(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154771
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20241024BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241024BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241024BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20241024BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21Y115:10
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068824
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】片山 照夫
(72)【発明者】
【氏名】塚原 康晴
(57)【要約】
【課題】長手方向の端部において光源ユニットとベースユニットとの間に段差が生じにくくすることが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置100は、ベースユニット110と、光源ユニット120とを備える。ベースユニット110は、長手方向PDに沿って延び、取付体に取り付けられる。光源ユニット120は、ベースユニット110に取り付けられる。ベースユニット110は、長手方向PDに沿って伸縮可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って延び、取付体に取り付けられるベースユニットと、
前記ベースユニットに取り付けられる光源ユニットと、
を備え、
前記ベースユニットは、前記長手方向に沿って伸縮可能である、照明装置。
【請求項2】
前記ベースユニットは、
前記長手方向に沿って延び、前記光源ユニットを保持する筐体と、
前記筐体の前記長手方向の少なくとも一方の端部に配置される閉塞部材と
を含み、
前記閉塞部材は、前記筐体に対して、前記長手方向に沿って移動可能である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記長手方向において、
前記光源ユニットの長さは、前記筐体の長さよりも長い、請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記閉塞部材は、前記筐体に挿入される挿入部を含み、
前記光源ユニットは、前記長手方向に直交し前記ベースユニットから前記光源ユニットに向かう短手方向において、前記挿入部に対して対向する対向部材を有し、
前記挿入部は、前記対向部材が挿入される第1溝部を有し、
前記閉塞部材は、前記長手方向における前記対向部材の位置に応じて、前記筐体に対する位置が決定される、請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記挿入部は、前記長手方向に沿って延びる第2溝部をさらに有し、
前記筐体は、前記第2溝部に挿入されるレール部を有し、
前記レール部は、前記長手方向に沿って延びる、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第2溝部は、前記挿入部において、前記短手方向に延びる側部に設けられる、請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記挿入部は、前記長手方向に沿って延びる第3溝部を含み、
前記第3溝部は、前記第3溝部の壁面から前記第3溝部の内側に向かって突出する第1突起部を有し、
前記筐体は、前記筐体の内壁面から前記筐体の内側に向かって突出する第2突起部を有し、
前記第2突起部は、前記第3溝部において、前記第1突起部より前記筐体の前記端部側に位置する、請求項4に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された照明装置は、長尺状の本体と、長尺状のLEDモジュールとを備える。本体は天井面に取り付けられる。LEDモジュールは本体に装着される。LEDモジュールは、長尺状の本体の所定の箇所に取り付けられる。LEDモジュールは、透光性カバーを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された照明装置において、例えば、公差によって、本体の長さとLEDモジュールの長さと異なる可能性がある。この場合、長尺状の端部において本体とLEDモジュールとの間に段差が生じ、美観を損ねる可能性がある。
【0005】
本願に開示する発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、長手方向の端部において光源ユニットとベースユニットとの間に段差が生じにくくすることが可能な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明装置は、ベースユニットと、光源ユニットとを備える。前記ベースユニットは、長手方向に沿って延び、取付体に取り付けられる。前記光源ユニットは、前記ベースユニットに取り付けられる。前記ベースユニットは、前記長手方向に沿って伸縮可能である。
【0007】
本願に開示する照明システムにおいて、前記ベースユニットは、前記長手方向に沿って延び、前記光源ユニットを保持する筐体と、前記筐体の前記長手方向の少なくとも一方の端部に配置される閉塞部材とを含むことが好ましい。前記閉塞部材は、前記筐体に対して、前記長手方向に沿って移動可能であることが好ましい。
【0008】
本願に開示する照明システムにおいて、前記長手方向における前記光源ユニットの長さは、前記筐体の長さよりも長いことが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明システムにおいて、前記閉塞部材は、前記筐体に挿入される挿入部を含むことが好ましい。前記光源ユニットは、前記長手方向に直交し前記ベースユニットから光源ユニットに向かう短手方向において、前記挿入部に対して対向する対向部材を有することが好ましい。前記挿入部は、前記対向部材が挿入される第1溝部を有することが好ましい。前記閉塞部材は、前記長手方向における前記対向部材の位置に応じて、前記筐体に対する位置が決定されることが好ましい。
【0010】
本願に開示する照明システムにおいて、前記挿入部は、前記長手方向に沿って延びる第2溝部をさらに有することが好ましい。前記筐体は、前記第2溝部に挿入されるレール部を有することが好ましい。前記レール部は、前記長手方向に沿って延びることが好ましい。
【0011】
本願に開示する照明システムにおいて、前記第2溝部は、前記挿入部において、前記短手方向に延びる側部に設けられることが好ましい。
【0012】
本願に開示する照明システムにおいて、前記挿入部は、前記長手方向に沿って延びる第3溝部を含むことが好ましい。前記第3溝部は、前記第3溝部の壁面から前記第3溝部の内側に向かって突出する第1突起部を有することが好ましい。前記筐体は、前記筐体の内壁面から前記筐体の内側に向かって突出する第2突起部を有することが好ましい。前記第2突起部は、前記第3溝部において、前記第1突起部より前記筐体の前記端部側に位置することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本願に開示する発明によれば、長手方向の端部において光源ユニットとベースユニットとの間に段差が生じにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図6】筐体に取り付けられたベースユニット閉塞部材の一例を模式的に示す図である。
【
図7】筐体に取り付けられたベースユニット閉塞部材の他の例を模式的に示す図である。
【
図8】ベースユニット閉塞部材が取り付けられた筐体を示す断面図である。
【
図9】光源ユニットの取り付け前のベースユニットを模式的に示す図である。
【
図10】光源ユニットの取り付け後のベースユニットを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図中、理解の容易のため、三次元直交座標系のX軸、Y軸、およびZ軸を適宜記載している。X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。Z軸の正方向は鉛直上方向を示し、Z軸の負方向は鉛直下方向を示す。
【0016】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る照明器具100を説明する。
図1は、照明器具100を示す斜視図である。
【0017】
図1に示すように、照明器具100は光を出射する。照明器具100は、照明装置の一例である。照明器具100は、長手方向PDに沿って延びている。本実施形態では、長手方向PDは、Y軸に略平行であり、照明器具100の長手方向を示す。照明器具100は、ベースユニット110と、光源ユニット120とを備える。
【0018】
ベースユニット110は長手方向PDに沿って延びている。ベースユニット110は、直接または間接的に取付対象物に取り付けられる。取付対象物は、例えば、建造物のような構造物の取付部である。取付対象物は、取付体の一例である。取付部は、例えば、天井面である。ベースユニット110は、筐体152を有する。
【0019】
光源ユニット120はベースユニット110に取り付けられる。光源ユニット120は、長手方向PDに沿って延びている。本実施形態では、光源ユニット120が光を出射する。光源ユニット120は、カバー部材154と、一対の光源ユニット閉塞部材130とを有する。
【0020】
図2を参照して、照明器具100についてさらに説明する。
図2は、照明器具100を示す分解斜視図である。
【0021】
図2に示すように、光源ユニット120は、カバー部材154に加えて、発光部160と、電源部170と、複数の取付バネ180と、ケーブルホルダー182と、ベース部材190とをさらに有する。また、光源ユニット120は、複数の対向部材7をさらに有する。
【0022】
カバー部材154は、長手方向PDに沿って延びており、発光部160を覆う。カバー部材154の内部は空洞である。カバー部材154は、発光部160およびベース部材190を収容する。カバー部材154は、例えば、合成樹脂製である。カバー部材154は、例えば、発光部160が出射した光を拡散する。カバー部材154は、例えば、白色半透明であってもよい。カバー部材154は、例えば、光拡散材料を含有した樹脂を成形することによって形成してもよいし、透明材料で成形した後に表面に光拡散処理(微小凹凸形成処理、透光白色塗装を含む)を施して形成してもよい。カバー部材154は、例えば、断面視略U字形状を有する。カバー部材154は、例えば押し出し成形方法を用いて成形される。カバー部材154は、押し出し成形の際のカット工程での切断公差、および押し出し成形後の熱収縮公差等により、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向の長さに個体差が生じやすい。
【0023】
発光部160は、長手方向PDに沿って延びており、光を出射する。発光部160は、例えば、LED(Light Emitting Diode)モジュールである。具体的には、発光部160は、2つの基板164と、複数の発光素子166とを含む。2つの基板164は、長手方向PDに沿って並んでいる。発光部160の基板164の枚数は一例である。基板164は、長手方向PDに沿って延びている。複数の発光素子166は基板164の実装面A1に実装される。複数の発光素子166は、例えば、一直線上に配列される。発光素子166の各々は、発光し、例えば、LEDである。複数の発光素子166は、発光面がカバー部材154の内面に対向し、カバー部材154の内面に向かって光を出射する。その結果、光は、カバー部材154を通して、照明器具100の外部に出射する。なお、単数の発光素子166を設けてもよい。
【0024】
ベース部材190は、略長尺状であり、長手方向PDに沿って延びている。ベース部材190は、例えば、金属製(例えば、アルミニウム製)である。ベース部材190は、例えば、押し出し成形方法を用いて成形され、長手方向PDの一端から他端まで断面形状が一定である。ベース部材190には、発光部160が取り付けられる。具体的には、ベース部材190は、略平坦な第1面部B1と、第1面部B1に対向する第2面部B2とを有する。そして、第1面部B1と基板164の対向面A2とが対向するように、発光部160がベース部材190に取り付けられる。
【0025】
複数の取付バネ180は、互いに間隔をあけてベース部材190に取り付けられる。具体的には、取付バネ180は、ベース部材190の第2面部B2に取り付けられる。複数の取付バネ180によって、光源ユニット120がベースユニット110に取り付けられる。例えば、取付バネ180の各々は、弾性を有し、金属製(例えば、ステンレス製)である。そして、複数の取付バネ180を筐体152に嵌め込むと、複数の取付バネ180の弾性によって、光源ユニット120がベースユニット110に取り付けられる。なお、取付バネ180のX軸方向の寸法は、光源ユニット120をベースユニット110に取り付ける際に、ベースユニット110の開口を取付バネ180が通過可能な寸法であればよい。
【0026】
電源部170は、2つの端子台171と、電源172とを有する。電源172は、電源本体172Bと、電源カバー172Cとを含む。2つの端子台171と、電源本体172Bとは、ベース部材190に取り付けられる。電源カバー172Cは、ベース部材190に取り付けられ、電源本体172Bを覆う。具体的には、端子台171と、電源172とは、ベース部材190の第2面部B2に取り付けられる。電源本体172Bは、内部電力線(図示せず)を介して端子台171と接続している。外部電力線(図示せず)を伝送する交流電圧は、端子台171を介して内部電力線に通電される。内部電力線は、交流電圧を電源本体172Bに伝送する。電源本体172Bは、交流電圧から、発光素子166を発光させる電力を生成する。本実施形態の電源本体172Bは、交流電圧から、発光素子166を発光させる直流電圧を生成する。
【0027】
ケーブルホルダー182は、内部電力線をベース部材190の第2面部B2に固定する。
【0028】
光源ユニット閉塞部材130は、例えば、エンドキャップである。一対の光源ユニット閉塞部材130は、それぞれ、光源ユニット120の長手方向PDの一対の端部に取り付けられる。詳しくは、一対の光源ユニット閉塞部材130は、それぞれ、カバー部材154の長手方向PDの一対の端部に取り付けられる。例えば、光源ユニット閉塞部材130は、固定部材によって、光源ユニット120の長手方向PDの端部に取り付けられる。固定部材は、例えば、ビスである。そして、一対の光源ユニット閉塞部材130は、それぞれ、光源ユニット120の長手方向PDの一対の開放端4を閉塞する。詳しくは、一対の光源ユニット閉塞部材130は、それぞれ、カバー部材154の長手方向PDの一対の開放端4を閉塞する。カバー部材154の長手方向PDは、Y軸に略平行である。
【0029】
ベースユニット110は、筐体152と、一対のベースユニット閉塞部材140とを有する。筐体152は、長手方向PDに沿って延びており、断面視略U字形状を有する。筐体152は、例えば、金属製である。ベースユニット110は、例えば、押し出し成形方法を用いて成形され、長手方向PDの一端から他端まで断面形状が一定である。筐体152は、光源ユニット120を保持する。つまり、光源ユニット120は、筐体152に取り付けられる。光源ユニット120は、筐体152の-Y側方向に位置する。一対のベースユニット閉塞部材140は、例えば、エンドキャップである。ベースユニット閉塞部材140は、閉塞部材の一例である。一対のベースユニット閉塞部材140のうち一方のベースユニット閉塞部材140は、筐体152の長手方向PDの-Y側方向の端部に嵌められる。そして、ベースユニット閉塞部材140は、筐体152の長手方向PDの-Y側方向の開放端5を閉塞する。ベースユニット閉塞部材140は、例えば、平面視略矩形形状を有する。筐体152の長手方向PDは、Y軸に略平行である。
【0030】
一対のベースユニット閉塞部材140のうち他方のベースユニット閉塞部材140は、筐体152の長手方向PDの+Y側方向の端部に取り付けられる。例えば、ベースユニット閉塞部材140は、ベース部材190の長手方向PDの+Y側方向の端部に取り付けられる。そして、ベースユニット閉塞部材140は、筐体152の長手方向PDの+Y側方向の開放端5を閉塞する。
【0031】
対向部材7は、ベースユニット閉塞部材140に対してZ軸方向に対向する。Z軸方向は、照明器具100における短手方向を示す。
【0032】
本実施形態において、筐体152を含むベースユニット110は、Y軸方向(長手方向PD)に沿って伸縮可能である。したがって、ベースユニット110を伸縮可能にすることで、容易にベースユニット110の長さを光源ユニット120の長さに揃えることができ、筐体152と異なる長さの光源ユニット120をベースユニット110に取り付けることが可能になる。さらに、照明器具100の長手方向PDの端部において段差が生じにくくなる。例えば、筐体152より長い光源ユニット120をベースユニット110に取り付けることが可能になる。
【0033】
次に、
図1~
図5を参照して、ベースユニット閉塞部材140について具体的に説明する。
図3は、ベースユニット閉塞部材140の斜視図である。
図4は、ベースユニット閉塞部材140の側面図である。
図4は、ベースユニット閉塞部材140を+X側または-X側から見た図である。
図5は、ベースユニット閉塞部材140の上面図である。
図5は、ベースユニット閉塞部材140を+Z側から見た図である。
【0034】
例えば、ベースユニット閉塞部材140は、合成樹脂製である。一例として、屋外での使用が想定される照明器具100において、ベースユニット閉塞部材140は、より劣化または退色に強いアクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合体(AES)樹脂の射出成形によって形成される。一方、屋外での使用が想定される照明器具100において、ベースユニット閉塞部材140は、ポリカーボネート等によって形成される。ベースユニット閉塞部材140は、筐体152に対して、Y軸方向(長手方向PD)に沿って移動可能である。Y軸方向(長手方向PD)に沿って移動可能なベースユニット閉塞部材140をベースユニット110に設けることで、部品点数を減らし、簡易な構成でベースユニット110を伸縮させることができる。
【0035】
図3~
図5に示すように、ベースユニット閉塞部材140は、閉塞部142と、挿入部141とを有する。
【0036】
閉塞部142は、ベースユニット110の開放端5(
図2参照)を閉塞する。閉塞部142は、矩形状である。挿入部141は、筐体152に挿入される。挿入部141は、断面視略U字形状を有する。具体的には、挿入部141は、一対の側部144と、底部148とを有する。屋外での使用が想定される照明器具100において、閉塞部142、側部144および底部148の厚さは、例えば3mm程度である。一方、屋内での使用が想定される照明器具100において、閉塞部142、側部144および底部148の厚さは、例えば2mm程度である。
【0037】
一対の側部144は、閉塞部142に接続する。一対の側部144の各々は、挿入部141において、Y軸方向およびZ軸方向(短手方向)に沿って延びている。一対の側部144は、閉塞部142のX軸方向の端部からY軸方向に沿って延びている。
【0038】
底部148は、閉塞部142に接続する。底部148は、Y軸方向に沿って延びている。
【0039】
図4に示すように、側部144は、Y軸方向(長手方向PD)に沿って延び、X軸方向に深さを有する溝部161を含む。溝部161は、側部144において、筐体152と対向する側の面に設けられる。つまり、溝部161は、側部144の外側の面に設けられる。例えば、溝部161は、側部144の+Y側の端から-Y側の端まで延びる。なお、溝部161は、-Y側の端まで達していなくてもよい。
図4では、一対の側部144の一方を示しているが、溝部161は、他方の側部144にも設けられている。溝部161は、第2溝部の一例である。溝部161の形状は特に限定されず、一例として、U字溝またはV字溝である。
【0040】
図5に示すように、底部148は、Y軸方向(長手方向PD)に沿って延び、Z軸方向に深さを有する2つの溝部162を含む。溝部162は、底部148において、筐体152と対向する側の面に設けられる。つまり、溝部162は、底部148の外側の面に設けられる。溝部162は、第3溝部の一例である。溝部162の形状は特に限定されず、一例として、U字溝またはV字溝である。
【0041】
次に、
図3~
図8を参照して、ベースユニット閉塞部材140の筐体152への取り付けについて説明する。
図6は、筐体152に取り付けられたベースユニット閉塞部材140の一例を模式的に示す図である。
図7は、筐体152に取り付けられたベースユニット閉塞部材140の他の例を模式的に示す図である。
図8は、ベースユニット閉塞部材140が取り付けられた筐体152を示す断面図である。
図8は、ベースユニット閉塞部材140を通り、X軸方向およびZ軸方向に沿った断面を示す。
【0042】
図5~
図7に示すように、溝部162の各々は、突起部165を有する。突起部165は、溝部162の内側に位置し、溝部162の底面の一部から+Z側に向かって突出する。溝部162の底面は、溝部162の壁面の一例である。言い換えると、突起部165は、溝部162の底面から溝部162の内側に向かって突出する。突起部165の頂部の高さ、つまり突起部165における溝部162の底面からのZ軸方向の長さ(高さ)は、溝部162の深さより短い。突起部165は、第1突起部の一例である。
【0043】
一方、
図5~
図8に示すように、筐体152は、スライドレール155と、突起部156とを有する。スライドレール155および突起部156は、筐体152の内側の面に設けられる。スライドレール155が溝部161に挿入されることにより、ベースユニット閉塞部材140がY軸方向に容易に移動可能になるともに、Y軸方向以外の方向に移動しにくくなる。
【0044】
具体的には、スライドレール155は、筐体152において、ベースユニット閉塞部材140の側部144と対向する面に設けられる。スライドレール155は、筐体152の内側の面から筐体152の内側に向かって張り出した棒状の突起物である。スライドレール155は、レール部の一例である。スライドレール155は、Y軸方向(長手方向PD)に沿って延びる。例えば、スライドレール155は、筐体152の-Y側方向の開放端5から+Y側方向に沿って+Y側方向の開放端5まで延びる。スライドレール155を-Y側方向の開放端5から+Y側方向の開放端5まで設けると、筐体152の押し出し成形の際にスライドレール155を一緒に成形することができるため、製造工数を削減できる。なお、スライドレール155の-Y側方向の端は、開放端5でなくてもよい。また、スライドレール155のY軸方向に沿った長さは、特に限定されない。スライドレール155のZ軸方向における位置は、例えば、筐体152のZ軸方向における中央より+Z側である。
【0045】
本実施形態において、筐体152には、一対のスライドレール155が設けられる。一対のスライドレール155は、Z軸方向において、互いに同じ位置に配置される。言い換えると、一対のスライドレール155は、X軸方向において互いに対向する。したがって、例えば、照明器具100が天井面に取り付けられる場合、溝部161が側部144に設けられていると、溝部161に挿入された一対のスライドレール155によって溝部161が支持されるため、ベースユニット閉塞部材140が筐体152の-Z側へ移動しにくくなる。
【0046】
突起部156は、筐体152において、ベースユニット閉塞部材140の底部148と対向する内壁面から筐体152の内側(-Z側)に向かって突出する半球状の突起物である。突起部156は、第2突起部の一例である。なお、突起部156の形状は特に限定されない。より詳細には、突起部156は、底部148の溝部162の内側に位置する。突起部156のZ軸方向の長さ(高さ)は、溝部162の深さより短い。
【0047】
本実施形態において、ベースユニット閉塞部材140の挿入部141は、筐体152の開放端5より-Y側方向から筐体152の内側へ挿入される。具体的には、まず、一対のスライドレール155の-Y側の端が、溝部161の+Y側の端に挿入される。
【0048】
次に、ベースユニット閉塞部材140を+Y側にさらに移動させると、突起部156が溝部162の内側に位置する。さらに、ベースユニット閉塞部材140を+Y側にさらに移動させると、ベースユニット閉塞部材140を撓ませながら突起部156が突起部165を乗り越える。つまり、突起部156は、溝部162において、突起部165よりベースユニット閉塞部材140が取り付けられた開放端5側に位置する。
図6は、この状態のベースユニット閉塞部材140および筐体152を示している。
【0049】
この状態において、ベースユニット閉塞部材140を-Y側に移動させようとしても、突起部165が突起部156に引っかかるため、ベースユニット閉塞部材140が-Y側に移動しにくくなる。したがって、ベースユニット閉塞部材140が筐体152から外れにくくなる。なお、本実施形態において、突起部156と同様の突起物がスライドレール155の代わりに設けられてもよい。
【0050】
また、底部148に設けられる溝部162は、底部148の+Y側の端まで達していなくてもよい。つまり、底部148は、溝部162の代わりに窪みを有してもよい。この場合、溝部162の+Y側の端が突起部165として機能する。
【0051】
一方、
図6に示す状態からベースユニット閉塞部材140を+Y側にさらに移動させると、
図7に示すように、閉塞部142が開放端5を閉塞する。
【0052】
次に、
図9および
図10を参照して、光源ユニット120のベースユニット110への取り付けを説明する。
図9は、光源ユニット120の取り付け前のベースユニット110を模式的に示す図である。
図10は、光源ユニット120の取り付け後のベースユニット110を模式的に示す図である。
図9および
図10は、ベースユニット110の内側と、光源ユニット120の表面とを模式的に示している。なお、
図9および
図10において、図面簡略化のため、一部の部材は省略している。また、
図9および
図10は、理解を容易にするため、動きを誇張して示している。
【0053】
図9および
図10に示すように、Y軸方向(長手方向PD)において、光源ユニット120の長さLBは、筐体152の長さLCより長い。したがって、光源ユニット120より短い筐体152にベースユニット閉塞部材140を配置することで、ベースユニット110のY軸方向(長手方向PD)の長さを容易に延長でき、ベースユニット110の長さを光源ユニット120の長さLBと同じ寸法または近い寸法に容易に調節できる。光源ユニット120における対向部材7は、挿入部141に対してZ軸方向(短手方向)に対向する。光源ユニット120における対向部材7は、ガイド部721を有する。ガイド部721の+Z側に位置する上部721aは、側面視三角形状である。つまり、ガイド部721の上部721aは、傾斜面722aおよび傾斜面722bを有する。
【0054】
一方、ベースユニット閉塞部材140の側部144は、位置決め部350を有する。位置決め部350は、光源ユニット120をベースユニット110に取り付ける際に、対向部材7のガイド部721を位置決めする。位置決め部350は、側部144に設けられる。また、位置決め部350は、Z軸方向に延びる柱部351および壁部352を有する。柱部351および壁部352は、Y軸方向において対向する。本実施形態において、柱部351および壁部352は、側部144に設けられる。側部144において、Y軸方向(長手方向PD)における柱部351および壁部352の間には空間R1が形成される。本実施形態において、空間R1が形成される側部144、柱部351および壁部352は、Z軸方向に延びる第1溝部の一例である。つまり、挿入部141は、第1溝部を有する。対向部材7のガイド部721は、光源ユニット120をベースユニット110に取り付ける際に、柱部351および壁部352の間に位置決めされる。
【0055】
柱部351の先端部は、傾斜面351sを有する。傾斜面351sは、柱部351の+Y側方向の側面に形成される。したがって、傾斜面351sは、壁部352と対向する。同様に、壁部352の先端部は、傾斜面352sを有する。傾斜面352sは、壁部352の-Y側方向の側面に形成される。したがって、傾斜面352sは、柱部351と対向する。
【0056】
柱部351が傾斜面351sを有し、壁部352が傾斜面352sを有することにより、光源ユニット120をベースユニット110に取り付ける際に、柱部351の傾斜面351sおよび壁部352の傾斜面352sによって、対向部材7のガイド部721が、空間R1に挿入される。
【0057】
具体的には、対向部材7のガイド部721の最大幅L1は、空間R1の間隔L2にほぼ等しいか僅かに小さい。したがって、例えば、
図9に示すように、光源ユニット120の取り付け前に、対向部材7のガイド部721が、空間R1に対して-Y側にずれて位置している場合、光源ユニット120をベースユニット110に対して-Z側から+Z方向に移動させると、ガイド部721における上部721aの傾斜面722aが柱部351の傾斜面351sに接触する。
【0058】
この状態において、光源ユニット120をさらに+Z方向に移動させようとすると、傾斜面722aと傾斜面351sとの間の力の作用反作用によって、ベースユニット閉塞部材140が-Y側に移動する(
図10)とともに、対向部材7のガイド部721が空間R1に案内される。つまり、ベースユニット110は、光源ユニット120の取り付け前の長さLC(筐体152の長さLC)からベースユニット閉塞部材140の移動距離LD分伸びる。
【0059】
一方、図示しないが、光源ユニット120の取り付け前に、対向部材7のガイド部721が、空間R1に対して+Y側にずれて位置している場合、
図9および
図10に示す状態とは逆に、ガイド部721における上部721aの傾斜面722bと壁部352の傾斜面352sとの間の力の作用反作用によって、ベースユニット閉塞部材140が+Y側に移動する。つまり、ベースユニット110は、光源ユニット120の取り付け前の長さLC(筐体152の長さLC)からベースユニット閉塞部材140の移動距離LD分縮む。
【0060】
このように、ベースユニット閉塞部材140は、Y軸方向(長手方向PD)における対向部材7の位置に応じて、筐体152に対する位置が決定される。したがって、光源ユニット120のベースユニット110への取り付けに伴って、ベースユニット閉塞部材140が移動する。その結果、容易にベースユニット110に対する光源ユニット120の位置合わせができる。
【0061】
例えば、側部144において、閉塞部142から柱部351および壁部352までのY軸方向の距離を、光源ユニット120におけるカバー部材154の端部(光源ユニット閉塞部材130)からガイド部721までの距離にあわせると、ベースユニット閉塞部材140のY軸方向の端部の位置と、光源ユニット120のY軸方向の端部の位置とを容易に揃えることができる。よって、照明器具100のY軸方向の端部において、光源ユニット120とベースユニット110との間に段差が生じないか、光源ユニット120とベースユニット1110との間に段差を小さくできる。これにより、例えば、光源ユニット閉塞部材130が壁面に当たる状態で照明器具100を天井面に固定した場合、壁面と筐体152との間に生じる隙間をベースユニット閉塞部材140によって塞ぐことができ、光源ユニット120の上部に埃等が溜まりにくくなるとともに、美観を損ねにくい。
【0062】
なお、本実施形態において、筐体152の長手方向PDの少なくとも一方の端部に配置される。ベースユニット閉塞部材140は、筐体152における両方の開放端5に設けられているが、ベースユニット閉塞部材140は、筐体152のいずれか一方の開放端5に設けられてもよい。この場合、例えば、ベースユニット閉塞部材140が設けられない開放端5には、筐体152に対して移動しない閉塞部材が設けられる。
【0063】
また、本実施形態において、ベースユニット閉塞部材140が筐体152に対して移動する構成に限定されない。例えば、ベースユニット110が筐体152と、筐体152に対して移動しない閉塞部材と、筐体152と閉塞部材とを接続する接続部材とを有してもよい。この場合、接続部材にベースユニット閉塞部材140の挿入部141と同じ構造が形成され、閉塞部材にスライドレール155に相当する構造が形成される。その結果、接続部材が筐体152および閉塞部材に対して移動し、ベースユニット110が伸縮する。
【0064】
また、本実施形態においては、断面視における閉塞部142の大きさが挿入部141の大きさより大きいが、閉塞部142の大きさを挿入部141の大きさ(筐体152の内側の大きさ)以下にすることで、ベースユニット閉塞部材140のすべてが筐体152の内側に位置することが可能になる。この場合、筐体152より短い光源ユニット120をベースユニット110に取り付けることが可能になる。
【0065】
次に、
図11を参照して、本発明の実施形態に係る照明システム500を説明する。
図11は、照明システム500の斜視図である。
【0066】
図11に示すように、照明システム500は、照明器具101と、照明器具200と、連結用部品300とを備える。照明器具101は、ベースユニット111と、光源ユニット120とを有する。照明器具200は、ベースユニット210と、光源ユニット220とを有する。
【0067】
光源ユニット120は、ベースユニット111に取り付けられる。光源ユニット220は、ベースユニット210に取り付けられる。ベースユニット111の構成は、ベースユニット閉塞部材140が筐体152の-Y側方向の開放端5(不図示)に設けられている以外、
図1~
図10を参照して説明した、ベースユニット110と同様の構成を有するため説明を省略する。ベースユニット210は、一対のベースユニット閉塞部材140の代わりに、ベースユニット閉塞部材240を有する以外、
図1~
図10を参照して説明したベースユニット110と同様の構成を有する。ベースユニット閉塞部材240は、ベースユニット210の筐体252の+Y側方向の開放端5(不図示)に設けられる。ベースユニット閉塞部材240は、光源ユニット220の対向部材7(不図示)と対向する。ベースユニット閉塞部材240は、筐体252に対してY軸方向に移動しない。また、光源ユニット120と光源ユニット220とは、
図1~
図10を参照して説明した光源ユニット120と同様の構成を有するため説明を省略する。
【0068】
連結用部品300は、ベースユニット111とベースユニット210とを連結する。連結用部品300の+Y側は、ベースユニット210の-Y側方向の開放端5(不図示)に取り付けられ、光源ユニット220の対向部材7(不図示)と対向する。連結用部品300の-Y側は、ベースユニット111の+Y側方向の開放端5(不図示)に取り付けられ、光源ユニット120の対向部材7(不図示)と対向する。つまり、連結用部品300は、ベースユニット111とベースユニット210とを連結するとともに、光源ユニット120と光源ユニット220とをY軸方向に並べて連結する。
【0069】
本実施形態において、光源ユニット220の長さがベースユニット210の長さより長いため、光源ユニット220の+Y側方向の端部とベースユニット210の+Y側方向の端部との位置を揃えると、光源ユニット220の-Y側方向の端部の位置は、ベースユニット210の-Y側方向の端部より-Y側に位置する。したがって、光源ユニット220の-Y側に位置する光源ユニット120は、ベースユニット111に対して-Y側方向にずれて取り付けられる。その結果、光源ユニット120の+Y側方向の端部は、より-Y側方向にずれる。具体的には、照明システム500において、光源ユニット120の+Y側方向の端部は、ベースユニット210と光源ユニット220とのY軸方向の長さの差、およびベースユニット111と光源ユニット120とのY軸方向の長さの差の合計に相当する長さの分だけベースユニット111の筐体152の+Y側方向の端部からはみ出す。
【0070】
これに対して、照明システム500において、ベースユニット111の筐体152の+Y側方向の端部にベースユニット閉塞部材140を設けることで、光源ユニット120の位置に合わせてベースユニット閉塞部材140を配置できる。その結果、照明システム500において、ベースユニット111の+Y側方向の端部の位置と、光源ユニット120の+Y側方向の端部の位置とを揃えることができる。
【0071】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0072】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0073】
5 :開放端
7 :対向部材
100 :照明器具
101 :照明器具
110 :ベースユニット
111 :ベースユニット
120 :光源ユニット
140 :ベースユニット閉塞部材
141 :挿入部
144 :側部
152 :筐体
155 :スライドレール
156 :突起部
161 :溝部
162 :溝部
165 :突起部
R1 :空間