IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ JFEスチール株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-バーナノズル 図1
  • 特開-バーナノズル 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154804
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】バーナノズル
(51)【国際特許分類】
   F23Q 9/00 20060101AFI20241024BHJP
   F23D 14/48 20060101ALI20241024BHJP
   F23D 14/22 20060101ALI20241024BHJP
   F23D 14/74 20060101ALI20241024BHJP
   F23Q 3/00 20060101ALI20241024BHJP
   F23N 5/08 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F23Q9/00 B
F23D14/48 B
F23Q9/00 M
F23Q9/00 J
F23Q9/00 K
F23D14/22 D
F23D14/74 D
F23Q3/00 102E
F23Q3/00 102B
F23N5/08 G
F23N5/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068885
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】向井 協
(72)【発明者】
【氏名】富永 健一
【テーマコード(参考)】
3K005
3K017
3K019
【Fターム(参考)】
3K005AB05
3K005AC02
3K017CB02
3K019BA01
3K019BB02
3K019CC01
3K019CC02
(57)【要約】
【課題】逆火の危険がなく安定したパイロット火炎の形成が可能なパイロットバーナを有し、燃焼容量が小さいガス種においても十分なメイン燃料の流量を確保することができるバーナノズルを提供する。
【解決手段】本発明によるバーナノズル1は、ガンヘッド9に、メインバーナ用の燃料であるメイン燃料をメインバーナに供給するメイン燃料流路8と、メイン燃料とは別に、パイロットバーナ用の燃料であるパイロット燃料を供給するパイロット燃料流路6と、パイロットバーナ用のエアであるパイロットエアを供給するパイロットエア流路7とを形成し、パイロット燃料流路とパイロットエア流路とを有するパイロットバーナは、メインバーナとは互いに独立したパイロットバーナ機能を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナの燃料を供給するバーナノズルにおいて、
ガンヘッドに、メインバーナ用の燃料であるメイン燃料を前記メインバーナに供給するメイン燃料流路と、前記メイン燃料とは別に、パイロットバーナ用の燃料であるパイロット燃料を供給するパイロット燃料流路と、前記パイロットバーナ用のエアであるパイロットエアを供給するパイロットエア流路とを形成し、前記パイロット燃料流路とパイロットエア流路とを有する前記パイロットバーナは、前記メインバーナとは独立したパイロットバーナ機能を有することを特徴とするバーナノズル。
【請求項2】
前記ガンヘッドに、パイロット燃料吐出用パイプと、該パイロット燃料吐出用パイプの外側に配置したパイロットエア吐出用パイプと、該パイロットエア吐出用パイプの外側に配置したメイン燃料吐出用パイプとからなる三重管構造を有し、
前記パイロット燃料吐出用パイプの内部に前記パイロット燃料流路が設けられ、前記パイロット燃料吐出用パイプと前記パイロットエア吐出用パイプとの間に前記パイロットエア流路が設けられ、前記パイロットエア吐出用パイプと前記メイン燃料吐出用パイプとの間に前記メイン燃料流路が設けられており、前記メイン燃料吐出用パイプのメイン燃料吐出口付近にて前記パイロット燃料と前記パイロットエアとが混合されて拡散燃焼するように構成されている、請求項1に記載のバーナノズル。
【請求項3】
前記パイロット燃料吐出用パイプの先端部に、前記パイロット燃料をノズル中央から半径方向外側へ放射状に分散させる流路を複数有するノズルキャップを有し、前記ノズルキャップによって前記パイロット燃料が前記メイン燃料吐出口よりも上流側で径方向外側に吐出され、前記パイロット燃料と前記パイロットエアとが混合される、請求項2に記載のバーナノズル。
【請求項4】
前記メイン燃料吐出用パイプの先端部内側に前記バーナノズルの下流側に突出するメイン燃料吐出部を有し、さらに前記メイン燃料吐出用パイプの先端部に前記メイン燃料吐出部より下流側に延びる保炎フードを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のバーナノズル。
【請求項5】
前記ノズルキャップの先端部が前記バーナノズルの下流側に向かって半径方向外側に広がる構造を有し、前記メイン燃料吐出部との間に隙間を形成し、該隙間においてスパークを発生させる、請求項4に記載のバーナノズル。
【請求項6】
前記ノズルキャップによって前記パイロットエア吐出用パイプと前記パイロット燃料吐出用パイプとが一体となった導電性を有する内筒と、前記メイン燃料吐出用パイプのメイン燃料吐出部とが耐熱性を有する電気絶縁材によって支持され、該電気絶縁材よりも上流において前記内筒と前記メイン燃料吐出用パイプとが樹脂材によって電気的に絶縁されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のバーナノズル。
【請求項7】
前記内筒を高圧電極とし、前記メイン燃料吐出用パイプを接地側電極として、前記内筒と前記メイン燃料吐出用パイプとの間に高電圧を印加して、前記パイロット燃料と前記パイロットエアとの混合部にスパークを発生させてパイロット火炎を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載のバーナノズル。
【請求項8】
前記ガンヘッドに、パイロット火炎の点火状態を目視で監視するためのサイトホールと、パイロット火炎の検出が可能なウルトラビジョンとを、少なくとも各1つずつ設け、目視およびセンサによるパイロット火炎の状態の監視を両立できるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のバーナノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパイロットバーナ機能を有したバーナノズルとしては、メインバーナ用の燃料ガスが流れる外管内に一次空気が流れる中間管を設置し、この中間管内にバイロットバーナ用の燃料ガスである予混合ガスが流れる内管を設置したバーナノズルがある(特許文献1参照)。このバーナノズルにおいて、バーナの中心部に予混合ガスによるパイロット火炎が形成され、また中間管から噴出させる一次空気がパイロット火炎を安定燃焼させている。
【0003】
また、内側から外側に向かってメイン燃料吐出用パイプ、パイロット燃料吐出用パイプ、パイロットエア吐出用パイプが順に配置された三重管構造を有し、各流路に設けられる流量検出用オリフィスや圧力プラグをガンヘッドに一体化したバーナノズルも提案されている(特許文献2参照)。このバーナノズルにより、燃料吐出構造のコンパクト化を図るとともに、安定燃焼を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-117612号公報
【特許文献2】特開平9-310820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたバーナノズルにおいては、パイロットバーナに予混合ガスを用いるため、逆火が発生するおそれがある。
【0006】
また、特許文献2に記載されたバーナノズルにおいては、最も内側のパイプをメインバーナ用の燃料ガスの流路としているため、燃焼容量の小さいガス種をメインバーナ用の燃料として使用する際に十分なメイン燃料流量を確保できない問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、逆火の危険がなく安定したパイロット火炎の形成が可能であり、燃焼容量が小さいガス種においても十分なメイン燃料の流量を確保することができるバーナノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
[1]バーナの燃料を供給するバーナノズルにおいて、
ガンヘッドに、メインバーナ用の燃料であるメイン燃料を前記メインバーナに供給するメイン燃料流路と、前記メイン燃料とは別に、パイロットバーナ用の燃料であるパイロット燃料を供給するパイロット燃料流路と、前記パイロットバーナ用のエアであるパイロットエアを供給するパイロットエア流路とを形成し、前記パイロット燃料流路とパイロットエア流路とを有する前記パイロットバーナは、前記メインバーナとは独立したパイロットバーナ機能を有することを特徴とするバーナノズル。
【0009】
[2]前記ガンヘッドに、パイロット燃料吐出用パイプと、該パイロット燃料吐出用パイプの外側に配置したパイロットエア吐出用パイプと、該パイロットエア吐出用パイプの外側に配置したメイン燃料吐出用パイプとからなる三重管構造を有し、
前記パイロット燃料吐出用パイプの内部に前記パイロット燃料流路が設けられ、前記パイロット燃料吐出用パイプと前記パイロットエア吐出用パイプとの間に前記パイロットエア流路が設けられ、前記パイロットエア吐出用パイプと前記メイン燃料吐出用パイプとの間に前記メイン燃料流路が設けられており、前記メイン燃料吐出用パイプのメイン燃料吐出口付近にて前記パイロット燃料と前記パイロットエアとが混合されて拡散燃焼するように構成されている、上記[1]に記載のバーナノズル。
【0010】
[3]前記パイロット燃料吐出用パイプの先端部に、前記パイロット燃料をノズル中央から半径方向外側へ放射状に分散させる流路を複数有するノズルキャップを有し、前記ノズルキャップによって前記パイロット燃料が前記メイン燃料吐出口よりも上流側で径方向外側に吐出され、前記パイロット燃料と前記パイロットエアとが混合される、前記[2]に記載のバーナノズル。
【0011】
[4]前記メイン燃料吐出用パイプの先端部内側に前記バーナノズルの下流側に突出するメイン燃料吐出部を有し、さらに前記メイン燃料吐出用パイプの先端部に前記メイン燃料吐出部より下流側に延びる保炎フードを有する、前記[1]~[3]のいずれか一項に記載のバーナノズル。
【0012】
[5]前記ノズルキャップの先端部が前記バーナノズルの下流側に向かって半径方向外側に広がる構造を有し、前記メイン燃料吐出部との間に隙間を形成し、該隙間においてスパークを発生させる、前記[4]に記載のバーナノズル。
【0013】
[6]前記ノズルキャップによって前記パイロットエア吐出用パイプと前記パイロット燃料吐出用パイプとが一体となった導電性を有する内筒と、前記メイン燃料吐出用パイプのメイン燃料吐出部とが耐熱性を有する電気絶縁材によって支持され、該電気絶縁材よりも上流において前記内筒と前記メイン燃料吐出用パイプとが樹脂材によって電気的に絶縁されている、前記[1]~[5]のいずれか一項に記載のバーナノズル。
【0014】
[7]前記内筒を高圧電極とし、前記メイン燃料吐出用パイプを接地側電極として、前記内筒と前記メイン燃料吐出用パイプとの間に高電圧を印加して、前記パイロット燃料と前記パイロットエアとの混合部にスパークを発生させてパイロット火炎を形成する、前記[1]~[6]のいずれか一項に記載のバーナノズル。
【0015】
[8]前記ガンヘッドに、パイロット火炎の点火状態を目視で監視するためのサイトホールと、パイロット火炎の検出が可能なウルトラビジョンとを、少なくとも各1つずつ設け、目視およびセンサによるパイロット火炎の状態の監視を両立できるように構成されている、前記[1]~[7]のいずれか一項に記載のバーナノズル。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、逆火の危険がなく安定したパイロット火炎の形成が可能なパイロットバーナを有し、燃焼容量が小さいガス種においても十分なメイン燃料の流量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明によるバーナノズルの好適な一例を示す図である。
図2図1に示したバーナノズルの先端部の詳細構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本発明によるバーナノズルは、ガンヘッドに、メインバーナ用の燃料であるメイン燃料をメインバーナに供給するメイン燃料流路と、メイン燃料とは別に、パイロットバーナ用の燃料であるパイロット燃料を供給するパイロット燃料流路と、パイロットバーナ用のエアであるパイロットエアを供給するパイロットエア流路とを形成し、パイロット燃料流路とパイロットエア流路とを有するパイロットバーナは、メインバーナとは独立したパイロットバーナ機能を有することを特徴とする。なお、本発明において、「パイロットバーナは、メインバーナとは独立したパイロットバーナ機能を有する」とは、パイロットバーナとメインバーナとが互いに独立してバーナ機能を有し、メインバーナが消火状態にあってもパイロットバーナのみの点火状態が維持できることを意味する。
【0019】
図1は、本発明によるバーナノズルの好適な一例を示している。また、図2は、図1に示したバーナノズル1の先端部14の詳細構造を示している。図1に示したバーナノズル1は、ガンヘッド9に、パイロット燃料吐出用パイプ2と、該パイロット燃料吐出用パイプ2の外側に配置したパイロットエア吐出用パイプ3と、該パイロットエア吐出用パイプ3の外側に配置したメイン燃料吐出用パイプ5とからなる三重管構造を有する。
【0020】
上記三重管構造において、パイロット燃料吐出用パイプ2の内部に、パイロットバーナ用の燃料(パイロット燃料)を供給するパイロット燃料流路6が設けられている。また、パイロット燃料吐出用パイプ2とパイロットエア吐出用パイプ3との間に、パイロットバーナ用の空気(パイロットエア)を供給するパイロットエア流路7が設けられている。さらに、パイロットエア吐出用パイプ3とメイン燃料吐出用パイプ5との間に、メインバーナ用の燃料(メイン燃料)を供給するメイン燃料流路8が設けられている。そして、図2に示すように、メイン燃料吐出用パイプ5のメイン燃料吐出口17付近にてパイロット燃料とパイロットエアとが混合されて拡散燃焼するように構成されている。
【0021】
また、ガンヘッド9には、パイロット火炎の点火状態を目視で監視するためのサイトホール10と、パイロット火炎の検出が可能なウルトラビジョンを取り付けるためのウルトラビジョン取付口11とが、それぞれ少なくとも1つずつ設けられている。さらに、ガンヘッド9には、パイロットエア吐出用パイプ3へ点火プラグ(図示せず)を接続するための点火プラグ取付口13が設けられている。
【0022】
このように、バーナノズル1においては、パイロットエア吐出用パイプ3およびパイロット燃料吐出用パイプ2によってパイロットエア流路7とパイロット燃料流路6とを別個に設け、メイン燃料吐出用パイプ5のメイン燃料吐出口17付近にてパイロット燃料とパイロットエアとを混合させることにより、パイロットバーナの拡散燃焼を達成している。その結果、着火遅れ等による逆火の危険がなくなり、安全性の高いパイロット燃焼を実現することができる。
【0023】
また、三重管構造の最外層の流路をメイン燃料流路8とすることにより、メイン燃料の流路面積を確保することが容易となり、燃焼容量が小さいガス種をメイン燃料とする場合においても十分な流量を確保することができ、バーナの燃焼容量を大きくすることができる。
【0024】
図2を参照すると、パイロット燃料吐出用パイプ2の先端部2aにはノズルキャップ19が取り付けられており、ノズルキャップ19には、パイロット燃料をノズル中央から半径方向外側へ放射状に分散させる放射状流路6aが複数設けられた傘構造を有している。
【0025】
上述のように、バーナノズル1においては、最内層にパイロット燃料流路6が設けられ、その外側にパイロットエア流路7が設けられているが、このようなノズル構造とすると、ノズル先端部14においてパイロット燃料とパイロットエアとが良好に混合せずに着火性や火炎の安定性が不十分となるおそれがある。この点、ノズル中央から半径方向外側へ放射状に延びる放射状流路6aを複数設け、メイン燃料吐出口17よりも上流側にてパイロット燃料をパイロット燃料吐出用パイプ2の半径方向外側に分散させることによって、パイロット燃料吐出口20にてパイロット燃料とパイロットエアとの混合性を高めることができ、その下流側でパイロット火炎を放射状に良好に形成することができる。
【0026】
なお、ノズルキャップ19は着脱可能に構成されており、ノズルキャップ19を交換することによって、パイロット燃料の流速や吐出角度などを変更し、パイロット火炎を調整することを可能にしている。
【0027】
上述のように、ノズルキャップ19は、パイロット燃料流路6が下流側ほど半径方向外側に広がる傘構造を有しており、パイロット火炎がノズル中央から放射状に形成される。これにより、ノズル中央から半径方向外側へずれた位置に火炎目視用のサイトホール10および火炎検出用のウルトラビジョンを取り付けることが可能となる。サイトホール10およびウルトラビジョン取付口11は、メイン燃料流路8に通じており、ウルトラビジョンをウルトラビジョン取付口11に取り付けることによって、目視およびセンサによるパイロット火炎の状態の監視を両立させることができる。
【0028】
また、ノズルキャップ19は、導電性材料で構成されており、図2に示されていない位置にて、パイロットエア吐出用パイプ3にも接触している。これにより、パイロット燃料吐出用パイプ2とパイロットエア吐出用パイプ3とが電気的に一体となり、導電性を有する内筒4を形成している。また、メイン燃料吐出用パイプ5のメイン燃料吐出部16とパイロットエア吐出用パイプ3とは、バーナ先端部において耐熱性を有する電気絶縁材15によって支持され、電気絶縁材15よりも上流、例えばガンヘッド9内で樹脂材12を介して電気的に絶縁されている。
【0029】
上述の構造において、点火プラグ(図示せず)をパイロットエア吐出用パイプ3に接触させることによって内筒4を高圧電極とする一方、メイン燃料吐出用パイプ5を接地側電極とし、内筒4とメイン燃料吐出用パイプ5との間に高電圧(例えば、1万~3万V)を印加することによって、スパーク部21にてスパークを発生させてパイロット火炎を形成するように構成されている。
【0030】
また、メイン燃料吐出用パイプ5の先端部内側においてバーナノズル1の下流側に突出するメイン燃料吐出部16が設けられ、メイン燃料がメイン燃料吐出口17より吐出される。さらに、メイン燃料吐出部16の下流側に延びる保炎フード18が設けられており、メインバーナの火炎を安定的に保つことができる。
【0031】
ノズルキャップ19の先端部がバーナノズル1の下流側に向かって半径方向外側に広がる構造を有し、メイン燃料吐出部16との間、すなわち、内筒4と保炎フード18との間であり、パイロット燃料とエアの混合気が吐出する位置に隙間を形成し、該隙間においてスパークを発生させることが好ましい。つまり、上記隙間をスパーク部21とすることが好ましい。これにより、パイロット燃料とパイロットエアとの混合流体の吐出部においてスパークを発生させ、パイロットバーナの点火を行うことができる。
【0032】
ここで、上記バーナノズル1の動作について説明する。まず、パイロット燃料供給源(図示せず)からパイロット燃料流路6にパイロット燃料を供給するとともに、パイロットエア供給源(図示せず)からパイロットエアを供給する。次いで、点火プラグ取付口13に取り付けられた点火プラグ(図示せず)(パイロットエア吐出用パイプ3)とメイン燃料吐出用パイプ5との間に高電圧(例えば、1万V)を印加してスパークを発生させてパイロットバーナを点火する。サイトホール10およびウルトラビジョン取付口11に取り付けられたウルトラビジョンによってパイロット火炎が確認されたら、メイン燃料供給源(図示せず)からメイン燃料をメイン燃料流路8に供給するとともに、メインバーナ用のエアであるメインエアを供給するメインエア供給源(図示せず)からメインエアをメイン燃料に供給する。こうして、メインバーナを点火することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明によれば、逆火の危険がなく安定したパイロット火炎の形成が可能なパイロットバーナを有し、燃焼容量が小さいガス種においても十分なメイン燃料の流量を確保することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 バーナノズル
2 パイロット燃料吐出用パイプ
2a 先端部
3 パイロットエア吐出用パイプ
4 内筒
5 メイン燃料吐出用パイプ
6 パイロット燃料流路
6a 放射状流路
7 パイロットエア流路
8 メイン燃料流路
9 ガンヘッド
10 サイトホール
11 ウルトラビジョン取付口
12 樹脂材
13 点火プラグ取付口
14 先端部
15 電気絶縁材
16 メイン燃料吐出部
17 メイン燃料吐出口
18 保炎フード
19 ノズルキャップ
20 パイロット燃料吐出口
21 スパーク部
図1
図2