IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-画像形成装置 図1
  • 特開-画像形成装置 図2
  • 特開-画像形成装置 図3
  • 特開-画像形成装置 図4
  • 特開-画像形成装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154778
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241024BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/38 201
B41J29/38 801
H04N1/00 912
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068834
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 生也
(72)【発明者】
【氏名】山田 宗幹
(72)【発明者】
【氏名】松木 良臣
(72)【発明者】
【氏名】清水 健雄
(72)【発明者】
【氏名】内海 大祐
(72)【発明者】
【氏名】若槻 未緒
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ03
2C061HK23
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN17
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB30
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AB53
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC38
5C062AF14
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】ユーザーにとって有用なホットフォルダーを、煩雑な設定操作をユーザーに求めることなく作成する。
【解決手段】画像形成装置1は、記録媒体に画像を形成する画像形成部12と、ユーザーからの指示によるジョブ設定に従って、画像形成部12を制御して印刷ジョブを実行させる制御部100と、ホットフォルダーを生成する生成部101と、を備えると共に、制御部100は、更に、ホットフォルダーに印刷ファイルが投入されると、ホットフォルダーに紐付けられているジョブ設定に従って、印刷ファイルに対する印刷ジョブを画像形成部12に実行させる画像形成装置1であって、印刷ジョブ履歴に基づいて、実行頻度の高いジョブ設定を検出する検出部102を更に備える。生成部101は、更に、検出部102が検出したジョブ設定をホットフォルダーに紐付けする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
ホットフォルダーを生成する生成部と、
前記ホットフォルダーに印刷ファイルが投入されると、前記ホットフォルダーに紐付けられているジョブ設定に従って、前記印刷ファイルに対する印刷ジョブを前記画像形成部に実行させる制御部と、
前記制御部により実行された印刷ジョブの履歴を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている印刷ジョブ履歴に基づいて、実行頻度が予め定められた高いレベルに至っている前記ジョブ設定を検出する検出部とを備え、
前記生成部は、前記検出部が検出した前記ジョブ設定を紐付けた前記ホットフォルダーを生成する、画像形成装置。
【請求項2】
前記検出部は、実行頻度が前記高いレベルに至っている前記ジョブ設定を実行頻度の高い順に予め定められた件数分検出し、
前記生成部は、前記検出部が検出した前記ジョブ設定を紐付けた前記ホットフォルダーを、前記ジョブ設定毎に作成する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
印刷データが記憶される記憶領域としてのボックスを更に備え、
前記検出部は、外部装置からの指示による印刷ジョブ、前記ボックスに記憶されている前記印刷データについての印刷ジョブ、及び前記ジョブ設定が予め登録されたプログラム印刷を利用した印刷ジョブのうちのいずれかの履歴に基づいて、実行頻度の高い前記ジョブ設定を検出する請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録媒体を収納して給紙する複数の給紙カセットを更に備え、
前記生成部は、前記給紙カセットに収納されている前記記録媒体の属性情報を参照し、前記検出部が検出した前記ジョブ設定に含まれる前記記録媒体と属性が一致する前記記録媒体を収納している前記給紙カセットを特定し、当該特定した前記給紙カセットを印刷に用いる給紙カセットとするカセット情報を前記ジョブ設定に含める請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記検出部が検出した前記ジョブ設定に含まれる前記記録媒体と属性が一致する前記記録媒体を収納している前記給紙カセットが存在しない場合、予め定められた前記給紙カセットを印刷に用いる給紙カセットとするカセット情報を前記ジョブ設定に含める請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記ジョブ設定に含めた前記カセット情報が示す前記給紙カセットの収納内容についての設定が変更された場合、当該給紙カセットとは異なる別の前記給紙カセットに収納されている前記記録媒体の属性情報を参照し、前記ジョブ設定に含まれる前記記録媒体と属性が一致する前記記録媒体を収納している前記給紙カセットを特定し、当該特定した前記給紙カセットを印刷に用いる給紙カセットとするカセット情報を前記ジョブ設定に含めて、前記ジョブ設定を更新する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記ホットフォルダーへの紐付けを禁止する予め指定された印刷条件を示す禁止情報に基づいて、前記検出部が検出した前記ジョブ設定から紐付けが禁止されている前記印刷条件を削除し、当該印刷条件が削除された前記ジョブ設定を、前記ホットフォルダーに紐付けする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記印刷条件が削除された前記ジョブ設定を前記ホットフォルダーに紐付けた後に、前記禁止情報が変更された場合、変更された前記禁止情報に基づいて、前記ホットフォルダーに紐付けた前記ジョブ設定を更新する請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記生成部は、前記更新により同一の前記ジョブ設定を紐付ける前記ホットフォルダーが複数発生した場合、これら複数の前記ホットフォルダーを一つの前記ホットフォルダーに統合する請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、ユーザーにより指定された前記印刷条件に禁則関係が生じている場合、その旨をユーザーに通知するための通知処理を実行する請求項7に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、ホットフォルダー(Hot Folder)の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像形成装置において、ホットフォルダー機能が活用されている。ホットフォルダー機能は、ジョブ設定が紐付けられたフォルダー(ホットフォルダー)に文書等の印刷ファイルが投入(ドラッグ&ドロップ)されると、紐付けされたジョブ設定に従って印刷ジョブを自動で実行する機能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-181237号公報
【特許文献2】特開2013-228873号公報
【特許文献3】特開2017-102901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホットフォルダーには、ジョブ設定が紐付けられるが、その設定はユーザーにとって手間である。上記特許文献1には、文書ファイルを格納するボックスのホットフォルダー化について記載されている。上記特許文献2には、ホットフォルダーの登録の手間を省くことが記載されている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1,2のいずれにもホットフォルダーに紐付けるジョブ設定に要する手間を省くことについては記載されていない。また、上記特許文献3には、過去に使用したジョブ設定(出力設定)の再利用について記載されているが、ホットフォルダーについては記載されていない。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、ユーザーにとって有用なホットフォルダーを煩雑な設定操作を要さず作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、ホットフォルダーを生成する生成部と、前記ホットフォルダーに印刷ファイルが投入されると、前記ホットフォルダーに紐付けられているジョブ設定に従って、前記印刷ファイルに対する印刷ジョブを前記画像形成部に実行させる制御部と、前記制御部により実行された印刷ジョブの履歴を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている印刷ジョブ履歴に基づいて、実行頻度が予め定められた高いレベルに至っている前記ジョブ設定を検出する検出部とを備え、前記生成部は、前記検出部が検出した前記ジョブ設定を紐付けた前記ホットフォルダーを生成するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザーにとって有用なホットフォルダーを、煩雑な設定操作をユーザーに求めることなく作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を含んで構成される印刷システムの全体を示す図である。
図2】第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図4】第1実施形態に係る画像形成装置の制御ユニットで行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図5】第1実施形態に係る画像形成装置によるホットフォルダー作成処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を含んで構成される印刷システムの全体を示す図である。
【0011】
印刷システムSyは、ネットワークNW上に存在する、画像形成装置1と、複数のユーザー端末2A乃至2C(以降、まとめて「ユーザー端末2」とも称す)と、を含んで構成されている。
【0012】
画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。ユーザー端末2は、例えば、パソコンである。画像形成装置1とユーザー端末2とは、ネットワークNWを通じて接続され、両者間で通信を行うことが可能である。
【0013】
図2は、第1実施形態に係る画像形成装置1の外観を示す斜視図である。図3は、第1実施形態に係る画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。画像形成装置1は、装置本体11に、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、操作部47、ネットワークインターフェイス部91、及び記憶装置8を含んで構成されている。
【0014】
原稿給送部6は、原稿読取部5の上面に図略のヒンジ等によって開閉可能に構成され、原稿給送部6は、図略のプラテンガラス上に載置された原稿を読み取る場合に原稿押さえカバーとして機能する。また、原稿給送部6は、ADF(Auto Document Feeder)と呼ばれる自動原稿送り装置であり、原稿載置トレイ61を備え、原稿載置トレイ61に載置された原稿を原稿読取部5へ1枚ずつ供給する。
【0015】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により原稿読取部5へ供給された原稿、又は上記プラテンガラス上に載置されている原稿の画像を、原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、図略の画像メモリー等に保存される。
【0016】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された画像データや、ネットワークNWに接続された外部装置(例えば、ユーザー端末2)としてのコンピューターから受信した画像データに基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体Pとしての用紙などにトナー像を形成する。
【0017】
定着部13は、画像形成部12によりトナー像が形成された記録媒体Pを加熱及び加圧して、トナー像を記録紙に定着させるものであり、定着処理が施された記録媒体Pは排出トレイ151に排出される。給紙部14は、記録媒体Pを収納し給紙する複数の給紙カセット141A乃至141C(以降、まとめて「給紙カセット141」とも称す)を備える。
【0018】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について、操作者から、画像形成動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。また、操作部47は、表示部473が有するタッチパネルを介して、表示部473に表示されている操作画面に対するユーザーによる操作(タッチ操作)や物理キーに対するユーザーによる操作に基づく、ユーザーからの指示の入力を受け付ける。
【0019】
表示部473は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる。表示部473は、タッチパネルを備えている。操作者は画面表示されるボタンやキーに触れる操作を行うと、タッチパネルにより、タッチ操作された位置に対応付けられた指示が受け付けられる。
【0020】
ネットワークインターフェイス部91は、ローカルエリア内、又はインターネット上の外部装置(例えば、ユーザー端末2)と種々のデータの送受信を行う通信インターフェイスである。
【0021】
記憶装置8は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置であり、各種の制御プログラム等を記憶すると共に、ユーザー情報記憶部81と、印刷ジョブ履歴情報記憶部82と、ボックス情報記憶部83と、ホットフォルダー情報記憶部84と、を有する。
【0022】
ユーザー情報記憶部81は、画像形成装置1を使用するユーザーに関する情報(例えば、ユーザーアカウント情報)を記憶する。印刷ジョブ履歴情報記憶部82は、印刷ジョブ履歴情報として、正常に実行が完了した印刷ジョブに関する情報(例えば、ジョブ設定)を記憶する。ボックス情報記憶部83は、画像形成装置1を使用するユーザーが印刷ファイルなどを保存するために予め確保されている記憶領域である。ホットフォルダー情報記憶部84は、ジョブ設定が紐付けられるホットフォルダーHFを生成するために予め確保されている記憶領域である。ジョブ設定とは、印刷ジョブの実行に用いる印刷条件として設定された各項目を示す情報であり、例えば、モノクロ/カラー印刷の別、集約印刷の内容、印刷に用いる記録媒体Pを収容する給紙カセットの別、印刷濃度、拡大縮小、後処理装置の有効/無効、及び後処理の内容等である。
【0023】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、生成部101と、検出部102と、を備えている。
【0024】
制御ユニット10は、記憶装置8に記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部100、生成部101、及び検出部102として機能するものである。但し、これら制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0025】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、操作部47、ネットワークインターフェイス部91、及び記憶装置8と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部100は、ユーザーからの指示によるジョブ設定に従って、画像形成部12を制御して印刷ジョブを実行させる。
【0026】
また、制御部100は、ユーザー端末2から印刷ファイルが送信されると共に、当該印刷ファイルに対する印刷指示を受け付けると、図4に例を示すような処理を実行する。制御部100は、ユーザーからの指示によるジョブ設定に従って、画像形成部12を制御して、上記印刷ファイルを印刷対象とした印刷ジョブを実行させる(S1)。
【0027】
制御部100は、印刷ジョブが正常に終了したか否かを判断し(S2)、印刷ジョブが正常に終了したと判断した場合(S2でYES)、上記ジョブ設定を印刷ジョブ履歴情報として印刷ジョブ履歴情報記憶部82に保存する(S3)。この後、処理は終了する。なお、制御部100は、印刷ジョブ履歴情報を、ユーザー毎に区別して印刷ジョブ履歴情報記憶部82に保存してもよい。
【0028】
一方、制御部100は、印刷ジョブが正常に終了しなかったと判断した場合(S2でNO)、上記ジョブ設定を印刷ジョブ履歴情報記憶部82に保存しない。この後、処理は終了する。
【0029】
印刷ジョブとしては、ネットワークNWを介した、ホストコンピューター(例えば、ユーザー端末2)から送信されてくる印刷ファイル及び印刷の指示による通常印刷ジョブ、或いは、ボックス印刷ジョブ(ボックス情報記憶部83に保存されている印刷ファイルに対する印刷指示に従って実行する印刷ジョブ)がある。また、更なる印刷ジョブとして、予め登録されたジョブ設定に従って印刷が行われるプログラム印刷についてのプログラム印刷ジョブがある。制御部100は、これら印刷ジョブの種別(通常印刷ジョブ、ボックス印刷ジョブ、プログラム印刷ジョブ)を区別できるように、当該種別を示す情報と共に上記印刷ジョブ履歴情報(ジョブ設定)を印刷ジョブ履歴情報記憶部82に保存する。
【0030】
生成部101は、ジョブ設定を紐付けたホットフォルダーHFを生成する。例えば、生成部101は、ユーザーからの指示に基づいて、ホットフォルダー情報記憶部84にホットフォルダーHFを生成する。
【0031】
ホットフォルダー情報記憶部84に保存されているホットフォルダーHFは、ネットワークNWを介して接続されているユーザー端末2のいずれからも参照可能な共有フォルダーとされる。ユーザーは、ユーザー端末2を介してホットフォルダーHFに印刷ファイルを格納可能とされている。
【0032】
制御部100は、ホットフォルダーHFに印刷ファイルが投入されると、ホットフォルダーHFに紐付けられているジョブ設定に従って、投入された印刷ファイルの印刷を画像形成部12に実行させる。
【0033】
検出部102は、印刷ジョブ履歴情報記憶部82に記憶されている印刷ジョブ履歴に基づいて、実行頻度が予め定められた高いレベルに至っているジョブ設定を検出する。生成部101は、検出部102が検出したジョブ設定を紐付けたホットフォルダーHFを生成する。
【0034】
次に、画像形成装置1における制御ユニット10で行われる処理の一例について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この処理は、例えば、制御部100が、ユーザー端末2からのホットフォルダーHFの自動生成の要求を受け付けたときに行われる処理である。
【0035】
制御部100が、ユーザー端末2からの上記要求を受け付けると、検出部102は、印刷ジョブ履歴情報記憶部82から印刷ジョブ履歴情報を取得し(S11)、当該取得した印刷ジョブ履歴情報が示す印刷ジョブ履歴に基づいて、実行頻度の最も高いジョブ設定を検出する(S12)。すなわち、ここでは、実行頻度の最高値が、上記予め定められた高いレベルとなる。また、実行頻度の最も高いジョブ設定とは、同一内容のジョブ設定であって一定期間内に実行された回数が最も多いジョブ設定をいう。
【0036】
生成部101は、ホットフォルダー情報記憶部84にホットフォルダーHFを生成し(S13)、検出部102が検出した上記実行頻度の最も高いジョブ設定を、上記生成したホットフォルダーHFに紐付ける(S14)。この後、処理は終了する。
【0037】
なお、検出部102は、上記S11において、ユーザーにより操作部47に入力された指示が示す種別(印刷ジョブ、ボックス印刷ジョブ、又はプログラム印刷ジョブ)の印刷ジョブに限定し、当該印刷ジョブについて印刷ジョブ履歴情報記憶部82に記憶されている印刷ジョブ履歴情報に基づいて、上記S12において、当該種別の印刷ジョブの中から、実行頻度の最も高いジョブ設定を検出するようにしてもよい。
【0038】
また、検出部102は、上記S12において、上記ジョブ設定を実行頻度の高い順に予め定められた件数分検出し、生成部101は、上記S13において、ホットフォルダーHFを上記予め定められた件数分生成し、上記S14において、検出部102が検出した上記予め定められた件数分のそれぞれのジョブ設定毎に、ジョブ設定を紐付けたホットフォルダーHFを作成するようにしてもよい。ここでは、上記予め定められた件数分のジョブ設定についての実行頻度のうち、最も低い値が上記予め定められた高いレベルとなる。
【0039】
上記第1実施形態によれば、実行頻度の高いジョブ設定が紐付けられたホットフォルダーHFが、ユーザーによる指示の入力なく生成されるので、ユーザーにとって有用なホットフォルダーを、煩雑な設定操作をユーザーに求めることなく作成することができる。
【0040】
次に、第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の内容については説明を省略する。第2実施形態では、生成部101は、画像形成装置1の給紙カセット141に収納されている記録媒体Pの属性情報(制御ユニット10内蔵の不揮発性メモリー等に記憶されている)を参照し、検出部102が検出したジョブ設定に含まれる、印刷に用いる記録紙を示す記録媒体Pと属性が一致する記録媒体Pを収納している給紙カセット141を特定し、当該特定した給紙カセット141を示す情報を、印刷時に記録紙を給紙させる給紙カセットを示す情報としてジョブ設定に含める。
【0041】
例えば、検出部102が検出したジョブ設定に含まれる記録媒体Pの属性が用紙サイズであり、当該属性が用紙サイズ「A5判」で、給紙カセット141Aに用紙サイズA4判、給紙カセット141BにA5判、給紙カセット141CにB5判の記録媒体Pが収納されているとき、各給紙カセットについて記憶されている記録媒体Pのサイズを示す属性に基づき、生成部101は、給紙カセット141Bを示す情報を、印刷時に記録紙を給紙させる給紙カセットを示す情報としてジョブ設定に含める。
【0042】
なお、上記属性の一致する給紙カセット141が存在しない場合、生成部101は、「該当なし」として、印刷時に記録紙を給紙させる給紙カセットを示す情報をジョブ設定に含めない。或いは、生成部101は、上記属性の一致する給紙カセット141が存在しない場合、予め定められた給紙カセット141(例えば、最も一般的に使用される用紙サイズ「A4判」が収納されている給紙カセット141)を示す情報を、印刷時に記録紙を給紙させる給紙カセットを示す情報としてジョブ設定に含める。
【0043】
記録媒体Pの属性は、用紙サイズに限定されず、用紙種類、又は用紙重さ等であってもよい。例えば、検出部102が検出したジョブ設定に含まれる記録媒体Pの属性が用紙サイズ「A4判」で、用紙種類「厚紙」であるとき、生成部101は、用紙サイズ「A4判」で用紙種類「厚紙」の記録媒体Pを収納している給紙カセット141を、画像形成装置1の給紙カセット141に収納されている記録媒体Pの上記属性情報に基づいて特定し、当該特定した給紙カセットを示す情報を、印刷時に記録紙を給紙させる給紙カセットを示す情報としてジョブ設定に含める。
【0044】
また、画像形成装置1において、給紙カセット141に収納されている記録媒体Pとして裏紙を示す上記属性情報の設定が可能な場合であって、例えば、給紙カセット141Cが「裏紙」専用として上記属性情報に設定されている場合、検出部102が検出したジョブ設定に含まれる記録媒体Pの属性が用紙種類「裏紙」であるときは、生成部101は、給紙カセット141Cを示す情報を、印刷時に記録紙を給紙させる給紙カセットを示す情報としてジョブ設定に含める。
【0045】
なお、ジョブ設定に給紙カセット141についての情報を含めるか否かについては、ユーザーが操作部47に入力する指示に基づいて事前に設定可能にしてもよい。また、給紙カセット141を特定する場合に使用する記録媒体Pの属性情報については、ユーザーが操作部47に入力する指示により自由に指定できるようにしてもよい。例えば、用紙サイズだけを使用するとユーザーが上記指示により指定したときは、生成部101は、用紙種類及び用紙重さを考慮せずに、印刷時に記録媒体Pを給紙させる給紙カセット141を特定する。このように、ユーザーによる自由度が増すことで、ホットフォルダーHFに紐付けられるジョブ設定がユーザーにとって利便性の高いものとなり、ホットフォルダーHFの使い勝手が向上する。
【0046】
また、ホットフォルダーHFが共有フォルダーで、複数のユーザー間で使用可能となっている(すなわち、ホットフォルダーHFへのアクセス権を有するユーザーが複数存在する)と、各ユーザーが様々に記録媒体Pの属性情報を変更すると、ホットフォルダーHFに紐付けられるジョブ設定の内容が頻繁に変わってしまい、却って各ユーザーにとって利便性が悪くなるおそれがある。そこで、生成部101は、ホットフォルダーHFの生成を要求したユーザー(ホットフォルダーHFの生成者)による指示に基づく設定のみに基づいて、印刷時に記録紙を給紙させる給紙カセットを特定するようにしてもよい。
【0047】
また、検出部102が検出したジョブ設定に含まれる記録媒体Pの属性と一致する記録媒体Pを収納する給紙カセット141が複数存在する場合、生成部101は、給紙カセット141それぞれに収納されている残量情報(制御ユニット10内蔵の不揮発性メモリー等に記憶されている)に基づいて、残量が一番多い給紙カセット141を、印刷時に記録紙を給紙させる給紙カセットとして特定するようにしてもよい。
【0048】
ところで、給紙カセット141に収納される記録媒体Pが、他の種の記録媒体Pに変更されることがある。そこで、生成部101は、給紙カセット141に収納される記録媒体Pが他の種の記録媒体P(例えばA5サイズ)に変更され、ジョブ設定に含めた給紙カセット141の収納内容(例えばA4サイズ)とは異なったと判断した場合、当該給紙カセット141とは異なる別の給紙カセット141に収納されている記録媒体Pの属性情報を参照し、上記ジョブ設定に含めた給紙カセット141の収納内容(例えばA4サイズ)と一致する記録媒体Pを収納している給紙カセット141を特定し、当該特定した給紙カセット141を、印刷時に記録紙を給紙させる給紙カセットとその収容内容を示す情報をジョブ設定に含めてそれまでの情報を削除することでジョブ設定を更新する。
【0049】
次に、第3実施形態に係る画像形成装置について説明する。第3実施形態の説明では、第1実施形態と同様の内容については説明を省略する。第3実施形態では、生成部101は、ホットフォルダーHFへの紐付けを禁止する、ユーザーにより操作部47に入力された指示により予め指定された印刷条件を示す禁止情報に基づいて、検出部102が検出したジョブ設定から紐付けが禁止されている印刷条件を示す情報を削除し、当該印刷条件を示す情報が削除されたジョブ設定をホットフォルダーHFに紐付けする。
【0050】
例えば、カラーモノクロ選択で「カラー印刷」が上記禁止情報により禁止されているときに、検出部102が検出したジョブ設定に「カラー印刷」が含まれる場合、生成部101は、上記ジョブ設定から「カラー印刷」を削除する。この場合、生成部101は、ジョブ設定にカラーモノクロ選択について、「カラー印刷」を示すそれまでの情報に代えて、「モノクロ印刷」を示す情報を含める。
【0051】
また、生成部101は、上記禁止情報が変更された場合、変更された禁止情報に基づいて、ホットフォルダーHFに既に紐付けられているジョブ設定の内容を更新する。例えば、それまではカラーモノクロ選択で「カラー印刷」は禁止されていなかったが、上記禁止情報によりカラーモノクロ選択での「カラー印刷」が新たに禁止された場合、生成部101は、既に紐付けられているジョブ設定に「カラー印刷」を示す情報が含まれるものについては、「カラー印刷」を示す情報を削除する。この場合、生成部101は、「カラー印刷」を示すそれまでの情報に代えて、「モノクロ印刷」を示す情報を含める等の処理を行う。
【0052】
一方、カラーモノクロ選択で「カラー印刷」の禁止が上記禁止情報により解除された場合、生成部101は、それまでの禁止情報により一旦除外されていた「カラー印刷」を示す情報をジョブ設定に加える更新を行う。この場合、生成部101は、禁止情報により除外された過去のジョブ設定の内容を逐一不揮発性メモリー等に記憶している。
【0053】
なお、生成部101は、上記更新について、上記禁止情報の変更直後に行ってもよいし、予め定められた一定時間の経過後に行ってもよい。また、生成部101は、上記更新を行うタイミングを、ユーザーが操作部47に入力した指示が示すタイミングとしてもよい。
【0054】
ところで、上記禁止情報の変更による上記更新を生成部101が行うと、同一のジョブ設定を紐付けるホットフォルダーHFが複数発生する場合がある。そこで、生成部101は、上記更新により同一内容からなるジョブ設定を紐付けるホットフォルダーHFが複数発生した場合、これら複数のホットフォルダーHFを1つのホットフォルダーHFに統合する。例えば、生成部101は、同一内容からなるジョブ設定を紐付ける複数のホットフォルダーHFのうち1つのみを残し、他のホットフォルダーHFを削除する。その際、生成部101は、統合した1つのホットフォルダーHFの名称を、最も利用頻度の高いホットフォルダーHFの名称に変更する。但し、生成部101は、当該ホットフォルダーHFの名称を、ユーザーが操作部47に入力した指示が示す名称に変更するようにしてもよい。
【0055】
また、ユーザーにより指定されるジョブ設定又は上記禁止情報について、指定内容によっては禁則関係が成立することがある。例えば、カラー印刷のできない画像形成装置1に対して、カラー印刷を示す情報がジョブ設定に加えられる、或いは、「モノクロ印刷」を禁止にする禁止情報が設定されると、有効なジョブ設定が存在しなくなる。そこで、制御部100は、記憶している画像形成装置1の性能情報に基づき、ジョブ設定又は上記禁止情報が示す内容に禁則関係が生じている場合は、禁則関係が生じている旨を示す情報を、ネットワークインターフェイス部91を介してユーザー端末2に送信する。制御部100は、当該禁則関係が生じている旨を示すメッセージを表示部473に表示させてもよい。
【0056】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、図1乃至図5を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0057】
1 画像形成装置
12 画像形成部
100 制御部
101 生成部
102 検出部
141 給紙カセット
図1
図2
図3
図4
図5