(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154849
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】データ取得計画立案装置およびデータ取得計画立案方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20241024BHJP
B61L 25/04 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G06F3/04842
B61L25/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069001
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】牧 和宏
(72)【発明者】
【氏名】木本 勲
(72)【発明者】
【氏名】青木 敦子
(72)【発明者】
【氏名】池原 照
(72)【発明者】
【氏名】堀内 謙二
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA67
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC08
5E555BC14
5E555DB03
5E555DC05
5E555EA02
5E555EA20
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】画面の遷移が行われる際のデータが表示されるまでの時間を短縮させるデータ取得計画立案装置を得ること。
【解決手段】データ取得計画立案装置1は、画面における表示の対象とするデータであるコンテンツを、画面に設定されるレイアウトを使用して表示する画面について、画面の切り替えである遷移が行われた際の、遷移元の画面に表示されたコンテンツの情報と遷移先の画面に表示されたコンテンツの情報とを含むコンテンツ表示履歴情報を記憶するコンテンツ表示履歴記憶部14と、現在の画面に表示されているコンテンツとコンテンツ表示履歴情報とに基づいて、現在の画面からの遷移が行われる場合における遷移先の画面にて要求されるコンテンツを推定するコンテンツ推定部18と、コンテンツ推定部18による推定結果に基づいて、コンテンツの取得についての計画であるデータ取得計画を作成する取得計画作成部22と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面における表示の対象とするデータであるコンテンツを、前記画面に設定されるレイアウトを使用して表示する前記画面について、前記画面の切り替えである遷移が行われた際の、遷移元の前記画面に表示された前記コンテンツの情報と遷移先の前記画面に表示された前記コンテンツの情報とを含むコンテンツ表示履歴情報を記憶するコンテンツ表示履歴記憶部と、
現在の前記画面に表示されている前記コンテンツと前記コンテンツ表示履歴情報とに基づいて、現在の前記画面からの遷移が行われる場合における遷移先の前記画面にて要求される前記コンテンツを推定するコンテンツ推定部と、
前記コンテンツ推定部による推定結果に基づいて、前記コンテンツの取得についての計画であるデータ取得計画を作成する取得計画作成部と、を備える
ことを特徴とするデータ取得計画立案装置。
【請求項2】
複数の前記コンテンツに含まれるコンテンツ同士について、前記コンテンツ同士が同じ前記画面に表示されるか、または、前記コンテンツ同士のうちの1つが遷移元の前記画面に表示されて前記コンテンツ同士のうちの他の1つが遷移先の前記画面に表示される度合いの指標である相関度を、前記コンテンツ表示履歴情報に基づいて算出する相関度算出部を備え、
前記コンテンツ推定部は、複数の前記コンテンツに含まれる前記コンテンツ同士の前記相関度と、現在の前記画面に表示されている前記コンテンツとに基づいて、複数の前記コンテンツの中から遷移先の前記画面にて表示される前記コンテンツを推定する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ取得計画立案装置。
【請求項3】
複数の前記コンテンツの各々の情報量を算出する情報量算出部を備え、
前記コンテンツ推定部は、複数の前記コンテンツに含まれる前記コンテンツ同士の前記相関度と、現在の前記画面に表示されている前記コンテンツの前記情報量とに基づいて、複数の前記コンテンツの中から遷移先の前記画面にて表示される前記コンテンツを推定する
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ取得計画立案装置。
【請求項4】
前記コンテンツ推定部は、複数の前記コンテンツに含まれる前記コンテンツ同士の前記相関度と、現在の前記画面に表示されている前記コンテンツの前記情報量とに基づいて、遷移先の前記画面での表示が要求される確率である要求確率を複数の前記コンテンツの各々について算出し、前記推定結果として、複数の前記コンテンツの各々についての前記要求確率の情報を出力する
ことを特徴とする請求項3に記載のデータ取得計画立案装置。
【請求項5】
前記画面の遷移が行われた際の、遷移元の前記画面を示す情報と遷移先の前記画面を示す情報とを含む画面閲覧履歴情報を記憶する画面閲覧履歴記憶部と、
複数の前記画面の各々についての、複数の前記画面の各々への遷移が行われる確率である画面遷移確率を前記画面閲覧履歴情報に基づいて算出する画面遷移確率算出部と、を備え、
前記取得計画作成部は、前記要求確率と前記画面遷移確率とに基づいて前記データ取得計画を作成する
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ取得計画立案装置。
【請求項6】
前記相関度算出部は、複数の閲覧者について、前記閲覧者ごとの前記コンテンツ表示履歴情報に基づいて前記閲覧者ごとの前記相関度を算出し、
前記情報量算出部は、複数の前記閲覧者について、前記閲覧者ごとの前記情報量を算出し、
前記コンテンツ推定部は、現在の前記画面を閲覧している前記閲覧者についての前記相関度および前記情報量に基づいて、現在の前記画面を閲覧している前記閲覧者によって遷移先の前記画面での表示が要求される確率である前記要求確率を算出する
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ取得計画立案装置。
【請求項7】
前記画面閲覧履歴記憶部は、前記閲覧者の情報が紐付けられた前記画面閲覧履歴情報を記憶し、
前記画面遷移確率算出部は、複数の前記閲覧者について、前記閲覧者ごとの前記画面閲覧履歴情報に基づいて前記閲覧者ごとの前記画面遷移確率を算出し、
前記取得計画作成部は、前記閲覧者ごとの前記要求確率と前記閲覧者ごとの前記画面遷移確率とに基づいて前記データ取得計画を作成する
ことを特徴とする請求項6に記載のデータ取得計画立案装置。
【請求項8】
前記レイアウトの使用により表示される前記コンテンツのデータ量を記憶するコンテンツデータ量記憶部を備え、
前記取得計画作成部は、前記要求確率と前記画面遷移確率と前記データ量とに基づいて前記データ取得計画を作成する
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1つに記載のデータ取得計画立案装置。
【請求項9】
複数の前記コンテンツの各々について、前記コンテンツが保存されているサーバ装置の情報を記憶するコンテンツ保存先記憶部と、
複数の前記サーバ装置の各々について通信速度の情報を算出する通信速度算出部と、を備え、
前記取得計画作成部は、複数の前記サーバ装置のうちの2つ以上において保存されている前記コンテンツについて、2つ以上の前記サーバ装置の各々の前記通信速度に基づいて、前記コンテンツを読み出す前記サーバ装置を決定し、決定された前記サーバ装置から前記コンテンツを取得する前記データ取得計画を作成する
ことを特徴とする請求項8に記載のデータ取得計画立案装置。
【請求項10】
画面における表示の対象とするデータについてのデータ取得計画をコンピュータにより立案するデータ取得計画立案方法であって、
前記画面における表示の対象とするデータであるコンテンツを、前記画面に設定されるレイアウトを使用して表示する前記画面について、前記画面の切り替えである遷移が行われた際の、遷移元の前記画面に表示された前記コンテンツの情報と遷移先の前記画面に表示された前記コンテンツの情報とを含むコンテンツ表示履歴情報を記憶するステップと、
現在の前記画面に表示されている前記コンテンツと前記コンテンツ表示履歴情報とに基づいて、現在の前記画面からの遷移が行われる場合における遷移先の前記画面での表示が要求される前記コンテンツを推定するステップと、
前記コンテンツを推定するステップにおける推定結果に基づいて、前記コンテンツの取得についての計画である前記データ取得計画を作成するステップと、を含む
ことを特徴とするデータ取得計画立案方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画面における表示の対象とするデータについてのデータ取得計画を立案するデータ取得計画立案装置およびデータ取得計画立案方法に関する。
【背景技術】
【0002】
監視の対象であるシステムについて取得されるデータを画面に表示する場合に、画面を閲覧する閲覧者の操作によって、画面の切り替え、すなわち画面の遷移が行われることがある。画面の遷移が行われる場合、データを保存する装置からデータが読み出され、読み出されたデータが遷移先の画面において表示される。画面の遷移により、表示されるデータが切り替えられることによって、閲覧者は、システムについて取得されるさまざまなデータを容易に確認することができる。
【0003】
特許文献1には、運転操作実績情報により操作項目の選択方法と操作値の選択方法とを学習した結果に基づいて、現在の運転情報において最適な操作項目の候補と最適な操作値とを予測し、操作項目の候補と操作値とを表示する生産設備運転支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画面の遷移が行われる場合において、遷移先の画面での表示のために要求されるデータを推定することによりデータの取得計画を作成し、取得計画に従ってデータを読み出すことによって、遷移先の画面が表示されるまでの時間を短縮させ得る。
【0006】
画面を閲覧する閲覧者は、監視の対象であるシステムの状態を確認するための行動として、画面を遷移させる操作と、遷移先の画面に表示するデータを要求するための操作とを行う。従来、閲覧者によるこのような行動における特性が、データの取得計画の作成において考慮されることはなかったため、データが表示されるまでの時間を短縮させることができない場合があるという問題があった。
【0007】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、画面の遷移が行われる際のデータが表示されるまでの時間を短縮させるデータ取得計画立案装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかるデータ取得計画立案装置は、画面における表示の対象とするデータであるコンテンツを、画面に設定されるレイアウトを使用して表示する画面について、画面の切り替えである遷移が行われた際の、遷移元の画面に表示されたコンテンツの情報と遷移先の画面に表示されたコンテンツの情報とを含むコンテンツ表示履歴情報を記憶するコンテンツ表示履歴記憶部と、現在の画面に表示されているコンテンツとコンテンツ表示履歴情報とに基づいて、現在の画面からの遷移が行われる場合における遷移先の画面にて要求されるコンテンツを推定するコンテンツ推定部と、コンテンツ推定部による推定結果に基づいて、コンテンツの取得についての計画であるデータ取得計画を作成する取得計画作成部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示にかかるデータ取得計画立案装置によると、画面の遷移が行われる際のデータが表示されるまでの時間を短縮させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置を有するデータ提供システムの構成例を示す図
【
図2】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置の構成例を示す図
【
図3】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において算出される相関度について説明するための図
【
図4】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において記憶される画面閲覧履歴情報の例を示す図
【
図5】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において記憶されるコンテンツ表示履歴情報の例を示す図
【
図6】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において記憶されるレイアウト種別ID(IDentifier)の例を示す図
【
図7】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において記憶されるレイアウト種別情報の例を示す図
【
図8】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において記憶される表示コンテンツ情報の第1の例を示す図
【
図9】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において記憶される表示コンテンツ情報の第2の例を示す図
【
図10】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において記憶される所属画面IDの例を示す図
【
図11】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において記憶されるレイアウトデータ量情報の第1の例を示す図
【
図12】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において記憶されるレイアウトデータ量情報の第2の例を示す図
【
図13】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において記憶されるコンテンツ保存先情報の例を示す図
【
図14】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において算出される画面遷移確率の例を示す図
【
図15】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において算出される相関度の例を示す図
【
図16】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において算出される情報量の例を示す図
【
図17】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置において算出される通信速度の例を示す図
【
図18】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置により出力されるデータ取得計画の情報の例を示す図
【
図19】実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置による処理の例を示すフローチャート
【
図20】実施の形態1にかかる制御回路の構成例を示す図
【
図21】実施の形態1にかかる専用のハードウェア回路の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、データ取得計画立案装置およびデータ取得計画立案方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1を有するデータ提供システム3の構成例を示す図である。データ提供システム3は、監視の対象であるシステムについてのデータを提供するコンピュータシステムである。
【0013】
データ提供システム3は、ネットワークを介してクライアント4に接続される。データ提供システム3は、ネットワークを介して複数のデータベースサーバ5の各々に接続される。ネットワークは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。ネットワークは、LAN(Local Area Network)でも良い。
図1には、データ提供システム3に接続される2つのデータベースサーバ5を示す。データ提供システム3に接続されるデータベースサーバ5の数は任意であるものとする。データ提供システム3に接続されるデータベースサーバ5は1つであっても良い。
【0014】
クライアント4は、システムを監視するための監視画面といった画面を表示するコンピュータであって、例えばパーソナルコンピュータである。クライアント4は、クライアント4において表示される画面を閲覧する閲覧者によって操作される。以下、クライアント4に表示される画面を閲覧する閲覧者を、ユーザとも称する。複数のデータベースサーバ5の各々は、監視の対象であるシステムについてのデータを保存するサーバ装置である。以下、データベースサーバ群とは、複数のデータベースサーバ5の全体を指すものとする。
【0015】
データ提供システム3は、データベースサーバ群からデータを取得する。データ提供システム3は、データベースサーバ群から取得されたデータをクライアント4へ提供する。クライアント4は、データ提供システム3から取得されたデータを画面に表示する。
【0016】
データ提供システム3は、データ取得計画立案装置1とデータ取得装置2とを備える。データ取得計画立案装置1は、クライアント4の画面における表示の対象とするデータを取得するための計画であるデータ取得計画を立案する。データ取得計画立案装置1は、例えば、監視の対象であるシステムについてのデータのデータ取得計画を立案する。データ取得計画立案装置1は、データ取得装置2へデータ取得計画の情報を出力する。
【0017】
データ取得装置2は、データ取得計画に従って、データベースサーバ群からデータを取得する。具体的には、データ取得装置2は、複数のデータベースサーバ5のうちデータ取得計画により指定された1つへデータを要求する。データが要求されたデータベースサーバ5は、要求されたデータをデータ取得装置2へ送信する。データ取得装置2は、データベースサーバ5から送信されたデータを受信する。
【0018】
クライアント4は、データ提供システム3へデータを要求する。データ取得装置2は、クライアント4により要求されたデータをクライアント4へ送信する。クライアント4は、データ取得装置2から送信されるデータを受信し、受信したデータを画面に表示する。
【0019】
ここで、データ取得計画により取得されるデータの具体例について説明する。データ取得計画により取得されるデータの第1の例は、列車統合管理装置により収集されるデータである。列車統合管理装置により収集されるデータの第1の例は、車両に搭載されているセンサ、例えば速度計、振動計、または荷重計などのセンサにより取得されるデータである。列車統合管理装置により収集されるデータの第2の例は、車両に搭載されている機器の稼働状況を示す情報であって、例えば、モータの電圧またはトルクの情報、あるいは自動列車運転装置の情報などが含まれる。列車統合管理装置により収集されるデータの第3の例は、運転員が車両へ行った操作を示す情報であって、ノッチの使用状況を示す情報、緊急ブレーキの使用を示す情報、またはドアの開閉を示す情報などである。列車統合管理装置により収集されるデータの第4の例は、列車の走行環境についての情報であって、走行路線名または外気温の情報などが含まれる。なお、列車統合管理装置により収集されるデータには、ここで説明するデータ以外のデータが含まれても良い。
【0020】
データ取得計画により取得されるデータの第2の例は、車両統合検査システムにより収集されるデータである。車両統合検査システムにより収集されるデータには、例えば、検査員による点検結果、または、外観検査装置による検査結果などが含まれる。検査員による点検結果とは、モータまたは台車などの分解検査の結果などである。外観検査装置による検査結果とは、パンタグラフの検査結果、または車輪摩耗量の検査結果などである。なお、車両統合検査システムにより収集されるデータには、ここで説明するデータ以外のデータが含まれても良い。データ取得計画により取得されるデータは、ここで例示するデータに限られず、任意であるものとする。
【0021】
次に、クライアント4において表示される画面について説明する。クライアント4において表示される画面は、レイアウトとコンテンツとにより構成される。レイアウトは、コンテンツの見せ方を定義するものである。コンテンツは、レイアウトを使用して表示されるデータである。このように、クライアント4において表示される画面では、画面における表示の対象とするデータであるコンテンツが、画面に設定されるレイアウトを使用して表示される。コンテンツは、時系列のデータである。ここで説明する「時系列のデータ」は、センサ値といった数値データのほか、定点を撮影した画像データまたは動画データ、あるいはユーザによるデータ入力日時および入力データといった、データの取得日時とデータの内容との対応が取れているデータの全てが対象となり得る。コンテンツは、例えば、監視の対象であるシステムについてのデータである。
【0022】
コンテンツの1つの例は、監視の対象であるシステムの状態を検出するセンサの出力である信号の値である。この場合、コンテンツは、信号によって表現される情報といえる。コンテンツの表示には、2Dグラフ、チェックボックス、数値フォーム、または画像などといった種別のレイアウトが使用可能である。例えば、2Dグラフ用のレイアウトには、グラフにおける2軸の各々に示される数値の範囲、または、グラフに表示する点の数などの情報が含まれる。2Dグラフ用のレイアウトを使用して表示されるコンテンツは、2軸により定められる座標である。
【0023】
複数のデータベースサーバ5の各々には、画面における表示の対象とするデータであるコンテンツが保存される。データ取得計画立案装置1により立案されるデータ取得計画は、複数のデータベースサーバ5の各々からのコンテンツの取得についての計画といえる。
【0024】
クライアント4は、ユーザの操作に従って画面を遷移させる。クライアント4は、画面の遷移を複数回行うことによって、複数の画面を順次表示する。順次表示される複数の画面の各々には、1つまたは複数のレイアウトが設定されている。1つのレイアウトの使用により、1つまたは複数のコンテンツが表示される。言い換えると、コンテンツは、画面に設定されているレイアウトごとに表示される。
【0025】
クライアント4は、画面を遷移させる操作に従って、画面を遷移させる。ユーザは、遷移先の画面を指定して、画面を遷移させる操作を行う。また、ユーザは、遷移先の画面において、画面に設定されているレイアウトを使用して表示するコンテンツを指定する。クライアント4は、ユーザによって指定されたコンテンツをデータ提供システム3へ要求する。
【0026】
データ取得計画立案装置1は、画面を遷移させる操作が行われるよりも前に、現在の画面からの遷移が行われる場合における遷移先の画面での表示が要求されるコンテンツを推定する。データ取得計画立案装置1は、遷移先の画面での表示が要求されるコンテンツを推定した結果に基づいて、データ取得計画を作成する。データ取得装置2は、データ取得計画に従って、データベースサーバ群からコンテンツを取得する。このようにして、データ取得装置2は、ユーザにより画面を遷移させる操作が行われるよりも前にコンテンツを取得する。
【0027】
画面を遷移させる操作がクライアント4にて行われ、かつクライアント4からコンテンツが要求されると、データ取得装置2は、要求されたコンテンツをクライアント4へ送信する。要求されるコンテンツを推定して、データ取得装置2によりコンテンツをあらかじめ取得することによって、データ提供システム3は、クライアント4において遷移先の画面が表示されるまでの時間を短縮させることが可能となる。
【0028】
次に、データ取得計画立案装置1の詳細について説明する。
図2は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1の構成例を示す図である。
【0029】
データ取得計画立案装置1は、画面閲覧情報取得部11と、画面閲覧履歴記憶部12と、コンテンツ表示情報取得部13と、コンテンツ表示履歴記憶部14とを備える。
【0030】
画面閲覧情報取得部11は、クライアント4において表示された画面についての情報である画面閲覧情報を取得する。画面閲覧情報取得部11は、クライアント4に画面が表示された際に、現在表示されている画面についての画面閲覧情報を取得する。画面閲覧情報には、画面を閲覧しているユーザを示す情報と、表示された画面を示す情報と、画面の表示が開始された時刻の情報とが含まれる。
【0031】
画面閲覧情報取得部11は、画面の遷移が行われた際における、遷移元の画面についての画面閲覧情報と遷移先の画面についての画面閲覧情報とを使用して、画面閲覧履歴情報を生成する。画面閲覧履歴情報は、画面の閲覧履歴を示す情報である。画面閲覧履歴情報には、画面の遷移が行われた際の、遷移元の画面を示す情報と遷移先の画面を示す情報とが含まれる。また、画面閲覧履歴情報には、画面の遷移が行われた際に画面を閲覧していたユーザを示す情報と、画面の遷移が行われた時刻を示す情報とが含まれる。画面の遷移が行われた時刻は、遷移後の画面についての、画面の表示が開始された時刻である。画面閲覧情報取得部11は、生成された画面閲覧履歴情報を画面閲覧履歴記憶部12へ出力する。
【0032】
画面閲覧履歴記憶部12は、画面閲覧履歴情報を記憶する。画面の遷移が行われるたびに、画面閲覧情報取得部11によって生成された画面閲覧履歴情報が画面閲覧履歴記憶部12に記憶される。これにより、画面閲覧履歴記憶部12には、画面閲覧履歴情報が蓄積される。
【0033】
コンテンツ表示情報取得部13は、画面に表示されたコンテンツについての情報であるコンテンツ表示情報を取得する。コンテンツ表示情報取得部13は、画面にコンテンツが表示された際に、現在表示されているコンテンツについてのコンテンツ表示情報を取得する。コンテンツ表示情報には、表示されたコンテンツを示す情報と、コンテンツの表示に使用されたレイアウトを示す情報とが含まれる。
【0034】
コンテンツ表示情報取得部13は、画面の遷移が行われた際における、遷移元の画面に表示されたコンテンツについてのコンテンツ表示情報を使用して、コンテンツ表示履歴情報を生成する。コンテンツ表示履歴情報は、コンテンツの表示履歴を示す情報である。コンテンツ表示履歴情報には、画面の遷移が行われた際の、遷移元の画面に表示されたコンテンツを示す情報が含まれる。コンテンツ表示情報取得部13は、生成されたコンテンツ表示履歴情報をコンテンツ表示履歴記憶部14へ出力する。
【0035】
コンテンツ表示履歴記憶部14は、コンテンツ表示履歴情報を記憶する。画面の遷移が行われるたびに、コンテンツ表示情報取得部13によって生成されたコンテンツ表示履歴情報がコンテンツ表示履歴記憶部14に記憶される。これにより、コンテンツ表示履歴記憶部14には、コンテンツ表示履歴情報が蓄積される。
【0036】
データ取得計画立案装置1は、画面遷移確率算出部15と、相関度算出部16と、情報量算出部17と、コンテンツ推定部18とを備える。
【0037】
画面遷移確率算出部15は、画面閲覧履歴記憶部12から画面閲覧履歴情報を取得する。画面遷移確率算出部15は、複数の画面の各々についての、複数の画面の各々への遷移が行われる確率である画面遷移確率を画面閲覧履歴情報に基づいて算出する。画面遷移確率算出部15は、算出された画面遷移確率の情報を後述する取得計画作成部22へ出力する。
【0038】
相関度算出部16は、コンテンツ表示履歴記憶部14からコンテンツ表示履歴情報を取得する。相関度算出部16は、複数のコンテンツに含まれるコンテンツ同士の相関度を算出する。相関度算出部16が算出する相関度は、コンテンツ同士が同じ画面に表示されるか、または、コンテンツ同士のうちの1つが遷移元の画面に表示されてコンテンツ同士のうちの他の1つが遷移先の画面に表示される度合いの指標である。画面が閲覧される際において、同時に表示される傾向があるコンテンツ同士、または、画面の遷移によって順次表示される傾向があるコンテンツ同士は、相関度が高い。相関度は、例えば、スパースモデリングといった相関分析手法によって導き出すことができる。
【0039】
図3は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において算出される相関度について説明するための図である。
図3では、ある1つの画面から別の画面への遷移が行われたことを模式的に表す。
図3には、「画面1」から「画面2」への遷移が行われた例を示している。「画面1」には、2つのコンテンツである「コンテンツA」および「コンテンツC」が表示されたとする。「画面2」には、3つのコンテンツである「コンテンツA」、「コンテンツB」、および「コンテンツD」が表示されたとする。「コンテンツA」は、「画面1」と「画面2」との双方で表示されたコンテンツである。
【0040】
図3に示す例において、「コンテンツA」と「コンテンツB」とは、同じ画面である「画面2」において表示されている。また、「コンテンツB」は、「コンテンツA」が表示されている「画面1」からの遷移先である「画面2」において表示されている。「コンテンツA」と「コンテンツB」とが、同じ画面に表示され易いコンテンツ同士であるか、または、画面が遷移される際に一方が表示された後に他方が表示され易いコンテンツ同士である場合、「コンテンツA」と「コンテンツB」とは相関度が高いといえる。なお、遷移先の画面で表示されるコンテンツは、例えば、遷移先の画面を表示する際に要求されるコンテンツである。この他、遷移先の画面で表示されるコンテンツには、遷移前において表示されることが決められているコンテンツが含まれても良い。
【0041】
例えば、コンテンツ同士が同時に表示される頻度が高いほど、または、画面の遷移によってコンテンツ同士が順次表示される頻度が高いほど、高い相関度を出力し得るモデルが構築される。相関度算出部16は、構築されたモデルへコンテンツ表示履歴情報を入力することによって、複数のコンテンツに含まれるコンテンツ同士の相関度を算出する。
【0042】
また、相関度算出部16は、画面閲覧履歴記憶部12から画面閲覧履歴情報を取得する。相関度算出部16は、コンテンツ表示履歴情報を画面閲覧履歴情報と照合することによって、コンテンツ表示履歴情報に示されるコンテンツが表示されたときのユーザを示す情報を取得する。相関度算出部16は、複数のユーザについて、ユーザごとのコンテンツ表示履歴情報に基づいてユーザごとの相関度を算出する。相関度算出部16は、算出された相関度の情報をコンテンツ推定部18へ出力する。
【0043】
情報量算出部17は、コンテンツ表示履歴記憶部14からコンテンツ表示履歴情報を取得する。情報量算出部17は、複数のコンテンツの各々の情報量を算出する。情報量算出部17が算出する情報量は、コンテンツが画面に表示される確率の低さの指標であって、情報理論の概念における情報量に該当する。情報量算出部17が算出する情報量は、あるコンテンツが表示された場合において、そのコンテンツの内容が、通常時において表示されるコンテンツの内容と比較してどのくらいかけ離れているかを示す尺度ともいえる。例えば、アラート、普段とは挙動が異なる波形の信号、または、普段は閲覧されないデータなどが、情報量が高いコンテンツの例として挙げられる。普段とは挙動が異なるということは、例えば、スパースモデリングといった相関分析手法の結果を応用することで判定され得る。例えば、相関分析により得られる信頼区間を基に、取得した信号値がこの信頼区間を逸脱した回数を、普段とどれだけ挙動が異なるかを示す異常度として定義する。または、相関分析により得られる平均を基に、取得した信号値と当該信号値とのノルムを、普段とどれだけ挙動が異なるかを示す異常度として定義する。このようにして定義された異常度の大きさによって、普段とは挙動が異なるか否かを判定することができる。なお、コンテンツが画面に表示される確率の低さの指標である情報量は、情報理論の概念における情報量とは異なる方法によって算出される指標であっても良い。
【0044】
また、情報量算出部17は、画面閲覧履歴記憶部12から画面閲覧履歴情報を取得する。情報量算出部17は、コンテンツ表示履歴情報を画面閲覧履歴情報と照合することによって、コンテンツ表示履歴情報に示されるコンテンツが表示されたときのユーザを示す情報を取得する。情報量算出部17は、複数のユーザについて、ユーザごとのコンテンツ表示履歴情報に基づいてユーザごとの情報量を算出する。情報量算出部17は、算出された情報量の情報をコンテンツ推定部18へ出力する。
【0045】
コンテンツ推定部18は、複数のコンテンツに含まれるコンテンツ同士の相関度と、現在の画面に表示されているコンテンツの情報量とに基づいて、現在の画面からの遷移が行われる場合における遷移先の画面にて要求されるコンテンツを推定する。コンテンツ推定部18は、複数のコンテンツの中から遷移先の画面にて要求されるコンテンツを推定する。
【0046】
具体的には、コンテンツ推定部18は、情報量算出部17によって算出された情報量の情報から、現在の画面に表示されているコンテンツについての情報量の情報を取得する。コンテンツ推定部18は、複数のコンテンツに含まれるコンテンツ同士の相関度と、現在の画面に表示されているコンテンツの情報量とに基づいて、遷移先の画面での表示が要求される確率である要求確率を複数のコンテンツの各々について算出する。コンテンツ推定部18は、遷移先の画面にて要求されるコンテンツを推定した結果である推定結果として、複数のコンテンツの各々について算出された要求確率の情報を出力する。
【0047】
このように、コンテンツ推定部18は、複数のコンテンツに含まれるコンテンツ同士の相関度と、現在の画面に表示されているコンテンツの情報量とに基づいて、複数のコンテンツの中から遷移先の画面にて表示されるコンテンツを推定する。コンテンツ推定部18は、コンテンツ表示履歴情報に基づいて算出された相関度と、現在の画面に表示されているコンテンツとに基づいて、遷移先の画面にて表示されるコンテンツを推定する、ともいえる。また、コンテンツ推定部18は、現在の画面に表示されているコンテンツとコンテンツ表示履歴情報とに基づいて、現在の画面からの遷移が行われる場合における遷移先の画面にて要求されるコンテンツを推定する、ともいえる。コンテンツ推定部18は、現在の画面を閲覧しているユーザについての相関度および情報量に基づいて、現在の画面を閲覧しているユーザによって遷移先の画面での表示が要求される確率である要求確率を算出する。コンテンツ推定部18は、算出された要求確率の情報を後述する取得計画作成部22へ出力する。
【0048】
データ取得計画立案装置1は、通信速度算出部19と、コンテンツデータ量記憶部20と、コンテンツ保存先記憶部21と、取得計画作成部22とを備える。
【0049】
通信速度算出部19は、複数のデータベースサーバ5の各々の通信速度を算出する。通信速度算出部19は、例えば、複数のデータベースサーバ5の各々とデータ取得装置2との間の通信におけるping値を定期的に取得することによって、複数のデータベースサーバ5の各々の通信速度を算出する。その他の方法として、通信速度算出部19は、複数のデータベースサーバ5の各々からデータ取得装置2が受信したデータのデータ量を、データを取得するためのクエリ文を送信してから応答データが戻ってくるまでの時間で除算することによって、通信速度を算出しても良い。通信速度算出部19は、算出された通信速度の情報を保持する。通信速度算出部19は、算出された通信速度の情報を取得計画作成部22へ出力する。通信速度算出部19は、時間帯ごとの通信速度または曜日ごとの通信速度を算出して、算出された通信速度の情報を保持しても良い。通信速度算出部19は、例えば、データ提供システム3の利用者が多くなる時間帯とデータ提供システム3の利用者が少ないことが予想される時間帯とで通信速度の情報を分けることとしても良く、平日と土休日とで通信速度の情報を分けることとしても良い。
【0050】
コンテンツデータ量記憶部20には、コンテンツデータ量の情報が記憶される。コンテンツデータ量とは、レイアウトを使用してコンテンツを表示するために必要なデータ量とする。例えば、1時間おきのデータであるコンテンツを24時間分表示するレイアウトの場合、コンテンツデータ量は、当該レイアウトでの1時間分の表示に必要なデータ量の24倍となる。
【0051】
なお、レイアウトの使用による表示に必要なデータ量は、レイアウトにおける時間軸の拡縮などによって動的に変化し得る。コンテンツデータ量を記憶することは、レイアウトを使用してコンテンツを表示するために必要となるデータ通信量を見積もることが目的であるため、コンテンツデータ量記憶部20に記憶されるコンテンツデータ量は、レイアウトにおける時間軸の縮尺が初期設定の縮尺である場合に必要となるデータ量とする。
【0052】
コンテンツ保存先記憶部21には、コンテンツが保存されているデータベースサーバ5を示すコンテンツ保存先情報が記憶される。信号の値の時系列データであるコンテンツについて、コンテンツ保存先記憶部21には、信号を示す情報と当該信号についてのコンテンツが保存されているデータベースサーバ5を示す情報とが互いに紐付けられたコンテンツ保存先情報が記憶される。
【0053】
複数の信号の各々について、各信号の値であるコンテンツがデータベースサーバ群に保存される場合に、複数のデータベースサーバ5に含まれるデータベースサーバ5同士には、互いに異なる信号についてのコンテンツが保存される。この場合、コンテンツ保存先記憶部21には、信号を示す情報と当該信号についてのコンテンツが保存されている1つのデータベースサーバ5を示す情報とが互いに紐付けられたコンテンツ保存先情報が記憶される。
【0054】
なお、複数のデータベースサーバ5に含まれる2つ以上のデータベースサーバ5の各々に、互いに同じ信号についてのコンテンツが保存されても良い。すなわち、複数のデータベースサーバ5に含まれる2つ以上のデータベースサーバ5の各々に、互いに同じコンテンツが保存される場合があり得る。この場合、コンテンツ保存先記憶部21には、信号を示す情報と当該信号についてのコンテンツが保存されている2つ以上のデータベースサーバ5の各々を示す情報とが互いに紐付けられたコンテンツ保存先情報が記憶される。
【0055】
取得計画作成部22には、画面遷移確率の情報と、コンテンツ推定部18による推定結果である要求確率の情報と、通信速度の情報とが入力される。取得計画作成部22は、コンテンツデータ量記憶部20からコンテンツデータ量の情報を取得する。
【0056】
取得計画作成部22は、入力された画面遷移確率の情報と入力された要求確率の情報とに基づいて、複数のコンテンツの各々について、複数の画面の各々におけるコンテンツの要求確率を予測する。取得計画作成部22は、取得されたコンテンツデータ量の情報に基づいて、複数の画面の各々について、コンテンツを表示するために必要となるデータ通信量を予測する。取得計画作成部22は、複数の画面の各々について予測された要求確率と、複数の画面の各々について予測されたデータ通信量との積が大きい順にコンテンツを取得するデータ取得計画を作成する。また、取得計画作成部22は、ユーザごとの要求確率とユーザごとの画面遷移確率とに基づいてデータ取得計画を作成する。取得計画作成部22は、作成されたデータ取得計画の情報をデータ取得装置2へ出力する。
【0057】
次に、データ取得計画立案装置1によるデータ取得計画の立案において使用される情報の具体例について説明する。
図4は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において記憶される画面閲覧履歴情報の例を示す図である。
図4には、画面閲覧履歴記憶部12において画面閲覧履歴情報が保存されるテーブルの例を示す。
【0058】
図4に示す例において、画面閲覧履歴情報のテーブルには、遷移イベントID、時刻、ユーザID、遷移元画面ID、および遷移先画面IDの各項目の情報が含まれる。
図4に示すテーブルでは、遷移イベントIDが主キーであって、ユーザID、遷移元画面ID、および遷移先画面IDの各々が外部キーである。
【0059】
遷移イベントIDの項目は、遷移イベントの識別子である遷移イベントID(DT_ID)を表す。遷移イベントは、ユーザの操作により行われた画面の遷移である。時刻の項目は、遷移が行われた時刻を表す。ユーザIDの項目は、遷移が行われた際に画面を閲覧していたユーザの識別子であるユーザID(U_ID)を表す。遷移元画面IDの項目は、画面の遷移が行われた際における遷移元の画面の画面IDを表す。遷移先画面IDの項目は、画面の遷移が行われた際における遷移先の画面の画面IDである。画面ID(D_ID)は、レイアウトが設定された画面の識別子である。なお、同じ画面IDが付与された画面同士は、レイアウトおよびコンテンツのうち少なくともレイアウトが互いに同じである画面同士とする。
【0060】
例えば、
図4において破線により囲われたレコードは、遷移イベントID「0001」の遷移イベントでは、2022年1月1日の0時0分0秒に、ユーザID「0001」のユーザによって、画面ID「0001」の画面から画面ID「0002」の画面への遷移が行われたことを表す。画面閲覧履歴情報は、画面の遷移が行われるたびに生成される。画面閲覧履歴記憶部12には、画面の遷移が行われるたびに生成された画面閲覧履歴情報が蓄積される。
【0061】
図5は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において記憶されるコンテンツ表示履歴情報の例を示す図である。
図5には、コンテンツ表示履歴記憶部14においてコンテンツ表示履歴情報が保存されるテーブルの例を示す。
【0062】
図5に示す例において、コンテンツ表示履歴情報のテーブルには、遷移イベントID、レイアウトID、および表示コンテンツIDの各項目の情報が含まれる。
図5に示すテーブルでは、遷移イベントIDが主キーであって、レイアウトID、および表示コンテンツIDの各々が外部キーである。
【0063】
レイアウトIDの項目は、画面に設定されているレイアウトの識別子であるレイアウトID(LO_ID)を表す。表示コンテンツIDの項目は、画面に表示されたコンテンツの識別子であるコンテンツID(DC_ID)を表す。
【0064】
例えば、
図5において破線により囲われたレコードは、遷移イベントID「0001」の遷移イベントである画面ID「0001」の画面から画面ID「0002」の画面への遷移についてのレコードである。当該レコードは、遷移元の画面である画面ID「0001」の画面には、レイアウトID「0001」のレイアウトとレイアウトID「0002」のレイアウトとの2つが設定されており、レイアウトID「0001」の使用によりコンテンツID「0001」のコンテンツが表示され、かつ、レイアウトID「0002」の使用によりコンテンツID「0002」のコンテンツが表示されたことを表す。コンテンツ表示履歴情報は、画面の遷移が行われるたびに生成される。コンテンツ表示履歴記憶部14には、画面の遷移が行われるたびに生成されたコンテンツ表示履歴情報が蓄積される。
【0065】
図6は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において記憶されるレイアウト種別IDの例を示す図である。
図7は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において記憶されるレイアウト種別情報の例を示す図である。レイアウト種別は、コンテンツの表示態様についての分類を表す。レイアウト種別ID(LT_ID)は、レイアウト種別の識別子である。レイアウト種別情報は、レイアウト種別IDに対応するレイアウト種別の名称である。
【0066】
図6には、レイアウト種別IDのテーブルの例を示す。
図6に示す例において、レイアウト種別IDのテーブルには、レイアウトIDおよびレイアウト種別IDの各項目が含まれる。
図6に示すテーブルでは、レイアウトIDが主キーであって、レイアウト種別IDが外部キーである。レイアウト種別IDのテーブルは、コンテンツ表示履歴記憶部14に記憶される。
【0067】
図7には、レイアウト種別情報のテーブルの例を示す。
図7に示す例において、レイアウト種別情報のテーブルには、主キーであるレイアウト種別IDと、レイアウト種別情報との各項目が含まれる。レイアウト種別情報のテーブルは、コンテンツ表示履歴記憶部14に記憶される。
【0068】
例えば、
図6に示す例において、レイアウトID「0001」には、レイアウト種別ID「0001」が紐付けられている。
図7に示す例において、レイアウト種別ID「0001」には、レイアウト種別情報「2Dグラフ」が紐付けられている。
図6に示すテーブルには、画面にレイアウトが設定されることによって、レイアウトIDおよびレイアウト種別IDの組合せが保存される。
図7に示すテーブルには、レイアウト種別IDおよびレイアウト種別情報の組合せがあらかじめ保存される。
【0069】
図8は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において記憶される表示コンテンツ情報の第1の例を示す図である。表示コンテンツ情報は、画面に表示されたコンテンツの値に関する情報である。
図8には、2Dグラフに表示されるコンテンツについての表示コンテンツ情報のテーブルの例を示す。
【0070】
図8に示す例において、表示コンテンツ情報のテーブルには、主キーである表示コンテンツIDと、信号ID(S_ID)を表す「値1」と、表示先頭位置を表す「値2」と、表示末端位置を表す「値3」との各項目が含まれる。信号IDは、コンテンツにより表される信号を識別するための識別子である。表示先頭位置は、表示されるグラフにおける時間軸の先頭を表す。表示末端位置は、表示されるグラフにおける時間軸の末端を表す。表示コンテンツ情報のテーブルは、コンテンツ表示履歴記憶部14に記憶される。
【0071】
例えば、
図8において破線により囲われたレコードは、表示コンテンツID「0001」の表示コンテンツは、信号ID「0001」についてのコンテンツであって、表示先頭位置が「2021年1月1日、0時0分0秒」、かつ、表示末端位置が「2021年1月2日、0時0分0秒」であることを表す。なお、表示コンテンツID「0001」の表示コンテンツは、
図6および
図7に示すように、レイアウト種別ID「0001」の2Dグラフにて表示されるものとする。
図8に示すテーブルには、画面にコンテンツが表示されることによって、表示コンテンツID、「値1」、「値2」、および「値3」の組合せが保存される。
【0072】
図9は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において記憶される表示コンテンツ情報の第2の例を示す図である。
図9には、チェックボックスに表示されるコンテンツについての表示コンテンツ情報のテーブルの例を示す。
【0073】
図9に示す例において、表示コンテンツ情報のテーブルには、主キーである表示コンテンツIDと、チェックの有無であるチェック状態を表す「値1」との各項目が含まれる。例えば、
図9において破線により囲われたレコードは、表示コンテンツID「0002」の表示コンテンツは、チェック状態が「true」、すなわちチェック有りであったことを表す。なお、表示コンテンツID「0002」のコンテンツは、
図6および
図7に示すように、レイアウト種別ID「0002」のチェックボックスにて表示されるものとする。
図9に示すテーブルには、画面にコンテンツが表示されることによって、表示コンテンツIDおよび「値1」の組合せが保存される。
【0074】
図10は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において記憶される所属画面IDの例を示す図である。所属画面IDは、レイアウトが設定された画面の画面IDである。
図10には、所属画面IDのテーブルの例を示す。
【0075】
図10に示す例において、所属画面IDのテーブルには、レイアウトIDおよび所属画面IDの各項目が含まれる。
図10に示すテーブルでは、レイアウトIDが主キーであって、所属画面IDが外部キーである。所属画面IDのテーブルは、コンテンツデータ量記憶部20に記憶される。
【0076】
例えば、
図10において破線により囲われたレコードは、レイアウトID「0001」および「0002」の2つのレイアウトが、画面ID「0001」の画面に設定されていたことを表す。
図10に示すテーブルには、画面にレイアウトが設定されることによって、レイアウトIDおよび所属画面IDの組合せが保存される。画面ID「0001」の画面は、
図4に示すように、遷移イベントID「0001」の遷移イベントにおける遷移元の画面とする。
【0077】
また、
図10に示すテーブルには、レイアウトID「0003」のレイアウトが、画面ID「0002」の画面に設定されていたことを示すレコードが含まれている。画面ID「0002」の画面は、
図4に示すように、遷移イベントID「0001」の遷移イベントにおける遷移先の画面とする。このように、
図10に示すテーブルには、遷移元の画面についてのレイアウトIDおよび所属画面IDの組合せと、遷移先の画面についてのレイアウトIDおよび所属画面IDの組合せとが保存される。
【0078】
図11は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において記憶されるレイアウトデータ量情報の第1の例を示す図である。レイアウトデータ量情報は、レイアウトごとにおけるコンテンツのデータ量を表す情報である。コンテンツデータ量は、レイアウトデータ量情報と、
図10に示すテーブルに保存される情報とにより求まる。
【0079】
図11には、2Dグラフを表示するレイアウトについてのレイアウトデータ量情報のテーブルの例を示す。レイアウトデータ量情報のテーブルは、コンテンツデータ量記憶部20に記憶される。レイアウトデータ量情報は、画面にレイアウトが設定される際に生成される。
図11に示すテーブルには、生成されたレイアウトデータ量情報が保存される。
【0080】
図11に示す例において、レイアウトデータ量情報のテーブルには、主キーであるレイアウトID、最小データ点数、最大データ点数、およびデータ型の各項目が含まれる。最小データ点数は、レイアウトにおいて表示可能なデータ点の数の最小値とする。最大データ点数は、レイアウトにおいて表示可能なデータ点の数の最大値とする。データ型は、レイアウトにおいて表示される値のデータ型とする。
【0081】
例えば、
図11において破線により囲われたレコードは、レイアウトID「0001」のレイアウトにおいて、最小データ点数は「24」、最大データ点数は「744」、およびデータ型は「double型」であることを表す。すなわち、当該レイアウトであるグラフには、24点から744点のデータを表示可能である。なお、「double型」は、「倍精度浮動小数点型」とも称される。また、1点当たりのデータ量は、「double型」のデータ量である8バイトである。なお、レイアウトID「0001」のレイアウトは、
図6および
図7に示すように、レイアウト種別ID「0001」の2Dグラフであるものとする。
【0082】
図12は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において記憶されるレイアウトデータ量情報の第2の例を示す図である。
図12には、チェックボックスを表示するレイアウトについてのレイアウトデータ量情報のテーブルの例を示す。
図12に示す例において、レイアウトデータ量情報のテーブルには、主キーであるレイアウトID、最小データ点数、最大データ点数、およびデータ型の各項目が含まれる。
【0083】
例えば、
図12において破線により囲われたレコードは、レイアウトID「0002」のレイアウトにおいて、最小データ点数および最大データ点数がいずれも「1」であって、かつ、データ型は「bool型」であることを表す。すなわち、当該レイアウトであるチェックボックスには、1点のデータを表示可能である。なお、「bool型」は、「boolean型」または「論理型」とも称される。また、1点当たりのデータ量は、「bool型」のデータ量である1ビットである。なお、レイアウトID「0002」のレイアウトは、
図6および
図7に示すように、レイアウト種別ID「0002」のチェックボックスであるものとする。2Dグラフまたはチェックボックス以外のレイアウトについても、2Dグラフまたはチェックボックスの場合と同様に、レイアウトデータ情報が保存される。
【0084】
図13は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において記憶されるコンテンツ保存先情報の例を示す図である。
図13には、コンテンツ保存先記憶部21においてコンテンツ保存先情報が保存されるテーブルの例を示す。
【0085】
図13に示す例において、コンテンツ保存先情報のテーブルには、主キーである信号IDの項目と、複数のデータベースサーバ5の各々のデータベースサーバIDの項目とが含まれる。データベースサーバID(DS_ID)は、データベースサーバ5を識別するための識別子である。データベースサーバIDの項目における「true」は、コンテンツの取得が可能であること、すなわち、コンテンツが保存されていることを表す。データベースサーバIDの項目における「false」は、コンテンツの取得が不可であること、すなわち、コンテンツが保存されていないことを表す。コンテンツ保存先記憶部21には、あらかじめ設定されたコンテンツ保存先情報が保存される。
【0086】
例えば、
図13において破線により囲われたレコードは、信号ID「0001」の信号についてのコンテンツは、データベースサーバID「0001」のデータベースサーバ5と、データベースサーバID「0002」のデータベースサーバ5とのどちらからも取得可能であることを表す。すなわち、データベースサーバID「0001」のデータベースサーバ5と、データベースサーバID「0002」のデータベースサーバ5との双方が、信号ID「0001」の信号についてのコンテンツの保存先であることを表す。かかる例は、互いに同じ信号についてのコンテンツが2つのデータベースサーバ5の各々に保存される例である。なお、各信号についてのコンテンツは、1つのデータベースサーバ5に保存されても良く、2つ以上のデータベースサーバ5に保存されても良い。
【0087】
図14は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において算出される画面遷移確率の例を示す図である。
図14には、画面遷移確率算出部15による画面遷移確率の算出結果の例を表す表を示す。
【0088】
図14に示す表において縦方向に並べられている項目は、複数の画面の各々を遷移元の画面とする場合における遷移元画面IDを表す。
図14に示す表において横方向に並べられている項目は、複数の画面の各々を遷移先の画面とする場合における遷移先画面IDを表す。画面遷移確率算出部15は、複数の画面に含まれる2つの画面の組合せの全てについて、画面遷移確率を算出する。また、画面遷移確率算出部15は、ユーザごとに画面遷移確率を算出する。
図14には、ユーザID「0001」のユーザについて算出された画面遷移確率の例を示す。
【0089】
画面遷移確率算出部15は、ある1つの画面から他の画面への遷移についての画面遷移確率のみならず、ある1つの画面から当該画面と同じ画面への遷移についての画面遷移確率、すなわち同一画面間の遷移についての画面遷移確率も算出する。同一画面間の遷移には、同一の画面にて表示するコンテンツが変更される場合と、表示するコンテンツが変更されず画面がリロードされる場合とが含まれる。
図14に示す例によると、例えば、画面ID「0001」の画面から画面ID「0001」の画面への遷移が行われる確率は10%、画面ID「0001」の画面から画面ID「0002」の画面への遷移が行われる確率は0%である。
【0090】
図15は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において算出される相関度の例を示す図である。
図15には、相関度算出部16による相関度の算出結果の例を表す表を示す。
図15に示す例では、相関度は、0以上かつ1以下の範囲内の値とする。
【0091】
相関度算出部16により算出される相関度は、2つのコンテンツのうちの一方が表示されてから、2つのコンテンツのうちの他方が表示される場合における相関度とする。すなわち、相関度により示されるコンテンツ同士の相関には、指向性が存在するものとする。ここでは、2つのコンテンツのうち先に表示されるコンテンツを第1のコンテンツ、2つのコンテンツのうち後に表示されるコンテンツを第2のコンテンツとする。
【0092】
図15に示す表において縦方向に並べられている項目は、複数のコンテンツの各々を第1のコンテンツとする場合における、第1のコンテンツのコンテンツIDを表す。
図15に示す表において横方向に並べられている項目は、複数のコンテンツの各々を第2のコンテンツとする場合における、第2のコンテンツのコンテンツIDを表す。相関度算出部16は、複数のコンテンツに含まれる2つのコンテンツの組合せの全てについて、相関度を算出する。また、相関度算出部16は、ユーザごとに相関度を算出する。
図15には、ユーザID「0001」のユーザについて算出された相関度の例を示す。
【0093】
図15に示す例によると、例えば、コンテンツID「0001」のコンテンツが第1のコンテンツ、かつ、コンテンツID「0002」のコンテンツが第2のコンテンツである場合の相関度は、0.20である。なお、上記するように指向性が存在するため、同じコンテンツ同士でも第1のコンテンツと第2のコンテンツとが入れ替わることで、算出される相関度が異なる場合がある。
図15に示す例では、コンテンツID「0002」のコンテンツが第1のコンテンツ、かつ、コンテンツID「0001」のコンテンツが第2のコンテンツである場合の相関度は0.75であって、コンテンツID「0001」のコンテンツが第1のコンテンツ、かつ、コンテンツID「0002」のコンテンツが第2のコンテンツである場合の相関度である0.20とは異なる。
【0094】
図16は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において算出される情報量の例を示す図である。
図16には、情報量算出部17による情報量の算出結果の例を表す表を示す。
図16に示す例では、情報量は、0以上かつ1以下の範囲内の値とする。情報量算出部17は、複数のコンテンツの各々について情報量を算出する。また、情報量算出部17は、ユーザごとに情報量を算出する。
図16には、ユーザID「0001」のユーザについて算出された情報量の例を示す。
【0095】
図16に示す例によると、例えば、コンテンツID「0001」のコンテンツの情報量は0.10、コンテンツID「0002」のコンテンツの情報量は0.35である。この例では、ユーザID「0001」のユーザが画面を閲覧する場合に、コンテンツID「0002」のコンテンツが表示されることのほうが、コンテンツID「0001」のコンテンツが表示されることよりも稀であることを表す。
【0096】
コンテンツ推定部18は、
図15に例示する相関度と
図16に例示する情報量とに基づいて、遷移先の画面でのコンテンツの要求確率を算出する。ここで、要求確率の算出例について説明する。ここでは、複数のコンテンツが、コンテンツID「0001」のコンテンツであるコンテンツ1、コンテンツID「0002」のコンテンツであるコンテンツ2、および、コンテンツID「0003」のコンテンツであるコンテンツ3の3つであるものとする。当該3つのコンテンツについては、
図15に示すように相関度が算出されており、かつ、
図16に示すように情報量が算出されているものとする。また、要求確率を算出する時点において、画面にはコンテンツ1およびコンテンツ2の2つが表示されているとする。
【0097】
複数のコンテンツの要素であるコンテンツをコンテンツi、遷移元の画面に表示されているコンテンツをコンテンツj、とする。ここで説明する例では、i=1,2,3、および、j=1,2である。
【0098】
一例として、各コンテンツjについての(コンテンツjとコンテンツiとの相関度)×(コンテンツjの情報量)の和をSjとし、全てのコンテンツiについてのSjの合計をSiとすると、コンテンツiの要求確率は、次の式(1)により算出される。なお、コンテンツjとコンテンツiとの相関度とは、コンテンツjが第1のコンテンツであって、かつ、コンテンツiが第2のコンテンツである場合における相関度とする。
(コンテンツiの要求確率)=Sj/Si ・・・(1)
【0099】
式(1)により、コンテンツ1、コンテンツ2、およびコンテンツ3の各要求確率は、次のように算出される。
(コンテンツ1の要求確率)=(0.35×0.75)/{(0.35×0.75)+(0.10×0.20)+(0.10×0.10+0.35×0.05)}≒0.847
(コンテンツ2の要求確率)=(0.10×0.20)/{(0.35×0.75)+(0.10×0.20)+(0.10×0.10+0.35×0.05)}≒0.065
(コンテンツ3の要求確率)=(0.10×0.10+0.35×0.05)/{(0.35×0.75)+(0.10×0.20)+(0.10×0.10+0.35×0.05)}≒0.089
【0100】
なお、要求確率の算出方法は、上記方法に限られないものとする。コンテンツ推定部18は、上記方法以外の方法によって要求確率を算出することとしても良い。
【0101】
図17は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1において算出される通信速度の例を示す図である。通信速度算出部19は、複数のデータベースサーバ5の各々の通信速度を算出し、通信速度の情報を保存する。
図17には、通信速度算出部19において通信速度の情報が保存されるテーブルの例を示す。
【0102】
図17に示す例において、テーブルには、主キーであるデータベースサーバID、通信速度、および時刻の各項目が含まれる。テーブルに保存される時刻の情報は、通信速度が算出された時刻の情報である。
図17に示す例によると、データベースサーバID「0001」のデータベースサーバ5の通信速度は「1.0Gbps」であって、その通信速度は「2022年1月1日、0時0分0秒」に算出されたものである。
【0103】
取得計画作成部22には、画面遷移確率の情報と、要求確率の情報と、通信速度の情報と、コンテンツデータ量の情報とが入力される。取得計画作成部22は、
図14に示されるような画面遷移確率の情報と、コンテンツ推定部18によって算出された要求確率の情報とに基づいて、複数のコンテンツの各々について、複数の画面の各々におけるコンテンツの要求確率を予測する。取得計画作成部22は、コンテンツデータ量記憶部20から取得されるコンテンツデータ量の情報に基づいて、複数の画面の各々について、コンテンツを表示するために必要となるデータ通信量を予測する。
【0104】
取得計画作成部22は、複数の画面の各々におけるコンテンツの要求確率と複数の画面の各々についてのデータ通信量との積が大きい順にコンテンツの取得優先度を設定する。取得計画作成部22は、コンテンツの取得優先度が高い方からコンテンツを取得するようなデータ取得計画を作成する。取得計画作成部22は、2つ以上のデータベースサーバ5に保存されているコンテンツについては、通信速度が速い方のデータベースサーバ5からコンテンツを取得するようなデータ取得計画を作成する。すなわち、取得計画作成部22は、複数のデータベースサーバ5のうちの2つ以上において保存されているコンテンツについて、2つ以上のデータベースサーバ5の各々の通信速度に基づいて、コンテンツを読み出すデータベースサーバ5を決定し、決定されたデータベースサーバ5からコンテンツを取得するデータ取得計画を作成する。取得計画作成部22は、データ取得計画の情報をデータ取得装置2へ出力する。
【0105】
図18は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1により出力されるデータ取得計画の情報の例を示す図である。
図18には、取得計画作成部22により作成されたデータ取得計画の内容例を表す表を示す。データ取得計画には、取得優先度、取得コンテンツID、およびデータベースサーバIDの各項目が含まれる。取得優先度は、1から始まる昇順の整数により表される。取得コンテンツIDの項目は、取得する対象とするコンテンツのコンテンツIDを表す。データベースサーバIDの項目は、取得する対象とするコンテンツの保存先であるデータベースサーバ5のデータベースサーバIDを表す。
【0106】
図18に示すデータ取得計画によると、取得優先度が「1」であるコンテンツID「0001」のコンテンツが、データベースサーバID「0002」のデータベースサーバ5から取得される。次に、取得優先度が「2」であるコンテンツID「0005」のコンテンツが、データベースサーバID「0001」のデータベースサーバ5から取得される。さらに次に、取得優先度が「3」であるコンテンツID「0002」のコンテンツが、データベースサーバID「0002」のデータベースサーバ5から取得される。
【0107】
次に、フローチャートを用いてデータ取得計画立案装置1による処理を説明する。
図19は、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1による処理の例を示すフローチャートである。
図19には、データ取得計画の立案において実行される処理の例を示す。
【0108】
ステップS1において、データ取得計画立案装置1は、画面閲覧情報を取得し、画面閲覧履歴情報を記憶する。画面閲覧情報取得部11は、現在表示されている画面についての画面閲覧情報を取得する。画面閲覧情報取得部11は、画面の遷移が行われた際における、遷移元の画面についての画面閲覧情報と遷移先の画面についての画面閲覧情報とを基に、
図4に示すような画面閲覧履歴情報を生成する。画面閲覧履歴記憶部12は、生成された画面閲覧履歴情報を記憶する。
【0109】
ステップS2において、データ取得計画立案装置1は、コンテンツ表示情報を取得し、コンテンツ表示履歴情報を記憶する。コンテンツ表示情報取得部13は、画面に表示されたコンテンツについてのコンテンツ表示情報を取得する。コンテンツ表示情報取得部13は、画面の遷移が行われた際における、遷移元の画面に表示されたコンテンツについてのコンテンツ表示情報を基に、
図5に示すようなコンテンツ表示履歴情報を生成する。コンテンツ表示履歴記憶部14は、生成されたコンテンツ表示履歴情報を記憶する。
【0110】
ステップS3において、データ取得計画立案装置1は、画面遷移確率を算出する。画面遷移確率算出部15は、画面閲覧履歴記憶部12から画面閲覧履歴情報を取得する。画面遷移確率算出部15は、複数の画面の各々が遷移元の画面である場合について、複数の画面の各々への遷移が行われる確率である画面遷移確率を、画面閲覧履歴情報に基づいて算出する。画面遷移確率算出部15は、
図14に示すような画面遷移確率を算出する。画面遷移確率算出部15は、算出された画面遷移確率の情報を取得計画作成部22へ出力する。
【0111】
ステップS4において、データ取得計画立案装置1は、相関度および情報量を算出し、相関度および情報量に基づいて要求確率を算出する。相関度算出部16および情報量算出部17の各々は、コンテンツ表示履歴記憶部14からコンテンツ表示履歴情報を取得する。相関度算出部16は、
図15に示すように、複数のコンテンツに含まれるコンテンツ同士の相関度を算出する。相関度算出部16は、算出された相関度の情報をコンテンツ推定部18へ出力する。情報量算出部17は、
図16に示すように、複数のコンテンツの各々の情報量を算出する。情報量算出部17は、算出された情報量の情報をコンテンツ推定部18へ出力する。
【0112】
コンテンツ推定部18は、相関度算出部16によって算出された相関度と情報量算出部17によって算出された情報量とに基づいて、要求確率を算出する。コンテンツ推定部18は、現在の画面からの遷移が行われる場合に遷移先の画面での表示が要求される確率である要求確率を算出する。コンテンツ推定部18は、算出された要求確率の情報を取得計画作成部22へ出力する。
【0113】
ステップS5において、データ取得計画立案装置1は、画面遷移確率および要求確率に基づいてデータ取得計画を作成する。データ取得計画立案装置1は、データ取得計画の情報を出力する。取得計画作成部22は、画面遷移確率の情報と要求確率の情報とに基づいて、複数のコンテンツの各々について、複数の画面の各々におけるコンテンツの要求確率を予測する。取得計画作成部22は、複数の画面の各々におけるコンテンツの要求確率と複数の画面の各々についてのデータ通信量との積が大きい順にコンテンツの取得優先度を設定する。また、取得計画作成部22は、2つ以上のデータベースサーバ5に保存されているコンテンツについては、通信速度が速い方のデータベースサーバ5からコンテンツを取得するようなデータ取得計画を作成する。取得計画作成部22は、データ取得計画の情報をデータ取得装置2へ出力する。以上により、データ取得計画立案装置1は、
図19に示す手順による処理を終了する。
【0114】
次に、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1を実現するハードウェアについて説明する。データ取得計画立案装置1が有する処理部である、画面閲覧情報取得部11、コンテンツ表示情報取得部13、画面遷移確率算出部15、相関度算出部16、情報量算出部17、コンテンツ推定部18、通信速度算出部19、および取得計画作成部22は、処理回路により実現される。処理回路は、プロセッサがソフトウェアを実行する回路であっても良いし、専用の回路であっても良い。
【0115】
処理回路がソフトウェアにより実現される場合、処理回路は、例えば、
図20に示す制御回路である。
図20は、実施の形態1にかかる制御回路40の構成例を示す図である。制御回路40は、入力部41、プロセッサ42、メモリ43、および出力部44を備える。入力部41は、制御回路40の外部から入力されたデータを受信してプロセッサ42に与えるインターフェース回路である。出力部44は、プロセッサ42またはメモリ43からのデータを制御回路40の外部に送るインターフェース回路である。
【0116】
処理回路が
図20に示す制御回路40である場合、データ取得計画立案装置1が有する処理部は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組合せにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ43に格納される。処理回路では、メモリ43に記憶されたプログラムをプロセッサ42が読み出して実行することにより、データ取得計画立案装置1の各機能を実現する。すなわち、処理回路は、データ取得計画立案装置1の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ43を備える。また、これらのプログラムは、データ取得計画立案装置1の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0117】
プロセッサ42は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、またはDSP(Digital Signal Processor)である。メモリ43は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。データ取得計画立案装置1が有する記憶部である、画面閲覧履歴記憶部12、コンテンツ表示履歴記憶部14、コンテンツデータ量記憶部20、およびコンテンツ保存先記憶部21は、メモリ43により実現される。
【0118】
図20は、汎用のプロセッサ42およびメモリ43により各構成要素を実現する場合のハードウェアの例であるが、各構成要素は、専用のハードウェア回路により実現されても良い。
図21は、実施の形態1にかかる専用のハードウェア回路45の構成例を示す図である。
【0119】
専用のハードウェア回路45は、入力部41、出力部44、および処理回路46を備える。処理回路46は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせた回路である。データ取得計画立案装置1の各機能を機能別に処理回路46で実現しても良いし、各機能をまとめて処理回路46で実現しても良い。なお、各構成要素は、制御回路40とハードウェア回路45とが組み合わされて実現されても良い。
【0120】
なお、実施の形態1では、データ提供システム3は、データ取得装置2とは別の装置であるデータ取得計画立案装置1によってデータ取得計画を立案することとした。データ提供システム3では、データ取得計画の立案とデータ取得計画に従ったデータの取得とを、1つの装置が行うこととしても良い。
【0121】
実施の形態1によると、コンテンツ推定部18は、現在の画面に表示されているコンテンツとコンテンツ表示履歴情報とに基づいて、現在の画面からの遷移が行われる場合における遷移先の画面にて要求されるコンテンツを推定する。取得計画作成部22は、コンテンツ推定部18による推定結果に基づいて、データ取得計画を作成する。
【0122】
データ取得計画立案装置1は、コンテンツ表示履歴情報を基に、要求されるコンテンツを推定することによって、画面を遷移させる操作、または、遷移先の画面に表示するデータを要求するための操作といった行動におけるユーザの特性が反映されたデータ取得計画を立案することができる。データ取得計画立案装置1により、ユーザの特性に即したデータ取得計画を立案できることによって、画面の遷移が行われる際におけるデータが表示されるまでの時間を短縮させることが可能となる。
【0123】
コンテンツ推定部18は、コンテンツ同士の相関度と現在の画面に表示されているコンテンツの情報量とに基づいて複数のコンテンツの各々についての要求確率を算出して、要求確率の情報を要求されるコンテンツの推定結果として出力する。データ取得計画立案装置1は、要求確率の情報をデータ取得計画に反映させることによって、遷移先の画面に表示するデータを要求する際におけるユーザの特性に即したデータ取得計画の立案が可能となる。
【0124】
取得計画作成部22は、コンテンツの要求確率と、複数の画面の各々についての画面遷移確率とに基づいてデータ取得計画を作成する。データ取得計画立案装置1は、画面遷移確率の情報をデータ取得計画に反映させることによって、画面を遷移させる際におけるユーザの特性に即したデータ取得計画の立案が可能となる。
【0125】
相関度算出部16は、複数のユーザについて、ユーザごとのコンテンツ表示履歴情報に基づいて、ユーザごとの相関度を算出する。情報量算出部17は、複数のユーザについて、ユーザごとの情報量を算出する。コンテンツ推定部18は、現在の画面を閲覧しているユーザについての相関度および情報量に基づいて、現在の画面を閲覧しているユーザによって遷移先の画面での表示が要求される確率である要求確率を算出する。これにより、データ取得計画立案装置1は、ユーザごとの特性がより精度良く反映されたデータ取得計画を立案することが可能とする。
【0126】
画面遷移確率算出部15は、複数のユーザについて、ユーザごとの画面閲覧履歴情報に基づいてユーザごとの画面遷移確率を算出する。取得計画作成部22は、ユーザごとの要求確率とユーザごとの画面遷移確率とに基づいてデータ取得計画を作成する。これにより、データ取得計画立案装置1は、ユーザごとの特性がより精度良く反映されたデータ取得計画を立案することが可能となる。
【0127】
取得計画作成部22は、要求確率と画面遷移確率とコンテンツのデータ量とに基づいてデータ取得計画を作成する。これにより、データ取得計画立案装置1は、要求確率と画面遷移確率とコンテンツのデータ量とに応じた優先度でコンテンツを取得可能とするデータ取得計画を立案することが可能となる。
【0128】
取得計画作成部22は、複数のデータベースサーバ5のうちの2つ以上において保存されているコンテンツについて、2つ以上のデータベースサーバ5の各々の通信速度に基づいて、コンテンツを読み出すデータベースサーバ5を決定する。これにより、データ取得計画立案装置1は、複数のデータベースサーバ5のうちの2つ以上において保存されているコンテンツについて、より高速にコンテンツを取得可能とするデータ取得計画を立案することが可能となる。
【0129】
以上により、実施の形態1にかかるデータ取得計画立案装置1によると、画面の遷移が行われる際のデータが表示されるまでの時間を短縮させることができる、という効果を奏する。
【0130】
以上の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。実施の形態の構成は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
【符号の説明】
【0131】
1 データ取得計画立案装置、2 データ取得装置、3 データ提供システム、4 クライアント、5 データベースサーバ、11 画面閲覧情報取得部、12 画面閲覧履歴記憶部、13 コンテンツ表示情報取得部、14 コンテンツ表示履歴記憶部、15 画面遷移確率算出部、16 相関度算出部、17 情報量算出部、18 コンテンツ推定部、19 通信速度算出部、20 コンテンツデータ量記憶部、21 コンテンツ保存先記憶部、22 取得計画作成部、40 制御回路、41 入力部、42 プロセッサ、43 メモリ、44 出力部、45 ハードウェア回路、46 処理回路。