(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154772
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20241024BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241024BHJP
F21Y 115/00 20160101ALN20241024BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21Y115:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068825
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】片山 照夫
(72)【発明者】
【氏名】塚原 康晴
(57)【要約】
【課題】照明光の漏れを防止すること。
【解決手段】照明器具は、開口を有する空間を規定するベースユニットと、前記ベースユニットに取り付けられる光源ユニットと、前記開口を塞ぐ蓋と、前記蓋から突出し、前記開口から前記空間に挿入される挿入部とを備える。前記ベースユニットは、前記開口及び前記空間を区画する壁を有する。前記光源ユニットは、前記壁の先端が位置する面を有する。前記挿入部は、前記壁に沿って前記面上に位置する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する空間を規定するベースユニットと、
前記ベースユニットに取り付けられる光源ユニットと、
前記開口を塞ぐ蓋と、
前記蓋から突出し、前記開口から前記空間に挿入される挿入部と
を備え、
前記ベースユニットは、前記開口及び前記空間を区画する壁を有し、
前記光源ユニットは、前記壁の先端が位置する面を有し、
前記挿入部は、前記壁に沿って前記面上に位置する、照明器具。
【請求項2】
前記壁の厚さは、前記先端で最も薄い、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記面上において前記挿入部から離れ且つ前記壁の先端に沿って位置する矯正部材を更に備える、請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された照明装置は、長尺状の本体と、長尺状のLEDモジュールとを備える。本体は天井面に取り付けられる。LEDモジュールは本体に装着される。LEDモジュールは、長尺状の本体の所定の箇所に取り付けられる。LEDモジュールは、透光性カバーを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明装置では、不所望な箇所から照明光が漏れないことが求められる。
【0005】
本発明の目的は、照明光の漏れを防止可能な照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、開口を有する空間を規定するベースユニットと、前記ベースユニットに取り付けられる光源ユニットと、前記開口を塞ぐ蓋と、前記蓋から突出し、前記開口から前記空間に挿入される挿入部とを備える。前記ベースユニットは、前記開口及び前記空間を区画する壁を有する。前記光源ユニットは、前記壁の先端が位置する面を有する。前記挿入部は、前記壁に沿って前記面上に位置する。
【0007】
前記壁の厚さは、前記先端で最も薄い。
【0008】
前記照明器具は、前記面上において前記挿入部から離れ且つ前記壁の先端に沿って位置する矯正部材を更に備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る照明器具によれば、照明光の漏れが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図1に示される照明器具の分解斜視図である。
【
図3】
図1に示されるベースユニットに取り付けられる閉塞部材の斜視図である。
【
図6】ベースユニットに取り付けられた閉塞部材の状態を示す模式図である。
【
図7】ベースユニットに取り付けられた閉塞部材の別の状態を示す模式図である。
【
図8】光源ユニットがベースユニットに取り付けられる前の状態を示す模式図である。
【
図9】光源ユニットがベースユニットに取り付けられた後の状態を示す模式図である。
【
図10】
図9に示す線X-Xに沿う縦断面をY軸の負方向側から視たベースユニット、閉塞部材及び光源ユニットを示す図である。
【
図11】
図1の線XI-X1に沿う縦断面をY軸の負方向側から視た断面図である。
【
図12】変形例に係る照明器具100を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る照明器具100について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
図中、理解の容易のため、三次元直交座標系のX軸、Y軸、及びZ軸を適宜記載する。X軸及びY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。Z軸の正方向は鉛直上方向を示し、Z軸の負方向は鉛直下方向を示す。
【0013】
図1は、照明器具100の斜視図である。
図1において、照明器具100は、長手方向PDに長い形状であり、照明光を出射する。実施形態では、長手方向PDは、Y軸方向に略平行である。照明器具100は、ベースユニット110と、光源ユニット120と、二個の閉塞部材130と、二個の閉塞部材140とを備える。
【0014】
ベースユニット110は、長手方向PDに長い略直方体形状である。ベースユニット110は、例えば金属のような非透光性の材料から作製される。ベースユニット110は、例えば天井面に直接的又は間接的に取り付けられる。
【0015】
光源ユニット120は、ベースユニット110において例えばZ軸の負方向側に取り付けられる。光源ユニット120は、照明光を出射する。光源ユニット120は、ベースユニット110(即ち、長手方向PD)に沿って延び、ベースユニット110よりも僅かに長く設計される。
【0016】
図2は、照明器具100の分解斜視図である。
図2において、光源ユニット120は、カバー部材154と、発光部160と、電源部170と、二個の取付バネ180と、二個の押さえ部材182と、ベース部材190と、二個の挿入部材7を更に有する。
【0017】
カバー部材154は、発光部160からの出射光を拡散する。カバー部材154は、長手方向PDに延びる概ね直方体の外形を有する。
【0018】
詳細には、カバー部材154は、壁154A~154Cを有する。
【0019】
壁154Aは、Z軸方向からの平面視で略矩形である。実施形態では、X軸方向における壁154Aの寸法よりも、Y軸方向(長手方向PD)における壁154Aの寸法の方が長い。
【0020】
壁154Bは、壁154AのX軸の負方向側の端からZ軸の正方向に延びる。壁154Cは、壁154AのX軸の正方向側の端からZ軸の正方向に延びる。壁154B,154Cは、X軸方向からの平面視でZ軸方向よりもY軸方向に長い略矩形である。壁154B,154Cは、X軸方向において互いに略対称でよい。カバー部材154は、Y軸方向(長手方向PD)の両端に開口4Aを有する空間4Bを規定する。即ち、空間4Bは、開口4Aを通じて外部に開放されている。
【0021】
カバー部材154は、透光性材料で作製される。透光性材料としては、合成樹脂又はガラスが例示される。透光性材料には、光拡散材料が含有されてもよい。また、カバー部材154には、光拡散のために、例えば微小凹凸形成処理が施されていてもよい。また、実施形態では、カバー部材154は、白色半透明である。
【0022】
発光部160は、長手方向PDに沿って延びており、光を出射する。発光部160は、発光部160は、例えば二個の基板164と、複数の発光素子166とを含む。二個の基板164は、長手方向PDに沿って並んでいる。基板164は、長手方向PDに沿って延びている。複数の発光素子166は、基板164の実装面A1上で直線的に配列される。複数の発光素子166は、カバー部材154の内面の方に向けられる。従って、各発光素子166からの出射光は、カバー部材154を通して照明器具100の外部に照明光として出射される。なお、発光部160は、複数の発光素子166とは異なる光源を有していてもよい。この種の光源としては、蛍光灯が例示される。
【0023】
ベース部材190は、長手方向PDに沿って延びている。ベース部材190は、例えばアルミニウムのような金属製である。ベース部材190は、金属以外で作製されてもよい。ベース部材190は、例えば、押し出し成形方法を用いて成形される。ベース部材190の断面形状は、長手方向PDの一端から他端まで概ね同じである。ベース部材190には、発光部160が取り付けられる。具体的には、ベース部材190は、略平坦な主面B1と、主面B1からZ軸の正方向に離れた主面B2とを有する。そして、主面B1と、基板164において実装面A1とは反対側の面A2とが互いに対向するように、ベース部材190には発光部160が取り付けられる。
【0024】
二個の取付バネ180は、互いに間隔をあけてベース部材190に取り付けられる。具体的には、各取付バネ180は、ベース部材190の主面B2に取り付けられる。各取付バネ180によって、光源ユニット120がベースユニット110に取り付けられる。各取付バネ180は、例えばステンレスのような金属製であり、弾性を有する。各取付バネ180を筐体152に嵌め込むと、各取付バネ180の弾性によって、光源ユニット120がベースユニット110に取り付けられる。なお、取付バネ180のX軸方向の寸法は、光源ユニット120をベースユニット110に取り付ける際に、ベースユニット110の開口5Cを取付バネ180が通過可能な寸法であればよい。
【0025】
電源部170は、二個の端子台171と、電源172と、電源カバー173とを有する。各端子台171と、電源172とは、ベース部材190に取り付けられる。電源カバー173は、ベース部材190に取り付けられ、電源172を覆う。具体的には、各端子台171と、電源172とは、ベース部材190の主面B2に取り付けられる。電源172は、内部電力線(図示せず)を介して各端子台171と接続している。内部電力線は、主面B2上で長手方向PDに延びている。外部電力線(図示せず)で伝送される交流電圧は、各端子台171を介して内部電力線(図示せず)に通電される。内部電力線14(
図8参照)は、交流電圧を電源172に伝送する。電源172は、交流電圧から、発光素子166を発光させる電力を生成する。実施形態の電源172は、交流電圧から、発光素子166を発光させる直流電圧を生成する。
【0026】
各押さえ部材182は、Z軸の正方向側からベース部材190に取り付けられる。これにより、各押さえ部材182は、内部電力線を主面B2に押さえ付ける。その結果、内部電力線は、主面B2に沿う。
【0027】
二個の閉塞部材130の各々は、例えば、エンドキャップである。閉塞部材130の一方及び他方は、光源ユニット120(詳細には、カバー部材154)の長手方向PDにおける一方端及び他方端にそれぞれ取り付けられる。各閉塞部材130は、例えばビスのような固定部材(図示せず)によって、光源ユニット120の長手方向PDの端に取り付けられる。閉塞部材130の一方及び他方は、光源ユニット120(詳細には、カバー部材154)の長手方向PDにおける一方及び他方の開口4Aを閉塞する。カバー部材154の長手方向PDは、Y軸に略平行である。
【0028】
ベースユニット110は、筐体152を有する。筐体152は、長手方向PDに沿って延びており、断面視略U字形状を有する。筐体152は、例えば、金属製である。ベースユニット110は、例えば、押し出し成形方法を用いて成形される。ベースユニット110の断面形状は、ベースユニット110の長手方向PDにおける両端間で略同じである。
【0029】
筐体152は、壁152A~152Cを有する。壁152Aは、X軸方向よりもY軸方向(長手方向PD)の方に長い略矩形の外形を有する。壁152Bは、壁152AのX軸の負方向側の端からZ軸の負方向に延びる。壁152Cは、壁152AのX軸の正方向側の端からZ軸の負方向に延びる。壁152B,152Cは、Z軸方向よりもY軸方向に長い略矩形であり、X軸方向において互いに対称である。ベースユニット110、即ち、筐体152は、長手方向PDの両端に開口5Aを有する空間5Bを規定する。空間5Bは、Z軸の負方向側に開放された開口5Cになっている。
【0030】
各閉塞部材140は、例えば、エンドキャップである。閉塞部材140の一方及び他方は、筐体152の長手方向PDにおける一方端及び他方端にそれぞれ取り付けられる。各閉塞部材140は、筐体152の長手方向PDにおける開口5Aを閉塞する。各閉塞部材140は、長手方向PDからの平面視で略矩形形状を有する。
【0031】
図3は、閉塞部材140の斜視図である。
図4は、閉塞部材140の側面図である。
図5は、閉塞部材140の平面図である。
【0032】
図3から
図5において、閉塞部材140は、例えば、合成樹脂製である。この種の合成樹脂としては、不透明の結晶樹脂が例示される。合成樹脂は、透光性を有さないように着色ペレットを含有していてもよい。閉塞部材140は、合成樹脂を用いて射出成型等により作製される。閉塞部材140は、照明器具100が屋外用である場合、耐候性が比較的高い合成樹脂製である。この種の合成樹脂としては、アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合体(AES)樹脂が例示される。閉塞部材140は、照明器具100が屋内用である場合、ポリカーボネート等により形成される。
【0033】
閉塞部材140は、蓋142と、挿入部141とを有する。蓋142は、ベースユニット110の開口5A(
図2参照)を塞ぐ。挿入部141は、開口5Aから空間5Bに挿入される。
【0034】
詳細には、蓋142は、長手方向PDからの平面視で概ね矩形の外形である(
図3参照)。この矩形は、ベースユニット110及び筐体152(
図2参照)の長手方向PDにおける端の外形と略同一寸法を有する。
【0035】
挿入部141は、詳細には、天部141Aと、二個の側部141B,141Cとを有する。天部141A、及び側部141B,141Cの各々は、蓋142から突出する。
【0036】
天部141Aは、蓋142の端142Aよりも距離D1(
図4参照)だけ内側(即ち、Z軸の負方向側)の位置から突出する。端142Aは、Z軸方向における蓋142の両端のうち正方向側の端である。距離D1は、壁152A(
図2参照)の厚さと概ね同じである。天部141Aは、側部141B,141CのZ軸の正方向側における端の間でY軸方向及びX軸方向に拡がる(
図3,
図5参照)。
【0037】
側部141B,141Cは、蓋142においてZ軸方向に沿う両端よりも距離D2(
図5参照)だけ内側の位置から突出する。距離D2は、壁152B,152C(
図2参照)の厚さと概ね同じである。側部141B,141Cは、Y軸方向及びZ軸方向に拡っており、Z軸方向よりもY軸方向に長い略矩形形状である(
図3参照)。
【0038】
蓋142、天部141A、及び側部141B,141Cの厚さは、照明器具100が屋外用である場合、例えば3mm程度であり、屋内用の場合、例えば2mm程度である。
【0039】
図4において、側部141Bは、側部141Bの外側の面に、Y軸方向に沿って直線的に延びる溝161を有する。溝161は、側部141BのY軸における両端の間で延びる。側部141C(
図3等を参照)にも溝161と同様の溝が形成されている。
【0040】
図5において、天部141Aは、天部141Aの外側の面に、Y軸方向に沿って延びる二個の溝162を有する。二個の溝162は、X軸方向において互いに離れている。各溝162において、Y軸の正方向側の端付近には、突起165が形成されている。突起165は、溝162の底からZ軸の正方向側に突出する。但し、突起165の突出端は、天部141Aの外側の面よりも底の方に位置する。突起165は、Y軸方向における寸法に関し溝162より遥かに小さい。
【0041】
図6は、ベースユニット110に取り付けられた閉塞部材140の一例を示す模式図である。
図7は、ベースユニット110に取り付けられた閉塞部材140の他の例を示す模式図である。
【0042】
図6と
図7とにおいて、ベースユニット110、即ち筐体152は、二個のガイド155と、二個の突起156を有する。各ガイド155及び各突起156は、ベースユニット110の内側の面に、ベースユニット110と一体で設けられる。具体的には、二個のガイド155は、ベースユニット110の内面において、閉塞部材140が有する二個の溝161が係合可能な位置に設けられる。実施形態では、各ガイド155は、Y軸方向に直線的に延び、ベースユニット110の内側に向かって突出する。ガイド155は、例えば、ベースユニット110におけるY軸の負方向側の端から延びる。また、ガイド155は、
図6と
図7とに示されるような直線状の突起ではなく、Y軸方向に沿って間隔をあけて配列された複数の突起を有していてもよい。
【0043】
突起156は、ベースユニット110の内面において天部141Aと対向する部分からZ軸の負方向側に向かって突出する(
図6,
図7参照)。詳細には、突起156は、挿入部141が空間5Bに挿入されたときに溝162に入り込む位置に形成される。突起156の突出端は、Z軸方向において、溝162内の突起165の突出端よりも負方向側に位置する。また、ベースユニット110の端から突起156までのY軸方向における距離D3は、閉塞部材140の端から突起165までのY軸方向における距離D4より短い。
【0044】
挿入部141は、開口5Aから空間5B内へと挿入される。この際、ガイド155が溝161に係合する。従って、閉塞部材140は、Y軸方向に直線的に移動可能になる。閉塞部材140がY軸の正方向に向けて移動させられると、突起156は、最初に溝162内に係合する。閉塞部材140をY軸の正方向に更に移動されると、突起156は、Y軸の正方向側から突起165に近付き、突起165に当接する。その後、突起156は、突起165を乗り越えて、突起165よりもY軸の負方向側に相対移動する(
図6参照)。
図6に示される状態で、光源ユニット120がベースユニット110に取り付けられている場合に、人が閉塞部材140をY軸の負方向側へと移動させようとしても、閉塞部材140の移動は、突起156,165により規制される。即ち、突起156,165は、ストッパーとして機能する。
図6に示される状態から、閉塞部材140がY軸の正方向側に更に移動させられると、蓋142が開口5Aを塞ぐ(
図7参照)。
【0045】
図8は、光源ユニット120がベースユニット110に取り付けられる前の状態を示す模式図である。
図9は、光源ユニット120がベースユニット110に取り付けられた後の状態を示す模式図である。
図8及び
図9には、
図1に示す鎖線VIII-VIIIに沿うベースユニット110及び閉塞部材140の縦断面の要部のみが示されている。また、光源ユニット120に関しては、X軸の正方向側から視た側面が示されている。
【0046】
光源ユニット120は、弾性材料で作製される二個の挿入部材7を備えている(
図2参照)。
図8と
図9とにおいて、挿入部材7の一方は、カバー部材154においてZ軸の正方向側の端よりも突出する。挿入部材7の一方は、カバー部材154におけるY軸の負方向側の端から正方向に離れて位置する。挿入部材7の一方は、カバー部材154におけるX軸方向の両端から内側に離れて位置する。詳細には、挿入部材7は、端面71A,71Bと、傾斜面72A,72Bとを有する。端面71A,71Bは、カバー部材154においてZ軸の正方向側の端から同方向に延びている。端面71A,71Bは、挿入部材7のY軸の負方向側及び正方向側の端にそれぞれ位置する。端面71A,71Bの各々は、X軸及びZ軸の双方に略平行であり、Y軸方向において距離L1だけ互いに離れている。傾斜面72A,72Bは、端面71A、71BのZ軸の正方向側の端から延びる。詳細には、傾斜面72Aは、Z軸の正方向に進む程、Y軸の正方向に傾斜する。傾斜面72Bは、Z軸の正方向に進む程、Y軸の負方向に傾斜する。傾斜面72A,72Bは、Z軸の正方向における先端において互いに接続される。
【0047】
閉塞部材140の一方は、二個のガイド面143A,143Bを有する。二個のガイド面143A,143Bは、側部141Cの内面において蓋142からY軸の正方向側に離れて位置する。ガイド面143A,143Bの各々は、X軸及びZ軸の双方に略平行であり、Y軸方向において距離L2だけ離れている。距離L2は、距離L1と同じ又は距離L1より僅かに長い。なお、側部141Bの内面にも、ガイド面143A,143Bと同様に二個のガイド面が形成されている。
【0048】
光源ユニット120をベースユニット110に取り付ける際に、挿入部材7の一方は、ガイド面143A,143Bの間の空間に挿入される。距離L2は距離L1と同じ又は距離L1より僅かに長いが、挿入部材7の一方が弾性材料で作製されている。その結果、閉塞部材140の一方は、光源ユニット120に対して固定される(
図10参照)。閉塞部材140が光源ユニット120に対して固定された時に、蓋142及び閉塞部材130のY軸の負方向側の各端面が互いに面一になるように、照明器具100の各部は設計される。「面一」は、互いに段差無く平行であることを意味する。
【0049】
挿入部材7の他方は、挿入部材の一方とY軸方向において互いに略対称な形状である。閉塞部材140の他方は、閉塞部材140の一方と略同一形状を有する。従って、光源ユニット120をベースユニット110に取り付ける際に、挿入部材7の他方は、挿入部材7の一方と同様に光源ユニット120に対して固定される。
【0050】
ベースユニット110と光源ユニット120とは、線膨張係数が相異なる材料で作製される。従って、周囲温度の変化により、ベースユニット110と光源ユニット120とは、特に長手方向PDに相異なる長さだけ伸縮する。周囲温度の変化は、典型的には、光源ユニット120の発光により生じる。その結果、ベースユニット110及び光源ユニット120の長手方向PDにおける端同士が互いに位置ずれすることがある。
【0051】
実施形態では、照明器具100は、図示しない連結部材により、同じ仕様であるが別の照明器具100とY軸方向に接続される仕様になっている。この場合、美観を向上するため、Y軸方向に隣り合うベースユニット110の間に隙間が生じないようにし、且つY軸方向に隣り合う光源ユニット120の間に隙間が生じないようにすることが求められる。この場合、長手方向PDにおいて端に位置するベースユニット110及び光源ユニット120の長手方向PDにおける端同士が互いに位置ずれすることがある。
【0052】
位置ずれの対策として、閉塞部材140が光源ユニット120に固定される。従って、閉塞部材140は、光源ユニット120の伸縮に追従してY軸方向に移動する。その結果、閉塞部材130,140のY軸方向の端同士の位置が揃う。しかしながら、閉塞部材140は、ベースユニット110の端に対してY軸方向に移動し、閉塞部材140の側部141B,141Cがベースユニット110から露出する。従って、側部141B,141Cの形状によっては、発光部160からの出射光が不所望な箇所(側部141B,141Cと光源ユニット120と境界部分)から漏れることが想定される。
【0053】
図10は、
図9に示す線X-Xに沿う縦断面をY軸の負方向側から視たベースユニット110、閉塞部材140及び光源ユニット120を示す図である。
【0054】
図10において、光源ユニット120は、カバー部材154に平坦面155B,155Cを有する。平坦面155B,155Cは、本願に開示する「面」の一例である。平坦面155Bは、壁154BのZ軸の正方向側の端面である。平坦面155Bは、壁154BのY軸の両端間で延びており、Z軸方向からの平面視で、Y軸方向及びX軸方向に拡がる略矩形形状である。平坦面155BのX軸方向における寸法は、ベースユニット110の壁152Bの厚さと、側部141Cの厚さとの合計と同じか、この合計より大きい。
【0055】
平坦面155B上には、壁152Bの先端153B、詳細には、壁152BのZ軸の負方向側の端が位置する。詳細には、先端153BのY軸の両端間の全域が、平坦面155BのY軸の両端間に、壁152Bの外側の面が壁154Bの外側の面と面一になるように位置する。また、壁152Bの先端153Bは、平坦面155Bに近接するように、照明器具100の各部は設計されることが好ましい。より好ましくは、壁152Bの先端153Bは、平坦面155Bに当接する。
【0056】
平坦面155B上には、側部141Bの先端142B、詳細には、側部141BのZ軸の負方向側の端も位置する。詳細には、先端142BのY軸の両端間の全域が、壁152Bの内側において壁152Bに沿って、平坦面155BのY軸の両端間に位置する。また、側部141Bの先端142Bは、平坦面155Bに近接し、且つ先端153Bと面一になるように、照明器具100の各部は設計されることが好ましい。
【0057】
平坦面155Cは、平坦面155BとX軸方向において対称である。従って、壁152Cの先端153Cと、側部141Cの先端142Cとは、先端153B,142Bが平坦面155Bに位置するのと同様に平坦面155Cに位置する。従って、不所望な箇所から発光部160からの出射光が漏れ難い。詳細には、壁152Bと、側部141Bとの双方が平坦面155B上に位置するため、これらの間から光が漏れ難い。壁152C及び側部141Cの双方が平坦面155C上に位置するため、壁152C及び側部141Cと平坦面155Cとの間からも光が漏れ難い。
【0058】
図10に示されるように、壁152B,152Cの厚さ、即ちX軸方向における寸法は、先端153B,153Cにおいて最も薄い。従って、平坦面155Bと、先端153Bとが接触する場合に、これらの接触面積が小さくなる。平坦面155Cと、先端153Cとについても同様である。従って、周囲の温度変化等によりカバー部材154が膨張又は収縮することに起因して接触部分で発生する音鳴りが低減される。
【0059】
図11は、
図1の線XI-X1に沿う縦断面をY軸の負方向側から視た断面図であって、
図2に示される電源172及び電源カバー173と、ベースユニット110との位置関係を示す。
【0060】
図11において、電源172は、Y軸方向において二個の閉塞部材140(
図2参照)の間であって、X軸方向において平坦面155B,155Cの間において、ベース部材190上に取り付けられる。電源カバー173は、ステンレス等の金属製の板を折り曲げ加工することで作製される。電源カバー173は、電源172を覆う。電源カバー173は、本願で開示する「矯正部材」の一例である。
【0061】
詳細には、電源カバー173においてZ軸の負方向側の先端173Bは、Y軸方向において側部141C(
図10参照)から離れ、且つ壁152Bの内側において先端153Bに沿って、平坦面155B上に位置する。電源カバー173においてZ軸の負方向側の先端173Cは、Y軸方向において側部141Bから離れ、且つ壁152Cの内側において先端153Cに沿って、平坦面155C上に位置する。
【0062】
電源カバー173により、壁152Bに生じうる歪みが矯正される。詳細には、電源カバー173が無い場合、平坦面155BにおいてY軸方向の両側の側部141Cの間には隙間が生じる。また、壁152Bは、Y軸方向において長い形状を有するため歪み易い。そこで、電源カバー173の先端173Bは、Y軸方向において側部141Cから離れ、且つ壁152Bの内側において先端153Bに沿って、平坦面155B上に位置する。これにより、壁152Bは、内側に向かって歪んだとしても、電源カバー173の先端173Bに当接するため、壁152Bに生じた歪みが矯正される。壁152Cに生じうる歪みについても同様に矯正される。
【0063】
図12は、変形例に係る照明器具100を示す図である。
図10に示されるように、実施形態に係る照明器具100では、壁152B,152Cの厚さは、先端153B,153Cにおいて最も薄い。しかし、これに限らず、壁152B,152Cの厚さは、先端153B,153Cにおいて最も薄くなくともよい。詳細には、壁152B,152Cの厚さは、先端153B,153CよりもZ軸の正方向側の部分から先端153B,153Cに向かう程、厚くなってもよい。他にも、壁152B,152Cの各厚さは、Z軸方向の全域において同じであってもよい。
【0064】
上記の場合、先端142C,142Bが先端153B,153Cとそれぞれ面一になるように、側部141C,141Bの厚さは、先端142C,142BよりもZ軸の正方向側の部分から先端142C,142Bに向かう程、薄くなってもよい。
【0065】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0066】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、照明器具であり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0068】
100 :照明器具
110 :ベースユニット
5A,5C :開口
5B :空間
152A-152C :壁
120 :光源ユニット
4A :開口
4B :空間
154 :カバー部材
154A-154C :壁
130,140 :閉塞部材
141 :挿入部
142B :先端
142C :先端
142 :蓋
153 :電源カバー(矯正部材)