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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154838
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20240101AFI20241024BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068985
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】倉品 光
(72)【発明者】
【氏名】戸室 伸啓
【テーマコード(参考)】
3D020
3D344
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC03
3D020BD02
3D020BD05
3D344AA12
3D344AA14
3D344AB01
3D344AC13
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】発音体が発する音を聴取し易い車両用表示装置を提供する。
【解決手段】車両用表示装置100は、表示部10と、回路基板と、支持体20と、発音体70と、を備える。表示部10は、車両のダッシュボード1から露出する表示面10aを有し、表示面10aに画像を表示する。回路基板は、ダッシュボード1の中に位置する。支持体20は、ダッシュボード1の中に位置して回路基板を上方から覆うカバー部21、及び、カバー部21に対して上方に立つ立壁部22を有し、立壁部22で表示部10を支持する。発音体70は、ダッシュボード1とカバー部21の間に位置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のダッシュボードから露出する表示面を有し、前記表示面に画像を表示する表示部と、
前記ダッシュボードの中に位置する回路基板と、
前記ダッシュボードの中に位置して前記回路基板を上方から覆うカバー部、及び、前記カバー部に対して上方に立つ立壁部を有し、前記立壁部で前記表示部を支持する支持体と、
前記ダッシュボードと前記カバー部の間に位置する発音体と、を備える、
車両用表示装置。
【請求項2】
前記カバー部の上側に固定され、前記発音体を収容するケースをさらに備える、
請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記ケースには、前記ダッシュボードから前記ケースに向かって設けられた突出部材と嵌まり合う嵌合孔が形成されている、
請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記ケースは、
前記ダッシュボードと上下方向において対向する対向壁部と、
前記対向壁部から下方に向かって凹み、前記発音体を収容する収容部と、
前記対向壁部よりも上方に突起する突起部と、を備え、
前記突起部に前記嵌合孔が形成されている、
請求項3に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、回路基板の裏側であって筐体の内部にスピーカ等の発音体が実装された装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-11237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置は、例えば、車両のダッシュボード(インストルメントパネル)の中に設けられるが、発音体が筐体の中にあり、且つ、発音体が装置の裏側に向けて音を発するため、その音をユーザが聴取しにくい虞がある。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、発音体が発する音を聴取し易い車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る車両用表示装置は、
車両のダッシュボードから露出する表示面を有し、前記表示面に画像を表示する表示部と、
前記ダッシュボードの中に位置する回路基板と、
前記ダッシュボードの中に位置して前記回路基板を上方から覆うカバー部、及び、前記カバー部に対して上方に立つ立壁部を有し、前記立壁部で前記表示部を支持する支持体と、
前記ダッシュボードと前記カバー部の間に位置する発音体と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、発音体が発する音を聴取し易い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係る車両用表示装置とダッシュボードの関係を示す図。
図2】同上実施形態に係る車両用表示装置を前方から見た図。
図3】同上実施形態に係る支持体の斜視図。
図4】同上実施形態に係る支持体を基板収容部の側から見た斜視図。
図5】同上実施形態に係る車両用表示装置の図2に示すA-A線での概略断面図。
図6】同上実施形態に係る車両用表示装置の図2に示すB-B線での概略断面図。
図7】同上実施形態に係る車両用表示装置の図2に示すC-C線での概略断面図をダッシュボードと共に表した図。
図8】同上実施形態に係るケースの斜視図。
図9】同上実施形態に係るケースの下側から見た斜視図であって、主に係止部を説明するための図。
図10】同上実施形態に係るカバー部、ケース及び回路基板をした下側から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
車両用表示装置100は、図1に示すように、車両のダッシュボード1に設けられ、車両に関連する情報をユーザに報知する。当該情報は、車両自体の情報(例えばメータに関する情報)だけでなく、車両の外部の情報を含んでいてもよい。
【0011】
車両用表示装置100は、図1図10に示すように、表示部10と、支持体20と、回路基板30と、可撓性部材40と、配線50と、導電部材60と、発音体70と、ケース80と、ロアカバー90と、を備える。なお、図5図7では、図面の見やすさを考慮して断面を示すハッチングを省略した。
【0012】
適宜の図で、車両用表示装置100を説明する際の方向として、前方Fd、後方Bd、上方Ud、下方Ddを示した。例えば、表示部10の前方は、表示部10が画像を表示する方向であり、表示部10に対して当該画像を視認するユーザの方向である。
【0013】
表示部10は、ディスプレイ11と、カバーガラス12と、を備える。
【0014】
ディスプレイ11は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等から構成される。カバーガラス12は、有機又は無機ガラスからなり、ディスプレイ11の前面に固定される。カバーガラス12には、ディスプレイ11の画像表示領域を区画する、黒色等の有色層が形成されている。カバーガラス12におけるディスプレイ11の画像表示領域と対向する対向部には、当該有色層が形成されていない。カバーガラス12は、当該対向部においてディスプレイ11から発せられる画像を表す光を透過する。
【0015】
この実施形態では、図2に示すように、カバーガラス12の前面(具体的には、前記対向部の前面)が、表示部10の表示面10aである。なお、この例に限らず、表示面10aは、表示部10の画像を表示する部分のうち、最前面であればよい。表示部10は、図1図7に示すように、ダッシュボード1から露出する表示面10aを有し、表示面10aに画像を表示する。
【0016】
図7に示すように、ダッシュボード1において、前方部1aは表示部10の前方に位置する部分であり、後方部1bは表示部10の後方に位置する部分である。後方部1bは、前方部1aよりも図示せぬ車両のフロントガラスにより近い。本実施形態では、前方部1aと、前方部1aよりも上方に位置する後方部1bとの間に表示部10が位置し、表示面10aがダッシュボード1から露出する。
【0017】
支持体20は、主に図3に示すように、カバー部21と、立壁部22と、を備える。この実施形態では、支持体20は、金属で形成される。
【0018】
カバー部21は、ダッシュボード1の中に位置して回路基板30を上方から覆う。カバー部21は、図3又は図4に示すように、上壁部210と、外周壁211と、基板収容部212と、を備える。
【0019】
上壁部210は、カバー部21のうち、上下方向において回路基板30と対向する部分である。上壁部210は、回路基板30に向かって凹む凹部210aを有する。
【0020】
凹部210aは、図4に示すように、凹部210aの下面210bから回路基板30に向かって隆起する第1隆起部U1及び第2隆起部U2を有する。図5に示すように、第1隆起部U1には第1熱伝導シートT1が設けられ、第2隆起部U2には第2熱伝導シートT2が設けられる。
【0021】
外周壁211は、上壁部210の外縁から回路基板30に向かって設けられ、回路基板30の端面を囲む。図3に示すように、外周壁211の下方には、段部が設けられている。外周壁211は、この段部によって回路基板30の端面を囲む。
【0022】
この実施形態では、回路基板30を四方から囲む外周壁211のうち、最も前方に位置する部分を側壁部211aとする。側壁部211aは、後述の配線保護部85と対向する。側壁部211aには、配線50の一部が通る切り欠き211bが形成されている。
【0023】
基板収容部212は、カバー部21の下側において回路基板30を収容する。具体的に、基板収容部212は、外周壁211の段部の下側を含む部分である。
【0024】
立壁部22は、カバー部21に対して上方に立ち、表示部10を支持する。表示部10は、立壁部22の前側に固定されることで、立壁部22に支持される。立壁部22は、カバー部21の上壁部210の後端に設けられた連結部23によってカバー部21と連結されている。この実施形態では、カバー部21、立壁部22及び連結部23は、金属で一体に形成されている。
【0025】
回路基板30は、車両用表示装置100の動作を制御する制御部(例えばマイクロコントローラ)、及び、その他の電子部品が実装されたPCB(Printed Circuit Board)である。回路基板30は、カバー部21の基板収容部212に、図示せぬビス等で固定される。以下では、回路基板30において回路素子が実装可能な2つの面のうち、上方に向く面を主面30aと呼び、下方に向く面を下面30bと呼ぶ。
【0026】
図4に、基板収容部212に収容された回路基板30を破線で示す。図4から理解されるように、回路基板30は、主面30aの外縁のうち、多くの部分が基板収容部212と面接触する。つまり、主面30aの外縁の少なくとも一部が基板収容部212と面接触する。
【0027】
図5に示すように、主面30aには、互いに高さが異なるIC(Integrated Circuit)である第1回路素子S1及び第2回路素子S2が実装されている。例えば、第1回路素子S1はGDC(Graphics Display Controller)であり、第2回路素子S2はマイクロコントローラである。第1回路素子S1は、第1隆起部U1に設けられた第1熱伝導シートT1に当接する。第2回路素子S2は、第2隆起部U2に設けられた第2熱伝導シートT2に当接する。本実施形態では、第1熱伝導シートT1と第2熱伝導シートT2の厚さは同じである。
【0028】
ここで、第1熱伝導シートT1と第2熱伝導シートT2の厚さをtとし、第1回路素子S1の高さをh1、第2回路素子S2の高さをh2、第1隆起部U1の厚さ(隆起した高さ)をd1、第2隆起部U2の厚さ(隆起した高さ)をd2とすると、h1+t+d1=h2+t+d2が成り立つ。第1隆起部U1と第2隆起部U2をこのように設定することで、第1熱伝導シートT1と第2熱伝導シートT2に、同じシートを用いることができる。
【0029】
回路基板30は、可撓性部材40によって表示部10と電気的に接続される。可撓性部材40は、FPC(Flexible Printed Circuits)又はFFC(Flexible Flat Cable)から構成され、表示部10のディスプレイ11と回路基板30とを電気的に接続する。図5に示すように、下面30bの後端部には、ディスプレイ11から延びる可撓性部材40がコネクタC1を介して接続される。ここで、支持体20における立壁部22とカバー部21の間には、表示部10(具体的にはディスプレイ11)と回路基板30を電気的に接続する可撓性部材40を通す挿通孔24が形成されている。挿通孔24は、ディスプレイ11の下方に設けられている。また、回路基板30において、挿通孔24と対向する位置には、貫通孔31が形成されている。一端がディスプレイ11と電気的に接続された可撓性部材40は、挿通孔24及び貫通孔31を通り、他端がコネクタC1を介して回路基板30の下面30bと電気的に接続される。本実施形態では、図示しないが可撓性部材40は2つあり、したがって、挿通孔24及び貫通孔31は、図4に示すように、2組ある。
【0030】
回路基板30は、配線50によって発音体70と電気的に接続される。図6に示すように、回路基板30の下面30bの前端部には、発音体70から延びる配線50がコネクタC2を介して接続される。
【0031】
図7に示すように、回路基板30は、ダッシュボード1の中において表示部10の下方に位置するとともに表示面10aの前方に迫り出している。
【0032】
導電部材60は、図5に示すように、凹部210aの下面210bと、回路基板30との間に挟まれ、金属等の導電性を有する部材である。具体的に、導電部材60は、下面210bと、回路基板30の主面30aに形成された図示せぬグランドパターンとの間に挟まれ、当該グランドパターンと金属から形成された支持体20とを電気的に接続する。これにより、支持体20、特にカバー部21は、電磁波シールドとして機能する。例えば、導電部材60は、複数設けられている。
【0033】
導電部材60は、例えば、Z状の端子であり、上下方向に弾性を有する。導電部材60の弾性力は、下面210bと回路基板30の各々に働く。これにより、カバー部21にシールド機能を持たせつつ、カバー部21と回路基板30の各々に緩衝性を持たせることができる。
【0034】
発音体70は、図1に示すように、ダッシュボード1とカバー部21の間に位置する。発音体70は、例えばスピーカであり、前記制御部の制御により音を発する。発音体70は、音を発する部分である発音部71を備え、発音部71が上方に向くようにケース80に設けられている。そして、発音体70は、図6に示すように、発音部71がケース80から露出して設けられている。発音部71は、スピーカのコーンは勿論、当該コーンの上方に設けられたメッシュ、グリッド、又は、スリット状のスピーカカバーを含んでいてもよい。なお、発音体70は、ブザーであってもよい。
【0035】
発音体70から発せられた音は、ダッシュボード1内の空間を経て、ユーザに到達する。例えば、従来のようにスピーカが筐体の内部に設けられた装置を、ダッシュボード1の中に搭載すると、スピーカから発せられた音は、筐体を通った後に、さらにダッシュボード1を経てユーザに到達する。一方で、本実施形態の車両用表示装置100の構造によれば、発音体70から発せられた音は、ダッシュボード1を経てユーザに到達するため、発音体70が発する音を聴取し易い。
【0036】
ケース80は、図1等に示すように、カバー部21の上側に固定され、発音体70を収容する。ケース80は、下方に向かって開口する箱状に、周知の樹脂材により形成されている。
【0037】
ケース80は、図8に示すように、矩形状の対向壁部81と、対向壁部81の四辺に相当する外縁から下方に向かう側周壁82と、収容部83と、突起部84と、配線保護部85と、を備える。
【0038】
対向壁部81は、図7に示すように、上下方向においてダッシュボード1の前方部1aと対向する。側周壁82には、ケース80とカバー部21の間に篭もった熱を放つための放熱スリット82aが形成されている。第1回路素子S1が発した熱は、第1熱伝導シートT1、第1隆起部U1の順でカバー部21へと伝わる。第2回路素子S2が発した熱は、第2熱伝導シートT2、第2隆起部U2の順でカバー部21へと伝わる。放熱スリット82aは、このようにカバー部21へと伝わった熱を外部に放つことができる。
【0039】
収容部83は、対向壁部81から下方に向かって、発音体70の形状に合わせて凹む部分である。収容部83は、発音体70のエンクロージャーとして機能する。収容部83は、発音体70の下面と対向する底面83aを有する。発音体70は、収容部83に収容されると共に、収容部83に設けられたフックと、ビスとの少なくともいずれかの固定手段によって収容部83に固定される。
【0040】
突起部84は、対向壁部81よりも上方、つまり、ダッシュボード1に向かって突起する。突起部84は、対向壁部81の四隅に対応して4つ設けられている。4つの突起部84の各々には、嵌合孔84aが形成されている。図7に示すように、嵌合孔84aは、ダッシュボード1の前方部1aからケース80に向かって設けられた突出部材1cと嵌まり合う。詳細は図示しないが、突出部材1cは、4つの嵌合孔84aに対応して4つ設けられている。突出部材1cを嵌合孔84aに嵌めることで、ケース80は、ダッシュボード1に固定される。突出部材1cと嵌合孔84aとの嵌合としては、圧入、フック、クリップ等の周知の固定手法を用いることができる。なお、嵌合孔84aは、有底孔であっても貫通孔であってもよい。
【0041】
図6に示すように、配線保護部85は、配線50の一部を保護する。配線保護部85は、側周壁82の下端と連続して形成され、且つ、カバー部21の側壁部211aの一部と対向する。配線50は、発音体70からカバー部21とケース80の隙間Gを通って回路基板30に至る。具体的に、配線保護部85は、配線50のうち隙間Gから回路基板30に向かう部分を覆う。
【0042】
配線保護部85におけるカバー部21の側には、配線50の一部を係止する係止部85a,85bが形成されている。係止部85a,85bは、発音体70から延びる配線50を回路基板30の下面30bへと導く位置に形成されると共に、フック又はクリップ機構によって配線50の一部を係止する。また、図8に示すように、側周壁82における配線保護部85の上方に位置する部分には、窪み部86が形成されている。この窪み部86の下面にも、図9に示すように、配線50の一部を係止する係止部86aが形成されている。
【0043】
つまり、ケース80は、発音体70から延びる配線50を、係止部86a、係止部85a、係止部85bの順で係止しつつ、回路基板30の下面30bへと導く。このように導かれた配線50は、図10に示すように、前述の切り欠き211bを通り、回路基板30の下面30bにコネクタC2を介して接続される。
【0044】
ロアカバー90は、図5に示すように、支持体20のカバー部21を下方から覆い、カバー部21に取り付けられる。ロアカバー90とカバー部21の間に形成される空間に、回路基板30が位置する。
【0045】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。例えば、支持体20は、全てが金属で形成されていなくともよく、少なくともカバー部21が金属で形成されていればよい。
【0046】
以上に説明した車両用表示装置100は、下記の観点A~Cで述べることができる。
【0047】
(A1)本開示の観点Aに係る車両用表示装置は、
車両のダッシュボードから露出する表示面を有し、前記表示面に画像を表示する表示部と、
前記ダッシュボードの中に位置する回路基板と、
前記ダッシュボードの中に位置して前記回路基板を上方から覆うカバー部、及び、前記カバー部に対して上方に立つ立壁部を有し、前記立壁部で前記表示部を支持する支持体と、
前記ダッシュボードと前記カバー部の間に位置する発音体と、を備える。
この構成によれば、発音体から発せられた音は、ダッシュボードを経てユーザに到達するため、発音体が発する音を聴取し易い。また、発音体がユーザから直接見えないため、外観品質が良好である。
【0048】
(A2)観点Aに係る車両用表示装置は、前記カバー部の上側に固定され、前記発音体を収容するケースをさらに備える。
この構成によれば、発音体をケースに組み付け易い。
【0049】
(A3)前記ケースには、前記ダッシュボードから前記ケースに向かって設けられた突出部材と嵌まり合う嵌合孔が形成されている。
この構成によれば、ケースないしは車両用表示装置をダッシュボードに容易に固定できる。
【0050】
(A4)前記ケースは、
前記ダッシュボードと上下方向において対向する対向壁部と、
前記対向壁部から下方に向かって凹み、前記発音体を収容する収容部と、
前記対向壁部よりも上方に突起する突起部と、を備え、
前記突起部に前記嵌合孔が形成されている。
この構成によれば、ケースないしは車両用表示装置をダッシュボードにより容易に固定できる。
【0051】
(B1)本開示の観点Bに係る車両用表示装置は、
車両のダッシュボードから露出する表示面を有し、前記表示面に画像を表示する表示部と、
前記ダッシュボードの中に位置する回路基板と、
前記ダッシュボードの中に位置して前記回路基板を上方から覆うカバー部、及び、前記カバー部に対して上方に立つ立壁部を有し、前記立壁部で前記表示部を支持する支持体と、
前記ダッシュボードと前記カバー部の間に位置する発音体と、
前記カバー部の上側に固定され、前記発音体を収容するケースと、
前記発音体と前記回路基板とを電気的に接続する配線と、を備え、
前記配線は、前記発音体から前記カバー部と前記ケースの隙間を通って前記回路基板に至り、
前記ケースは、前記配線のうち前記隙間から前記回路基板に向かう部分を覆う配線保護部を有する。
この構成によれば、観点Aと同様に、発音体が発する音を聴取し易く、外観品質が良好である。さらに、配線保護部によって、配線を装置外部から保護することができる。
【0052】
(B2)前記配線保護部における前記カバー部の側には、前記配線の一部を係止する係止部が形成されている。
この構成によれば、配線の処置が容易である。
【0053】
(B3)前記配線は、前記発音体から前記隙間を通って前記回路基板の下面に接続される。
この構成によれば、回路基板の下面を効率良く用いることができる。
【0054】
(B4)前記支持体のうち、少なくとも前記カバー部は金属で形成され、
前記カバー部は、前記配線保護部と対向する側壁部を有し、
前記側壁部には、前記配線の一部が通る切り欠きが形成されている。
この構成によれば、カバー部に電磁波シールド機能を持たせつつ、回路基板への配線の通り道を確保することができる。
【0055】
(C1)本開示の観点Cに係る車両用表示装置は、
車両のダッシュボードから露出する表示面を有し、前記表示面に画像を表示する表示部と、
前記ダッシュボードの中において前記表示部の下方に位置するとともに前記表示面の前方に迫り出し、前記表示部と電気的に接続される回路基板と、を備える。
この構成によれば、ダッシュボードにおける表示部の後方にデッドスペースが生じることを抑制できる。例えば、表示部の後方(つまり、表示部とフロントガラスの間)には、HUD(Head-Up Display)等の装置が設けられる場合があるため、当該後方のスペースを確保することに意味がある。
【0056】
(C2)観点Cに係る車両用表示装置は、前記ダッシュボードの中に位置して前記回路基板を上方から覆うカバー部、及び、前記カバー部に対して上方に立つ立壁部を有し、前記立壁部で前記表示部を支持する支持体をさらに備え、
前記支持体のうち、少なくとも前記カバー部は金属で形成され、
前記カバー部は、前記カバー部の下側において前記回路基板を収容する基板収容部を有し、
前記回路基板は、上方に向く主面を有し、
前記主面の外縁の少なくとも一部が前記基板収容部と面接触する。
この構成により、カバー部と回路基板の隙間を低減することができ、より良好に、カバー部に電磁波シールド機能を発揮させることができる。
【0057】
(C3)前記カバー部は、前記主面と対向する上壁部を有し、
前記上壁部は、前記回路基板に向かって凹む凹部を有する。
この構成により、シールド機能を発揮するカバー部に、放熱用の凹部を確保することができる。
【0058】
(C4)前記凹部は、前記凹部の下面から前記回路基板に向かって隆起する第1隆起部及び第2隆起部を有し、
前記主面には、前記第1隆起部に設けられた第1熱伝導シートに当接する第1回路素子と、前記第2隆起部に設けられた第2熱伝導シートに当接する第2回路素子と、が実装され、
前記第1隆起部と前記第2隆起部とは、前記回路基板までの距離が異なり、
前記第1熱伝導シートと前記第2熱伝導シートの厚さは同じである。
この構成により、第1熱伝導シートと第2熱伝導シートに共通のシートを用いることができる。
【0059】
(C5)観点Cに係る車両用表示装置は、前記凹部の前記下面と、前記回路基板の前記主面に形成されたグランドパターンとの間に挟まれ、弾性を有する導電部材をさらに備え、
前記導電部材の弾性力は、前記下面と前記回路基板の各々に働く。
この構成によれば、カバー部にシールド機能を持たせつつ、カバー部と回路基板の各々に緩衝性を持たせることができる。
【0060】
(C6)前記支持体は、金属で形成され、
前記支持体における前記立壁部と前記カバー部の間には、前記表示部と前記回路基板を電気的に接続する可撓性部材を通す挿通孔が形成されている。
この構成によれば、容易に可撓性部材を保護することができる。
【0061】
以上の説明では、本開示の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【0062】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0063】
100…車両用表示装置
1…ダッシュボード、1a…前方部、1b…後方部、1c…突出部材
10…表示部、10a…表示面
11…ディスプレイ、12…カバーガラス
20…支持体
21…カバー部
210…上壁部、210a…凹部、210b…下面
U1…第1隆起部、U2…第2隆起部、T1…第1熱伝導シート、T2…第2熱伝導シート
211…外周壁、211a…側壁部、211b…切り欠き
212…基板収容部
22…立壁部、23…連結部、24…挿通孔
30…回路基板、31…貫通孔
30a…主面、S1…第1回路素子、S2…第2回路素子
30b…下面
40…可撓性部材、C1…コネクタ
50…配線、C2…コネクタ
60…導電部材
70…発音体、71…発音部
80…ケース
81…対向壁部
82…側周壁、82a…放熱スリット
83…収容部、83a…底面
84…突起部、84a…嵌合孔
85…配線保護部、85a,85b…係止部、G…隙間
86…窪み部、86a…係止部
90…ロアカバー
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