(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154826
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】基板処理装置、および、基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241024BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/306 D
H01L21/304 648K
H01L21/304 648F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068931
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 通矩
【テーマコード(参考)】
5F043
5F157
【Fターム(参考)】
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE27
5F043EE28
5F043EE29
5F043EE30
5F043EE31
5F157AA64
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB49
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157BB22
5F157CD34
5F157CE37
5F157CF04
5F157CF14
5F157CF34
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5F157CF44
5F157CF60
5F157CF74
5F157CF99
5F157DB02
5F157DB41
5F157DC84
5F157DC86
(57)【要約】
【課題】排液される処理液の流量を減らして効率的に基板処理を行う。
【解決手段】基板処理装置は、薬液配管群と、合流配管と、合流配管で複数種の薬液が混合されて生成される混合液を貯留する混合タンクと、合流配管から分岐する回収配管と、回収配管を介して回収される混合液を貯留する回収タンクと、回収タンクにおける混合液の濃度が混合タンクにおける混合液と等しくなるように、回収タンクに複数種の薬液をそれぞれ補充する薬液補充部と、回収タンクに貯留されている混合液を、混合タンクに供給する供給配管とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の薬液をそれぞれ供給するための薬液配管群と、
前記薬液配管群が合流する合流配管と、
前記合流配管で複数種の前記薬液が混合されて生成される混合液を貯留するための混合タンクと、
前記合流配管から分岐する回収配管と、
前記回収配管を介して回収される前記混合液を貯留するための回収タンクと、
前記回収タンクにおける前記混合液の濃度が前記混合タンクにおける前記混合液と等しくなるように、前記回収タンクに複数種の前記薬液をそれぞれ補充するための薬液補充部と、
前記回収タンクに貯留されている前記混合液を、前記混合タンクに供給するための供給配管とを備える、
基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であり、
前記回収タンクにおける前記混合液の濃度を測定するための濃度計と、
前記回収タンクにおける前記混合液の流量を測定するための水位計とをさらに備え、
前記薬液補充部が、前記濃度計で測定された前記混合液の濃度、および、前記水位計で測定された前記混合液の流量に基づいて、前記回収タンクに補充する複数種の前記薬液の流量を調整する、
基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置であり、
前記回収タンクにおける前記混合液の温度を、前記混合タンクにおける前記混合液の温度と等しくなるように調整するための温度調整部をさらに備える、
基板処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の基板処理装置であり、
前記混合液の前記混合タンクへの供給と前記混合液の前記回収タンクへの供給とを切り替えるための制御部をさらに備え、
前記制御部が、前記混合タンクに前記混合液を供給する前の予備吐出として、前記合流配管を流れる前記混合液を前記回収タンクに供給する、
基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置であり、
前記制御部が、
前記回収タンクに前記混合液が貯留されている場合には、前記回収タンクにおける前記混合液を、前記供給配管を介して前記混合タンクに供給し、
前記回収タンクに前記混合液が貯留されていない場合には、前記薬液配管群から供給される前記混合液を前記回収タンクに前記予備吐出した後で、前記合流配管を介して前記混合液を前記混合タンクに供給する、
基板処理装置。
【請求項6】
複数種の薬液をそれぞれ供給するための薬液配管群と、
前記薬液配管群が合流する合流配管と、
前記合流配管で複数種の前記薬液が混合されて生成される混合液を貯留するための混合タンクと、
前記合流配管から分岐する回収配管と、
前記回収配管を介して回収される前記混合液を貯留するための回収タンクとを備える基板処理装置を用いる基板処理方法であり、
前記薬液配管群から供給された複数種の前記薬液を前記合流配管で混合して前記混合液を生成し、かつ、前記混合液を前記回収タンクへ予備吐出する工程と、
前記薬液配管群から供給された複数種の前記薬液を前記合流配管で混合して前記混合液を生成し、かつ、前記混合液を前記混合タンクへ本吐出する工程と、
前記予備吐出によって前記回収タンクに供給された前記混合液の濃度が、前記本吐出によって前記混合タンクに供給された前記混合液の濃度と等しくなるように、前記回収タンクに複数種の前記薬液のうちの少なくとも1つを補充する工程と、
前記回収タンクにおける前記薬液が補充された前記混合液を、前記混合タンクに供給する工程と、
前記混合タンクに供給された前記混合液を用いて基板処理を行う工程とを備える、
基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願明細書に開示される技術は、基板処理技術に関するものである。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのflat panel display(FPD)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板、セラミック基板、電界放出ディスプレイ(field emission display、すなわち、FED)用基板、または、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
基板処理では、複数種の薬液を混合して混合液を生成し、当該混合液を用いて処理を行う場合がある(たとえば、特許文献1を参照)。
【0003】
そのような場合、それぞれの薬液の吐出開始後その流量が安定するまでの間はプリドレイン(予備吐出)として混合液を排液し、流量安定後の混合比率が一定となった混合液を用いて、基板処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、それぞれの薬液の流量が安定するまでプリドレインを行うと、薬液の吐出開始のたびに排液が必要となり、結果として基板処理に要する処理液の流量が増大してしまう。
【0006】
本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような問題を鑑みてなされたものであり、排液される処理液の流量を減らして効率的に基板処理を行うための技術である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願明細書に開示される技術の第1の態様である基板処理装置は、複数種の薬液をそれぞれ供給するための薬液配管群と、前記薬液配管群が合流する合流配管と、前記合流配管で複数種の前記薬液が混合されて生成される混合液を貯留するための混合タンクと、前記合流配管から分岐する回収配管と、前記回収配管を介して回収される前記混合液を貯留するための回収タンクと、前記回収タンクにおける前記混合液の濃度が前記混合タンクにおける前記混合液と等しくなるように、前記回収タンクに複数種の前記薬液をそれぞれ補充するための薬液補充部と、前記回収タンクに貯留されている前記混合液を、前記混合タンクに供給するための供給配管とを備える。
本願明細書に開示される技術の第2の態様である基板処理装置は、第1の態様である基板処理装置に関連し、前記回収タンクにおける前記混合液の濃度を測定するための濃度計と、前記回収タンクにおける前記混合液の流量を測定するための水位計とをさらに備え、前記薬液補充部が、前記濃度計で測定された前記混合液の濃度、および、前記水位計で測定された前記混合液の流量に基づいて、前記回収タンクに補充する複数種の前記薬液の流量を調整する。
本願明細書に開示される技術の第3の態様である基板処理装置は、第1または2の態様である基板処理装置に関連し、前記回収タンクにおける前記混合液の温度を、前記混合タンクにおける前記混合液の温度と等しくなるように調整するための温度調整部をさらに備える。
本願明細書に開示される技術の第4の態様である基板処理装置は、第1から3のうちのいずれか1つの態様である基板処理装置に関連し、前記混合液の前記混合タンクへの供給と前記混合液の前記回収タンクへの供給とを切り替えるための制御部をさらに備え、前記制御部が、前記混合タンクに前記混合液を供給する前の予備吐出として、前記合流配管を流れる前記混合液を前記回収タンクに供給する。
本願明細書に開示される技術の第5の態様である基板処理装置は、第4の態様である基板処理装置に関連し、前記制御部が、前記回収タンクに前記混合液が貯留されている場合には、前記回収タンクにおける前記混合液を、前記供給配管を介して前記混合タンクに供給し、前記回収タンクに前記混合液が貯留されていない場合には、前記薬液配管群から供給される前記混合液を前記回収タンクに前記予備吐出した後で、前記合流配管を介して前記混合液を前記混合タンクに供給する。
本願明細書に開示される技術の第6の態様である基板処理方法は、複数種の薬液をそれぞれ供給するための薬液配管群と、前記薬液配管群が合流する合流配管と、前記合流配管で複数種の前記薬液が混合されて生成される混合液を貯留するための混合タンクと、前記合流配管から分岐する回収配管と、前記回収配管を介して回収される前記混合液を貯留するための回収タンクとを備える基板処理装置を用いる基板処理方法であり、前記薬液配管群から供給された複数種の前記薬液を前記合流配管で混合して前記混合液を生成し、かつ、前記混合液を前記回収タンクへ予備吐出する工程と、前記薬液配管群から供給された複数種の前記薬液を前記合流配管で混合して前記混合液を生成し、かつ、前記混合液を前記混合タンクへ本吐出する工程と、前記予備吐出によって前記回収タンクに供給された前記混合液の濃度が、前記本吐出によって前記混合タンクに供給された前記混合液の濃度と等しくなるように、前記回収タンクに複数種の前記薬液のうちの少なくとも1つを補充する工程と、前記回収タンクにおける前記薬液が補充された前記混合液を、前記混合タンクに供給する工程と、前記混合タンクに供給された前記混合液を用いて基板処理を行う工程とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本願明細書に開示される技術の少なくとも第1、6の態様によれば、プリドレインされた混合液を回収タンクで回収して、基板処理に用いる混合液として再利用することができる。よって、排液される処理液の流量を減らして効率的に基板処理を行うことができる。
【0009】
また、本願明細書に開示される技術に関連する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に関する基板処理装置の構成の例を概略的に示す平面図である。
【
図2】実施の形態に関する基板処理装置における配管構造の例を示す図である。
【
図3】
図1および
図2に例が示された制御部の構成の例を概念的に示す図である。
【
図4】実施の形態に関する基板処理装置における、処理ユニットおよび関連する構成の例を概略的に示す図である。
【
図5】実施の形態に関する基板処理装置の動作の例を示す図である。
【
図6】実施の形態に関する基板処理装置の動作の例を示す図である。
【
図7】実施の形態に関する基板処理装置の動作の例を示す図である。
【
図8】実施の形態に関する基板処理装置における配管構造の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、技術の説明のために詳細な特徴なども示されるが、それらは例示であり、実施の形態が実施可能となるために、それらのすべてが必ずしも必須の特徴ではない。
【0012】
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化などが図面においてなされる。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、断面図ではない平面図などの図面においても、実施の形態の内容を理解することを容易にするために、ハッチングが付される場合がある。
【0013】
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
【0014】
また、本願明細書に記載される説明において、ある構成要素を「備える」、「含む」または「有する」などと記載される場合、特に断らない限りは、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0015】
また、本願明細書に記載される説明において、「第1の」または「第2の」などの序数が使われる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上使われるものであり、実施の形態の内容はこれらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
【0016】
また、本願明細書に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置または方向を意味する用語が使われる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上使われるものであり、実施の形態が実際に実施される際の位置または方向とは関係しないものである。
【0017】
また、本願明細書に記載される説明において、「…の上面」または「…の下面」などと記載される場合、対象となる構成要素の上面自体または下面自体に加えて、対象となる構成要素の上面または下面に他の構成要素が形成された状態も含むものとする。すなわち、たとえば、「Aの上面に設けられるB」と記載される場合、AとBとの間に別の構成要素「C」が介在することを妨げるものではない。
【0018】
<実施の形態>
以下、本実施の形態に関する基板処理装置、および、基板処理方法について説明する。
【0019】
<基板処理装置の構成について>
図1は、本実施の形態に関する基板処理装置1の構成の例を概略的に示す平面図である。基板処理装置1は、ロードポート601と、インデクサロボット602と、センターロボット603と、制御部90と、少なくとも1つの処理ユニット600(
図1においては4つの処理ユニット)とを備える。
【0020】
処理ユニット600は、基板処理に用いることができる枚葉式の装置であり、具体的には、基板Wに付着している有機物を除去する処理を行う装置である。基板Wに付着している有機物は、たとえば、使用済のレジスト膜である。当該レジスト膜は、たとえば、イオン注入工程用の注入マスクとして用いられたものである。
【0021】
なお、処理ユニット600は、チャンバ180を有することができる。その場合、チャンバ180内の雰囲気を制御部90によって制御することで、処理ユニット600は、所望の雰囲気中における基板処理を行うことができる。
【0022】
制御部90は、基板処理装置1におけるそれぞれの構成(後述のスピンモータ10D、アクチュエータ22Cなど)の動作を制御することができる。キャリアCは、基板Wを収容する収容器である。また、ロードポート601は、複数のキャリアCを保持する収容器保持機構である。インデクサロボット602は、ロードポート601と基板載置部604との間で基板Wを搬送することができる。センターロボット603は、基板載置部604および処理ユニット600間で基板Wを搬送することができる。
【0023】
以上の構成によって、インデクサロボット602、基板載置部604およびセンターロボット603は、それぞれの処理ユニット600とロードポート601との間で基板Wを搬送する搬送機構として機能する。
【0024】
未処理の基板WはキャリアCからインデクサロボット602によって取り出される。そして、未処理の基板Wは、基板載置部604を介してセンターロボット603に受け渡される。
【0025】
センターロボット603は、当該未処理の基板Wを処理ユニット600に搬入する。そして、処理ユニット600は基板Wに対して処理を行う。
【0026】
処理ユニット600において処理済みの基板Wは、センターロボット603によって処理ユニット600から取り出される。そして、処理済みの基板Wは、必要に応じて他の処理ユニット600を経由した後、基板載置部604を介してインデクサロボット602に受け渡される。インデクサロボット602は、処理済みの基板WをキャリアCに搬入する。以上によって、基板Wに対する処理が行われる。
【0027】
図2は、本実施の形態に関する基板処理装置1における配管構造の例を示す図である。
図2に例が示されるように、基板処理装置1では、複数の処理ユニット600と、回収タンク20と、混合タンク10とが、複数の配管構造によって接続されている。
【0028】
処理ユニット600は、供給された処理液を用いて基板を処理する。処理ユニット600の詳細な構成については、後述する。処理ユニット600には、基板処理に用いられた処理液を排液するための排液配管160が接続される。排液配管160には、処理ユニット600からの排液の流量を制御部90の制御で調整するバルブ160Aが設けられる。なお、処理ユニット600の個数は
図1に示される個数に限られるものではない。
【0029】
混合タンク10には、純水供給源12から供給配管12Bを介して供給される純水(DIW)と、薬液供給源14から供給配管14Bを介して供給されるフッ化水素(HF)とが、供給配管12Bおよび供給配管14Bが下流で合流する合流配管16Bで混合して生成された、基板処理のための処理液(混合液)が貯留される。薬液は、たとえば、希釈フッ化水素(DHF)であるが、その他、IPA(イソプロピルアルコール)などの有機溶剤、または、塩酸、硫酸、燐酸またはアンモニアなどの他の無機溶剤が用いられる。なお、混合される液体の種類は上記のような2種類(薬液と希釈液)に限られるものではなく、3種類以上の薬液(または気体)が混合されてもよい。
【0030】
純水供給源12から供給される純水(DIW)の流量は、バルブ12Aを制御部90で制御することによって調整可能である。同様に、薬液供給源14から供給されるフッ化水素(HF)の流量は、バルブ14Aを制御部90で制御することによって調整可能である。
【0031】
また、合流配管16Bには回収配管18Bが接続される。回収配管18Bは、合流配管16Bから分岐して回収タンク20へ混合液を供給する。合流配管16Bから混合タンク10へ供給される混合液の流量は、バルブ16Aを制御部90で制御することによって調整可能である。同様に、回収配管18Bから回収タンク20へ供給される混合液の流量は、バルブ18Aを制御部90で制御することによって調整可能である。
【0032】
回収タンク20には、回収タンク20内の水位を測定する水位計20Aが設けられる。水位計20Aは、水位の上限または下限を測定するものであってもよいし、水位を連続的に測定するものであってもよい。また、回収タンク20に回収された混合液は、循環配管202を介して流れ、循環して回収タンク20へ戻る。循環配管202には、混合液を流すポンプ214と、混合液を加熱するヒーター216と、混合液の温度を測定する温度計217と、混合液の濃度を測定する濃度計218とが設けられる。また、循環配管202から分岐して混合タンク10へ混合液を供給する供給配管204が設けられる。なお、回収タンク20は、1つの混合タンク10に対して複数並列に設けられていてもよい。2つの回収タンク20が設けられる場合には、一方の回収タンク20で混合液を貯留する(さらに濃度調整する)間に、他方の回収タンク20から混合液を供給するなどの使い分けも可能である。また、回収タンク20の容量は、混合タンク10の容量よりは少なく、たとえば、プリドレイン2回分の混合液を貯留可能な容量とすることができる。また、濃度計218は、循環配管202に設けられていなくてもよく、たとえば、回収タンク20内に設けられていてもよい。また、ヒーター216および温度計217は、循環配管202に設けられていなくてもよく、たとえば、回収タンク20内に設けられていてもよい。
【0033】
循環配管202を循環する混合液の流量は、バルブ202Aを制御部90で制御することによって調整可能である。同様に、供給配管204から混合タンク10へ供給される混合液の流量は、バルブ204Aを制御部90で制御することによって調整可能である。
【0034】
回収タンク20には、補充配管206を介して薬液供給源14からフッ化水素(HF)が補充される。同様に、回収タンク20には、補充配管208を介して純水供給源12から純水(DIW)が補充される。なお、回収タンク20に補充されるフッ化水素(HF)は、薬液供給源14とは別の供給源から供給されるものであってもよい。同様に、回収タンク20に補充される純水(DIW)は、純水供給源12とは別の供給源から供給されるものであってもよい。また、上記の補充は、調整量によっては、フッ化水素(HF)のみであってもよいし、純水(DIW)のみであってもよいし、双方であってもよい。
【0035】
補充配管206には、補充するフッ化水素(HF)を一時的に貯留する貯留タンク206Aと、貯留タンク206Aに貯留されているフッ化水素(HF)を1ショットずつ回収タンク20に補充するポンプ206Bとが設けられる。同様に、補充配管208には、補充する純水(DIW)を一時的に貯留する貯留タンク208Aと、貯留タンク208Aに貯留されている純水(DIW)を1ショットずつ回収タンク20に補充するポンプ208Bとが設けられる。
【0036】
貯留タンク206Aから補充されるフッ化水素(HF)の流量は、ポンプ206Bを制御部90で制御することによって(たとえば、ショット回数などを)調整可能である。同様に、貯留タンク208Aから補充される純水(DIW)の流量は、ポンプ208Bを制御部90で制御することによって(たとえば、ショット回数などを)調整可能である。
【0037】
混合タンク10は、処理液を処理ユニット600へ供給する。混合タンク10には、処理液を排液するための排液配管162が接続される。排液配管162には、混合タンク10からの排液の流量を制御部90の制御で調整するバルブ162Aが設けられる。
【0038】
混合タンク10から処理液を供給するための配管には、混合タンク10に接続され、かつ、混合タンク10を介して処理液を循環させる循環配管102と、循環配管102から分岐してそれぞれの処理ユニット600へ処理液を供給する供給配管106とが含まれる。
【0039】
循環配管102には、循環配管102内の処理液の流量を測定する流量計112と、処理液を流すポンプ114と、処理液を加熱するヒーター116と、処理液の温度を測定する温度計117と、処理液の濃度を測定する濃度計118と、処理液内のパーティクルなどを除去するフィルター119と、フィルター119の上流で循環配管102内の圧力を測定する圧力計121とが設けられる。ヒーター116は、温度計117の出力に基づいて制御部90によって動作が制御される。同様に、ポンプ114は、圧力計121の出力に基づいて制御部90によって動作が制御される。なお、ヒーターは冷却を含め温度調整可能な機構に置き換えられてもよく、加熱する場合に限られるものではない。
【0040】
また、循環配管102には、循環配管102内の圧力を測定する圧力計102Bと、循環配管102で循環する処理液にかかる圧力(圧力計102Bで測定される圧力、すなわち、吐出圧)を制御部90で制御することで調整可能な調整バルブ102Aが設けられる。調整バルブ102Aは、たとえば電空レギュレータまたはリリーフ弁などである。調整バルブ102Aは、圧力計102Bで測定される圧力が一定になるように調整バルブ102Aの開き度を調整して、吐出ノズル106Bからの処理液の吐出圧を制御する。
【0041】
供給配管106には、供給配管106に流れる処理液の流量を制御部90で制御することで調整可能なバルブ106Aと、供給配管106の下端に接続される吐出ノズル106Bとが設けられる。供給配管106には、循環配管102を流れる処理液の一部の流量が流れ込む。混合タンク10に貯留される処理液が硫酸である場合には、吐出ノズル106Bから吐出される前に硫酸に過酸化水素水またはオゾン水と混合され、硫酸と過酸化水素水との混合溶液(SPM)として基板Wの上面に吐出される。
【0042】
図3は、
図1および
図2に例が示された制御部90の構成の例を概念的に示す図である。制御部90は、電気回路を有する一般的なコンピュータによって構成されていてよい。具体的には、制御部90は、中央演算処理装置(central processing unit、すなわち、CPU)91、リードオンリーメモリ(read only memory、すなわち、ROM)92、ランダムアクセスメモリ(random access memory、すなわち、RAM)93、記憶装置94、入力部96、表示部97および通信部98と、これらを相互に接続するバスライン95とを備える。
【0043】
ROM92は基本プログラムを格納している。RAM93は、CPU91が所定の処理を行う際の作業領域として用いられる。記憶装置94は、フラッシュメモリまたはハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって構成されている。入力部96は、各種スイッチまたはタッチパネルなどによって構成されており、オペレータから処理レシピなどの入力設定指示を受ける。表示部97は、たとえば、液晶表示装置およびランプなどによって構成されており、CPU91の制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、local area network(LAN)などを介してのデータ通信機能を有する。
【0044】
記憶装置94には、基板処理装置1におけるそれぞれの構成の制御についての複数のモードがあらかじめ設定されている。CPU91が処理プログラム94Pを実行することによって、上記の複数のモードのうちの1つのモードが選択され、当該モードでそれぞれの構成が制御される。なお、処理プログラム94Pは、記録媒体に記憶されていてもよい。この記録媒体を用いれば、制御部90に処理プログラム94Pをインストールすることができる。また、制御部90が実行する機能の一部または全部は、必ずしもソフトウェアによって実現される必要はなく、専用の論理回路などのハードウェアによって実現されてもよい。
【0045】
図4は、本実施の形態に関する基板処理装置における、処理ユニット600および関連する構成の例を概略的に示す図である。なお、
図4では、
図2におけるある1つの供給配管106の下流に配置される処理ユニット600の構成の例が示されているが、他の供給配管106の下流に配置される処理ユニット600の構成も、
図4に例が示される場合と同様である。
【0046】
図4に例が示されるように、処理ユニット600は、内部空間を有する箱形のチャンバ80と、チャンバ80内で1枚の基板Wを水平姿勢で保持しつつ基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線Z1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック251と、基板Wの回転軸線Z1まわりにスピンチャック251を取り囲む筒状の処理カップ511とを備える。
【0047】
チャンバ80は、箱状の壁250Aによって囲まれている。壁250Aには、チャンバ80内に基板Wを搬出入するための開口部250Bが形成されている。
【0048】
開口部250Bは、シャッタ250Cによって開閉される。シャッタ250Cは、シャッタ昇降機構(ここでは、図示しない)によって、開口部250Bを覆う閉位置(
図4において点線で示される)と、開口部250Bを開放する開位置(
図4において実線で示される)との間で昇降させられる。
【0049】
図4に例が示されるように、スピンチャック251は、水平姿勢の基板Wに対向して設けられる円板状のスピンベース251Aと、スピンベース251Aの上面外周部から上方に突出し、かつ、基板Wの周縁部を挟持する複数のチャックピン251Bと、スピンベース251Aの中央部から下方に延びる回転軸251Cと、回転軸251Cを回転させることによって、スピンベース251Aに吸着されている基板Wを回転させるスピンモータ251Dとを備える。
【0050】
なお、スピンチャック251は、
図4に例が示された挟持式のチャックである場合に限られず、たとえば、基板Wの下面を真空吸着するスピンベースを備える、真空吸着式のチャックであってもよい。
【0051】
処理ユニット600には、他の用途の液を吐出するためのノズル(たとえば、他の薬液を吐出するノズル、または、リンス液を吐出するノズルなど)が接続されていてもよい。
【0052】
また、
図4に例が示されるように、処理ユニット600に接続されている供給配管106の先端には、処理液を吐出する吐出ノズル106Bが接続されている。吐出ノズル106Bは、チャンバ80の内側の所定部位(たとえば、スピンベース251A)に向けて処理液を吐出する。
【0053】
処理カップ511は、スピンチャック251の周囲を取り囲むように設けられており、図示しない昇降機構(モータまたはシリンダーなど)によって、鉛直方向に昇降する。処理カップ511の上部は、その上端がスピンベース251Aに保持された基板Wよりも上側となる上位置と、当該基板Wよりも下側になる下位置との間で昇降する。
【0054】
基板Wの上面から外側に飛散した処理液は、処理カップ511の内側面に受け止められる。そして、処理カップ511に受け止められた処理液は、チャンバ80の底部で、かつ、処理カップ511の内側に設けられた排液配管160を介して、チャンバ80の外部に適宜排液される。また、図示しないカップ排気機構によって処理カップ511内の雰囲気が排気される。
【0055】
また、チャンバ80の側部には、排気口515が設けられている。排気口515を通じて、チャンバ80内の雰囲気がチャンバ80外に適宜排出される。
【0056】
<基板処理装置の動作について>
次に、基板処理装置の動作について説明する。本実施の形態に関する基板処理装置による基板処理方法は、処理ユニット600へ搬送された基板Wに対し処理液を吐出して基板処理を行う工程と、基板処理が行われた基板Wを洗浄する工程と、洗浄された基板Wを回転させて乾燥させる工程と、乾燥された基板Wを処理ユニット600から搬出する工程とを備える。
【0057】
以下では、上記の基板処理装置の動作に含まれる基板処理について、
図5、
図6および
図7を参照しつつ説明する。ここで、
図5、
図6および
図7は、本実施の形態に関する基板処理装置1の動作の例を示す図である。なお、以下に示される動作は、制御部90によって基板処理装置1におけるそれぞれの構成(ポンプ、ヒーター、バルブ、または、スピンモータなど)の動作が制御されることによって行われる。
【0058】
まず、
図5に例が示されるように、プリドレイン(予備吐出)を行う。具体的には、制御部90の制御によってバルブ12Aおよびバルブ14Aを開き、純水供給源12からの純水と薬液供給源14からのフッ化水素とを同時に合流配管16Bへ供給して混合液を生成する。この際、合流配管16Bのバルブ16Aは閉じておき、合流配管16Bから分岐する回収配管18Bのバルブ18Aを開いておく。
【0059】
そして、合流配管16Bから回収配管18Bへ導かれた混合液は、所定の時間回収タンク20に供給される。プリドレインにおいて混合液が回収タンク20に供給される時間は、純水供給源12から供給される純水の流量と薬液供給源14から供給されるフッ化水素の流量とがともに安定するまでのあらかじめ定められた時間とする。
【0060】
次に、
図6に例が示されるように、純水供給源12から供給される純水の流量と薬液供給源14から供給されるフッ化水素の流量とがともに安定した後で、制御部90の制御でバルブ18Aを閉じ、かつ、バルブ16Aを開いて、所望の濃度に調整された混合液を合流配管16Bを介して混合タンク10へ供給する(本吐出)。当該混合液の供給は、混合タンク10において基板処理に必要となる流量が貯留されるまで(または、混合タンク10の最大貯留量まで)続けられる。
【0061】
一方で、先のプリドレインで回収タンク20に貯留された混合液は、循環配管202を循環しつつ、制御部90の制御によって、ヒーター216で混合タンク10内の混合液と同じ温度となるように調整され、また、補充配管206を介して供給されるフッ化水素および補充配管208を介して供給される純水によって、混合タンク10内の混合液と同じ濃度となるように調整される。
【0062】
なお、回収タンク20内の混合液が循環配管202を循環する際には、制御部90の制御によって、バルブ204Aが閉じられ、かつ、バルブ202Aが開かれる。また、循環配管202を循環する混合液の温度は、制御部90が温度計217で測定された混合液の温度に基づいてヒーター216の出力を制御することで調整される。また、循環配管202を循環する混合液の濃度は、濃度計218で測定された混合液の濃度および水位計20Aで測定された回収タンク20内の混合液の流量に基づいて、制御部90がポンプ206Bの出力(ショット回数)およびポンプ208Bの出力(ショット回数)を制御することで調整される。
【0063】
このようにして混合タンク10に貯留された混合液を用いて、処理ユニット600における基板処理を行う。
【0064】
次に、上記の基板処理を行うことによって混合タンク10内の混合液が減少し、流量がしきい値以下になった場合、
図7に例が示されるように、混合タンク10に混合液を補充する。
【0065】
具体的には、まず、回収タンク20に貯留されている少なくとも濃度が調整された状態の混合液を、混合タンク10へ優先的に補充する。このようにすることで、プリドレインで吐出されて基板処理に用いられなかった混合液を、基板処理のための処理液として有効に活用することができる。
【0066】
ここで、回収タンク20に貯留されている混合液は、
図6に示されたように濃度(さらには温度)が混合タンク10内の混合液と等しくなるように調整されているため、回収タンク20から混合タンク10に補充されても、混合タンク10内の混合液の温度および濃度の変化は小さく抑えられる。
【0067】
回収タンク20内の混合液を混合タンク10へ補充するためには、制御部90の制御によって、循環配管202のバルブ202Aを閉じ、かつ、循環配管202から分岐する供給配管204のバルブ204Aを開く。
【0068】
そして、回収タンク20内の混合液をすべて混合タンク10に補充した後(すなわち、回収タンク20に混合液が貯留されていない状態となった後)、未だ十分に混合タンク10内に混合液が貯留されていない場合には、
図5に例が示されたように、制御部90の制御でバルブ18Aを開き、かつ、バルブ16Aを閉じて、再びプリドレインを行う。なお、回収タンク20内の補充前の混合液が十分な流量でない場合、または、十分に濃度調整がなされていない場合にも、再びプリドレインを行う。
【0069】
その後、
図6に例が示されたように、純水供給源12から供給される純水の流量と薬液供給源14から供給されるフッ化水素の流量とがともに安定した後で、制御部90の制御でバルブ18Aを閉じ、かつ、バルブ16Aを開いて、所望の濃度に調整された混合液を合流配管16Bを介して混合タンク10へ供給する。
【0070】
一方で、上記のプリドレインによって回収タンク20に貯留された混合液は、循環配管202を循環しつつ、再びその温度および濃度が調整される。
【0071】
そして、上記のように混合タンク10に貯留された混合液を用いて、処理ユニット600における基板処理を行う。以降は、混合タンク内の混合液が所定の水位以下に減少した場合に、
図7、
図5、
図6の順で動作を繰り返す。
【0072】
このように動作することによって、プリドレイン(予備吐出)された混合液を回収タンクで回収して、基板処理に用いる混合液として再利用することができる。そのため、単位時間あたりの基板の処理枚数が多くなり、プリドレインで排液される処理液の流量が多くなっても、プリドレイン後の安定した混合比率である混合液の供給を確保しつつ、排液される処理液の流量を減らして効率的に基板処理を行うことができる。
【0073】
図8は、本実施の形態に関する基板処理装置における配管構造の変形例を示す図である。
図8に例が示されるように、基板処理装置1Aでは、複数の処理ユニット600と、回収タンク20と、混合タンク10とが、複数の配管構造によって接続されている。
【0074】
回収タンク20には、補充配管206を介して薬液供給源14からフッ化水素(HF)が補充される。同様に、回収タンク20には、補充配管208を介して純水供給源12から純水(DIW)が補充される。
【0075】
補充配管206には、補充するフッ化水素(HF)の積算流量を測定可能な流量計206Cと、補充配管206から回収タンク20へ補充されるフッ化水素(HF)の流量を制御部90の制御で調整するバルブ206Dとが設けられる。同様に、補充配管208には、補充する純水(DIW)の積算流量を測定可能な流量計208Cと、補充配管208から回収タンク20へ補充される純水(DIW)の流量を制御部90の制御で調整するバルブ208Dとが設けられる。
【0076】
基板処理装置1Aにおいても、
図5、
図6および
図7に示されたようなプリドレインおよび混合タンク10への混合液の補充動作を行うが、回収タンク20内の混合液の調整動作が、
図6における場合とは異なる。
【0077】
具体的には、循環配管202を循環する混合液の濃度は、濃度計218で測定された混合液の濃度および水位計20Aで測定された回収タンク20内の混合液の流量に基づいて、制御部90がバルブ206Dの開き度およびバルブ208Dの開き度を制御することで調整される。バルブ206Dの開き度は、流量計206Cで測定されるフッ化水素(HF)の積算流量に応じて制御される。同様に、バルブ208Dの開き度は、流量計208Cで測定される純水(DIW)の積算流量に応じて制御される。
【0078】
<以上に記載された実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された実施の形態によって生じる効果の例を示す。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態に例が示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例が示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。すなわち、以下では便宜上、対応づけられる具体的な構成のうちのいずれか1つのみが代表して記載される場合があるが、代表して記載された具体的な構成が対応づけられる他の具体的な構成に置き換えられてもよい。
【0079】
以上に記載された実施の形態によれば、基板処理装置は、薬液配管群と、合流配管16Bと、混合タンク10と、回収配管18Bと、回収タンク20と、薬液補充部と、供給配管204とを備える。ここで、薬液配管群は、たとえば、供給配管12Bと供給配管14Bとで構成されるものなどに対応するものである。また、薬液補充部は、たとえば、補充配管206の貯留タンク206Aおよびポンプ206B、補充配管208の貯留タンク208Aおよびポンプ208B、補充配管206の流量計206Cおよびバルブ206D、または、補充配管208の流量計208Cおよびバルブ208Dなどに対応するものである。薬液配管群は、複数種の薬液をそれぞれ供給する。合流配管16Bは、薬液配管群が合流して接続される。混合タンク10は、合流配管16Bで複数種の薬液が混合されて生成される混合液を貯留する。回収配管18Bは、合流配管16Bから分岐する。回収タンク20は、回収配管18Bを介して回収される混合液を貯留する。薬液補充部は、回収タンク20における混合液の濃度が混合タンク10における混合液と等しくなるように、回収タンク20に複数種の薬液をそれぞれ補充する。供給配管204は、回収タンク20に貯留されている混合液を、混合タンク10に供給する。
【0080】
このような構成によれば、プリドレイン(予備吐出)された混合液を回収タンクで回収して、基板処理に用いる混合液として再利用することができる。そのため、迅速な処理液の供給のためにプリドレインが必要となる場合であっても、プリドレイン後の安定した混合比率である混合液の供給を確保しつつ、排液される処理液の流量を減らして効率的に基板処理を行うことができる。また、プリドレインされた混合液のみを濃度調整することによって、濃度調整が必要となる処理液の流量を抑えることができる。
【0081】
なお、上記の構成に本願明細書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本願明細書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
【0082】
また、以上に記載された実施の形態によれば、基板処理装置は、回収タンク20における混合液の濃度を測定するための濃度計218と、回収タンク20における混合液の流量を測定するための水位計20Aとを備える。そして、薬液補充部は、濃度計218で測定された混合液の濃度、および、水位計20Aで測定された混合液の流量に基づいて、回収タンク20に補充する複数種の薬液の流量を調整する。このような構成によれば、回収タンク20内の混合液の濃度を適切に調整して、混合タンク10内の混合液と等しくすることができるため、回収タンク20から混合タンク10に補充されても、混合タンク10内の混合液の濃度の変化を抑えることができる。
【0083】
また、以上に記載された実施の形態によれば、基板処理装置は、回収タンク20における混合液の温度を、混合タンク10における混合液の温度と等しくなるように調整するための温度調整部を備える。ここで、温度調整部は、たとえば、ヒーター216、温度計217などに対応するものである。このような構成によれば、回収タンク20内の混合液の温度を適切に調整して、混合タンク10内の混合液と等しくすることができるため、回収タンク20から混合タンク10に補充されても、混合タンク10内の混合液の濃度の変化に加えて温度の変化も抑えることができる。
【0084】
また、以上に記載された実施の形態によれば、基板処理装置は、混合液の混合タンク10への供給と混合液の回収タンク20への供給とを切り替えるための制御部90を備える。そして、制御部90は、混合タンク10に混合液を供給する前の予備吐出として、合流配管16Bを流れる混合液を回収タンク20に供給する。また、制御部90は、回収タンク20に混合液が貯留されている場合には、回収タンク20における混合液を、供給配管204を介して混合タンク10に供給する。また、制御部90は、回収タンク20に混合液が貯留されていない場合には、薬液配管群から供給される混合液を回収タンク20に予備吐出した後で、合流配管16Bを介して混合液を混合タンク10に供給する。このような構成によれば、回収タンク20に貯留されている混合液を混合タンク10へ優先的に補充することで、プリドレインで吐出されて基板処理に用いられなかった混合液を、基板処理のための処理液として有効に活用することができる。
【0085】
以上に記載された実施の形態によれば、基板処理方法において、薬液配管群から供給された複数種の薬液を合流配管16Bで混合して混合液を生成し、かつ、混合液を回収タンク20へ予備吐出する。そして、薬液配管群から供給された複数種の薬液を合流配管16Bで混合して混合液を生成し、かつ、混合液を混合タンク10へ本吐出する。そして、予備吐出によって回収タンク20に供給された混合液の濃度が、本吐出によって混合タンク10に供給された混合液の濃度と等しくなるように、回収タンク20に複数種の薬液のうちの少なくとも1つを補充する。そして、回収タンク20における薬液が補充された混合液を、混合タンク10に供給する。そして、混合タンク10に供給された混合液を用いて基板処理を行う工程とを備える。
【0086】
このような構成によれば、プリドレインされた混合液を回収タンク20で回収して、基板処理に用いる混合液として再利用することができる。そのため、迅速な処理液の供給のためにプリドレインが必要となる場合であっても、排液される処理液の流量を減らして効率的に基板処理を行うことができる。
【0087】
なお、特段の制限がない場合には、それぞれの処理が行われる順序は変更することができる。
【0088】
また、上記の構成に本願明細書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本願明細書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
【0089】
<以上に記載された実施の形態の変形例について>
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、限定的なものではない。
【0090】
したがって、例が示されていない無数の変形例と均等物とが、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
【0091】
また、以上に記載された少なくとも1つの実施の形態において、特に指定されずに材料名などが記載された場合は、矛盾が生じない限り、当該材料に他の添加物が含まれた、たとえば、合金などが含まれるものとする。
【符号の説明】
【0092】
1 基板処理装置
1A 基板処理装置
10 混合タンク
12A バルブ
12B 供給配管
14A バルブ
14B 供給配管
16A バルブ
16B 合流配管
18A バルブ
18B 回収配管
20 回収タンク
90 制御部
106 供給配管
106A バルブ
116 ヒーター
118 濃度計
160A バルブ
162A バルブ
202A バルブ
204A バルブ
206D バルブ
208D バルブ
216 ヒーター
218 濃度計
W 基板