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特開2024-154798前側パッドと後側パッドとを具備する吸収性物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154798
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】前側パッドと後側パッドとを具備する吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20241024BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20241024BHJP
   A61F 13/42 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61F13/49 413
A61F13/56 211
A61F13/42 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068879
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 岳志
(72)【発明者】
【氏名】富田 美奈
(72)【発明者】
【氏名】楊 玉亭
(72)【発明者】
【氏名】阿部 華
(72)【発明者】
【氏名】幸田 拓也
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA02
3B200CA07
3B200DE01
3B200DE11
3B200DF02
(57)【要約】
【課題】前側パッドの股下部と後側パッドの股下部との重ね合わせ量を調節可能であり、着用者の身体にフィットした状態で着用させることができる、吸収性物品を提供すること。
【解決手段】前側パッド2と、後側パッド3とを着用者の股下域で連結された状態にして使用可能な吸収性物品1である。両パッド2,3は、記股下域に配される股下部Cを有している。両パッド2,3を、股下部Cの一部どうしを重ね合わせた状態で連結可能であり、且つ縦方向Xにおける重ね合わせ量を増減調節して連結可能である。後側パッド3の股下部Cの肌対向面に、前側パッド2の非肌対向面に係合可能な係合部材17cが配されており、係合部材17cを、前側パッド2の非肌対向面の縦方向Xにおける所望の位置に係合させることが可能である。前側パッド2の股下部Cの非肌対向面側に、前記重ね合わせ量の指標となる第1表示7が付されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、
着用者の腹側に配置される前側パッドと、着用者の背側に配置される後側パッドとを有し、両パッドを着用者の股下域で連結された状態にして使用可能な吸収性物品であって、
前記前側パッド及び前記後側パッドは、前記股下域に配される股下部を有しており、
前記前側パッドと前記後側パッドとを、前記股下部の一部どうしを重ね合わせた状態で連結可能であり、且つ前記縦方向における重ね合わせ量を増減調節して連結可能であり、
前記後側パッドの前記股下部の肌対向面に、前記前側パッドの非肌対向面に係合可能な係合部材が配されており、前記係合部材を、前記前側パッドの非肌対向面の前記縦方向における所望の位置に係合させることが可能であり、
前記前側パッドの前記股下部の非肌対向面側に、前記重ね合わせ量の指標となる第1表示が付されている、吸収性物品。
【請求項2】
第1表示は、前記縦方向に間欠的に複数配されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記前側パッドは、色の変化により排尿を知らせるインジケーターを備えており、
前記インジケーターを挟んだ両側それぞれにおいて、第1表示が前記縦方向に間欠的に複数配されており、
複数の第1表示のうち、前記縦方向の位置が同じである第1表示どうしは、同じ図柄である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記後側パッドの前記股下部の非肌対向面側に第2表示が付されており、
第2表示が第1表示の近傍に位置するように、前記係合部材を、前記前側パッドの非肌対向面に係合させたときに、前記前側パッドと前記後側パッドとが、前記股下部の一部どうしを重ね合わせた状態で連結されるようになされている、請求項1~3の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記前側パッドは、色の変化により排尿を知らせるインジケーターを備えており、
前記後側パッドの前記係合部材を、前記前側パッドの前記非肌対向面に係合させて、前記前側パッドと前記後側パッドとを、前記股下部の一部どうしを重ね合わせた状態で連結したときに、前記インジケーターの少なくとも一部が前記後側パッドで覆われるようになされている、請求項1~4の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記前側パッドは、スリット部が形成された液保持性の吸収体と、色の変化により排尿を知らせるインジケーターとを備えており、
前記前側パッドの厚み方向において、前記インジケーターと前記スリット部とが重なっている、請求項1~5の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記前側パッドは、前記横方向における中央部の厚みが、該横方向における側部の厚みよりも厚くなっており、
前記前側パッドの前記中央部の前記横方向における長さよりも、前記係合部材の該横方向における長さの方が長い、請求項1~6の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記前側パッドは、2層構造を有する吸収体を備えており、
前記吸収体は、前記横方向における中央部の厚みが、該横方向における側部の厚みよりも厚くなっており、
前記吸収体の前記中央部の前記横方向における長さよりも、前記係合部材の該横方向における長さの方が長い、請求項1~7の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記前側パッドは、前記吸収体の前記中央部と重なる領域、該吸収体の前記側部と重なる領域、該吸収体の該側部よりも前記横方向の外方に位置する領域の順に厚みが薄くなっており、
前記吸収体の前記中央部と重なる領域の前記横方向における長さよりも、前記係合部材の該横方向における長さの方が長く、
前側パッドと前記後側パッドとを、前記股下部の一部どうしを重ね合わせた状態で連結したときに、前記係合部材は、前記前側パッドにおける、該吸収体の該側部よりも前記横方向の外方に達しないようになされている、請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記係合部材は、前記縦方向に複数設けられている、請求項1~9の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記係合部材は、平面視において、前記縦方向の両端縁が平行な2辺である台形形状を有しており、該縦方向外方側の端縁が相対的に長さが短い短辺であり、該縦方向内方側の端縁が相対的に長さが長い長辺である、請求項1~10の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記係合部材は、粘着剤により構成されている、請求項1~11の何れか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記係合部材は、点ファスナーのオス部材及びメス部材の何れか一方であり、
前記前側パッドの非肌対向面に、前記係合部材に係合可能な点ファスナーのオス部材及びメス部材の何れか他方が前記縦方向に並んで複数配されている、請求項1~10の何れか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前側パッドと後側パッドとを具備する吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ等の吸収性物品の一種として、該吸収性物品において着用者の股間部に配される部分にて前側と後側とに分離可能に構成されたものが知られている。
例えば特許文献1には、ウエストが通される開口部を形成する前身頃部及び後ろ身頃部と、これら前後の身頃部から下方に延出した前フラップ部及び後ろフラップ部と、これら前後のフラップ部の下端部を重ね合わせた状態で接合し得る接合手段とを備えた、おむつが開示されている。
【0003】
特許文献2には、ウエスト開口部を形成する胴回り部と、該胴回り部の下端部に接合した前側部分及び後側部分とを備え、前側部分と後側部分とが連結手段によって着脱自在に連結される、パンツ型紙おむつが開示されている。
特許文献3には、前側本体部と後側本体部とを備え、後側本体部の左右側方に位置する延伸部のテープファスナーが、前側本体部のテープパネルに固着され、前側本体部の下方部内面に設けられたテープファスナーが、後側本体部の下方部外面のテープパネルに固着される、おむつが開示されている。
特許文献4には、前部と後部とが、股下部において前後方向に分離又は連結可能となっており、該後部の後身頃の上部両側から延出して、下腹部において互いに係止する帯体の外面に、前部が係止される、紙おむつが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09-000566号公報
【特許文献2】特開2008-29762号公報
【特許文献3】特開2011-72778号公報
【特許文献4】特開2019-13603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~4に開示の吸収性物品をフィットした状態で着用するためには、前側部分の股下部と、後側部分の股下部との重なり量をどの程度にするかが重要である。例えば、重なり量が少なすぎる場合、吸収性物品全体の股下部の長さが長くなり過ぎ、着用者の股下域において、吸収性物品が緩くなってしまう。一方、重なり量が多すぎる場合、吸収性物品全体の股下部の長さが短くなり過ぎ、着用者の股下域において、吸収性物品がきつくなってしまう。
特許文献1~4には、前側部分の股下部と後側部分の股下部との重なり量を調節することについて何ら記載されておらず、吸収性物品を、着用者の身体にフィットした状態で着用させることについて、改善の余地があった。
【0006】
したがって本発明の課題は、着用者の腹側に配置される前側パッドと、着用者の背側に配置される後側パッドとを有し、両パッドを着用者の股下域で連結された状態にして使用可能な吸収性物品であって、前側パッドの股下部と後側パッドの股下部との重ね合わせ量を調節可能であり、着用者の身体にフィットした状態で着用させることができる吸収性物品を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、 着用者の腹側に配置される前側パッドと、着用者の背側に配置される後側パッドとを有し、両パッドを着用者の股下域で連結された状態にして使用可能な吸収性物品に関する。
一実施形態において、前記前側パッド及び前記後側パッドは、前記股下域に配される股下部を有していることが好ましい。
一実施形態において、前記前側パッドと前記後側パッドとを、前記股下部の一部どうしを重ね合わせた状態で連結可能であり、且つ前記縦方向における重ね合わせ量を増減調節して連結可能であることが好ましい。
一実施形態において、前記後側パッドの前記股下部の肌対向面に、前記前側パッドの非肌対向面に係合可能な係合部材が配されており、前記係合部材を、前記前側パッドの非肌対向面の前記縦方向における所望の位置に係合させることが可能であることが好ましい。
一実施形態において、前記前側パッドの前記股下部の非肌対向面側に、前記重ね合わせ量の指標となる第1表示が付されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の吸収性物品によれば、前側パッドの股下部と後側パッドの股下部との重ね合わせ量を調節可能であり、着用者の身体にフィットした状態で着用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつを示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す前側パッドの最大伸長状態における肌対向面側を模式的に示す平面図である。
図3図3は、図2のII―II線断面図である。
図4図4は、図2のIII―III線断面図である。
図5図5は、図1に示す前側パッドの最大伸長状態における非肌対向面側を模式的に示す平面図である。
図6図6は、図1に示す後側パッドの最大伸長状態における肌対向面側を模式的に示す平面図である。
図7図7は、図1に示す後側パッドの最大伸長状態における非肌対向面側を模式的に示す平面図である。
図8図8(a)~(c)は、図1に示す吸収性物品の着用操作を示す斜視図である。
図9図9は、図1に示す前側パッド及び後側パッドを連結させたときの、股下部どうしを重ね合わせた状態を説明するための展開且つ最大伸長状態における平面図である。
図10図10(a)及び(b)は、第1表示どうしが、縦方向の位置が同じであるか否かを判断する方法を説明するための平面図である。
図11図11は、図1に示す前側パッドの変形例を示す図であり、図5相当図である。
図12図12(a)~(c)は、図1に示す後側パッドに係る係合部材の変形例を示す平面図である。
図13図13は、本発明の第2実施形態に係る前側パッドを示す図であり、図3相当図である。
図14図14は、図13に示す前側パッドと、後側パッドとを連結させた状態を模式的に表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
【0011】
図1~9には、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつ1(以下、単に「おむつ1」ともいう。)が示されている。本実施形態のおむつ1は、着用者の腹側に配置される前側パッド2と、着用者の背側に配置される後側パッド3とを有している(図1参照)。これら前側パッド2と後側パッド3とは、上端部及び下端部どうしが、後述する止着部及び係合部材によって連結可能であり、その連結状態において、着用者の胴が通されるウエスト開口部WO、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LOを有する。
【0012】
本実施形態のおむつ1は、着用者の前後方向に対応する縦方向X及び該縦方向Xに直交する横方向Yを有している。縦方向Xは、前側パッド2及び後側パッド3の長手方向と一致する。
本明細書において「上側」、「上方」及び「上」は、おむつ1の装着状態における着用者のウエスト側に対応し、縦方向Xにおけるウエスト開口部WOを形成するウエスト開口端WE側のことを意味する。また、「下側」、「下方」及び「下」は、縦方向Xにおけるウエスト開口端WEとは逆側のことを意味する。
【0013】
前側パッド2及び後側パッド3それぞれは、両パッドが連結されてなるおむつ1の着用状態において、着用者の股間部に配される股下域Cを有する(図1参照)。これらパッド2における股下域Cは、パッド2,3の縦方向X全長を三等分して三つの領域に区分したとき、一番下方に位置する領域とする。両パッド2,3の股下域Cは、該パッドの下端部を含む。おむつ1は、前側パッド2と後側パッド3とを股下部Cの一部どうしを重ね合わせた状態に連結可能である。
【0014】
図2図5に本実施形態の前側パッド2が示されている。前側パッド2は、最大伸長状態において、一方向に長い形状をなし、横方向Y全長を二等分して縦方向Xに延びる仮想直線(図示せず)に対し、線対称な外形形状を有している(図2参照)。前側パッド2は、使用時にその長手方向を、予め着用者に装着された状態の後側パッド3の長手方向に一致させる。
【0015】
本明細書において「最大伸長状態」とは、吸収性物品、前側パッド2、後側パッド等の着用物品の各部の弾性部材を最大伸長させて、設計寸法、すなわち弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じとなるまで拡げた状態をいう。
また、「展開且つ最大伸長状態」とは、着用物品を平面状に拡げて展開状態とした上で、前記最大伸長状態とした状態を指す。
【0016】
前側パッド2は、吸収性本体20と、該吸収性本体20の肌対向面側に配された前側胴回り部28及び股下横伸縮部17とを具備している。この吸収性本体20は、前側パッド2の主体をなしている。
吸収性本体20(以下、「前側吸収性本体20」ともいう。)は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート11、液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の防漏シート12、これら表面シート11及び防漏シート12間に配された液保持性の吸収体14(図3及び図4参照)、並びに該防漏シート12の非肌対向面側に配された外装シート13(図3及び図4参照)を具備しており、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。また、吸収性本体20は、吸収体14の両側部に配された立体カフ6と、該立体カフ6よりも横方向Y外方に形成されたレッグカフ5とを有している。
前側胴回り部28は、前側吸収性本体20の上端部に配されている。股下横伸縮部17は、前側吸収性本体20の下端部に配されている(図2参照)。
【0017】
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、使吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品(使い捨ておむつ)の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
【0018】
本実施形態の前側吸収性本体20は、吸収体14の縦方向Xに沿う両側部に、おむつ1の着用時に着用者の肌側に起立する一対の立体カフ6,6を有している(図3参照)。各立体カフ6は、横方向Y内方端に折り返し部を有するように二つ折りにされたカフ形成用シート50と、該シート50,50間に縦方向Xに伸長状態で固定された弾性部材6a(以下、「カフ弾性部材6a」ともいう。)とを含む。本実施形態の立体カフ6は、最大伸長状態において、縦方向Xに延びる複数のカフ弾性部材6aが横方向Yに間隔を空けて配されている。
【0019】
一対の立体カフ6,6は、縦方向Xに沿って延び、前側パッド2の縦方向Xの少なくとも中央域で起立して且つ弾性伸縮性を発現する起立伸縮部6sと、該起立伸縮部6sよりも下方に位置し且つ弾性伸縮性を発現する非起立伸縮部6tとを有している(図2参照)。起立伸縮部6sが肌側に起立することで、尿等の排泄液の横方向Y外方への流出を阻止する。
非起立伸縮部6tは、接着剤等の公知の接合手段によって、カフ形成用シート50が表面シート11に接合されていることで起立性を有していない。
本実施形態の非起立伸縮部6tは、表面シート11の肌対向面側に配され、カフ形成用シート50の横方向Y外方端部が股下横伸縮部17の肌対向面側に配されている(図4参照)。非起立伸縮部6tが位置する部分において表面シート11は、前側パッド2の厚み方向Zにおける、非起立伸縮部6tと股下横伸縮部17との間に位置している。図4では、股下横伸縮部17の構造を図示する関係で、股下横伸縮部17が有する股下横伸縮部形成シート17b,17bどうし間に隙間が生じているが、実際の股下横伸縮部形成シート17b,17bどうしは互いに接触している。
図4に示す形態に代えて、非起立伸縮部6tは、その肌対向面側に股下横伸縮部17が配され、該股下横伸縮部17によって前側吸収性本体20に接合されていてもよい。
【0020】
本実施形態の前側吸収性本体20は、一対の立体カフ6よりも横方向Y外方に一対のレッグカフ5が形成されている。一対のレッグカフ5,5は、縦方向Xに沿って延び且つおむつ1における着用者の脚周りに対応する前側パッド2の両側縁部に形成されている。斯かる両側縁部は、立体カフ6よりも横方向Y外方に位置している。レッグカフ5は、立体カフ6と表面シート11との固定部(図示せず)から横方向Y外方に延出した複数のシートと、これらシート間に縦方向Xに伸長状態で固定された弾性部材5a(以下、「レッグ弾性部材5a」ともいう)とを含む。
本実施形態のレッグカフ5は、カフ形成用シート50によって立体カフ6と一体的に形成されている。本実施形態のレッグカフ5は、立体カフ6から横方向Y外方に延出したカフ形成用シート50、防漏シート12及び外装シート13により形成されており(図3及び図4参照)、該カフ形成用シート50と該防漏シート12との間に、縦方向Xに延びるレッグ弾性部材5aを具備している。また縦方向Xにおいて非起立伸縮部6tが位置する部分では、表面シート11と防漏シート12との間に介在した股下横伸縮部17が、レッグカフ5の横方向Y外方端、すなわち前側吸収性本体20の両側縁から横方向Y外方に延出している。
レッグカフ5は、立体カフ6よりも横方向Y外方に延出した防漏シート12及び外装シート13と、これらシート12,13間に固定されたレッグ弾性部材5aとを含んで構成されていてもよい。
【0021】
本実施形態のレッグカフ5は、レッグ弾性部材5aによって弾性伸縮性を発現する外側伸縮部5sを有している。外側伸縮部5sでは、縦方向Xにレッグ弾性部材5aが収縮することで、レッグギャザーが形成される。
本実施形態の外側伸縮部5sには、縦方向Xに延びる複数のレッグ弾性部材5aが横方向Yに間隔を空けて配されている。
【0022】
本実施形態の前側吸収性本体20は、肌対向面側から平面視したとき、縦方向Xに沿う両側縁をカフ形成用シート50が形成している。このカフ形成用シート50は、吸収体14の横方向Y外方において、防漏シート12及び外装シート13とともに、サイドフラップ部を形成している。サイドフラップ部は、前側吸収性本体20において吸収体14よりも横方向Y外方に延出した部分である。前側胴回り部28及び股下横伸縮部17は、サイドフラップ部よりも横方向Y外方に延出している。
【0023】
前側パッド2は、その下端部(股下域C)に股下横伸縮部17を具備している(図2及び図4参照)。股下横伸縮部17は、前側パッド2の少なくとも股下域Cに配されており、好ましくは股下横伸縮部17の下端縁が前側吸収性本体20の下端縁と略一致するように配されている。股下横伸縮部17は、横方向Yに長い2枚の股下横伸縮部形成シート17b,17bと、これら該シート17b,17b間に伸長状態で固定された股下横弾性部材17aとを含む。股下横伸縮部17は、横方向Yの両側部それぞれに、横方向Yに延びる複数の股下横弾性部材17aを縦方向Xに間欠的に有し、横方向Y中央部には該股下横弾性部材17aを有していない。股下横伸縮部17は、横方向Y両側部に配された股下横弾性部材17aによって、該両側部において横方向Yに弾性伸縮性を有している。前記の「横方向Y中央部」は、前側吸収性本体20の横方向Y全長を三等分し、三領域に区分したときの中央の領域である。
本実施形態の股下横伸縮部17は、前側吸収性本体20よりも、より具体的には防漏シート12よりも幅が大きい。これにより股下横伸縮部17は、最大伸長状態において、レッグカフ5の横方向Y外縁(前側吸収性本体20の両側縁)よりも横方向Y外方に延出している(図2参照)。なお、股下横伸縮部17は、横方向Yにおいて前側吸収性本体20から延出している必要は必ずしもない。例えば、股下横伸縮部17における横方向Yの端縁は、前側吸収性本体20の横方向Yの端縁よりも横方向Yの内方に位置していてもよい。また股下横伸縮部17における横方向Yの端縁の位置は、前側吸収性本体20の横方向Yの端縁の位置と一致していてもよい。
【0024】
前側パッド2は、その上端部に前側胴回り部28を具備している(図2参照)。前側胴回り部28は、股下横伸縮部17と同様に、横方向Yに長い2枚のシート28b,28bと、これら該シート28b,28b間に伸長状態で固定された弾性部材28aとを含む(断面図は図示せず)。この前側胴回り部28が具備するシート28bを、以下「胴回り部形成シート28b」ともいい、前側胴回り部28が具備する弾性部材28aを、以下「胴回り横弾性部材28a」ともいう。
前側胴回り部28は、横方向Yの両側部それぞれに、横方向Yに延びる複数の胴回り横弾性部材28aを縦方向Xに間欠的に有し、横方向Y中央部には該胴回り横弾性部材28aを有していない。前側胴回り部28は、横方向Y両側部に配された胴回り横弾性部材28aによって、該両側部において横方向Yに弾性伸縮性を有している。
【0025】
本実施形態の前側胴回り部28は、前側吸収性本体20よりも、さらに具体的には防漏シート12よりも幅が大きい。これにより前側胴回り部28は、最大伸長状態において、レッグカフ5の横方向Y外縁(前側吸収性本体20の両側縁)よりも横方向Y外方に延出している(図2参照)。また本実施形態の前側胴回り部28は、最大伸長状態において、股下横伸縮部17よりも横方向Y外方に延出している(図2参照)。
【0026】
前側胴回り部28は、肌対向面側の胴回り部形成シート28bにおける横方向Y中央部及び横方向Y両側部それぞれに、止着部29c,29s,29sを有している。より具体的には、前側胴回り部28は、その両側部に位置する胴回り横弾性部材28aどうし間に中央止着部29cを有し、該胴回り横弾性部材28aの横方向Y外方にサイド止着部29sを有している。これら止着部29c,29s,29sは、前側胴回り部28の肌対向面側に配されている。
サイド止着部29sは、胴回り部形成シート28bの両側縁に沿って延びており、中央止着部29cは、横方向Yに延びている(図2参照)。これら止着部29c,29s,29sは、機械的面ファスナーのオス部材を肌対向面に有している。これにより止着部29c,29s,29sは、後述する後側パッド3の胴回りベルト38の非肌対向面に脱着自在に止着可能となっている。
【0027】
前記前側パッド2は、股下部Cの非肌対向面に、後述する後側パッド3の係合部材17cが係合可能な被係合領域が形成されている。本実施形態では、前側パッド2は非肌対向面に、機械的面ファスナーのメス部材を有し、該非肌対向面に、後述する後側パッド3の係合部材17cが脱着自在に係合可能となっている。このメス部材の素材は、係合部材17cのオス部材の形状に応じて選択することができる。本実施形態の前側パッド2は、非肌対向面が外装シート13によって形成されており(図1図3図4参照)、該外装シート13が係合性に富む不織布からなる。つまり、本実施形態では、前側パッド2の非肌対向面の全域が、係合部材17cが係合可能な被係合領域となっている。
【0028】
また前側パッド2は、図5に示すように、非肌対向面側に第1表示7が付されている。本実施形態のおむつ1は、前側パッド2と後側パッド3とを股下部Cの一部どうしを重ね合わせた状態に連結可能であるところ、第1表示7は、前側パッド2と後側パッド3とを股下部Cを重ね合わせて連結したときの、縦方向Xにおける重ね合わせ量の指標となるものである。おむつ1は、複数の第1表示7を有している。具体的には、第1表字7は、縦方向Xに間欠的に複数配されている。第1表示7は、文字、図形、絵、記号、模様、パターン、刺繍等の図柄とすることができる。複数の第1表示7を有する場合、複数の第1表示7どうしは、同じ図柄であってもよいし、異なる図柄であってもよい。
【0029】
また前側パッド2は、図2及び図5に示すように、色の変化により排尿を知らせるインジケーター8を備えている。本実施形態では、インジケーター8は、少なくとも股下部Cに配されている。またインジケーター8は、縦方向Xに沿って延びている。またインジケーター8は、前側パッド2の横方向Yの中央部に配されている。
【0030】
本明細書にいう「色の変化」は、ある色から他の色に変化する態様の他、無色状態から有色状態となるいわゆる「発色」、発色状態から無色状態となるいわゆる「消色」を含む。インジケーター8の色が変化したことを、着用者、又は着用者の育児者若しくは介護者が目視することで、おむつ1の交換時期の目安とすることができる。
【0031】
インジケーター8としては、尿又は汗等の水分を含む排泄物と接触することによって変色する色材を含むものを用いることができ、従来この種の吸収性物品においてインジケーターとして使用されているものを適宜用いることができる。インジケーターを構成する色材としては、例えば、pH指示薬と酸化化合物との混合物等を用いることができる。インジケーターを構成する色材は、例えばこれをホットメルト接着剤に練り込まれていてもよく、該ホットメルト接着剤を、例えば防漏シート12の肌対向面に塗布することで、インジケーター8を形成してもよい。インジケータ―8は、前側パッド2の厚み方向Zにおける任意の位置に配することができる。インジケーター8は、吸収体14よりも、肌対向面側に配されていてもよいし、非肌対向面側に配されていてもよい。インジケーター8の色が変化したことを視認しやすくする観点からは、インジケーター8は、吸収体14よりも非肌対向面側に配されていることが好ましい。本実施形態では、インジケーター8は、吸収体14よりも非肌対向面側に配されている。
【0032】
図6に本実施形態の後側パッド3が示されている。後側パッド3は、最大伸長状態において、前側パッド2と同様に、一方向に長い形状をなしている。後側パッド3は、後述する胴回りベルト38以外の部分が、横方向Y全長を二等分して縦方向Xに延びる仮想直線(図示せず)に対し、線対称な外形形状を有している。後側パッド3は、使用時にその長手方向を、着用者の身長方向に一致させる。
【0033】
後側パッド3は、吸収性本体30と、該吸収性本体30の肌対向面側に配された胴回りベルト38及び股下横伸縮部17とを具備している。この吸収性本体30は、後側パッド3の主体をなしている。
後側パッド3における吸収性本体30(以下、「後側吸収性本体30」ともいう。)は、前側吸収性本体20と同様の構成を具備している。そのため、立体カフ6及びレッグカフ5を含む前側吸収性本体20と同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略し、該前側吸収性本体20と異なる構成部分を主として説明する。特に説明しない構成部分は、図2図4に示す前側吸収性本体20の説明が適宜適用される。この場合、「前側パッド2」は「後側パッド3」に、「前側吸収性本体20」は「後側吸収性本体30」にそれぞれ読み替えて適用される。
【0034】
また、吸収性本体20,30の各部の縦方向Xの長さ及び幅(横方向Yの長さ)等の寸法や個数、並びに形成材料は同じにしてもよく、異ならせてもよい。
例えば、本実施形態の後側吸収性本体30におけるレッグカフ5は、前側吸収性本体20におけるレッグカフ5よりも、レッグ弾性部材5aの本数が多い。このように、前側吸収性本体20と後側吸収性本体30とで、レッグ弾性部材5aの本数を異ならせてもよく、同じ本数にしてもよい。
また着用者の臀部を広く被覆する観点から、後側吸収性本体30は、前側吸収性本体20よりも大きい寸法を具備している。斯かる構成は、吸収性本体20,30が具備する各部材(吸収体14や防漏シート等)にも適用される。
【0035】
後側パッド3は、股下部Cの肌対向面に係合部材17cが配されている。係合部材17cは、前側パッド2の非肌対向面に係合可能である。本実施形態では、係合部材17cは、股下横伸縮部17の肌対向面に配されている。
【0036】
股下横伸縮部17は、後側パッド3(後側吸収性本体30)の下端部(股下域C)に配されている(図6参照)。この股下横伸縮部17は、股下止着部17cを具備する点以外は、前側パッド2における股下横伸縮部17と同様の構成を具備している。そのため、特に説明しない構成部分は、前側パッド2における股下横伸縮部17の説明が適宜適用される。
【0037】
後側パッド3の股下横伸縮部17における横方向Yの端縁の位置は、後側パッド3の横方向Yの端縁の位置と一致していてもよいし(図6参照)、一致していなくてもよい。例えば、後側パッド3の股下横伸縮部17は、横方向Yにおいて後側パッド3から延出していてもよい。また、後側パッド3の股下横伸縮部17における横方向Yの端縁は、後側パッド3の横方向Yの端縁よりも横方向Yの内方に位置していてもよい。
【0038】
本実施形態の後側パッド3における股下横伸縮部17は、肌対向面側の股下横伸縮部形成シート17bにおける横方向Y中央部に、係合部材17cを有している。より具体的には、後側パッド3における係合部材17cは、その両側部に位置する股下横弾性部材17aどうし間に係合部材17cを有している。係合部材17cは、横方向Yに延びている(図6参照)。この係合部材17cは、機械的面ファスナーのオス部材を肌対向面に有している。これにより後側パッド3は、係合部材17cにより、前側パッド2の非肌対向面(外装シート13)に脱着自在に止着可能となっている。
【0039】
後側パッド3は、その上端部に胴回りベルト38を具備している(図6参照)。胴回りベルト38は、該ベルト38の横方向Y中央部に位置し且つ横方向Yに延びる中央シート部39と、該中央シート部39の横方向Y両側に配された一対の伸縮パネル40,40と、一方の伸縮パネル40の横方向Y外方に設けられた連結止着シート部42と、他方の伸縮パネル40の横方向Y外方に設けられた連結被止着シート部41とを具備する。図6に示す胴回りベルト38は、左側から右側に向かって、連結被止着シート部41、伸縮パネル40、中央シート部39、伸縮パネル40、及び連結止着シート部42が横方向Yに連結してなる。連結被止着シート部41、一対の伸縮パネル40,40、中央シート部39、及び連結止着シート部42それぞれは、不織布等の繊維シートで形成されている。
本実施形態の伸縮パネル40は、その横方向Y内方端部が後側吸収性本体30の非肌対向面に接合している(図6参照)。斯かる接合には、ホットメルト接着剤、熱融着、又は超音波シール等の公知の接合手段を用いることができる。なお、伸縮パネル40は、後側吸収性本体30よりも肌対向面側に位置していてもよい。例えば、伸縮パネル40における横方向Y内方端部が後側吸収性本体30の肌対向面に接合していてもよい。
本実施形態の一対の伸縮パネル40は、後側吸収性本体30の縦方向X全長を三等分して三つの領域に区分したときの最もウエスト側に位置する領域に設けられていればよく、当該領域の縦方向Xにおける位置は特に限定されない。
【0040】
中央シート部39は、後側吸収性本体30の上端部に位置し、該シート部39の非肌対向面側の横方向Y両側部と、伸縮パネル40の肌対向面側の横方向Y内方端部とが、接着剤等の公知の接合手段によって接合されている。
伸縮パネル40は、2枚のシート40bと、これらシート40b間に伸長状態で固定されたパネル弾性部材40aとを具備する。伸縮パネル40では、横方向Yに延びる複数のパネル弾性部材40aが、縦方向Xに間欠的に配置されている。このパネル弾性部材40aによって、伸縮パネル40は、横方向Yに弾性伸縮性を有する。
【0041】
連結被止着シート部41は、一方の伸縮パネル40の横方向Y外方端部と、接着剤等の公知の接合手段によって接合されている。連結被止着シート部41の非肌対向面は、外装シート13と同様に、係合性に富む不織布からなる。すなわち、連結被止着シート部41は、非肌対向面に機械的面ファスナーのメス部材を有している。
連結止着シート部42は、肌対向面の横方向外方端部に、機械的面ファスナーのオス部材を有する止着部42aを有している。また連結止着シート部42の非肌対向面も、係合性に富む不織布からなる。すなわち、連結止着シート部42は、非肌対向面に機械的面ファスナーのメス部材を有している。
【0042】
連結止着シート部42の止着部42aは、連結被止着シート部41の非肌対向面に脱着自在に止着可能となっている。連結止着シート部42を連結被止着シート部41に止着することで、胴回りベルト38が環状となる。斯かる環状の状態において、連結止着シート部42及び連結被止着シート部41それぞれの非肌対向面は、前記のメス部材を有しているので、前側パッド2の前側胴回り部28に設けられた中央止着部29c及びサイド止着部29sが脱着自在に止着可能となっている。これにより、環状の胴回りベルト38に、前側パッド2の上端部を取り付けることができる。
また、環状の胴回りベルト38は、一対の伸縮パネル40が周方向に伸縮するので、着用者の腰周りに良好にフィットする。
【0043】
図8には、本実施形態のおむつ1を装着させるための操作が示されている。本実施形態のおむつ1は、先ず後側パッドの胴回りベルト38を着用者の腰周りに巻き掛け、着用者の腹側(正面)で連結止着シート部42の止着部42aを連結被止着シート部41に止着する。これにより、着用者の腰周りに環状の胴回りベルト38が装着される〔図8(a)参照〕。次いで、腰周りに装着された胴回りベルト38の非肌対向面に、前側パッド2の中央止着部29c及びサイド止着部29sを止着する〔図8(b)参照〕。次いで、前側パッド2の非肌対向面に、後側パッド3の股下止着部17cを止着する〔図8(c)参照〕。このように、前側パッド2及び後側パッド3を上端部及び下端部それぞれで連結させて、おむつ1を着用者の身体に装着させた装着状態にする。すなわち本実施形態のおむつ1は、前側パッド2及び後側パッド3を、股下域Cと腰周りの腹側で連結させた状態にして使用可能である。
【0044】
本実施形態のおむつ1は、前側パッド2及び後側パッド3を前述した止着部によって結合・分離自在であるため、従来の非セパレートタイプの吸収性物品に比べて環境に対する負荷が低減されている。すなわち、着用者の腹側に対応する部分(前側パッド相当部分)と着用者の背側に対応する部分(後側パッド相当部分)とが一体不可分である従来の非セパレートタイプの吸収性物品を使用後に廃棄する場合、後側パッド相当部分は汚れていなくても、排泄物で汚れた状態の前側パッド相当部分とともに廃棄せざるを得なかったが、本実施形態のおむつ1であれば、後側パッド3はそのままで前側パッド2のみを新品と交換すればよいため、非セパレートタイプの吸収性物品に比べてゴミ廃棄量、二酸化炭素排出量が低減され、環境に対する負荷の低減に貢献することができる。
【0045】
本実施形態のおむつ1は、図9に示すように、前側パッド2と後側パッド3とを股下部Cの一部どうしを重ね合わせた状態に連結可能であり、且つ縦方向Xにおける重ね合わせ量を増減調節して連結可能である。
おむつ1は、上述のとおり、後側パッド3の股下部Cの肌対向面に係合部材17cを有しており、該係合部材17cを、前側パッド2の非肌対向面の縦方向Xにおける所望の位置に係合させることが可能となっている。本実施形態では、前側パッド2の非肌対向面が、係合性に富む不織布からなる外装シート13によって形成されていることにより、係合部材17cを、前側パッド2の非肌対向面の縦方向Xにおける所望の位置に係合させることが可能となっている。
前側パッド2と後側パッド3とを股下部Cの一部どうしを重ね合わせた状態に連結するときに、前側パッド2の非肌対向面における、後側パッド3の係合部材17cを係合させる位置を調節することによって、重ね合わせ量を調節することができる。
【0046】
本実施形態のおむつ1は、上述のように、前側パッド2の非肌対向面に、第1表示7が付されている。これにより、おむつ1は、着用者の身体にフィットした状態で着用させることができる。具体的には、後側パッド3の係合部材17cを、前側パッド2の非肌対向面に係合させて、前側パッド2と後側パッド3とを連結するときに、該係合部材17cを、前側パッド2の非肌対向面の縦方向Xにおけるどの位置に係合させるかを、第1表示7を指標として決定することができる。つまり、前側パッド2と後側パッド3とを連結するときに、股下部Cどうしの縦方向Xにおける重ね合わせ量をどの程度にするかを、第1表示7を指標として決定することができるので、おむつ1は、着用者の身体にフィットした状態で着用させることができる。この効果が一層顕著に奏されるようにする観点からは、第1表示7は、縦方向Xに間欠的に複数配されていることが好ましい。
【0047】
また本実施形態では、前側パッド2はインジケータ―8を備えるところ、インジケータ―8を挟んだ両側それぞれにおいて、第1表示7が縦方向Xに間欠的に配されている。また複数の第1表示7のうち、縦方向Xの位置が同じである第1表示7,7どうしは、同じ図柄となっている。本実施形態では、図5に示すように、インジケータ―8を挟んだ両側それぞれにおいて、4つの第1表示7が縦方向Xに配されている。縦方向Xに並ぶ4つの第1表示7どうしは、図柄が異なっている。一方、縦方向Xの位置が同じである第1表示7,7どうしは、同じ図柄となっている。
インジケータ―8を挟んだ両側それぞれにおいて、第1表示7が縦方向Xに間欠的に配されており、縦方向Xの位置が同じである第1表示7,7どうしは同じ図柄となっていることにより、前側パッド2と後側パッド3とを連結するときに、股下部Cどうしの縦方向Xにおける重ね合わせ量をどの程度にするかを、第1表示7を指標として決定することが一層容易となり、おむつ1を、着用者の身体にフィットした状態で着用させることが一層容易となる。
【0048】
第1表示7,7どうしが、縦方向Xの位置が同じであるか否かを判断する方法について、図10を参照しながら説明する。第1表示7a,7bの縦方向Xの上端のうち、最も縦方向X上側に位置する上端7uから、第1表示7a,7bの縦方向Xの下端のうち、最も縦方向Xの下側に位置する下端7dまでの長さをD1とする(図10参照)。また、第1表示7aと第1表示7bとが横方向Yにおいて重なっている部分の長さをD2とする(図10参照)。そして、前記長さD1に対する前記長さD2の比D2/D1が0.5以上である場合、第1表示7aと第1表示7bとは縦方向Xの位置が同じであると判断する。
【0049】
またおむつ1では、前側パッド2と後側パッド3とを、股下部Cの一部どうしを重ね合わせた状態で連結したときに、インジケーター8の一部が、後側パッド3で覆われるようになされていることが好ましい。こうすることにより、前側パッド2と後側パッド3とを連結するときに、後側パッド3を、前側パッド2の非肌対向面における横方向Yのどの位置に連結するかを、インジケーター8を指標として決定することが一層容易となり、前側パッド2と後側パッド3とが横方向Yに過剰にずれた状態で連結されることを防ぐことができる。したがって、おむつ1を、着用者の身体にフィットした状態で着用させることが一層容易となる。
この効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、前側パッド2と後側パッド3とを、股下部Cの一部どうしを重ね合わせた状態で連結したときに、インジケーター8における、後側パッド3で覆われる部分の長さH1は、インジケーター8の全長Hの好ましくは10%以上、より好ましくは13%以上、更に好ましくは15%以上である(図9参照)。また、排尿によって色が変化したインジケーター8の視認性担保の観点から、前記長さH1は、インジケーター8の全長Hの好ましくは85%以下、より好ましくは82%以下、更に好ましくは80%以下である(図9参照)。これらを両立する観点から、前記長さH1は、インジケーター8の全長Hの好ましくは10%以上85%以下、より好ましくは13%以上82%以下、更に好ましくは15%以上80%以下である。
【0050】
本実施形態では、図2及び3に示すように、吸収体14にはスリット部18が形成されている。スリット部18は、前側パッド2の縦方向Xに沿って延びている。スリット部18は、図2に示すように、前側パッド2の厚み方向において、インジケーター8と重なっている。換言すれば、前側パッド2の平面視において、スリット部18とインジケーター8とは重なっている。スリット部18とインジケーター8とがこのような位置関係にあることの利点は以下のとおりである。吸収体14にスリット部18が形成されていると、前側パッド2の吸収体14に吸収された排泄物が、該スリット部18を通って前側パッド2における非肌対向面側に移行しやすくなり、インジケーター8に接触しやすくなる。吸収体14に吸収された排泄物がインジケーター8に接触しやすくなることにより、インジケーター8が、着用者による排泄の有無をより高感度に検知することができ、着用者、又は着用者の育児者若しくは介護者が、着用者が排泄したか否かをより容易に認識することが可能となる。
【0051】
スリット部18は、吸収体14を厚み方向に貫通していてもよいし(図3参照)、底部を有する凹部であってもよい。スリット部18が凹部である場合、該スリット部18は、肌対向面側及び非肌対向面側のいずれに凹んだ形状であってもよい。また、スリット部18は、コアラップシート14bを貫通している必要は必ずしもなく、吸収体14の厚み方向において、スリット部18の一端部又は両端部に、コアラップシート14bが存在していてもよい。例えば、スリット部18は、吸収性コア14aを貫通する貫通スリットと、該貫通スリットの両側の開口を覆うコアラップシート14bとからなるものであってもよいし、吸収性コア14aに形成された凹部と、該凹部の開口を覆うコアラップシート14bとからなるものであってもよい。
【0052】
前側パッド2の平面視において、インジケーター8とスリット部18とは完全に重なっていてもよいし、互いの一部どうしのみが重なっていてもよい。吸収体14に吸収された排泄物がスリット部18を通ってインジケーター8に接触しやすくする観点からは、図2に示すように、横方向Yにおいて、スリット部18の両側縁が、インジケータ―8の両側縁よりも外方に位置していることが好ましい。また同様の観点から、図2に示すように、縦方向Xにおいて、インジケーター8は、スリット部18から延出していることも好ましい。
【0053】
本実施形態では、後側パッド3は、図7及び図9に示すように、股下部Cの非肌対向面に第2表示9が付されている。第2表示9は、文字、図形、絵、記号、模様、パターン、刺繍等の図柄とすることができる。第2表示9は、第1表示7と同じ図柄であってもよいし、異なる図柄であってもよい。本実施形態では、第2表示9は、第1表示7とは異なる図柄である。
【0054】
本実施形態では、第2表示9が第1表示7の近傍に位置するように、係合部材17cを、前側パッド2の非肌対向面に係合させたときに、前側パッド2と後側パッド3とが、股下部Cの一部どうしを重ね合わせた状態で連結されるようになされている。こうすることによって、前側パッド2と後側パッド3とを連結するときに、第2表示9と第1表示7との位置関係を目安とすることにより、前側パッド2及び後側パッド3の股下部Cの重なり量がどの程度になるかを判断することができるようになるので、おむつ1を、着用者の身体にフィットした状態で着用させることが一層容易となる。本実施形態では、第2表示9は、後側パッド3の股下部Cの端部に配されている。また第2表示9は、横方向Yに二つ並んでいる。本実施形態では、2つの第2表示9それぞれが、インジケーター8を挟んだ両側に位置する第1表示7それぞれの近傍に位置するように、係合部材17cを、前側パッド2の非肌対向面に係合させる。
【0055】
おむつ1では、前側パッド2の股下部Cと後側パッド3の股下部Cとの重ね合わせ量L1が、前側パッド2の縦方向Xにおける長さLの80%を超えないようになされていることが好ましい。こうすることにより、おむつ1を着用したときに、おむつ1全体の股下部の長さが短くなり過ぎ、着用者の股下域において、おむつ1がきつくなってしまうことを防ぐことができる。この効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、前記重ね合わせ量L1は、前側パッド2の縦方向Xにおける長さLの、好ましくは80%以下、より好ましくは77%以下、更に好ましくは75%以下である。また、おむつ1全体の股下部の長さが長くなり過ぎ、着用者の股下域において、おむつ1がゆるくなってしまうことを防ぐ観点からは、前記重ね合わせ量L1は大きいことが好ましい。この効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、前記重ね合わせ量L1は、前側パッド2の縦方向Xにおける長さLの、好ましくは30%以上、より好ましくは32%以上、更に好ましくは35%以上である。これらの両立の観点から、前記重ね合わせ量L1は、前側パッド2の縦方向Xにおける長さLの、好ましくは30%以上80%以下、より好ましくは32%以上77%以下、更に好ましくは35%以上75%以下である。
【0056】
本実施形態では、上述のように、前側パッド2の非肌対向面の全域が、係合部材17cが係合可能な被係合領域となっているところ、これに代えて、図11に示すように、前側パッド2の非肌対向面の一部が、係合部材17cが係合可能な被係合領域Rとなっていてもよい。第1表示7は、被係合領域R内に配されていることが好ましい。図11においては、説明の便宜上、第1表示7の図示を省略している。図11に示す例では、前側パッド2を縦方向Xに沿って見たときの、前側パッド2における股下部C側の端を一端とし、該股下部Cとは反対側の端を他端としたときに、被係合領域Rにおける前側パッド2の該一端側の端Raは、前側パッド2の該一端2aまで達しておらず、被係合領域Rにおける前側パッド2の該他端側の端Rbは、前側パッド2の該他端2bまで達していない。
【0057】
前側パッド2の一端2aから被係合領域Rの一端Raまでの縦方向Xの距離La(図11参照)は、おむつ1着用時に、着用者の股下域において、おむつ1がゆるくなってしまうことを阻止する観点から、前側パッド2の縦方向Xにおける長さL(図11参照)の、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上である。また、おむつ1着用時に、着用者の股下域において、おむつ1がきつくなってしまうことを阻止する観点から、前記距離Laは、前側パッド2の縦方向Xにおける長さLの、好ましくは55%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは45%以下である。これらを両立する観点から、前記距離Laは、前側パッド2の縦方向Xにおける長さLの、好ましくは25%以上45%以下、より好ましくは30%以上50%以下、更に好ましくは35%以上55%以下である。
【0058】
前側パッド2の他端2bから被係合領域Rの他端Rbまでの縦方向Xの距離Lb(図11参照)は、おむつ1着用時に、着用者の股下域において、おむつ1がきつくなってしまうことを阻止する観点から、前側パッド2の縦方向Xにおける長さLの、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは25%以上である。また、おむつ1着用時に、着用者の股下域において、おむつ1がゆるくなってしまうことを阻止する観点から、前記距離Lbは、前側パッド2の縦方向Xにおける長さLの、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは35%以下である。これらを両立する観点から、前記距離Lbは、前側パッド2の縦方向Xにおける長さLの、好ましくは15%以上45%以下、より好ましくは20%以上40%以下、更に好ましくは25%以上35%以下である。
【0059】
またおむつ1は、体型が異なる複数の着用者が着用したときに、一定の装着圧で装着可能であることが好ましい。具体的には、下記の第1平均体型及び第2平均体型のいずれの場合においても、0.7kPa以上1.6kPa以下の装着圧で装着可能であることが好ましい。
第1平均体型とは、おむつ各サイズの適応体重範囲を前期と後期とに2等分したときの、前期である体型を意味し、第2平均体型とは、おむつ各サイズの適応体重範囲を前期と後期とに2等分したときの、後期である体型を意味する。前期は、後期に比較して、着用者の月齢又は年齢が低い着用者が想定される。
【0060】
装着圧は、以下の方法により測定することができる。
<装着圧の測定方法>
まず、φ=15mmのエアパックを用い、静的モデルの所定測定部にエアパックの中心が位置するようにセットする。そして、静的モデルにおむつ1を着用させたのち、装着圧測定装置((株)エイエムアイ・テクノ製の接触圧測定器(AMI3037-2)によって、所定測定部の装着圧を測定する。測定は、5点測定を行い、平均値を測定値とする。静的モデルとしては、低月齢児の腰から下を模した腰部モデルであり、第1平均体型、第2平均体型それぞれ相応のウエスト周長を持つものを用いる。
【0061】
また本実施形態では、係合部材17cは、1つのみ設けられているところ、これに代えて、図12に示すように、係合部材17cは、複数設けられていてもよい。係合部材17cは、縦方向Xに複数設けられていてもよいし(図12(a)参照)、横方向Yに複数設けられていてもよい(図12(b)参照)。前側パッド2の非肌対向面の縦方向における、後側パッド3の係合部材17cの係合位置を容易に調節可能とし、おむつ1を、着用者の身体にフィットした状態で着用させることを一層容易とする観点からは、係合部材17cは、縦方向Xに複数設けられていることが好ましい。
【0062】
また本実施形態では、係合部材17cは、平面視において矩形形状を有するところ、係合部材17cの平面視形状はこれに限られない。例えば、図12(c)に示すように、係合部材17cは、平面視において台形形状を有していてもよい。係合部材17cの平面視形状が台形形状である場合、係合部材17cにおける、縦方向Xの両端縁及び横方向Yの両端縁のいずれが平行な2辺であってもよい。係合部材17cにおける横方向Yの両端縁が平行な2辺である場合、該両端縁のうち、いずれが相対的に長さが長い長辺であってもよい。また、係合部材17cにおける縦方向Xの両端縁が平行な2辺である場合、該両端縁のうち、いずれが相対的に長さが長い長辺であってもよい。おむつ1着用状態において、着用者が脚を閉脚したときに、係合部材17cの横方向Yの両端縁が脚回りにあたり、装着時の不快感を阻止する観点からは、図12(c)に示すように、係合部材17cにおける、縦方向外方側の端縁が、相対的に長さが短い短辺であり、縦方向内方側の端縁が長辺であることが好ましい。係合部材17cにおける縦方向内方側の端縁とは、係合部材17cにおける、後側パッド3の縦方向下側の端縁、換言すれば、係合部材17cにおける股下側の端縁を意味する。係合部材17cにおける縦方向外方側の端縁とは、係合部材17cにおける、後側パッド3の縦方向上側の端縁を意味する。
【0063】
次に、本発明の好ましい第2実施形態のおむつについて説明する。第2実施形態については、前述した第1実施形態と異なる点を主に説明する。特に説明しない点については、前述した第1実施形態の説明が適宜適用される。
第2実施形態のおむつは、第1実施形態のおむつ1と、前側パッド2の構成が異なる。図13に、第2実施形態のおむつに係る前側パッド2Bを示す。
【0064】
前側パッド2Bは、図13に示すように、横方向Yにおいて、その厚みが変化している。具体的には、前側パッド2Bは、横方向Yにおける中央部2Cの厚みK1が、横方向Yにおける側部2Eの厚みK3よりも厚くなっている。ここで、前側パッド2Bの横方向Yにおける中央部2Cとは、前側パッド2Bを横方向Yに3等分したときの中央部分であり、前側パッド2Bの横方Yにおける側部2Eとは、該中央部分の両側に位置する部分である。本実施形態では、前側パッド2Bの中央部2Cの厚みK1とは、該中央部2Cにおける最も厚みが厚い部分の厚みK1を意味する。また、前側パッド2Bの側部2Eの厚みK3とは、該側部2Eにおける最も厚みが薄い部分の厚みK3を意味する。
また第2実施形態では、吸収体14の厚みが横方向Yに変化している。
【0065】
図13に示す実施形態では、吸収体14は、2層構造を有している。具体的には、吸収体14は、上層吸収体15と、該上層吸収体15の非肌対向面側に配された下層吸収体16とからなる。上層吸収体15は、下層吸収体16よりも横方向Yの長さが短い。また上層吸収体15と下層吸収体16とは、横方向Yの中央部が一致した状態で積層されている。このように、第2実施形態では、吸収体14は、横方向Yの中央部14Cが、横方向Yの側部14Eの厚みP2よりも厚くなっている。ここで、吸収体14の横方向Yにおける中央部14Cとは、吸収体14を横方向Yに4等分したときの中央に存在する2領域部分であり、吸収体14の横方Yにおける側部14Eとは、該中央部分の両側に位置する部分である。図13に示す実施形態では、吸収体14の中央部14Cは、上層吸収体15及び下層吸収体16が積層された部分であり、吸収体14の側部14Eは、下層吸収体16のみからなる部分である。
【0066】
また第2実施形態では、前側パッド2Bの中央部2Cの横方向Yの長さW1が、後側パッド3の係合部材17cの横方向Yの長さW2よりも短くなっている。こうすることにより、前側パッド2Bの非肌側対向面に係合部材17cを係合させたときに、前側パッド2Bにおける中央部2Cが存在する領域の係合力に比べて、後側パッド3における係合部材17cが存在する領域の係合力を低下させることが可能となるので、前側パッド2Bの非肌対向面に係合された係合部材17cを容易に剥がすことができるようになる。この効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、吸収体14の中央部14Cの横方向Yの長さW3が、係合部材17cの横方向Yの長さM2よりも短いことが好ましい。
【0067】
前記長さW2に対する前記長さW1の比W1/W2は、前側パッド2Bの非肌対向面に係合された係合部材17cを一層容易に剥がすことができるようにする観点から、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.85以下、更に好ましくは0.80以下である。また係合部材17cが前側パッド2Bの非肌対向面から自然と剥離をし、連結状態を解除してしまうことを阻止する観点から、前記比W1/W2は、好ましくは0.40以上、より好ましくは0.45以上、更に好ましくは0.50以上である。これらを両立する観点から、前記比W1/W2は、好ましくは0.40以上0.90以下、より好ましくは0.45以上0.85以下、更に好ましくは0.50以上0.80以下である。
【0068】
前記長さW2に対する前記長さW3の比W3/W2は、前側パッド2Bの非肌対向面に係合された係合部材17cを一層容易に剥がすことができるようにする観点から、好ましくは0.85以下、より好ましくは0.80以下、更に好ましくは0.75以下である。また係合部材17cが前側パッド2Bの非肌対向面から自然と剥離をし、連結状態を解除してしまうことを阻止する観点から、前記比W3/W2は、好ましくは0.40以上、より好ましくは0.45以上、更に好ましくは0.50以上である。これらを両立する観点から、前記比W3/W2は、好ましくは0.40以上0.85以下、より好ましくは0.45以上0.80以下、更に好ましくは0.50以上0.75以下である。
【0069】
第2実施形態では、上述のように、前側パッド2Bは、横方向Yにおいて、その厚みが変化している。第2実施形態の前側パッド2Bは、吸収体14の中央部14Cと重なる領域S1、吸収体14の側部14Eと重なる領域S2、吸収体14の側部14Eよりも横方向Yの外方に位置する領域S3の順に厚みが薄くなっている。
第2実施形態では、図14に示すように、前側パッド2Bと後側パッド3とを、股下部Cの一部どうしを重ね合わせた状態で連結させたときに、係合部材17cが、前側パッド2Bの前記領域S3まで達しないようになされていることが好ましい。こうすることにより、着用者の股下域において前側パッド2と後側パッド3との連結状態を解除するときに、後側パッド3の股下部端部の側縁を手指で把持することが容易にすることが可能となるので、前側パッド2Bの非肌対向面に係合された係合部材17cを容易に剥がすことができるようになる。この効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、前側パッド2Bと後側パッド3とを、股下部Cの一部どうしを重ね合わせた状態で連結させたときに、係合部材17cが、前側パッド2Bの前記領域S2まで達しないようになされていることがより好ましい。
【0070】
次に、おむつ1の各部の形成材料について説明する。
外装シート13、カフ形成用シート50、股下横伸縮部形成シート17b、胴回り部形成シート28b、及び胴回りベルト38に用いられるシート材としては、それぞれ、この種の吸収性物品に用いられている各種の公知のものを特に制限なく用いることができる。例えばこれらシートは、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布等の各種製法による不織布を用いることができる。
表面シート11としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、防漏シート12としては各種の不織布や樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
【0071】
カフ弾性部材6aやレッグ弾性部材5aを含む縦弾性部材や横弾性部材28a、股下横弾性部材17a、パネル弾性部材40a等の各弾性部材としては、天然ゴム、ポリウレタン系樹脂、発泡ウレタン系樹脂、ホットメルト系伸縮部材等の伸縮性素材を糸状(糸ゴム)又は帯状(平ゴム)に形成したものが好ましく用いられる。
【0072】
吸収体14が具備する吸収性コア14aは、パルプを始めとするセルロース等の親水性繊維や吸水性ポリマー等のコア形成材料によって形成されている。吸収性コア14aは、例えば親水性繊維の積繊体、該親水性繊維と吸水性ポリマーとの混合積繊体、吸水性ポリマーの堆積体、2枚の吸収性シート間に吸水性ポリマーが担持された積層構造体等から構成される。
コアラップシート14bとしては、例えば親水性繊維からなる薄葉紙や、液透過性を有する不織布などを用いることができる。
【0073】
本実施形態では、前側パッド2及び後側パッド3を互いに止着する止着構造として、機械的面ファスナーを採用している。ここでいう「機械的面ファスナー」とは、鉤状の突起からなるフック材(係合部材)が一面に配置された面部材(オス部材)と、パイル状の突起からなるループ材が一面に配置された面部材(メス部材)とが、一組みとなった留め具を指す。機械的面ファスナーの具体例として、マジックテープ(登録商標)が挙げられる。
具体的には本実施形態において前側胴回り28が具備する止着部29c,29s,29s、及び係合部材17cは、機械的面ファスナーのオス部材を有し、典型的には、樹脂製フィルム、織布、不織布などからなる基材の表面に多数の前記フック材が配置された構成を有している。
また本実施形態において前側パッド2の非肌対向面を形成する外装シート13、及び胴回りベルト38の非肌対向面を形成するシートは、機械的面ファスナーのメス部材を有する。前記メス部材の素材としては、例えばループ部、網状部が基材に固定されたシート部材や、係合性に富む不織布を用いることができる。
本実施形態のおむつ1は、特に矛盾しない限り、オス部材が設けられた部材と、該オス部材に止着されるメス部材が設けられた部材とを逆転させてもよい。
【0074】
また本実施形態の前側パッド2は、防漏シート12と外装シート13とを具備するものであったが、前側パッド2は外装シート13を具備していなくともよい。この場合、前側パッド2の非肌対向面は防漏シート12により形成される。防漏シート12が前側パッド2の非肌対向面を形成する場合、防漏シート12は、撥水処理された不織布からなるか、又は該不織布を含むことが好ましい。斯かる不織布として、例えば、該不織布の構成繊維に撥水処理剤を適用したものを用いることができる。
【0075】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施形態のおむつ1は、前側パッド2と後側パッド3の2パーツで構成されていたが、後側パッド3の胴回りベルト38を、着用者の腰周りに配されるホルダに替えて、両パッド2,3と該ホルダを備えた3パーツのものにしてもよい。この場合、ホルダは、着用者の腰周りに環状に装着されるとともに、両パッド2,3を着用者に装着した状態に保持するものである。またホルダは、着用者の腹側(前側)に配置される腹側部と、着用者の背側(後側)に配置される背側部とを有し、該ホルダの主体をなすホルダ本体部を備える。ホルダ本体部は、不織布等のシート状部材を主体として構成されており、典型的には、ホルダ本体部の非肌対向面(外面)を形成する外層シートと、ホルダ本体部の肌対向面(内面)を形成する内層シートとの積層構造を含んで構成されている。ホルダは、腹側部及び背側部それぞれのホルダ本体部の長手方向両端部どうしが融着、接着剤等の公知の接合手段によって接合することで環状をなしており、腹側部と背側部とを接合する一対の接合部と、ウエスト開口部WHとを有する。接合部は、一般的な非セパレートタイプ(1パーツ)のパンツ型使い捨ておむつにおけるサイドシール部に相当するものである。腹側部及び背側部それぞれのホルダ本体部には、周方向に伸縮可能に配置された弾性部材が、縦方向に複数間欠配置されており、これにより、ホルダは周方向に伸縮性を有する。ホルダ本体部の非肌対向面(外面)にはホルダ側止着構造(機械的面ファスナーのオス部材又はメス部材)が配置されており、このホルダ側止着構造に前側パッド2及び後側パッド3の上端部に設けられたパッド側止着構造(機械的面ファスナーのオス部材又はメス部材)を止着させることで、両パッド2,3をホルダに脱着可能に止着させることができる。
【0076】
また前記ホルダは、腹側部と背側部とを接合する一対の接合部を有するものに代えて、ベルトタイプのものであってもよい。この場合、前記ホルダは、一方の接合部に対応する位置が切り離され、ホルダを一方向に長い展開状態にすることができる。展開状態において、当該ホルダの肌対向面における長手方向の一方の端部と、該ホルダの非肌対向面とに前記の止着構造を設けることで、これら一方の端部と非肌対向面を脱着自在に止着でき、展開状態のホルダを環状にすることができる。
【0077】
上述した接合部を有するホルダ及びベルトタイプのホルダそれぞれは、背側部の横方向Y中央部が部分的に下垂して後側パッド3の股下域Cまで延出した中央延出部を有してもよい。この場合、中央延出部は、ホルダ本体部を形成する外層シート及び内層シートにより形成される。装着状態において中央延出部は、後側パッド3の非肌対向面側に配され、該パッド3の外面を被覆する。中央延出部の先端部の肌対向面と、後側パッド3の股下域Cの非肌対向面には、これらを脱着自在に止着させる止着構造が設けられており、該止着構造によって、中央延出部が後側パッド3の非肌対向面に固定される。
【0078】
また中央延出部は、後側パッド3の股下域Cを越えて、前側パッド2の非肌対向面を被覆し、ホルダの腹側部まで延出していてもよい。この場合、前側パッド2及び後側パッド3の双方の非肌対向面が中央延出部によって被覆される。延出部がホルダの腹側部まで延出する場合、延出部の肌対向面における先端部と、ホルダの腹側部の非肌対向面とに設けられた止着構造によって、該延出部と腹側部とが脱着自在に止着可能となっている。
【0079】
また係合部材17cは、粘着剤により構成されていてもよい。例えば、係合部材17cは、後側パッド3の股下部Cの肌対向面に粘着剤を塗布することにより形成されていてもよい。
また係合部材17cが、点ファスナーのオス部材及びメス部材の何れか一方であり、前側パッド2の非肌対向面に、該係合部材17cに係合可能な点ファスナーのオス部材及びメス部材の何れか他方である被係合部材が縦方向Xに並んで複数配されていてもよい。点ファスナーとしては、例えば、スナップボタン等が挙げられる。
【0080】
上述した本発明の実施形態に関し、さらに以下の吸収性物品を開示する。
<1>
着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、
着用者の腹側に配置される前側パッドと、着用者の背側に配置される後側パッドとを有し、両パッドを着用者の股下域で連結された状態にして使用可能な吸収性物品であって、
前記前側パッド及び前記後側パッドは、前記股下域に配される股下部を有しており、
前記前側パッドと前記後側パッドとを、前記股下部の一部どうしを重ね合わせた状態で連結可能であり、且つ前記縦方向における重ね合わせ量を増減調節して連結可能であり、
前記後側パッドの前記股下部の肌対向面に、前記前側パッドの非肌対向面に係合可能な係合部材が配されており、前記係合部材を、前記前側パッドの非肌対向面の前記縦方向における所望の位置に係合させることが可能であり、
前記前側パッドの前記股下部の非肌対向面側に、前記重ね合わせ量の指標となる第1表示が付されている、吸収性物品。
【0081】
<2>
第1表示は、前記縦方向に間欠的に複数配されている、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
第1表示は、文字、図形、絵、記号、模様、パターン又は刺繍の図柄である、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記前側パッドは、色の変化により排尿を知らせるインジケーターを備えており、
前記インジケーターを挟んだ両側それぞれにおいて、第1表示が前記縦方向に間欠的に複数配されており、
複数の第1表示のうち、前記縦方向の位置が同じである第1表示どうしは、同じ図柄である、前記<1>~前記<3>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<5>
複数の第1表示どうしは同じ図柄である、前記<1>~前記<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>
複数の第1表示のうち、縦方向に並ぶ第1表示どうしは図柄が異なっている、前記<1>~前記<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0082】
<7>
前記後側パッドの前記股下部の非肌対抗面側に第2表示が付されており、
第2表示が第1表示の近傍に位置するように、前記係合部材を、前記前側パッドの非肌対向面に係合させたときに、前記前側パッドと前記後側パッドとが、前記股下部の一部どうしを重ね合わせた状態で連結されるようになされている、前記<1>~前記<6>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<8>
第2表示は、文字、図形、絵、記号、模様、パターン又は刺繍の図柄である、前記<7>に記載の吸収性物品。
<9>
第2表示は、第1表示とは異なる図柄である、前記<7>又は前記<8>に記載の吸収性物品。
<10>
第2表示は、第1表示と同じ図柄である、前記<7>又は前記<8>に記載の吸収性物品。
【0083】
<11>
前記前側パッドは、色の変化により排尿を知らせるインジケーターを備えており、
前記後側パッドの前記係合部材を、前記前側パッドの前記非肌対向面に係合させて、前記前側パッドと前記後側パッドとを、前記股下部の一部どうしを重ね合わせた状態で連結したときに、前記インジケーターの少なくとも一部が前記後側パッドで覆われるようになされている、前記<1>~前記<10>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<12>
前記前側パッドは、スリット部が形成された液保持性の吸収体と、色の変化により排尿を知らせるインジケーターとを備えており、
前記前側パッドの厚み方向において、前記インジケーターと前記スリット部とが重なっている、前記<11>に記載の吸収性物品。
【0084】
<13>
前記前側パッドは、前記横方向における中央部の厚みが、該横方向における側部の厚みよりも厚くなっており、
前記前側パッドの前記中央部の前記横方向における長さよりも、前記係合部材の該横方向における長さの方が長い、前記<1>~前記<12>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<14>
前記前側パッドは、2層構造を有する吸収体を備えており、
前記吸収体は、前記横方向における中央部の厚みが、該横方向における側部の厚みよりも厚くなっており、
前記吸収体の前記中央部の前記横方向における長さよりも、前記係合部材の該横方向における長さの方が長い、前記<1>~前記<13>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<15>
前記前側パッドは、前記吸収体の前記中央部と重なる領域、該吸収体の前記側部と重なる領域、該吸収体の該側部よりも前記横方向の外方に位置する領域の順に厚みが薄くなっており、
前記吸収体の前記中央部と重なる領域の前記横方向における長さよりも、前記係合部材の該横方向における長さの方が長く、
前側パッドと前記後側パッドとを、前記股下部の一部どうしを重ね合わせた状態で連結したときに、前記係合部材は、前記前側パッドにおける、該吸収体の該側部よりも前記横方向の外方に達しないようになされている、前記<14>に記載の吸収性物品。
【0085】
<16>
前記係合部材は、前記縦方向に複数設けられている、前記<1>~前記<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<17>
前記係合部材は、平面視において、前記縦方向の両端縁が平行な2辺である台形形状を有しており、該縦方向外方側の端縁が相対的に長さが短い短辺であり、該縦方向内方側の端縁が相対的に長さが長い長辺である、前記<1>~前記<16>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<18>
前記係合部材は、粘着剤により構成されている、前記<1>~前記<17>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<19>
前記係合部材は、点ファスナーのオス部材及びメス部材の何れか一方であり、
前記前側パッドの非肌対向面に、前記係合部材に係合可能な点ファスナーのオス部材及びメス部材の何れか他方が前記縦方向に並んで複数配されている、前記<1>~前記<17>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0086】
<20>
前記前側パッドは、吸収性本体と、該吸収性本体の上端部に配された前側胴回り部とを具備している、前記<1>~前記<19>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<21>
前記前側胴回り部は、前記前側吸収性本体の肌対向面側に配されている、前記<20>に記載の吸収性物品。
<22>
前側パッド2は、前記吸収性本体の下端部に配された股下横伸縮部を具備している、前記<20>又は前記<21>に記載の吸収性物品。
<23>
前記前側胴回り部は、2枚のシートと、該シート間に伸長状態で固定された弾性部材とを含み、
前記弾性部材は、前記横方向に延びており、且つ前記縦方向に間欠的に配されている、前記<20>~前記<22>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<24>
前記前側胴回り部は、横方向両側部それぞれに前記弾性部材を有し、横方向中央部には前記弾性部材を有していない、前記<20>~前記<23>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<25>
前記前側胴回り部は、肌対向面側の前記シートにおける横方向中央部に中央止着部及び横方向両側部それぞれにサイド止着部を有している、前記<20>~前記<24>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0087】
<26>
前記後側パッドは、吸収性本体と、該後側パッドの上端部に配された胴回りベルトとを具備している、前記<1>~前記<25>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<27>
前記胴回りベルトは、前記後側パッドの前記吸収性本体の肌対向面側に配されている、前記<26>に記載の吸収性物品。
<28>
前記胴回りベルトは、該ベルトの横方向中央部に位置し且つ横方向に延びる中央シート部と、該中央シート部の横方向両側に配された一対の伸縮パネルと、一方の伸縮パネルの横方向外方に設けられた連結止着シート部と、他方の伸縮パネルの横方向外方に設けられた連結被止着シート部とを具備する、前記<26>又は前記<27>に記載の吸収性物品。
<29>
前記連結止着シート部は、肌対向面の横方向外方端部に、機械的面ファスナーのオス部材を有する止着部を有している、前記<28>に記載の吸収性物品。
<30>
前記前側パッドは、該前側パッドの上端部に前側胴回り部を具備し、該前側胴回り部は、該前側胴回り部の両側部に位置する前記胴回り横弾性部材どうし間に中央止着部を有し、該胴回り横弾性部材の横方向外方に一対のサイド止着部を有しており、
前記後側パッドは、前記股下域の肌対向面に、前記前側パッドの股下域の肌対向面と止着する股下止着部を有しており、
前記後側パッドの前記胴回りベルトを着用者の腰周りに巻き掛け、着用者の腹側で前記連結止着シート部の前記止着部を前記連結被止着シート部に止着させることで、着用者の腰周りに環状の前記胴回りベルトを装着し、
腰周りに装着された前記胴回りベルトの非肌対向面に、前記前側パッドの前記中央止着部及び前記サイド止着部を止着した後、前記前側パッドの非肌対向面に、前記後側パッドの前記股下止着部を止着させ、前記前側パッド及び前記後側パッドを上端部及び下端部それぞれで連結させて、着用者の身体に装着される、前記<29>に記載の吸収性物品。
【符号の説明】
【0088】
1 使い捨ておむつ(おむつ)
2 前側パッド
3 後側パッド
5 レッグカフ
5a レッグ弾性部材
5s 外側伸縮部
6 立体カフ
6a カフ弾性部材
6s 起立伸縮部
6t 非起立伸縮部
7 第1表示
8 インジケーター
9 第2表示
50 カフ形成用シート
11 表面シート
12 防漏シート
13 外装シート
14 吸収体
14a 吸収性コア
14b コアラップシート
17 股下横伸縮部
17a 股下横弾性部材
17b 股下横伸縮部形成シート
17c 係合部材
20 前側吸収性本体
30 後側吸収性本体
28 前側胴回り部
28a 横弾性部材
28b 胴回り部形成シート
29c 中央止着部
29s サイド止着部
38 胴回りベルト
39 中央シート部
40 伸縮パネル
40a パネル弾性部材
41 連結被止着シート部
42 連結止着シート部
42a 止着部
C 股下域
LO レッグ開口部
WE ウエスト開口端
WO ウエスト開口部
R 被止着領域
X 縦方向
Y 横方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14