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特開2024-154775情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154775
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0203 20230101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q30/0203
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068829
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 真史
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】各サービスにおける検索傾向を相互に関連付けてビジネスソリューションへの活用を図ること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、第1特定部と、第2特定部と、第3特定部と、推定部とを有する。推定部は、第1サービスにおける検索傾向、第2サービスにおける検索傾向、及びユーザ群の検索傾向に基づいて、第1サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、第2サービスに関連する可能性がある事象、又は第2サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、第1サービスに関連する可能性がある事象を推定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、前記第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する第1特定部と、
第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、前記第2ドメインに対応するサービスであって、前記第1サービスと関連性を有する第2サービスにおける検索傾向を特定する第2特定部と、
所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、前記第1サービスの第1利用者および前記第2サービスの第2利用者を含むユーザ群の検索傾向を特定する第3特定部と、
前記第1サービスにおける検索傾向、前記第2サービスにおける検索傾向、及び前記ユーザ群の検索傾向に基づいて、前記第1サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、前記第2サービスに関連する可能性がある事象、又は前記第2サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、前記第1サービスに関連する可能性がある事象を推定する推定部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記第1サービスにおいて検索頻度が所定の基準を超える前記第1検索クエリのうち、前記ユーザ群において検索頻度が所定の基準を超える検索クエリと少なくとも部分一致する検索クエリに関連する事象を、前記第2サービスにおいても流行する可能性がある事象として推定し、
前記第2サービスにおいて検索頻度が所定の基準を超える前記第2検索クエリのうち、前記ユーザ群において検索頻度が所定の基準を超える検索クエリと少なくとも部分一致する検索クエリに関連する事象を、前記第1サービスにおいても流行する可能性がある事象として推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、前記第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する第1特定部と、
第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、前記第2ドメインに対応する第2サービスにおける検索傾向を特定する第2特定部と、
所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、第1サービスと関連性を有するユーザ群の検索傾向を特定する第3特定部と、
前記第1サービスにおける検索傾向と、前記ユーザ群の検索傾向とに基づいて、前記第2サービスと関連性を有する検索クエリを特定し、特定した検索クエリと少なくとも部分一致する前記第2検索クエリに関連する事象を評価するための評価値を推定する推定部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、前記第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する第1特定工程と、
第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、前記第2ドメインに対応するサービスであって、前記第1サービスと関連性を有する第2サービスにおける検索傾向を特定する第2特定工程と、
所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、前記第1サービスの第1利用者および前記第2サービスの第2利用者を含むユーザ群の検索傾向、および前記ユーザ群に類似する他のユーザ群の検索傾向を特定する第3特定工程と、
前記第1サービスにおける検索傾向、前記第2サービスにおける検索傾向、及び前記ユーザ群の検索傾向に基づいて、前記第1サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、前記第2サービスに関連する可能性がある事象、又は前記第2サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、前記第1サービスに関連する可能性がある事象を推定する推定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、前記第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する第1特定手順と、
第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、前記第2ドメインに対応するサービスであって、前記第1サービスと関連性を有する第2サービスにおける検索傾向を特定する第2特定手順と、
所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、前記第1サービスの第1利用者および前記第2サービスの第2利用者を含むユーザ群の検索傾向、および前記ユーザ群に類似する他のユーザ群の検索傾向を特定する第3特定手順と、
前記第1サービスにおける検索傾向、前記第2サービスにおける検索傾向、及び前記ユーザ群の検索傾向に基づいて、前記第1サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、前記第2サービスに関連する可能性がある事象、又は前記第2サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、前記第1サービスに関連する可能性がある事象を推定する推定手順と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、前記第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する第1特定工程と、
第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、前記第2ドメインに対応する第2サービスにおける検索傾向を特定する第2特定工程と、
所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、第1サービスと関連性を有するユーザ群の検索傾向を特定する第3特定工程と、
前記第1サービスにおける検索傾向と、前記ユーザ群の検索傾向とに基づいて、前記第2サービスと関連性を有する検索クエリを特定し、特定した検索クエリと少なくとも部分一致する前記第2検索クエリに関連する事象を評価するための評価値を推定する推定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、前記第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する第1特定手順と、
第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、前記第2ドメインに対応する第2サービスにおける検索傾向を特定する第2特定手順と、
所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、第1サービスと関連性を有するユーザ群の検索傾向を特定する第3特定手順と、
前記第1サービスにおける検索傾向と、前記ユーザ群の検索傾向とに基づいて、前記第2サービスと関連性を有する検索クエリを特定し、特定した検索クエリと少なくとも部分一致する前記第2検索クエリに関連する事象を評価するための評価値を推定する推定手順と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの検索傾向を提示する技術が種々提案されている。たとえば、所定期間内の検索クエリの検索回数を集計し、各検索クエリの検索回数を相対的に表示することで、ユーザの検索傾向を視覚的に分かりやすく提示する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-195146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、各サービスにおける検索傾向を相互に関連付けてビジネスソリューションに活用する上で改善の余地がある。たとえば、各サービスにおけるサービス利用者の検索傾向は、対応する業界において特化した傾向を示すものであり、各サービスにおける検索傾向を横断的に俯瞰し、一方のサービスにおける検索傾向を他方のサービスにおける課題解決に活用するのは容易ではない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、各サービスにおける検索傾向を相互に関連付けてビジネスソリューションへの活用を図ることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、第1特定部と、第2特定部と、第3特定部と、推定部とを有する。第1特定部は、第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する。第2特定部は、第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、第2ドメインに対応するサービスであって、第1サービスと関連性を有する第2サービスにおける検索傾向を特定する。第3特定部は、所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、第1サービスの第1利用者および第2サービスの第2利用者を含むユーザ群の検索傾向を特定する。推定部は、第1サービスにおける検索傾向、第2サービスにおける検索傾向、及びユーザ群の検索傾向に基づいて、第1サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、第2サービスに関連する可能性がある事象、又は第2サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、第1サービスに関連する可能性がある事象を推定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の態様の1つによれば、各サービスにおける検索傾向を相互に関連付けてビジネスソリューションへの活用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理(その1)の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理(その2)の概要を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る関連サービス情報記憶部に記憶される関連サービスに関する情報の概要を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る検索履歴記憶部に記憶される検索履歴に関する情報の概要を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報の概要を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置により実行される情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と称する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
[実施形態]
[1.実施形態に係る情報処理の概要]
(1-1.実施形態に係る情報処理(その1)の概要)
以下、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理(その1)の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理(その1)の概要を示す図である。
【0011】
情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理を実行する情報処理装置である。情報処理装置100は、典型的にはサーバ装置であるが、メインフレームやワークステーションなどにより実現されてもよい。また、情報処理装置100がサーバ装置により実現される場合、単独のサーバ装置により実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0012】
また、情報処理装置100は、利用者に対して各種オンラインサービスを提供する処理を実行する情報処理装置として機能してもよい。各種オンラインサービスには、インターネット接続や、検索サービスや、旅行情報提供サービスや、SNS(Social Networking Service)や、電子商取引サービスや、電子決済サービスや、オンラインゲームや、オンラインバンキングサービスや、オンライントレーディングサービスや、宿泊予約サービスや、チケット予約サービスや、動画配信サービスや、音楽配信サービスや、ニュース配信サービスや、地図情報サービスや、ルート検索サービスや、経路案内サービスや、路線情報サービスや、運行情報サービスや、天気情報サービスなどが含まれ得る。なお、各種オンラインサービスには、各種アプリケーションに対応するAPI(Application Programming Interface)サービスが含まれていてもよい。
【0013】
各種オンラインサービスの利用者は、端末装置を操作して、各種オンラインサービスに対応するウェブサイトにアクセスして、各種オンラインサービスを利用する。端末装置は、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現され得る。端末装置は、たとえば、情報処理装置100により提供されるウェブコンテンツを、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。なお、端末装置は、情報の表示処理を実現する制御情報を情報処理装置100などから受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0014】
情報処理装置100および端末装置は、有線または無線により、インターネットなどの所定のネットワーク(たとえば、図3に示すネットワークN)に接続される。情報処理装置100、及び端末装置は、所定のネットワークを通じて相互に通信できる。端末装置は、無線通信を実行するための通信機能により、所定のネットワークに接続してもよい。たとえば、端末装置は、Bluetooth(登録商標)や、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を実行するための通信機能を有していてもよい。
【0015】
情報処理装置100の管理者は、各種オンラインサービスの利用者によるサービスの利用履歴を管理する。情報処理装置100の管理者は、業務連携先の事業者に対して、各種オンラインサービスの利用履歴を管理するデータベースに対してアクセス可能な検索用APIを提供する。図1では、情報処理装置100の管理者の業務連携先が、飲食店情報を提供するサービスAを運営する事業者と、レシピ情報を提供するサービスBを運営する事業者である場合が例示されている。情報処理装置100は、利用者に対して提供する各種オンラインサービスの利用履歴をビックデータとして活用することにより、以下に説明するように、実施形態に係る情報処理を実現できる。
【0016】
飲食店情報を提供するサービスAのウェブサイトであるサイトAは、利用者によりサイトAに設けられている検索窓に検索クエリが入力されると、上述の検索用APIを通じて、各種オンラインサービスの利用履歴を管理するデータベースにアクセスし、データベースから検索クエリに合致する情報を取得して、取得した情報を利用者に提供できる。同様に、レシピ情報を提供するサービスBのウェブサイトであるサイトBは、利用者によりサイトBに設けられている検索窓に検索クエリが入力されると、上述の検索用APIを通じて、各種オンラインサービスの利用履歴を管理するデータベースにアクセスし、データベースから検索クエリに合致する情報を取得して、取得した情報を利用者に提供できる。
【0017】
サイトAを通じて飲食店情報を提供するサービスAは、第1サービスの一例である。サイトAに設けられている検索窓に入力される検索クエリの情報は、第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報の一例である。サイトBを通じてレシピ情報を提供するサービスBは、第2サービスの一例である。サイトBに設けられている検索窓に入力される検索クエリの情報は、第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報の一例である。
【0018】
また、情報処理装置100は、検索用APIを提供することにより、上述のサイトAおよびサイトBにおいて利用者により指定された検索クエリの情報をそれぞれ収集できる。また、情報処理装置100は、収集したサイトAの検索クエリの情報に基づいて、飲食店情報を提供するサービスAにおける検索傾向を特定する。
【0019】
たとえば、情報処理装置100は、所定期間内における検索クエリの検索回数を集計し、集計した検索回数に基づいて、検索クエリを順位付けすることにより、検索傾向を把握してもよい。検索回数は、検索クエリの傾向を把握するための変数の一例であり、検索回数の増加率などの別の変数により検索クエリを順位付けしてもよい。図1では、サービスAにおいて、「韓国料理 新大久保」や「ベトナム料理 恵比寿」、「ブラジル料理 横浜」などの検索頻度が高いという検索傾向が把握される。サービスAにおける検索傾向は、サービスAにおける(利用者の)検索行動の特徴的な傾向を示すコンテキストとも言い替えられる。
【0020】
同様に、情報処理装置100は、収集したサイトBの検索クエリの情報に基づいて、レシピ情報を提供するサービスBにおける検索傾向を特定する。図1では、サービスBにおいて、「韓国料理 作り方」や「生春巻き 簡単」、「オムレツ 作り方」などの検索頻度が高いという検索傾向が把握される。サービスBにおける検索傾向は、サービスBにおける(利用者の)検索行動の特徴的な傾向を示すコンテキストとも言い替えられる。
【0021】
また、情報処理装置100は、所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、サービスAの第1利用者およびサービスBの第2利用者を含むユーザ群の検索傾向を特定する。以下では、たとえば、所定の条件は、情報処理装置100の管理者により指定される。以下では、所定の条件として、「30代女性」が指定された場合について説明する。
【0022】
たとえば、情報処理装置100は、第1利用者および第2利用者の中から、「30代女性」である利用者をサービスごとにそれぞれ抽出する。たとえば、図1に示す例であれば、情報処理装置100は、サービスAにおいて検索回数が上位の「韓国料理 新大久保」や「ベトナム料理 恵比寿」などの検索クエリを指定した第1利用者の中から「30代女性」の利用者を抽出する。同様に、情報処理装置100は、サービスBにおいて検索回数が上位の「韓国料理 作り方」や「生春巻き 簡単」などの検索クエリを指定した第2利用者の中から「30代女性」の利用者を抽出する。
【0023】
また、情報処理装置100は、サービスごとに抽出した各利用者により構成されるユーザ群の検索傾向を特定する。たとえば、情報処理装置100は、第1利用者の中から抽出された利用者によりサービスAおよびサービスBにおいて指定された検索クエリを抽出する。また、たとえば、情報処理装置100は、第2利用者の中から抽出された利用者によりサービスAおよびサービスBにおいて指定された検索クエリを抽出する。また、たとえば、情報処理装置100は、抽出した各検索クエリの検索回数を集計し、集計した検索回数に基づいて、検索クエリを順位付けすることにより、ユーザ群の検索傾向を把握する。ユーザ群の検索傾向は、ユーザ群に属する(利用者の)検索行動の特徴的な傾向を示すコンテキストとも言い替えられる。
【0024】
また、情報処理装置100は、サービスAにおける検索傾向、サービスBにおける検索傾向、及びユーザ群の検索傾向に基づいて、サービスAにおける検索傾向に合致する事象のうち、サービスBに関連する可能性がある事象、又はサービスBにおける検索傾向に合致する事象のうち、サービスAに関連する可能性がある事象を推定する。
【0025】
具体的には、図1に示す例であれば、情報処理装置100は、サービスA、サービスB、及びユーザ群において、共通して検索頻度が高い検索クエリの「韓国料理」は、各サービスにおいて流行中の事象であると推定する。また、情報処理装置100は、サービスBにおいて検索頻度が高い検索クエリではないが、サービスAおよびユーザ群において、共通して検索頻度が高い検索クエリの「ベトナム料理」は、サービスBにおいても流行する可能性が高い事象であると推定する。
【0026】
なお、情報処理装置100は、図1に示す情報処理(その1)において、所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、サービスAの第1利用者およびサービスBの第2利用者を含むユーザ群の検索傾向だけではなく、このユーザ群に類似する類似ユーザ群の検索傾向を特定してもよい。たとえば、情報処理装置100の管理者により所定の条件として指定された「30代女性」により分類されるユーザ群に類似する類似ユーザ群を分類するための所定の条件として「40代女性」を採用してもよい。また、サービスAの第1利用者およびサービスBの第2利用者のうち、年齢や性別などのデモグラフィック属性が類似するユーザにより構成される類似ユーザ群のみならず、興味趣向などのサイコグラフィック属性が類似するユーザにより構成される類似ユーザ群の検索傾向を特定してもよい。興味趣向が類似するか否かは、情報処理装置100の管理者により予め規定されるルールベースにより判定されてもよいし、オンラインサービスにおけるユーザの利用履歴から類似するユーザを推定するように学習された学習済みモデルの推定結果に基づいて判定されてもよい。
【0027】
図1に示す情報処理(その1)によれば、情報処理装置100は、各種オンラインサービスの利用者により構成されるユーザ群の検索傾向を業界や業種などによる偏りがない平均的な傾向として採用することにより、業種または業界が互いに関連するサービスについて、各サービスにおける検索傾向を横断的に俯瞰し、一方のサービスにおける検索傾向を他方のサービスにおける課題解決に活用できる。たとえば、情報処理装置100は、各種オンラインサービスのうちの検索サービスの利用履歴を参照し、サービスAにおける検索傾向が平均的な傾向と一致すると判断できる場合、サービスAにおける検索傾向に合致する事象が、サービスAに関連するサービスBについても流行する可能性が高いと推定し、推定結果を情報処理装置100の管理者などに提供できる。
【0028】
(1-2.実施形態に係る情報処理(その2)の概要)
以下、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理(その2)の概要について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理(その2)の概要を示す図である。
【0029】
図2に示すように、情報処理装置100は、旅行情報を提供するサービスCのウェブサイトであるサイトCに対して、情報処理装置100が管理する各種オンラインサービスの情報に対してアクセス可能な検索用APIを提供することにより、サイトCに設けられている検索窓に入力される検索クエリの情報を収集する。また、情報処理装置100は、図1に示す情報処理(その1)と同様に、サイトAに設けられている検索窓に入力される検索クエリの情報を収集する。
【0030】
図2において、サイトCを通じて旅行情報を提供するサービスCは、第1サービスの他の例である。また、図2において、サイトCに設けられている検索窓に入力される検索クエリの情報は、第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報の他の例である。また、図2において、サイトAを通じて飲食店情報を提供するサービスAは、第2サービスの他の例である。また、図2において、サイトAに設けられている検索窓に入力される検索クエリの情報は、第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報の他の例である。
【0031】
また、情報処理装置100は、収集したサイトCの検索クエリの情報に基づいて、旅行情報を提供するサービスCにおける検索傾向を特定する。たとえば、情報処理装置100は、所定期間内における検索クエリの検索回数を集計し、集計した検索回数に基づいて、検索クエリを順位付けすることにより、検索傾向を把握してもよい。図2に示す場合、サービスCにおいて、「福岡 3月」や「北海道 5月」、「奈良 4月」などの検索頻度が高いという検索傾向が把握される。サービスCにおける検索傾向は、サービスCにおける(利用者の)検索行動の特徴的な傾向を示すコンテキストとも言い替えられる。
【0032】
また、情報処理装置100は、所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、サービスCと関連性を有するユーザ群の検索傾向を特定する。たとえば、情報処理装置100の管理者により、所定の条件として、サービスCにおいて検索回数が上位の「福岡」、「北海道」、または「奈良」への旅行実績が指定されたとする。この場合、情報処理装置100は、オンラインサービスの利用履歴を参照し、旅行情報を提供するサービスであるサービスCと関連性を有するユーザ群として、「福岡」、「北海道」、または「奈良」への旅行実績がある利用者を抽出する。そして、情報処理装置100は、抽出した利用者により各種サービスにおいて指定された検索クエリを旅行先ごとに抽出し、抽出した検索クエリに基づいて、サービスCと関連性を有するユーザ群の検索傾向を旅行先ごとに特定する。具体的には、情報処理装置100は、抽出した各検索クエリの検索回数を集計し、集計した検索回数に基づいて、検索クエリを順位付けすることにより、ユーザ群の検索傾向を把握する。図2に示す場合、旅行先が福岡である場合、「もつ鍋」の検索頻度が高く、旅行先が北海道および奈良である場合、「桜」の検索頻度が高いという検索傾向が把握される。ユーザ群の検索傾向は、ユーザ群に属する(利用者の)検索行動の特徴的な傾向を示すコンテキストとも言い替えられる。
【0033】
また、情報処理装置100の管理者により、所定の条件として、「興味趣向=旅行」が指定されたとする。この場合、情報処理装置100は、旅行情報を提供するサービスであるサービスCと関連性を有するユーザ群として、オンラインサービスの各利用者の興味趣向(属性の一例)に基づいて、興味趣向に「旅行」が含まれている利用者を抽出してもよい。また、情報処理装置100は、抽出した利用者により各種サービスにおいて指定された検索クエリを検索回数が上位の旅行先ごとに抽出し、抽出した検索クエリに基づいて、サービスCと関連性を有するユーザ群の検索傾向を特定してもよい。
【0034】
また、情報処理装置100は、サービスCにおける検索傾向と、サービスCと関連性を有するユーザ群の検索傾向とに基づいて、飲食店情報を提供するサービスAと関連性を有する検索クエリを特定し、特定した検索クエリを一部に含む検索クエリに関連する事象を評価するための評価値を推定する。以下では、飲食店情報を提供するサービスAと関連性を有する検索クエリに関連する事象の評価値として、所定期間内の売上増加率を推定する例について説明する。
【0035】
たとえば、図2に示すように、情報処理装置100は、飲食店情報を提供するサービスAと関連性を有する検索クエリとして「福岡」を特定する。すなわち、情報処理装置100は、旅行先が福岡である場合、「もつ鍋」の検索頻度が高く、「福岡」を飲食店情報と関連性を有する関連地域として特定する。
【0036】
また、情報処理装置100は、収集したサイトAの検索クエリの情報に基づき、関連地域である福岡について、飲食店情報を提供するサービスAにおける検索傾向を特定する。図2に示す場合、サービスAにおいて、「もつ鍋 中州」や「豚骨ラーメン 天神」などの料理ジャンルの検索頻度が高いという検索傾向が把握される。サービスAにおける検索傾向は、サービスAにおける(利用者の)検索行動の特徴的な傾向を示すコンテキストとも言い替えられる。
【0037】
また、情報処理装置100は、サービスAにおける検索傾向に基づいて、検索頻度が高い「もつ鍋」や「豚骨ラーメン」などの料理ジャンルを抽出する。また、情報処理装置100は、オンラインサービスの利用履歴を参照し、「福岡 3月」の「もつ鍋」や「豚骨ラーメン」などの売上増加率を推定する。たとえば、情報処理装置100は、オンラインサービスの利用履歴から取得される検索クエリの検索回数や、店舗予約履歴や、人流データなどに基づいて、前月比での売上増加率を推定する。
【0038】
図2に示す情報処理(その2)によれば、情報処理装置100は、各種オンラインサービスの利用者により構成されるユーザ群の検索傾向を業界や業種などによる偏りがない平均的な傾向として採用することにより、業種または業界が互いに関連していないサービスであっても、各サービスにおける検索傾向を横断的に俯瞰し、一方のサービスにおける検索傾向を他方のサービスにおける課題解決に活用できる。たとえば、情報処理装置100は、サービスC(たとえば、旅行情報提供サービス)における検索傾向と各種オンラインサービスのうちの検索サービスの利用履歴とを組み合わせることにより、サービスCにおける検索傾向から導出される事象の中からサービスA(たとえば、飲食店情報提供サービス)と関連性を有する事象を特定し、特定した事象を評価する評価値を推定して、推定結果を情報処理装置100の管理者などに提供できる。
【0039】
[3.実施形態に係る各装置の構成]
以下、実施形態に係る情報処理装置100の機能構成の一例について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0040】
(通信部110について)
通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続される。情報処理装置100は、ネットワークNを介して、他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0041】
(記憶部120について)
記憶部120は、たとえば、制御部130による制御および演算に用いられるプログラムおよびデータを記憶する。たとえば、記憶部120は、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、またはハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。たとえば、記憶部120は、関連サービス情報記憶部121と、検索履歴記憶部122と、利用者情報記憶部123とを有する。なお、記憶部120は、図3に示す例には限られず、実施形態に係る情報処理を実行する上で必要となるデータなどを適宜記憶できる。
【0042】
(関連サービス情報記憶部121)
関連サービス情報記憶部121は、関連するサービスを特定するための関連サービスに関する情報を記憶する。図4は、実施形態に係る関連サービス情報記憶部121に記憶される関連サービスに関する情報の概要を示す図である。
【0043】
図4に示すように、関連サービス情報記憶部121に記憶されている関連サービスに関する情報は、「サービス」の項目、及び「関連サービス」の項目を有している。経路の検索履歴に関する情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0044】
「サービス」の項目には、サービスを特定するための情報が記憶される。「関連サービス」の項目には、関連するサービスを特定するための情報が記憶される。図4によれば、「サービスA」に関連性を有するサービスとして、「サービスB」が含まれている例が示されている。
【0045】
(検索履歴記憶部122)
検索履歴記憶部122は、サービスごとの検索履歴に関する情報が記憶される。図5は、実施形態に係る検索履歴記憶部122に記憶される検索履歴に関する情報の概要を示す図である。
【0046】
図5に示すように、検索履歴記憶部122に記憶される検索履歴に関する情報は、「サービス」の項目、及び「検索履歴」の項目を有している。検索履歴に関する情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0047】
「サービス」の項目には、サービスを特定するための情報が記憶される。「検索履歴」の項目には、対応するサービスのウェブサイトにおいて指定された検索クエリの情報などを含む検索履歴を示す情報が記憶される。図5によれば、「サービスA」と「検索履歴EX001」とが対応付けられている例が示されている。
【0048】
(利用者情報記憶部123)
利用者情報記憶部123は、オンラインサービスの利用者に関する利用者情報を記憶する。図6は、実施形態に係る利用者情報記憶部123に記憶される利用者情報の概要を示す図である。
【0049】
図6に示すように、利用者情報記憶部123に記憶される利用者情報は、「利用者ID」の項目や、「属性情報」の項目や、「検索履歴」の項目などといった複数の項目を有している。利用者情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0050】
図6に示すように、「利用者ID」の項目には、オンラインサービスの利用者を一意に特定するための識別情報である利用者IDが記憶される。「属性情報」の項目には、オンラインサービスの利用者についての各種属性情報が記憶される。各種属性情報には、年齢や性別などのデモグラフィック属性や、興味趣向などのサイコグラフィック属性などの情報が記憶される。「検索履歴」の項目には、対応するサービスのウェブサイトにおいて指定された検索クエリの情報などを含む検索履歴を示す情報が記憶される。
【0051】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されてもよい。
【0052】
図3に示す制御部130は、第1特定部131と、第2特定部132と、第3特定部133と、推定部134とを有し、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130は、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する処理単位で複数の分割された内部構成を有していてもよい。また、制御部130は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよく、図3に示す以外の他の機能部を有していもよい。
【0053】
(第1特定部131)
第1特定部131は、第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する。
【0054】
(第2特定部132)
第2特定部132は、第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、第2ドメインに対応するサービスであって、第1サービスと関連性を有する第2サービスにおける検索傾向を特定する。
【0055】
(第3特定部133)
第3特定部133は、所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、第1サービスの第1利用者および第2サービスの第2利用者を含むユーザ群の検索傾向を特定する。また、第3特定部133は、第1サービスの第1利用者および第2サービスの第2利用者を含むユーザ群に類似する類似ユーザ群の検索傾向を特定してもよい。
【0056】
また、第3特定部133は、所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、第1サービスと関連性を有するユーザ群の検索傾向を特定する機能を有していてもよい。
【0057】
(推定部134)
推定部134は、第1サービスにおける検索傾向、第2サービスにおける検索傾向、及びユーザ群の検索傾向に基づいて、第1サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、第2サービスにおいても関連する可能性がある事象、又は第2サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、第1サービスにおいても関連する可能性がある事象を推定する。
【0058】
たとえば、推定部134は、第1サービスにおいて検索頻度が所定の基準を超える第1検索クエリのうち、ユーザ群において検索頻度が所定の基準を超える検索クエリと少なくとも一部が一致する検索クエリに対応する事象を、第2サービスにおいても流行する可能性が高い事象または流行する可能性がある事象として推定してもよい。また、たとえば、推定部134は、第2サービスにおいて検索頻度が所定の基準を超える第2検索クエリのうち、ユーザ群において検索頻度が所定の基準を超える検索クエリと少なくとも一部が一致する検索クエリに対応する事象を、第1サービスにおいても流行する可能性がある事象として推定してもよい。
【0059】
また、推定部134は、第1サービスにおける検索傾向と、ユーザ群の検索傾向とに基づいて、第2サービスと関連性を有する検索クエリを特定し、特定した検索クエリを一部に含む第2検索クエリに関連する事象を評価するための評価値を推定する機能を有していてもよい。
【0060】
[4.実施形態に係る処理手順]
以下、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置100により実行される情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図7に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。図7に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0061】
図7に示すように、第1特定部131は、第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する(ステップS101)。
【0062】
第2特定部132は、第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、第2ドメインに対応するサービスであって、第1サービスと関連性を有する第2サービスにおける検索傾向を特定する(ステップS102)。
【0063】
第3特定部133は、所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、第1サービスの第1利用者および第2サービスの第2利用者を含むユーザ群の検索傾向を特定する(ステップS103)。
【0064】
推定部134は、第1サービスにおける検索傾向、第2サービスにおける検索傾向、及びユーザ群の検索傾向に基づいて、第1サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、第2サービスにおいても関連する可能性がある事象、又は第2サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、第1サービスにおいても関連する可能性がある事象を推定し(ステップS104)、図7に示す処理手順を終了する。
【0065】
[5.変形例]
本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムは、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。以下では、上記実施形態の変形例について説明する。
【0066】
(5-1.サービスにおける検索傾向の特定方法について)
上記実施形態において、情報処理装置100は、各種オンラインサービスにおける各利用者の利用履歴に基づくユーザ群の検索傾向を、業界や業種などに偏りのない平均的な傾向として取り扱い、解析対象となるサービスにおける検索傾向とユーザ群の検索傾向の差分を、分析対象となるサービスにおける検索行動の特徴的な傾向として定義してもよい。
【0067】
たとえば、情報処理装置100の制御部130は、分析対象となる相互に関連する各サービスに対応するウェブサイト(たとえば、ドメイン)ごとに、ウェブサイトにおける検索クエリの履歴から、ウェブサイトにおいて検索を行った利用者の属性推定を行う。また、制御部130は、分析対象となる各サービスのうちの一方のサービスに対応する第1ウェブサイト(たとえば、第1ドメイン)において指定された検索クエリから特徴的な検索クエリを特定する。たとえば、制御部130は、直近の所定期間の検索回数を集計し、集計した検索回数が上位の検索クエリを特定する。また、たとえば、制御部130は、各種オンラインサービスの検索サービスにおいて第1ウェブサイトの利用者と同一または類似する属性を有する利用者が指定した検索クエリのうち、直近の所定期間の検索回数を集計し、集計した検索回数が上位の検索クエリを特定する。そして、制御部130は、第1ウェブサイトにおいて検索計数が上位の検索クエリと、各種オンラインサービスの検索サービスにおいて検索回数が上位の検索クエリとを比較し、第1ウェブサイトにおいてのみ上位の検索クエリを、第1ウェブサイトにおける検索行動の特徴的な傾向を表す検索クエリとして特定できる。
【0068】
また、制御部130は、第1ウェブサイトにおいて特徴的な検索クエリを指定した利用者を抽出し、抽出した利用者と同一または類似する属性を有する利用者が、分析対象となる各サービスのうちのもう一方のサービスに対応する第2ウェブサイト(たとえば、第2ドメイン)において指定した検索クエリから、特徴的な検索クエリを特定する。たとえば、制御部130は、第2ウェブサイトにおいて検索計数が上位の検索クエリと、各種オンラインサービスの検索サービスにおいて検索回数が上位の検索クエリとを比較し、第2ウェブサイトにおいてのみ上位の検索クエリを、第2ウェブサイトにおける検索行動の特徴的な傾向を表す検索クエリとして特定できる。
【0069】
また、制御部130は、第1ウェブサイトにおける特徴的な検索クエリと、第2ウェブサイトにおける特徴的な検索クエリとを比較し、第1ウェブサイトと第2ウェブサイトとの間で共通する検索クエリに関連する事象を、相互に関連する各サービスに対応する業界において流行中の事象として推定する。共通する検索クエリとは、検索クエリの完全一致のみならず、部分一致を含んでいてもよい。また、制御部130は、第1ウェブサイトにおける特徴的な検索クエリと、第2ウェブサイトにおける特徴的な検索クエリとを比較し、第1ウェブサイトにおいて指定されているが、第2ウェブサイトにおいて指定されていない検索クエリに関連する事象を第2ウェブサイトにおいて流行する可能性がある事象として推定し、第2ウェブサイトにおいて指定されているが、第1ウェブサイトにおいて指定されていない検索クエリに関連する事象を第1ウェブサイトにおいて流行する可能性がある事象として推定する。
【0070】
(5-2.情報処理装置100の機能構成について)
上記実施形態では、実施形態に係る情報処理装置100が、各種オンラインサービスに関連する処理を実行する機能を有するとともに、実施形態に係る情報処理を実行する機能を有する例を説明した。しかしながら、この例には特に限定される必要はなく、各種オンラインサービスに関連する処理を実行する機能と、実施形態に係る情報処理を実行する機能とが物理的に異なる個別のサーバ装置に分散されていてもよい。
【0071】
[6.効果]
実施形態に係る情報処理装置100は、第1特定部131と、第2特定部132と、第3特定部133と、推定部134とを有する。第1特定部131は、第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する。第2特定部は、第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、第2ドメインに対応するサービスであって、第1サービスと関連性を有する第2サービスにおける検索傾向を特定する。第3特定部は、所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、第1サービスの第1利用者および第2サービスの第2利用者を含むユーザ群の検索傾向を特定する。推定部は、第1サービスにおける検索傾向、第2サービスにおける検索傾向、及びユーザ群の検索傾向に基づいて、第1サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、第2サービスに関連する可能性がある事象、又は第2サービスにおける検索傾向に合致する事象のうち、第1サービスに関連する可能性がある事象を推定する。
【0072】
また、推定部134は、第1サービスにおいて検索頻度が所定の基準を超える第1検索クエリのうち、ユーザ群において検索頻度が所定の基準を超える検索クエリと少なくとも部分一致する検索クエリに関連する事象を、第2サービスにおいても流行する可能性がある事象として推定してもよい。また、推定部134は、第2サービスにおいて検索頻度が所定の基準を超える第2検索クエリのうち、ユーザ群において検索頻度が所定の基準を超える検索クエリと少なくとも部分一致する検索クエリに関連する事象を、第1サービスにおいても流行する可能性がある事象として推定してもよい。
【0073】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、上述した各部により実行される処理、又は各部により実行される処理のいずれかの組合せにより、各種オンラインサービスの利用者により構成されるユーザ群の検索傾向を業界や業種などによる偏りがない平均的な傾向として採用することにより、業種または業界が互いに関連するサービスについて、各サービスにおける検索傾向を横断的に俯瞰し、一方のサービスにおける検索傾向を他方のサービスにおける課題解決に活用できる。たとえば、情報処理装置100は、各種オンラインサービスのうちの検索サービスの利用履歴を参照し、サービスAにおける検索傾向が平均的な傾向と一致する判断できる場合、サービスAにおける検索傾向に合致する事象が、サービスAに関連するサービスBについても流行する可能性が高いと推定し、推定結果を情報処理装置100の管理者などに提供できる。このようにして、実施形態に係る情報処理装置100は、各サービスにおける検索傾向を相互に関連付けてビジネスソリューションへの活用を図ることができる。
【0074】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、第1特定部131と、第2特定部132と、第3特定部133と、推定部134とを有する。第1特定部131は、第1ドメインを指定する第1検索クエリの情報に基づいて、第1ドメインに対応する第1サービスにおける検索傾向を特定する。第2特定部132は、第2ドメインを指定する第2検索クエリの情報に基づいて、第2ドメインに対応する第2サービスにおける検索傾向を特定する。第2特定部は、所定の条件に基づいて分類されるユーザ群であって、第1サービスと関連性を有するユーザ群の検索傾向を特定する。推定部134は、第1サービスにおける検索傾向と、ユーザ群の検索傾向とに基づいて、第2サービスと関連性を有する検索クエリを特定し、特定した検索クエリと共通する第2検索クエリに関連する事象を評価するための評価値を推定する。
【0075】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、各種オンラインサービスの利用者により構成されるユーザ群の検索傾向を業界や業種などによる偏りがない平均的な傾向として採用することにより、業種または業界が互いに関連していないサービスであっても、各サービスにおける検索傾向を横断的に俯瞰し、一方のサービスにおける検索傾向を他方のサービスにおける課題解決に活用できる。たとえば、情報処理装置100は、サービスC(たとえば、旅行情報提供サービス)における検索傾向と各種オンラインサービスのうちの検索サービスの利用履歴とを組み合わせることにより、サービスCにおける検索傾向から導出される事象の中からサービスA(たとえば、飲食店情報提供サービス)に関連性を有する事象を特定し、特定した事象を評価する評価値を推定して、推定結果を情報処理装置100の管理者などに提供できる。このようにして、実施形態に係る情報処理装置100は、各サービスにおける検索傾向を相互に関連付けてビジネスソリューションへの活用を図ることができる。
【0076】
[7.ハードウェア構成]
また、上述してきた実施形態および各変形例に係る情報処理装置は、たとえば、図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、実施形態及び各変形例に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0077】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0078】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0079】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、例えば、USBなどにより実現される。
【0080】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0081】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0082】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0083】
たとえば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、実施形態に係る情報処理装置100による処理を実現する。
【0084】
[8.その他]
上記実施形態などにおいて説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0085】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0086】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0087】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0088】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0089】
N ネットワーク
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 関連サービス情報記憶部
122 検索履歴記憶部
123 利用者情報記憶部
130 制御部
131 第1特定部
132 第2特定部
133 第3特定部
134 推定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8