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特開2024-154827検索システム、検索装置および検索方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154827
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】検索システム、検索装置および検索方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/34 20190101AFI20241024BHJP
【FI】
G06F16/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068935
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】599041606
【氏名又は名称】三菱電機プラントエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】衣巻 頌子
(72)【発明者】
【氏名】西出 恭平
(72)【発明者】
【氏名】福井 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】伏見 渉
(72)【発明者】
【氏名】大澤 慶嗣
(72)【発明者】
【氏名】小村 真佐雄
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 雅敏
(72)【発明者】
【氏名】西島 章裕
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175HB03
5B175JC04
5B175JC05
(57)【要約】
【課題】作業の注意事項を漏れなく提示する。
【解決手段】検索文受付部310は対象作業に対する検索文を受け付ける。関連文書取得部210は、受け付けられた検索文に基づいて前記対象作業に関連する1つ以上の関連文書を取得する。提示順序決定部220は、取得された1つ以上の関連文書の提示順序を決定する。注意事項取得部230は、取得された関連文書ごとに注意事項文章を取得する。検索結果表示部320は、取得された1つ以上の関連文書を決定された提示順序に並べて示し、取得された1つ以上の関連文書のそれぞれに対応付けて取得された注意事項文章を示す検索結果画面を表示する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象作業に対する検索文を受け付ける検索文受付部と、
受け付けられた検索文に基づいて前記対象作業に関連する1つ以上の関連文書を文書データベースから取得する関連文書取得部と、
取得された1つ以上の関連文書の提示順序を決定する提示順序決定部と、
を備える検索システム。
【請求項2】
作業情報データベースは、1つ以上の作業情報を示し、作業情報ごとに注意事項を示し、
前記関連文書取得部は、
前記作業情報データベースを用いて前記対象作業の作業情報を前記検索文から抽出し、
前記対象作業の注意事項を前記作業情報データベースから取得し、
前記対象作業の前記作業情報と前記対象作業の前記注意事項の少なくともいずれかを含む1つ以上の文書を前記1つ以上の関連文書として前記文書データベースから取得する
請求項1に記載の検索システム。
【請求項3】
前記提示順序決定部は、
前記関連文書ごとに前記関連文書と前記検索文の類似度を算出し、
前記1つ以上の関連文書のそれぞれの重要度を取得し、
前記1つ以上の関連文書それぞれの評価値を算出し、
前記関連文書ごとに前記類似度と前記重要度と前記評価値に基づいてスコアを算出し、
前記1つ以上の関連文書のそれぞれのスコアに基づいて前記提示順序を決定する
請求項1に記載の検索システム。
【請求項4】
前記提示順序決定部は、
グループモデルを用いてグループ別に前記検索文の所属割合を算出し、
前記関連文書ごとに前記関連文書に対する各グループの評価パラメータを評価パラメータデータベースから取得し、
前記関連文書ごとにグループ別の前記検索文の前記所属割合と前記関連文書に対する各グループの前記評価パラメータを用いて前記評価値を算出する
請求項3に記載の検索システム。
【請求項5】
取得された関連文書ごとに注意事項文章を注意事項データベースから取得する注意事項取得部と、
取得された1つ以上の関連文書を決定された提示順序に並べて示し、取得された1つ以上の関連文書のそれぞれに対応付けて取得された注意事項文章を示す検索結果画面を表示する検索結果表示部と、
を備える
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の検索システム。
【請求項6】
前記1つ以上の関連文書のそれぞれは、前記対象作業の作業情報と前記対象作業の注意事項の少なくともいずれかを含み、
前記検索結果画面は、作業情報と注意事項の少なくともいずれかの有無について複数の選択肢を示す並び替え選択欄を有し、
前記検索結果表示部は、前記並び替え選択欄で選択された選択肢に応じて前記1つ以上の関連文書を並び替える
請求項5に記載の検索システム。
【請求項7】
前記1つ以上の関連文書のそれぞれは、前記対象作業の作業情報と前記対象作業の注意事項の少なくともいずれかを含み、
前記検索結果画面は、作業情報と注意事項の少なくともいずれかの有無について複数の選択肢を示す絞り込み選択欄を有し、
前記検索結果表示部は、前記絞り込み選択欄で選択された選択肢に応じて、提示される関連文書を絞り込む
請求項5に記載の検索システム。
【請求項8】
対象作業に対する検索文に基づいて前記対象作業に関連する1つ以上の関連文書を文書データベースから取得する関連文書取得部と、
取得された1つ以上の関連文書の提示順序を決定する提示順序決定部と、
を備える検索装置。
【請求項9】
対象作業に対する検索文を受け付け、
受け付けられた検索文に基づいて前記対象作業に関連する1つ以上の関連文書を文書データベースから取得し、
取得された1つ以上の関連文書の提示順序を決定する
検索方法。
【請求項10】
対象作業に対する検索文に基づいて前記対象作業に関連する1つ以上の関連文書を文書データベースから取得し、
取得された1つ以上の関連文書の提示順序を決定する
検索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業に関連する文書の検索に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、保守点検管理システムを開示している。
保守作業において、保守点検管理システムは、検索文をもとに、作業機器および作業内容に関する不適合情報を抽出する検索技術を提供する。
保守点検管理システムは、作業内容と作業の際に発生が想定される不具合事象の原因を対応させたテーブルが使用される。例えば、分解点検という作業内容と締結不良という原因が対応付けられる。保守点検管理システムは、作業機器の特定情報及び作業内容に基づいて、発生する可能性のある不適合情報を抽出する。具体的には、発生原因別に発生頻度の高い情報が重点的に不適合情報として抽出される。
保守点検管理システムは、不適合情報を作業指示票に記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-114715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な文書検索システムでは、検索文と文書の類似度をもとに文書の順位付けをしている。しかし、作業に関連する注意事項に基づいて文書の順位付けをすることはできない。
【0005】
特許文献1の保守点検管理システムは、作業内容と原因を紐づけることで、原因に関連する不適合情報を検索することが可能である。しかし、作業対象と作業動作のいずれかが記載された文書、および、作業対象または作業動作に関連する注意事項が記載された文書、を表示することはできない。そのため、重要な注意事項が記載された文書が見落とされてしまい、注意事項の抜け/漏れが多くなる。
【0006】
本開示は、作業の関連文書を特定の提示順序で提示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の検索システムは、
対象作業に対する検索文を受け付ける検索文受付部と、
受け付けられた検索文に基づいて前記対象作業に関連する1つ以上の関連文書を文書データベースから取得する関連文書取得部と、
取得された1つ以上の関連文書の提示順序を決定する提示順序決定部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、作業の関連文書を特定の提示順序で提示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における検索システム100の構成図。
図2】実施の形態1における検索装置200の構成図。
図3】実施の形態1における提示順序決定部220の構成図。
図4】実施の形態1における記憶部290の構成図。
図5】実施の形態1におけるクライアント装置300の構成図。
図6】実施の形態1における検索システム100の機能構成図。
図7】実施の形態1における検索方法のフローチャート。
図8】実施の形態1におけるステップS120のフローチャート。
図9】実施の形態1におけるステップS122の例を示す図。
図10】実施の形態1におけるステップS130のフローチャート。
図11】実施の形態1におけるステップS133の補足図。
図12】実施の形態1における提示順序の例を示す図。
図13】実施の形態1における検索画面の例を示す図。
図14】実施の形態2における検索装置200の構成図。
図15】実施の形態2におけるデータ準備部240の構成図。
図16】実施の形態2における記憶部290の構成図。
図17】実施の形態2におけるクライアント装置300の構成図。
図18】実施の形態2における検索システム100の機能構成図。
図19】実施の形態2における検索装置200の機能構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態および図面において、同じ要素または対応する要素には同じ符号を付している。説明した要素と同じ符号が付された要素の説明は適宜に省略または簡略化する。図中の矢印はデータの流れ又は処理の流れを主に示している。
【0011】
実施の形態1.
検索システム100について、図1から図12に基づいて説明する。
【0012】
***構成の説明***
図1に基づいて、検索システム100の構成を説明する。
検索システム100は、検索装置200とクライアント装置300を備える。
検索装置200は、サーバとして機能する装置である。クライアント装置300は、利用者に使用される装置である。
検索装置200とクライアント装置300は、ネットワークを介して互いに通信する。
【0013】
図2に基づいて、検索装置200の構成を説明する。
検索装置200は、プロセッサ201とメモリ202と補助記憶装置203と通信装置204と入出力インタフェース205といったハードウェアを備えるコンピュータである。これらのハードウェアは、信号線を介して互いに接続されている。
【0014】
プロセッサ201は、演算処理を行うICであり、他のハードウェアを制御する。例えば、プロセッサ201はCPUである。
ICは、Integrated Circuitの略称である。
CPUは、Central Processing Unitの略称である。
【0015】
メモリ202は揮発性または不揮発性の記憶装置である。メモリ202は、主記憶装置またはメインメモリとも呼ばれる。例えば、メモリ202はRAMである。メモリ202に記憶されたデータは必要に応じて補助記憶装置203に保存される。
RAMは、Random Access Memoryの略称である。
【0016】
補助記憶装置203は不揮発性の記憶装置である。例えば、補助記憶装置203は、ROM、HDD、フラッシュメモリまたはこれらの組み合わせである。補助記憶装置203に記憶されたデータは必要に応じてメモリ202にロードされる。
ROMは、Read Only Memoryの略称である。
HDDは、Hard Disk Driveの略称である。
【0017】
通信装置204はレシーバ及びトランスミッタである。例えば、通信装置204は通信チップまたはNICである。検索装置200の通信は通信装置204を用いて行われる。
NICは、Network Interface Cardの略称である。
【0018】
入出力インタフェース205は、入力装置および出力装置が接続されるポートである。例えば、入出力インタフェース205はUSB端子または無線通信であり、入力装置はキーボード、マウス、タッチペンとディスプレイを用いた操作情報の取得、XRデバイスを用いた操作情報の取得のいずれかであり、出力装置はディスプレイおよびXRデバイスである。検索装置200の入出力は入出力インタフェース205を用いて行われる。
USBは、Universal Serial Busの略称である。
XRは、クロスリアリティまたはエクステンデッドリアリティの略称である。
【0019】
検索装置200は、関連文書取得部210と提示順序決定部220と注意事項取得部230といった要素を備える。これらの要素はソフトウェアで実現される。
【0020】
補助記憶装置203には、関連文書取得部210と提示順序決定部220と注意事項取得部230としてコンピュータを機能させるための検索プログラムが記憶されている。検索プログラムは、メモリ202にロードされて、プロセッサ201によって実行される。
補助記憶装置203には、さらに、OSが記憶されている。OSの少なくとも一部は、メモリ202にロードされて、プロセッサ201によって実行される。
プロセッサ201は、OSを実行しながら、検索プログラムを実行する。
OSは、Operating Systemの略称である。
【0021】
検索プログラムの入出力データは記憶部290に記憶される。
補助記憶装置203は記憶部290として機能する。但し、メモリ202、プロセッサ201内のレジスタおよびプロセッサ201内のキャッシュメモリなどの記憶装置が、補助記憶装置203の代わりに、又は、補助記憶装置203と共に、記憶部290として機能してもよい。
【0022】
検索プログラムは、光ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録(格納)することができる。
【0023】
図3に基づいて、提示順序決定部220の構成を説明する。
提示順序決定部220は、類似度算出部221と重要度算出部222と評価値算出部223とスコア算出部224といった要素を備える。
【0024】
図4に基づいて、記憶部290の構成を説明する。
記憶部290には、文書DB291、作業情報DB292、重要度DB293、グループモデル294、評価パラメータDB295および注意事項DB296などが記憶される。
DBはデータベースの略称である。
【0025】
図5に基づいて、クライアント装置300の構成を説明する。
クライアント装置300は、プロセッサ301とメモリ302と補助記憶装置303と通信装置304と入出力インタフェース305といったハードウェアを備えるコンピュータである。これらのハードウェアは、信号線を介して互いに接続されている。
【0026】
プロセッサ301は、演算処理を行うICであり、他のハードウェアを制御する。例えば、プロセッサ301はCPUである。
メモリ302は揮発性または不揮発性の記憶装置である。メモリ302は、主記憶装置またはメインメモリとも呼ばれる。例えば、メモリ302はRAMである。メモリ302に記憶されたデータは必要に応じて補助記憶装置303に保存される。
補助記憶装置303は不揮発性の記憶装置である。例えば、補助記憶装置303は、ROM、HDD、フラッシュメモリまたはこれらの組み合わせである。補助記憶装置303に記憶されたデータは必要に応じてメモリ302にロードされる。
通信装置304はレシーバ及びトランスミッタである。例えば、通信装置304は通信チップまたはNICである。クライアント装置300の通信は通信装置304を用いて行われる。
入出力インタフェース305は、入力装置および出力装置が接続されるポートである。例えば、入出力インタフェース305はUSB端子であり、入力装置はキーボードおよびマウスであり、出力装置はディスプレイである。クライアント装置300の入出力は入出力インタフェース305を用いて行われる。
【0027】
クライアント装置300は、検索文受付部310と検索結果表示部320といった要素を備える。これらの要素はソフトウェアで実現される。
【0028】
補助記憶装置303には、検索文受付部310と検索結果表示部320としてコンピュータを機能させるためのクライアントプログラムが記憶されている。クライアントプログラムは、メモリ302にロードされて、プロセッサ301によって実行される。
補助記憶装置303には、さらに、OSが記憶されている。OSの少なくとも一部は、メモリ302にロードされて、プロセッサ301によって実行される。
プロセッサ301は、OSを実行しながら、クライアントプログラムを実行する。
【0029】
クライアントプログラムの入出力データは記憶部390に記憶される。
補助記憶装置303は記憶部390として機能する。但し、メモリ302、プロセッサ301内のレジスタおよびプロセッサ301内のキャッシュメモリなどの記憶装置が、補助記憶装置303の代わりに、又は、補助記憶装置303と共に、記憶部390として機能してもよい。
【0030】
クライアントプログラムは、光ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記録媒体にコンピュータ読み取り可能に記録(格納)することができる。
【0031】
図6に、検索システム100の機能構成を示す。
【0032】
***動作の説明***
検索システム100の動作の手順は検索方法に相当する。
【0033】
図7に基づいて、検索方法を説明する。
ステップS110において、利用者は、対象作業に対する検索文をクライアント装置300に入力する。
検索文受付部310は、入力された検索文を受け付ける。
検索文は、対象作業に関連する1つ以上のキーワードを含む文字列である。
対象作業は、検索の対象となる作業である。
【0034】
例えば、検索文は手順書に記載された作業名などを含む。具体的には、検索文は、作業の名称と機器の名称と工事場所の名称と点検場所の名称と担当者の名前のいずれか、または、これらの組み合わせを含む。
検索文受付部310が予め決められた複数の選択肢をディスプレイに表示し、利用者が複数の選択肢の中からキーワードを選択してもよい。
【0035】
ステップS110の説明を続ける。
検索文受付部310は、検索文を検索装置200へ送信する。
関連文書取得部210は、検索文を受信する。
【0036】
ステップS120において、関連文書取得部210は、文書DB291を検索して1つ以上の関連文書を見つけ、見つかった1つ以上の関連文書を文書DB291から取得する。
文書DB291は、1つ以上の文書が登録されたデータベースである。
関連文書は、対象作業に関連する文書であり、検索文に含まれる1つ以上のキーワードに関連する。
【0037】
図8に基づいて、ステップS120の手順を説明する。
ステップS121において、関連文書取得部210は、作業情報DB292を用いて、対象作業の作業情報を検索文から抽出する。
作業情報は、作業を特定する情報である。具体的には、作業情報は作業対象および作業動作を示す。
【0038】
対象作業の作業情報は以下のように抽出される。
作業情報DB292は、1つ以上の作業情報を示す。
関連文書取得部210は、作業情報DB292に示される作業情報と同じ作業情報を検索文から抽出する。抽出される作業情報が対象作業の作業情報である。
【0039】
関連文書取得部210は、作業情報の他に機器名、工事名、点検場所、担当者などの詳細情報のいずれかを取得してもよい。
【0040】
ステップS122において、関連文書取得部210は、対象作業の注意事項を作業情報DB292から取得する。
【0041】
対象作業の注意事項は以下のように取得される。
作業情報DB292は、作業情報ごとに作業情報に対応付けて注意事項を示す。
関連文書取得部210は、対象作業の作業情報と同じ作業情報に対応付けられた注意事項を作業情報DB292から取得する。取得される注意事項が対象作業の注意事項である。
【0042】
作業情報DB292は、辞書またはオントロジーに相当する。
作業情報DB292は、作業情報に対応付けて注意事項の他に機器名、工事名、点検場所、担当者などの詳細情報を示してもよい。この場合、関連文書取得部210は、注意事項と共に詳細情報を取得する。
【0043】
図9に基づいて、ステップS122の例を説明する。
オントロジーは作業情報DB292に相当する。
オントロジーは熟練作業者によって生成される。熟練作業者は知見に基づいて作業対象と作業動作と注意事項をオントロジーに設定する。
検索文は「電源電圧の測定」である。検索文には作業対象「電源電圧」と作業動作「測定」が含まれる。
この場合、関連文書取得部210は、注意事項「手袋」および「専用テーブル」をオントロジーから取得する。
【0044】
図8に戻り、ステップS123を説明する。
ステップS123において、関連文書取得部210は、文書DB291を検索して対象作業の作業情報と対象作業の注意事項の少なくともいずれかを含む文書を見つけ、見つかった文書を文書DB291から取得する。取得される文書が関連文書である。
【0045】
検索文から作業情報の他に機器名、工事名、点検場所、担当者などの詳細情報のいずれかを取得し、対象作業の注意事項の他に詳細情報を取得した場合、関連文書取得部210は次のように動作する。関連文書取得部210は文書DB291を検索する。そして、関連文書取得部210は、対象作業の作業情報と対象作業の注意事項の少なくともいずれかを含む文書のうち、機器名、工事名、点検場所、担当者などの詳細情報のいずれかを含む文書を文書DB291から関連文書として取得する。
【0046】
文書全体が検索の対象になってもよいし、文書の中の一部の文章が検索の対象になってもよい。検索の対象となる一部の文章は予め決められ、文書DB291に定義される。例えば、作業情報を含む文章(作業情報文章)および注意事項を含む文章(注意事項文章)および機器名、工事名、点検場所、担当者などの詳細情報のいずれかを含む文章が検索の対象となる。
作業情報と注意事項は同じ文章に含まれなくてもよい。但し、作業情報と注意事項が同じ文章に含まれることを検索の条件にしてもよい。また、作業情報文章として定義された文章に作業情報が含まれることを検索の条件にしてもよいし、注意事項文章として定義された文章に注意事項が含まれることを検索の条件にしてもよい。
【0047】
図7に戻り、ステップS130から説明を続ける。
ステップS130において、提示順序決定部220は、1つ以上の関連文書の提示順序を決定する。
【0048】
図10に基づいて、ステップS130の手順を説明する。
ステップS131において、類似度算出部221は、関連文書ごとに関連文書と検索文の類似度を算出する。
【0049】
類似度は以下のように算出される。
まず、類似度算出部221は、関連文書ベクトルを生成する。
関連文書ベクトルは関連文書における各単語の出現回数を示す。関連文書ベクトルは次のように生成される。類似度算出部221は、関連文書の中の単語ごとに関連文書における単語の出現回数を数え、各単語の出現回数を示すベクトルを生成する。生成されるベクトルが関連文書ベクトルである。
関連文書ベクトルは、関連文書の全体のベクトルであってもよいし、関連文書の中の文章のうちの作業情報文章または注意事項文章のベクトルであってもよい。
必要な単語または不必要な単語がDBに登録され、必要な単語だけを対象にして関連文書ベクトルが生成されてもよい。
類義語DBを参照して互いに類義語の関係にある2つ以上の単語をマージして関連文書ベクトルが生成されてもよい。
関連文書ベクトルは、単語の重要性または単語間の関係性に基づいて調整されてもよい。例えば、利用者が重要と考える単語に対応するベクトル要素が調整されてもよいし、単語の階層関係情報に基づいて上位の単語(または下位の単語)に対応するベクトル要素が調整されてもよい。
各文書のベクトルが予め算出されてベクトルDBに登録され、関連文書ベクトルがベクトルDBから取得されてもよい。
【0050】
また、類似度算出部221は、検索文ベクトルを生成する。
検索文ベクトルは検索文における各単語の出現回数を示す。検索文ベクトルは関連文書ベクトルと同様に生成される。
【0051】
各ベクトルは、BoWまたはTF-IDなどを用いて算出することができる。
【0052】
そして、類似度算出部221は、関連文書ベクトルと検索文ベクトルのコサイン類似度を算出する。算出されるコサイン類似度が関連文書と検索文の類似度である。
【0053】
ステップS132において、重要度算出部222は、重要度DB293から、1つ以上の関連文書のそれぞれの重要度を取得する。
重要度DB293は、文書DB291に登録された文書ごとに文書の重要度を示す。
【0054】
各文書の重要度は、設計者によって文書の内容に基づいて決められる。
ある注意事項の確認を怠ると重大な事故が発生すると仮定する。この場合、その注意事項が記載された文書の重要度は高い。つまり、重大な事故につながる注意事項が記載された文書の重要度は高い。
例えば、重要度は1から5までの5段階で決められる。重要度「5」は、例えば、注意を怠った場合に重大な事故につながる可能性が高い注意事項が記載された文書に付与される。重要度「1」は、例えば、軽微な事故につながる可能性が高い注意事項が記載された文書に付与される。
【0055】
各文書の重要度は、文書の内容に基づいて算出されてもよい。
具体的には、注意事項に関連する文章が文書から抽出され、抽出された文章に含まれる特別な記載に基づいて重要度が算出される。特別な記載の例は、赤字、太字、下線付き、特定の単語などである。特定の単語の例は「必ず」および「絶対」などである。
例えば、一か所の特別な記載ごとに要素点を加えて算出される合計値が重要度となる。要素点は予め決められた点数(例えば0.1点)である。特別な記載の種類ごと要素点が異なってもよい。
【0056】
ステップS133において、評価値算出部223は、関連文書ごとに関連文書の評価値を算出する。
【0057】
図11に、ステップS133の補足図を示す。
評価値は以下のように算出される。
まず、評価値算出部223は、グループモデル294を用いてグループ別に検索文の所属割合を算出する。検索文の所属割合は検索文がグループに属する割合である。図9において、検索文は、電気に関するグループと風に関するグループのそれぞれに属する。
例えば、評価値算出部223は、検索文を入力にしてグループモデル294を演算する。これにより、グループ別に検索文の所属割合が得られる。
次に、評価値算出部223は、関連文書に対する各グループの評価パラメータを評価パラメータDB295から取得する。
評価パラメータDB295は、文書とグループの組ごとに評価パラメータを示す。評価パラメータはグループの評価値に相当する。「参考になった」が押された文書および閲覧された文書の評価パラメータの値が高く、「参考にならなかった」が押された文書のパラメータ値の値が低くなるように、評価パラメータは設定される。
そして、評価値算出部223は、グループ別の検索文の所属割合と関連文書に対する各グループの評価パラメータを用いて、関連文書の評価値を算出する。関連文書の評価値は、操作情報の重み付け加算、コンテキストバンディットまたは適合フィードバックなどによって算出することができる。
【0058】
関連文書jの評価値E(j)は以下の式で表される。
(k,j)は、関連文書jに対する第kグループの評価パラメータである。
B(k)は、第kグループに対する検索文の所属割合である。
【0059】
【数1】
【0060】
ステップS134において、スコア算出部224は、1つ以上の関連文書のそれぞれの類似度、重要度および評価値に基づいて、関連文書ごとにスコアを算出する。
【0061】
関連文書のスコアは下のように算出される。
まず、スコア算出部224は、類似度と重要度を用いて仮スコアを算出する。仮スコアは類似度と重要度のそれぞれが高いほど高い。例えば、仮スコアは類似度と重要度の重み付け和である。この仮スコアは以下の式で表すことができる。「α」は類似度用の重み係数である。「β」は重要度用の重み係数である。重み係数は予め決められる。重み係数は機械学習またはシミュレーションによって算出されてもよい。
スコア=α×類似度+β×重要度
【0062】
そして、スコア算出部224は、仮スコアと評価値を用いて最終スコアを算出する。最終スコアは仮スコアと評価値のそれぞれが高いほど高い。例えば、最終スコアは仮スコアと評価値の重み付け和である。この最終スコアは以下の式で表すことができる。「θ」は仮スコア用の重み係数である。「γ」は評価値用の重み係数である。
最終スコア=θ×仮スコア+γ×評価値
【0063】
最終スコアが関連文書のスコアとなる。
【0064】
提示順序決定部220は、1つ以上の関連文書のそれぞれの(最終)スコアに基づいて提示順序を決定する。
1つ以上の関連文書における(最終)スコアの高い順が1つ以上の関連文書の提示順序となる。
【0065】
図7に戻り、ステップS140から説明を続ける。
ステップS140において、注意事項取得部230は、関連文書ごとに注意事項文章を注意事項DB296から取得する。
注意事項DB296は、文書DB291に登録された文書ごとに文書に含まれる注意事項文章を示す。
注意事項文章は、注意事項に関連する文章である。注意事項文章は、注意事項に関連する文章の要約であってもよい。
【0066】
注意事項取得部230は、1つ以上の注意事項文章のうちの重要事項文章を選択してもよい。
重要事項文章は、重要な注意事項に関連する文章である。
【0067】
注意事項DB296は、文書に含まれる注意事項文章の他に文書に対応する作業情報を示してもよい。この場合、注意事項取得部230は注意事項文章と共に作業情報を取得する。
【0068】
ステップS140の説明を続ける。
注意事項取得部230は、検索結果をクライアント装置300へ送信する。
検索結果表示部320は、検索結果を受信する。
検索結果は、1つ以上の関連文書、1つ以上の関連文書の提示順序、1つ以上の関連文書のそれぞれのスコア、1つ以上の関連文書のそれぞれの注意事項文章などを示す。
【0069】
ステップS150において、検索結果表示部320は、検索結果に基づいて検索結果画面を生成し、検索結果画面をディスプレイに表示する。
検索結果画面は、検索結果を示す画面である。
【0070】
検索結果画面は、提示順序に並べて1つ以上の関連文書を示し、1つ以上の関連文書のそれぞれに対応付けて注意事項文章を示す。
【0071】
検索結果画面は並び替え機能を有する。
並び替え機能は、利用者の操作にしたがって1つ以上の関連文書を並び替える機能である。つまり、並び変え機能は提示順序を変更する機能である。具体的には、検索結果画面は並び替え選択欄を有する。並び替え選択欄は、作業情報と注意事項の少なくともいずれかの有無について複数の選択肢を示す。
並び替え機能により、例えば作業情報を含む文書が上位に表示される。
【0072】
図12に、4つの文書(A~D)の提示順序の例を示す。
文書Aのスコアは0.6であり、文書Aは作業対象を含み作業動作を含まない。
文書Bのスコアは0.5であり、文書Bは作業対象を含まず作業動作を含む。
文書Cのスコアは0.4であり、文書Cは作業対象と作業動作を含む。
文書Dのスコアは0.3であり、文書Dは作業対象を含み作業動作を含まない。
スコアに基づく提示順序の場合、4つの文書(A~D)は(1)の並び順で表示される。
作業対象および作業動作の有無に応じて提示順序が変更された場合、4つの文書(A~D)は(2)の並び順で表示される。作業対象のみ含む2つの文書(A、D)はスコア順に表示される。
【0073】
検索結果画面の説明を続ける。
検索結果画面は絞り込み機能を有する。
絞り込み機能は、提示される関連文書を利用者の操作にしたがって絞り込む機能である。具体的には、検索結果画面は絞り込み選択欄を有する。絞り込み選択欄は、作業情報と注意事項の少なくともいずれかの有無について複数の選択肢を示す。
絞り込み機能により、例えば注意事項を含む関連文書のみが表示される。絞り込み機能により、機器、工事、点検場所または担当者の名称を含む関連文書を表示することも可能である。
【0074】
図13に、検索画面の例を示す。
検索画面は検索結果画面を兼ねる。
検索画面は、検索文の入力欄を有する。検索文の入力欄は、作業内容の入力欄と機器名の選択欄と工事/点検場所の選択欄と担当者の選択欄を有する。
検索画面は、並び替え/絞り込みの選択欄を有する。並び替え/絞り込みの選択欄は複数の選択肢を示す。選択される回数が多い選択肢は強調して表示してもよい。
検索画面は、検索結果の表示欄を有する。検索結果の表示欄は、注意事項の欄を有し、文書と作成者と作業名と作成日と文書種類と機器名と評価のいずれかの欄を有してもよい。文書欄は文書を閲覧するためのリンクを示す。
【0075】
検索結果表示部320は、並び替え/絞り込みの選択欄で選択された選択肢に応じた提示順序で1つ以上の関連文書を検索結果の表示欄に示す。
並び替え/絞り込みの選択欄で「作業対象・作業動作を含む文書を上位に表示」が選択された場合、1つ以上の関連文書は、「作業対象・作業動作」を含む文書、「作業対象」のみを含む文書、それ以外の文書という順序で表示される。
「作業対象・作業動作」を含む文書、「作業対象」のみを含む文書、または、それ以外の文書が複数ある場合、複数の文書はスコアの降順で表示される。
「作業対象・作業動作の注意事項を含む文書のみ表示」が選択された場合、「作業対象と作業動作に関連する注意事項」を含む文書のみを対象にして提示順序が決定される。「作業対象と作業動作に関連する注意事項」を含む文書のスコアの降順が提示順序となる。
「作業対象・作業動作を含む文書を上位に表示」および「作業対象・作業動作の注意事項を含む文書のみ表示」が選択されない場合、スコアの降順が提示順序となる。
【0076】
利用者は、検索結果の表示欄で作成者と作成日と文書種類と機器名といった情報を選択することで、選択された情報に関連する文書を閲覧することが可能になる。各選択肢と注意事項の重要度が関連付けられ、重要な注意事項に関連する選択肢が強調して表示されてもよい。また、「作業対象・作業動作の注意事項を含む文書のみ表示」の選択肢が予め選択された状態で表示されてもよい。
強調表示の例は、他の選択肢よりも上部への表示、太字、赤字または下線付きでの表示、注意を促す表示などである。注意を促す文言の例は「おすすめ」である。注意を促すマークの例は感嘆符である。
【0077】
注意事項欄には、重要な注意事項のみが表示されてもよい。注意事項欄には注意事項の一部または注意事項の要約が表示され、マウスオーバーされたとき注意事項の全てが表示されてよい。
【0078】
文書種類の例は、不適合事例およびリスクアセスメントシートなどである。
【0079】
検索画面は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンまたはXRゴーグルなどのディスプレイに表示される。
【0080】
検索画面に表示された情報が音声で読み上げられてもよい。
【0081】
***実施の形態1の効果***
実施の形態1は以下のような効果を奏する。
対象作業の作業情報(作業対象、作業動作)を含む文書を優先して提示することができる。
作業情報と注意事項が関連付けられるため、対象作業に関連する注意事項を含む文書を優先して提示することができる。つまり、対象作業に関連する注意事項を含む文書を上位にして提示することができる。これにより、対象作業において最も注意すべき注意事項を提示することができる。また、注意事項の抜け/漏れを防止することが可能となる。
対象作業の作業情報に関連する注意事項のみに絞り込んで検索結果を提示できる。そのため、検索結果として表示される文書の数を一般的な検索手法「BERT」で表示される文書の数よりも少なくすることが可能である。
大量の学習用データを用意しなくても高精度な検索が可能である。
【0082】
文書と注意事項を含んだ文章が予め関連付けられることで、注意事項に関連する文章を高精度で容易に抽出することが可能となる。
文書の中の対象作業に関連する注意事項が検索結果として提示されることで、利用者は提示された文書が重要な注意事項の記載された文書であるか判断できる。その結果、注意事項の抜け/漏れを防止することが可能となる。
【0083】
重大な事故につながるような注意事項が記載された文書を文書の重要度に応じて優先して提示することで、利用者は対象作業に関連する最も注意すべき注意事項を知ることができる。
【0084】
実施の形態2.
検索システム100で使用される各種データを自動で準備する形態について、主に実施の形態1と異なる点を図14から図19に基づいて説明する。
【0085】
***構成の説明***
図14に基づいて、検索装置200の構成を説明する。
検索装置200は、さらに、データ準備部240を備える。
検索プログラムは、さらに、データ準備部240としてコンピュータを機能させる。
【0086】
図15に基づいて、データ準備部240の構成を説明する。
データ準備部240は、注意事項判断部241と操作情報登録部242と評価パラメータ更新部243とグループモデル生成部244といった要素を備える。
【0087】
図16に基づいて、記憶部290の構成を説明する。
記憶部290には、さらに、操作ログ297が記憶される。
【0088】
図17に基づいて、クライアント装置300の構成を説明する。
クライアント装置300は、さらに、操作情報取得部330を備える。
クライアントプログラムは、さらに、操作情報取得部330としてコンピュータを機能させる。
【0089】
図18に、検索システム100の機能構成の一部を示す。
図19に、検索装置200の機能構成の一部を示す。
【0090】
***動作の説明***
注意事項判断部241の動作を説明する。
注意事項判断部241は、注意事項DB296を以下のように生成する。
まず、注意事項判断部241は、文書DB291に登録された文書ごとに文書の中の注意事項文章を判断する。注意事項文章は注意事項に関連する文章である。
このとき、注意事項判断部241は作業文章を合わせて判断してもよい。
そして、注意事項判断部241は、文書DB291に登録された文書ごとに文書の中の注意事項文章を注意事項DB296に登録する。
このとき、注意事項判断部241は作業文章を合わせて登録してもよい。
【0091】
注意事項文章は、例えば以下のように手動で判断される。
注意事項判断部241は、文書をディスプレイに表示する。
設計者は、文書の中の各文章を参照し、注意事項に関連する文章を選択する。
注意事項判断部241は、選択された文章を注意事項文章と判断する。
【0092】
注意事項文章は、例えば以下のようにトピックモデルを用いて判断される。
注意事項判断部241は、文書DB291に登録された文書を用いてトピックモデルを作成し、各文書の中の文章ごとにトピックモデルを用いて文章の所属グループを判断し、グループごとにグループに属する各文章をディスプレイに表示する。グループの例は、作業文章グループ、注意事項文章グループ、その他グループである。作業文章グループは、作業に関連する文章(作業文章)が属するグループである。注意事項文章グループは、注意事項文章が属するグループである。その他文章グループは、作業文章と注意事項文章のいずれでもない文章(その他文章)が属するグループである。
設計者は、グループごとにグループに属する各文章を確認し、注意事項文章が属するグループを選択する。
このとき、注意事項判断部241は作業文章が属するグループを合わせて選択してもよい。
注意事項判断部241は、選択されたグループに属する各文章を注意事項文章と判断する。
このとき、注意事項判断部241は選択された作業文章グループに属する各文章を作業文章と判断してもよい。
【0093】
注意事項文章は、例えば以下のように学習済みモデルを用いて判断される。
注意事項判断部241は、学習済みモデルを用いて文書の中の各文章を注意事項文章、作業文章またはその他文章に分類し、注意事項文章に分類された各文章を注意事項文章と判断する。
学習済みモデルは、それぞれに分類がラベル付けされた複数の文章を教師データにして機械学習を実施することによって生成される。
【0094】
注意事項判断部241は、注意事項文章の他に注意事項要約、作業文章および作業要約を判断して注意事項DB296に登録してもよい。注意事項要約は注意事項文章の要約である。作業要約は作業文章の要約である。
注意事項判断部241は、注意事項文章の他に文書情報を判断して注意事項DB296に登録してもよい。文書情報の例は、文書名、関連機器名、作業担当者、関連工事名、点検作業名などである。
注意事項判断部241は、重要な注意事項文章および重要な注意事項文章の要約を判断して注意事項DB296に登録してもよい。注意事項判断部241は、重要な作業文章および重要な作業文章の要約を判断して注意事項DB296に登録してもよい。
【0095】
作業文章および作業要約が検索文と文書の類似度の算出に用いられてもよい。
【0096】
注意事項判断部241は、注意事項文章などを編集して注意事項DB296に登録してもよい。編集の具体例は、大文字/小文字の統一、不要な数字の削除、不要な単語の削除、不要な単語の置換、同義語への単語の置換などである。
【0097】
注意事項文章と他の情報は知識グラフのように関連付けることができる。
【0098】
操作情報取得部330と操作情報登録部242の動作を説明する。
利用者は、検索結果画面において検索結果に対して各種操作を行う。
操作の例は、閲覧操作、評価操作、並び替え操作および絞り込み操作である。閲覧操作は、関連文書の閲覧のための操作である。評価操作は、関連文書の評価のための操作である。並び替え操作は、提示順序の並び替えのための操作である。絞り込み操作は、提示される関連文書の絞り込みのための操作である。
操作情報取得部330は操作情報を取得する。操作情報は利用者の操作を特定する情報である。
操作情報は、操作内容、操作日時、利用者情報、操作文書情報などを示す。操作文書情報は、操作された関連文書の情報であり、文書名および提示順位などを示す。
操作情報取得部330は、操作情報を検索装置200へ送信する。
操作情報登録部242は、操作情報を受信し、操作情報を操作ログ297に登録する。
【0099】
評価パラメータ更新部243の動作を説明する。
評価パラメータ更新部243は評価パラメータDB295を以下のように更新する。
評価パラメータ更新部243は、操作ログ297に登録された操作情報のうちの評価操作情報と閲覧操作情報に基づいて各グループの評価パラメータを更新する。
各グループの評価パラメータは次のように更新される。評価パラメータ更新部243は、評価操作情報と閲覧操作情報に基づいて関連文書の基準点を判断し、関連文書の基準点と各グループに対する関連文書の所属割合を用いて各グループに対する加算点を算出する。そして、評価パラメータ更新部243は、グループごとに加算点を足して評価パラメータを更新する。
基準点は、評価内容および閲覧内容に対して予め決定される。例えば、基準点は、「参考になった」という評価の有無と「参考にならなかった」という評価の有無と閲覧の有無と閲覧時間の長さのそれぞれに対して決定される。基準点はコンテキストバンティットを用いて決定されてよい。
【0100】
第kグループの更新後の評価パラメータP(k,j)は以下の式で表される。B(k)は第kグループに対する文書jの所属割合である。S(j)は文書jの基準点である。P(k,j)’は第kグループの更新前の評価パラメータである。
(k,j)=P(k,j)’+S(j)×B(k)
【0101】
「参考になった」と評価された回数が多くて閲覧された回数が多い文書の所属割合が高いグループの評価パラメータは高い。
「参考にならなかった」と評価された回数が多くて閲覧された回数が少ない文書の所属割合が高いグループの評価パラメータは低い。
【0102】
グループモデル生成部244の動作を説明する。
グループモデル生成部244は以下のようにグループモデル294を生成する。
まず、グループモデル生成部244は、文書DB291に登録された文書ごとに文書ベクトルを生成する。生成方法は、関連文書ベクトルを生成する方法と同じである。
次に、グループモデル生成部244は、文書DB291に登録された文書を各文書の文書ベクトルに基づいてグループ分けする。同じグループに属する各文書の文書ベクトルは互いに近似する。つまり、同じグループに属する各文書は似通った意味を持つ単語を互いに含む。
そして、グループモデル生成部244は、グループ分けされた文書を使ってグループモデル294を生成する。
例えば、グループモデル294は、機械学習手法またはクラスタリング手法によって生成される。機械学習手法の一例はトピックモデル手法である。クラスタリング手法の一例はk-means法である。
【0103】
***実施の形態2の効果***
実施の形態2により、実施の形態1で使用される各種データを自動で準備することが可能となる。
【0104】
***実施の形態の補足***
各実施の形態は、好ましい形態の例示であり、本開示の技術的範囲を制限することを意図するものではない。各実施の形態は、部分的に実施してもよいし、他の形態と組み合わせて実施してもよい。フローチャート等を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。
【0105】
検索装置200がクライアント装置300の機能を備えてもよい。つまり、検索装置200とクライアント装置300は1台の装置で実現されてもよい。
現されてもよい。
検索装置200およびクライアント装置300の各要素は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで実現されてもよい。
検索装置200およびクライアント装置300の各要素の「部」は、「処理」、「工程」、「回路」または「サーキットリ」と読み替えてもよい。
【0106】
以下に、本開示の諸態様を付記として記載する。
(付記1)
対象作業に対する検索文を受け付ける検索文受付部と、
受け付けられた検索文に基づいて前記対象作業に関連する1つ以上の関連文書を文書データベースから取得する関連文書取得部と、
取得された1つ以上の関連文書の提示順序を決定する提示順序決定部と、
を備える検索システム。
【0107】
(付記2)
作業情報データベースは、1つ以上の作業情報を示し、作業情報ごとに注意事項を示し、
前記関連文書取得部は、
前記作業情報データベースを用いて前記対象作業の作業情報を前記検索文から抽出し、
前記対象作業の注意事項を前記作業情報データベースから取得し、
前記対象作業の前記作業情報と前記対象作業の前記注意事項の少なくともいずれかを含む1つ以上の文書を前記1つ以上の関連文書として前記文書データベースから取得する
付記1に記載の検索システム。
【0108】
(付記3)
前記提示順序決定部は、
前記関連文書ごとに前記関連文書と前記検索文の類似度を算出し、
前記1つ以上の関連文書のそれぞれの重要度を取得し、
前記1つ以上の関連文書それぞれの評価値を算出し、
前記関連文書ごとに前記類似度と前記重要度と前記評価値に基づいてスコアを算出し、
前記1つ以上の関連文書のそれぞれのスコアに基づいて前記提示順序を決定する
付記1または付記2に記載の検索システム。
【0109】
(付記4)
前記提示順序決定部は、
グループモデルを用いてグループ別に前記検索文の所属割合を算出し、
前記関連文書ごとに前記関連文書に対する各グループの評価パラメータを評価パラメータデータベースから取得し、
前記関連文書ごとにグループ別の前記検索文の前記所属割合と前記関連文書に対する各グループの前記評価パラメータを用いて前記評価値を算出する
付記3に記載の検索システム。
【0110】
(付記5)
取得された関連文書ごとに注意事項文章を注意事項データベースから取得する注意事項取得部と、
取得された1つ以上の関連文書を決定された提示順序に並べて示し、取得された1つ以上の関連文書のそれぞれに対応付けて取得された注意事項文章を示す検索結果画面を表示する検索結果表示部と、
を備える
付記1から付記4のいずれか1つに記載の検索システム。
【0111】
(付記6)
前記1つ以上の関連文書のそれぞれは、前記対象作業の作業情報と前記対象作業の注意事項の少なくともいずれかを含み、
前記検索結果画面は、作業情報と注意事項の少なくともいずれかの有無について複数の選択肢を示す並び替え選択欄を有し、
前記検索結果表示部は、前記並び替え選択欄で選択された選択肢に応じて前記1つ以上の関連文書を並び替える
付記5に記載の検索システム。
【0112】
(付記7)
前記1つ以上の関連文書のそれぞれは、前記対象作業の作業情報と前記対象作業の注意事項の少なくともいずれかを含み、
前記検索結果画面は、作業情報と注意事項の少なくともいずれかの有無について複数の選択肢を示す絞り込み選択欄を有し、
前記検索結果表示部は、前記絞り込み選択欄で選択された選択肢に応じて、提示される関連文書を絞り込む
付記5または付記6に記載の検索システム。
【0113】
(付記8)
対象作業に対する検索文に基づいて前記対象作業に関連する1つ以上の関連文書を文書データベースから取得する関連文書取得部と、
取得された1つ以上の関連文書の提示順序を決定する提示順序決定部と、
を備える検索装置。
【0114】
(付記9)
対象作業に対する検索文を受け付け、
受け付けられた検索文に基づいて前記対象作業に関連する1つ以上の関連文書を文書データベースから取得し、
取得された1つ以上の関連文書の提示順序を決定する
検索方法。
【0115】
(付記10)
対象作業に対する検索文に基づいて前記対象作業に関連する1つ以上の関連文書を文書データベースから取得し、
取得された1つ以上の関連文書の提示順序を決定する
検索方法。
【符号の説明】
【0116】
100 検索システム、200 検索装置、201 プロセッサ、202 メモリ、203 補助記憶装置、204 通信装置、205 入出力インタフェース、210 関連文書取得部、220 提示順序決定部、221 類似度算出部、222 重要度算出部、223 評価値算出部、224 スコア算出部、230 注意事項取得部、240 データ準備部、241 注意事項判断部、242 操作情報登録部、243 評価パラメータ更新部、244 グループモデル生成部、290 記憶部、291 文書DB、292 作業情報DB、293 重要度DB、294 グループモデル、295 評価パラメータDB、296 注意事項DB、297 操作ログ、300 クライアント装置、301 プロセッサ、302 メモリ、303 補助記憶装置、304 通信装置、305 入出力インタフェース、310 検索文受付部、320 検索結果表示部、330 操作情報取得部、390 記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19