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  • 特開-画像形成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154779
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241024BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/38 201
H04N1/00 912
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068835
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 生也
(72)【発明者】
【氏名】山田 宗幹
(72)【発明者】
【氏名】松木 良臣
(72)【発明者】
【氏名】清水 健雄
(72)【発明者】
【氏名】内海 大祐
(72)【発明者】
【氏名】若槻 未緒
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HJ03
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN17
2C061HP00
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC04
5C062AC38
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】画像形成装置の印刷能力を超えたジョブ設定がホットフォルダーに紐付けられることを防止する。
【解決手段】画像形成装置1は、ホットフォルダーに紐付けるためのジョブ設定を示すジョブ設定情報に基づいて、ジョブ設定が自装置の印刷能力を超えているか否かを判断する判断部101と、判断部101によりジョブ設定が自装置の印刷能力を超えていないと判断された場合、ジョブ設定が紐付けられたホットフォルダーを自装置に生成し、判断部101によりジョブ設定が自装置の印刷能力を超えていると判断された場合、ネットワークに接続される他装置の中から、ジョブ設定での印刷の実行が可能な他装置を検索し、ジョブ設定での印刷の実行が可能な他装置に対してジョブ設定情報を送信してジョブ設定を紐付けたホットフォルダーの生成を要求する制御部100とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
外部装置とネットワークを介して通信を行う通信部と、
ホットフォルダーに紐付けるためのジョブ設定を示すジョブ設定情報に基づいて、前記ジョブ設定が前記画像形成装置である自装置の印刷能力を超えているか否かを判断する判断部と、
ホットフォルダー機能を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記判断部により前記ジョブ設定が前記自装置の印刷能力を超えていないと判断された場合、前記ジョブ設定が紐付けられた前記ホットフォルダーを前記自装置に生成し、
前記判断部により前記ジョブ設定が前記自装置の印刷能力を超えていると判断された場合、前記ネットワークに接続される他の画像形成装置である他装置の中から、前記ジョブ設定での印刷の実行が可能な前記他装置を検索し、前記通信部を介して、前記ジョブ設定での印刷の実行が可能な前記他装置に対して前記ジョブ設定情報を送信して、前記ジョブ設定を紐付けた前記ホットフォルダーの生成を前記他装置に対して要求する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記判断部により前記ジョブ設定が前記自装置の印刷能力を超えていると判断された場合であって、前記ジョブ設定での印刷の実行が可能な前記他装置が存在しない場合、前記ジョブ設定での印刷の実行に必要な印刷能力と前記自装置の印刷能力との差分を検出し、当該検出した差分を示す情報を通知する通知処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記判断部により前記ジョブ設定が前記自装置の印刷能力を超えていると判断された場合であって、前記ジョブ設定での印刷の実行が可能な前記他装置が存在しない場合、前記ジョブ設定での印刷の実行に必要な印刷能力と前記自装置の印刷能力との差分を検出し、当該検出した差分に基づいて、前記ジョブ設定の変更により前記自装置が備える機能で前記ジョブ設定を前記自装置の印刷能力の範囲内に収めることが可能かを判断し、可能であると判断したときは、前記範囲内に収めるために必要な前記ジョブ設定の変更内容を示すサポート情報を通知する通知処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記判断部により前記ジョブ設定が前記自装置の印刷能力を超えていると判断された場合であって、前記ジョブ設定での印刷の実行が可能な前記他装置が存在しない場合、前記ジョブ設定での印刷の実行に必要な印刷能力と前記自装置の印刷能力との差分を検出し、当該検出した差分に基づいて、前記ジョブ設定の変更により前記自装置が備える機能で前記ジョブ設定を前記自装置の印刷能力の範囲内に収めることが可能かを判断し、可能ではないと判断したときは、前記範囲内に収めるために拡張が必要な前記印刷能力の拡張内容を判定し、当該判定した拡張内容を示すサポート情報を通知する通知処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ジョブ設定に含まれる複数の印刷条件が前記自装置の印刷能力を超えている場合、それぞれに対する前記サポート情報を通知する通知処理を実行する、請求項3又は請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、ホットフォルダー(Hot Folder)の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像形成装置において、ホットフォルダー機能が活用されている。ホットフォルダー機能は、ジョブ設定が紐付けられたフォルダー(ホットフォルダー)に文書等の印刷ファイルが投入(ドラッグ&ドロップ)されると、紐付けされたジョブ設定に従って印刷ジョブを自動で実行する機能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-116498号公報
【特許文献2】特開2005-165833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホットフォルダーにジョブ設定を紐付けるには、ジョブ設定情報が記述されたJDF(Job Definition Format)ファイルやXJDF(Exchange Job Definition Format)ファイルが用いられることがある。JDFは、印刷工程に関する作業情報を記述するためのフォーマットである。XJDFは、JDFの新しいバージョンである。
【0005】
上記したようなファイル(XJDFファイル等)は、ユーザー自身がテキストエディタを利用して作成される。そのため、ユーザーは、ホットフォルダーに紐付けられたジョブ設定が、画像形成装置の印刷能力を超えて作成してしまうことがある。上記ジョブ設定が画像形成装置の印刷能力を超えると、ホットフォルダー機能を利用した印刷ジョブの実行時にエラーが発生する。
【0006】
上記特許文献1には、ホットフォルダーに投入されたファイルを監視し、当該ファイルに対する印刷が適切に実行できるかどうかを判定することが記載されている。また、上記特許文献2には、ホットフォルダーにファイルが投入されると、最適な印刷領域を設定することが記載されている。
【0007】
ところが、上記特許文献1,2のいずれによる技術では、ホットフォルダーに紐付けられるジョブ設定が画像形成装置の印刷能力を超える場合にはエラーとなるしかなく、当該エラーを回避することはできない。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、画像形成装置の印刷能力を超えたジョブ設定がホットフォルダーに紐付けられることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、外部装置とネットワークを介して通信を行う通信部と、ホットフォルダーに紐付けるためのジョブ設定を示すジョブ設定情報に基づいて、前記ジョブ設定が前記画像形成装置である自装置の印刷能力を超えているか否かを判断する判断部と、ホットフォルダー機能を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記判断部により前記ジョブ設定が前記自装置の印刷能力を超えていないと判断された場合、前記ジョブ設定が紐付けられた前記ホットフォルダーを前記自装置に生成し、前記判断部により前記ジョブ設定が前記自装置の印刷能力を超えていると判断された場合、前記ネットワークに接続される他の画像形成装置である他装置の中から、前記ジョブ設定での印刷の実行が可能な前記他装置を検索し、前記通信部を介して、前記ジョブ設定での印刷の実行が可能な前記他装置に対して前記ジョブ設定情報を送信して、前記ジョブ設定を紐付けた前記ホットフォルダーの生成を前記他装置に対して要求するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ホットフォルダーに紐付けられるジョブ設定が自装置の印刷能力を超えている場合、当該ジョブ設定が紐付けられたホットフォルダーを自装置に生成せず、印刷の実行が可能な他装置で生成するため、画像形成装置の印刷能力を超えたジョブ設定がホットフォルダーに紐付けられるのを防止することができる。これにより、印刷能力を超えたジョブ設定が紐付けられることにより生じる、印刷ジョブ実行時のエラーを未然に防ぐことができる。更に、自装置で生成されなかった上記ホットフォルダーは、他装置で自動生成されるため、ユーザーがホットフォルダーに紐付けるジョブ設定を再設定する必要なく、上記ホットフォルダーに紐付けられているジョブ設定の実行を他装置により確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を含んで構成される印刷システムの全体を示す図である。
図2】第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図4】第1実施形態に係る画像形成装置によるホットフォルダー作成処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を含んで構成される印刷システムの全体を示す図である。
【0013】
印刷システム11は、ネットワークNW上に存在する、複数の画像形成装置1A乃至1C(以降、まとめて「画像形成装置1」とも称す)と、複数のユーザー端末2A乃至2E(以降、まとめて「ユーザー端末2」とも称す)と、を含んで構成されている。
【0014】
画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。ユーザー端末2は、例えば、パソコンである。画像形成装置1とユーザー端末2とは、ネットワークNWを通じて接続され、両者間で通信を行うことが可能である。また、複数の画像形成装置1A乃至1C間でも、ネットワークNWを通じて通信を行うことが可能である。
【0015】
図2は、第1実施形態に係る画像形成装置1の外観を示す斜視図である。図3は、第1実施形態に係る画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。画像形成装置1は、装置本体11に、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、操作部47、ネットワークインターフェイス部91、及び記憶装置8を含んで構成されている。また、画像形成装置1には、装置本体11の側方に設けられる、図略の後処理装置(フィニッシャー)を備えるものもある。
【0016】
原稿給送部6は、原稿読取部5の上面に図略のヒンジ等によって開閉可能に構成され、原稿給送部6は、図略のプラテンガラス上に載置された原稿を読み取る場合に原稿押さえカバーとして機能する。また、原稿給送部6は、ADF(Auto Document Feeder)と呼ばれる自動原稿送り装置であり、原稿載置トレイ61を備え、原稿載置トレイ61に載置された原稿を原稿読取部5へ1枚ずつ供給する。
【0017】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により原稿読取部5へ供給された原稿、又は上記プラテンガラス上に載置されている原稿の画像を、原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、図略の画像メモリー等に保存される。
【0018】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された画像データや、ネットワークNWに接続された外部装置(例えば、ユーザー端末2)としてのコンピューターから受信した画像データに基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体Pとしての用紙などにトナー像を形成する。
【0019】
定着部13は、画像形成部12によりトナー像が形成された記録媒体Pを加熱及び加圧して、トナー像を記録紙に定着させるものであり、定着処理が施された記録媒体Pは排出トレイ151に排出される。給紙部14は、記録媒体Pを収納し給紙する複数の給紙カセット141A,141Bを備える。
【0020】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について、操作者から、画像形成動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。また、操作部47は、表示部473が有するタッチパネルを介して、表示部473に表示されている操作画面に対するユーザーによる操作(タッチ操作)や物理キーに対するユーザーによる操作に基づく、ユーザーからの指示の入力を受け付ける。
【0021】
表示部473は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる。表示部473は、タッチパネルを備えている。操作者は画面表示されるボタンやキーに触れる操作を行うと、タッチパネルにより、タッチ操作された位置に対応付けられた指示が受け付けられる。
【0022】
ネットワークインターフェイス部91は、ローカルエリア内、又はインターネット上の外部装置(例えば、ユーザー端末2)と種々のデータの送受信を行う通信インターフェイスである。なお、ネットワークインターフェイス部91は、特許請求の範囲における通信部の一例である。
【0023】
記憶装置8は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置であり、各種の制御プログラム等を記憶すると共に、ユーザー情報記憶部81と、ホットフォルダー情報記憶部82と、を有する。
【0024】
ユーザー情報記憶部81は、画像形成装置1を使用するユーザーに関する情報(例えば、ユーザーアカウント情報)を記憶する。ホットフォルダー情報記憶部82は、ジョブ設定が紐付けられるホットフォルダーHFを生成するために予め確保されている記憶領域である。ジョブ設定とは、印刷ジョブの実行に用いる印刷条件として設定された各項目を示す情報であり、例えば、モノクロ/カラー印刷の別、集約印刷の内容、印刷に用いる記録媒体Pを収容する給紙カセットの別、印刷濃度、拡大縮小、後処理装置の有効/無効、及び後処理の内容等である。
【0025】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、判断部101と、を備えている。
【0026】
制御ユニット10は、記憶装置8に記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部100及び判断部101として機能するものである。但し、これら制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0027】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、給紙部14、操作部47、ネットワークインターフェイス部91、及び記憶装置8と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部100は、画像形成装置1による画像形成に必要な各種の処理などを実行する。
【0028】
また、制御部100は、ジョブ設定JSが紐付けられるホットフォルダーHFを生成する。例えば、制御部100は、ユーザーからの指示に従って、ホットフォルダー情報記憶部82にホットフォルダーHFを生成する。ホットフォルダー機能は、制御部100による制御で、ジョブ設定をフォルダーに紐付け、文書等の印刷ファイルが当該フォルダーに格納された時点で、当該印刷ファイルについて、上記紐付けされたジョブ設定に従った印刷ジョブの実行をユーザーによる新たな指示によらずに開始する機能である。
【0029】
ホットフォルダー情報記憶部82に保存されているホットフォルダーHFは、ネットワークNWを介して接続されているユーザー端末2のいずれからも参照可能な共有フォルダーとされる。ユーザーは、ユーザー端末2からネットワークNWを介してホットフォルダーHFに印刷ファイル(印刷対象データ)を格納可能とされている。
【0030】
制御部100は、ホットフォルダーHFに印刷ファイルが格納されると、ホットフォルダーHFに紐付けられているジョブ設定JSに従って、投入された印刷ファイルの印刷を画像形成部12に実行させる。
【0031】
判断部101は、ホットフォルダーHFに紐付けるためのジョブ設定JSを示すジョブ設定情報(XJDFファイル等)に基づいて、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力を超えているか否かを判断する。
【0032】
制御部100は、判断部101によりジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力を超えていないと判断された場合、ジョブ設定JSが紐付けられたホットフォルダーHFを自装置MAに生成する。一方、制御部100は、判断部101によりジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力を超えていると判断された場合、ネットワークNWに接続される他装置MBの中から、ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な他装置MBを検索し、ネットワークインターフェイス部91を介して、ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な他装置MBに対して上記ジョブ設定情報を送信してジョブ設定JSを紐付けたホットフォルダーHFの生成を要求する指示を送信する。
【0033】
また、制御部100は、ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な他装置MBが存在しない場合、ジョブ設定JSでの印刷の実行に必要な印刷能力と自装置MAの印刷能力との差分を検出し、当該検出した差分を示す情報を表示部473に表示させる。
【0034】
次に、第1実施形態に係る画像形成装置1における制御ユニット10で行われる処理の一例について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この処理は、画像形成装置1がネットワークNWを介してユーザー端末2からホットフォルダーHFの生成要求を受け付けたときに行われる処理である。
【0035】
例えば、ユーザーは、ユーザー端末2で、ホットフォルダーHFに紐付けるジョブ設定JSを示すジョブ設定情報をXJDFファイル等により作成する。続いて、ユーザーは、ユーザー端末2で例えばブラウザーを立ち上げ、画像形成装置1のWebページにアクセスし、画像形成装置1に対してホットフォルダーHFの生成を要求する指示を入力すると共に、当該ホットフォルダーHFに紐付けるジョブ設定JSを示すジョブ設定情報を入力することで、ホットフォルダーHFの生成要求及びジョブ設定JSを示すジョブ設定情報を画像形成装置1に送信する。なお、ここに示す画像形成装置1へのホットフォルダーHFの生成要求及びジョブ設定JSを示すジョブ設定情報の送信方法は単なる一例であり、他の送信方法により送信するようにしてもよい。
【0036】
画像形成装置1では、制御部100が、ユーザー端末2からの上記要求及び上記ジョブ設定情報を、ネットワークインターフェイス部91を介して受信すると、判断部101が、受信したジョブ設定情報に基づいて、当該ジョブ設定情報が示すジョブ設定JSと自装置MAの印刷能力とを比較し(S1)、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力を超えているか否かを判断する(S2)。すなわち、判断部101は、ジョブ設定JSで実行が必要な機能を、自装置MAが備える機能により実行可能か否かを判断する。制御部100は、自装置MAが備える各機能を記憶している。
【0037】
判断部101が、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力を超えていないと判断した場合(S2でNO)、制御部100は、ホットフォルダー情報記憶部82にホットフォルダーHFを生成し(S3)、上記ジョブ設定JSを当該生成したホットフォルダーHFに紐付ける(S4)。この後、処理は終了する。
【0038】
一方、判断部101が、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力を超えていると判断した場合(S2でYES)、制御部100は、ホットフォルダー情報記憶部82にホットフォルダーHFを生成せず、ネットワークNWに接続される各他装置MBに対して、ネットワークインターフェイス部91を介して、他装置MBの印刷能力を示す能力情報の送信を要求する。制御部100は、当該要求に応じて各他装置MBから送信されてくる当該能力情報を、ネットワークインターフェイス部91を介して受信する(S5)。
【0039】
なお、判断部101が、上記S2において、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力を超えていると判断した場合(つまり、自装置MAでユーザー所望のホットフォルダーHFを生成できないことが判明した場合)、制御部100は、その旨を示すメッセージ情報をネットワークインターフェイス部91を介してユーザー端末2に送信し、ユーザーに通知してもよい。
【0040】
制御部100は、取得した各他装置MBからの能力情報に基づいて、各他装置MBの中から、ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な能力を有する他装置MBを検索し(S6)、ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な能力を有する他装置MBが存在するか否かを判断する(S7)。
【0041】
制御部100は、ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な能力を有する他装置MBが存在すると判断した場合(S7でYES)、ユーザー端末2から受信した上記ジョブ設定情報と、当該ジョブ設定情報が示すジョブ設定JSを紐付けたホットフォルダーHFの生成を要求する指示とを、ネットワークインターフェイス部91を介して、当該ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な能力を有する他装置MBに送信する(S8)。この後、処理は処理を終了する。
【0042】
ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な能力を有する他装置MBでは、上記ジョブ設定情報及びホットフォルダーHFの生成を要求する指示に従って、当該他装置MBの制御部が、当該ジョブ設定情報が示すジョブ設定JSを紐付けたホットフォルダーHFを生成する。
【0043】
これにより、自装置MAの代わりに他装置MBで、ユーザー所望のホットフォルダーHFが生成されることになる。なお、このとき、制御部100は、ユーザー端末2に対して、自装置MAの代わりに他装置MBでユーザー所望のホットフォルダーHFを生成したことを示すメッセージ情報を、ネットワークインターフェイス部91を介して送信する。
【0044】
他方、制御部100は、ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な他装置MBが存在しないと判断した場合(S7でNO)、ジョブ設定JSでの印刷の実行に必要な印刷能力と自装置MAの印刷能力との差分を検出し(S9)、当該検出した差分を示す情報(すなわち、自装置MAで不足している印刷能力情報)と、ユーザー所望のホットフォルダーHFが自装置MA及び他装置MBのいずれにおいても生成されなかったことを示すメッセージ情報とを、ネットワークインターフェイス部91を介して、ユーザー端末2に送信させる送信処理を実行する(S10)。この後、処理は終了する。なお、当該通信処理は、特許請求の範囲における通知処理の一例である。
【0045】
これにより、ユーザーは、ユーザー所望のホットフォルダーHFが生成されなかったこと、更に、ユーザー所望のホットフォルダーHFの生成を要求した画像形成装置1に不足している印刷能力を容易に認識することができる。
【0046】
上記第1実施形態によれば、ホットフォルダーHFに紐付けられるジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力を超えている場合、当該ジョブ設定JSが紐付けられたホットフォルダーHFを自装置MAに生成せず、印刷の実行が可能な他装置MBで生成する。従って、画像形成装置1の印刷能力を超えたジョブ設定JSがホットフォルダーHFに紐付けられるのを防止することができる。これにより、印刷能力を超えたジョブ設定JSが紐付けられることにより生じる、印刷ジョブ実行時のエラーを未然に防ぐことができる。また、自装置MAで生成されなかったホットフォルダーHFは、他装置MBで自動生成されるため、ユーザーがホットフォルダーHFに紐付けるジョブ設定を再設定する必要なく、ホットフォルダーHFに紐付けられているジョブ設定の実行を他装置MBにより確保することが可能になる。
【0047】
また、画像形成装置1A乃至1Cがいずれも、ジョブ設定JSでの印刷の実行に必要な印刷能力を有しない場合、画像形成装置1A乃至1Cでは、ホットフォルダーHF自体が作成されないか、自身で実行できない機能設定がされた不備のあるホットフォルダーHFが作成されることになり、ユーザーが作成したジョブ設定JSに紐付けられた、ユーザー所望のホットフォルダーHFは生成されない。そのため、ユーザー所望のホットフォルダーHFを生成するには、何らかの策が必要である。当該策を実行する一つの手段として、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力の範囲内に収まるように、ジョブ設定情報(XJDFファイル等)をユーザー自身が変更し、その後、改めて画像形成装置1に対してホットフォルダーHFの生成を要求する手段がある。
【0048】
更に別の手段としては、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力の範囲内となるように、ユーザーが画像形成装置1の有する印刷能力を拡張させ、その後、改めて画像形成装置1に対してホットフォルダーHFの生成を要求する手段がある。なお、ジョブ設定情報を変更する手段と、画像形成装置1の印刷能力を拡張する手段の両方を採ることも可能である。
【0049】
ユーザー所望のホットフォルダーHFが生成されなかった場合は、上記S10に示したように、ジョブ設定JSでの印刷の実行に必要な印刷能力と自装置MAの印刷能力との差分を示す情報がユーザー端末2に送信されるので、ユーザーは自装置MAに不足している印刷能力(すなわち、ユーザーが過大に設定した機能)の内容を容易に理解でき、ユーザーは比較的容易に、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力の範囲内に収まるように、ジョブ設定情報を変更したり、画像形成装置1の印刷能力を拡張したりできる。
【0050】
次に、第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。制御部100は、ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な他装置MBが存在しない場合、ジョブ設定JSでの印刷の実行に必要な印刷能力と自装置MAの印刷能力との差分を検出し、当該検出した差分に基づいて、範囲内に収めるために変更が必要となるジョブ設定の内容(変更内容)を示すサポート情報を、ネットワークインターフェイス部91を介してユーザーのユーザー端末2に送信する。
【0051】
例えば、画像形成装置1に後処理装置が装備されていない、又は後処理機能が無効状態であるにも拘わらず、ステープルや穴あけ、折り処理などの後処理がジョブ設定JSに含まれている場合、制御部100は、ジョブ設定から後処理を除外することを促すメッセージ情報を上記サポート情報として、ユーザー端末2に送信する。例えば、「ホットフォルダー生成処理を中止するか、又はジョブ設定情報が記述されたXJDFファイルから後処理の内容を除外して、ホットフォルダー生成処理を再開してください」というメッセージをユーザー端末2に送信する。
【0052】
また、画像形成装置1に装備されている後処理装置では「二つ折り」はできるが、「Z折り」ができないにも拘わらず、「Z折り」がジョブ設定JSに含まれている場合、制御部100は、ジョブ設定から折り処理を除外するか、又は「Z折り」から「二つ折り」への変更を促すメッセージ情報を上記サポート情報として、ユーザー端末2に送信する。すなわち、制御部100は、ジョブ設定JSに含まれる印刷条件(例えば、「Z折り」)を、当該印刷条件と同等の概念の関係にある別の印刷条件(例えば、「二つ折り」)に変更する内容を示すサポート情報をユーザーに提供する。
【0053】
ユーザーは、このようなサポート情報が提供されることで、より一層容易に、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力の範囲内に収まるように、ジョブ設定情報を変更することが可能になる。
【0054】
次に、第3実施形態に係る画像形成装置について説明する。制御部100は、ジョブ設定JSでの印刷の実行が可能な他装置MBが存在しない場合、ジョブ設定JSでの印刷の実行に必要な印刷能力と自装置MAの印刷能力との差分を検出し、当該検出した差分に基づいて、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力の範囲内に収まるために拡張が必要な印刷能力の拡張内容を示すサポート情報をユーザー端末2に送信する。
【0055】
例えば、画像形成装置1に後処理装置が装備されているが、当該後処理装置の機能を無効にする設定となっているにも拘わらず、ステープルや穴あけ、折り処理などの後処理がジョブ設定JSに含まれている場合、制御部100は、ジョブ設定から後処理を除外するか、又は後処理装置の機能の設定を無効から有効に変更することを促すメッセージ情報を、上記サポート情報として、ユーザー端末2に送信する。
【0056】
ユーザーは、このようなサポート情報が提供されることで、より一層容易に、ジョブ設定JSが自装置MAの印刷能力の範囲内に収まるように、画像形成装置1の印刷能力を拡張させることが可能になる。
【0057】
また、上記第2及び第3実施形態では、ジョブ設定JSに含まれる印刷条件の一つが自装置MAの印刷能力を超えている場合を例にしているが、自装置MAの印刷能力を超える印刷条件は一つであるとは限らない。そこで、別の実施形態として、制御部100は、ジョブ設定JSに含まれる複数の印刷条件が自装置MAの印刷能力を超えている場合、複数の印刷条件のそれぞれについて設定が必要な上記変更内容及び上記拡張内容を検出して、上記変更内容及び上記拡張内容をサポート情報としてユーザー端末2に送信するようにする。
【0058】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、図1乃至図4を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0059】
1 画像形成装置
91 ネットワークインターフェイス部
100 制御部
101 判断部
図1
図2
図3
図4