(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015479
(43)【公開日】2024-02-02
(54)【発明の名称】表皮下水分値の左右対称比較
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0537 20210101AFI20240126BHJP
【FI】
A61B5/0537 200
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023185982
(22)【出願日】2023-10-30
(62)【分割の表示】P 2022032153の分割
【原出願日】2018-02-02
(31)【優先権主張番号】62/454,455
(32)【優先日】2017-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/521,871
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】512286037
【氏名又は名称】ブルーイン、バイオメトリクス、リミテッド、ライアビリティー、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRUIN BIOMETRICS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、エフ.バーンズ
(72)【発明者】
【氏名】サラ、バーリントン
(72)【発明者】
【氏名】グラハム、オー.ロス
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA06
4C127GG09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】表皮下水分を患者の左右対称の場所で測定して、臨床的措置のために損傷した組織を特定するための装置および方法を提供する。
【解決手段】装置は、第1および第2のセンサであって、第1の電極および第2の電極を備え、各々が、患者の皮膚に配置されるように構成される、第1および第2のセンサと、第1および第2の電極に電気的に結合し、かつセンサの各々の第1の電極と第2の電極との間の電気特性を測定して、電気特性に関する情報を提供するように構成された、回路と、情報を回路から受信して、情報を表皮下水分(SEM)値に変換するように構成された、プロセッサと、患者の皮膚の第1の場所で第1のセンサによって測定された電気特性に対応する第1のSEM値と、患者の皮膚の第2の場所で第2のセンサによって測定された電気特性に対応する第2のSEM値との間の差を決定するステップを行い、第2の場所が、第1の場所と左右対称である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
損傷した組織を特定するための装置であって、前記装置が、
患者の皮膚の表面に配置されるように構成された基板と、
複数の電極を備える電極アレイであって、前記複数の電極の各電極が、それぞれの複数の位置で前記基板上に配設され、前記複数の電極のいずれか2つの隣接する電極が、隙間によって互いに隔てられている、電極アレイと、
前記複数の電極の各電極に電気的に結合し、かつ複数の電気特性を測定して、前記測定された複数の電気特性に関する情報を提供するように構成された、回路と、
前記回路に電気的に結合し、かつ前記測定された複数の電気特性に関する前記情報を前記回路から受信して、前記測定された複数の電気特性をそれぞれの複数の表皮下水分(SEM)値に変換するように構成された、プロセッサと、
非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記プロセッサに電気的に結合し、前記非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を含み、前記命令が、前記プロセッサ上で実行されたときに、
前記複数のSEM値から、前記患者の皮膚に関して左右対称である第1および第2の位置にある第1の複数の電極のサブセットおよび第2の複数の電極のサブセットを特定するステップ、ならびに
前記第1の複数の電極のサブセットと関連付けられる第1の平均SEM値を、前記第2の複数の電極のサブセットと関連付けられる第2の平均SEM値と比較するステップ、を行う、非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える、装置。
【請求項2】
前記命令が、
前記第1の平均SEM値と第2の平均SEM値との間の差を決定するステップと、
前記差が所定の閾値を上回る場合に、前記第1の場所および第2の場所のうちの一方で組織が損傷していることの表示を提供するステップと、を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記命令が、
前記第1の平均SEM値と第2の平均SEM値との間の差を決定するステップと、
前記第1の平均SEM値および第2の平均SEM値のどちらが他方より大きいかを決定するステップと、
前記差が所定の閾値を上回る場合に、前記より大きい平均SEM値と関連付けられる場所で組織が損傷していることの表示を提供するステップと、を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の電気特性の各電気特性が、抵抗、静電容量、インダクタンス、インピーダンス、および磁気抵抗からなる群から選択される電気成分のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の複数の電極のサブセットの前記複数の電極が、選択的に作動して、第1の仮想リング電極および第1の仮想中心電極を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記測定された複数の電気特性の各電気特性が同時に測定される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の複数の電極のサブセットの前記複数の電極が、選択的に作動して、第2の仮想リング電極および第2の仮想中心電極を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の複数の電極のサブセットおよび前記第2の複数の電極のサブセットの各々の前記複数の電極が、選択的に作動して、第1および第2の仮想リング電極および第1および第2の仮想中心電極を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の電極の各電極が、六角形、五角形、四角形、三角形、および円形を含む群から選択される形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の電極の各電極が、規則的な形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の電極から選択される前記いずれか2つの隣接する電極を隔てる前記隙間が、均一である、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記いずれか2つの隣接する電極を隔てる前記隙間が、前記複数の電極の各々の断面よりも狭い幅を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の電極から選択される前記いずれか2つの隣接する電極を隔てる前記隙間が、異なり得る、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の複数の電極のサブセットおよび前記第2の複数の電極のサブセットが、1つ以上の共有された電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の複数の電極のサブセットの前記複数の電極が、選択的に作動して、第1の仮想リング電極および第1の仮想中心電極を形成し、
前記第2の複数の電極のサブセットの前記複数の電極が、選択的に作動して、第2の仮想リング電極および第2の仮想中心電極を形成する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1および第2の仮想リング電極の位置が、互いに重なり合っている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1および第2の仮想中心電極の位置が、互いに重なり合っている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記複数の位置が、前記基板の表面に規則的なパターンで配設されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記電極アレイが、前記電極アレイに対して位置付けられた患者の皮膚の部分より大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記基板が、剛性、可撓性、または剛性要素および可撓性要素の組み合わせである、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
損傷した組織を特定するための方法を実行するための命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
電極アレイ内の複数の電極の各電極に対応する電気特性の複数の測定値を受信することにより、複数の電気測定値を生成することであって、前記電極アレイが、患者の皮膚の表面に配置されるように構成された基板上に配設され、前記複数の電極が、それぞれの複数の位置で前記基板上に配設され、前記複数の電極のいずれか2つの隣接する電極が、隙間によって互いに隔てられている、生成することと、
前記複数の電気測定値を複数の表皮下水分(SEM)値に変換することと、
前記複数のSEM値から、前記患者の皮膚の第1の位置にある前記複数の電極の第1のサブセットに対応するSEM値を特定し、
前記患者の皮膚の前記第1の位置の周囲の複数の位置にある前記複数の電極の第2のサブセットに対応する平均SEM値を特定し、
前記SEM値と前記平均SEM値との間の差を決定することと、を含む、媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月3日出願の米国仮出願第62/454,455号および2017年6月19日出願の米国仮出願第62/521,871号の優先権の利益を主張し、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、患者の表皮下水分を測定して、臨床的措置のために損傷した組織を特定するための装置およびコンピュータ可読媒体を提供する。本開示は、損傷した組織を決定するための方法も提供する。
【背景技術】
【0003】
皮膚は、ヒトの身体において最も大きい器官であり、様々な種類の損傷および傷害にさらされやすい。皮膚およびその周辺組織が外圧および機械力を再分配することができないと、潰瘍が形成され得る。穏やかな圧力、例えば、仰臥位の患者の体重によって創出される自身の背部皮膚表面への圧力であっても、それに長期間継続してさらされると、褥瘡が生じ得る。糖尿病によって誘導され得る神経障害および末梢組織の弱化などの他の損傷がある場合には、穏やかなレベルの圧力およびストレスに断続的にさらされるだけでも、潰瘍、例えば、足部潰瘍が生じ得る。
【0004】
褥瘡は、米国内で毎年約250万人、欧州でも同等数の人が発症している。長期および重症治療の環境では、高齢および寝たきりの患者の最大で25%が褥瘡を発症する。毎年約60,000人の米国内患者が、褥瘡からの感染および他の合併症により死亡している。
【0005】
皮膚が傷つく前に組織損傷を検出し、適切な治療による措置を行って、下層組織の更なる悪化を回避することが、患者だけでなく社会にとっても望ましい。圧力誘導性の損傷を目に見える初発兆候(ステージ1の潰瘍)で治療するための平均費用は$2,000だけであるが、これは、潰瘍が筋肉または骨を露出させるほど深い(ステージ4の潰瘍)場合、$129,000に増加する。褥瘡を検出するための現在の基準は目視検査によるものであり、これは、主観的であり、信頼性がなく、時機を失し、具体性を欠く。
【発明の概要】
【0006】
ある態様では、本開示は、損傷した組織を特定するための装置を提供し、また含み、本装置は、第1および第2のセンサであって、これらのセンサが、各々、第1の電極および第2の電極を備え、センサの各々が、患者の皮膚に配置されるように構成される、第1および第2のセンサと、第1および第2の電極に電気的に結合し、かつセンサの各々の第1の電極と第2の電極との間の電気特性を測定して、電気特性に関する情報を提供するように構成された、回路と、回路に電気的に結合し、かつ情報を回路から受信して、情報を表皮下水分(SEM)値に変換するように構成された、プロセッサと、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、プロセッサに電気的に結合し、非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を含み、これらの命令が、プロセッサ上で実行されたときに、患者の皮膚の第1の場所で第1のセンサによって測定された電気特性に対応する第1のSEM値と、患者の皮膚の第2の場所で第2のセンサによって測定された電気特性に対応する第2のSEM値との間の差を決定するステップを行い、第2の場所が、第1の場所と左右対称である、非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える。
【0007】
一態様では、損傷した組織を特定するための装置が本開示によって提供され、本装置は、患者の皮膚の表面に配置されるように構成された基板と、それぞれの複数の位置で基板上に配設される複数のセンサであって、各センサが一対の電極を備える、複数のセンサと、複数のセンサの各々の一対の電極に電気的に結合し、かつ複数のセンサの一部の電極対間の電気特性を測定して、測定された電気特性に関する情報を提供するように構成された、回路と、回路に電気的に結合し、かつ電気特性に関する情報を回路から受信して、複数の電気特性をそれぞれの複数の表皮下水分(SEM)値に変換するように構成された、プロセッサと、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、プロセッサに電気的に結合し、非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を含み、これらの命令が、プロセッサ上で実行されたときに、複数のSEM値から、患者の皮膚に関して左右対称である第1および第2の位置にある第1のセンサおよび第2のセンサを特定するステップ、ならびに第1のセンサと関連付けられる第1のSEM値を、第2のセンサと関連付けられる第2のSEM値と比較するステップ、を行う、非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える。
【0008】
一態様では、損傷した組織を特定するための装置が本開示によって提供され、本装置は、装置本体と、第1のセンサおよび第2のセンサを備える2つのセンサであって、2つのセンサが、第1のセンサを患者の皮膚の第1の場所に位置付けることと、第2のセンサを第1の場所と左右対称の第2の場所に位置付けることとを同時に行えるように、装置本体の上に配設される、2つのセンサと、2つのセンサの各々に電気的に結合し、かつ電気特性を2つのセンサの各々から測定するように構成された、回路と、回路に電気的に結合し、かつ第1の電気特性測定値を第1の場所から受信し、第2の電気特性測定値を第2の場所から受信して、第1の電気特性測定値を第1のSEM値に変換し、第2の電気特性測定値を第2のSEM値に変換するように構成された、プロセッサと、プロセッサに電気的に結合し、プロセッサ上で実行されたときに、第1のSEM値と第2のSEM値との間の差を決定するステップを行う命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える。
【0009】
ある態様では、損傷した組織を特定するための方法が本開示によって提供され、本方法は、第1の表皮下水分(SEM)値を患者の皮膚の第1の場所から得ることと、第2のSEM値を、第1の場所と左右対称である第2の場所から得ることと、第1のSEM値と第2のSEM値との間の差を決定することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の態様は、添付の図面を参照して、単に例として本明細書に記載される。これから図面を詳細に具体的に参照するが、示される項目は、例であり、本開示の態様の図示による考察を目的とすることが強調される。この点で、説明および図面は、単独でまたは併せて、本開示の態様がどのように実施され得るのかを当業者に対して明らかにする。
【0011】
【
図1C】起動時に
図1Aのトロイダルセンサによって創出される理想化された電場マップの図解である。
【
図2A】本開示に従う、仙骨部の一対の左右対称である場所の例を提供する。
【
図2B】本開示に従う、両足の底面の一対の左右対称である場所の例を提供する。
【
図2C】本開示に従う、両足の側面および足底の一対の左右対称である場所の例を提供する。
【
図3】1つの同軸センサを備える装置の図解である。
【
図4A】本開示に従う2つのセンサを備える第1の例示的な装置である。
【
図4B】本開示に従う、2つのセンサを備え、SEM値を左右対称の場所で決定するように構成される、第2の例示的な装置である。
【
図5】本開示に従う複数のセンサを備える例示的な装置である。
【
図8A】本開示に従う、
図7に開示される電極のアレイがどのように構成されてセンサを形成するかの第1の例を図解する。
【
図8B】本開示に従う、
図7に開示される電極のアレイがどのように構成されてセンサを形成するかの第2の例を図解する。
【
図9A】本開示に従う、電極のアレイで形成された第1のセンサの例を図解する。
【
図9B】本開示に従う、第2のセンサがどのように形成されて
図9Aの第1のセンサと重なり合うかの例を図解する。
【
図10】本開示に従う、
図8Aに示されるセンサがどのようにアレイに位置付けられている患者の皮膚の部分より大きい電極のアレイから形成されるかの例を示す。
【
図11A】本開示に従う、SEM測定のための左足および右足の場所を図解する。
【
図11B】本開示に従う、左右対称の場所を特定するための既知の相対的な場所と関連付けられるSEM値のプロットである。
【
図12A】本開示に従う、患者の皮膚の既知の位置に位置付けられるように成形された基板の例示的な構成を示す。
【
図13】本開示に従う、SEM値の測定、評価、記憶、および転送のための統合システムを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本説明は、本開示が実行され得る異なる方法の全て、または本開示に追加され得る特徴の全ての詳細な列挙であることを意図していない。例えば、一実施形態に関して例示される特徴は、他の実施形態に組み込まれてもよく、特定の実施形態に関して例示される特徴は、その実施形態から削除されてもよい。したがって、本開示は、本開示のいくつかの実施形態において、本明細書に記載される任意の特徴または特徴の組み合わせが除外または省略され得ることを企図する。加えて、本明細書で示唆される様々な実施形態への多数の変更および追加は、本開示を踏まえて当業者には明らかになり、それらは、本開示から逸脱しない。他の場合には、周知の構造、インターフェース、およびプロセスは、不必要に本発明を分かりにくくしないために、詳細に示されていない。本明細書のどの部分も、本発明の全範囲のいかなる部分も否定すると解釈されることを意図していない。したがって、以下の説明は、本開示のいくつかの特定の実施形態を例示することを意図し、その全ての置換、組み合わせ、および変更を徹底的に指定しない。
【0013】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の本開示の説明に使用される用語は、特定の態様または実施形態のみを説明する目的であり、本開示を限定することを意図していない。
【0014】
本明細書に列挙される全ての出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参考文献が提示される文および/または段落に関連する教示に関して、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書で用いられる技術の参照は、当業者に明らかであろう技術への変更または同等の技術の置換を含む、当該技術分野において一般的に理解されている技術を指すことを意図している。
【0015】
米国特許出願第14/827,375号は、無線周波数(RF)エネルギーを使用して、
図1に示されるセンサ90と同様のバイポーラセンサを使用して表皮下静電容量を測定する装置を開示し、表皮下静電容量は、患者の皮膚の標的領域の水分含量に対応する。第‘375号の出願はまた、様々なサイズのこれらのバイポーラセンサのアレイを開示する。
【0016】
米国特許出願第15/134,110号は、
図3に示されるデバイスと同様の表皮下水分(SEM)を測定するための装置を開示し、デバイスは、単一の同軸センサを通して32kHzの周波数でRF信号を発し、かつ受信し、生体インピーダンス信号を生成し、次いで、この信号をSEM値に変換する。
【0017】
米国特許出願第14/827,375号および同第15/134,110号の両方が、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
文脈上別段の指示がない限り、本明細書に記載される本開示の様々な特徴が、任意の組み合わせで使用され得ることを特に意図している。更に、本開示はまた、本開示のいくつかの実施形態において、本明細書に記載される任意の特徴または特徴の組み合わせが除外または省略され得ることを企図する。
【0019】
本明細書に開示される方法は、記載される方法を達成するための1つ以上のステップまたは行為を含み、かつ備える。方法のステップおよび/または行為は、本発明の範囲から逸脱することなく互いに交換され得る。換言すれば、ステップまたは行為の特定の順序が実施形態の適切な動作のために必要とされない限り、特定のステップおよび/または行為の順序および/または使用は、本発明の範囲から逸脱することなく修正され得る。
【0020】
本開示の説明および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形も同様に含むことを意図している。
【0021】
本明細書で使用される場合、「および/または」は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のありとあらゆる可能な組み合わせ、ならびに別の方法(「または」)で解釈される場合は組み合わせの欠如を指し、かつそれらを包含する。
【0022】
長さ、周波数、またはSEM値などの測定可能な値を指すときに本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」という用語は、指定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、または±0.1%ほどの変動を包含するよう意図される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「XとYとの間」および「約XとYとの間」などの語句は、XおよびYを含むと解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「約XとYとの間」などの語句は、「約Xから約Yの間」を意味し、「約XからY」などの語句は、「約Xから約Y」を意味する。
【0024】
本明細書で使用される場合、「表皮下水分」または「SEM」という用語は、組織への連続的な圧力、アポトーシス、壊死、および炎症過程の存在下で、損傷した組織の下層構造を改質する血管漏出および他の変化によって引き起こされる組織液および局所浮腫の増加を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「システム」は、互いに有線または無線通信しているデバイスの集合であってもよい。
【0026】
本明細書で使用される場合、「調査する」は、患者の皮膚に貫通するための高周波エネルギーの使用を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「患者」は、ヒトまたは動物対象であってもよい。
【0028】
本明細書で使用される場合、「左右対称」は、対称軸からほぼ等距離である一対の場所を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「Δ」は、2つのSEM値間の計算された差を指す。
【0030】
図1Aは、中心電極110とリング電極120とを備えるトロイダルセンサ90の平面図である。一態様では、電極110および120は、
図1Bに示されるセンサ90の断面に示されるように、基板100の共通の表面上に配設される。一態様では、基板100は、剛性であり、例えば、FR4プリント回路基板(PCB)のシートである。一態様では、基板100は、可撓性であり、例えば、ポリイミドのシートである。一態様では、基板100は、剛性要素および可撓性要素の組み合わせである。一態様では、電極110および120は、電極110および120を互いから、かつ/または外部接触から分離するために、非導電性であるカバー層130で被覆される。一態様では、カバー層130のいくつかの部分は、一方向に導電性であり、電極110および120が隣接する電極から電気的に分離されたままでありながら、カバー層130上に配設される物体と電気接触していることを可能にする。一態様では、カバー層130は、剛性かつ平面であり、それにより平坦な外部表面を提供する。一態様では、カバー層130は、基板100とカバー層130との間に隙間または空隙がないように、下層電極110および120ならびに基板100に一致する。電圧が電極110および120にわたって印加されたとき、
図1Cに示されるように、電極110および120の平面から、電界の深度とも称される距離150へと外向きに延在する電界140が、電極110と120との間に発生する。中心電極110の直径、リング電極120の内径および外径、ならびに電極110と120との間の隙間は、電界140の特徴、例えば、電界の深度150を変化させることによって変更され得る。
【0031】
図2Aは、患者10の背中の仙骨部を示す。対称軸12は、背中の中心に引かれ得、背中を左右の鏡像に分割する。場所14は、対称軸12からほぼ同じ距離、かつほぼ同じ高さであり、したがって、患者10の背中の左右対称の場所であるとみなされる。
【0032】
図2Bは、患者10がベッドにあおむけになっていて(図示せず)、観察者がベッドの足元に立っている場合に見られるような、患者10の左足20Lおよび右足20Rを示す。足20Lおよび20Rの足底22Lおよび22Rに関して、場所24Lおよび24Rは、ほぼ同等の場所、例えば後面、すなわち、かかとから同じ距離、およびそれぞれの足20Lまたは20Rの内側から同じ距離に位置し、左右対称の場所であるとみなされる。
【0033】
図2Cは、足20Lおよび20Rの側面に位置する追加の例示的な左右対称の場所26Lおよび26R、ならびに足20Lおよび20Rのそれぞれの足底22Lおよび22Rに位置する左右対称の場所28Lおよび28Rを示す。一態様では、場所26Rおよび30Rは、足20Lへの言及なく単独で考慮される場合、足20Rに関して左右対称とみなされる。
【0034】
特定の理論に限定されないが、左右対称の場所において取られたSEM測定値の比較は、患者の集団からの特定の患者の読み取り値のオフセットを補うことができる。例えば、患者は、測定が行われている特定の日に脱水している可能性がある。脱水状態にある間の同じ患者からの健康な組織のSEM値の比較は、患者が完全に水分補給されているときの同じ場所の同じ組織のSEM値から変わっている可能性がある。左右対称の場所における組織が損傷している一方で、1つの場所における組織が健康である場合、左右対称の場所において取られた読み取り値の比較は、両方の場所における脱水の「共通の最頻値」効果を除外し、組織が1つの場所において損傷しているというより確固たる指標を提供する。
【0035】
図3は、装置本体の下側172に配設された1つのトロイダルセンサ174を備える、例示的なSEM測定装置170を示す。装置170は、複数の場所における測定、例えば、第1の場所における第1の測定、および第1の場所に対して左右対称である第2の場所における第2の測定を行うために使用されてもよい。一態様では、装置170は、非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶された命令によって、複数の場所において取られる測定値またはその測定値と関連するか、もしくはそれから得られるパラメータ、例えば、複数の測定値からそれぞれ得られるSEM値の間の差、その平均、またはその共通平均からの各々の差のうちの1つ以上の特徴を決定するように構成され得るプロセッサを備える。一態様では、装置170は、測定値と関連する1つ以上のパラメータ、例えば、2つの左右対称の場所において取られる測定値から得られるSEM値間のΔを示すように構成されたディスプレイを備える。
【0036】
図4Aは、本開示に従った、装置本体182上の別々の場所に位置する2つのセンサ184Aおよび184Bを備える、例示的なSEM測定装置180を示す。例示的な使用法は、患者の身体(図示せず)に対して装置180を配置して、第1の場所に第1のセンサ184Aおよび第2の場所に第2のセンサ184Bを同時に位置付けることであり、両方の場所が患者の皮膚の表面上にある。一態様では、装置本体182は剛性であり、センサ184Aおよび184Bを互いに固定された分離距離および固定された配向に維持する。一態様では、センサ184Aおよび184Bは、
図4Aに示されるように共通の平面上で整合されている。一態様では、装置本体182は、可撓性であり、これにより、センサ184Aおよび184Bは、互いに対してある角度で配向され得る。一態様では、センサ184Aおよび184Bのうちの1つ以上は、移動可能であり、これにより、移動可能なセンサともう一方のセンサとの間の角度が変化し得る。
【0037】
使用中、装置180は、1つ以上のセンサ184Aおよび184Bで、抵抗、静電容量、インダクタンス、インピーダンス、磁気抵抗、および他の電気的特徴からなる群から選択される1つ以上の電気的特徴を含む電気特性またはパラメータを測定することができる。一態様では、センサ184Aおよび184Bは、中心電極110およびリング電極120を有する、
図1Aに示されるようなトロイダルセンサとして構成される。一態様では、センサ184Aおよび184Bは、本出願で考察されるような他の構成で提供される。一態様では、センサ184Aおよび184Bは、電極110および120の一部分に近接し、かつそれから分離している接地板(図示せず)を備える。一態様では、接地板は、電極110および120を干渉から遮蔽するか、またはセンサ184Aおよび184Bの電界の形状を改質する(
図1Cの電界140と概念が同様)。一態様では、接地板は、電極110および120が配設されている側面とは反対側にある基板の側面上に配設される。一態様では、装置180は、各センサ184Aおよび184Bの電極110および120に電気的に結合し、電極110と電極120との間の電気特性を測定するように構成された、回路(図示せず)を備える。一態様では、接地板は、回路の接地または同等のフローティングレファレンスに結合する。一態様では、回路は、測定された電気特性に関する情報を決定および提供するように構成されている。一態様では、装置180は、センサ184Aおよび184Bで本質的に同時に測定を行う。一態様では、装置180は、ゼロから1秒以上の範囲である測定間の時間間隔を伴い、順次に測定を行う。一態様では、装置180による測定は、ボタン(
図4Aでは見えない)またはアクチュエータの起動によってトリガされる。一態様では、装置180による測定は、装置180の一部であるスイッチング素子(
図4Aでは図示せず)、例えば、接触センサ、圧力センサ、光センサ、または一態様では、センサ184Aおよび184Bのうちの1つ以上に近接して位置付けられる他の種類の近接検出デバイスからの入力に基づき、自動的にトリガされる。一態様では、複数のスイッチング素子が、測定を行うための入力を提供するために同時に起動されなければならない。
【0038】
一態様では、装置180は、回路に結合し、回路から測定された電気特性に関する情報を受信するプロセッサ(図示せず)を備える。一態様では、情報は、アナログ信号、例えば、電圧、またはデジタル信号の形態である。一態様では、プロセッサは、センサ184Aおよび184Bに直接結合し、電気特性を直接測定するように構成されている。一態様では、プロセッサは、受信された電気特性をSEM値に変換するように構成されている。一態様では、プロセッサは、プロセッサに電気的に結合している非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶された機械可読命令によって構成されている。一態様では、命令は、装置180の電源が入っているときに媒体からプロセッサに読み込まれる。
【0039】
一態様では、測定された電気パラメータは、センサ184Aおよび184Bの電極の形状によって決定される深度における患者の表皮の水分含量、センサ184Aおよび184Bによって作り出される
図1Cに関連する電界140の周波数および強度、ならびに装置180の他の動作特徴に関連する。一態様では、水分含量は、SEM含量と同等であり、値は、所定のスケールである。一態様では、所定のスケールは、0~20、例えば、0~1、0~2、0~3、0~4、0~5、0~6、0~7、0~8、0~9、0~10、0~11、0~12、0~13、0~14、0~15、0~16、0~17、0~18、0~19の範囲であり得る。一態様では、所定のスケールは、本明細書に提供される値に基づく係数または倍数によってスケーリングされ得る。一態様では、読み取り間で動作特徴のうちの1つ以上を変化させながら、複数の測定が行われ、それにより様々な皮膚の深度における水分含量に関する情報を提供する。
【0040】
一態様では、接触センサ(
図4Aでは見えない)が、センサ184Aおよび184Bが患者の皮膚上の2つの左右対称の場所と適切に接触していると判定したときに、静電容量の測定は、センサ184Aおよび184Bで同時に行われる。一態様では、同時の静電容量測定は、互いに比較されて、左右対称の場所のうちの1つの下の組織が損傷しているかどうかを判定する。一態様では、静電容量測定値は、それぞれのセンサ184Aおよび184Bに近接している組織の水分含量に対応するSEM値に個々に変換され、SEM値が比較される。一態様では、比較は、実効電圧、静電容量値、または他の中間信号を使用して実施される。
【0041】
一態様では、SEM値間の差が決定され、所定の閾値を超える差は、対応する静電容量測定が行われる場所のうちの1つにおける組織損傷を示す。一態様では、各左右対称の場所において得られたSEM値の平均値が決定および比較される。一態様では、各左右対称の場所において得られたSEM値の中央値または最頻値が決定および比較される。一態様では、損傷は、SEM値のより大きい方と関連する場所にあることが示される。一態様では、損傷は、SEM値のより小さい方と関連する場所にあることが示される。一態様では、組織損傷があるかどうかの判定は、1つ以上の所定の範囲または閾値との個々のSEM値の比較、および1つ以上の所定の範囲または閾値との差の比較のうちの1つ以上を含む。一態様では、所定の範囲は、0.1~8.0、例えば、0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5であってもよい。一態様では、所定の範囲は、0.1~4.0、例えば、0.5~4.0、0.1~3.5、1.0~3.5、1.5~4.0、1.5~3.5、2.0~4.0、2.5~3.5、2.0~3.0、2.0~2.5、または2.5~3.0であってもよい。一態様では、所定の範囲は、4.1~8.0、例えば、4.5~8.0、4.1~7.5、5.0~7.5、5.5~7.0、5.5~7.5、6.0~8.0、6.5~7.5、6.0~7.0、6.0~6.5、または6.5~7.0であってもよい。一態様では、所定の閾値は、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。一態様では、所定の閾値は、0.1~8.0、例えば、0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5の範囲であってもよい。一態様では、所定の範囲または閾値は、本明細書に提供される値に基づく係数または倍数によってスケーリングされ得る。所定の値が設計によって制限されず、むしろ当業者が所与のSEM単位に基づき所定の値を選択することが可能であることが理解されるであろう。一態様では、本開示の範囲および閾値は、特定の左右対称の場所、測定が行われている患者の身体の部分、年齢、身長、体重、家族歴、民族、および他の身体特性または健康状態などの患者の1つ以上の特徴に応じて変化する。
【0042】
1つ以上の領域が身体上で画定されてもよい。一態様では、1つの領域内で行われる測定は、互いに比較可能とみなされる。領域は、身体の皮膚上の範囲として画定されてもよく、測定は、その範囲内の任意の点において行われ得る。一態様では、領域は、解剖学的領域(例えば、かかと、くるぶし、下背部)に対応する。一態様では、領域は、解剖学的特徴に対して2つ以上の特定の点のセットとして画定され、測定は、その特定の点においてのみ行われる。一態様では、領域は、身体上の複数の非連続的範囲を含んでもよい。一態様では、特定の場所のセットは、複数の非連続的範囲内の点を含んでもよい。
【0043】
一態様では、領域は、表面積によって画定される。一態様では、領域は、例えば、5~200cm2、5~100cm2、5~50cm2、または10~50cm2、10~25cm2、または5~25cm2であってもよい。
【0044】
一態様では、測定は、特定のパターンまたはその部分で行われてもよい。一態様では、読み取りのパターンは、関連の標的範囲が中心にあるパターンで作製される。一態様では、測定は、増加または減少するサイズの1つ以上の円形パターンで、T字形状パターンで、特定の場所のセットで、または組織もしくは領域にわたってランダムに行われる。一態様では、パターンは、解剖学的特徴に関するパターンの第1の測定場所を画定することによって身体上に位置してもよく、パターンの残りの測定場所は、第1の測定位置からのオフセットとして画定される。
【0045】
一態様では、複数の測定は、組織または領域にわたって行われ、複数の測定の最低測定値と最高測定値との間の差は、その複数の測定のΔ値として記録される。一態様では、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上の測定が組織または領域にわたって行われる。
【0046】
一態様では、閾値は、少なくとも1つの領域に対して確立され得る。一態様では、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または他の値の閾値が、その少なくとも1つの領域に対して確立され得る。一態様では、Δ値は、領域内で行われる複数の測定のΔ値がその領域と関連する閾値を満たすか、またはそれを超える場合に有意と認識される。一態様では、複数の領域の各々は、異なる閾値を有する。一態様では、2つ以上の領域が、共通の閾値を有し得る。
【0047】
一態様では、閾値は、Δ値成分と経時的成分との両方を有し、Δ値が時間間隔の所定の部分にわたって所定の数値よりも大きい場合、Δ値は、有意と認識される。一態様では、時間間隔の所定の部分は、最低X日として定義され、その日に行われる複数の測定は、合計で連続Y日間の測定内の所定の数値以上であるΔ値をもたらす。一態様では、時間間隔の所定の部分は、連続1、2、3、4、または5日間として定義されてもよく、その日に行われる複数の測定は、所定の数値以上であるΔ値をもたらす。一態様では、時間間隔の所定の部分は、異なる特定の期間の一部分(週、月、時間など)として定義されてもよい。
【0048】
一態様では、閾値は、連続した複数の測定のΔ値の変化が互いに比較される傾向の態様を有する。一態様では、傾向閾値は、所定の時間の長さにわたったΔ値の所定の変化として定義され、閾値が満たされているか、または超えられているという判定は有意である。一態様では、有意の判定により、警告が発せられる。一態様では、傾向線は、連続した複数の測定の個々の測定値の一部分から計算されてもよい。一態様では、傾向線は、連続した複数の測定のΔ値の一部分から計算されてもよい。
【0049】
一態様では、単一の領域内で行われた測定の回数は、パターンで画定された測定場所の数よりも少なくてもよい。一態様では、Δ値は、パターンで画定された測定場所の数よりも少ない所定の初期回数の読み取りが、1つの領域内で行われた後、および同じ領域内での各追加の読み取り後に計算され、追加の読み取りは、いったんΔ値がその領域と関連する閾値を満たすか、またはそれを超えると行われない。
【0050】
一態様では、単一の領域内での測定回数は、パターンで画定された測定場所の数を超えてもよい。一態様では、Δ値は、各追加の読み取り後に計算される。
【0051】
一態様では、品質測定基準が、各複数の測定に対して生成されてもよい。一態様では、この品質測定基準は、測定の再現性を評価するために選択される。一態様では、この品質測定基準は、測定を行った臨床医の技術を評価するために選択される。一態様では、品質測定基準は、1つ以上の統計パラメータ、例えば、平均、平均値、または標準偏差を含んでもよい。一態様では、品質測定基準は、既定の範囲との個々の測定値の比較のうちの1つ以上を含んでもよい。一態様では、品質測定基準は、値のパターンとの個々の測定値の比較、例えば、各既定の場所と関連する範囲との既定の場所における測定値の比較を含んでもよい。一態様では、品質測定基準は、どの測定が健康な組織にわたって行われるかの判定、およびこの「健康な」測定のサブセット、例えば、範囲、標準偏差、または他のパラメータ内の一貫性の1つ以上の評価を含んでもよい。
【0052】
一態様では、測定値、例えば、閾値は、SEM Scanner Model200(Bruin Biometrics,LLC,Los Angeles,CA)によって決定される。別の態様では、測定値は、別のSEMスキャナによって決定される。
【0053】
一態様では、測定値は、基準デバイスへの参照による静電容量測定値に基づく。一態様では、静電容量測定値は、デバイス内の任意の電極の場所および他の態様によって決まり得る。そのような変動は、SEM Scanner Model200(Bruin Biometrics,LLC,Los Angeles,CA)などの基準SEMデバイスと比較され得る。当業者は、本明細書に記載される測定値が、基準デバイスへの参照による差の静電容量範囲に対応するように調整され得ることを理解する。
【0054】
一態様では、装置180は、複数の測定および計算結果を記憶することが可能である。一態様では、本開示に従った装置はまた、他の構成要素、例えば、カメラまたはバーコードスキャナ(
図4Aでは見えない)を備えてもよく、その構成要素の出力を記憶することが可能であり得る。一態様では、装置180は、記憶されたデータを、例えば、Bluetooth、WiFi、またはEthernet接続を介して、別のデバイス、例えば、
図13に示されるようなパーソナルコンピュータ、サーバ、タブレット、またはスマートフォンに転送するための構成要素(
図4Aでは見えない)を備える。
【0055】
図4Bは、左右対称の場所におけるSEM値を決定するように構成されている装置186の別の態様を示す。一態様では、装置186は、センサ187Aとセンサ187Bとの間の分離距離が変更され得るようにヒンジ188を備える。一態様では、センサ184Aおよび184Bは、装置本体要素186Aおよび186Bに対して整合されて、所定の分離距離における、例えば、互いに平行である、所望の相対配向を達成する。一態様では、センサ187Aおよび187Bのうちの1つ以上は、移動可能であり、これにより、移動可能なセンサともう一方のセンサとの間の角度は変化することができて、例えば、装置185が、
図2Cに示される場所26Rおよび30Rにわたってセンサ187Aおよび187Bを位置付けるためにくるぶしの周囲で閉鎖されると、センサ187Aおよび187Bの各々の下で皮膚の配向と一致する。
【0056】
図5は、本開示に従った、複数のセンサ90を備えるアレイ92を備える、例示的なマットアセンブリ190を示す。一態様では、マットアセンブリ192は、センサ90が配設されているマット200を備える。一態様では、センサ90は、マット200内に埋め込まれている。一態様では、センサ90は、マット200の頂部表面上に位置する。一態様では、センサ90は、それらの上にカバー層(
図5では見えない)を有する。一態様では、センサ90は、センサ90の上部表面上で露出されて、マットの頂部に近接している物体、例えば、マット上に立っている患者の足との電気接触をもたらす、導電性電極を備える。一態様では、センサ90は、
図1Aに示されるトロイダルセンサである。一態様では、センサ90は、単一の種類および構成を有する。一態様では、センサ90は、アレイ92内でサイズおよび種類が異なる。一態様では、センサ90は、
図6、7、8A、および8Bに関連して考察されるような1つ以上の代替の構成を有する。一態様では、マットアセンブリ190は、直接またはケーブル194を通してのいずれかで、電子機器アセンブリ192に結合する。一態様では、電子機器アセンブリ192は、装置180に関してすでに考察されたように、センサ90の電極に結合した回路(
図4Aでは見えない)と、回路に結合したプロセッサ(
図4Aでは見えない)とを備える。
【0057】
一態様では、マットアセンブリ190は、マット200にわたる1つ以上のそれぞれの場所に配設された圧力センサ、温度センサ、光センサ、および接触センサ(
図5では見えない)のうちの1つ以上を備える。一態様では、センサ90を使用した1つ以上の測定は、圧力センサ、温度センサ、光センサ、および接触センサのうちの1つ以上からの入力によってトリガされる。
【0058】
一態様では、マットアセンブリ190は、フロアマットとして構成され、圧力センサ、温度センサ、光センサ、および接触センサのうちの1つ以上の起動、例えば、圧力センサによる人の体重の検出による、マットアセンブリ190上に立っている人の検出は、センサ90のうちの1つ以上による測定を開始する。一態様では、センサ90は、人がマットアセンブリ190を踏んだときを検出することが可能である「検出モード」で動作し、人がマットアセンブリ190上に立っているという決定時に「測定モード」に移る。
【0059】
一態様では、マットアセンブリ190は、患者の皮膚の表面に対して、例えば、患者の背中に対して、または患者がベッドに横になっている間の足の一方または両方の足底に対して配置され得る携帯型装置として構成されている。一態様では、マットアセンブリ190は、患者の皮膚の表面に対してセンサ90を配置するのを補助するために、支持トレイ、補強要素、およびコンフォーマルパッド(
図5では図示せず)のうちの1つ以上を備える。
【0060】
図6は、本開示に従った例示的な電極アレイ290を示す。アレイ290は、この実施例において、基板292上に規則的なパターンで配設された個々の電極300からなる。一態様では、各電極300は、電気パラメータを測定するように構成された、
図4Aに関して記載されるような回路に別々に結合している(
図6~8Bには図示されない導電性要素を通して)。一態様では、「仮想センサ」は、回路の共通要素への電極300の所定のサブセットの選択的接続によって作られる。この実施例では、特定の電極310は、
図1Aの電極110と同様の中心電極として接続され、6つの電極320A~320Fは、
図1Aの電極120と同様の「仮想リング」電極として一緒に接続される。一態様では、2つの個々の電極は、回路に個々に接続されて仮想センサを形成し、例えば、電極310および320Aは、センサの2つの電極として個々に接続される。一態様では、1つ以上の電極300は、一緒に接続されて、2電極センサの電極のいずれか一方を形成する。
【0061】
図7は、本開示に従った電極410の別の例示的なアレイ400を示す。この実施例では、電極410の各々は、隙間420によって周囲の電極410の各々から分離された近似六角形である。一態様では、電極410は、円形、正方形、五角形、または他の規則的もしくは不規則な形状のうちの1つである。一態様では、隙間420は、全ての電極410間で均一である。一態様では、隙間420は、様々な電極間で異なる。一態様では、隙間420は、電極410の各々の断面よりも狭い幅を有する。一態様では、電極410は、相互接続されて、
図8Aおよび8Bに関して以下に記載されるような仮想センサを形成し得る。
【0062】
図8Aは、本開示に従った、例示的なセンサ430を形成するように構成された、例えば、測定回路に接続された電極410のアレイ400を示す。一態様では、「1」と表示された単一の六角形電極410は、中心電極を形成し、「2」と表示された電極410のリングは、相互接続されてリング電極を形成する。一態様では、中心電極とリング電極との間の電極410は、電気的に「浮遊している」。一態様では、中心電極とリング電極との間の電極410は、接地しているか、または浮遊接地に接続されている。一態様では、リング電極の外側にある電極410は、電気的に「浮遊している」。一態様では、仮想リング電極の外側にある電極410は、接地しているか、または浮遊接地に接続されている。
【0063】
図8Bは、本開示に従った、電極410のアレイ400が仮想センサ440を形成するように構成された代替の態様を示す。一態様では、「1」によって示される複数の電極410は、相互接続されて中心電極を形成し、一方で、「2」によって示される2倍幅の電極のリングは、相互接続されてリング電極を形成する。一態様では、様々な数および位置の電極410は、相互接続されて、様々なサイズおよび形状の仮想電極を形成する。
【0064】
図9Aおよび9Bは、本開示に従った、複数の重なり合う場所でセンサ430を形成することが可能である、電極アレイ400の例示的構成を示す。
図9A中、仮想センサ430Aは、「1」によって示される単一の電極410によって形成された中心電極432、および「2」によって示される複数の電極410によって形成されたリング電極434で形成されている。この同じアレイ400は、
図9Bに示され、新しい仮想センサ430Bは、「3」によって示される中心電極436、および「4」によって示されるリング電極438で形成されている。仮想センサ430Aの位置は、濃い輪郭線によって示される。仮想センサ430Bは、仮想センサ430Aの位置と重なり合い、センサ430の直径よりも細かい分解能で測定が行われることを可能にすることがわかる。
【0065】
図10は、本開示に従って、センサ430がどのように、アレイに対して位置付けられている患者の皮膚の部分より大きい電極のアレイ400から形成され得るかを示す。この実施例では、足20Rの下から見られるような、かつ
図2A~2Cに関連した、患者10の右足20Rの足底22Rの接触範囲450の輪郭線が、アレイ400上に重ね合されて示される。この実施例では、センサ430Cは、センサ430Cの一部分が接触範囲450の縁部を越えて延在する場所に形成されている。そのような位置において、センサ430Cによって測定される静電容量または他の電気パラメータは、接触範囲450内に完全に位置付けられているセンサ430Dによって測定される静電容量よりも低い。センサ430は、アレイ400内の任意の点で形成されてもよく、センサ430の位置に応じて、0~100%の範囲内の任意のレベルで接触範囲と部分的に重なり合ってもよいことがわかる。
【0066】
一態様では、2つのセンサは、0~50%、例えば、0~10%、5~15%、10~20%、15~25%、20~30%、25~35%、30~40%、35%~45%、40~50%、0~25%、15~35%、または25~50%重なり合ってもよい。一態様では、2つのセンサは、25~75%、例えば、25~35%、30~40%、35%~45%、40~50%、45~55%、50~60%、55~65%、60~70%、65~75%、25~50%、40~55%、または50~75%重なり合ってもよい。一態様では、2つのセンサは、50~100%、例えば、50~60%、55~65%、60~70%、65~75%、70~80%、75%~85%、80~90%、85~95%、90~100%、50~75%、65~85%、または75~100%重なり合ってもよい。
【0067】
一態様では、センサのアレイ400は、皮膚表面への1つ以上の仮想センサの完全な接触を確実にするために、電極の各々と同じ平坦表面上に、かつ電極の各々の周囲に、複数の接触センサ(
図10上には図示せず)を更に備えてもよい。複数の接触センサは、複数の圧力センサ、複数の光センサ、複数の温度センサ、複数のpHセンサ、複数の発汗センサ、複数の超音波センサ、複数の骨成長刺激装置センサ、または複数のこれらのセンサの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、複数の接触センサは、各電極の周囲に4、5、6、7、8、9、または10個以上の接触センサを備えてもよい。
【0068】
図11Aおよび11Bは、本開示に従って、既知の相対的な場所におけるセンサと関連するSEM値の比較がどのように、左右対称の場所を識別することができるかの例を示す。この実施例では、センサ430は、右足20Rの接触範囲450Rにわたって、
図11Aに「A」~「H」と印がつけられた、重なり合っていない場所に形成される。各場所において測定されたSEM値は、
図11Bのグラフにプロットされる。この実施例では、場所「A」および「H」のSEM値は、低いか、またはゼロであり、それらの場所における接触範囲450とのセンサ430の重なり合いがないことを反映する。場所「B」および「G」と関連するSEM値は、より高く、これはセンサ430が、それらの位置において接触範囲450の一部分と重なり合っているためである。場所C-D-E-Fに対するSEM値は、より高く、この実施例では、ほぼ同じであり、センサ430がそれらの場所において完全に接触範囲450内にあることを示す。一態様では、装置180などのSEM測定装置は、ある特定の場所、例えば、場所「C」および「F」が、右足20Rの中心線452Rに対して左右対称であることを判定し得る。一態様では、同様の測定のセットが左足20Lの場所A’~H’で行われる場合、各足20Lおよび20R上の場所、例えば、場所EおよびE’は、ほぼ左右対称であると判定され得る。
【0069】
図12Aおよび12Bは、本開示に従った、患者の皮膚上の既知の位置に配置されるように構成されたセンサアセンブリ500の例示的な態様を示す。この実施例では、センサアセンブリ500は、足20のかかとの後面および底面に一致するように構成された、成形された基板510を有する。一態様では、成形された基板510は、左足20Lおよび右足20Rの両方で使用するのに好適であり得る。一態様では、センサアセンブリ500は、成形された基板510の内側表面に配設された1つ以上のセンサ520を備える。この実施例では、センサ520は、
図1Aに示されるトロイダルセンサとして構成されている。一態様では、成形された基板510の内側表面は、
図7に関連した電極410のアレイ400で裏打ちされ、これにより仮想センサが、任意の場所に形成され得る。一態様では、他の形状および構成のセンサが、成形された基板510の内側表面に提供される。一態様では、成形された基板510は、患者の皮膚に一致され得る、例えば、くるぶしの後部に巻き付けられ得る可撓性パネル(
図12Aには図示せず)である。一態様では、センサアセンブリ500は、電源、静電容量もしくは他の電気特性のうちの1つ以上を測定するように構成された回路、プロセッサ、通信サブシステム、または他の種類の電子機器アセンブリ(
図12Aには図示せず)のうちの1つ以上に、センサ520を接続するためのケーブル530を備える。
【0070】
図12Bは、例えば、センサアセンブリ500が右のかかとの後部および底部の周囲で、患者の皮膚に対して配置されたときに、センサ520が、
図2Cに関連した場所26R、28R、および30R、ならびにかかとの後部の中心上に位置付けられるように、複数のセンサ520が成形された基板510上に配設された、センサアセンブリ500の例示的な構成を示す。これは、センサアセンブリ500が単一の位置にある状態で、複数のSEM測定が、かかと上の反復可能な場所で行われることを可能にする。一態様(
図12Aおよび12Bには図示せず)では、センサアセンブリ500は、患者の背中の一部分上に配置され、したがって背中の左右対称の場所において測定を行う能力を提供するように構成されている。一態様では、成形された基板510は、患者の標的範囲の解剖学的特徴と一致するように構成されている。一態様では、成形された基板510は、患者の身体の特徴と整合されて、数時間から数週間の一般的な範囲内のある期間にわたる時間間隔で、同じ場所で測定が行われることを可能にすることができる、印または他の指標を備える。一態様では、センサアセンブリ500は、衣類もしくは靴、または他の衣料品の裏張りに組み込まれる。一態様では、センサアセンブリ500は、シーツ、ブランケット、ライナー、または他の種類の寝具類に組み込まれる。一態様では、センサアセンブリ500は、センサアセンブリ500への物理的接続なしでセンサ520の起動を可能にするために、無線通信能力、例えば、受動型無線周波数識別(RFID)または誘導結合を備える。
【0071】
図13は、本開示に従った、SEM値の測定、評価、記憶、および転送のための統合システム600の概略図を示す。この実施例では、システム600は、WiFiアクセス点610と無線通信する能力を備える、
図4Aに関連して考察されるようなSEM測定装置180を備える。装置180は、サーバ640上で実行するSEMアプリケーション、ラップトップコンピュータ620、スマートフォン630、または他のデジタルデバイス上で実行するアプリケーションのうちの1つ以上と通信する。一態様では、ラップトップコンピュータ620およびスマートフォン630は、装置180のユーザ、例えば、看護師によって持ち運ばれ、アプリケーションは、ユーザにフィードバックおよび情報を提供する。一態様では、患者のための装置180から受信された情報は、データベース650に記憶される。一態様では、装置180から受信された情報は、ネットワーク645を介して、患者の電子医療記録(EMR)670内の情報の一部分を記憶する別のサーバ660に転送される。一態様では、装置180からの、またはデータベース650もしくはEMR670から検索された情報は、外部サーバ680、次いでコンピュータ685、例えば、患者のケアを行っている医師の診療所におけるコンピュータに転送される。
【0072】
前述のことから、本発明は、様々な方法で具現化され得ることが理解され、これらの方法には、以下が含まれるがこれらに限定されない。
【0073】
実施形態1.損傷した組織を特定するための装置であって、装置が、第1のセンサおよび第2のセンサであって、第1および第2のセンサが、各々、第1の電極および第2の電極を備え、センサの各々が、患者の皮膚に配置されるように構成される、第1および第2のセンサと、第1および第2の電極に電気的に結合し、かつセンサの各々の第1の電極と第2の電極との間の電気特性を測定して、電気特性に関する情報を提供するように構成された、回路と、回路に電気的に結合し、かつ情報を回路から受信して、情報を表皮下水分(SEM)値に変換するように構成された、プロセッサと、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、プロセッサに電気的に結合し、非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を含み、命令が、プロセッサ上で実行されたときに、患者の皮膚の第1の場所で第1のセンサによって測定された電気特性に対応する第1のSEM値と、患者の皮膚の第2の場所で第2のセンサによって測定された電気特性に対応する第2のSEM値との間の差を決定するステップを行い、第2の場所が、第1の場所と左右対称である、非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える、装置。
【0074】
実施形態2.所定の閾値を上回る差が、第1および第2の場所のうちの一方にある損傷した組織を示す、実施形態1に記載の装置。
【0075】
実施形態3.回路が、第1および第2のセンサの各々の第1および第2の電極に電気的に結合し、回路が、第1のセンサを用いて測定された第1の電気特性を第1のSEM値に変換し、第2のセンサを用いて測定された第2の電気特性を第2のSEM値に変換するように構成される、実施形態1に記載の装置。
【0076】
実施形態4.患者の皮膚の既知の位置に配置されるように構成された基板を更に備え、第1および第2のセンサは、基板が患者の皮膚の既知の位置に配置されるときに、第1および第2のセンサが患者の皮膚の左右対称の場所に位置付けられるように、基板上に配設される、実施形態2に記載の装置。
【0077】
実施形態5.第1の電極と第2の電極との間に隙間を更に含む、実施形態1に記載の装置。
【0078】
実施形態6.電気特性が、抵抗、静電容量、インダクタンス、インピーダンス、および磁気抵抗からなる群から選択される電気成分のうちの1つ以上を含む、実施形態1に記載の装置。
【0079】
実施形態7.損傷した組織を特定するための装置であって、装置が、患者の皮膚の表面に配置されるように構成された基板と、それぞれの複数の位置で基板上に配設される複数のセンサであって、各センサが一対の電極を備える、複数のセンサと、複数のセンサの各々の一対の電極に電気的に結合し、かつ複数のセンサの一部の電極対間の電気特性を測定して、測定された電気特性に関する情報を提供するように構成された、回路と、回路に電気的に結合し、かつ電気特性に関する情報を回路から受信して、複数の電気特性をそれぞれの複数の表皮下水分(SEM)値に変換するように構成された、プロセッサと、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、プロセッサに電気的に結合し、非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を含み、命令が、プロセッサ上で実行されたときに、複数のSEM値から、患者の皮膚に関して左右対称である第1および第2の位置にある第1のセンサおよび第2のセンサを特定するステップ、ならびに第1のセンサと関連付けられる第1のSEM値を、第2のセンサと関連付けられる第2のSEM値と比較するステップ、を行う、非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える、装置。
【0080】
実施形態8.命令が、第1のSEM値と第2のSEM値との間の差を決定するステップと、差が所定の閾値を上回る場合に、第1および第2の場所のうちの一方で組織が損傷していることの表示を提供するステップと、を更に含む、実施形態7に記載の装置。
【0081】
実施形態9.命令が、第1のSEM値と第2のSEM値との間の差を決定するステップと、第1のSEM値および第2のSEM値のどちらが他方より大きいかを決定するステップと、差が所定の閾値を上回る場合に、より大きいSEM値と関連付けられる場所で組織が損傷していることの表示を提供するステップと、を更に含む、実施形態7に記載の装置。
【0082】
実施形態10.電気特性が、抵抗、静電容量、インダクタンス、インピーダンス、および磁気抵抗からなる群から選択される電気成分のうちの1つ以上を含む、実施形態7に記載の装置。
【0083】
実施形態11.損傷した組織を特定するための装置であって、装置が、装置本体と、第1のセンサおよび第2のセンサを備える2つのセンサであって、2つのセンサが、第1のセンサを患者の皮膚の第1の場所に位置付けることと、第2のセンサを第1の場所と左右対称の第2の場所に位置付けることとを同時に行えるように、装置本体の上に配設される、2つのセンサと、2つのセンサの各々に電気的に結合し、かつ電気特性を2つのセンサの各々から測定するように構成された、回路と、回路に電気的に結合し、かつ第1の電気特性測定値を第1の場所から受信し、第2の電気特性測定値を第2の場所から受信して、第1の電気特性測定値を第1の表皮下水分(SEM)値に変換し、第2の電気特性測定値を第2のSEM値に変換するように構成された、プロセッサと、プロセッサに電気的に結合し、プロセッサ上で実行されたときに、第1のSEM値と第2のSEM値との間の差を決定するステップを行う、命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体と、を備える、装置。
【0084】
実施形態12.2つのセンサの各々が、共通の平面で整列しながら装置本体の2つの端部に配設される、実施形態11に記載の装置。
【0085】
実施形態13.装置本体が、剛性であり、2つのセンサを互いに対して固定分離距離および固定配向で維持する、実施形態11に記載の装置。
【0086】
実施形態14.装置本体が、可撓性であり、2つのセンサを互いに対して傾斜して配向することができる、実施形態11に記載の装置。
【0087】
実施形態15.装置本体がヒンジを備える、実施形態14に記載の装置。
【0088】
実施形態16.2つのセンサの各々が、隙間によって隔てられた第1の電極および第2の電極を備える、実施形態11に記載の装置。
【0089】
実施形態17.電気特性が、第1の電極と第2の電極との間で測定される、実施形態16に記載の装置。
【0090】
実施形態18.2つのセンサの各々が、隙間によって隔てられた複数の電極を備える、実施形態11に記載の装置。
【0091】
実施形態19.複数の電極が、選択的に作動して、仮想リング電極および仮想中心電極を形成する、実施形態18に記載の装置。
【0092】
実施形態20.電気特性が、抵抗、静電容量、インダクタンス、インピーダンス、および磁気抵抗からなる群から選択される電気的特徴のうちの1つ以上を含む、実施形態11に記載の装置。
【0093】
実施形態21.第1の電気特性測定値および第2の電気特性測定値が同時に測定される、実施形態11に記載の装置。
【0094】
実施形態22.装置が、2つのセンサのうちの一方に近接して位置付けられた接触センサを更に備え、同時測定が、接触センサの起動によってトリガされる、実施形態21に記載の装置。
【0095】
実施形態23.接触センサが圧力センサまたは光センサである、実施形態22に記載の装置。
【0096】
実施形態24.命令が、差が所定の閾値を上回る場合に、第1および第2の場所のうちの一方で組織が損傷していることの表示を提供するステップを更に含む、実施形態11に記載の装置。
【0097】
実施形態25.命令が、第1のSEM値および第2のSEM値のうちのより大きい方を決定するステップと、差が所定の閾値を超過する場合に、より大きいSEM値と関連付けられる場所で組織が損傷していることの表示を提供するステップと、を更に含む、実施形態11に記載の装置。
【0098】
実施形態26.損傷した組織を特定するための方法であって、方法が、第1の表皮下水分(SEM)値を患者の皮膚の第1の場所から得ることと、第2のSEM値を、第1の場所と左右対称である第2の場所から得ることと、第1のSEM値と第2のSEM値との間の差を決定することと、を含む、方法。
【0099】
実施形態27.差が所定の閾値を上回る場合に、第1および第2の場所のうちの一方で組織が損傷していることの表示を提供することを更に含む、実施形態26に記載の方法。
【0100】
実施形態28.第1のSEM値および第2のSEM値のうちのより大きい方を決定することと、差が所定の閾値を超過する場合に、より大きいSEM値と関連付けられる場所で組織が損傷していることの表示を提供することと、を更に含む、実施形態26に記載の方法。
【0101】
特定の態様を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われてもよく、また等価物でその要素を置き換えてもよいことが理解するであろう。加えて、多くの改変が、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の教示に対する特定の状況または材料に行われ得る。したがって、本発明は、開示される特定の態様に限定されず、添付の特許請求の範囲および趣旨に入る全ての態様を含むことが意図される。