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特開2024-15476体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015476
(43)【公開日】2024-02-02
(54)【発明の名称】体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20240126BHJP
   G01G 19/50 20060101ALI20240126BHJP
   A47K 13/30 20060101ALI20240126BHJP
   G01G 19/44 20060101ALN20240126BHJP
【FI】
E03D9/08 A
G01G19/50 Z
A47K13/30 Z
G01G19/44 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111024
(22)【出願日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】P 2022117614
(32)【優先日】2022-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522295276
【氏名又は名称】木村 久道
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】木村 久道
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
【Fターム(参考)】
2D037AD00
2D038JC03
2D038JC11
2D038ZA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】日常欠かさず使用する温水洗浄便座を使用して、体重、排便量および排尿量を測定することによって、健康管理、ダイエットおよび入院患者の意適正な病状管理ができる排便量、排尿量測定機能付き便器装置を提供する。
【解決手段】便座3と便座3の下部の便器本体10aと使用時の洗浄操作を行うリモコン20とを備え、便座3の裏面に重量センサ11を配設し、重量センサ11で検出された信号をリモコン20により受信するようにした便器装置100であって、リモコン20は、使用者の体重、排便量又は排尿量の重量演算部12と、体重用のスイッチと排便量用のスイッチと排尿量用のスイッチとからなる入力部13と、表示部14とからなり、体重用のスイッチ操作により使用者の体重を表示部14に表示し、排便量用のスイッチ操作により使用者の排便量を表示部14に表示し、排尿量用のスイッチ操作により使用者の排尿量を表示部14に表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座と便座の下部に配設される便器本体と使用時の洗浄操作を行うリモコンとを備え、
前記便座の裏面と前記便器本体との間に使用者の着座時の重量を計測する重量センサが配設され、
前記重量センサで検出された信号が前記リモコンにより受信されるようにした便器装置であって、
前記リモコンは、使用者の体重、排便量又は排尿量の重量演算部と、体重測定用のスイッチと排便量測定用のスイッチと排尿量測定用のスイッチとからなる入力部と、表示部とからなり、
前記体重測定用のスイッチ操作により使用者の体重が前記表示部に表示され、
前記排便量測定用のスイッチ操作により前記使用者の排便量が前記表示部に表示され、
前記排尿量測定用のスイッチ操作により前記使用者の排尿量が前記表示部に表示される、体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置。
【請求項2】
前記重量センサは、便座の裏面に取り付けられる、請求項1に記載の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置。
【請求項3】
前記重量センサは、便座の裏面の脚に取り付けられる、請求項1に記載の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置。
【請求項4】
前記重量センサは、前記脚の内部に配設され、該重量センサの周囲にバネ又はベローズが配設される、請求項3に記載の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置。
【請求項5】
前記重量演算部は、重量センサに接続される増幅器と制御部とにより構成される、請求項1に記載の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置。
【請求項6】
前記リモコンは、記憶部を備える、請求項1に記載の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置。
【請求項7】
前記リモコンは、外部デバイスと接続される送受信部を備える、請求項1に記載の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置。
【請求項8】
前記外部デバイスは、前記リモコンと接続される送受信部と、制御部と、記憶部と、表示部と、入力部と、を含む、請求項7に記載の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置。
【請求項9】
前記外部デバイスの制御部は、前記重量センサで測定した使用者の前記体重、前記排便量、前記排尿量のグラフを、前記外部デバイスの表示部に表示する、請求項8に記載の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置。
【請求項10】
前記外部デバイスの制御部は、使用者の前記体重、前記排便量、前記排尿量のグラフを、日毎、週毎、月毎、年毎の何れかで前記外部デバイスの表示部に表示する、請求項9に記載の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体重、排便量、排尿量の測定機能が付いた、体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病院や福祉施設或いは研究所などでは、患者や被験者などの病状を管理するために、体重および排尿量を測定している。ところが体重測定は、洗面所から離れた場所にある体重計を使用しており病人や被験者等にとっては不便である。排尿量測定は、最初に小便を容器に採取し、小便と容器の合計重量aを測定し、その後小便を捨てて容器の重量bを測定して、重量aから重量bを差し引いて排尿量を求めている。小便を捨てた容器は洗い流して棚に戻すようになっており、病人にとっては不便である。
【0003】
特許文献1(特開2000-210229)には、荷重検出手段を有する荷重測定便座が開示されている。特許文献2(特開2000-201858)には、重量測定器としてロードセルを用いた体重測定機能を有する便器が開示されている。特許文献3(特開2000-83866)には、体重計測手段として圧力センサを用いた体重測定機能付き便器装置が開示されている。
特許文献4には、ショックアブソーバの機構を簡素化し、薄型化を図っていることが開示されている。特許文献5には、重量測定装置において、上面カバー等の撓み具合に関わらず、正確なロードセルからの出力を得ることを可能にして、測定対象の重量を正確に測定し、しかも、装置全体の薄型化を図っていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-210229号公報
【特許文献2】特開2000-201858号公報
【特許文献3】特開2000-83866号公報
【特許文献4】特開平10-293059号公報
【特許文献5】特開2020-148616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現代社会においては、健康管理、ダイエット、入院患者の病状管理などには体重、排便量、排尿量の増減が重要となっている。
本発明は、これらを日常欠かさず使用する温水洗浄便器に重量センサを、例えば4個以内のロードセルを取り付けて、使用者の体重を計測すると共に、排便量、排尿量が測定出来る、体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置は、便座と便座の下部に配設される便器本体と使用時の洗浄操作を行うリモコンとを備え、便座の裏面と便器本体との間に使用者の着座時の重量を計測する重量センサが配設され、重量センサで検出された信号がリモコンにより受信されるようにした便器装置であって、リモコンは、使用者の体重、排便量又は排尿量の重量演算部と体重測定用のスイッチと排便量測定用のスイッチと排尿量測定用のスイッチとからなる入力部と、表示部とからなり、体重測定用のスイッチ操作により使用者の体重が表示部に表示され、排便量測定用のスイッチ操作により使用者の排便量が表示部に表示され、排尿量測定用のスイッチ操作により使用者の排尿量が表示部に表示される。
【0007】
上記構成において、重量センサは、好ましくは便座の裏面に設けられるか、或いは、便座裏面から突設された脚に配設されてもよい。脚に配設する場合、重量センサを脚の内部に配設し、該重量センサの周囲にバネ又はベローズを配設してもよい。
重量演算部は、好ましくは、重量センサに接続される増幅器と制御部とにより構成される。リモコンは、好ましくは、記憶部を備えると共に、外部デバイスと接続される送受信部を備える。
外部デバイスは、好ましくは、リモコンと接続される送受信部と、制御部と、記憶部と、表示部と入力部を含む。外部デバイスの制御部は、好ましくは、重量センサで測定した使用者の体重、排便量、排尿量のグラフを、外部デバイスの表示に表示する。さらに、外部デバイスの制御部は好ましくは、使用者の体重、排便量、排尿量のグラフを、日毎、週毎、月毎、年毎の何れかで外部デバイスの表示に表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な構成により使用者の体重、排便量及び排尿量を容易に測定することができる。そのため小型化し易く簡素な構成に拘らず好適な体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の便器装置の構成を示す側面図である。
図2】本発明の便器装置の重量センサの配置を示す斜視図である。
図3】便座の裏面側にロードセルを配設した状態を示す図である。
図4】便座の裏面側の脚にロードセルを配設した状態を示す図である。
図5】リモコンの表示部及び入力部の一例を示す図である。
図6】本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置の表示部及び入力部を含むリモコンと、リモコンに接続される外部デバイスの構成を示すブロック図である。
図7】記憶部に格納されたプログラムにより実行されるデータ処理の一例を示す図である。
図8】外部デバイスの表示部に表示される表示画面の使用日のグラフの一例を示す図である。
図9】本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置の変形例として、便座の裏面(下面)に固設される脚の内部にバネ又はベローズ付きロードセルを設けた構成を示す模式図である。
図10】バネ又はベローズ付きロードセルの別の構成を示す断面図である。
図11】脚の上部の断面を示す断面図である。
図12】バネ又はベローズ付きのロードセルを便座の裏面に固設される脚の内部に配設した断面図である。
図13】バネ又はベローズ付きのロードセルを便座の裏面に固設される脚の内部に配設する別の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明するが、本発明の範囲は実施形態に限定されることなく適宜変更することができる。特に、図面に記載した各部材の形状、寸法、位置関係などについては概念的な事項を示すに過ぎず、その適用場面に応じて任意に変更することができる。各図において、同一の又は対応する部材等には同一の符号を付している。
【0011】
図1は、本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100の構成を示す側面図であり、図2は本発明の便器装置100における重量センサ11の配置を示す斜視図である。図3は便座3の裏面3a側に重量センサ11としてロードセルを配設した状態を示し、また、図4は便座3の裏面3a側の脚にロードセルを配設した状態を示す図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、本発明の便器装置100は、便器10とリモコン20とで構成され、便器装置100は、体重、排便量、排尿量測定機能を備えてなっている。この便器装置100は、体重、排便量、排尿量測定機能付き便座を含む便器10と、便器10に取り付けられた便座3と、便座3上に取り付けられた上蓋2と、便座3に配設される重量センサ11と、重量センサ11に接続される体重、排便量及び排尿量の重量演算部12、入力部13及び表示部14を有するリモコン20とを含んで構成されている。重量演算部12は、増幅器や後述するCPU等により構成される。リモコン20は、図示しない洗浄操作等を行うスイッチを備えており、便器装置100を備えるトイレの壁や便器10脇の袖部に一体化して取り付けられていてもよい。
【0013】
図2に示すように、便座3は、枢軸により便器本体10aに取り付けられ、上下方向に揺動可能な状態に支持される。便座3の裏面と便器本体10aとの間に、重量センサ11が配置されている。本実施形態では、便座3の裏面に設けられた突起状の脚4、5、6、7のない箇所に配設されている。脚4、5、6、7は、便座3の裏面と、便器本体10aの上面とが、直接には接触しないように樹脂等の柔軟な材料で形成されている。使用者が便座3に着座した状態で重量センサ11と便器本体10aの上部とが水平に対向し、人の荷重が重量センサ11により検出される。
【0014】
図3及び図4に示す重量センサ11は、ロードセルや圧力センサからなり、便座3に座った人の体重を検知して、電気信号に変換する。
【0015】
重量センサ11は、例えば図3に示す便座3の裏面3aの脚4、5、6、7のない箇所に設置することができる。
【0016】
さらに、重量センサ11は、図4に示す脚の内部に、例えば4個のロードセル11a,11b,11c,11dを取り付け、便器10との間に配設されてもよい。
【0017】
図5は、入力部13及び表示部14の一例を示す図である。図5に示すように、入力部13及び表示部14は一体として、リモコン20に設定されている。入力部13には体重用のスイッチ16と、排便用のスイッチ17と、排尿用のスイッチ18とが設けられている。入力部13のスイッチ16、17、18は、押しボタンスイッチが使用できる。
【0018】
表示部14には、年月日、曜日、時刻用の表示19と、体重をkgで表示する体重量の表示14aと、排便量をgで表示する排便量の表示14b及び排尿量をgで表示する排尿量の表示14cとが設けられている。表示部14としては、液晶、有機EL、デジタルパネルメータ等を使用することができる。図5では、表示部14として、デジタルパネル15を使用し、体重用のデジタルパネル15a、排便用のデジタルパネル15b及び排尿用のデジタルパネル15cを用いた例を示している。
【0019】
(体重の測定)
人が便座3に座り、両足を上げ、次に体重測定用のスイッチ16を押すと、人の重量が重量センサ11により検知されて、体重用の表示14aに表示されることにより、人の体重が測定される。これにより、人の体重は、便座3に座り両足を上げた時の重量によりkg単位で測定される。人が便座3に座り両足を持ち上げて浮かした状態では、人の全荷重が重量センサ11に加えられるので、使用者の荷重を正確に測定できる。使用者が便座3に座り、両足を床につけた場合には、両足を床につけたことによる補正をして、当該使用者の荷重を取得してもよい。これは、後述する排便量の測定及び排尿量の測定にも適用できる。
【0020】
(排便量の測定)
人が体重測定の後も便座3に着座し、かつ、両足を上げ、次に排便用のスイッチ17を押して排便すると、体重の測定で得た体重から排便後の人の重量を、引き算することにより排便量がg単位で排便量用の表示14bに表示される。これにより、人の排便量が、便座3に座ったときの重量から排便後の重量を差し引くことにより求められる。
【0021】
(排尿量の測定)
人が体重の測定の後も便座3に座り、かつ、両足を上げ、次に排尿用のスイッチ18を押すと、排尿後の人の重量が重量センサ11により検知されて、体重の測定で得た体重から排尿後の人の重量を、引き算することにより排尿量がg単位で排尿量の表示14cに表示される。これにより、人の排尿量が、便座3に座ったときの重量から排尿後の重量を差し引くことにより求められる。
【0022】
本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100によれば、重量センサ11を便座3の裏面3a側に配設することにより、人の体重、排便量及び排尿量を測定することが出来る。
【0023】
図6は、本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100の表示部14及び入力部13を含むリモコン20と、リモコン20に接続される外部デバイス30の構成を示すブロック図である。
リモコン20は、リモコン20に電気的に接続される重量センサ11と、重量センサ11に接続される増幅部22と、増幅部22に接続されるインターフェース部(I/O部)23と、インターフェース部23に接続される制御部24と、制御部24に接続される表示部25と、制御部24に接続される入力部26と、制御部24に接続される記憶部27と、制御部24に接続される送受信部28と、電源29とを含んで構成されている。
【0024】
リモコン20の制御部24は、所謂CPUであり、マイクロコンピュータ等を含む。記憶部27は、DRAMや不揮発性メモリで構成されている。
【0025】
リモコン20の入力部26は、複数のスイッチ16-18を用いることができる。
【0026】
リモコン20の表示部25は、液晶、有機EL、デジタルパネルメータを使用できる。表示部25には、上述した体重、排便量、排尿量に、さらに、測定した年月日、曜日、時刻が表示されてもよい。
【0027】
表示部25は、所謂タッチパネルから構成されていて、入力部26を兼ねてもよい。入力部26による、複数のスイッチ16-18による操作と、タッチパネルを押す操作を、スイッチ操作と呼ぶ。
【0028】
リモコン20の送受信部28は、有線LAN又は無線LANを用いることができる。無線LANとしては、WiFi(登録商標)やブルートゥス(登録商標)を用いることができる。
【0029】
重量センサ11からの電気信号は、重量センサ11に接続された増幅部22により増幅されて、インターフェース部(I/O部)23と、必要に応じてA/D変換器によりデジタル信号に変換されて、制御部24に入力される。
【0030】
上述した体重の測定、排便量の測定及び排尿量の測定を行うプログラムが、記憶部27に格納され、制御部24により実行されることにより、体重用のスイッチ16が押されると体重の測定、排便用のスイッチ17が押されると排便量の測定、排尿用のスイッチ18が押されると排尿量の測定がされる。
【0031】
上記リモコン20によれば、体重用、排便用及び排尿用の各スイッチ16-18が押される、つまりスイッチ操作により体重、排便量及び排便量が測定されて、ディスプレイに表示される。
【0032】
プログラムの機能として、体重を測定する使用者の名前と使用者の測定履歴などが記憶部27に格納されるようにしてもよい。
【0033】
リモコン20の送受信部28は、本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100から離れた場所にあるパソコン、スマートホン等の外部デバイス30にデータを送信及び受信する機能を有している。体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100から外部デバイス30に送信される送信データは、使用者の名前、体重、排便量、排尿量、年月日、曜日、時刻等を含む。
【0034】
外部デバイス30は、デスクトップパソコン、ノート型パソコン、タブレット型コンピュータ、携帯電話の端末等を用いることができる。
【0035】
外部デバイス30は、送受信部31と、制御部32と、記憶部33と、入力部34と、表示部35と、電源36等を含んで構成されている。
【0036】
外部デバイス30の送受信部31は、リモコン20の送受信部28と相互に通信が可能である。
【0037】
外部デバイス30の制御部32は所謂CPUでありマイクロコンピュータ等を含む。
【0038】
外部デバイス30の記憶部33は、DRAMや不揮発性メモリで構成されている。記憶部33には、リモコン20から送出されるデータを受信して、外部デバイス30に表示するプログラムが格納されている。
【0039】
外部デバイス30の記憶部33に格納されたプログラムで制御部32により実行されるデータ処理は、例えば縦軸を体重、排便量、排尿量とし、横軸を日、週、月、半年、1年~5年としてグラフ化することである。
【0040】
図7は、記憶部33に格納されたプログラムにより実行されるデータ処理の一例を示す図である。記憶部33に格納されたプログラムが実行されると、リモコン20により取得され、リモコン20の記憶部27に保存された使用者のデータが、ステップ1にて外部デバイス30に送出される(図7のステップST-1)。
【0041】
ステップ2にて使用者のデータを受信した外部デバイス30の制御部32は、記憶部33に格納された使用者のデータにより使用者の名前を特定する(図7のステップST-2)。
【0042】
ステップ3にて、制御部32は、記憶部33に保存された使用者の体重、排便量及び排尿量に関するデータが保存されているか否か、つまり最初のデータであるか否かを判定する(図7のステップST-3)。
【0043】
ステップ3にて、記憶部33に保存された使用者の体重、排便量及び排尿量に関するデータがない場合、つまり、最初のデータである場合には、ステップ4にて、記憶部33に名前と紐付けて、年月日及び時間と、体重、排便量及び排尿量を保存して、プログラムの実行を終了する。
【0044】
ステップ3にて外部デバイス30の制御部32は、リモコン20から送出されたデータと記憶部33に格納された使用者のデータから名前が特定され、体重のデータに紐付けられた排便量及び排尿量が記憶部33に保管されている場合には、ステップ5にて、使用日のグラフとして、表示部35に表示する(図7のステップST-5)。
【0045】
図8は、外部デバイス30の表示部35に表示される表示画面35aの使用日のグラフの一例を示す図である。なお、外部デバイス30としてタブレットコンピュータや携帯電話を用い、表示部35として、タッチパネルを用いた場合を説明する。
図8に示すように、表示画面35aには、「日」を選択した画面として0時から24時迄の体重、排便量、排尿量に係る1日のグラフが表示されることを示している。
【0046】
図7のステップ5にて、使用日のグラフを表示した後で、使用者はタッチ部35bで、「週」、「月」、「6ケ月」、「年」を押すことにより、ステップ6にて、選択した画面で、例えば「週」毎、「月」毎、「6ケ月」毎、「年」毎のグラフを表示画面34aに表示して閲覧することができる。
【0047】
所望の期間のグラフを閲覧した後、ステップ7にてプログラムを図7のステップST-7で終了するか、別のプログラムに移動するために終了してもよい。
【0048】
本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100は、便座3と便座3の下部に配設される便器本体10aと使用時の洗浄操作を行うリモコン20とを備え、便座3の裏面3aと便器本体10aとの間に使用者の着座時の重量を計測する重量センサ11が配設され、重量センサ11で検出された信号がリモコン20により受信されるように構成され、リモコン20は、体重、排便量及び排尿量の重量演算部12と、体重測定用のスイッチ16と排便量測定用のスイッチ17と排尿量測定用のスイッチ18とからなる入力部13と、表示部14とからなり、体重測定用のスイッチ操作により使用者の体重が表示部14に表示され、排便量測定用のスイッチ操作により使用者の排便量が表示部14に表示され、排尿量測定用のスイッチ操作により使用者の排尿量が表示部14に表示される。
【0049】
本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100によれば、便座の裏面3aの脚7のない箇所(図3参照)や脚7の内部空間(図4参照)に、所定の数の例えばロードセルからなる重量センサ11を取り付けることにより、使用者の体重、排便量、排尿量を測定して、健康管理や、ダイエットができると共に、病院の入院患者の病状管理、福祉施設内の看護や介護が必要な利用者等の健康管理ができる。
【0050】
なお、上記実施形態は発明の範囲内において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、図8に表示画面35aとして、体重、排便量及び排尿量をグラフで表示する例を用いて説明したが、体重から標準体重を求めて表示するようにしてもよい。予め、図7のステップ2にて、使用者の名前と共に、使用者の身長(m)が入力されて、記憶部33に格納されるとする。この場合、標準体重(kg)は、制御部32及び記憶部33により下記式1で、計算されて、表示部35に表示される。
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22 (式1)
【0051】
標準体重(a)から、使用者の体重(b)を差し引いた差(a-b)(kg)の値をプロットしても良い。この場合、使用者の体重(b)が標準体重(a)よりも重い場合には肥満、使用者の体重(b)が標準体重(a)よりも軽い場合には痩せと、表示部35に表示してもよい。差(a-b)(kg)の重さの段階に応じて、普通、やや肥満、肥満、やや痩せ、痩せ等を表示部35に追加表示してもよい。
【0052】
さらに、使用者体重(b)と使用者の身長(m)から下記式2で、肥満指数(Body Mass Index、BMIと呼ぶ)が、制御部32及び記憶部33により計算されて、表示部35に表示されてもよい。
BMI(kg/m2)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) (式2)
BMIは、差(a-b)(kg)と共に表示部35に表示されてもよい。BMIの値から肥満に関するWHOや日本肥満学会の基準が、BMIと共に表示部35に表示されてもよい。例えば、日本肥満学会の基準により、BMIが18.50未満では痩せ、BMIが18.5以上25.00未満では普通体重、BMIが25.00以上30.00未満では肥満(1度)、BMIが30.00以上35.00未満では肥満(2度)、BMIが35.00以上40.00未満では肥満(3度)、BMIが40.00以上では肥満(4度)と表示してもよい。
【0053】
上記した標準体重(kg)及び/又はBMIは、タッチ部35bで、「週」、「月」、「6ケ月」、「年」を押すことにより、選択した画面で、例えば「週」毎、「月」毎、「6ケ月」毎、「年」毎のグラフを表示画面35aに表示して閲覧するようにしてもよい。これにより、使用者は、最初に名前と共に身長のデータを入力することにより、使用者の標準体重(kg)からの差及び/又はBMI基準が表示部35に表示されるので、肥満に関する健康管理や、ダイエットが容易にできる。
【0054】
次に、本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100の変形例について説明する。
図9は本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100の変形例として、脚7の内部の空間にバネ又はベローズ付きロードセルを設けた構成を示す模式図である。
脚7は、便座3を下ろしたとき便器本体10aの上面に当接するよう、図示しない便座裏面の数箇所でこの便座裏面に固定されている。図9の変形例では、ロードセル11eは、図示の場合4つの脚7の内部を中空体に成形し、その空間にそれぞれ内蔵することができる。
この例では、ロードセル11eの周囲にバネ110又はベローズ115が配置されて構成されている。つまり、バネ110又はベローズ115はロードセル11eの側面に配設されて、これらは脚7の内部に収容されている。このようにして、ロードセル11eは、便座3の裏面に固設された脚7の内部において、ロードセル11eの本体が脚の下部7bに固定されると共に、ロードセル11eの突起11fが脚の上部7a(すなわち、便座3の裏面)に向かって対向するように配設されている。従って、脚の底面、即ち下部7bは、ロードセル11eの取付部となる。以下、適宜に脚の下部7bをロードセル取付部とも呼ぶ。
ロードセル11eは、リモコン20に接続されている。リモコン20は、図6と同様に電気信号を増幅する増幅部22と、電気信号を重量に変換する制御部24と、それを表示する表示部25と、電気信号を外部デバイス30に接続する送受信部28等により構成される。
なお、ロードセル11eは、その突起11fが下方へ向かって突出するよう脚の上部7aに取り付けられても構わない。
【0055】
図9に示すように、重量センサ11として、ロードセル11eの側面にバネ110又はベローズ115を配設すると、使用者の測定面がロードセル11eと広い面積で接触して使用者の重量測定が正確にできる。
【0056】
ロードセル11eの突起11fは、使用者の体重を脚の上部7aを介して検知して電気信号に変換する。
【0057】
図10はバネ110又はベローズ115付きロードセル11gの別の構成を示す断面図である。図10に示すように、このバネ110又はベローズ115付きロードセル11gには、該ロードセル11gの本体に高さ調整台113が配設されている。このように、バネ110又はベローズ115付きのロードセル11gでは、ロードセル11gの下部に高さ調整台113を備えることで、バネ110又はベローズ115の高さを変化させて、バネ110又はベローズ115付きのロードセル11gの高さが調整できるので、脚の高さが変化してもロードセル11gの設置が可能となる。
【0058】
図11は脚の上面7aの断面を示す断面図である。図11に示すように、脚の上面7aは、ゴム117と、金属又は合金からなる板118又は高分子材料からなる樹脂板119とが積層された構造を有している。脚の上面7aをこのような構造とすることで、バネ110又はベローズ115付きのロードセル11eの突起11fと脚の上面7aとの接触面積を広くすることできると共に、使用者が便座3に座る際の異音や不快な音の発生を緩和することができる。
【0059】
図12はバネ110又はベローズ115付きのロードセル11eを便座の裏面の脚7の内部に固定した断面図で、バネ110又はベローズ115付きのロードセル11eは、ネジ120又は接着剤により便座3の上に取り付けられている。
【0060】
図13はベローズ115付きのロードセル11eを便座の裏面の脚の内部に固定する別の構成を示す断面図である。この構成では、ベローズ115の上下部にネジ止めしたOリング122を使用して密閉すると共に、ロードセル11eのリード線123を耐性、油性に強い耐アルコール接着剤等で固定した接合部125を備えている。Oリング122は、脚の上部7a及び脚の下部7bに設けたOリング用溝に挿入して取り付けてもよい。
【0061】
上記の本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100の変形例によれば、ロードセル11eの側面にバネ110又はベローズ115を配設し、バネ100又はベローズ115の下部を脚の下部7bに配設することによって、使用者とロードセル11eの接触面積を広くすることができる。そのため、ロードセル11eよりも柔らかい物体、つまりロードセル11eに触れる使用者の体格の差に対応して、表面に凹凸のある使用者及び/又は複雑な形状を有している使用者の重量の測定をより正確に行うことができる。
【0062】
本発明によれば、バネ110又はベローズ115を配設することで、使用者がロードセル11eに接触する時の衝撃力を緩和することができる。また、脚の上部7aの上部側にゴム板117等を配設すれば、使用者が便座3に座る際の異音や不快な音を緩和することができる。さらに、ベローズ115により、ロードセル11eを密閉することによって、湿度が高い雰囲気でも、使用者の重量測定を正確に行うことができると共に、使用者が便座3に座る際の異音や不快な音を緩和することができる。
【0063】
さらに、本発明の体重、排便量、排尿量測定機能付き便器装置100の変形例によれば、ロードセル11eがベローズ115によって囲まれているので、水洗時の水や小便の跳ね返りや便器の掃除時における水及び排泄時の尿素などによる腐食からロードセル11eを保護することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
2 上蓋
3 便座
3a 便座の裏面
4,5,6,7 便座の脚
7a 脚の上部
7b 脚の下部(ロードセル取付部)
10 便器
10a 便器本体
11 重量センサ
11a、11b,11c,11d,11e,11g ロードセル
11f ロードセルの突起
12 重量演算部
13 入力部
14 表示部
14a 体重量の表示
14b 排便量の表示
14c 排尿量の表示
15 デジタルパネル
15a 体重用のデジタルパネル
15b 排便用のデジタルパネル
15c 排尿用のデジタルパネル
16 体重用のスイッチ
17 排便用のスイッチ
18 排尿用のスイッチ
19 年月日、曜日、時刻用の表示
20 リモコン
22 増幅部
23 インターフェース部(I/O部)
24 制御部
25 表示部
26 入力部
27 記憶部
28 送受信部
29 電源
30 外部デバイス
31 送受信部
32 制御部
33 記憶部
34 入力部
35 表示部
35a 表示画面
35b タッチ部
36 電源
100 便器装置
110 バネ
113 高さ調整台
115 ベローズ
117 ゴム
118 金属又は合金からなる板
119 高分子材料からなる樹脂板
120 ネジ
122 Oリング
123 リード線
125 接着剤による接合部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13