(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154799
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068880
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】516285984
【氏名又は名称】株式会社アンドパッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 洋子
(72)【発明者】
【氏名】松田 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】森 直幸
(72)【発明者】
【氏名】木下 由季子
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】黒板に添付する豆図の準備作業を簡略化できる情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理方法は、工事現場を撮影した画像に貼り付ける黒板画像に添付する豆図を切り出す対象の図面データの指定を取得するステップと、図面データから豆図として切り出す切出領域を抽出するステップと、切出領域を決定して豆図を切り出すステップとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、工事現場を撮影した画像に貼り付ける黒板画像に添付する豆図を切り出す対象の図面データの指定を取得するステップと、
前記情報処理装置が、前記図面データから前記豆図として切り出す切出領域を抽出するステップと、
前記情報処理装置が、前記切出領域を決定して前記豆図を切り出すステップと
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記切出領域を抽出するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記図面データにおいて前記切出領域の周辺のワード、図式又はレイアウトに基づいて、前記切出領域を抽出する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記切出領域を抽出するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記図面データを入力として受け付ける領域抽出モデルを用いて、前記図面データから前記切出領域を抽出する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記情報処理装置が、前記図面データと前記切出領域とを学習データとして用いた学習によって前記領域抽出モデルを生成するステップを更に含む、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記情報処理装置が、前記領域抽出モデルが抽出した前記切出領域を調整するステップを更に含む、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記切出領域を調整するステップにおいて、前記情報処理装置が、領域調整モデルを用いて、前記切出領域を調整する、請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記切出領域を抽出するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記領域抽出モデル又は前記領域抽出モデルと異なるテキスト抽出モデルを用いて、前記黒板画像に記載するテキストを、前記図面データから抽出する、請求項3から6までのいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記情報処理装置が、前記図面データに前記切出領域を表示するステップを更に含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記切出領域を表示するステップにおいて、前記情報処理装置が、複数の前記切出領域のうち異なる形状で表示する切出領域が存在する場合に、異なる形状で表示する各切出領域の境界線の表示態様を異ならせる、請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記図面データの指定を取得するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記図面データとして図面画像の指定を取得し、
前記切出領域を抽出するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記図面画像において前記切出領域を抽出する、
請求項1から6までのいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記図面データの指定を取得するステップにおいて、前記情報処理装置が、図面ファイルのアップロード、又は、既にアップロードされた図面ファイルの選択を実行し、前記図面ファイルを画像化して前記図面画像を生成して前記図面データとして指定する、請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記図面データの指定を取得するステップにおいて、前記情報処理装置が、既に画像化された図面ファイルから前記図面画像を選択して前記図面データとしての指定として取得する、請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記図面データの指定を取得するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記工事現場に関する施工管理データベースの情報に基づいて、豆図を切り出す対象とする図面ファイルを決定し、前記図面ファイルを画像化して前記図面画像を生成して前記図面データとして指定する、請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記情報処理装置が、前記豆図を切り出すステップで切り出した豆図を前記黒板画像に紐づけるステップを更に含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記情報処理装置が、前記豆図を切り出すステップで切り出した豆図を添付した前記黒板画像を生成するステップを更に含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
工事現場を撮影した画像に貼り付ける黒板画像に添付する豆図を切り出す対象の図面データの指定を取得するステップと、
前記図面データから前記豆図として切り出す切出領域を抽出するステップと、
前記切出領域を決定して前記豆図を切り出すステップと
をプロセッサに実行させる情報処理プログラム。
【請求項17】
図面データを格納するデータベースと、情報処理装置とを備え、
前記情報処理装置は、
工事現場を撮影した画像に貼り付ける黒板画像に添付する豆図を切り出す対象の図面データの指定を取得し、
前記図面データから前記豆図として切り出す切出領域を抽出し、
前記切出領域を決定して前記豆図を切り出す、
情報処理システム。
【請求項18】
端末装置を更に備え、
前記端末装置は、
前記図面データを指定する入力を受け付けて前記情報処理装置に出力し、
前記情報処理装置で抽出された前記切出領域を取得して前記図面データに表示し、
前記切出領域を調整する入力を受け付けて前記情報処理装置に出力する、
請求項17に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工事の配筋検査等において検査画像を撮影する際に作成する黒板に添付する豆図を、配筋図等の図面からキャプチャして用いる検査画像管理システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムにおいて、検査画像として撮影する検査箇所に対応する豆図を図面からキャプチャするために、図面の中で検査箇所に対応する部分をあらかじめ指定しておく必要がある。検査箇所が多い場合、黒板に添付する豆図の準備作業の負担が大きくなる。豆図の準備作業の簡略化が求められる。
【0005】
本開示の目的は、黒板に添付する豆図の準備作業を簡略化できる情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、工事現場を撮影した画像に貼り付ける黒板画像に添付する豆図を切り出す対象の図面データの指定を取得するステップと、前記情報処理装置が、前記図面データから前記豆図として切り出す切出領域を抽出するステップと、前記情報処理装置が、前記切出領域を決定して前記豆図を切り出すステップとを含む。
【0007】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法の前記切出領域を抽出するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記図面データにおいて前記切出領域の周辺のワード、図式又はレイアウトに基づいて、前記切出領域を抽出してよい。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理方法の前記切出領域を抽出するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記図面データを入力として受け付ける領域抽出モデルを用いて、前記図面データから前記切出領域を抽出してよい。
【0009】
(4)上記(3)に記載の情報処理方法は、前記情報処理装置が、前記図面データと前記切出領域とを学習データとして用いた学習によって前記領域抽出モデルを生成するステップを更に含んでよい。
【0010】
(5)上記(3)又は(4)に記載の情報処理方法は、前記情報処理装置が、前記領域抽出モデルが抽出した前記切出領域を調整するステップを更に含んでよい。
【0011】
(6)上記(5)に記載の情報処理方法の前記切出領域を調整するステップにおいて、前記情報処理装置が、領域調整モデルを用いて、前記切出領域を調整してよい。
【0012】
(7)上記(3)から(6)までのいずれか1つに記載の情報処理方法の前記切出領域を抽出するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記領域抽出モデル又は前記領域抽出モデルと異なるテキスト抽出モデルを用いて、前記黒板画像に記載するテキストを、前記図面データから抽出してよい。
【0013】
(8)上記(1)から(7)までのいずれか1つに記載の情報処理方法は、前記情報処理装置が、前記図面データに前記切出領域を表示するステップを更に含んでよい。
【0014】
(9)上記(8)に記載の情報処理方法の前記切出領域を表示するステップにおいて、前記情報処理装置が、複数の前記切出領域のうち異なる形状で表示する切出領域が存在する場合に、異なる形状で表示する各切出領域の境界線の表示態様を異ならせてよい。
【0015】
(10)上記(1)から(9)までのいずれか1つに記載の情報処理方法の前記図面データの指定を取得するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記図面データとして図面画像の指定を取得してよい。前記切出領域を抽出するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記図面画像において前記切出領域を抽出してよい。
【0016】
(11)上記(10)に記載の情報処理方法の前記図面データの指定を取得するステップにおいて、前記情報処理装置が、図面ファイルのアップロード、又は、既にアップロードされた図面ファイルの選択を実行し、前記図面ファイルを画像化して前記図面画像を生成して前記図面データとして指定してよい。
【0017】
(12)上記(10)に記載の情報処理方法の前記図面データの指定を取得するステップにおいて、前記情報処理装置が、既に画像化された図面ファイルから前記図面画像を選択して前記図面データとしての指定として取得してよい。
【0018】
(13)上記(10)に記載の情報処理方法の前記図面データの指定を取得するステップにおいて、前記情報処理装置が、前記工事現場に関する施工管理データベースの情報に基づいて、豆図を切り出す対象とする図面ファイルを決定し、前記図面ファイルを画像化して前記図面画像を生成して前記図面データとして指定してよい。
【0019】
(14)上記(1)から(13)までのいずれか1つに記載の情報処理方法は、前記情報処理装置が、前記豆図を切り出すステップで切り出した豆図を前記黒板画像に紐づけるステップを更に含んでよい。
【0020】
(15)上記(1)から(13)までのいずれか1つに記載の情報処理方法は、前記情報処理装置が、前記豆図を切り出すステップで切り出した豆図を添付した前記黒板画像を生成するステップを更に含んでよい。
【0021】
(16)本開示の一実施形態に係る情報処理プログラムは、工事現場を撮影した画像に貼り付ける黒板画像に添付する豆図を切り出す対象の図面データの指定を取得するステップと、前記図面データから前記豆図として切り出す切出領域を抽出するステップと、前記切出領域を決定して前記豆図を切り出すステップとをプロセッサに実行させる。
【0022】
(17)本開示の一実施形態に係る情報処理システムは、図面データを格納するデータベースと、情報処理装置とを備える。前記情報処理装置は、工事現場を撮影した画像に貼り付ける黒板画像に添付する豆図を切り出す対象の図面データの指定を取得し、前記図面データから前記豆図として切り出す切出領域を抽出し、前記切出領域を決定して前記豆図を切り出す。
【0023】
(18)上記(17)に記載の情報処理システムは、端末装置を更に備えてよい。前記端末装置は、前記図面データを指定する入力を受け付けて前記情報処理装置に出力し、前記情報処理装置で抽出された前記切出領域を取得して前記図面データに表示し、前記切出領域を調整する入力を受け付けて前記情報処理装置に出力してよい。
【発明の効果】
【0024】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システムによれば、黒板に添付する豆図の準備作業が簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図3の表において切出領域の候補のセルをハッチングで示した図である。
【
図6】切り出した豆図を貼り付けて生成した黒板画像の一例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係る情報処理方法の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
工事現場において検査対象等の撮影対象とともに黒板を撮影した写真が工事記録として保存される。ここで、黒板の実物を準備する代わりに、電子小黒板と称される黒板画像を準備して撮影対象を撮影した画像に貼り付けることがある。
【0027】
撮影対象の画像の説明のために、撮影対象に対応する豆図が黒板画像に添付されることがある。豆図は、撮影対象に対応する小さいサイズの図面である。黒板画像に豆図を添付する場合、豆図を準備する必要がある。豆図は、工事の図面データの一部を切り出した図面として準備される。工事の図面データにおいて豆図を切り出す範囲を手動で設定する場合、豆図を準備するための作業量が増大する。豆図の準備作業の簡略化が求められる。
【0028】
豆図を切り出す範囲の手動設定は、豆図を切り出す範囲のばらつき又は誤りを生じさせ得る。豆図を切り出す範囲のばらつき又は誤りを是正するための確認作業又は再設定は、豆図の準備作業の効率を低下させる。豆図の準備作業の効率化が求められる。
【0029】
以下、豆図を切り出す作業を効率化できる情報処理システム1(
図1参照)、並びに、情報処理方法及び情報処理プログラムが説明される。
【0030】
(情報処理システム1の概要)
図1に示されるように、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置10と、データベース30とを備える。情報処理装置10とデータベース30とは、ネットワーク80を介して通信可能に接続される。
【0031】
データベース30は、工事の図面データを保存している。情報処理装置10は、データベース30から、豆図を切り出す対象とする図面データを読み出す。データベース30は、後述するように、工事の施工管理に関する情報を保存してもよい。データベース30は、工事の施工管理に関する情報として工事の図面データを保存してもよい。情報処理装置10は、図面データの一部に領域を設定して、その領域に含まれる図面を豆図として切り出す。豆図として切り出す領域は、切出領域とも称される。情報処理装置10は、切り出した豆図をデータベース30に保存してもよいし、情報処理装置10自身で保存してもよい。
【0032】
情報処理装置10は、情報処理装置10が読み出す図面データをユーザが指定する操作を受け付けてよい。情報処理装置10は、ユーザに切出領域を認識させるように図面データに切出領域を重ねて表示してよい。情報処理装置10は、図面データから切出領域を抽出し、抽出した切出領域の大きさ、形状又は位置等をユーザが調整する操作を受け付けてよい。情報処理装置10は、ユーザの操作内容に基づいて、抽出した切出領域を調整し、切出領域を設定してよい。
【0033】
情報処理装置10は、豆図を添付した黒板画像を生成してよい。情報処理装置10は、豆図を添付せずに黒板画像を生成し、黒板画像に添付する豆図を黒板画像に紐づけてもよい。情報処理装置10は、豆図を添付した黒板画像をデータベース30又は情報処理装置10自身に保存してよい。情報処理装置10は、豆図を添付していない黒板画像をデータベース30又は情報処理装置10自身に保存してよい。情報処理装置10は、黒板画像に紐づけた豆図をデータベース30又は情報処理装置10自身に保存してよい。情報処理装置10は、黒板画像と豆図との紐づけに関する情報をデータベース30又は情報処理装置10自身に保存してよい。
【0034】
情報処理システム1は、必須ではないが端末装置20を更に備える。端末装置20は、情報処理装置10が読み出す図面データをユーザが指定する操作を受け付け、ユーザの指定内容を情報処理装置10に送信してよい。端末装置20は、情報処理装置10が図面データに設定した切出領域を受信し、ユーザに切出領域を認識させるように図面データに切出領域を重ねて表示してよい。端末装置20は、情報処理装置10が図面データから抽出した切出領域を受信し、抽出した切出領域の大きさ、形状又は位置等をユーザが調整する操作を受け付け、ユーザの操作内容を情報処理装置10に送信してよい。情報処理装置10は、ユーザの操作内容に基づいて、抽出した切出領域を調整し、切出領域を設定してよい。
【0035】
(情報処理システム1の構成例)
以下、
図1を参照して、情報処理システム1の具体的な構成例が説明される。
【0036】
<情報処理装置10>
情報処理装置10は、プロセッサ11と、通信部12と、表示部13と、入力部14とを備える。
【0037】
プロセッサ11は、情報処理装置10の各構成部を制御する。本実施形態において「プロセッサ」は、1つ以上の汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等を含んでよいがこれらに限られない。プロセッサ11は、1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよい。専用回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含んでよい。
【0038】
プロセッサ11は、情報処理装置10の各構成部を動作させるための各種情報又はプログラム等を格納する記憶部を備えてよい。記憶部は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよい。記憶部は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてもよい。記憶部は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んで構成されてもよい。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部は、プロセッサ11のワークメモリとして機能してよい。記憶部は、プロセッサ11と一体に構成されてもよいし、プロセッサ11と別体で構成されてもよい。
【0039】
通信部12は、端末装置20又はデータベース30等の他の装置とネットワーク80を介して通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応してよい。通信モジュールは、LAN(Local Area Network)等の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、有線又は無線の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、これらに限られず、種々の通信規格に対応してよい。ネットワーク80は、有線であっても無線であってもよい。ネットワーク80は、インターネット又はイントラネット等の種々の態様で構成されてよい。通信部12は、端末装置20又はデータベース30等の他の装置とネットワーク80を介さずに直接通信するように構成されてもよい。
【0040】
表示部13は、プロセッサ11からの指示に基づいて情報又はデータ等を表示する。表示部13は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)若しくは無機ELディスプレイ、又はLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の種々のディスプレイを含んでよい。
【0041】
表示部13は、図面データに関する情報を表示してよい。図面データに関する情報は、図面データを指定するための図面データのリストを含んでよい。図面データに関する情報は、図面データの内容を含んでよい。図面データに関する情報は、これらの例に限られず他の種々の情報を含んでよい。
【0042】
表示部13は、切出領域に関する情報を表示してよい。表示部13は、切出領域に関する情報を図面データに重ねて表示してよい。切出領域に関する情報は、切出領域の形状を特定する図形を含んでよい。切出領域に関する情報は、切出領域の境界線を特定するバウンディングボックス又は罫線等を含んでよい。
【0043】
入力部14は、ユーザによる操作内容の入力又は情報若しくはデータの入力を受け付けてプロセッサ11に送信する。入力部14は、ユーザからの入力を受け付ける入力デバイスを含んでよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサ又はマウス等のポインティングデバイスを含んでよい。入力デバイスは、表示部13と一体化したタッチディスプレイとして構成されてもよい。入力デバイスは、物理キーを含んでもよい。入力デバイスは、マイク等の音声入力デバイスを含んでもよい。
【0044】
入力部14は、豆図を切り出す対象とする図面データをユーザが指定する操作の入力を受け付けてよい。入力部14は、ユーザが切出領域を調整する操作の入力を受け付けてよい。入力部14は、黒板画像に貼り付けるテキストデータの入力を受け付けてよい。入力部14は、これらの例に限られず種々の情報又はデータの入力等を受け付けてよい。
【0045】
情報処理装置10は、少なくとも1台のサーバを含んで構成されてよい。情報処理装置10は、デスクトップPC、ノートPC又はタブレットPC等のコンピュータとして実現されてもよい。情報処理装置10は、スマートフォン又はタブレット等として実現されてもよい。情報処理装置10は、これらの例に限られず、種々の機器を含んでよい。
【0046】
<端末装置20>
端末装置20は、プロセッサ21と、通信部22と、表示部23と、入力部24と、出力部26とを備える。
【0047】
プロセッサ21は、端末装置20の各構成部を制御する。プロセッサ21は、情報処理装置10のプロセッサ11と同様に構成されてよい。
【0048】
プロセッサ21は、端末装置20の各構成部を動作させるための各種情報又はプログラム等を格納する記憶部を備えてよい。記憶部は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよい。記憶部は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてもよい。記憶部は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んで構成されてもよい。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部は、プロセッサ21のワークメモリとして機能してよい。記憶部は、プロセッサ21と一体に構成されてもよいし、プロセッサ21と別体で構成されてもよい。
【0049】
通信部22は、情報処理装置10又はデータベース30等の他の装置とネットワーク80を介して通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応してよい。通信モジュールは、LAN等の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、有線又は無線の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、これらに限られず、種々の通信規格に対応してよい。通信部22は、情報処理装置10又はデータベース30等の他の装置とネットワーク80を介さずに直接通信するように構成されてもよい。
【0050】
表示部23は、情報処理装置10の表示部13と同様に構成されてよい。表示部23は、情報処理装置10から図面データ又は切出領域等に関する情報を受信して表示してよい。
【0051】
入力部24は、情報処理装置10の入力部14と同様に構成されてよい。入力部24は、ユーザからの図面データの選択、又は、切出領域の調整の入力等を受け付けてよい。
【0052】
端末装置20は、例えば、ノートPC(Personal Computer)若しくはタブレットPC等のコンピュータ、又は、スマートフォン若しくはタブレット等の携帯端末として実現されてもよい。端末装置20は、これらの例に限られず、種々の機器を含んでよい。
【0053】
<データベース30>
データベース30は、工事に関する情報を保存する。工事に関する情報は、工事の施工管理に関する情報を含んでよい。工事の施工管理に関する情報は、工事に含まれる工程、各工程の施工予定日、又は、各工程の進捗状況等を含んでよい。データベース30は、工事の施工管理に関する情報を含む場合、施工管理データベースとも称される。工事に関する情報は、工事で使用する図面データ、又は、工事現場の撮影で用いる黒板画像等を含んでよい。
【0054】
データベース30は、少なくとも1台のサーバを含んで構成されてよい。データベース30は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよい。データベース30は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてもよい。データベース30は、情報処理装置10又は端末装置20等の他の装置と通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。
【0055】
以上述べてきた情報処理システム1において、情報処理装置10又はデータベース30は、クラウドサービスを用いて実現されてよい。端末装置20は、クラウド上で実現されている情報処理装置10又はデータベース30と通信可能に構成されてよい。情報処理装置10又はデータベース30は、オンプレミス環境で実現されてもよい。
【0056】
(情報処理システム1の動作例)
以下、情報処理システム1の動作例が説明される。
【0057】
<豆図の切り出し>
情報処理装置10のプロセッサ11は、上述したように、図面データに切出領域を設定して図面データから豆図を切り出す。以下、プロセッサ11が豆図を切り出す動作の一例が説明される。
【0058】
<<図面データの指定>>
ユーザは、豆図を切り出す対象とする図面データを指定する。プロセッサ11は、ユーザが指定した図面データを取得する。
図2に例示されるように、豆図を切り出す対象とする図面データは、複数の頁を含んでよい。
図2に例示される図面データは、N頁のデータのうち1頁目及び2頁目の図面データを表している。左上に「1/N」と表示されている図面データは、1頁目の図面データである。左上に「2/N」と表示されている図面データは、2頁目の図面データである。1頁目の図面データは、柱の断面図を並べた表である。2頁目の図面データは、平面図である。図面データは、断面図又は平面図に限られず、伏図、配筋図又は構造図等の他の種々の図面を含んでよい。
【0059】
<<切出領域の抽出>>
プロセッサ11は、取得した図面データから切出領域を抽出する。プロセッサ11は、図面データの中で切出領域として抽出する領域を仮に設定し、仮に設定した領域の周辺に記載されているワードに基づいて、仮に設定した領域を切出領域として抽出するか決定してよい。プロセッサ11は、仮に設定した領域の図式又はレイアウトに基づいて、仮に設定した領域を切出領域として抽出するか決定してよい。
【0060】
プロセッサ11は、1つの図面データにおいて1つの切出領域を抽出してもよいし、複数の切出領域を抽出してもよい。
【0061】
プロセッサ11は、
図2に例示される図面データの複数の頁のうち表を含む1頁目の図面データを抽出してよい。
図3に例示されるように、図面データの表は、各セルに、図面とその図面に対応するテキストとを含んでよい。
図3に例示される表は、1行目のセルに柱の断面図を含み、2行目のセルに柱を特定する符号を含み、3行目のセルに柱に関する備考を含む。
【0062】
プロセッサ11は、例えば、表のセルの中に図面が記載されている場合に、セルの中の図面の記載領域を切出領域として抽出してよい。プロセッサ11は、表の各セルのうち豆図を切り出す対象とするセルを抽出する。プロセッサ11は、何らかの図面を含むセルを、豆図を切り出す対象とするセルとして抽出してよい。プロセッサ11は、断面図等の特定の図面を含むセルを、豆図を切り出す対象とするセルとして抽出してもよい。プロセッサ11は、豆図を切り出す対象とするセルに色又はパターン等を付して強調してもよい。プロセッサ11は、
図4に例示されるように、豆図を切り出す対象として抽出されるセルに右上がり斜線のハッチングを付して強調してもよい。
【0063】
プロセッサ11は、豆図を切り出す対象として抽出したセルのうち、例えば符号がA3である柱の断面図のセルを選択して、そのセルにおいて切出領域を抽出してよい。
図5に例示されるように、符号がA3である柱の断面図のセルにおいて、プロセッサ11は、セルの中に記載されている断面図の外周から所定の画素数だけ広げた領域42を切出領域として抽出してよい。プロセッサ11は、セルの外周から所定の画素数だけ内側の範囲を切出領域として抽出してもよい。所定の画素数は、1ピクセルに設定されてもよいし、2ピクセル以上の任意の値に設定されてもよい。切出領域の形状は、矩形等の所定の形状であってもよいし、セルの中に記載されている図面の外周の形状に合わせた形状であってもよい。
【0064】
プロセッサ11は、領域抽出モデルを用いて図面データから切出領域を抽出してよい。領域抽出モデルは、図面データを入力として受け付け、その図面データの中に含まれる切出領域に適した領域を出力するように構成される。
【0065】
プロセッサ11は、領域抽出モデルをプロセッサ11自身で生成して用いてもよいし、外部装置から領域抽出モデルを取得して用いてもよい。領域抽出モデルは、図面データを学習データとして学習を実行することによって得られる学習済みモデルとして生成されてよい。領域抽出モデルは、図面データとその図面データから実際に抽出された切出領域との関係を教師データとして学習を実行することによって得られる学習済みモデルとして生成されてよい。教師データは、図面データからユーザが実際に抽出した切出領域を含んでよい。教師データは、図面データにおいてユーザが調整した切出領域を含んでよい。教師データは、図面データから実際に抽出された豆図を含んでよい。
【0066】
領域抽出モデルを生成するために実行する学習で用いられる学習データ又は教師データは、図面データとして、例えば、配筋リスト、鉄筋リスト、伏図若しくは平面図、又は、鉄骨構造標準図等の工事用の図面を含んでよい。配筋リストは、配筋図、鉄筋図又は鉄筋リスト等を含んでよい。配筋リストは、周辺情報として略図又はリストタイトル等を含んでよい。
【0067】
プロセッサ11は、図面データの特徴点を抽出し、特徴点の位置と実際に抽出された豆図の位置及びサイズとの関係の回帰分析を実行し、得られた回帰式に基づいて切出領域を抽出してもよい。
【0068】
プロセッサ11は、図面データに含まれるテキストデータを抽出し、テキストデータの内容及び配置に基づいて切出領域を抽出してもよい。
【0069】
プロセッサ11は、図面データにおいて切出領域の候補となるパターンを表すテンプレートを用いてパターンマッチングを実行することによって切出領域を抽出してもよい。
【0070】
プロセッサ11は、豆図を添付する黒板画像の様式を取得してよい。黒板画像の様式は、黒板画像に記載する項目又は黒板画像のレイアウトを含んでよい。黒板画像のレイアウトは、黒板画像に添付できる豆図のサイズを含んでよい。プロセッサ11は、黒板画像の様式を工事の施工管理情報に基づいて取得してよい。プロセッサ11は、黒板画像の様式をユーザからの入力として取得してよい。
【0071】
<<切出領域の表示>>
プロセッサ11は、抽出した切出領域を、図面データに表示してよい。プロセッサ11は、切出領域の境界線を図面データに表示してよい。以下、プロセッサ11による表示は、情報処理装置10の表示部13に表示すること、又は、端末装置20に表示内容を送信して端末装置20の表示部23に表示させることを含むとする。
【0072】
切出領域の境界線は、
図5に例示される領域42を表す破線の矩形のように、バウンディングボックスの形式で表示されてよい。切出領域の境界線は、例えば縦横に延在する罫線として表されてよい。言い換えれば、切出領域は、縦に延びる2本の罫線と横に延びる2本の罫線とを含む井桁状(#形状)の4本の罫線で囲まれた領域として表されてもよい。切出領域の境界線は、これらの例に限られず、バウンディングボックスと罫線とを組み合わせた形式で表されてよいし、他の種々の形式で表されてもよい。プロセッサ11は、切出領域の境界線の表示態様を設定してよい。境界線の態様は、例えば線の色、太さ、又は、実線若しくは破線等の線種を含んでよい。
【0073】
プロセッサ11は、図面データの上に切出領域を重ねて表示してもよい。プロセッサ11は、切出領域の形状を有する透過パターンを図面データの上に重ねることによって切出領域を表示してもよい。
【0074】
プロセッサ11は、1つの図面データにおいて複数の切出領域を抽出した場合に、各切出領域を図面データに表示してよい。プロセッサ11は、各切出領域を区別できるように異なる態様で図面データに表示してもよい。プロセッサ11は、複数の切出領域のうち、異なる形状で表示する切出領域が存在する場合、異なる形状で表示する各切出領域の境界線の表示態様を異ならせてよい。プロセッサ11は、例えば、異なる形状で表示する切出領域の境界線の色、太さ、又は、実線若しくは破線等の線種を異ならせてよい。
【0075】
<<切出領域の調整>>
プロセッサ11が抽出した切出領域において、豆図として必要な部分が欠けていることがある。また、プロセッサ11が抽出した切出領域は、豆図として不要な部分を含むことがある。そこで、プロセッサ11は、抽出した切出領域を調整し、調整後の切出領域を用いて図面データから豆図を切り出してもよい。
【0076】
プロセッサ11は、ユーザからの調整操作の入力に基づいて切出領域を調整してよい。具体的に、プロセッサ11は、図面データに切出領域を表示してユーザに切出領域を認識させ、ユーザが適切と考える切出領域になるように境界線を動かす調整の入力を受け付けてよい。以下、プロセッサ11による入力の受け付けは、情報処理装置10の入力部14においてユーザの入力を受け付けること、又は、端末装置20の入力部24においてユーザの入力を受け付けて端末装置20からユーザの入力内容を取得することを含むとする。
【0077】
プロセッサ11は、ユーザがバウンディングボックスの位置、角度又はサイズを動かすことによる、切出領域の調整の入力を受け付けてよい。プロセッサ11は、ユーザが罫線の位置又は角度を動かすことによる、切出領域の調整の入力を受け付けてよい。プロセッサ11は、ユーザによる調整の入力を補助するために、バウンディングボックス又は罫線等を図面データに含まれる特徴的な点又は線に合わせて移動させてよい。
【0078】
プロセッサ11は、領域調整モデルを用いて切出領域を調整してよい。領域調整モデルは、抽出された切出領域と、抽出された切出領域に含まれる図面データとを入力として受け付け、切出領域を調整した結果を出力するように構成される。領域調整モデルは、抽出された切出領域の周囲の図面データを更に入力として受け付けるように構成されてもよい。領域調整モデルは、図面データと抽出された切出領域とを入力として受け付けるように構成されてもよい。領域調整モデルは、領域抽出モデルの一部として含まれてもよい。プロセッサ11は、領域抽出モデルと領域調整モデルとを接続した複合モデルを用いてもよい。
【0079】
プロセッサ11は、領域調整モデルをプロセッサ11自身で生成して用いてもよいし、外部装置から領域調整モデルを取得して用いてもよい。領域調整モデルは、抽出された切出領域を学習データとして学習を実行することによって得られる学習済みモデルとして生成されてよい。領域調整モデルは、図面データとその図面データから実際に抽出された切出領域との関係を教師データとして学習を実行することによって得られる学習済みモデルとして生成されてよい。学習データ又は教師データは、領域抽出モデルを生成するために実行する学習で用いられる学習データ又は教師データと同様のデータを含んでよい。
【0080】
プロセッサ11は、抽出した切出領域を図面データに表示した状態で、ユーザからの調整操作の入力を受け付けたり領域調整モデルを用いたりすることによって切出領域を調整してよい。プロセッサ11は、抽出した切出領域を図面データに表示せずに領域調整モデルを用いて切出領域を調整し、調整した後の切出領域を図面データに表示してよい。
【0081】
<<豆図の切り出し>>
プロセッサ11は、抽出した切出領域に含まれる画像を豆図として切り出す。プロセッサ11は、抽出した切出領域をそのまま用いて図面データから豆図を切り出してよい。プロセッサ11は、抽出した切出領域を調整し、調整後の切出領域を用いて図面データから豆図を切り出してもよい。プロセッサ11は、豆図を切り出した後で、後述するように、切り出した豆図を添付した黒板画像を生成してよい。
【0082】
プロセッサ11は、切り出した豆図を、黒板画像に添付せずにデータベース30又は情報処理装置10自身に保存してよい。プロセッサ11は、切り出した豆図を黒板画像にすぐに添付しない場合、後で黒板画像に添付できるように、切り出した豆図とその豆図を添付する対象の黒板画像とを紐づけてよい。プロセッサ11は、切り出した豆図を、1つの黒板画像に紐づけてもよいし、複数の黒板画像に紐づけてもよい。プロセッサ11は、豆図と黒板画像とを紐づけるために、紐づける豆図及び黒板画像のそれぞれに同一の識別子又はタグを付してよい。プロセッサ11は、豆図と黒板画像とを紐づけるために、豆図と黒板画像とを組み合わせたデータセットとして保存してもよい。
【0083】
プロセッサ11は、豆図を切り出した後で、切り出した豆図とその豆図を添付する対象の黒板画像とを紐づけてよい。プロセッサ11は、豆図を切り出す前に、切出領域とその切出領域から切り出した豆図を添付する対象の黒板画像とを紐づけてよい。
【0084】
プロセッサ11は、切り出した豆図とその豆図を添付する黒板画像との組み合わせを、ユーザからの入力に基づいて決定してもよい。具体的に、プロセッサ11は、切り出した豆図を表示部13又は23で表示し、表示した豆図を添付する黒板画像をユーザが選択する入力を受け付けてよい。プロセッサ11は、豆図を切り出す切出領域を表示部13又は23で表示し、表示した切出領域に含まれる図面を豆図として添付する黒板画像をユーザが選択する入力を受け付けてよい。
【0085】
プロセッサ11は、切り出した豆図とその豆図を添付する黒板画像との組み合わせを推定してよい。例えば、プロセッサ11は、切り出した豆図の内容に基づいて、その豆図を添付する黒板画像の候補を抽出してよい。プロセッサ11は、抽出した全ての候補に、切り出した豆図を紐づけてもよい。プロセッサ11は、抽出した候補からユーザが選択した黒板画像に、切り出した豆図を紐づけてもよい。プロセッサ11は、豆図を切り出す切出領域に基づいて、その切出領域から切り出した豆図を添付する黒板画像の候補を抽出してよい。プロセッサ11は、抽出した全ての候補に、切出領域を紐づけてもよい。プロセッサ11は、抽出した候補からユーザが選択した黒板画像に、切出領域を紐づけてもよい。
【0086】
<<豆図の切り出しの小括>>
以上述べてきたように、情報処理装置10のプロセッサ11は、図面データから豆図を切り出してよい。プロセッサ11は、後述するように、切り出した豆図を添付した黒板画像を生成してもよい。プロセッサ11は、上述したように、切り出した豆図をすぐに黒板画像に添付せずに保存してもよい。プロセッサ11は、切り出した豆図を黒板画像に紐づけて保存してよい。プロセッサ11は、切り出した豆図を保存した後で黒板画像に紐づけてもよい。
【0087】
<テキストデータの抽出>
図面に記載されている寸法又は注釈等のテキストデータを黒板画像に転記することがある。図面データからテキストデータを抽出する作業を手動で実行する場合、作業負担が大きい。手動の作業は、テキストデータを抽出する対象のばらつき又は誤りを生じさせ得る。テキストデータを抽出する作業の効率化が求められる。
【0088】
情報処理装置10のプロセッサ11は、図面データからテキストデータを抽出してもよい。以下、プロセッサ11がテキストデータを抽出する動作の一例が説明される。
【0089】
プロセッサ11は、例えば、表のセルの中にテキストデータが記載されている場合に、セルの中に記載されているテキストデータを抽出してよい。プロセッサ11は、例えば
図3の表において、2行目の符号のセルに記載されている「A1」、「A2」、「A3」又は「A4」等のテキストデータを抽出してよい。プロセッサ11は、例えば
図3の表において、3行目の備考のセルに記載されている「XXX」等のテキストデータを抽出してよい。
【0090】
プロセッサ11は、領域抽出モデルを用いて図面データからテキストデータを抽出してよい。この場合、領域抽出モデルは、図面データを入力として受け付け、豆図を切り出す切出領域だけでなく、図面データから抽出するテキストデータを出力するように構成されてよい。領域抽出モデルは、テキストデータを含む学習データ又は教師データを用いて学習を実行することによって生成されてよい。
【0091】
プロセッサ11は、テキスト抽出モデルを用いて図面データからテキストデータを抽出してよい。テキスト抽出モデルは、領域抽出モデルと異なるモデルであるとする。プロセッサ11は、テキスト抽出モデルをプロセッサ11自身で生成して用いてもよいし、外部装置からテキスト抽出モデルを取得して用いてもよい。テキスト抽出モデルは、図面データを学習データとして学習を実行することによって得られる学習済みモデルとして生成されてよい。テキスト抽出モデルは、図面データとその図面データから実際に抽出されたテキストデータとの関係を教師データとして学習を実行することによって得られる学習済みモデルとして生成されてよい。教師データは、図面データからユーザが実際に抽出したテキストデータを含んでよい。
【0092】
テキスト抽出モデルを生成するために実行する学習で用いられる学習データ又は教師データは、領域抽出モデルを生成するために実行する学習で用いられる学習データ又は教師データと同様のデータを含んでよい。
【0093】
プロセッサ11は、図面データが複数の頁を含む場合、図面又は画像を含む頁からテキストデータを抽出してもよいし、図面及び画像を含まない頁からテキストデータを抽出してもよい。
【0094】
プロセッサ11は、抽出したテキストデータを貼り付けた黒板画像を生成してもよい。プロセッサ11は、抽出したテキストデータを、黒板画像に添付せずにデータベース30又は情報処理装置10自身に保存してよい。プロセッサ11は、抽出したテキストデータを黒板画像にすぐに添付しない場合、後で黒板画像に添付できるように、抽出したテキストデータとそのテキストデータを添付する対象の黒板画像とを紐づけてよい。プロセッサ11は、抽出したテキストデータを、1つの黒板画像に紐づけてもよいし、複数の黒板画像に紐づけてもよい。プロセッサ11は、テキストデータと黒板画像とを紐づけるために、紐づけるテキストデータ及び黒板画像のそれぞれに同一の識別子又はタグを付してよい。プロセッサ11は、テキストデータと黒板画像とを紐づけるために、テキストデータと黒板画像とを組み合わせたデータセットとして保存してもよい。
【0095】
プロセッサ11は、抽出したテキストデータと切り出した豆図とを紐づけてもよい。プロセッサ11は、抽出したテキストデータを、豆図と黒板画像とを組み合わせたデータに紐づけてもよい。
【0096】
<黒板画像の生成>
情報処理装置10のプロセッサ11は、図面データから切り出した豆図を添付した黒板画像を生成してよい。プロセッサ11は、図面データから抽出したテキストデータを黒板画像に貼り付けてもよい。
【0097】
プロセッサ11は、
図6に例示されるように、切り出した豆図を添付し、抽出したテキストデータを貼り付けた黒板画像を生成してよい。
図6に例示した黒板画像は、
図3に例示される表の、符号「A3」に対応する断面図のセルから切り出した豆図と、符号「A3」及び備考「XXX」のテキストデータとを含む。プロセッサ11は、施工管理データベースに登録されている黒板レイアウトの中からレイアウトを指定し、そのレイアウトに設定されている項目名の入力を受け付け、入力された項目名に基づいて図面データからテキストデータを抽出し、抽出したテキストデータをその項目名の内容として転記した黒板画像を生成してもよい。また、プロセッサ11は、図面データから施工管理データベースに登録されている黒板レイアウトから適切な黒板レイアウトを自動的に抽出し、且つ、抽出したレイアウトに設定されている項目名の内容として転記するテキストデータを図面データから抽出し、抽出したテキストデータをその項目名の内容として転記した黒板画像を生成してもよい。
【0098】
図6に例示した黒板画像は、工事名及び工種をあらかじめ指定して生成されている。プロセッサ11は、黒板画像を生成する対象とする工事名及び工種を取得してよい。プロセッサ11は、施工管理に関する情報から工事名及び工種を取得してよい。プロセッサ11は、黒板画像を生成する対象とする工事名及び工種に対応する図面データにおいて切出領域を抽出して豆図を切り出し、黒板画像に添付してよい。プロセッサ11は、黒板画像を生成する対象とする工事名及び工種に対応する図面データからあらかじめ切り出して保存しておいた豆図を取得し、黒板画像に添付してよい。
【0099】
<フローチャート例>
情報処理装置10のプロセッサ11は、
図7に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行してよい。情報処理方法は、プロセッサ11に実行させる情報処理プログラムとして実現されてもよい。情報処理プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0100】
プロセッサ11は、図面データを指定する(ステップS1)。プロセッサ11は、情報処理装置10の入力部14でユーザから図面データを指定する入力を受け付けてよいし、端末装置20の入力部24でユーザから入力された図面データの指定を端末装置20から取得してよい。
【0101】
プロセッサ11は、指定された図面データから豆図を切り出すための切出領域を抽出する(ステップS2)。プロセッサ11は、指定された図面データをモデルに入力し、モデルから出力される結果に基づいて切出領域を抽出してよい。プロセッサ11は、指定された図面データから所定のアルゴリズムに基づいて切出領域を抽出してよい。
【0102】
プロセッサ11は、切出領域を調整する(ステップS3)。プロセッサ11は、表示部13又は端末装置20の表示部23において切出領域を図面データに重ねて表示してよい。プロセッサ11は、入力部14又は端末装置20の入力部24によってユーザが切出領域を調整する入力を受け付けてよい。プロセッサ11は、ユーザが入力した内容に基づいて切出領域を調整してよい。プロセッサ11は、切出領域を調整するためのモデル又はアルゴリズムを用いて切出領域を調整してもよい。プロセッサ11は、ステップS3の調整手順を実行しなくてもよい。
【0103】
プロセッサ11は、図面データから豆図を切り出す(ステップS4)。プロセッサ11は、ステップS3の調整手順を実行した場合、ステップS3で調整を完了した切出領域に含まれる図面を豆図として切り出す。プロセッサ11は、ステップS3の調整手順を実行しなかった場合、ステップS2で抽出した切出領域に含まれる図面を豆図として切り出す。
【0104】
プロセッサ11は、図面データからテキストデータを抽出する(ステップS5)。プロセッサ11は、ステップS5のテキストデータの抽出手順を実行しなくてもよい。
【0105】
プロセッサ11は、黒板画像を生成する(ステップS6)。プロセッサ11は、ステップS4の手順で切り出した豆図を添付した黒板画像を生成してよい。プロセッサ11は、あらかじめ切り出して保存しておいた豆図を添付した黒板画像を生成してもよい。プロセッサ11は、ステップS5の手順で抽出したテキストデータを貼り付けた黒板画像を生成してよい。プロセッサ11は、黒板画像に記載するテキストデータの入力をユーザから受け付け、ユーザが入力したテキストデータを貼り付けた黒板画像を生成してよい。プロセッサ11は、黒板レイアウトの指定を受け付けたり黒板レイアウトを自動的に抽出したりすることによって、黒板レイアウトを用いて黒板画像を生成してもよい。
【0106】
プロセッサ11は、ステップS6の手順の実行後、
図7のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0107】
プロセッサ11は、ステップS4の豆図の切り出し手順までで
図7のフローチャートの実行を終了してもよい。プロセッサ11は、豆図を切り出した後、切り出した豆図をデータベース30又は情報処理装置10自身に保存してよい。プロセッサ11は、保存した豆図を、その豆図を添付する黒板画像に紐づけてよい。
【0108】
プロセッサ11は、ステップS5のテキストデータの抽出手順までで
図7のフローチャートの実行を終了してもよい。プロセッサ11は、テキストデータを抽出した後で、抽出したテキストデータをデータベース30又は情報処理装置10自身に保存してよい。プロセッサ11は、保存したテキストデータを、そのテキストデータを貼り付ける黒板画像に紐づけてよい。
【0109】
<まとめ>
以上述べてきたように、本実施形態に係る情報処理システム1、情報処理方法及び情報処理プログラムによれば、黒板画像に添付する豆図が図面データから切出される。このようにすることで、黒板画像を生成する作業負担が軽減する。その結果、黒板画像の生成が簡便化される。また、黒板画像生成の作業効率が高められる。
【0110】
(他の実施形態)
以下、情報処理システム1、情報処理方法及び情報処理プログラムの他の実施形態が説明される。
【0111】
<図面データの形式の例>
情報処理装置10のプロセッサ11は、入力部14によって切出領域を抽出する図面データをユーザが指定する入力を受け付けてよい。プロセッサ11は、切出領域を抽出する図面データをユーザが指定する入力を端末装置20の入力部24によって受け付け、ユーザによる図面データの指定を端末装置20から取得してよい。つまり、プロセッサ11は、切出領域を抽出する図面データの指定を取得してよい。
【0112】
プロセッサ11は、図面データとして図面画像の指定を取得してよい。プロセッサ11は、図面データとして図面画像が指定された場合、図面画像において切出領域を抽出する。
【0113】
プロセッサ11は、図面データとして図面ファイルを取得してよい。図面ファイルは、例えばCADで使用可能なベクターデータによって図面を表したファイルを含んでよい。プロセッサ11は、ユーザによる図面ファイルのアップロードを実行することによって図面ファイルを取得してよい。プロセッサ11は、ユーザによって既にアップロードされた図面ファイルを選択することによって図面ファイルを取得してよい。プロセッサ11は、図面ファイルを画像化して図面画像を生成してよい。プロセッサ11は、生成した図面画像を図面データとして指定し、生成した図面画像において切出領域を抽出してよい。
【0114】
プロセッサ11は、図面データとして、図面ファイルから既に画像化された図面画像を取得してよい。例えば、プロセッサ11は、既に画像化された図面ファイルから図面画像を選択して図面データとして指定する入力を受け付けてよい。言い換えれば、プロセッサ11は、図面ファイルから既に画像化された図面画像の選択を、図面ファイルの指定として取得してよい。
【0115】
プロセッサ11は、豆図を添付する黒板画像を使用する工事現場に関する施工管理データベースの情報を取得してよい。プロセッサ11は、施工管理データベースの情報に基づいて、豆図を切り出す対象とする図面ファイルを決定し、図面ファイルを画像化して前記図面画像を生成して図面データとして指定してよい。
【0116】
<領域抽出モデルが出力した切出領域の確信度>
領域抽出モデルは、図面データから切出領域として抽出する領域の候補と、各候補の確信度とを出力するように構成されてよい。確信度は、領域抽出モデルから出力される切出領域の候補の尤もらしさの度合いを表す指標である。例えば、出力された領域の候補がそのまま切出領域として採用される確率が高いほど、その候補の確信度が高いとみなされてよい。また、出力された領域の候補が調整されて切出領域として採用される場合に、調整前後の差が小さいほど、その候補の確信度が高いとみなされてよい。
【0117】
プロセッサ11は、領域抽出モデルから出力される切出領域の候補を、確信度に基づいて調整し、調整後の切出領域を図面データに表示してよい。例えば、領域抽出モデルは、
図4の表を入力として受け付けた場合に、1行目のセルに含まれる断面図を切出領域の候補として出力してよい。プロセッサ11は、確信度が最も高くなっている切出領域のバウンディングボックスの高さに、1行目のセルで抽出される全ての切出領域のバウンディングボックスの高さを合わせるように調整してよい。
【0118】
プロセッサ11は、領域抽出モデルから出力された切出領域の候補を図面データに表示する際に、確信度に応じた異なる表示態様で切出領域の候補を表示してもよい。プロセッサ11は、例えば、確信度が高い候補を、確信度が低い候補よりも強調して表示してよい。表示の強調は、線を太くすること、又は、線の色を図面データの色に対して目立つ色にすること等の手段で実現されてよい。
【0119】
<図面データに含まれる複数の頁から抽出する頁の例>
上述してきた切出領域の抽出の動作例において、プロセッサ11は、図面データのうち表を含む頁を抽出したが、表を含まない頁を抽出してもよい。プロセッサ11は、豆図として切り出す対象となる図面又は画像を含む頁を抽出してよい。プロセッサ11は、図面データからテキストデータを抽出するために、図面及び画像を含まない頁を抽出してもよい。
【0120】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態について装置を中心に説明してきたが、本開示に係る実施形態は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0121】
1 情報処理システム
10 情報処理装置(11:プロセッサ、12:通信部、13:表示部、14:入力部)
20 端末装置(21:プロセッサ、22:通信部、23:表示部、24:入力部)
30 データベース
41 セル
42 領域
80 ネットワーク