(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154833
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20241024BHJP
A63F 13/75 20140101ALI20241024BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20241024BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241024BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/75
A63F13/58
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068946
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100207619
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 知晴
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
(57)【要約】
【課題】ゲーム媒体に所定の制限を付加することで、よりユーザが楽しみやすいゲームシステムを提供する。
【解決手段】内容管理手段240は、イベントの報酬であるNFTイベント報酬が、ゲーム内に存在する個数を管理し、ゲーム内のNFTイベント報酬が上限未満の場合には、NFTイベント報酬を取得可能な第1イベントを実行する旨を決定し、ゲーム内のNFTイベント報酬が上限以上の場合には、NFTイベント報酬の代替となる代替イベント報酬を取得可能な第2イベントを実行する旨を決定する。関連付け手段224は、対象となるプレイヤを識別するプレイヤIDに関する情報と報酬に関する情報とを関連付ける。NFT要求手段226は、関連付け手段224で関連付けられた各種情報をNFT管理サーバ3へ送信し、NFTを発行する旨を要求する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作によるゲームの処理の結果に応じて、当該ユーザを識別する識別子と所定のゲーム媒体とを関連付ける第1処理手段と、
前記第1処理手段により関連付けられた前記識別子と前記ゲーム媒体に関する情報に改ざん困難となる仕様に関連する処理を実行する第2処理手段と、
前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数の上限を設定し、前記ゲーム内の同一種類の前記ゲーム媒体の数が上限を超えないための処理を実行する第3処理手段と、
を備えるプログラム。
【請求項2】
前記第3処理手段は、前記ユーザに対応する前記ゲーム内のキャラクタが死亡又は行動不可能な状態となった場合に、前記ユーザの前記識別子と前記ゲーム媒体との関連付けを解除する処理を含む処理を実行する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第3処理手段は、前記ユーザが前記ゲームをプレイしていない期間が所定の期間を超えた場合に、前記ユーザの前記識別子と前記ゲーム媒体との関連付けを解除する処理を含む処理を実行する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第3処理手段は、前記ユーザの前記識別子と前記ゲーム媒体との関連付けが解除された場合に、前記ゲーム媒体を新たに取得可能な状況を生成する処理を含む処理を実行する、
請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第3処理手段は、前記ユーザの前記識別子と前記ゲーム媒体との関連付けが解除された場合に、関連付けが解除された旨を前記ユーザ又は他のユーザに通知する処理を含む処理を実行する、
請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第3処理手段は、前記ユーザの前記識別子と前記ゲーム媒体との関連付けが解除された場合に、前記ゲーム媒体と前記識別子との関連付けを、前記ゲーム媒体の過去の所有者又は所定のゲーム内オブジェクトに変更する処理を含む処理を実行する、
請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第3処理手段は、前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数が上限に達している場合に、前記ゲーム媒体が前記ゲーム内において取得できる条件を変更する処理を含む処理を実行する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第3処理手段は、前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数が上限に達している場合に、前記ゲーム媒体が前記ゲーム内において取得できる条件を達成したユーザに対して、前記ゲーム媒体を優先的に取得できる権利を付与する処理を含む処理を実行する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2処理手段は、前記第1処理手段により関連付けられた前記識別子と前記ゲーム媒体に関する情報に関するNFTに関連する処理を含む処理を実行する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって
ユーザの操作によるゲームの処理の結果に応じて、当該ユーザを識別する識別子と所定のゲーム媒体とを関連付ける第1処理ステップと、
前記第1処理ステップにより関連付けられた前記識別子と前記ゲーム媒体に関する情報に改ざん困難となる仕様に関連する処理を実行する第2処理ステップと、
前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数の上限を設定し、前記ゲーム内の同一種類の前記ゲーム媒体の数が上限を超えないための処理を実行する第3処理ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項11】
ユーザの操作によるゲームの処理の結果に応じて、当該ユーザを識別する識別子と所定のゲーム媒体とを関連付ける第1処理手段と、
前記第1処理手段により関連付けられた前記識別子と前記ゲーム媒体に関する情報に改ざん困難となる仕様に関連する処理を実行する第2処理手段と、
前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数の上限を設定し、前記ゲーム内の同一種類の前記ゲーム媒体の数が上限を超えないための処理を実行する第3処理手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ブロックチェーンの技術の発展が進み、様々な分野への応用が試みられている。この点、特許文献1によれば、ブロックチェーン技術を用いて、ゲームをプレイするプレイヤの興趣性を向上させるための技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1に記載の技術を含む従来技術のみでは、ブロックチェーン技術のゲームへの適用の一例が提案されているに過ぎず、ブロックチェーン技術のゲームへの適用にはさらに改善の余地がある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ゲーム媒体に所定の制限を付加することで、よりユーザが楽しみやすいゲームシステムを提供する。
【0006】
本発明の第1の側面は、
コンピュータを、
ユーザの操作によるゲームの処理の結果に応じて、当該ユーザを識別する識別子と所定のゲーム媒体とを関連付ける第1処理手段と、
前記第1処理手段により関連付けられた前記識別子と前記ゲーム媒体に関する情報に改ざん困難となる仕様に関連する処理を実行する第2処理手段と、
前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数の上限を設定し、前記ゲーム内の同一種類の前記ゲーム媒体の数が上限を超えないための処理を実行する第3処理手段と、
を備えるプログラムである。
【0007】
また第1の側面において、
前記第3処理手段は、前記ユーザに対応する前記ゲーム内のキャラクタが死亡又は行動不可能な状態となった場合に、前記ユーザの前記識別子と前記ゲーム媒体との関連付けを解除する処理を含む処理を実行することができる。
【0008】
また第1の側面において、
前記第3処理手段は、前記ユーザが前記ゲームをプレイしていない期間が所定の期間を超えた場合に、前記ユーザの前記識別子と前記ゲーム媒体との関連付けを解除する処理を含む処理を実行することができる。
【0009】
また第1の側面において、
前記第3処理手段は、前記ユーザの前記識別子と前記ゲーム媒体との関連付けが解除された場合に、前記ゲーム媒体を新たに取得可能な状況を生成する処理を含む処理を実行することができる。
【0010】
また第1の側面において、
前記第3処理手段は、前記ユーザの前記識別子と前記ゲーム媒体との関連付けが解除された場合に、関連付けが解除された旨を前記ユーザ又は他のユーザに通知する処理を含む処理を実行することができる。
【0011】
また第1の側面において、
前記第3処理手段は、前記ユーザの前記識別子と前記ゲーム媒体との関連付けが解除された場合に、前記ゲーム媒体と前記識別子との関連付けを、前記ゲーム媒体の過去の所有者又は所定のゲーム内オブジェクトに変更する処理を含む処理を実行することができる。
【0012】
また第1の側面において、
前記第3処理手段は、前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数が上限に達している場合に、前記ゲーム媒体が前記ゲーム内において取得できる条件を変更する処理を含む処理を実行することができる。
【0013】
また第1の側面において、
前記第3処理手段は、前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数が上限に達している場合に、前記ゲーム媒体が前記ゲーム内において取得できる条件を達成したユーザに対して、前記ゲーム媒体を優先的に取得できる権利を付与する処理を含む処理を実行することができる。
【0014】
また第1の側面において、
前記第2処理手段は、前記第1処理手段により関連付けられた前記識別子と前記ゲーム媒体に関する情報に関するNFTに関連する処理を含む処理を実行することができる。
【0015】
本発明の第2の側面は、
コンピュータが実行する情報処理方法であって
ユーザの操作によるゲームの処理の結果に応じて、当該ユーザを識別する識別子と所定のゲーム媒体とを関連付ける第1処理ステップと、
前記第1処理ステップにより関連付けられた前記識別子と前記ゲーム媒体に関する情報に改ざん困難となる仕様に関連する処理を実行する第2処理ステップと、
前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数の上限を設定し、前記ゲーム内の同一種類の前記ゲーム媒体の数が上限を超えないための処理を実行する第3処理ステップと、
を含む情報処理方法である。
【0016】
本発明の第3の側面は、
ユーザの操作によるゲームの処理の結果に応じて、当該ユーザを識別する識別子と所定のゲーム媒体とを関連付ける第1処理手段と、
前記第1処理手段により関連付けられた前記識別子と前記ゲーム媒体に関する情報に改ざん困難となる仕様に関連する処理を実行する第2処理手段と、
前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数の上限を設定し、前記ゲーム内の同一種類の前記ゲーム媒体の数が上限を超えないための処理を実行する第3処理手段と、
を備える情報処理装置である。
【0017】
本発明の一態様の情報処理方法および情報処理装置も、本発明の一態様のプログラムに対応する情報処理方法または情報処理装置として提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ゲーム媒体に所定の制限を付加することで、よりユーザが楽しみやすいゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ装置、ゲームサーバ、NFT管理サーバの機能的構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ装置1に表示されるゲーム画像の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ装置1に表示されるゲーム画像の一例を示す図であり、
図4の例とは異なる例を示す図である。
【
図6】
図3のプレイヤ装置、ゲームサーバ、NFT管理サーバが実行する各種処理の流れの一例を説明する図である。
【
図7】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ装置1に表示されるゲーム画像の一例を示す図であり、
図4および
図5の例とは異なる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施形態]
本発明の一実施形態にかかる情報処理システム(以下、「本システム」と呼ぶ)について、図面を参照して説明する。
ここで、具体的な実施形態の説明に先立ち、本システムにかかわるいくつかの用語や前提となる技術を簡単に説明する。
【0021】
本実施形態におけるゲームとは、例えば、MMO(Massively Multiplayer Online)型のネットワークゲームである。このようなゲームでは、一般的に、ネットワークを介して接続された多数の情報処理端末において仮想空間を共有し、複数のユーザが協力することで、所定の目的(以下、「イベント」と呼ぶ)を達成し、報酬等が付与される。そして、このようにして付与される報酬の中にはゲーム内に所定の数以上提供されないような極めて希少性の高いアイテム等(以下、「ゲーム媒体」と呼ぶ)が設定されているような場合もある。
なお、本実施形態において、ゲーム媒体をプレイヤに付与する、または、プレイヤがゲーム媒体を所有するとは、対象となるゲーム媒体を対象となるプレイヤを示す識別情報(以下、「プレイヤID」と呼ぶ)と関連付けることを意味している。
【0022】
また、情報の改ざんの可能性を低減する技術とは、例えば、ブロックチェーンや各種分散型台帳に関する技術またはその組み合わせにより構成され得る。本実施形態では、各種情報(ゲーム媒体と所有するプレイヤのプレイヤID)に、適宜、ブロックチェーン技術などを適用することで、より情報の改ざんを容易に防ぎ、ゲーム媒体の正当性を保証することが可能となる。
具体的に例えば、アイテムXの各種情報は、ブロックチェーンの各ブロックとして機能し得る。すなわち、例えば、各ブロックのアイテムXの所有者情報や取引情報は、1つ前のブロックから算出されたハッシュ値などの情報を含むことにより、各ブロックが連結した状態で各種データベースなどに格納される。これにより、アイテムXの所有者情報や取引情報などの情報は改ざんされることなく、正当性が保証され得る。
なお、ブロックチェーンにかかる各種処理は、後述するNFT管理サーバ3またはブロックチェーンネットワークBCを構成する情報処理装置を含む、任意の情報処理装置で行われてもよい。
【0023】
また、本システムは、情報の改ざんの可能性を低減する技術として、NFT(Non-Fungible Token)と呼ばれる技術を組み合わせて利用できる。NFTは、ブロックチェーンの技術を利用することで、代替不可能な(複製困難な)唯一のトークンを生成し、任意の対象に付与することが可能となる。これをゲーム内の様々な資産(各種ゲーム媒体など)などと紐づけることで、ゲーム内のデータであっても、代替不可能な資産として現実世界の資産と近い感覚で利用できるなどの効果が期待できる。本システムにおいても、NFTを任意の方法で適用することで、さらにゲーム性の高いゲームシステムを提供できる可能性がある。
【0024】
<概要の説明>
図1を参照しながら、本システムの具体的な構成を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0025】
図1に示す通り、本システムは、プレイヤ装置1と、ゲームサーバ2と、NFT管理サーバ3とを含み構成される。プレイヤ装置1と、ゲームサーバ2と、NFT管理サーバ3とはインターネット、LAN(Local Area Network)などを含む所定のネットワークNを介して相互に接続されている。なお、ネットワークNは、必須な構成要素ではなく、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信が合わせて利用されてもよい。
【0026】
プレイヤ装置1は、汎用的なPC(Personal Computer)やゲーム機などで構成され、本システムにかかるゲームをプレイするプレイヤにより使用される。プレイヤ装置1は、ゲームに関する各種プログラムが記憶され、プレイヤがゲームをプレイするために必要となる各種処理を実行する。
【0027】
ゲームサーバ2は、汎用的なPCなどで構成され、本システムの管理者などに管理される。ゲームサーバ2は、ゲームに関する各種情報などをプレイヤ装置1に提供する。また、ゲームサーバ2は、本システムを適用して提供されるサービスに関する各種処理を実行する。
【0028】
NFT管理サーバ3は、汎用的なPCなどで構成され、本システムの管理者などに管理される。NFT管理サーバ3は、ブロックチェーンを共有するネットワーク(例えば、
図3に示すブロックチェーンネットワークBC)に参加することで、NFTに関する各種処理や管理を実行する。
【0029】
<ハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、プレイヤ装置1は、制御部11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0030】
制御部11は、CPUやGPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータ等で構成され、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、制御部11が各種の処理を実行する上において必要な情報等も適宜記憶される。
【0031】
制御部11、ROM12およびRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20が接続されている。
【0032】
出力部16は、各種ディスプレイまたはスピーカなどに対して、画像情報または音声情報などを出力する。出力部16が出力した画像情報や音声情報は、ディスプレイやスピーカなどから、画像や音声として人が認識可能な状態で出力される。
【0033】
入力部17は、キーボードやゲーム用のコントローラ等で構成され、プレイヤの入力操作に応じて、各種情報を入力する。
【0034】
記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成され、各種情報を記憶する。例えば、記憶部18には、ゲームの進行に必要となる各種ゲームプログラム、セーブデータ、アカウント情報等が格納されている。
【0035】
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して、他のハードウェア等との間で相互に行う通信等を制御する。
【0036】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。またリムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種情報も、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0037】
ここで、ゲームサーバ2およびNFT管理サーバ3のハードウェア構成は、プレイヤ装置1のハードウェア構成と基本的に同様とすることができるので、説明を省略する。
【0038】
<機能的構成>
図3は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ装置、ゲームサーバ、NFT管理サーバの機能的構成の一例を示す図である。
【0039】
図3に示すように、プレイヤ装置1の制御部11は、各種プログラム等を実行することにより、入力操作受付手段100と、ゲーム処理実行手段102と、ゲーム情報管理手段104と、イベント管理手段106と、イベント報酬取得手段108として機能する。
プレイヤ装置1の入力操作受付手段100は、プレイヤからのゲームに関する入力操作を受け付ける。
【0040】
プレイヤ装置1のゲーム処理実行手段102は、ゲームに関する各種処理を実行する。
具体的にゲーム処理実行手段102は、プレイヤなどの各種入力操作に従い、ゲーム情報に含まれる仮想のゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどを図示せぬ記憶部から読み出すなどして、ゲームプログラムを実行しつつ、ゲームに関する2次元または3次元の画像や音声などを生成する。すなわち、ゲーム処理実行手段102は、プレイヤによる操作指示の結果を生成し、管理することで、ゲームの進行を制御する。
また、ゲーム処理実行手段102は、適宜、ゲームに関する各種情報をゲームサーバ2に送信する。
【0041】
プレイヤ装置1のゲーム情報管理手段104は、ゲームサーバ2から送信されてくるゲームの進行状況やイベントに関する各種情報(以下、「ゲーム情報」と呼ぶ)を、通信部19を介して取得する。
【0042】
プレイヤ装置1のイベント管理手段106は、ゲーム情報管理手段104で取得されたゲーム情報に基づいて、プレイヤ装置1で実行されるゲーム内の一連の演出処理(以下、「イベント」と呼ぶ)の内容およびプレイヤによるイベントの進行状況を管理する。
具体的にイベント管理手段106は、ゲーム情報管理手段104で取得されたゲーム情報に基づいて、プレイヤ装置1で実行されるイベントの内容を決定し、プレイヤによるイベントの進行状況を管理する。そして、イベント管理手段106は、プレイヤが第1イベントまたは後述する第2イベントに関する所定の条件を満たした場合、プレイヤが第1イベントまたは後述する第2イベントの条件を達成した旨を示す情報(以下、「イベント達成情報」と呼ぶ)をゲームサーバ2へ送信する。
【0043】
プレイヤ装置1のイベント報酬取得手段108は、ゲームサーバ2から送信されてきたイベントの報酬に関する各種情報(以下、「イベント報酬情報」と呼ぶ)を、通信部19を介して取得する。
【0044】
図3に示すように、ゲームサーバ2の制御部200は、各種プログラム等を実行することにより、ゲーム情報管理手段220と、イベント管理手段222と、関連付け手段224と、NFT要求手段226と、報酬付与手段228として機能する。
ゲームサーバ2のゲーム情報管理手段220は、プレイヤ装置1によるゲームの進行に必要となる各種情報を管理し、各種処理を実行する。具体的に例えば、ゲーム情報管理手段220は、プレイヤ装置1から送信されてきたアカウント情報に対する認証、プレイヤ装置1からの各種ゲーム情報のダウンロード要求に対するゲーム情報の配信などを実行する。
【0045】
ゲームサーバ2のイベント管理手段222は、前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数の上限を設定し、前記ゲーム内の同一種類の前記ゲーム媒体の数が上限を超えないための処理を実行する。
ここで、イベント管理手段222には、内容管理手段240と、達成状況管理手段242と、報酬決定手段244とが設けられている。
ゲームサーバ2の内容管理手段240は、イベントの報酬であるゲーム媒体(以下、「NFTイベント報酬」と呼ぶ)が、ゲーム内に存在する個数を管理し、その結果に応じて、プレイヤ装置1で実行するイベントの内容を決定する。
具体的に内容管理手段240は、イベントの報酬であるNFTイベント報酬が、ゲーム内に存在する個数を管理し、ゲーム内のNFTイベント報酬が上限未満の場合には、NFTイベント報酬を取得可能な第1イベントを実行する旨を決定し、ゲーム内のNFTイベント報酬が上限以上の場合には、NFTイベント報酬の代替となるゲーム媒体(以下、「代替イベント報酬」と呼ぶ)を取得可能な第2イベントを実行する旨を決定する。また、内容管理手段240は、プレイヤ装置1で実行することを決定した第1イベントまたは第2イベントに関する情報を、ゲーム情報の一部としてプレイヤ装置1へ送信する。
達成状況管理手段242は、プレイヤ装置1から送信されてきたイベント達成情報を、通信部210を介して取得する。
報酬決定手段244は、達成状況管理手段242で取得されたイベント達成情報に基づいて、イベントを達成したプレイヤに付与する報酬を決定する。具体的に報酬決定手段244は、プレイヤにより第1イベントが達成されている場合にはプレイヤに付与する報酬をNFTイベント報酬に決定し、プレイヤにより第2イベントが達成されている場合にはプレイヤに付与する報酬を代替イベント報酬に決定する。
【0046】
ここで、NFTイベント報酬とは、例えば、所定のゲーム媒体およびそのゲーム媒体のゲーム内における所有者の情報(例えば、後述するプレイヤIDなど)が紐づけられ、その情報が、ブロックチェーン上で管理されているデジタルデータである。典型的にNFTイベント報酬は、例えば、対象となるゲーム媒体および所有者の情報がブロックチェーン上に登録されることで発行されるNFT(非代替性のトークン)が付与されたゲーム媒体であり、通常のゲーム媒体よりも強力な効果を有しており、ゲーム内に存在する数の上限が設定されているため希少性も高い。このようなNFTイベント報酬は、ゲーム内で販売や譲渡することも可能であることはもちろん、例えば、ゲーム内のプラットフォームなどを介して、販売や譲渡などが行われてもよい。
【0047】
ゲームサーバ2の関連付け手段224は、ユーザの操作によるゲームの処理の結果に応じて、当該ユーザを識別する識別子と所定のゲーム媒体とを関連付ける。
具体的に関連付け手段224は、対象となるプレイヤを識別する識別子(以下、「プレイヤID」と呼ぶ)に関する情報と報酬決定手段244で決定された報酬に関する情報とを関連付ける。
【0048】
ゲームサーバ2のNFT要求手段226は、前記第1処理手段により関連付けられた前記識別子と前記ゲーム媒体に関する情報に改ざん困難となる仕様に関連する処理を実行する。
具体的にNFT要求手段226は、関連付け手段224で関連付けられた各種情報をNFT管理サーバ3へ送信し、対象となるゲーム媒体およびその所有者に関する情報をブロックチェーンネットワークBCに記録し、NFTを発行する旨を要求する。NFT要求手段226は、NFT管理サーバ3でゲーム媒体の所有者を記録したNFTが発行された場合、NFT管理サーバ3から送信されてきたNFT関連情報を、通信部210を介して取得し、管理する。
【0049】
ゲームサーバ2の報酬付与手段228は、イベントの達成報酬として付与するゲーム媒体(例えば、NFTイベント報酬または代替イベント報酬)に関する情報を、イベント報酬情報としてプレイヤ装置1へ送信する。
なお、関連付け手段224、NFT要求手段226などは、プレイヤ装置1で第2イベントが実行される場合には機能しない。
【0050】
図3に示すように、NFT管理サーバ3の制御部300は、各種プログラム等を実行することにより、所有者情報確認手段330と、NFT管理手段332として機能する。
また、NFT管理サーバ3の記憶部310の一領域には、所有者情報DB400が設けられている。所有者情報DB400には、NFTが発行された各種ゲーム媒体と、それぞれのゲーム媒体の所有者に関する各種情報が格納されている。
NFT管理サーバ3の所有者情報確認手段330は、ゲームサーバ2または他の情報処理装置などから、NFTが発行されているゲーム媒体に関して、所有者の確認が要求された場合、ブロックチェーンネットワークBCで管理されている各種情報および所有者情報DB400に格納されている各種情報などに基づいて、対象となるゲーム媒体の所有者を確認する。また、NFT管理サーバ3の所有者情報確認手段330は、対象となるゲーム媒体の所有者を確認した結果を、確認を要求された各種情報処理装置へ送信する。
【0051】
NFT管理サーバ3のNFT管理手段332は、ゲームサーバ2からNFTの発行が要求された場合、その要求に関する情報を、通信部320を介して取得する。
そして、NFT管理手段332は、対象となるゲーム媒体およびそのゲーム媒体を新たに取得する所有者のプレイヤIDをブロックチェーンネットワークBCに記録し、これらの情報を示すNFTを発行する。また、NFT管理手段332は、発行したNFTに関する情報(以下、「NFT関連情報」と呼ぶ)を、ゲームサーバ2へ送信する。
なお、これ以降にNFTの対象となるゲーム媒体の所有者を変更する場合、例えば、NFT管理手段332は、NFTの対象となるゲーム媒体の所有者を変更し、その情報を所有者の移転情報として、ブロックチェーンネットワークBCに記録することで、NFTの対象となるゲーム媒体の所有者の変遷を正確に管理することができる。
【0052】
続いて、
図4および
図5を参照しながら、具体的にプレイヤがイベントを達成し、報酬を付与される状況を説明する。
図4および
図5は、いずれも本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ装置1に表示されるゲーム画像の一例を示す図である。
【0053】
図4の例では、プレイヤの操作するゲームキャラクタPC、HP(ヒットポイント)が0となり行動不能となった敵キャラクタSが表示されるとともに、「モンスターSを倒しました。伝説の剣(NFT)を入手しました。」というメッセージが表示されている。すなわち、
図4の例は、プレイヤが第1イベントの条件(敵キャラクタSを倒す)を達成し、NFTイベント報酬である伝説の剣(NFT)を付与された状況を示している。
【0054】
これに対して、
図5の例では、キャラクタPC、HPが0となり行動不能となった敵キャラクタCが表示されるとともに、「モンスターCを倒しました。報酬の数が上限を超えているため伝説の剣(レプリカ)を入手しました。」というメッセージが表示されている。すなわち、
図5の例は、プレイヤが第2イベントの条件(敵キャラクタCを倒す)を達成し、代替イベント報酬である伝説の剣(レプリカ)を付与された状況を示している。
【0055】
このように本実施形態において、プレイヤは、ゲーム内のゲーム媒体(NFTイベント報酬)の存在する数に応じて、第1イベントまたは第2イベントのいずれかをプレイすることができる。そして、プレイヤは、それぞれのイベントの達成状況に応じて、報酬を獲得することができる。
なお、本実施形態では、例えば、
図4の敵キャラクタSは、
図5の敵キャラクタCと比べて強力に設定されていてもよい。本システムは、このように報酬の強さや内容、希少性などに合わせてイベントの難易度などを変更してもよい。
【0056】
図6は、
図3のプレイヤ装置、ゲームサーバ、NFT管理サーバが実行する各種処理の流れの一例を説明する図である。なお、
図6の例では、説明の便宜上、第1のイベントが実行される場合を例として説明する。
【0057】
ステップS1において、ゲームサーバ2の内容管理手段240は、イベントの報酬であるNFTイベント報酬が、ゲーム内に存在する個数を管理し、ゲーム内のNFTイベント報酬が上限未満の場合には、NFTイベント報酬を取得可能な第1イベントを実行する旨を決定し、ゲーム内のNFTイベント報酬が上限以上の場合には、NFTイベント報酬の代替となる代替イベント報酬を取得可能な第2イベントを実行する旨を決定する。
【0058】
ステップS2において、ゲームサーバ2の内容管理手段240は、プレイヤ装置1で実行することを決定した第1イベントまたは第2イベントに関する情報を、ゲーム情報の一部としてプレイヤ装置1へ送信する。
【0059】
ステップS21において、プレイヤ装置1のゲーム情報管理手段104は、ゲームサーバ2から送信されてくる第1イベントまたは第2イベントに関する情報を含む、ゲーム情報を、通信部19を介して取得する。
【0060】
ステップS22において、イベント管理手段106は、ゲーム情報管理手段104で取得されたゲーム情報に基づいて、プレイヤ装置1で実行されるイベントの内容を決定し、プレイヤによるイベントの進行状況を管理する。
【0061】
ステップS23において、プレイヤ装置1のイベント管理手段106は、プレイヤが第1イベントまたは第2イベントに関する所定の条件を満たした場合、プレイヤが第1イベントまたは第2イベントの条件を達成した旨を示すイベント達成情報をゲームサーバ2へ送信する。
【0062】
ステップS3において、ゲームサーバ2の達成状況管理手段242は、プレイヤ装置1から送信されてきたイベント達成情報を、通信部210を介して取得する。
【0063】
ステップS4において、ゲームサーバ2の報酬決定手段244は、達成状況管理手段242で取得されたイベント達成情報に基づいて、イベントを達成したプレイヤに付与する報酬を決定する。
【0064】
ステップS5において、ゲームサーバ2の関連付け手段224は、対象となるプレイヤのプレイヤIDに関する情報と報酬決定手段244で決定された報酬に関する情報とを関連付ける。
【0065】
ステップS6において、ゲームサーバ2のNFT要求手段226は、関連付け手段224で関連付けられた各種情報をNFT管理サーバ3へ送信し、対象となるゲーム媒体およびその所有者に関する情報をブロックチェーンネットワークBCに記録し、NFTを発行する旨を要求する。
【0066】
ステップS41において、NFT管理サーバ3のNFT管理手段332は、ゲームサーバ2からNFTの発行が要求された場合、その要求に関する情報を、通信部320を介して取得する。
【0067】
ステップS42において、NFT管理サーバ3のNFT管理手段332は、対象となるゲーム媒体およびそのゲーム媒体を新たに取得する所有者のプレイヤIDをブロックチェーンネットワークBCに記録し、これらの情報を示すNFTを発行する。
【0068】
ステップS43において、NFT管理サーバ3のNFT管理手段332は、発行したNFTに関するNFT関連情報を、ゲームサーバ2へ送信する。
【0069】
ステップS7において、ゲームサーバ2のNFT要求手段226は、NFT管理サーバ3から送信されてきたNFT関連情報を、通信部210を介して取得し、管理する。
【0070】
ステップS8において、ゲームサーバ2の報酬付与手段228は、イベントの達成報酬として付与するゲーム媒体に関するイベント報酬情報をプレイヤ装置1へ送信する。
【0071】
ステップS24において、ゲームサーバ2から送信されてきたイベントの報酬に関するイベント報酬情報を、通信部19を介して取得する。
【0072】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0073】
<他の実施形態>
ここで、他の実施形態としてプレイヤに報酬が付与される場合の応用例の一つを説明する。
図7の例では、ゲームキャラクタPC、HP(ヒットポイント)が0となり行動不能となった敵キャラクタSが表示されるとともに、「モンスターSを倒しました。報酬の数が上限を超えているため優先引換券(NFT)を入手しました。」というメッセージが表示されている。すなわち、
図7の例では、
図4の例と同様に第1イベントが実行され、プレイヤによりイベントが達成されたものの、NFTイベント報酬の数が上限を超えているため、将来的に優先的にNFTイベント報酬を取得できる優先引換券(NFT)がプレイヤに付与されている。なお、この優先引換券(NFT)は、例えば、所有者のゲームの未プレイなどの何らかの要因でNFTイベント報酬の数が減少した場合に、優先引換券(NFT)を使用することで、NFTイベント報酬を取得することができる。
このように本システムは、NFTイベント報酬の数が上限を超えている場合、必ずしも第2イベントを実行する必要はなく、例えば、このような方法で第1イベントを実行してもよい。
【0074】
ここで、本システムにかかるゲームを含め、NFTなどに関連したゲーム媒体(以下、「NFTアイテム」と呼ぶ)の数を管理する場合、例えば、NFTアイテムを保有するプレイヤが戦闘不能などによりNFTアイテムが消滅する、保有するプレイヤが長期間ゲームをプレイしなくなる(ログインしなくなる)などの要因により、特定のプレイヤがNFTアイテムを保有したままになり、他のプレイヤがNFTアイテムを新たに取得できないような状況が発生する可能性がある。
そのため、本システムは、例えば、以下のような方法を採用することで、NFTアイテムをゲーム内(ゲーム外の取引を含む)で、循環しやすくなる仕組みを備えていてもよい。
(1)本システムは、例えば、NFTアイテムの初期の所有者をNPCや本システムの管理者等に設定してもよい。
(2)本システムは、例えば、ゲームのプレイヤ同士でNFTアイテムの売買や譲渡を許可し、補助する仕組みを備えていてもよい。
(3)本システムは、例えば、ゲーム外のプラットフォームなどでNFTアイテムを売買することを許可してもよい。この場合ゲーム外においてNFTアイテムが売買された情報を、NFT管理サーバ3またはゲームサーバ2へ送信することで、ゲーム内のNFTアイテムの所有者を変更などしてもよい。
(4)本システムは、例えば、NFTアイテムを保有するプレイヤが、一定期間ゲームをプレイしない場合(例えば、ログインしない場合、ゲームへのアクセス履歴がない場合)など、NFTアイテムとプレイヤIDの関連付けを解除する仕組みを備えていてもよい。
(5)本システムは、例えば、NFTアイテムを所有するキャラクタが所定の条件を満たした場合(例えば、死亡、行動不能状態になった場合など)、NFTアイテムとプレイヤIDの関連付けを解除する仕組みを備えていてもよい。
(6)本システムは、何らかの要因でNFTアイテムとプレイヤIDとの関連付けが解除された場合に、NFTアイテムが新たに取得可能な状況(例えば、上述の実施形態におけるイベント)を新たに設定できる仕組みを備えていてもよい。
(7)本システムは、何らかの要因でNFTアイテムとプレイヤIDとの関連付けが解除された場合に、NFTアイテムの所有者を、NFTアイテムの過去の所有者、所定のゲーム内キャラクタ(NPCなど)または本システムの管理者などに変更する仕組みを備えていてもよい。
(8)本システムは、例えば、上述の実施形態(
図4、
図5、
図7の実施形態を参照)のように、NFTアイテムの数が上限に達している場合に、NFTアイテムをゲーム内で取得できる条件や内容を変更する仕組みを備えていてもよい。
本システムは、このような各種仕組みのすべてまたは一部を組み合わせて備えていることで、NFTアイテムの循環を促し、ゲーム内に存在するNFTアイテムの数をより自然に管理することができる。
【0075】
また、上述の実施形態において、プレイヤはイベントの報酬として、NFT化されたゲーム媒体(例えば、NFTイベント報酬)を取得するものとして説明したが、限定されない。例えば、本システムは、イベント等の報酬として通常のゲーム媒体を付与し、のちにプレイヤの指示に基づいてNFT化する仕様を備えていてもよい。
【0076】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、例えば、(NFT化されていない)通常のゲーム媒体について、NFT化されたゲーム媒体を取り扱うマーケット等で売買することはできないが、ゲーム内では通常のゲーム媒体として使用できる仕様を備えていてもよい。
【0077】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、NFT化されたゲーム媒体をマーケット等で入手した場合、ゲーム内ではそのまま使用することを禁止し、NFT化されたゲーム媒体を一度通常のゲーム媒体として使用するための処理を行うことで初めてゲーム内で使用できる仕様を備えていてもよい。
【0078】
また、上述の実施形態では、NFT化されたゲーム媒体(例えば、NFTイベント報酬)の数が上限に達していた場合、代替となるイベントが発生し、イベント報酬(例えば、レプリカアイテムや優先引換券)が取得できるものとして説明したが限定されない。本システムは、例えば、NFT化されたゲーム媒体(例えば、NFTイベント報酬)の数が上限に達していた場合、イベント報酬が取得可能なイベント自体を発生させないような仕様を採用してもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、NFTアイテムの所有者がNFTアイテムの形状や性能を模倣し、NFT化されていないゲーム媒体(以下、「レプリカアイテム」と呼ぶ)を作成できる仕組みを備えていてもよい。これにより、本システムは、NFTアイテムの価値をさらに向上させることができ、また、NFTアイテムとレプリカアイテムとの差異をより明確にすることもできる。
【0080】
なお、本システムは、レプリカアイテムのゲーム内での存在を許容する場合、ゲーム内のレプリカアイテムの数を制限してもよいし、制限しなくてもよい。また、本システムは、レプリカアイテムの数を制限する場合、NFTアイテムの数の制限とレプリカアイテムの数の制限を同等に扱ってもよいし、独立して別途、数の制限を設けてもよい。
【0081】
また、本システムは、NFTアイテムの保有者が何らかの要因でNFTアイテムを消失などした場合、NFTアイテムの元の保有者であるNPCまたは本システムの管理者などの所有に戻るのではなく、ブロックチェーンネットワークBCなどの所有者履歴に基づいて、1つ前の元の所有者またはそれ以前の過去の所有者に戻してもよい。
【0082】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、NFTアイテムの数が上限に達した場合、その旨をプレイヤまたは他のプレイヤに通知する仕組みを備えていてもよい。また、本システムは、NFTアイテムの上限に空きができた場合、その旨をプレイヤまたは他のプレイヤに通知する仕組みを備えていてもよい。
さらに言えば、本システムは、例えば、上述の通知を、NFTアイテムを所有していないプレイヤのみに行ってもよいし、過去にNFTアイテムを所有したことのあるプレイヤにのみ通知してもよい。
【0083】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、NFTアイテムの数の上限を各ゲーム媒体の希少性(取得難易度)やゲーム内での効果(アイテムの強さ)などを加味して、NFTアイテムの数の上限を変更してもよい。例えば、本システムは、ゲーム内で強力な効果を有するNFTアイテムの上限を少なく設定してもよい。
【0084】
また、上述の実施形態において、NFTアイテムは、所定のイベントを達成した場合に取得できるものとして説明したが、限定されない。NFTアイテムは、例えば、ゲーム内で他のプレイヤから購入または譲渡を受けたり、ゲーム外のプラットフォームなどを介して購入などしてもよい。
【0085】
また、上述の実施形態において、NFTイベント報酬や代替イベント報酬は、いずれもゲーム媒体、すなわちゲーム内の武器やアイテムなどであるものとして説明したが、限定されない。例えば、NFTイベント報酬や代替イベント報酬は、ゲーム内で利用可能なキャラクタ、スキン(ゲーム内の見た目に関する仕様)、ゲーム内の背景画像、ゲームのプレイ動画などが含まれていてもよい。
【0086】
ここで、ブロックチェーン技術について、補足する。
ブロックチェーンとは、ブロックと呼ばれるデータの単位を構成し、鎖(チェーン)のように連結していくことによりデータを保管するデータベース、またはそれに関連する各種技術の総称である。各ブロックには、前のブロックに紐づけられたハッシュ、タイムスタンプ、トランザクション(取引情報)などを含むことにより、対象となる当事者間の取引の記録を効率的かつ検証可能な形で記録することができる。
また、これらのブロックチェーンは通常、P2P(Peer to Peer)などの分散型のネットワークにより管理され、後続のすべてのブロックを変更しない限り遡及的に変更することができない。そのため、ブロックチェーンとして記憶された情報の改ざんは、不可能ではないものの、現実的には極めて困難であると考えられている。
なお、ブロックチェーンおよびビットコインシステムなどの技術の詳細は、次の非特許文献1を参照されたい。
[非特許文献1]Satoshi Nakamoto. Bitcoin: A peer-to-peer electronic cash system,2008
【0087】
また例えば、上述の実施形態において、不正の可能性を低減する措置として、ブロックチェーンに関連する技術を利用するものとして説明したが特にこれに限定されない。すなわち、不正の可能性を低減する措置には、例えば、分散型台帳や今後新たに開発され得る情報の改ざんの可能性を低減するあらゆる技術を採用することができる。
また例えば、上述の実施形態において、代替不可能な(複製困難な)トークンを生成する技術としてNFTに関連する技術を採用するものとして説明したが特にこれに限定されない。NFTに関連する技術に限らず、情報の改ざんの可能性を低減する措置などを利用して代替不可能性を表現しようと試みるあらゆる技術がこれに含まれ得る。
なお、本明細書において、情報の改ざんの可能性を低減する技術とは、ブロックチェーンや各種分散型台帳などの技術そのものだけでなく、上記の性質を利用した各種技術などを含むものとする。具体的に例えば、NFTなどの代替不可能性に着目した各種技術についても、情報の改ざんの可能性を低減する技術に含まれる。
【0088】
また例えば、上述の実施形態において、対象となるゲーム媒体および所有者のプレイヤIDに対して、ブロックチェーン技術を適用(NFTの付与)するものとして説明したが、限定されない。例えば、本システムは、他のゲーム情報などにブロックチェーン技術を適用してもよい。
【0089】
また例えば、上述の実施形態において、ブロックチェーンに関連する技術の有する特性のうち情報の分散保持に基づく、情報の改ざんの可能性を低減するという観点に着目して説明を行ったが特にこれに限定されない。
すなわち、本システムは、ブロックチェーンに関連する技術の有する、例えば、合意形成方法(例えば、Proof Of Workなど)、特徴的なマイナーによる承認処理の方法、流通する稼働通貨の総量の決定方法などの他の特性を利用することもできる。
【0090】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムにかかるゲームは、例えば、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用のゲーム機、業務用に設計された各種ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器などである任意のハードウェアにより実行されてもよい。
【0091】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムにかかるゲームの内容は限定されない。本システムは、例えば、FPS(First Person Shooter)、TPS(Third Person Shooter)、RPG(Role Playing Game)、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、スポーツゲーム、カードゲーム、バトルロワイヤル(対称型、非対称型)、MOBA(Multiplayer online battle arena)、音楽ゲーム、格闘ゲーム、クイズゲームなどのあらゆるゲームに適用されてもよい。
【0092】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図3などの機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは
図3などの例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、
図3などの例に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成されてもよいし、ソフトウェア単体で構成されてもよいし、それらの組み合わせで構成されてもよい。
【0093】
また、本システムを構成する各種ハードウェアの数や使用者は任意であるし、他のハードウェアなどを含み構成されてもよい。
【0094】
また、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータなどにネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0095】
また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータであってもよい。
すなわち、例えば、上述の実施形態における各種ハードウェアには、任意のコンピュータ、任意のスマートフォンなどの携帯端末、任意のゲーム機などが自由に採用されてもよい。さらに言えば、各種入力部や各種出力部などの種別や内容についても任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0096】
また、このようなプログラムを含む記録媒体は、プレイヤなどにプログラムを提供するために装置本体とは別に提供される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でプレイヤに提供される記録媒体などで構成されてもよい。
【0097】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0098】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などより構成される全体的な装置を意味している。
【0099】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0100】
以上をまとめると、本発明が適用されるプログラムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち本発明が適用されるプログラムは、
コンピュータを、
ユーザの操作によるゲームの処理の結果に応じて、当該ユーザを識別する識別子と所定のゲーム媒体とを関連付ける第1処理手段(例えば、関連付け手段224)と、
前記第1処理手段により関連付けられた前記識別子と前記ゲーム媒体に関する情報に改ざん困難となる仕様に関連する処理を実行する第2処理手段(例えば、NFT要求手段226)と、
前記ゲーム内において、同一種類の前記ゲーム媒体の存在する数の上限を設定し、前記ゲーム内の同一種類の前記ゲーム媒体の数が上限を超えないための処理を実行する第3処理手段(例えば、イベント管理手段222)と、
を備えるプログラムであれば足りる。
【0101】
<効果>
これにより、プレイヤは、ゲーム内の存在数が制限されたゲーム媒体をうまく活用することで、よりゲームを楽しむことができる。
【符号の説明】
【0102】
1 プレイヤ装置
11 制御部
100 入力操作受付手段
102 ゲーム処理実行手段
104 ゲーム情報管理手段
106 イベント管理手段
108 イベント報酬所得手段
2 ゲームサーバ
200 制御部
220 ゲーム情報管理手段
222 イベント管理手段
240 内容管理手段
242 達成状況管理手段
244 報酬決定手段
224 関連付け手段
226 NFT要求手段
228 報酬付与手段
3 NFT管理サーバ
300 制御部
330 所有者情報確認手段
332 NFT管理手段
400 所有者情報DB
BC ブロックチェーンネットワーク