用が望まれている。
【0009】
特許文献1に記載された技術を応用すると、画像で構成された表示画面中から所定の文字列情報を探し出すことができ、その位置情報に基づいて操作を自動化することができると考えられる。しかし、単純に特許文献1に記載された技術を応用すると、様々な理由により、表示画面中から文字列情報を抽出できない場合が生じる。例えば、表示画面の色合い、コントラストにより、文字列情報が取得しにくい場合がある。
【0010】
また、特に古いコンピュータシステムでは、ドット数が少ないドットマトリクスによって文字を表現するものがある。ドット数が少ない場合には、文字の混同を防止するため、一般的な文字の形状とは異なる形状のドットパターンが採用されることがある。このような場合は、一般的なOCR(Optical character recognition;光学文字認識)ソフトウエアを使用しても、文字列情報を適切に読み取れない場合がある。そこで、後述する実施形態は、できるだけ適切に文字列情報を取得しようとするものである。
【0011】
[第1実施形態]
〈第1実施形態の構成〉
図1は、第1実施形態による用役管理装置システム1のブロック図である。
用役管理装置システム1は、用役管理装置10と、データベース部30と、監視対象システム40と、を備えている。
用役管理装置10は、データベース部30に記憶されたデータに基づいて、監視対象システム40を監視するものである。
【0012】
監視対象システム40は、複数の監視対象設備42-1,42-2,42-3と、設備監視装置44と、表示装置46と、を備えている。なお、以下の説明において、同一または類似の機能、意義を有する複数の構成要素や情報等を、例えば「監視対象設備42-1,42-2,42-3」のように、同一の符号に「-」と英数字を付して、表記する場合がある。但し、これら複数の構成要素等を区別する必要がない場合には、例えば「監視対象設備42」のように、「-」と英数字を省略して表記する場合がある。設備監視装置44は、監視対象設備42から様々な状態量を受信し、その状態量を含む画像情報を表示装置46に表示する。
【0013】
また、用役管理装置10は、データ収集部12(データ収集手段)と、画像解析部14(画像解析手段)と、画像解析手法選択部16(画像解析手法選択手段)と、動作シナリオ実行部18と、を備えている。また、データベース部30は、データ収集シナリオ記憶部32と、ソフトウエア動作シナリオ記憶部34と、画像解析手法記憶部36と、設備監視データベース38と、を備えている。
【0014】
また、用役管理装置10におけるデータ収集部12は、監視対象システム40から、ラスタデータである表示画面情報DV(画像情報)を取得し、データベース部30に対して各種データを入出力する。データ収集部12が表示画面情報DVを取得する場合は、例えば、表示装置46の表示画面をカメラ等で撮影することが考えられる。但し、設備監視装置44から監視対象システム40に供給される映像信号を直接的に取得できる場合には、この映像信号から表示画面情報DVを取得してもよい。
【0015】
動作シナリオ実行部18は、指定された動作シナリオデータSD(図3参照)に従って、設備監視装置44に制御信号CSを送信する。ここで、動作シナリオデータSDは、設備監視装置44における各種処理の実行順序等を定めたものである。これにより、設備監視装置44は、制御信号CSに従って遠隔操作され、監視対象設備42の各種状態の取得や表示装置46の表示画面の制御等を実行する。但し、監視対象システム40において制御信号CSによる遠隔操作が不可能である場合もある。このような場合、動作シナリオ実行部18は、設備監視装置44において行うべき操作をユーザに対して指示し、ユーザは、この指示に従って設備監視装置44をマニュアル操作することにより、動作シナリオデータSDを実行してもよい。
【0016】
動作シナリオ実行部18が動作シナリオデータSDの各レコード(行)に対して実行する動作は次の通りである。
・ステップ#1:指定された座標を設備監視装置44のマウスでクリックする。より正確には、制御信号CSによって、設備監視装置44におけるマウスカーソル座標を指定座標に移動させ、設備監視装置44においてマウスクリックイベントを発生させる。
・ステップ#2:マウスをクリックした結果、表示画面情報DVが次の画面に遷移するまで処理を待機する。
【0017】
・ステップ#3:画面が遷移した後の表示画面情報DVをキャプチャし、その結果を設備監視データベース38に保存する。なお、キャプチャする対象は表示画面情報DVの全体であり、文字が表示されている範囲のみならず、図形等が表示されている範囲も含む。
・ステップ#4:所定の待機時間だけ、処理を待機させる。その理由は、ステップ#1のマウスクリックによって、表示画面情報DVが次の画面に遷移したとしても、さらに、監視対象設備42の状態を取得して各種数値を表示装置46の画面上に反映するまで、ある程度の時間を要するためである。
【0018】
動作シナリオデータSDに基づく制御信号CSに応じて設備監視装置44において実行する処理内容が特定されると、設備監視装置44は、現在の処理内容に応じた表示画面を表示装置46に表示させ、データ収集部12は、該表示画面の内容を表示画面情報DVとして取得する。画像解析手法選択部16は、現在の表示画面情報DVに対して適切と考えられる画像解析手法を、複数の手法の中から選択する。
【0019】
画像解析部14は、指定された画像解析手法と、データ収集シナリオデータSEに基づいて、表示画面情報DVのうち、指定された抽出箇所の画像を解析する。このデータ収集シナリオデータSEは、各段階の表示画面情報DVに応じて、文字列を抽出する箇所を指定するデータである。そして、画像解析部14は、当該抽出箇所に示された文字列の推定結果である推定文字列データDC(文字情報)を出力する。
【0020】
データベース部30におけるソフトウエア動作シナリオ記憶部34は、上述した動作シナリオデータSDを記憶する。また、データ収集シナリオ記憶部32は、上述したデータ収集シナリオデータSEを記憶する。また、画像解析手法記憶部36は、画像解析手法データSFを記憶する。この画像解析手法データSFは、画像解析部14に対して適用され得る複数種類の画像解析手法のアルゴリズムを定めるデータである。設備監視データベース38は、画像解析部14が出力した推定文字列データDC等を記憶する。
【0021】
図2は、コンピュータ980のブロック図である。
図1に示した用役管理装置10、データベース部30および監視対象システム40は、何れも図2に示すコンピュータ980を、1台または複数台備えている。
図2において、コンピュータ980は、CPU981と、記憶部982と、通信I/F(インタフェース)983と、入出力I/F984と、メディアI/F985と、を備える。ここで、記憶部982は、RAM982aと、ROM982bと、HDD982cと、を備える。通信I/F983は、通信回路986に接続される。入出力I/F984は、入出力装置987に接続される。入出力装置987は、キーボード、マウス等を備えている。メディアI/F985は、記録媒体988からデータを読み書きする。
【0022】
ROM982bには、CPUによって実行されるIPL(Initial Program Loader)等が格納されている。HDD982cには、制御プログラムや各種データ等が記憶されている。CPU981は、HDD982cからRAM982aに読み込んだ制御プログラム等を実行することにより、各種機能を実現する。先に図1に示した、用役管理装置10、データベース部30および監視対象システム40の内部は、制御プログラム等によって実現される機能をブロックとして示したものである。
【0023】
図3は、動作シナリオデータSDの一例を示す図である。
動作シナリオデータSDは、監視対象システム40に実行させる動作の動作順序を示すものであり、各動作に対応する複数のレコード(行)を備え、これらレコードは、実行順に配列されている。そして、各レコードは、動作ID情報SD2と、マウスクリック座標SD4と、待機時間情報SD6と、を含む。
【0024】
動作ID情報SD2は、各レコードを一意に特定する情報である。マウスクリック座標SD4は、上述した「ステップ#1」において、マウスでクリックすべき表示装置46上の座標である。待機時間情報SD6は、上述した「ステップ#4」において、処理を待機すべき待機時間である。
【0025】
図4は、データ収集シナリオデータSEの一例を示す図である。
データ収集シナリオデータSEは、複数のレコード(行)を備えており、各レコードは、動作ID情報SE2と、データ抽出範囲情報SE4と、データ名SE6と、画像解析手法ID情報SE8と、を含む。動作ID情報SE2は、動作シナリオデータSD(図3参照)における動作ID情報SD2に対応付けられている。これにより、データ収集シナリオデータSEにおける各レコードは、動作シナリオデータSDにおける各レコードに対応付けられている。
【0026】
データ抽出範囲情報SE4は、表示画面情報DVのうち推定文字列データDCを抽出すべき範囲を指定する情報である。データ名SE6には、任意の文字列を指定できる。画像解析手法ID情報SE8は、当該レコードに適用される画像解析手法を特定する情報である。
【0027】
図5は、画像解析手法データSFの一例を示す図である。
画像解析手法データSFは、複数のレコード(行)を備えており、各レコードは、画像解析手法ID情報SF2と、画像解析手法情報SF4(画像解析手法)と、を含む。画像解析手法ID情報SF2は、データ収集シナリオデータSE(図4参照)における画像解析手法ID情報SE8に対応付けられている。画像解析手法情報SF4は、当該画像解析手法ID情報SF2に対応する画像解析手法のアルゴリズムを特定する情報である。
【0028】
画像解析手法情報SF4として、例えば以下のものを適用することができる。
・手法#1:監視対象システム40の表示装置46に表示される各文字のドットパターンを予め取得し、取得したドットパターンである既取得ドットパターンと、表示画面情報DVにおける文字のドットパターンである表示ドットパターンとを比較することにより、推定文字列データDCを取得する。
さらに、手法#1においては、様々な表示条件(文字の大きさ、背景色、文字色等)の組合せに対応した、複数種類の既取得ドットパターンの中から、表示画面情報DVに応じたものを選択するとよい。これにより、表示画面情報DVの色合いやコントラストに変動が生じたとしても、適切な推定文字列データDCを取得できる。
・手法#2:一般的なOCRソフトウエアによって表示画面情報DVから推定文字列データDCを取得する。
【0029】
〈第1実施形態の動作〉
次に、本実施形態の動作を説明する。
動作シナリオ実行部18は、指定された動作シナリオデータSD(図3参照)に従って、設備監視装置44に制御信号CSを送信する。これにより、監視対象システム40の設備監視装置44は、制御信号CSによって指定された動作を実行する。その結果、設備監視装置44は、表示装置46の表示画面を遷移させる。
【0030】
一方、用役管理装置10において、データ収集部12は、遷移された表示画面の内容を表示画面情報DVとして取得する。また、画像解析手法選択部16は、動作シナリオデータSDにおいて現在実行中のレコードに対応する、データ収集シナリオデータSE(図4参照)のレコードを参照し、画像解析手法ID情報SE8を取得する。さらに、画像解析手法選択部16は、画像解析手法ID情報SE8に基づいて画像解析手法データSF(図5参照)を参照し、画像解析手法情報SF4を取得する。
【0031】
これにより、画像解析手法選択部16は、取得した画像解析手法情報SF4を、画像解析部14に対して通知する。画像解析部14は、表示画面情報DVのうち、データ抽出範囲情報SE4(図4参照)で指定された範囲の画像を、画像解析手法選択部16によって指定された手法で解析し、当該範囲に表示された文字列を推定する。そして、画像解析部14は、その推定結果を、推定文字列データDCとして、設備監視データベース38に記録させる。
【0032】
以上の動作を動作シナリオデータSDの各レコードに対して繰り返すことにより、表示装置46の表示画面に現れたと推定される文字列を、推定文字列データDCとして、設備監視データベース38に蓄積することができる。
【0033】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態による用役管理装置システム2のブロック図である。
なお、以下の説明において、上述した第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
用役管理装置システム2は、用役管理装置10と、データベース部30と、監視対象システム40と、を備えている。
【0034】
データベース部30および監視対象システム40の構成は第1実施形態のもの(図1参照)と同様である。用役管理装置10は、第1実施形態の用役管理装置10と同様の要素に加えて、エラーチェック部22と、警告発出部24と、を備えている。また、データ収集シナリオ記憶部32に記憶されている情報も、第1実施形態のものとは異なる。
【0035】
図7は、第2実施形態におけるデータ収集シナリオデータSEの一例を示す図である。
図7において、データ収集シナリオデータSEは、第1実施形態のものと同様に、複数のレコード(行)を備えており、各レコードは、動作ID情報SE2と、データ抽出範囲情報SE4と、データ名SE6と、画像解析手法ID情報SE8と、を含む。
【0036】
但し、本実施形態において、データ収集シナリオデータSEの各レコードは、複数の画像解析手法ID情報SE8を含めることができる。図7の例において、動作ID情報SE2が「0003」であるレコードは、「解析-0002」および「解析-0001」という二つの画像解析手法ID情報SE8を含んでいる。ここで、あるレコードに複数の画像解析手法ID情報SE8が含まれる場合、これら画像解析手法ID情報SE8は、優先度の高い順に配列される。図7の例においては、「解析-0002」が「解析-0001」よりも前に配列されているため、「解析-0002」は「解析-0001」よりも優先度が高いことになる。
【0037】
図8は、第2実施形態における評価ルーチンのフローチャートである。
この評価ルーチンは、データ収集シナリオデータSE(図7参照)のレコード毎に、用役管理装置10によって実行される。
図8において処理がステップS2に進むと、画像解析部14は、画像調整を行う。ここで、「画像調整」とは、例えば画像のグレースケール化、輪郭強調等の処理である。
【0038】
次に、処理がステップS4に進むと、画像解析部14は、「第1手法」によって表示画面情報DVを解析し、推定文字列データDCの抽出を試行する。ここで、「第1手法」とは、現在のデータ収集シナリオデータSEのレコードにおいて最も優先度の高い画像解析手法ID情報SE8に対応する手法である。この第1手法としては、上述した「手法#1」、すなわち、予め取得した既取得ドットパターンと、表示画面情報DVにおける表示ドットパターンと、を比較する手法を採用することが好ましい。
【0039】
次に、処理がステップS6に進むと、画像解析部14は、第1手法による解析が成功したか否かを判定する。ここで、「Yes」(解析が成功)と判定されると、処理はステップS8に進む。ステップS8において、画像解析部14は、推定文字列データDCと、「第1種成功」の情報と、を設備監視データベース38に登録し、本ルーチンの処理が終了する。
【0040】
一方、ステップS6において「No」(解析が失敗)と判定されると、処理はステップS10に進み、画像解析部14は、「第2手法」によって表示画面情報DVを解析し、推定文字列データDCの抽出を試行する。ここで、「第2手法」とは、「第1手法」の次に優先度の高い画像解析手法ID情報SE8に対応する手法である。この第2手法としては、上述した「手法#2」、すなわち、既取得ドットパターンを用いない一般的なOCRソフトウエアの機能を適用することが好ましい。
【0041】
次に、処理がステップS12に進むと、画像解析部14は、第2手法による解析が成功したか否かを判定する。ここで、「Yes」(解析が成功)と判定されると、処理はステップS16に進む。ステップS16において、画像解析部14は、推定文字列データDCと、「第2種成功」の情報と、を設備監視データベース38に登録し、本ルーチンの処理が終了する。
【0042】
一方、ステップS12において「No」(解析が失敗)と判定されると、処理はステップS14に進み、「解析失敗」の情報を、設備監視データベース38に登録する。以上の処理が全ての画像解析手法ID情報SE8(図7参照)の全てのレコードについて繰り返されることにより、設備監視データベース38には、各々のレコードに対応して「第1種成功」、「第2種成功」または「解析失敗」の情報が登録される。
【0043】
エラーチェック部22は、設備監視データベース38に、「第2種成功」または「解析失敗」の情報が登録されている場合には、警告発出部24を介して、その旨をユーザに警告する。
【0044】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
第3実施形態のハードウエア構成およびデータ構成は、第2実施形態のもの(図6図7参照)と同様である。但し、画像解析部14等の動作内容は、以下に述べるように第2実施形態のものとは異なる。
【0045】
すなわち、データ収集シナリオデータSE(図7参照)において、複数の画像解析手法ID情報SE8が指定されているレコード(例えば動作ID情報SE2が「0003」であるレコード)が存在する場合、本実施形態の画像解析部14は、複数の画像解析手法ID情報SE8に対応する複数の画像解析手法に基づいて、各々データ抽出範囲情報SE4で指定された範囲の文字列を抽出する。そして、エラーチェック部22は、全ての画像解析手法に基づいて抽出した文字列が一致するか否かを判定する。この判定結果が肯定である場合、エラーチェック部22は、当該文字列を推定文字列データDCとして設備監視データベース38に登録するとともに、「エラー無」の情報を設備監視データベース38に登録する。
【0046】
一方、判定結果が否定であった場合、エラーチェック部22は、全ての画像解析手法に基づいて抽出した文字列と、「エラー有」の情報を設備監視データベース38に登録する。さらに、エラーチェック部22は、エラー場発生した旨の警告を警告発出部24を介して表示させる。これにより、複数の画像解析手法に基づいて抽出した文字列を照合することにより、推定文字列データDCの信頼性を高めることができる。
【0047】
[実施形態の効果]
以上のように上述した実施形態によれば、用役管理装置10は、画像情報(DV)の順番に紐づく画像解析手法(SF4)を選択する画像解析手法選択部16と、画像解析手法選択部16が選択した画像解析手法(SF4)を用いて、画像情報(DV)から、文字情報(DC)を抽出する画像解析部14と、を備える。これにより、画像情報(DV)の順番に基づいて適切な画像解析手法(SF4)を選択することができるため、適切に文字情報を取得できる。
【0048】
また、データ収集部12は、任意の画像情報(DV)に対して、第1手法および第2手法を含む複数の画像解析手法(SF4)を紐づけたデータ収集シナリオ(SE)を取得するものであり、画像解析部14は、第1手法に基づいて文字情報(DC)の取得を試行する機能(S4)と、第1手法に基づく文字情報(DC)の取得が失敗したことを条件として第2手法に基づいて文字情報(DC)の取得を試行する機能(S10)と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の用役管理装置10。と一層好ましい。これにより、第1手法および第2手法を段階的に適用することができ、一層適切に適切に文字情報を取得できる。
【0049】
また、第1手法は、表示装置46に表示される各文字のドットパターンを予め取得した結果である既取得ドットパターンと、画像情報(DV)に現れるドットパターンである表示ドットパターンとを比較することによって文字情報(DC)を取得する手法であり、第2手法は、既取得ドットパターンを用いることなく文字情報(DC)を取得する手法であると一層好ましい。これにより、既取得ドットパターンを用いる第1手法を第2手法よりも優先的に適用できるため、一層適切に適切に文字情報を取得できる。
【0050】
また、画像解析部14は、複数の画像解析手法(SF4)に各々対応する複数パターンの文字情報(DC)を抽出するものであり、複数パターンの文字情報(DC)を対比して、複数パターンの文字情報(DC)におけるエラーの有無を判定するエラーチェック部22をさらに備えると一層好ましい。これにより、複数パターンの文字情報(DC)を対比することができ、一層適切に適切に文字情報を取得できる。
【0051】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0052】
(1)上記実施形態における用役管理装置10、データベース部30および監視対象システム40のハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、上述した各ブロック図、各フローチャートに対応する処理、その他上述した各種処理を実行するプログラム等を記憶媒体(プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
【0053】
(2)上述した各ブロック図、各フローチャートに対応する処理、その他上述した各種処理を実行するプログラム等は、上記実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えてもよい。
【0054】
(3)データベース部30は、ネットワーク上のクラウド等に置いてもよく、用役管理装置システム1,2に含めなくてもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 用役管理装置
12 データ収集部(データ収集手段)
14 画像解析部(画像解析手段)
16 画像解析手法選択部(画像解析手法選択手段)
22 エラーチェック部
40 監視対象システム
46 表示装置
DC 推定文字列データ(文字情報)
DV 表示画面情報(画像情報)
SD 動作シナリオデータ
SE データ収集シナリオデータ(データ収集シナリオ)
SF 画像解析手法データ
SF4 画像解析手法情報(画像解析手法)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8