(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154818
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】フィーダ、フィーダセットアップ装置およびキャリアテープ装填方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068916
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大樹
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353GG01
5E353HH01
5E353HH11
5E353HH12
5E353HH13
5E353HH22
5E353HH30
5E353HH32
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353JJ50
5E353KK02
5E353KK03
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】フィーダ本体部に対してテープガイドを持ち上げ可能なフィーダ、フィーダセットアップ装置およびキャリアテープ装填方法を開示する。
【解決手段】フィーダは、テープガイドとフィーダ本体部を具備する。テープガイドは、第一側壁部と第二側壁部と操作部を備える。第一側壁部は、部品を収容するキャリアテープが部品の採取位置に向かって搬送されるときにキャリアテープの上面を押さえる押さえ部の幅方向の両端部に設けられる一対の側壁部のうちの一方である。第二側壁部は、一対の側壁部のうちの他方であってキャリアテープの搬送方向の上流側の部位が第一側壁部よりも鉛直方向の下方に長く形成されている。操作部は、第二側壁部の鉛直方向の下方に設けられる部位であって第二側壁部を鉛直方向の上方に持ち上げ可能である。フィーダ本体部は、操作部を鉛直方向の上方に持ち上げ可能にテープガイドが取り付けられている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収容するキャリアテープが前記部品の採取位置に向かって搬送されるときに前記キャリアテープの上面を押さえる押さえ部の幅方向の両端部に設けられる一対の側壁部のうちの一方である第一側壁部と、
前記一対の側壁部のうちの他方であって前記キャリアテープの搬送方向の上流側の部位が前記第一側壁部よりも鉛直方向の下方に長く形成されている第二側壁部と、
前記第二側壁部の前記鉛直方向の下方に設けられる部位であって前記第二側壁部を前記鉛直方向の上方に持ち上げ可能な操作部と、
を備えるテープガイドと、
前記操作部を前記鉛直方向の上方に持ち上げ可能に前記テープガイドが取り付けられているフィーダ本体部と、
を具備するフィーダ。
【請求項2】
前記操作部は、前記第二側壁部の前記鉛直方向の下端から前記第一側壁部の側に突出しており、
前記第二側壁部および前記操作部は、前記キャリアテープの搬送方向視においてL字状に形成されている請求項1に記載のフィーダ。
【請求項3】
前記キャリアテープは、
前記部品を収容するキャビティが所定間隔で形成されているベーステープと、
前記キャビティの開口部を閉塞するカバーテープと、
を備え、
前記第一側壁部は、前記キャリアテープの前記搬送方向の前記採取位置よりも上流側に設けられる部位であって、前記ベーステープから剥離された前記カバーテープを差し込み可能に切り欠けられている第一切欠き部を備える請求項1または請求項2に記載のフィーダ。
【請求項4】
前記フィーダ本体部は、
前記キャリアテープの前記搬送方向の上流側において前記テープガイドを前記鉛直方向の下方に付勢する付勢部材を収納する部位であって前記鉛直方向に沿った方向に延伸する収納部と、
前記キャリアテープの前記搬送方向の下流側において前記テープガイドを支持する一対の支持部と、
を備える請求項1に記載のフィーダ。
【請求項5】
前記テープガイドは、
前記操作部に形成される部位であって、前記収納部に沿って摺動可能に切り欠けられている第二切欠き部と、
前記キャリアテープの前記搬送方向の下流側の前記第一側壁部および前記第二側壁部の端部に形成される部位であって、前記一対の支持部によって支持可能に前記鉛直方向に沿った方向に延伸する一対の長穴部と、
を備え、前記操作部が前記鉛直方向の上方に持ち上げられる場合に、前記一対の長穴部を支点にして前記第二切欠き部が前記収納部に案内されながら摺動する請求項4に記載のフィーダ。
【請求項6】
請求項1に記載のフィーダをセット可能な台座部と、
前記台座部にセットされた前記フィーダの前記テープガイドの前記操作部を前記鉛直方向の上方に持ち上げる昇降機構と、
を備えるフィーダセットアップ装置。
【請求項7】
前記昇降機構は、前記フィーダが前記台座部にセットされたときに、前記操作部を前記鉛直方向の上方に持ち上げ、前記キャリアテープの搬送指示があったときに、前記操作部を前記鉛直方向の下方に持ち下げる請求項6に記載のフィーダセットアップ装置。
【請求項8】
前記台座部は、前記フィーダにおける前記テープガイドの前記操作部の位置が異なる複数種類の前記フィーダをセット可能であり、
前記昇降機構は、前記台座部にセットされた前記フィーダの種類に応じて、前記テープガイドの前記操作部が設けられている位置に移動して前記操作部を前記鉛直方向の上方に持ち上げる請求項6または請求項7に記載のフィーダセットアップ装置。
【請求項9】
前記台座部は、前記フィーダにおける前記テープガイドの前記操作部の位置が異なる複数種類の前記フィーダをセット可能であり、
前記昇降機構は、前記複数種類の前記フィーダの各々の前記テープガイドの前記操作部の位置に設けられている請求項6または請求項7に記載のフィーダセットアップ装置。
【請求項10】
部品を収容するキャリアテープが前記部品の採取位置に向かって搬送されるときに前記キャリアテープの上面を押さえる押さえ部の幅方向の両端部に設けられる一対の側壁部のうちの一方である第一側壁部と、前記一対の側壁部のうちの他方であって前記キャリアテープの搬送方向の上流側の部位が前記第一側壁部よりも鉛直方向の下方に長く形成されている第二側壁部と、前記第二側壁部の前記鉛直方向の下方に設けられる部位であって前記第二側壁部を前記鉛直方向の上方に持ち上げ可能な操作部とを備えるテープガイドの前記操作部を前記鉛直方向の上方に持ち上げる第一工程と、
前記操作部が前記鉛直方向の上方に持ち上げられた後に、前記第一側壁部の側から前記キャリアテープを装填する第二工程と、
前記キャリアテープが装填された後に、前記操作部を前記鉛直方向の下方に持ち下げる第三工程と、
を具備するキャリアテープ装填方法。
【請求項11】
前記第二工程は、前記キャリアテープの前記搬送方向の前記採取位置よりも上流側の前記第一側壁部に設けられる第一切欠き部に、前記部品を収容するキャビティが所定間隔で形成されているベーステープと前記キャビティの開口部を閉塞するカバーテープとを備える前記キャリアテープの前記ベーステープから剥離された前記カバーテープを差し込むと共に、前記カバーテープが剥離された前記ベーステープを前記採取位置まで搬送して前記キャリアテープを装填する請求項10に記載のキャリアテープ装填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、フィーダ、フィーダセットアップ装置およびキャリアテープ装填方法に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のテープ装填装置は、テープフィーダと、第一リフトレバーとを備えている。テープフィーダは、第一テープ保持部の後端部において、作業者が操作可能なレバーが突出して設けられている。第一リフトレバーは、第一テープ保持部のレバーに当接して、レバーを上下方向に移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フィーダにキャリアテープを装填する際には、フィーダ本体部に対してテープガイドを持ち上げる必要がある。
【0005】
このような事情に鑑みて、本明細書は、フィーダ本体部に対してテープガイドを持ち上げ可能なフィーダ、フィーダセットアップ装置およびキャリアテープ装填方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、テープガイドと、フィーダ本体部とを具備するフィーダを開示する。前記テープガイドは、第一側壁部と、第二側壁部と、操作部とを備える。前記第一側壁部は、部品を収容するキャリアテープが前記部品の採取位置に向かって搬送されるときに前記キャリアテープの上面を押さえる押さえ部の幅方向の両端部に設けられる一対の側壁部のうちの一方である。前記第二側壁部は、前記一対の側壁部のうちの他方であって前記キャリアテープの搬送方向の上流側の部位が前記第一側壁部よりも鉛直方向の下方に長く形成されている。前記操作部は、前記第二側壁部の前記鉛直方向の下方に設けられる部位であって前記第二側壁部を前記鉛直方向の上方に持ち上げ可能である。前記フィーダ本体部は、前記操作部を前記鉛直方向の上方に持ち上げ可能に前記テープガイドが取り付けられている。
【0007】
また、本明細書は、上記のフィーダをセット可能な台座部と、前記台座部にセットされた前記フィーダの前記テープガイドの前記操作部を前記鉛直方向の上方に持ち上げる昇降機構とを備えるフィーダセットアップ装置を開示する。
【0008】
さらに、本明細書は、第一工程と、第二工程と、第三工程とを具備するキャリアテープ装填方法を開示する。テープガイドは、第一側壁部と、第二側壁部と、操作部とを備える。前記第一側壁部は、部品を収容するキャリアテープが前記部品の採取位置に向かって搬送されるときに前記キャリアテープの上面を押さえる押さえ部の幅方向の両端部に設けられる一対の側壁部のうちの一方である。前記第二側壁部は、前記一対の側壁部のうちの他方であって前記キャリアテープの搬送方向の上流側の部位が前記第一側壁部よりも鉛直方向の下方に長く形成されている。前記操作部は、前記第二側壁部の前記鉛直方向の下方に設けられる部位であって前記第二側壁部を前記鉛直方向の上方に持ち上げ可能である。前記第一工程は、前記テープガイドの前記操作部を前記鉛直方向の上方に持ち上げる。前記第二工程は、前記操作部が前記鉛直方向の上方に持ち上げられた後に、前記第一側壁部の側から前記キャリアテープを装填する。前記第三工程は、前記キャリアテープが装填された後に、前記操作部を前記鉛直方向の下方に持ち下げる。
【0009】
なお、本明細書には、願書に最初に添付した特許請求の範囲(以下、当初特許請求の範囲という。)に記載の請求項4において、「請求項1に記載のフィーダ」を「請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のフィーダ」に変更した技術的思想が開示されている。また、本明細書には、当初特許請求の範囲に記載の請求項6において、「請求項1に記載のフィーダ」を「請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のフィーダ」に変更した技術的思想が開示されている。
【発明の効果】
【0010】
上記のフィーダによれば、テープガイドの操作部を鉛直方向の上方に持ち上げることができる。フィーダについて上述されていることは、フィーダセットアップ装置およびキャリアテープ装填方法についても同様に言える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図6】テープガイドが持ち上げられる前のフィーダのテープガイド付近を拡大した透視図である。
【
図7】テープガイドが持ち上げられた後のフィーダのテープガイド付近を拡大した透視図である。
【
図8】フィーダセットアップ装置の一例を示す斜視図である。
【
図9】フィーダがセットされたフィーダセットアップ装置の一例を示す斜視図である。
【
図10】昇降機構によってテープガイドが持ち上げられる前のフィーダのテープガイド付近を拡大した透視図である。
【
図11】昇降機構によってテープガイドが持ち上げられた後のフィーダのテープガイド付近を拡大した透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施形態
1-1.部品装着機10の構成例
キャリアテープ80が装填されたフィーダ40は、部品装着機10において使用することができる。部品装着機10は、基板90に部品91を装着する。
図1に示すように、部品装着機10は、基板搬送装置11、部品供給装置12、部品移載装置13、部品カメラ14、基板カメラ15および制御装置16を備えている。
【0013】
基板搬送装置11は、例えば、ベルトコンベアなどによって構成され、基板90を搬送方向(X軸方向)に搬送する。基板90は、回路基板であり、電子回路、電気回路、磁気回路などが形成される。基板搬送装置11は、部品装着機10の機内に基板90を搬入し、機内の所定位置に基板90を位置決めする。基板搬送装置11は、部品装着機10による複数の部品91の装着処理が終了した後に、基板90を部品装着機10の機外に搬出する。
【0014】
部品供給装置12は、基板90に装着される部品91を供給する。部品供給装置12は、基板90の搬送方向(X軸方向)に沿って設けられる
図2に示す複数のフィーダ40を備えている。複数のフィーダ40の各々には、リールが装備される。リールには、部品91が収容されているキャリアテープ80が巻回されている。フィーダ40は、キャリアテープ80をピッチ送りさせて、フィーダ40の先端側に位置する採取位置PP1において部品91を採取可能に供給する。また、部品供給装置12は、チップ部品などと比べて比較的大型の電子部品(例えば、リード部品など)を、トレイに配置した状態で供給することもできる。
【0015】
部品移載装置13は、ヘッド駆動装置13aおよび移動台13bを備えている。ヘッド駆動装置13aは、直動機構によって移動台13bを、X軸方向およびY軸方向(水平面においてX軸方向と直交する方向)に移動可能に構成されている。移動台13bには、クランプ部材によって装着ヘッド20が着脱可能(交換可能)に設けられている。装着ヘッド20は、少なくとも一つの保持部材30を用いて、部品供給装置12から供給された部品91を採取し保持して、基板搬送装置11によって位置決めされた基板90に部品91を装着する。保持部材30は、例えば、吸着ノズル、チャックなどを用いることができる。
【0016】
部品カメラ14および基板カメラ15は、公知の撮像装置を用いることができる。部品カメラ14は、光軸が鉛直方向(X軸方向およびY軸方向と直交するZ軸方向)の上向きになるように、部品装着機10の基台に固定されている。部品カメラ14は、保持部材30に保持されている部品91などを下方から撮像することができる。基板カメラ15は、光軸が鉛直方向(Z軸方向)の下向きになるように、部品移載装置13の移動台13bに設けられている。基板カメラ15は、基板90などを上方から撮像することができる。
【0017】
部品カメラ14および基板カメラ15は、制御装置16から送出される制御信号に基づいて撮像を行う。部品カメラ14および基板カメラ15によって撮像された画像の画像データは、制御装置16に送信される。制御装置16は、公知の演算装置および記憶装置を備えており、制御回路が構成されている。制御装置16には、部品装着機10に設けられる各種センサから出力される情報、画像データなどが入力される。制御装置16は、制御プログラムおよび予め設定されている所定の装着条件などに基づいて、各装置に対して制御信号を送出する。
【0018】
例えば、制御装置16は、基板搬送装置11によって位置決めされた基板90を基板カメラ15に撮像させる。制御装置16は、基板カメラ15によって撮像された画像を画像処理して、基板90の位置決め状態を認識する。また、制御装置16は、部品供給装置12から供給された部品91を保持部材30に採取させ保持させて、保持部材30に保持されている部品91を部品カメラ14に撮像させる。制御装置16は、部品カメラ14によって撮像された画像を画像処理して、部品91の保持姿勢を認識する。
【0019】
制御装置16は、制御プログラムなどによって予め設定される装着予定位置の上方に向かって、保持部材30を移動させる。また、制御装置16は、基板90の位置決め状態、部品91の保持姿勢などに基づいて、装着予定位置を補正して、実際に部品91を装着する装着位置を設定する。装着予定位置および装着位置は、位置(X軸座標およびY軸座標)の他に回転角度を含む。
【0020】
制御装置16は、装着位置に合わせて、保持部材30の目標位置(X軸座標およびY軸座標)および回転角度を補正する。制御装置16は、補正された目標位置において補正された回転角度で保持部材30を下降させて、基板90に部品91を装着する。制御装置16は、上記のピックアンドプレースサイクルを繰り返すことによって、基板90に複数の部品91を装着する装着処理を実行する。
【0021】
1-2.キャリアテープ80、フィーダ40およびテープガイド50の構成例
図3および
図4に示すように、例えば、実施形態のキャリアテープ80は、ベーステープ81と、カバーテープ82と、ボトムテープ83とを備えている。ベーステープ81は、キャリアテープ80の基部であり、複数のキャビティ81aと、複数の送り穴81bとが設けられている。
【0022】
複数のキャビティ81aの各々には、部品91が収容されている。複数のキャビティ81aは、ベーステープ81の幅方向(矢印TW方向)の中央部において、キャリアテープ80の長手方向(搬送方向(矢印TC方向))に所定間隔で設けられている。複数の送り穴81bは、キャリアテープ80を搬送方向(矢印TC方向)に搬送する際に使用される。複数の送り穴81bは、ベーステープ81の幅方向(矢印TW方向)の一端側において、キャリアテープ80の長手方向(搬送方向(矢印TC方向))に所定のピッチ間隔で設けられている。
【0023】
カバーテープ82は、キャビティ81aの開口部を閉塞する。カバーテープ82は、例えば、接着剤によりベーステープ81の幅方向(矢印TW方向)の両端部の上面に貼り付けられている。ボトムテープ83は、例えば、接着剤によりベーステープ81の下面に貼り付けられており、キャビティ81aに収容されている部品91の脱落を防止する。なお、キャリアテープ80は、ベーステープ81とボトムテープ83が一体に形成されているエンボステープ、紙テープなどであっても良い。
【0024】
フィーダ40は、キャリアテープ80を搬送方向(矢印TC方向)に搬送して、採取位置PP1において部品91を供給する。フィーダ40は、上記のように部品91を供給することができれば良く、種々の形態をとり得る。例えば、フィーダ40は、フィーダ本体部41と、送り部42と、支持部43と、テープガイド50とを備えることができる。後述されるように、フィーダ40は、収納部44を備えることもできる。フィーダ40は、一対の支持部45,45を備えることもできる。フィーダ40は、フィーダ側接続部46を備えることもできる。
図2、
図5~
図7に示すように、実施形態のフィーダ40は、フィーダ本体部41と、送り部42と、支持部43と、収納部44と、一対の支持部45,45と、フィーダ側接続部46と、テープガイド50とを備えている。
【0025】
フィーダ本体部41は、扁平な箱形状に形成されており、鉛直方向(Z軸方向)の上部には、キャリアテープ80の搬送路41aを備えている。搬送路41aは、溝状に形成されており、キャリアテープ80を搬送することができる。送り部42は、キャリアテープ80を搬送路41aに沿って採取位置PP1に向かって搬送する。具体的には、送り部42は、スプロケット42aと、駆動装置とを備えている。スプロケット42aは、キャリアテープ80の送り穴81bに係合可能な複数の歯部42a1を備えており、フィーダ本体部41に回転可能に支持されている。
【0026】
図6に示すように、スプロケット42aは、歯部42a1が搬送路41aの上面から上方に僅かに突出するように配置されている。駆動装置は、スプロケット42aを回転駆動させる。駆動装置は、スプロケット42aを回転駆動させることができれば良く、例えば、ステッピングモータ、サーボモータなどの公知の駆動装置を用いることができる。駆動装置は、減速機を介してスプロケット42aと連結されている。フィーダ40を制御するフィーダ制御装置は、駆動装置を駆動制御してスプロケット42aを回転駆動させ、キャリアテープ80をピッチ送りすることができる。
【0027】
支持部43およびテープガイド50は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の下流側(矢印TC2方向側)の採取位置PP1を含む領域に設けられている。支持部43は、例えば、板状に形成されており、鉛直方向(Z軸方向)の下方からキャリアテープ80を支持することができる。また、テープガイド50は、例えば、断面略U字状に形成されており、鉛直方向(Z軸方向)の上方からキャリアテープ80を押さえることができる。
【0028】
具体的には、支持部43は、フィーダ本体部41に対して、鉛直方向(Z軸方向)の上方に付勢されている。また、テープガイド50は、フィーダ本体部41に対して、鉛直方向(Z軸方向)の下方に付勢されている。これにより、キャリアテープ80は、支持部43によって鉛直方向(Z軸方向)の上方に押し上げられると共に、テープガイド50によって鉛直方向(Z軸方向)の下方に押し下げられる。
【0029】
よって、例えば、キャリアテープ80の厚みが変わっても、テープガイド50は、キャリアテープ80の上面を押圧することができる。そのため、キャリアテープ80の浮き上がりが抑制されて、キャリアテープ80の送り穴81bとスプロケット42aとの間の係合が維持され易くなる。なお、支持部43は、フィーダ本体部41に固定されており、テープガイド50は、フィーダ本体部41に着脱可能に装着されている。
【0030】
上記のように、フィーダ40にキャリアテープ80を装填する際には、フィーダ本体部41に対して、テープガイド50を持ち上げる必要がある。そこで、テープガイド50は、押さえ部51と、第一側壁部52と、第二側壁部53と、操作部54とを備える。テープガイド50は、一対の長穴部55,55を備えることもできる。
図5に示すように、実施形態のテープガイド50は、押さえ部51と、第一側壁部52と、第二側壁部53と、操作部54と、一対の長穴部55,55とを備えている。
【0031】
押さえ部51は、部品91を収容するキャリアテープ80が部品91の採取位置PP1に向かって搬送されるときにキャリアテープ80の上面を押さえる部位をいう。押さえ部51は、テープガイド50の上板に形成されている。押さえ部51よりもキャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の下流側(矢印TC2方向側)のテープガイド50には、第一開口部51aが形成されている。第一開口部51aは、部品装着機10の保持部材30が採取位置PP1において部品91を採取可能に、テープガイド50の上板が開口されている部位をいう。
【0032】
また、押さえ部51には、第二開口部51bおよび第三開口部51cが形成されている。
図5および
図6に示すように、第二開口部51bは、スプロケット42aの歯部42a1が突出可能に、テープガイド50の上板が開口されている部位をいう。キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)の第一開口部51aの一部と、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の下流側(矢印TC2方向側)の第二開口部51bの一部は、連接されている。
【0033】
第三開口部51cは、搬送されるキャリアテープ80を視認可能に、テープガイド50の上板が開口されている部位をいう。第三開口部51cは、第二開口部51bよりもキャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)に設けられている。なお、第一開口部51aは、搬送されるキャリアテープ80の幅方向(矢印TW方向)において、キャビティ81aの位置に設けられている。また、第二開口部51bおよび第三開口部51cは、搬送されるキャリアテープ80の幅方向(矢印TW方向)において、送り穴81bの位置に設けられている。
【0034】
第一側壁部52は、押さえ部51の幅方向(矢印TW方向)の両端部に設けられる一対の側壁部52,53のうちの一方をいう。第二側壁部53は、一対の側壁部52,53のうちの他方をいう。
図5に示すように、第二側壁部53は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)の部位が第一側壁部52よりも鉛直方向(Z軸方向)の下方に長く形成されている。
【0035】
操作部54は、第二側壁部53の鉛直方向(Z軸方向)の下方に設けられる部位をいう。操作部54は、第二側壁部53を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げ可能に形成されている。操作部54は、第二側壁部53を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げ可能であれば良く、種々の形態をとり得る。例えば、
図5に示すように、実施形態の操作部54は、第二側壁部53の鉛直方向(Z軸方向)の下端から第一側壁部52の側に突出している。また、第二側壁部53および操作部54は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)視においてL字状に形成されている。
【0036】
これにより、後述されるフィーダセットアップ装置60の昇降機構62または作業者は、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げて、第二側壁部53を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げ易くなる。また、昇降機構62または作業者は、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げて、第二側壁部53を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げ易くなる。
【0037】
例えば、昇降機構62または作業者は、操作部54の下面54dを鉛直方向(Z軸方向)の上方に向かって押し上げることができる。昇降機構62または作業者は、操作部54の上面54uを鉛直方向(Z軸方向)の下方に向かって押し下げることができる。昇降機構62または作業者は、操作部54を把持して、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げることもできる。昇降機構62または作業者は、操作部54を把持して、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げることもできる。
【0038】
なお、
図5に示すように、実施形態の第二側壁部53は、鉛直方向(Z軸方向)の下端が、押さえ部51よりもキャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)に突出している。操作部54は、押さえ部51よりもキャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)に突出している第二側壁部53の部位を含めて、第二側壁部53の鉛直方向(Z軸方向)の下端から第一側壁部52の側に突出している。よって、昇降機構62または作業者は、既述されている操作部54の操作がさらに容易になる。
【0039】
本明細書では、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げる工程を第一工程という。
図7に示すように、操作部54が鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げられると、キャリアテープ80を装填することができる。既述されているように、第二側壁部53は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)の部位が第一側壁部52よりも鉛直方向(Z軸方向)の下方に長く形成されている。
【0040】
よって、キャリアテープ80は、第一側壁部52の側から装填することができる。本明細書では、操作部54が鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げられた後に、第一側壁部52の側からキャリアテープ80を装填する工程を第二工程という。
図3および
図4に示すように、キャリアテープ80は、部品91を収容するキャビティ81aが所定間隔で形成されているベーステープ81と、キャビティ81aの開口部を閉塞するカバーテープ82とを備えている。
【0041】
そのため、第二工程において、ベーステープ81から剥離されたカバーテープ82を第一開口部51aを通して排出すると共に、カバーテープ82が剥離されたベーステープ81を採取位置PP1まで搬送してキャリアテープ80を装填することが想定される。上記の形態では、剥離されたカバーテープ82は、カバーテープ82を把持可能な一の把持機構または作業者の一方の手によって第一開口部51aに通される。そして、第一開口部51aを通過したカバーテープ82は、他の把持機構または作業者の他方の手によって把持される必要がある。
【0042】
そこで、
図5に示すように、第一側壁部52は、第一切欠き部52aを備えると良い。第一切欠き部52aは、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の採取位置PP1よりも上流側(矢印TC1方向側)に設けられる部位をいう。より詳細には、第一切欠き部52aは、押さえ部51よりもキャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の下流側(矢印TC2方向側)、且つ、採取位置PP1よりもキャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)に設けられる。第一切欠き部52aは、ベーステープ81から剥離されたカバーテープ82を差し込み可能に切り欠けられている。
【0043】
上記の形態では、第二工程は、キャリアテープ80のベーステープ81から剥離されたカバーテープ82を第一切欠き部52aに差し込むと共に、カバーテープ82が剥離されたベーステープ81を採取位置PP1まで搬送してキャリアテープ80を装填することができる。よって、剥離されたカバーテープ82は、カバーテープ82を把持可能な一の把持機構または作業者の一方の手によって第一切欠き部52aに差し込まれ、第一開口部51aから排出することができる。把持機構は、例えば、ロボットアームなどを用いることができる。
【0044】
なお、把持機構または作業者は、ベーステープ81の送り穴81bが、スプロケット42aの歯部42a1と係合するように、カバーテープ82が剥離されたベーステープ81を採取位置PP1まで搬送する。キャリアテープ80が装填されると、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げることができる。本明細書では、キャリアテープ80が装填された後に、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げる工程を第三工程という。
【0045】
フィーダ本体部41は、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げ可能に、テープガイド50が取り付けられている。フィーダ本体部41は、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げ可能に、テープガイド50を取り付けることができれば良く、テープガイド50の取り付け形態は、種々の形態をとり得る。例えば、
図6および
図7に示すように、フィーダ本体部41は、収納部44と、一対の支持部45,45とを備えることができる。また、
図5に示すように、テープガイド50は、第二切欠き部54aと、一対の長穴部55,55とを備えることができる。
【0046】
収納部44は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)において、テープガイド50を鉛直方向(Z軸方向)の下方に付勢する付勢部材44aを収納する部位をいう。収納部44は、鉛直方向(Z軸方向)に沿った方向に延伸している。付勢部材44aは、テープガイド50を鉛直方向(Z軸方向)の下方に付勢することができれば良く、種々の形態をとり得る。付勢部材44aは、例えば、ばねなどの弾性部材を用いることができる。実施形態の収納部44は、円柱状の付勢部材44aを収納可能に円筒状に形成されており、鉛直方向(Z軸方向)に沿った方向に延伸している。
【0047】
一対の支持部45,45は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の下流側(矢印TC2方向側)において、テープガイド50を支持する。一対の支持部45,45は、上記のようにテープガイド50を支持することができれば良く、種々の形態をとり得る。例えば、一対の支持部45,45は、テープガイド50がフィーダ本体部41に取り付けられた場合に、テープガイド50の内部から外部に向かって突出するように、ピン状に形成することができる。
【0048】
第二切欠き部54aは、操作部54に形成される部位であって、収納部44に沿って摺動可能に切り欠けられている。例えば、
図5に示すように、第二切欠き部54aは、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の下流側(矢印TC2方向側)の操作部54の端部から、上流側(矢印TC1方向側)に向かって搬送方向(矢印TC方向)に沿って形成されている。
【0049】
テープガイド50の幅方向(矢印TW方向)における第二切欠き部54aの寸法(第二切欠き部54aの幅寸法)は、第二切欠き部54aが収納部44に沿って摺動可能に、収納部44の外形寸法と同等または収納部44の外形寸法よりも若干、大きく設定されている。また、操作部54は、テープガイド50の幅方向(矢印TW方向)の先端部であり、且つ、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の下流側(矢印TC2方向側)の端部が欠損している。これにより、テープガイド50をフィーダ本体部41に取り付ける際に、第二切欠き部54aを収納部44に合わせ易くなっている。
【0050】
一対の長穴部55,55は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の下流側(矢印TC2方向側)の第一側壁部52および第二側壁部53の端部に形成される部位をいう。一対の長穴部55,55は、一対の支持部45,45によって支持可能に鉛直方向(Z軸方向)に沿った方向に延伸している。例えば、ピン状に形成されている一対の支持部45,45は、操作部54が鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げられる場合に、一対の長穴部55,55において鉛直方向(Z軸方向)の上方に移動することができる。
【0051】
同様に、ピン状に形成されている一対の支持部45,45は、操作部54が鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げられる場合に、一対の長穴部55,55において鉛直方向(Z軸方向)の下方に移動することができる。これらにより、
図6および
図7に示すように、テープガイド50は、操作部54が鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げられる場合に、一対の長穴部55,55を支点にして第二切欠き部54aが収納部44に案内されながら摺動することができる。
【0052】
1-3.フィーダセットアップ装置60の構成例
フィーダセットアップ装置60では、フィーダ40にキャリアテープ80を装填することができる。
図8~
図11に示すように、フィーダセットアップ装置60は、フィーダ40をセット可能な台座部61と、台座部61にセットされたフィーダ40のテープガイド50の操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げる昇降機構62とを備えている。フィーダ40は、既述されているいずれの形態であっても良い。
【0053】
また、昇降機構62は、キャリアテープ80が装填された後に、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げることもできる。このように、フィーダセットアップ装置60は、既述されている第一工程および第三工程を少なくとも自動化することができる。さらに、フィーダセットアップ装置60は、既述されている把持機構を用いて、第二工程を自動化することもできる。
【0054】
昇降機構62は、台座部61にセットされたフィーダ40のテープガイド50の操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げることができれば良く、種々の形態をとり得る。昇降機構62は、例えば、ボールねじ機構などの公知の昇降機構を用いることができる。また、昇降機構62は、任意のタイミングで、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げ、任意のタイミングで、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げることができる。例えば、昇降機構62は、フィーダ40が台座部61にセットされたときに、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げ、キャリアテープ80の搬送指示があったときに、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げることができる。
【0055】
図8に示すように、例えば、フィーダセットアップ装置60は、装置側接続部63と、指示部64とを備えている。装置側接続部63は、フィーダ40が台座部61にセットされた場合に、フィーダ40のフィーダ側接続部46と接続される。装置側接続部63がフィーダ側接続部46と接続されると、装置側接続部63は、フィーダ側接続部46を介して、フィーダ40に駆動電力を供給することができる。また、フィーダ40およびフィーダセットアップ装置60は、装置側接続部63およびフィーダ側接続部46を介して、互いに通信することができる。
【0056】
例えば、作業者は、指示部64を操作して、フィーダセットアップ装置60に対して指示することができる。具体的には、作業者は、指示部64を操作して、キャリアテープ80を搬送方向(矢印TC方向)の下流側(矢印TC2方向側)に向かって搬送させる前進指示をすることができる。また、作業者は、指示部64を操作して、キャリアテープ80を搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)に向かって搬送させる後退指示をすることもできる。フィーダセットアップ装置60は、作業者の指示に基づいて、フィーダ40の駆動指令を生成し、装置側接続部63およびフィーダ側接続部46を介してフィーダ40に駆動指令を送信する。フィーダ制御装置は、駆動指令に基づいて送り部42の駆動装置を駆動制御してスプロケット42aを回転駆動させ、キャリアテープ80を搬送することができる。
【0057】
フィーダ40が台座部61にセットされ、フィーダ40に駆動電力が供給されて、フィーダ40およびフィーダセットアップ装置60が通信可能になった場合、フィーダセットアップ装置60は、フィーダ40が台座部61にセットされたと判断することができる。この場合、昇降機構62は、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げることができる。また、作業者が指示部64を操作して、例えば、前進指示をした場合、フィーダセットアップ装置60は、フィーダ40にキャリアテープ80を装填する第二工程が完了したと判断することができる。この場合、昇降機構62は、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げることができる。
【0058】
また、例えば、装填されるキャリアテープ80の幅方向(矢印TW方向)の寸法が異なり、フィーダ40の外形寸法が異なると、フィーダ40におけるテープガイド50の操作部54の位置が異なる可能性がある。このように、台座部61は、フィーダ40におけるテープガイド50の操作部54の位置が異なる複数種類のフィーダ40をセット可能である場合がある。
【0059】
図8に示すように、例えば、フィーダセットアップ装置60は、読み取り装置65を備えている。読み取り装置65は、フィーダ40に設けられている識別部材から、フィーダ40を識別可能なフィーダ識別情報を取得することができる。また、読み取り装置65は、キャリアテープ80が巻回されているリールに設けられている識別部材から、リールを識別可能なリール識別情報を取得することもできる。識別部材は、一次元コード、二次元コード、無線タグなどを用いることができる。昇降機構62は、読み取り装置65によって取得されたフィーダ識別情報に基づいて、フィーダ40の種類を認識することができる。また、昇降機構62は、読み取り装置65によって取得されたリール識別情報に基づいて、キャリアテープ80の種類を認識することもできる。
【0060】
昇降機構62は、例えば、台座部61にセットされたフィーダ40の種類に応じて、テープガイド50の操作部54が設けられている位置に移動して操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げることができる。同様に、昇降機構62は、台座部61にセットされたフィーダ40の種類に応じて、テープガイド50の操作部54が設けられている位置に移動して操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げることができる。
【0061】
昇降機構62は、複数種類のフィーダ40の各々のテープガイド50の操作部54の位置に設けられていても良い。この場合、台座部61にセットされたフィーダ40のテープガイド50の操作部54の位置に設けられている昇降機構62は、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げることができる。同様に、台座部61にセットされたフィーダ40のテープガイド50の操作部54の位置に設けられている昇降機構62は、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げることができる。上記のいずれの形態においても、フィーダセットアップ装置60は、台座部61にセットされたフィーダ40の種類に応じて、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げることができ、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げることができる。
【0062】
1-4.キャリアテープ装填方法
既述されているように、キャリアテープ装填方法は、第一工程と、第二工程と、第三工程とを具備する。第一工程は、テープガイド50の操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げる。第二工程は、操作部54が鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げられた後に、第一側壁部52の側からキャリアテープ80を装填する。第三工程は、キャリアテープ80が装填された後に、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げる。
【0063】
なお、テープガイド50は、第一側壁部52と、第二側壁部53と、操作部54とを備える。第一側壁部52は、部品91を収容するキャリアテープ80が部品91の採取位置PP1に向かって搬送されるときにキャリアテープ80の上面を押さえる押さえ部51の幅方向(矢印TW方向)の両端部に設けられる一対の側壁部52,53のうちの一方である。第二側壁部53は、一対の側壁部52,53のうちの他方であってキャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)の部位が第一側壁部52よりも鉛直方向(Z軸方向)の下方に長く形成されている。操作部54は、第二側壁部53の鉛直方向(Z軸方向)の下方に設けられる部位であって第二側壁部53を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げ可能である。
【0064】
また、第二工程は、キャリアテープ80のベーステープ81から剥離されたカバーテープ82を第一切欠き部52aに差し込むと共に、カバーテープ82が剥離されたベーステープ81を採取位置PP1まで搬送してキャリアテープ80を装填することができる。なお、第一切欠き部52aは、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の採取位置PP1よりも上流側(矢印TC1方向側)の第一側壁部52に設けられる。キャリアテープ80は、部品91を収容するキャビティ81aが所定間隔で形成されているベーステープ81と、キャビティ81aの開口部を閉塞するカバーテープ82とを備える。
【0065】
1-5.その他
実施形態の第二側壁部53は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)の部位が第一側壁部52よりも鉛直方向(Z軸方向)の下方に長く形成されている。また、フィーダ本体部41は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の下流側(矢印TC2方向側)のテープガイド50の端部を支点にして、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げ可能にテープガイド50が取り付けられている。
【0066】
しかしながら、テープガイド50およびフィーダ本体部41は、種々の形態をとり得る。例えば、第二側壁部53は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)の上流側(矢印TC1方向側)および下流側(矢印TC2方向側)の両方の部位が第一側壁部52よりも鉛直方向(Z軸方向)の下方に長く形成されていても良い。この場合、フィーダ本体部41は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)のテープガイド50の両端部を支点にして、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げ可能にテープガイド50が取り付けられる。また、フィーダ本体部41は、キャリアテープ80の搬送方向(矢印TC方向)のテープガイド50の両端部を支点にして、操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げ可能にテープガイド50が取り付けられる。
【0067】
なお、既述されているように、テープガイド50は、鉛直方向(Z軸方向)の下方に付勢されている。そのため、フィーダ40は、鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げられたテープガイド50を保持する保持機構を備えることもできる。保持機構は、テープガイド50を鉛直方向(Z軸方向)の下方に持ち下げる場合に、テープガイド50の保持を解除する。
【0068】
本明細書において記載されている事項は、適宜、取捨選択して適用することができる。また、本明細書において記載されている事項は、適宜、組み合わせることができる。例えば、フィーダ40について記載されている事項は、フィーダセットアップ装置60について適用することができ、キャリアテープ装填方法について適用することができる。同様に、フィーダセットアップ装置60について記載されている事項は、フィーダ40について適用することができ、キャリアテープ装填方法について適用することができる。
【0069】
2.実施形態の効果の一例
フィーダ40によれば、テープガイド50の操作部54を鉛直方向(Z軸方向)の上方に持ち上げることができる。フィーダ40について上述されていることは、フィーダセットアップ装置60およびキャリアテープ装填方法についても同様に言える。
【符号の説明】
【0070】
40:フィーダ、41:フィーダ本体部、44:収納部、44a:付勢部材、
45,45:一対の支持部、50:テープガイド、51:押さえ部、
52,53:一対の側壁部、52:第一側壁部、52a:第一切欠き部、
53:第二側壁部、54:操作部、54a:第二切欠き部、55,55:一対の長穴部、
60:フィーダセットアップ装置、61:台座部、62:昇降機構、
80:キャリアテープ、81:ベーステープ、81a:キャビティ、
82:カバーテープ、91:部品、PP1:採取位置、矢印TC方向:搬送方向、
矢印TC1方向側:上流側、矢印TC2方向側:下流側、矢印TW方向:幅方向、
Z軸方向:鉛直方向。