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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154860
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】帯状品の支持装置
(51)【国際特許分類】
   A47F 7/02 20060101AFI20241024BHJP
   A47F 7/12 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A47F7/02 B
A47F7/12
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069020
(22)【出願日】2023-04-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】591030341
【氏名又は名称】株式会社システムコミュニケーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 三千春
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で好適に帯状品を支持することができる帯状品の支持装置を提供する。
【解決手段】帯状品を載置する載置部と、前記帯状品の長手方向の任意の位置に対応するように前記載置部に設けられた挿通孔と、前記載置部の前記帯状品と反対側の面において縮径及び拡径が可能な環状部と、前記環状部の任意の位置から前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出する支持腕部と、を有し、前記環状部を縮径させて前記載置部から前記支持腕部を離間させた状態で、前記載置部と前記支持腕部の間に前記帯状品を位置させてから、前記環状部を拡径させて前記載置部に前記支持腕部を接近させることによって、前記載置部と前記支持腕部の間に前記帯状品を挟み込んで支持する、ことを特徴とする帯状品の支持装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状品を載置する載置部と、
前記帯状品の長手方向の任意の位置に対応するように前記載置部に設けられた挿通孔と、
前記載置部の前記帯状品と反対側の面において縮径及び拡径が可能な環状部と、
前記環状部の任意の位置から前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出する支持腕部と、
を有し、
前記環状部を縮径させて前記載置部から前記支持腕部を離間させた状態で、前記載置部と前記支持腕部の間に前記帯状品を位置させてから、前記環状部を拡径させて前記載置部に前記支持腕部を接近させることによって、前記載置部と前記支持腕部の間に前記帯状品を挟み込んで支持する、
ことを特徴とする帯状品の支持装置。
【請求項2】
前記挿通孔と前記環状部と前記支持腕部は、前記帯状品の長手方向の一端部に対応する1セット、又は、前記帯状品の長手方向の両端部に対応する2セットが設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の帯状品の支持装置。
【請求項3】
長手方向の一端部に前記支持腕部が設けられ、長手方向の他端部と中間部に係合部と被係合部が設けられた帯状部材を有し、
前記帯状部材の前記係合部と前記被係合部を係合することにより前記環状部が形成され、
前記帯状部材の前記支持腕部は、前記環状部の側方を通り抜けて、前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯状品の支持装置。
【請求項4】
長手方向の両端部に係合部が設けられた帯状部材を有し、
前記支持腕部は、前記帯状部材の長手方向の両端部に設けられた前記係合部を係合する被係合部を有し、
前記帯状部材の長手方向の両端部に設けられた前記係合部を前記支持腕部の前記被係合部に係合することにより前記環状部が形成され、
前記支持腕部は、前記環状部の側方を通り抜けて、前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯状品の支持装置。
【請求項5】
前記支持腕部は、前記環状部を挿通するための挿通空間を有する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯状品の支持装置。
【請求項6】
各構成要素が紙材料から構成される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯状品の支持装置。
【請求項7】
前記帯状品は、腕時計である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯状品の支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状品の支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板に傾斜した状態で配設された傾斜板と、傾斜板の上部に切欠き形成された上切欠部と、傾斜板の下部に上切欠部と間隔を設けて切欠き形成された下切欠部と、傾斜板の上端部が当接すると共に基板に立設された立上板と、立上板の背面に形成された収容ボックス部と、を有する腕時計陳列用スタンドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3097587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の腕時計陳列用スタンドは、簡単な構成で好適に腕時計を陳列(支持)するという観点において改良の余地があった。この技術課題は、腕時計の陳列(支持)に限らず、帯状品の陳列(支持)の全般に当てはまる。
【0005】
本発明は、上記の問題意識に基づいて完成されたものであり、簡単な構成で好適に帯状品を支持することができる帯状品の支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の帯状品の支持装置は、帯状品を載置する載置部と、前記帯状品の長手方向の任意の位置に対応するように前記載置部に設けられた挿通孔と、前記載置部の前記帯状品と反対側の面において縮径及び拡径が可能な環状部と、前記環状部の任意の位置から前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出する支持腕部と、を有し、前記環状部を縮径させて前記載置部から前記支持腕部を離間させた状態で、前記載置部と前記支持腕部の間に前記帯状品を位置させてから、前記環状部を拡径させて前記載置部に前記支持腕部を接近させることによって、前記載置部と前記支持腕部の間に前記帯状品を挟み込んで支持する、ことを特徴とする。
【0007】
前記挿通孔と前記環状部と前記支持腕部は、前記帯状品の長手方向の一端部に対応する1セット、又は、前記帯状品の長手方向の両端部に対応する2セットが設けられてもよい。
【0008】
長手方向の一端部に前記支持腕部が設けられ、長手方向の他端部と中間部に係合部と被係合部が設けられた帯状部材を有し、前記帯状部材の前記係合部と前記被係合部を係合することにより前記環状部が形成され、前記帯状部材の前記支持腕部は、前記環状部の側方を通り抜けて、前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出してもよい。
【0009】
長手方向の両端部に係合部が設けられた帯状部材を有し、前記支持腕部は、前記帯状部材の長手方向の両端部に設けられた前記係合部を係合する被係合部を有し、前記帯状部材の長手方向の両端部に設けられた前記係合部を前記支持腕部の前記被係合部に係合することにより前記環状部が形成され、前記支持腕部は、前記環状部の側方を通り抜けて、前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出してもよい。
【0010】
前記支持腕部は、前記環状部を挿通するための挿通空間を有してもよい。
【0011】
各構成要素が紙材料から構成されてもよい。
【0012】
前記帯状品は、腕時計であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な構成で好適に帯状品を支持することができる帯状品の支持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る腕時計の陳列装置を示す第1の図である。
図2】第1実施形態に係る腕時計の陳列装置を示す第2の図である。
図3】第1実施形態に係る腕時計の陳列装置を示す第3の図である。
図4】第2実施形態に係る腕時計の陳列装置を示す第1の図である。
図5】第2実施形態に係る腕時計の陳列装置を示す第2の図である。
図6】第2実施形態に係る腕時計の陳列装置を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して、本実施形態の帯状品の支持装置について詳細に説明する。本実施形態では、帯状品として腕時計を採用した腕時計の支持装置を例示して説明する。「支持装置」は、「陳列装置」を含む概念で使用する(「陳列」は「支持」の一態様である)。
【0016】
図1A図1B図4A図4Bに示すように、腕時計の陳列装置(以下では単に陳列装置と呼ぶことがある)1による陳列対象となる腕時計10は、盤面部11と、盤面部11から六時側と十二時側に(互いに反対側に)延びるバンド部12とを有している。バンド部12の盤面部11と反対側の両端部が接続されずに開放された帯状品として、腕時計10が陳列装置1によって陳列(支持)される。バンド部12の一端部には係合棒13が形成されており、バンド部12の他端部には係合孔14が形成されている。腕時計10の使用時には、係合棒13と係合孔14を係合することによって、腕時計10が環状に維持されて、使用者の手首に巻き付けられる。なお、図1A図1B図4A図4Bでは、2つの係合孔14を例示的に描いているが、係合孔14の数には自由度があり、種々の設計変更が可能である。
【0017】
なお、本実施形態の帯状品の陳列装置による陳列対象(帯状品の支持装置による支持対象)は、腕時計に限定されず、任意の帯状品を適用することができる。例えば、陳列対象となる帯状品として、ネクタイやスカーフ、マフラー等の衣料品・装飾品、バンド部の両端部が開放された腕時計型のウェアラブル端末(腕時計としての機能の他に通話機能やメール機能、健康管理機能、電子決済機能等を搭載したいわゆるスマートウォッチ)を採用することができる。
【0018】
<第1実施形態>
図1図3は、第1実施形態に係る腕時計の陳列装置1を示す第1~第3の図である。
【0019】
陳列装置1は、載置面に載置される陳列基部(支持基部)20を有している。この陳列基部20は、底面部と背面部と一対の側面部を有する本体部21と、本体部21の底面部と背面部と一対の側面部の間に形成された円弧状の載置部22とを有している。円弧状の載置部22に、帯状品としての腕時計10が載置される。つまり、載置部22の中央部近傍に盤面部11が配置され、載置部22の両端部に向かってバンド部12がそれぞれ延びるようにして、腕時計10が載置部22に載置される。なお、図1A図1Bに示すように、陳列基部20をどのような姿勢で載置面に載置するかに応じて、本体部21の底面部と背面部が変動する(入れ替わる)。また、載置部22は必ずしも円弧状である必要はなく、載置部22が直線状(平面状)であってもよい。
【0020】
図2Aに示すように、陳列基部20(本体部21、載置部22)の内部は中空構造となっており、陳列基部20(本体部21、載置部22)の内部に腕時計10を支持するための構造体(後述する帯状部材30ないし環状部30X)が配置される。腕時計10を支持するための構造体(後述する帯状部材30ないし環状部30X)については、後に詳細に説明する。
【0021】
図1A図1B図2B図2Cに示すように、載置部22には、腕時計10の長手方向の両端部(バンド部12の両端部)に対応する位置に2つの挿通孔23が設けられる。2つの挿通孔23は、載置部22の長手方向に離間して、載置部22の短手方向に延びる長孔から構成されている。2つの挿通孔23は、同一形状を有している。なお、挿通孔は、腕時計10の長手方向の一端部(バンド部12の一端部)に対応する位置に1つだけ設けられていてもよいし、腕時計10の長手方向の任意の位置に対応するように1つ又は複数が設けられていてもよい。
【0022】
載置部22の挿通孔23の内外に亘って、腕時計10を載置部22(陳列基部20)に支持するための構造体が配置される。この構造体の展開図が図3Aに示される。図3Aに示すように、展開状態の構造体は、長手方向に延びる帯状部材30を構成している。
【0023】
帯状部材30の長手方向の一端部(図3A中の下端部)には、支持腕部31が設けられている。支持腕部31は、挿通孔23に挿通される一対の挿通腕部31Aと、一対の挿通腕部31Aの先端部を繋ぐようにこれと直交して延びる引張支持部31Bとを有している。一対の挿通腕部31Aと引張支持部31Bとの間には矩形の挿通空間31Cが形成されている。一対の挿通腕部31Aは、挿通孔23に微小クリアランス(最小クリアランス)で収まるように設定されている。引張支持部31Bの長さは、挿通孔23の長さよりも大きく設定されている。
【0024】
帯状部材30の長手方向の他端部(図3A中の上端部)には、係合爪部(係合部)32が設けられており、帯状部材30の長手方向の中間部(支持腕部31寄り)には、係合孔部(被係合部)33が設けられている。また、帯状部材30の長手方向の係合爪部32と係合孔部33の間には、帯状部材30の長手方向と直交する短手方向に延びる一対のストッパ突起34が設けられている。ストッパ突起34の幅は、支持腕部31の挿通空間31Cの幅よりも大きく設定されており、支持腕部31の一対の挿通腕部31Aに引っ掛かる(重なる)ように設定されている。
【0025】
帯状部材30を載置部22の挿通孔23の内外に亘って組み付ける工程は、以下の通りである。まず、載置部22の挿通孔23の外側から、帯状部材30の長手方向の他端部(図3A中の上端部)を挿入していくと、係合爪部32とストッパ突起34と係合孔部33が順に陳列基部20の内部に収容されていき、支持腕部31の挿通腕部31Aが挿通孔23の内部に位置し、且つ、挿通孔23の外側に引張支持部31Bが引っ掛かって位置規制された状態で挿入停止される。次いで、帯状部材30の長手方向の他端部(図3A中の上端部)を丸めて支持腕部31の挿通空間31Cを挿通させることにより反対側に渡した上で、係合爪部32を係合孔部33に係合させる。その際、ストッパ突起34を捩って挿通空間31Cを通過させてから、ストッパ突起34の捩りを元に戻す。すると、ストッパ突起34が支持腕部31の一対の挿通腕部31Aに引っ掛かる(重なる)とともに、ストッパ突起34が載置部22の裏面の挿通孔23の周辺部に当て付いて位置規制される。
【0026】
帯状部材30の長手方向の他端部を丸めて支持腕部31の挿通空間31Cを挿通させた上で、係合爪部32を係合孔部33に係合させることで、ストッパ突起34が支持腕部31の一対の挿通腕部31Aに引っ掛かって(重なって)位置規制された、最大拡径状態の環状部30Xが形成される。そして、載置部22の挿通孔23から飛び出した支持腕部31の引張支持部31Bを上方に引っ張る(持ち上げる)ことにより、環状部30Xが最大拡径状態から縮径し、引っ張った(持ち上げた)支持腕部31の引張支持部31Bを開放すると、環状部30Xが最大拡径状態に向かって拡径する。このように、環状部30Xは、載置部22の腕時計10と反対側の面において縮径及び拡径が可能となっている。図3Dは環状部30Xの最大拡径状態を描いており、図3Fは環状部30Xの最小縮径状態を描いており、図3Eは環状部30Xの中間径状態を描いている。さらに、支持腕部31の引張支持部31Bは、環状部30Xの任意の位置(例えば係合爪部32と係合孔部33の係合部)から挿通孔23を通って、載置部22の腕時計10の側の面まで突出している。
【0027】
別言すると、帯状部材30は、長手方向の一端部に支持腕部31(引張支持部31B)が設けられ、長手方向の他端部と中間部に係合爪部(係合部)32と係合孔部(被係合部)33が設けられている。そして、帯状部材30の係合爪部(係合部)32と係合孔部(被係合部)33を係合することにより環状部30Xが形成される。さらに、帯状部材30の支持腕部31(引張支持部31B)は、環状部30Xの側方を通り抜けて、挿通孔23を通って載置部22の腕時計10の側の面まで突出する。支持腕部31の挿通空間31Cは、環状部30Xを挿通するための機能を持つ。
【0028】
陳列装置1に腕時計10を陳列(支持)する際には、図2B図3Cに示すように、支持腕部31の引張支持部31Bを上方に引っ張る(持ち上げる)ことにより、環状部30Xを縮径させて載置部22から支持腕部31の引張支持部31Bを離間させた状態で、載置部22と支持腕部31の引張支持部31Bの間に腕時計10のバンド部12を位置させる。その後、図2C図3Bに示すように、引っ張った(持ち上げた)支持腕部31の引張支持部31Bを開放することにより、環状部30Xを拡径させて載置部22に支持腕部31の引張支持部31Bを接近させて、載置部22と支持腕部31の引張支持部31Bの間に腕時計10のバンド部12を挟み込んで支持する。以上の操作を、腕時計10の長手方向の両端部(バンド部12の両端部)の二箇所で実行する。
【0029】
図1図3の第1実施形態では、挿通孔23と環状部30Xと支持腕部31(引張支持部31B)のセットを、腕時計10の長手方向の両端部(バンド部12の両端部)に対応する2セット設けた場合を例示している。しかし、挿通孔23と環状部30Xと支持腕部31(引張支持部31B)のセットを、腕時計10の長手方向の一端部(バンド部12の一端部)に対応する1セットだけ設けてもよいし、腕時計10の長手方向の任意の位置に1セット又は複数セット設けてもよい。
【0030】
陳列基部20、帯状部材30(環状部30X)は、これらの各構成要素が紙材料から構成されている。陳列装置1を構成する紙材料には自由度があり、種々の設計変更が可能であるが、例えば、大王製紙株式会社製のエリプラ(登録商標)、elipla(登録商標)、エリプラ+(プラス)(登録商標)、エリプラペーパー(登録商標)等で使用される紙材料を採用することができる。これらの紙材料は、脱プラスチック、減プラスチックをコンセプトとして展開され、再生可能な紙原料を使用するとともに、本実施形態の陳列装置1を構成するのに好適な耐久性、円滑性、弾力性、形状保持性(形状記憶性)等を兼ね揃えている。
【0031】
<第2実施形態>
図4図6は、第2実施形態に係る腕時計の陳列装置1を示す第1~第3の図である。
【0032】
第2実施形態の陳列基部20は、第1実施形態の陳列基部20と基本的に同一の構成を有しているが、挿通孔23の形状が少しだけ異なっている。より具体的に、挿通孔23が、載置部22の短手方向に離間して長手方向に延びる一対の長孔から構成されており、この一対の長孔が、載置部22の長手方向に離間して2セット設けられている。
【0033】
載置部22の挿通孔23の内外に亘って、腕時計10を載置部22(陳列基部20)に支持するための構造体が配置される。この構造体の展開図が図6Aに示される。図6Aに示すように、展開状態の構造体は、長手方向に延びる帯状部材40と、支持腕部50とを有している。
【0034】
支持腕部50は、挿通孔23に挿通される一対の挿通腕部51と、一対の挿通腕部51の先端部を繋ぐようにこれと直交して延びる引張支持部52とを有している。一対の挿通腕部51は、挿通孔23に微小クリアランス(最小クリアランス)で収まるように設定されている。一対の挿通腕部51には、それぞれ、係合孔部(被係合部)53が形成されている。帯状部材40の両端部(図6A中の上下端部)には、係合爪部(係合部)41が形成されている。
【0035】
帯状部材40と支持腕部50を載置部22の挿通孔23の内外に亘って組み付ける工程は、以下の通りである。まず、載置部22の挿通孔23の外側から、支持腕部50の一対の挿通腕部51を挿入していくと、挿通腕部51が挿通孔23の内部に位置し、且つ、挿通孔23の外側(間)に引張支持部52が引っ掛かって位置規制された状態で挿入停止される。次いで、帯状部材40の長手方向の中間部を支持腕部50の一対の挿通腕部51の間に挿通して丸めた上で、帯状部材40の両端部の係合爪部41を支持腕部50の一対の挿通腕部51に形成された係合孔部53に係合する。すると、帯状部材40の長手方向の中間部が載置部22の裏面の挿通孔(一対の長孔)23の間に当て付いて位置規制される。これにより、最大拡径状態の環状部40Xが形成される。
【0036】
そして、載置部22の挿通孔23から飛び出した支持腕部50の引張支持部52を上方に引っ張る(持ち上げる)ことにより、環状部40Xが最大拡径状態から縮径し、引っ張った(持ち上げた)支持腕部50の引張支持部52を開放すると、環状部40Xが最大拡径状態に向かって拡径する。このように、環状部40Xは、載置部22の腕時計10と反対側の面において縮径及び拡径が可能となっている。図6Dは環状部40Xの最大拡径状態を描いており、図6Fは環状部40Xの最小縮径状態を描いており、図6Eは環状部40Xの中間径状態を描いている。さらに、支持腕部50の引張支持部52は、環状部40Xの任意の位置(例えば係合爪部41と係合孔部53の係合部)から挿通孔23を通って、載置部22の腕時計10の側の面まで突出している。
【0037】
別言すると、帯状部材40は、長手方向の両端部に係合爪部(係合部)41を有しており、支持腕部50の一対の挿通腕部51は、帯状部材40の長手方向の両端部に設けられた係合爪部(係合部)41を係合する係合孔部(被係合部)53を有している。また、帯状部材40の長手方向の両端部に設けられた係合爪部(係合部)41を、支持腕部50の一対の挿通腕部51の係合孔部(被係合部)53に係合することにより、環状部40Xが形成される。そして、支持腕部50の引張支持部52は、環状部40Xの側方を通り抜けて、挿通孔23を通って載置部22の腕時計10の側の面まで突出する。支持腕部50の一対の挿通腕部51の間は、環状部40Xを挿通するための挿通空間として規定される。
【0038】
陳列装置1に腕時計10を陳列(支持)する際には、図5B図6Cに示すように、支持腕部50の引張支持部52を上方に引っ張る(持ち上げる)ことにより、環状部40Xを縮径させて載置部22から支持腕部50の引張支持部52を離間させた状態で、載置部22と支持腕部50の引張支持部52の間に腕時計10のバンド部12を位置させる。その後、図5C図6Bに示すように、引っ張った(持ち上げた)支持腕部50の引張支持部52を開放することにより、環状部40Xを拡径させて載置部22に支持腕部50の引張支持部52を接近させて、載置部22と支持腕部50の引張支持部52の間に腕時計10のバンド部12を挟み込んで支持する。以上の操作を、腕時計10の長手方向の両端部(バンド部12の両端部)の二箇所で実行する。
【0039】
図4図6の第2実施形態では、挿通孔23と環状部40Xと支持腕部50(引張支持部52)のセットを、腕時計10の長手方向の両端部(バンド部12の両端部)に対応する2セット設けた場合を例示している。しかし、挿通孔23と環状部40Xと支持腕部50(引張支持部52)のセットを、腕時計10の長手方向の一端部(バンド部12の一端部)に対応する1セットだけ設けてもよいし、腕時計10の長手方向の任意の位置に1セット又は複数セット設けてもよい。
【0040】
図4図6の第2実施形態であっても、陳列基部20、帯状部材40(環状部40X)、及び、支持腕部50の各構成要素が紙材料から構成されている。紙材料の詳細については、図1図3の第1実施形態で述べたものと共通であるため、重複する説明を省略する。
【0041】
このように、本実施形態の帯状品の支持装置は、帯状品を載置する載置部と、帯状品の長手方向の任意の位置に対応するように載置部に設けられた挿通孔と、載置部の帯状品と反対側の面において縮径及び拡径が可能な環状部と、環状部の任意の位置から挿通孔を通って載置部の帯状品の側の面まで突出する支持腕部と、を有している。そして、環状部を縮径させて載置部から支持腕部を離間させた状態で、載置部と支持腕部の間に帯状品を位置させてから、環状部を拡径させて載置部に支持腕部を接近させることによって、載置部と支持腕部の間に帯状品を挟み込んで支持する。これにより、簡単な構成で好適に帯状品を支持することができる。
【0042】
さらに、本実施形態の帯状品の支持装置は、紙材料の組立により地域的・場所的な制限を取り払って簡単に製造することができる(現行品は製作可能な地域や場所が限られる)。また、再生可能材料である紙材料を使用することにより環境への配慮を図ることができる(現行品はスチールやプラスチック等を使用したものが多いため環境への配慮が不十分である)。また、紙材料を使用することで、スチールやプラスチック等を使用した現行品よりもコストメリットを図ることができる。
【0043】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【符号の説明】
【0044】
1 腕時計の陳列装置(帯状品の陳列装置、腕時計の支持装置、帯状品の支持装置)
10 腕時計(帯状品)
11 盤面部
12 バンド部
13 係合棒
14 係合孔
20 陳列基部(支持基部)
21 本体部
22 載置部
23 挿通孔
30 帯状部材
30X 環状部
31 支持腕部
31A 挿通腕部
31B 引張支持部
31C 挿通空間
32 係合爪部(係合部)
33 係合孔部(被係合部)
34 ストッパ突起
40 帯状部材
40X 環状部
41 係合爪部(係合部)
50 支持腕部
51 挿通腕部
52 引張支持部
53 係合孔部(被係合部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状品を載置する載置部と、前記帯状品の長手方向の任意の位置に対応するように前記載置部に設けられた挿通孔と、を有する支持基部と、
展開状態において、長手方向の一端部に挿通空間を有する支持腕部が設けられ、長手方向の他端部に係合部が設けられ、長手方向の中間部に被係合部が設けられた帯状部材と、
を有し、
前記帯状部材の前記他端部を丸めて前記挿通空間を挿通させた上で、前記帯状部材の前記係合部と前記被係合部を係合することにより、前記帯状部材が環状部を形成し、
前記挿通空間に前記環状部が挿通された前記支持腕部は、前記環状部の側方を通り抜けて、前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出し、
前記環状部は、前記載置部の前記帯状品と反対側の面において縮径及び拡径が可能であり、
前記環状部を縮径させて前記載置部から前記支持腕部を離間させた状態で、前記載置部と前記支持腕部の間の前記挿通空間に前記帯状品を位置させてから、前記環状部を拡径させて前記載置部に前記支持腕部を接近させることによって、前記載置部と前記支持腕部の間の前記挿通空間に前記帯状品を挟み込んで支持する、
ことを特徴とする帯状品の支持装置。
【請求項2】
帯状品を載置する載置部と、前記帯状品の長手方向の任意の位置に対応するように前記載置部に設けられた挿通孔と、を有する支持基部と、
展開状態において、長手方向の両端部に係合部が設けられた帯状部材と、
前記帯状部材の長手方向の両端部に設けられた前記係合部を係合する被係合部と、挿通空間とを有する支持腕部と、
を有し、
前記帯状部材を丸めて前記挿通空間を挿通させた上で、前記帯状部材の長手方向の両端部に設けられた前記係合部を前記支持腕部の前記被係合部に係合することにより、前記帯状部材が環状部を形成し、
前記挿通空間に前記環状部が挿通された前記支持腕部は、前記環状部の側方を通り抜けて、前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出し、
前記環状部は、前記載置部の前記帯状品と反対側の面において縮径及び拡径が可能であり、
前記環状部を縮径させて前記載置部から前記支持腕部を離間させた状態で、前記載置部と前記支持腕部の間の前記挿通空間に前記帯状品を位置させてから、前記環状部を拡径させて前記載置部に前記支持腕部を接近させることによって、前記載置部と前記支持腕部の間の前記挿通空間に前記帯状品を挟み込んで支持する、
ことを特徴とする帯状品の支持装置。
【請求項3】
前記挿通孔と前記環状部と前記支持腕部は、前記帯状品の長手方向の一端部に対応する1セット、又は、前記帯状品の長手方向の両端部に対応する2セットが設けられる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯状品の支持装置。
【請求項4】
各構成要素が紙材料から構成される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯状品の支持装置。
【請求項5】
前記帯状品は、腕時計である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯状品の支持装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本実施形態の帯状品の支持装置は、一態様では、帯状品を載置する載置部と、前記帯状品の長手方向の任意の位置に対応するように前記載置部に設けられた挿通孔と、を有する支持基部と、展開状態において、長手方向の一端部に挿通空間を有する支持腕部が設けられ、長手方向の他端部に係合部が設けられ、長手方向の中間部に被係合部が設けられた帯状部材と、を有し、前記帯状部材の前記他端部を丸めて前記挿通空間を挿通させた上で、前記帯状部材の前記係合部と前記被係合部を係合することにより、前記帯状部材が環状部を形成し、前記挿通空間に前記環状部が挿通された前記支持腕部は、前記環状部の側方を通り抜けて、前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出し、前記環状部は、前記載置部の前記帯状品と反対側の面において縮径及び拡径が可能であり、前記環状部を縮径させて前記載置部から前記支持腕部を離間させた状態で、前記載置部と前記支持腕部の間の前記挿通空間に前記帯状品を位置させてから、前記環状部を拡径させて前記載置部に前記支持腕部を接近させることによって、前記載置部と前記支持腕部の間の前記挿通空間に前記帯状品を挟み込んで支持する、ことを特徴とする。
本実施形態の帯状品の支持装置は、一態様では、帯状品を載置する載置部と、前記帯状品の長手方向の任意の位置に対応するように前記載置部に設けられた挿通孔と、を有する支持基部と、展開状態において、長手方向の両端部に係合部が設けられた帯状部材と、前記帯状部材の長手方向の両端部に設けられた前記係合部を係合する被係合部と、挿通空間とを有する支持腕部と、を有し、前記帯状部材を丸めて前記挿通空間を挿通させた上で、前記帯状部材の長手方向の両端部に設けられた前記係合部を前記支持腕部の前記被係合部に係合することにより、前記帯状部材が環状部を形成し、前記挿通空間に前記環状部が挿通された前記支持腕部は、前記環状部の側方を通り抜けて、前記挿通孔を通って前記載置部の前記帯状品の側の面まで突出し、前記環状部は、前記載置部の前記帯状品と反対側の面において縮径及び拡径が可能であり、前記環状部を縮径させて前記載置部から前記支持腕部を離間させた状態で、前記載置部と前記支持腕部の間の前記挿通空間に前記帯状品を位置させてから、前記環状部を拡径させて前記載置部に前記支持腕部を接近させることによって、前記載置部と前記支持腕部の間の前記挿通空間に前記帯状品を挟み込んで支持する、ことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】